JPH1148890A - エアバッグの折り畳み方法 - Google Patents

エアバッグの折り畳み方法

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JPH1148890A
JPH1148890A JP21892697A JP21892697A JPH1148890A JP H1148890 A JPH1148890 A JP H1148890A JP 21892697 A JP21892697 A JP 21892697A JP 21892697 A JP21892697 A JP 21892697A JP H1148890 A JPH1148890 A JP H1148890A
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JP
Japan
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airbag
winding
wound
winding body
gas generator
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JP21892697A
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Masaharu Kakiya
正晴 垣谷
Koji Asada
康治 浅田
Akibumi Hanawa
晃文 塙
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Autoliv Japan Ltd
Original Assignee
Autoliv Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 煩雑な膨張規制作用を用いなくても、同様の
効果が得られる簡便な方策を提供するものである。 【解決手段】 ガス発生器5から放出されるガスによっ
て展開される乗員保護装置用円形エアバッグの折り畳み
方法であって、円形エアバッグ1を、表側基布2が内側
になる様に、その中心部に向かって渦巻き状に巻き上げ
ると共に、渦巻き状に巻き上げられた巻上体を、更に裏
側基布3が外側になる様に、中心部に向かって渦巻き状
に巻き上げるものであり、これにより、渦巻き状に巻き
上げ、得られた巻上体を、更に角度を変えて渦巻き状に
巻き上げる事によって、エアバッグが元の状態に復元し
難くなし、これによって、展開初期の前方への過剰膨出
を防止する様にしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用用乗員保護
装置に使用されるエアバッグの折り畳み方法に関するも
ので、特にエアバッグの展開初期において、エアバッグ
の乗員方向への膨張を抑制する事により、エアバッグの
膨張力によって乗員が負傷するのを防止する様にしたエ
アバッグの折り畳み方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のエアバッグの典型的な構造は、図
8に示している様に、乗員側に位置する表側基布2とガ
ス発生器5を装着するガス発生器取付口3aを有する裏
側基布3とを重ね合わせ、両基布2,3の周縁部を縫製
線4により縫着して袋状に成形したものである。該エア
バッグ1の裏側基布3のガス発生器取付口3a内にはガ
ス発生器5が挿入され、該ガス発生器5のフランジ5b
と裏側基布3の前記開口部3aの周縁3bとを、ボルト
等の固定手段6によって固定している。
【0003】エアバッグ1は、ガス発生器5のガス放出
口5aから急速に放出される高圧ガスによって、乗員と
車体との間で極めて短時間で展開し、乗員と車体との衝
突を緩和するものである。ところで、エアバッグ1はエ
アバッグ装置内に折り畳まれて配置されているが、この
折り畳みは、エアバッグが展開時に容易に展開できる様
な折り畳み方式を選定するとの基本思想の元に折り畳ま
れているので、エアバッグの膨張展開時には、折り畳み
状態は急速に解放されて、エアバッグ1は、図中点線で
示す様に、先ず前方に急速に大きく膨張する傾向があ
る。この際に、エアバッグの先端部1aが乗員の顔面に
高速で衝突する所謂パンチング現象が生じる場合があ
り、これによって、乗員の顔面に擦過傷を与えたり、乗
員の体格が小さな場合には、乗員を激しく跳ね飛ばした
りする虞れすらある。
【0004】そこで、これを防止するため、図9に示す
様に、表側基布2の中央部適所と裏側基布3のガス発生
器取付口周縁3bとを、紐等の膨張規制部材9で連結し
て表側基布2の前方過剰展開を防止する方策が提案さ
れ、実施されている。
【0005】又、他の解決策として、特開平7−149
199号公報に代表される補助袋を用いる方式がある。
この方式は、図10に示す様に、エアバッグ1内の裏側
基布3の開口部3b近傍に、ガス発生器5を覆う程度の
適度の大きさの補助袋11を間欠的に縫着し、エアバッ
グ1の膨張展開時には、先ず、補助袋11が脹らみ、該
補助袋11の横方向に形成されたガス通路10(未縫着
部)からエアバッグ本体内にガスを放出する様にしたも
のであり、これによって、エアバッグ1には、展開時に
常時横方向の展開力が作用する様になし、エアバッグの
乗員方向への膨張を抑止する様にしたものである。
【0006】又、図10の方式に類似するものとして、
特開平8−11659号に示される補助袋を用いる方式
がある。この方式は、補助袋11自体にガス通路となる
開口を穿孔しておくもので、該開口部をガス発生器の直
上部を除く外周部に形成するものであるが、基本的な思
想は、図10のものと同一である。
【0007】更に、図10の改良方式として、特開平8
−192703号に示される補助袋を用いる方式があ
る。この方式は、前記補助袋11の周縁部全周を縫製す
る代わりに、内側にスリットを設けておくもので、ガス
発生時には、該スリットがガス通路となってエアバッグ
本体内にガスを供給するもので、基本的な思想は、図1
0のものと同一である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】係る従来技術におい
て、先ず図9に示した紐等の膨張規制部材9を用いる方
式においては、紐等を表側基布2及び裏側基布3の内面
に縫着する必要がある。このためには、内外基布2,3
を縫着した後に、これを裏返して前記膨張規制部材9の
縫製を行う作業が必要になり、従って、縫着作業が煩雑
になる事は避けられず、これが製作上の難点となってお
り同時に製作コストが嵩む大きな要因となっている。
【0009】又、図10に示した如き補助袋11を用い
る方式においては、ガス発生器5より多少大きい程度の
基布を、折り返しながら裏側基布3のガス発生器取付口
周縁部3bに断続的に縫着する必要があり、煩雑な縫着
作業が必要とされる点では変わらず、低価格化の潮流の
中では、採用し難い方式である。
【0010】又、特開平8−11659号に示される方
式では、予め補助袋11に或る程度の面積を有する開口
を穿孔しておき、この周縁部を裏側基布3に予め縫着し
た後に、この補助袋付き裏側基布3を表側基布2と縫着
する事が可能になるので、前記した煩雑な縫着作業は解
消されるが、補助袋11から噴出するガスは、或る程度
の面積を有する開口から噴出する事になるので、横方向
のベクトルと共に前方向(乗員方向)のベクトルが大き
くなり、前述の図10の方式に比して横展開力が小さく
なる問題があった。
【0011】又、特開平8−192703号に示される
方式は、補助袋に、開口に代わってスリットを形成した
ものであり、このエアバッグ展開初期の状態を図11に
示した様に、エアバッグ展開初期において、補助袋11
が先ず膨張し、補助袋11に形成されたスリット13は
開口し、該開口部からガスを外部に放出する様になって
いるが、図11から明らかな様に、スリットは斜め上方
に向かって開口する事になるので、ガスも斜め上方に向
かって放出される事になり、横方向展開力は、前記図1
0に示されたものに比して低下する問題があった。
【0012】いずれにしても、上記これらの方式は、表
側基布2と裏側基布3とを基本構成とするエアバッグに
他の膨張規制作用を有する部材を付設するものであるか
ら、部品点数は増え、コスト増は避けられないと言う基
本的な問題を有している。そこで、本発明は、係る煩雑
な膨張規制作用を用いなくても、同様の効果が得られる
簡便な方策を提供する事を目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであって、円形エアバッグの
表側基布が内側になる様に、表側基布の上面で中心部に
向かって渦巻き状に巻き上げると共に、該渦巻き状に巻
き上げられた巻上体を、更に裏側基布が外側になる様
に、該巻上体の巻き方向と交差する方向に、中心部に向
かって所定形状に渦巻き状に巻き上げる様にしたエアバ
ッグの折り畳み方法であり、これにより、渦巻き状に巻
き上げ、得られた巻上体を、更に角度を変えて渦巻き状
に巻き上げる事によって、エアバッグが元の状態に復元
し難くなし、これによって、展開初期の前方への過剰膨
出を防止する様にしている。
【0014】この渦巻き状に巻き上げる方式としては、
前記円形エアバッグの上下の円周端部或いは左右の円周
端部を夫々始点として、前記表側基布が内側になる様
に、中心部に向かって夫々ガス発生器の上部或いは側部
にまで、渦巻き状に巻き上げて長尺の中間巻上体を形成
し、該中間巻上体を、その両端部から前記裏側基布が外
側になる様に夫々中心部に向かって前記ガス発生器の上
部又は側部にまで、渦巻き状に巻き上げる方法が最も簡
便な方法である。
【0015】更に、前記円形エアバッグの任意の円周端
部より、前記表側基布が内側となる様に、中心部に向か
って所定量巻き上げて第一巻上体を形成し、続いてその
隣接部を同様に所定量巻き上げて該第一巻上体の端部を
巻き込んだ第二巻上体を形成し、更に該第二巻上体の隣
接部を同様に所定量巻き上げて該第二巻上体の端部を巻
き込んだ第三巻上体を形成し、順次同様にして前記エア
バッグの全ての円周部が渦巻き状に中心部に向かって巻
き上げる様にする方法もある。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面によって本発明の実施
の形態を説明する。図1,2は、本発明に係るエアバッ
グの代表的な折り畳み方法を示す折り畳み工程図であ
り、図1(A)〜(K)はエアバッグ1の上下部からの
折り畳み工程を示した平面図とその断面図であり、図2
(A)〜(G)は、その左右の折り畳み工程を示した平
面図とその断面である。図1において(A)は、折り畳
まれる前のエアバッグ1を示しており、エアバッグ1は
ガス発生器5と共にリテーナにリテーナリング7によっ
て固着されているが、断面図では、エアバッグの折り畳
み状態のみを示しており、ガス発生器5とリテーナリン
グ7とは、共に省略されている。以下の図面においても
同様である。
【0017】先ず、図1(B)に示す様にエアバッグ1
の上端部、即ちエアバッグ1の裏側基布に形成されてい
るベントホール14が形成されている側の先端部21か
ら、表側基布2が内側になる様に表側基布2の上に該先
端部21を折り込み、続いて図(C)〜(E)に示す様
に順次渦巻き状に巻き上げて行き、最後は図(F)に示
す様に上側巻上体22がガス発生器5の上部に位置する
様に巻き上げて行く。続いて図(G)に示す様に、エア
バッグ1の下側端部23を、表側基布2が内側になる様
に表側基布2の上に折り込み、以下図(H)〜(J)に
示す様に、同様にして渦巻き状に巻き上げ、最後は、図
(K)に示す様に、下側巻上体24が前記ガス発生器5
の上部に位置する様に巻き上げて、前記上側巻上体22
と下側巻上体24とが隣接して平行に並んだ長尺の中間
巻上体20を形成する。
【0018】次に、図2(A)は、前記図1(K)に示
した中間巻上体20の側面図を示すもので、左右の巻き
上げを開始する前の状態を示しており、便宜上図1
(K)の左側を上に右側を下に示している。先ず、同図
(B)に示す様に前記中間巻上体20の左側の端部25
を、前述の場合と同様に裏側基布3が外側になる様に表
側に折り込み、続いて同図(C)に示す様に更に渦巻き
上に巻き上げ、同図(D)に示す様に、左側巻上体26
がガス発生器5の上部に位置するまで、巻き上げ工程を
続行する。次に、同図(E)〜(G)に示す様に、同様
に前記中間巻上体20の右側端部27を表側に折り返し
て渦巻き状に巻き上げて、右側巻上体28が前記ガス発
生器5の上部に位置するまで巻き上げ、これによってエ
アバッグの折り畳みを完了する。
【0019】エアバッグ1が折り畳まれた最終状態は、
同図(G)に示している様に、渦巻き状に巻かれた左側
巻上体26と右側巻上体28とが、共にガス発生器5の
上部に、その中心線Xに対して左右に2等分された状態
で位置している。尚、本例では、エアバッグの上下部分
を先に巻き上げ、次に、左右部分を巻き上げる方式を示
したが、先に左右部分を巻き上げ、次に、上下部分を巻
き上げる様にしても、折り畳み方式は全く同じである。
これによる相違は、ガス発生器5上に左右に巻上体が位
置している場合には、エアバッグの展開初期において、
該2つの巻上体が左右に離れる方向に膨張を開始し、こ
の時の左右展開力によってバッグカバーを開裂させる
が、前記2つの巻上体がガス発生器5上に上下に位置し
ている場合には、エアバッグ展開初期には、該巻上体が
上下に離れる方向に膨張を開始し、この時の上下展開力
によってバッグカバーを開裂させる事になる。バッグカ
バーの破断溝が横方向に形成され、バッグカバーは上下
に開裂する方式が一般的であるので、前記巻上体も上下
に位置させ、展開初期に上下方向に離れる方向の力を作
用させるのが好ましい場合もあるが、エアバッグの展開
力とバッグカバーの破断に必要な力との関係で、前記巻
上体を上下に位置させるか左右に位置させるかは、適宜
選択すればよい。又、本実施例は、全体を略正四角形に
折り畳んでいるので、通常の4本スポークのステアリン
グホイールに装着されるエアバッグの折り畳み方法とし
て推奨される方法の1つである。
【0020】次に、上記の如く渦巻き状に巻き上げられ
たエアバッグの展開状態について、図3によって説明す
る。図3は、本発明に従って渦巻き状に巻き上げられた
エアバッグ1の展開初期の状態を示す断面概念図であ
り、展開前は、エアバッグ1は上述の如く折り畳まれて
リテーナリング7によって、ガス発生器5と共にリテー
ナ15に装着され、その上面を覆う様にバッグカバー1
7が常法に従って配置されている。車両の衝突が検知さ
れてガス発生器5が作動すると、ガス発生器5のガス放
出孔5aから高圧ガスがエアバッグ1内に噴出し、エア
バッグ1は膨張を開始する。その膨張力によってバッグ
カバー17を、その中央の破断線17aに沿って開裂
し、エアバッグ1はバッグカバー17から膨出して展開
を開始する。
【0021】ところが、エアバッグは前述の通り渦巻き
状に巻かれた巻上体が、更に渦巻き状に巻き上げられて
いるので、展開初期においては、表側基布2と裏側基布
3との間に、渦巻き部Sを、図中矢印a,bで示す様に
上下方向に引っ張って該渦巻きを解いて更に膨張しよう
とする力が作用する事になるが、該渦巻き部Sにおける
両基布2,3の摩擦抵抗によって容易には解けず、従っ
て、エアバッグ1の円滑な展開は阻害された状態とな
る。同時に、前記巻上体の巻方向が交差している事か
ら、展開初期には、この交差部では表裏基布が絡み合っ
て円滑な膨張を更に阻害する事になる。加えて、該渦巻
き部Sは、展開している表側基布2と裏側基布3の外側
に位置する事になるので、該渦巻き部Sは、エアバッグ
内からガス圧Pによって圧縮される作用を受けるので、
該渦巻き部Sは一層解け難くなり、エアバッグの前方展
開は大きく規制される事になる。
【0022】この結果、エアバッグ1は、その円周方向
の全周或いは各所に存在する渦巻き部Sによって展開抵
抗を受ける事になるので、その抵抗に抗しつつ徐々に渦
巻きを解いて横方向に展開しつつ、この渦巻きの解かれ
た部分から順次前方方向に膨張する事になる。従って、
エアバッグ1の前方方向への急激な膨張は阻止され、横
方向の展開(渦巻きの解除)が先行し、渦巻きの解除に
よる横方向展開が終了して初めて前後方向の完全展開が
可能となるので、前述の如きエアバッグの展開初期にお
ける前記パンチング現象は防止される事になる。
【0023】尚、本発明では前記渦巻きが表側基布2が
内側になる様に表側基布側に巻き上げているが、これと
逆方向に、内側基布2が外側を向く様に裏側基布側に巻
き上げていく方式も考えられるが、この場合には、図4
に展開初期の状態を示している様に、渦巻き部Sは、表
側基布2の展開力によって図中矢印cで示した方向の力
を受ける事になるので、本発明の巻き方向に比べて渦巻
き部Sは解け易く、しかも、前方展開が先行するおそれ
があるので、前記パンチング現象防止の効果に劣る事に
なる。
【0024】上記実施例においては、図1(K)に示す
様に、巻上体22,24をガス発生器5の上部に位置す
るまで渦巻き状に巻き上げているが、近年のガス発生器
5の小型化に伴い、エアバッグモジュール内には、余裕
の空間が生成する傾向にあるので、前記巻上体22,2
4は、ガス発生器5の上部にまで巻き上げるのではな
く、図5に示す様にガス発生器5の側部にまで巻き上げ
た巻上体22’,24’となす事も可能である。尚、該
巻上体22’,24’は、前述の通り両端部からガス発
生器5の上部にまで渦巻き状に巻き上げる事になる。
【0025】次に、図6(1),図6(2)において、
(A)〜(V)は、本発明の他の方法を示す工程図であ
り、前記図1,2には、エアバッグを上下方向と左右方
向に分けて夫々を渦巻き状に巻き上げる方式を示した
が、図5は、エアバッグの円周方向に沿って順次渦巻き
状に巻き上げる方式を示している。尚、同図(A)〜
(V)には、図1,2と同様に、各工程におけるエアバ
ッグの平面図と断面図を夫々示しており、同一部品は同
一符号を示している。
【0026】同図において、図(A)はエアバッグ1の
折り畳み前の状態を示しており、図(B)に示す様に、
先ずエアバッグ1の円周上の任意の部分の円周端部31
を、前述の場合と同様に表側基布2が内側になる様に表
側基布2の上に折り曲げ、これを起点にして、図
(C),(D)に示す様に所定位置まで順次渦巻き状に
巻き上げて第一巻上体32を形成する。次に、該第一巻
上体32に隣接する部位の円周端部33を起点として、
図(E)〜(G)に示す様に同様の要領で渦巻き状に巻
き上げて第二巻上体34を形成する。この際に、第二巻
上体34は前記第一巻上体32の端部32aを巻き込む
様にしている。次に、同様に該第二巻上体34に隣接す
る部位の円周端部35を起点として、図(H)〜(J)
に示す様に、同様の要領で渦巻き状に巻き上げて第三巻
上体36を形成する。この際に、第三巻上体36は、前
記第二巻上体34の端部34aを巻き込む様にしてい
る。続いて同様に、該第三巻上体36に隣接する部位の
円周端部37を起点として図(K)〜(N)に示す様
に、同様の要領で渦巻き状に巻き上げて第四巻上体38
を形成する。この際に、第四巻上体38は、隣接する前
記第三巻上体36の端部36aと前記第一巻上体32の
他方の端部32bとを巻き込む様にしている。この様に
して、エアバッグを四方向の端部から渦巻き状に巻き上
げて4つの巻上体32,34,36,38からなる略正
四角形の中間巻上体39を形成する。
【0027】次に、図(O)〜(P)に示す様に、前記
4つの巻上体の内の1つ(図では第四巻上体38)を更
に同様にエアバッグの中心に向かって巻き上げ、図
(P)に示す様に、前述の場合と同様に、前記ガス発生
器5の上部に巻上体が位置する様に巻き上げて第五巻上
体40を形成する。続いて、対向位置にある第二巻上体
34を、図(Q),(R)に示す様に、同様にして前記
ガス発生器5の上部に巻上体が位置する様に巻き上げて
第六巻上体41を形成し、両巻上体40,41によって
略長方形の長尺の中間巻上体42を形成する。
【0028】次に、図(S),(T)に示す様に、該中
間巻上体42の一方の端部43を、表側に折り込んで、
前述の場合と同様に渦巻き状に巻き上げ、最終巻上体4
4が前記ガス発生器5の上部に位置する様に巻き上げ
る。続いて図(S),(T)に示す様に、前記中間巻上
体42の他端部45を表側に折り込んで、同様に渦巻き
状に巻き上げ、最終巻上体46が前記巻上体44と共に
前記ガス発生器5の上部に位置する様に巻き上げて、エ
アバッグの折り畳みを完了する。
【0029】本実施例の如く、エアバッグ1の上下左右
の四方向から渦巻き状に巻き上げる事により、この過程
で形成される第一〜第四巻上体32,34,36,38
は、互いに隣接する各巻上体の端部を巻き込んでいるの
で、エアバッグの展開過程においては、各端部の巻き込
み部が展開抵抗となって、エアバッグの急速展開を阻止
すると共に、展開順序は、この折り畳み順序の逆になる
ので、全体が順次横方向に展開しつつ前方に展開する事
になり、エアバッグ展開初期における前記パンチング現
象を確実に防止する事が可能となる。尚、本実施例は、
全体を略正四角形に折り畳んでいるので、通常の4本ス
ポークのステアリングホイールに装着されるエアバッグ
の折り畳み方法として推奨される方法の1つである。
【0030】次に、図7(1),図7(2)は、本発明
の他の実施例を示す折り畳み工程図であって特に3本ス
ポークのステアリングホイールに装着されるエアバッグ
に最適の折り畳み方式を示しており、各工程を前述の場
合と同様に平面図と断面図によって示している。同図
(A)は、折り畳み前の状態を示している。先ず、同図
(B)〜(D)に示す様に、円形エアバッグ1の適所の
周縁部51を、表側基布2が内側となる様に折り返し、
これを起点として、エアバッグの中心部に向かって前述
の場合と同様に所定量渦巻き状に巻き上げて第一巻上体
52を形成する。続いて同図(E)〜(G)に示す様
に、エアバッグ1の他の適所の円周端53を表側基布2
側に折り曲げ、これを起点として、同様に適当量渦巻き
状に巻き上げて第二巻上体54を形成する。この際に、
前記第一巻上体52の一端部52aが該第二巻上体54
に巻き込まれている。次に、図(H)〜(J)に示す様
に、両巻上体52,54の交点を2等分する線分上の円
周端部55を表側に折り返し、これを起点として、同様
に適当量渦巻き状に巻き上げて第三巻上体56を形成す
る。この際に、前記第一巻上体52の他端部52bと前
記第二巻上体54の一端部54aが、共に該第三巻上体
56に巻き込まれている。この様にして、略三角形の中
間巻上体57を形成する。
【0031】次に、同図(K)〜(M)に示す様に、該
中間巻上体57の頂点の部分に突出する巻上体の耳部5
8(図では第二巻上体54の耳部)を表側に折り込ん
で、この頂部から前記第一巻上体52と第二巻上体54
とを巻き込んで、最終巻上体となる第四巻上体59が、
ガス発生器5の上部に位置する様に巻き上げる。続いて
同図(N),(O)に示す様に、前記第三巻上体56の
両端耳部60,61を夫々表側に折り込んで3本スポー
クのステアリングホイールに適した所定の台形状の折り
畳み体を形成し、エアバッグの折り畳みを完了する。
【0032】上記図6,7に示した方法で折り畳まれた
エアバッグの展開時の挙動は、前記図3に示したものと
同様であり、エアバッグの展開初期において、各巻上体
が端部で絡み合った状態となっているので、エアバッグ
の円滑な展開は阻害されて、エアバッグは横方向に、前
記渦巻き状の巻上体を、該巻上体による大きな展開抵抗
に抗して、順次これを解きながら前方に展開する事にな
るので、該渦巻き状の巻上体が全て解かれた時には、エ
アバッグは横方向の展開を終えているので、従来の如き
前方に異常展開するパンチング現象が生じる事はない。
【0033】尚、以上の説明において、エアバッグの円
周方向の2〜4ケ所から渦巻き状に巻き上げる方式を例
示したが、本発明はこれに限定されることなく、6ケ所
或いは8ケ所等の多くの周縁部から、順次所定量ずつ巻
き上げて全体を最終的に要求される台形或いは正四角形
に折り畳む事も可能である。
【0034】又、図6(R)に示した第五巻上体40及
び第六巻上体41を、図5に示した例と同様に、ガス発
生器5の上部にまで巻き上げるのではなく、側部にまで
巻き上げて、両巻上体40,41をガス発生器5を挟ん
で平行な巻上体となし、両巻上体40,41からなる中
間巻上体42の両端部から中心部に向かって、ガス発生
器5の上部にまで巻き上げる方式も可能である。
【0035】又、図示したエアバッグは、表側基布2と
裏側基布3とからなる最も単純な形状のエアバッグを例
示しているが、図10或いは図11に示した如き補助袋
(内側布)11を有するエアバッグと併用し、特に、図
11に示したスリット13を形成したもの或いはガス通
路用の開口を予め穿孔してなる補助袋を用いるエアバッ
グに本発明を適用する事により、これら従来のエアバッ
グの有する欠点即ち、前方展開の抑制力不足を、本発明
の折り畳み方法で解消する事も可能である。即ち、表側
基布2と裏側基布3との間に内側布11を配置し、該内
側布11を前記裏側基布3に同心円状に周縁部を縫着
し、該内側布11には、該内側布の内側から外側にガス
を流通させるガス孔が形成されている様なエアバッグに
おいても、前記ガス孔が、前方に向いてエアバッグの前
方膨出規制が不十分なものにおいても、本発明を適用す
る事により、その欠点を容易に解消すると共に、所期の
目的を達成する事が可能となる。
【0036】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明は、エアバッ
グ展開初期に於けるパンチング現象を防止する方策とし
て、従来の様に膨張規制部材や補助袋の如き表裏基布と
は別に他の部材を用いてエアバッグを前方に突出膨張す
るのを防止するものではなく、エアバッグの展開時に、
展開し難い様な折り畳み方を採用する事によって、展開
初期における異常な前方展開を抑止する様にしているの
で、各種前方展開規制部材が不要となり、単純な構造の
エアバッグで、前記パンチング現象を容易に解決できる
事になり、エアバッグのコストダウが図られる。
【0037】又、従来のエアバッグの折り畳み方式は、
エアバッグが容易に展開できる様に蛇腹状に折り返しな
がら折り畳む方式が一般的であるが、この場合には、上
下左右への折り返しが繰り返されるため、折り畳み作業
が煩雑であったが、本発明では、常に中心部に向かって
巻き上げるだけの作業であるので、折り畳み作業も単純
化される効果も期待される。
【0038】又、渦巻き状に巻き上げるに当り、巻き上
げ工程の途中で形成される複数の巻上体が、角度を変え
て巻き上げられる他の渦巻き状の巻上体に巻き込まれて
いるので、エアバッグの膨張時には、この巻き込まれて
いる部分が絡まってエアバッグの急速展開を一層抑制す
る事になり、エアバッグの前方急速展開が、確実に防止
される事になる。
【0039】更に、ポール衝突等の衝突の大きな割りに
は加速度センサの応答が遅い様な衝突においては、乗員
は衝突時の慣性力によって急速にエアバッグ装置に向か
って移動してくるが、これに向かってエアバッグを急速
に展開させた場合には、乗員に大きな衝撃力を与えて乗
員に傷害を与えるおそれがあったが、本発明の方法によ
り折り畳まれたエアバッグでは、展開速度が比較的緩や
かであるので、穏やかに乗員を受け止める事が可能とな
る等の、副次的な効果も期待できる。
【0040】又、従来提案されている補助袋を用いる方
式に本発明を適用すると、本発明によるエアバッグの展
開速度規制効果と補助袋による横方向展開促進効果とが
相まって、前述の如き補助袋の有する欠点が解消される
と共に、エアバッグの安全性を一層確実なものとする事
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエアバッグの折り畳み方法の一実
施例を示す折り畳み工程の前工程図である。
【図2】図1の工程の後工程図である。
【図3】本発明に係るエアバッグの展開状態を示す断面
概念図である。
【図4】比較例のエアバッグの展開状態を示す断面概念
図である。
【図5】本発明に係るエアバッグの折り畳み方法の他の
例を示す断面図である。
【図6(1)】本発明に係るエアバッグの折り畳み方法
の更に他の例を示す工程図である。
【図6(2)】本発明に係るエアバッグの折り畳み方法
の図6(1)の工程に続く工程図である。
【図7(1)】本発明に係るエアバッグの折り畳み方法
の更に他の例を示す工程図である。
【図7(2)】本発明に係るエアバッグの折り畳み方法
の図7(1)の工程に続く工程図である。
【図8】従来のエアバッグの展開状態を示す概念図であ
る。
【図9】従来の前方展開規制部材を用いたエアバッグの
展開状態を示す概念図である。
【図10】従来の補助袋を用いたエアバッグの展開状態
を示す概念図である。
【図11】従来の他の補助袋を用いたエアバッグの展開
状態を示す概念図である。
【符号の説明】
1 エアバッグ 2 表側基布 3 裏側基布 4 表側基布と裏側基布の縫製線 5 ガス発生器
【手続補正書】
【提出日】平成9年9月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 エアバッグの折り畳み方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用乗員保護装
置に使用されるエアバッグの折り畳み方法に関するもの
で、特にエアバッグの展開初期において、エアバッグの
乗員方向への膨張を抑制する事により、エアバッグの膨
張力によって乗員が負傷するのを防止する様にしたエア
バッグの折り畳み方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のエアバッグの典型的な構造は、図
8に示している様に、乗員側に位置する表側基布2とガ
ス発生器5を装着するガス発生器取付口3aを有する裏
側基布3とを重ね合わせ、両基布2,3の周縁部を縫製
線4により縫着して袋状に成形したものである。該エア
バッグ1の裏側基布3のガス発生器取付口3a内にはガ
ス発生器5が挿入され、該ガス発生器5のフランジ5b
と裏側基布3の前記開口部3aの周縁3bとを、ボルト
等の固定手段6によって固定している。
【0003】エアバッグ1は、ガス発生器5のガス放出
口5aから急速に放出される高圧ガスによって、乗員と
車体との間で極めて短時間で展開し、乗員と車体との衝
突を緩和するものである。ところで、エアバッグ1はエ
アバッグ装置内に折り畳まれて配置されているが、この
折り畳みは、エアバッグが展開時に容易に展開できる様
な折り畳み方式を選定するとの基本思想の元に折り畳ま
れているので、エアバッグの膨張展開時には、折り畳み
状態は急速に解放されて、エアバッグ1は、図中点線で
示す様に、先ず前方に急速に大きく膨張する傾向があ
る。この際に、エアバッグの先端部1aが乗員の顔面に
高速で衝突する所謂パンチング現象が生じる場合があ
り、これによって、乗員の顔面に擦過傷を与えたり、乗
員の体格が小さな場合には、乗員を激しく跳ね飛ばした
りする虞れすらある。
【0004】そこで、これを防止するため、図9に示す
様に、表側基布2の中央部適所と裏側基布3のガス発生
器取付口周縁3bとを、紐等の膨張規制部材9で連結し
て表側基布2の前方過剰展開を防止する方策が提案さ
れ、実施されている。
【0005】又、他の解決策として、特開平7−149
199号公報に代表される補助袋を用いる方式がある。
この方式は、図10に示す様に、エアバッグ1内の裏側
基布3の開口部近傍3b近傍に、ガス発生器5を覆う程
度の適度の大きさの補助袋11を間欠的に縫着し、エア
バッグ1の膨張展開時には、先ず、補助袋11が脹ら
み、該補助袋11の横方向に形成されたガス通路10
(未縫着部)からエアバッグ本体内にガスを放出する様
にしたものであり、これによって、エアバッグ1には、
展開時に常時横方向の展開力が作用する様になし、エア
バッグの乗員方向への膨張を抑止する様にしたものであ
る。
【0006】又、図10の方式に類似するものとして、
特開平8−11659号に示される補助袋を用いる方式
がある。この方式は、補助袋11自体にガス通路となる
開口を穿孔しておくもので、該開口部をガス発生器の直
上部を除く外周部に形成するものであるが、基本的な思
想は、図10のものと同一である。
【0007】更に、図10の改良方式として、特開平8
−192703号に示される補助袋を用いる方式があ
る。この方式は、前記補助袋11の周縁部全周を縫製す
る代わりに、内側にスリットを設けておくもので、ガス
発生時には、該スリットがガス通路となってエアバッグ
本体内にガスを供給するもので、基本的な思想は、図1
0のものと同一である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】係る従来技術におい
て、先ず図9に示した紐等の膨張規制部材9を用いる方
式においては、紐等を表側基布2及び裏側基布3の内面
に縫着する必要がある。このためには、内外基布2,3
を縫着した後に、これを裏返して前記膨張規制部材9の
縫製を行う作業が必要になり、従って、縫着作業が煩雑
になる事は避けられず、これが製作上の難点となってお
り同時に製作コストが嵩む大きな要因となっている。
【0009】又、図10に示した如き補助袋11を用い
る方式においては、ガス発生器5より多少大きい程度の
基布を、折り返しながら裏側基布3のガス発生器取付口
周縁部3bに断続的に縫着する必要があり、煩雑な縫着
作業が必要とされる点では変わらず、低価格化の潮流の
中では、採用し難い方式である。
【0010】又、特開平8−11659号に示される方
式では、予め補助袋11に或る程度の面積を有する開口
を穿孔しておき、この周縁部を裏側基布3に予め縫着し
た後に、この補助袋付き裏側基布3を表側基布2と縫着
する事が可能になるので、前記した煩雑な縫着作業は解
消されるが、補助袋11から噴出するガスは、或る程度
の面積を有する開口から噴出する事になるので、横方向
のベクトルと共に前方向(乗員方向)のベクトルが大き
くなり、前述の図10の方式に比して横展開力が小さく
なる問題があった。
【0011】又、特開平8−192703号に示される
方式は、補助袋に、開口に代わってスリットを形成した
ものであり、このエアバッグ展開初期の状態を図11に
示した様に、エアバッグ展開初期において、補助袋11
が先ず膨張し、補助袋11に形成されたスリット13は
開口し、該開口部からガスを外部に放出する様になって
いるが、図11から明らかな様に、スリットは斜め上方
に向かって開口する事になるので、ガスも斜め上方に向
かって放出される事になり、横方向展開力は、前記図1
0に示されたものに比して低下する問題があった。
【0012】いずれにしても、上記これらの方式は、表
側基布2と裏側基布3とを基本構成とするエアバッグに
他の膨張規制作用を有する部材を付設するものであるか
ら、部品点数は増え、コスト増は避けられないと言う基
本的な問題を有している。そこで、本発明は、係る煩雑
な膨張規制作用を用いなくても、同様の効果が得られる
簡便な方策を提供する事を目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであって、円形状エアバッグ
の表側基布が内側になる様に、表側基布の上面で中心部
に向かって渦巻き状に巻き上げると共に、該渦巻き状に
巻き上げられた巻上体を、更に裏側基布が外側になる様
に、該巻上体の巻き方向と交差する方向に、中心部に向
かって所定形状に渦巻き状に巻き上げる様にしたエアバ
ッグの折り畳み方法であり、これによって、渦巻き状に
巻き上げられた巻糸体を、更に角度を変えて渦巻き状に
巻き上げる事により、エアバッグが元の状態に復元し難
いような折り畳み方法となして展開初期の前方への過剰
膨出を防止する様にしている。
【0014】この渦巻き状に巻き上げる方式としては、
前記円形エアバッグの上下の円周端部或いは左右の円周
端部を夫々始点として、前記表側基布が内側になる様
に、中心部に向かって夫々ガス発生器の上部或いは側部
にまで、渦巻き状に巻き上げて長尺の中間巻上体を形成
し、該中間巻上体を、その両端部から前記裏側基布が外
側になる様に夫々中心部に向かって前記ガス発生器の上
部又は側部にまで、渦巻き状に巻き上げる方法が最も簡
便な方法である。
【0015】更に、前記円形エアバッグの任意の円周端
部より、前記表側基布が内側となる様に、中心部に向か
って所定量巻き上げて第一巻上体を形成し、続いてその
隣接部を同様に所定量巻き上げて該第一巻上体の端部を
巻き込んだ第二巻上体を形成し、更に該第二巻上体の隣
接部を同様に所定量巻き上げて該第二巻上体の端部を巻
き込んだ第三巻上体を形成し、順次同様にして前記エア
バッグの全ての円周部が渦巻き状に中心部に向かって巻
き上げる様にする方法もある。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面によって本発明の実施
の形態を説明する。図1,2は、本発明に係るエアバッ
グの代表的な折り畳み方法を示す折り畳み工程図であ
り、図1(A)〜(K)はエアバッグ1の上下部からの
折り畳み工程を示した平面図とその断面図であり、図2
(A)〜(G)は、その左右の折り畳み工程を示した平
面図とその断面である。図1において(A)は、折り畳
まれる前のエアバッグ1を示しており、エアバッグ1は
ガス発生器5と共にリテーナにリテーナリング7によっ
て固着されているが、断面図では、エアバッグの折り畳
み状態のみを示しており、ガス発生器5とリテーナリン
グ7とは、共に省略されている。以下の図面においても
同様である。
【0017】先ず、図1(B)に示す様にエアバッグ1
の上端部、即ちエアバッグ1の裏側基布に形成されてい
るベントホール14が形成されている側の先端部21か
ら、表側基布3の内側になる様に表側基布2の上に該先
端部21を折り込み、続いて図(C)〜(E)に示す
に、順次渦巻き状に巻き上げて行き、最後は図(F)に
示す様に上側巻上体22がガス発生器5の上部に位置す
る様に巻き上げて行く。続いて図(G)に示す様に、エ
アバッグ1の下側端部23を、表側基布2が内側になる
様に表側基布2の上に折り込み、以下図(H)〜(J)
に示す様に、同様にして渦巻き状に巻き上げ、最後は、
図(K)に示す様に、下側巻上体24が前記ガス発生器
5の上部に位置する様に巻き上げて、前記上側巻上体2
2と下側巻上体24とが隣接して平行に並んだ長尺の中
間巻上体20を形成する。
【0018】次に、図2(A)は、前記図1(K)に示
した中間巻上体20の上面図及び側面図を示すもので、
左右の巻き上げを開始する前の状態を示しており、便宜
上図1(K)の左側を上に右側を下に示している。先
ず、同図(B)に示す様に前記中間巻上体20の左側の
端部25を、前述の場合と同様に裏側基布3が外側にな
る様に表側に折り込み、続いて同図(C)に示す様に更
に渦巻き上に巻き上げ、同図(D)に示す様に、左側巻
上体26がガス発生器5の上部に位置するまで、巻き上
げ工程を続行する。次に、同図(E)〜(G)に示す様
に、同様に前記中間巻上体20の右側端部27を表側に
折り返して渦巻き状に巻き上げて、右側巻上体28が前
記ガス発生器5の上部に位置するまで巻き上げ、これに
よってエアバッグの折り畳みを完了する。
【0019】エアバッグ1が折り畳まれた最終状態は、
同図(G)に示している様に、渦巻き状に巻かれた左側
巻上体26と右側巻上体28とが、共にガス発生器5の
上部に、その中心線に対して左右に2等分された状態で
位置している。尚、本例では、エアバッグの上下部分を
先に巻き上げ、次に、左右部分を巻き上げる方式を示し
たが、先に左右部分を巻き上げ、次に、上下部分を巻き
上げる様にしても、折り畳み方式は全く同じである。こ
れによる相違は、ガス発生器5上に左右に巻上体が位置
している場合には、エアバッグの展開初期において、該
2つの巻上体が左右に離れる方向に膨張を開始し、この
時の左右展開力によってバッグカバーを開裂させるが、
前記2つの巻上体がガス発生器5上に上下に位置してい
る場合には、エアバッグ展開初期には、該巻上体が上下
に離れる方向に膨張を開始し、この時の上下展開力によ
ってバッグカバーを開裂させる事になる。バッグカバー
の破断溝が横方向に形成され、バッグカバーは上下に開
裂する方式が一般的であるので、前記巻上体も上下に位
置させ、展開初期に上下方向に離れる方向の力を作用さ
せるのが好ましい場合もあるが、エアバッグの展開力と
バッグカバーの破断に必要な力との関係で、前記巻上体
を上下に位置させるか左右に位置させるかは、適宜選択
すればよい。又、本実施例は、全体を略正四角形に折り
畳んでいるので、通常の4本スポークのステアリングホ
イールに装着されるエアバッグの折り畳み方法として推
奨される方法の1つである。
【0020】次に、上記の如く渦巻き状に巻き上げられ
たエアバッグの展開状態について、図3によって説明す
る。図3は、本発明に従って渦巻き状に巻き上げられた
エアバッグ1の展開初期の状態を示す断面概念図であ
り、展開前は、エアバッグ1は上述の如く折り畳まれて
リテーナリング7によって、ガス発生器5と共にリテー
ナ15に装着され、その上面を覆う様にバッグカバー1
7が常法に従って配置されている。車両の衝突が検知さ
れてガス発生器5が作動すると、ガス発生器5のガス放
出孔5aから高圧ガスがエアバッグ1内に噴出し、エア
バッグ1は膨張を開始する。その膨張力によってバッグ
カバー17を、その中央の破断線17aに沿って開裂
し、エアバッグ1はバッグカバー17から膨出して展開
を開始する。
【0021】ところが、エアバッグは前述の通り渦巻き
状に巻かれた巻上体が、更に渦巻き状に巻き上げられて
いるので、展開初期においては、表側基布2と裏側基布
3との間に、渦巻き部Sを、図中矢印a,bで示す様に
上下方向に引っ張って該渦巻きを解いて更に膨張しよう
とする力が作用する事になるが、該渦巻き部Sにおける
両基布2,3の摩擦抵抗によって容易には解けず、従っ
て、エアバッグ1の円滑な展開は阻害された状態とな
る。同時に、前記巻上体の巻方向が交差している事か
ら、展開初期には、この交差部では表裏基布が絡み合っ
て円滑な膨張を更に阻害する事になる。加えて、該渦巻
き部Sは、展開している表側基布2と裏側基布3の外側
に位置する事になるので、該渦巻き部Sは、エアバッグ
内からガス圧Pによって圧縮される作用を受けるので、
該渦巻き部Sは一層解け難くなり、エアバッグの前方展
開は大きく規制される事になる。
【0022】この結果、エアバッグ1は、その円周方向
の全周或いは各所に存在する渦巻き部Sによって展開抵
抗を受ける事になるので、その抵抗に抗しつつ徐々に渦
巻きを解いて横方向に展開しつつ、この渦巻きの解かれ
た部分から順次前方方向に膨張する事になる。従って、
エアバッグ1の前方方向への急激な膨張は阻止され、横
方向の展開(渦巻きの解除)が先行し、渦巻きの解除に
よる横方向展開が終了して初めて前後方向の完全展開が
可能となるので、前述の如きエアバッグの展開初期にお
けるパンチング現象は防止される事になる。
【0023】尚、本発明では前記渦巻きが表側基布2が
内側になる様に表側基布側に巻き上げているが、これと
逆方向に、内側基布2が外側を向く様に裏側基布側に巻
き上げていく方式も考えられるが、この場合には、図4
に展開初期の状態を示している様に、渦巻き部Sは、表
側基布2の展開力によって図中矢印cで示した方向の力
を受ける事になるので、本発明の巻き方向に比べて渦巻
き部Sは解け易く、しかも、前方展開が先行するおそれ
があるので、前記パンチング現象防止の効果に劣る事に
なる。
【0024】上記実施例においては、図1(K)に示す
様に、巻上体22,24をガス発生器5の上部に位置す
るまで渦巻き状に巻き上げているが、近年のガス発生器
5の小型化に伴い、エアバッグモジュール内には、余裕
の空間が生成する傾向にあるので、前記巻上体22,2
4は、ガス発生器5の上部にまで巻き上げるのではな
く、図5に示す様にガス発生器5の側部にまで巻き上げ
た巻上体22’,24’となす事も可能である。尚、該
巻上体22’,24’は、前述の通り両端部からガス発
生器5の上部にまで渦巻き状に巻き上げる事になる。
【0025】次に、図6(1),図6(2)において、
(A)〜(V)は、本発明の他の方法を示す工程図であ
り、前記図1,2には、エアバッグを上下方向と左右方
向に分けて夫々を渦巻き状に巻き上げる方式を示した
が、図6は、エアバッグの円周方向に沿って順次渦巻き
状に巻き上げる方式を示している。尚、同図(A)〜
(V)には、図1,2と同様に、各工程におけるエアバ
ッグの平面図と断面図を夫々示しており、同一部品は同
一符号を示している。
【0026】同図において、図(A)はエアバッグ1の
折り畳み前の状態を示しており、図(B)に示す様に、
先ずエアバッグ1の円周上の任意の部分の円周端部31
を、前述の場合と同様に表側基布2が内側になる様に表
側基布2の上に折り曲げ、これを起点にして、図
(C),(D)に示す様に所定位置まで順次渦巻き状に
巻き上げて第一巻上体32を形成する。次に、該第一巻
上体32に隣接する部位の円周端部33を起点として、
図(E)〜(G)に示す様に同様の要領で渦巻き状に巻
き上げて第二巻上体34を形成する。この際に、第二巻
上体34は前記第一巻上体32の端部32aを巻き込む
様にしている。次に、同様に該第二巻上体34に隣接す
る部位の円周端部35を起点として、図(H)〜(J)
に示す様に、同様の要領で渦巻き状に巻き上げて第三巻
上体36を形成する。この際に、第三巻上体36は、前
記第二巻上体34の端部34aを巻き込む様にしてい
る。続いて同様に、該第三巻上体36に隣接する部位の
円周端部37を起点として図(K)〜(N)に示す様
に、同様の要領で渦巻き状に巻き上げて第四巻上体38
を形成する。この際に、第四巻上体38は、隣接する前
記第三巻上体36の端部36aと前記第一巻上体32の
他方の端部32bとを巻き込む様にしている。この様に
して、エアバッグを四方向の端部から渦巻き状に巻き上
げて4つの巻上体32,34,36,38からなる略正
四角形の中間巻上体39を形成する。
【0027】次に、図(O)〜(P)に示す様に、前記
4つの巻上体の内の1つ(図では第四巻上体38)を更
に同様にエアバッグの中心に向かって巻き上げ、図
(P)に示す様に、前述の場合と同様に、前記ガス発生
器5の上部に巻上体が位置する様に巻き上げて第五巻上
体40を形成する。続いて、対向位置にある第二巻上体
34を、図(Q),(R)に示す様に、同様にして前記
ガス発生器5の上部に巻上体が位置する様に巻き上げて
第六巻上体41を形成し、両巻上体40,41によって
略長方形の長尺の中間巻上体42を形成する。
【0028】次に、図(S),(T)に示す様に、該中
間巻上体42の一方の端部43を、表側に折り込んで、
前述の場合と同様に渦巻き状に巻き上げ、最終巻上体4
4が前記ガス発生器5の上部に位置する様に巻き上げ
る。続いて図(S),(T)に示す様に、前記中間巻上
体42の他端部45を表側に折り込んで、同様に渦巻き
状に巻き上げ、最終巻上体46が前記巻上体44と共に
前記ガス発生器5の上部に位置する様に巻き上げて、エ
アバッグの折り畳みを完了する。
【0029】本実施例の如く、エアバッグ1の上下左右
の四方向から渦巻き状に巻き上げる事により、この過程
で形成される第一〜第四巻上体32,34,36,38
は、互いに隣接する各巻上体の端部を巻き込んでいるの
で、エアバッグの展開過程においては、各端部の巻き込
み部が展開抵抗となって、エアバッグの急速展開を阻止
すると共に、展開順序は、この折り畳み順序の逆になる
ので、全体が順次横方向に展開しつつ前方に展開する事
になり、エアバッグ展開初期における前記パンチング現
象を確実に防止する事が可能となる。尚、本実施例は、
全体を略正四角形に折り畳んでいるので、通常の4本ス
ポークのステアリングホイールに装着されるエアバッグ
の折り畳み方法として推奨される方法の1つである。
【0030】次に、図7(1),図7(2)は、本発明
の他の実施例を示す折り畳み工程図であって特に3本ス
ポークのステアリングホイールに装着されるエアバッグ
に最適の折り畳み方式を示しており、各工程を前述の場
合と同様に平面図と断面図によって示している。同図
(A)は、折り畳み前の状態を示している。先ず、同図
(B)〜(D)に示す様に、円形エアバッグ1の適所の
周縁部51を、表側基布2が内側となる様に折り返し、
これを起点として、エアバッグの中心部に向かって前述
の場合と同様に所定量渦巻き状に巻き上げて第一巻上体
52を形成する。続いて同図(E)〜(G)に示す様
に、エアバッグ1の他の適所の円周端53を表側基布2
側に折り曲げ、これを起点として、同様に適当量渦巻き
状に巻き上げて第二巻上体54を形成する。この際に、
前記第一巻上体52の一端部52aが該第二巻上体54
に巻き込まれている。次に、図(H)〜(J)に示す様
に、両巻上体52,54の交点を2等分する線分上の円
周端部55を表側に折り返し、これを起点として、同様
に適当量渦巻き状に巻き上げて第三巻上体56を形成す
る。この際に、前記第一巻上体52の他端部52bと前
記第二巻上体54の一端部54aが、共に該第三巻上体
56に巻き込まれている。この様にして、略三角形の中
間巻上体57を形成する。
【0031】次に、同図(K)〜(M)に示す様に、該
中間巻上体57の頂点の部分に突出する巻上体の耳部5
8(図では第二巻上体54の耳部)を表側に折り込ん
で、この頂部から前記第一巻上体52と第二巻上体54
とを巻き込んで、最終巻上体となる第四巻上体59が、
ガス発生器5の上部に位置する様に巻き上げる。続いて
同図(N),(O)に示す様に、前記第三巻上体56の
両端耳部60,61を夫々表側に折り込んで3本スポー
クのステアリングホイールに適した所定の台形状の折り
畳み体を形成し、エアバッグの折り畳みを完了する。
【0032】上記図6(1),6(2),7(1),7
(2)に示した方法で折り畳まれたエアバッグの展開時
の挙動は、前記図3に示したものと同様であり、エアバ
ッグの展開初期において、各巻上体が端部で絡み合った
状態となっているので、エアバッグの円滑な展開は阻害
されて、エアバッグは先ず横方向に、大きな展開抵抗に
抗して、順次渦巻きを解きながら展開する事になるの
で、該渦巻き状の巻上体が全て解かれた時には、エアバ
ッグは横方向の展開を終えており、従来の如き前方に異
常展開するパンチング現象が生じる事はない。
【0033】尚、以上の説明において、エアバッグの円
周方向の2〜4ケ所から渦巻き状に巻き上げる方式を例
示したが、本発明はこれに限定されることなく、6ケ所
或いは8ケ所等の多くの周縁部から、順次所定量ずつ巻
き上げて全体を最終的に要求される台形或いは正四角形
に折り畳む事も可能である。
【0034】又、図61の図(R)に示した第五巻上体
40及び第六巻上体41を、図5に示した例と同様に、
ガス発生器5の上部にまで巻き上げるのではなく、側部
にまで巻き上げて、両巻上体40,41をガス発生器5
を挟んで平行な巻上体となし、両巻上体40,41から
なる中間巻上体42の両端部から中心部に向かって、ガ
ス発生器5の上部にまで巻き上げる方式も可能である。
【0035】又、図示したエアバッグは、表側基布2と
裏側基布3とからなる最も単純な形状のエアバッグを例
示しているが、図10或いは図11に示した如き補助袋
(内側布)11を有するエアバッグと併用し、特に、図
11に示したスリット13を形成したもの或いはガス通
路用の開口を予め穿孔してなる補助袋を用いるエアバッ
グに本発明を適用する事により、これら従来のエアバッ
グの有する欠点即ち、前方展開の抑制力不足を、本発明
の折り畳み方法で解消する事も可能である。即ち、表側
基布2と裏側基布3との間に内側布11を配置し、該内
側布11を前記裏側基布3に同心円状に周縁部を縫着
し、該内側布11には、該内側布の内側から外側にガス
を流通させるガス孔が形成されている様なエアバッグに
おいても、前記ガス孔が、前方に向いてエアバッグの前
方膨出規制が不十分なものにおいても、本発明を適用す
る事により、その欠点を容易に解消すると共に、所期の
目的を達成する事が可能となる。
【0036】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明は、エアバッ
グ展開初期に於けるパンチング現象を防止する方策とし
て、従来の様に膨張規制部材や補助袋の如き表裏基布と
は別に他の部材を用いてエアバッグを前方に突出膨張す
るのを防止するものではなく、エアバッグの展開時に、
展開し難い様な折り畳み方を採用する事によって、展開
初期における異常な前方展開を抑止する様にしているの
で、各種前方展開規制部材が不要となり、単純な構造の
エアバッグで、前記パンチング現象を容易に解決できる
事になり、エアバッグのコストダウが図られる。
【0037】又、従来のエアバッグの折り畳み方式は、
エアバッグが容易に展開できる様に蛇腹状に折り返しな
がら折り畳む方式が一般的であるが、この場合には、上
下左右への折り返しが繰り返されるため、折り畳み作業
が煩雑であったが、本発明では、常に中心部に向かって
巻き上げるだけの作業であるので、折り畳み作業も単純
化される効果も期待される。
【0038】又、渦巻き状に巻き上げるに当り、巻き上
げ工程の途中で形成される複数の巻上体が、角度を変え
て巻き上げられる他の渦巻き状の巻上体に巻き込まれて
いるので、エアバッグの膨張時には、この巻き込まれて
いる部分が絡まってエアバッグの急速展開を一層抑制す
る事になり、エアバッグの前方急速展開が、確実に防止
される事になる。
【0039】更に、ポール衝突等の衝突の大きな割りに
は加速度センサの応答が遅い様な衝突においては、乗員
は衝突時の慣性力によって急速にエアバッグ装置に向か
って移動してくるが、これに向かってエアバッグを急速
に展開させた場合には、乗員に大きな衝撃力を与えて乗
員に傷害を与えるおそれがあったが、本発明の方法によ
り折り畳まれたエアバッグでは、展開速度が比較的緩や
かであるので、穏やかに乗員を受け止める事が可能とな
る等の、副次的な効果も期待できる。
【0040】又、従来提案されている補助袋を用いる方
式に本発明を適用すると、本発明によるエアバッグの展
開速度規制効果と補助袋による横方向展開促進効果とが
相まって、前述の如き補助袋の有する欠点が解消される
と共に、エアバッグの安全性を一層確実なものとする事
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエアバッグの折り畳み方法の一実
施例を示す折り畳み工程の前工程図である。
【図2】図1の工程の後工程図である。
【図3】本発明に係るエアバッグの展開状態を示す断面
概念図である。
【図4】比較例のエアバッグの展開状態を示す断面概念
図である。
【図5】本発明に係るエアバッグの折り畳み方法の他の
例を示す断面図である。
【図6(1)】本発明に係るエアバッグの折り畳み方法
の更に他の例を示す工程図である。
【図6(2)】本発明に係るエアバッグの折り畳み方法
の図6(1)の工程に続く工程図である。
【図7(1)】本発明に係るエアバッグの折り畳み方法
の更に他の例を示す工程図である。
【図7(2)】本発明に係るエアバッグの折り畳み方法
の図7(1)の工程に続く工程図である。
【図8】従来のエアバッグの展開状態を示す概念図であ
る。
【図9】従来の前方展開規制部材を用いたエアバッグの
展開状態を示す概念図である。
【図10】従来の補助袋を用いたエアバッグの展開状態
を示す概念図である。
【図11】従来の他の補助袋を用いたエアバッグの展開
状態を示す概念図である。
【符号の説明】 1 エアバッグ 2 表側基布 3 裏側基布 4 表側基布と裏側基布の縫製線 5 ガス発生器
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6(2)
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6(2)】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塙 晃文 茨城県新治郡千代田町上稲吉向原1764−1 センサー・テクノロジー株式会社筑波事 業所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス発生器(5)から放出されるガスに
    よって展開される乗員保護装置用円形エアバッグの折り
    畳み方法であって、 該円形エアバッグ(1)を、前記表側基布(2)が内側
    になる様に、その中心部に向かって渦巻き状に巻き上げ
    ると共に、該渦巻き状に巻き上げられた巻上体を、更に
    裏側基布(3)が外側になる様に、中心部に向かって渦
    巻き状に巻き上げる事を特徴とするエアバッグの折り畳
    み方法
  2. 【請求項2】 前記円形エアバッグ(1)の上側円周端
    部(21)及び下側円周端部(23)を夫々始点とし
    て、前記表側基布(2)が内側になる様に、その中心部
    に向かって前記ガス発生器(5)の上部にまで渦巻き状
    に巻き上げて、2つの巻上体(22,24)が隣接して
    平行に並んだ長尺の中間巻上体(20)を形成し、該中
    間巻上体(20)を、その両端部から前記裏側基布
    (3)が外側になる様に、夫々中心部に向かって、前記
    ガス発生器(5)の上部にまで渦巻き状に巻き上げる事
    を特徴とする請求項1に記載のエアバッグの折り畳み方
  3. 【請求項3】 前記円形エアバッグ(1)の上側円周端
    部(21)及び下側円周端部(23)を夫々始点とし
    て、前記表側基布(2)が内側となる様に、その中心部
    に向かって、前記ガス発生器(5)の側部にまで、渦巻
    き状に巻き上げて、2つの巻上体(22’,24’)が
    前記ガス発生器(5)を挟んで平行に並んだ長尺の中間
    巻上体を形成し、該中間巻上体を、その両端部から前記
    裏側基布(3)が外側になる様に、夫々中心部に向かっ
    て前記ガス発生器(5)の上部にまで、渦巻き状に巻き
    上げる事を特徴とする請求項1に記載のエアバッグの折
    り畳み方法
  4. 【請求項4】 前記円形エアバッグ(1)の右側円周端
    部及び左側円周端部を夫々始点として、前記表側基布
    (2)が内側になる様に、その中心部に向かって、前記
    ガス発生器(5)の上部にまで渦巻き状に巻き上げて、
    2つの巻上体が隣接して平行に並んだ長尺の中間巻上体
    を形成し、該中間巻上体を、その両端部から前記裏側基
    布(3)が外側になる様に、夫々中心部に向かって前記
    ガス発生器(5)の上部にまで、渦巻き状に巻き上げる
    事を特徴とする請求項1に記載のエアバッグの折り畳み
    方法
  5. 【請求項5】 前記円形エアバッグ(1)の右側円周端
    部及び左側円周端部を夫々始点として、前記表側基布
    (2)が内側になる様に、その中心部に向かって、前記
    ガス発生器(5)の側部にまで渦巻き状に巻き上げて、
    2つの巻上体が前記ガス発生器(5)を挟んで平行に並
    んだ長尺の中間巻上体を形成し、該中間巻上体を、その
    両端部から前記裏側基布(3)が外側になる様に、夫々
    中心部に向かって前記ガス発生器(5)の上部にまで、
    渦巻き状に巻き上げる事を特徴とする請求項1に記載の
    エアバッグの折り畳み方法
  6. 【請求項6】 前記円形エアバッグ(1)の任意の円周
    端部(31)より、前記表側基布(2)が内側になる様
    に、その中心部に向かって所定量巻き上げて第一巻上体
    (32)を形成し、続いてその隣接部を、同様に所定量
    巻き上げて該第一巻上体の端部(32a)を巻き込んだ
    第二巻上体(34)を形成し、更に該第二巻上体の隣接
    部を同様に所定量巻き上げて該第二巻上体の端部(34
    a)を巻き込んだ第三巻上体(36)を形成し、順次同
    様にして前記エアバッグの全ての円周部が渦巻き状に中
    心部に向かって巻き上げられると、前記巻上体の1つを
    同様に中心部に向かって前記ガス発生器(5)の上部又
    は側部にまで、渦巻き状に巻き上げ、続いて他の巻上体
    も同様に、順次ガス発生器(5)の上部又は側部にまで
    渦巻き状に巻き上げる事を特徴とする請求項1に記載の
    エアバッグの折り畳み方法
  7. 【請求項7】 前記円形エアバッグ(1)の任意の円周
    端部(31)より、前記表側基布(2)が内側になる様
    に、その中心部に向かって所定量巻き上げて第一巻上体
    (32)を形成し、続いてその隣接部を、同様に所定量
    巻き上げて該第一巻上体の端部(32a)を巻き込んだ
    第二巻上体(34)を形成し、更に該第二巻上体の隣接
    部を同様に所定量巻き上げて該第二巻上体の端部(34
    a)を巻き込んだ第三巻上体(36)を形成し、順次同
    様にして前記エアバッグの全ての円周部が渦巻き状に中
    心部に向かって巻き上げられると、前記各巻上体を、順
    次同様に中心部に向かって所定量渦巻き状に巻き上げ、
    この工程を、全ての巻上体が前記ガス発生器(5)の上
    部又は側部に到るまで繰り返す事を特徴とする請求項1
    に記載のエアバッグの折り畳み方法
  8. 【請求項8】 前記円形エアバッグ(1)の上下左右の
    4点から巻き始めて形成した4つの巻上体(32,3
    4,36,38)によって略正四角形の中間巻上体(3
    9)を形成し、これを更に中心部に向かって、前記ガス
    発生器(5)の上部にまで、渦巻き状に巻き上げる様に
    してなる請求項6又は7に記載のエアバッグの折り畳み
    方法
  9. 【請求項9】 前記円形エアバッグ(1)の上下左右の
    4点から巻き始めて形成した4つの巻上体(32,3
    4,36,38)によって略正四角形の中間巻上体(3
    9)を形成し、前記4つの巻上体のうち、対向する2つ
    の巻上体を、更に中心部に向かって前記ガス発生器
    (5)の側部にまで渦巻き状に巻き上げ、得られた巻上
    体の両端部から同様に中心部に向かって、前記ガス発生
    器(5)の上部にまで巻き上げる様にしてなる請求項6
    又は7に記載のエアバッグの折り畳み方法
  10. 【請求項10】 前記円形エアバッグ(1)の円周上の
    3点から巻き始めて形成した3つの巻上体(52,5
    4,56)によって、下方に頂点を有する略二等辺三角
    形の中間巻上体(57)を形成し、該中間巻上体(5
    7)の各頂点部を更に中心部に向かって折り込んでなる
    請求項6又は7に記載のエアバッグの折り畳み方法
  11. 【請求項11】 前記エアバッグ(1)が表側基布
    (2)と裏側基布(3)のみからなり、両基布の周縁部
    を縫製(4)して形成されているものである請求項1乃
    至10のいずれかに記載のエアバッグの折り畳み方法
  12. 【請求項12】 前記エアバッグ(1)が表側基布
    (2)と裏側基布(3)とその間に配置された内側布
    (11)とからなり、該内側布(11)は、前記裏側基
    布(3)に同心円状に周縁部が縫着(12)され、前記
    表側基布(2)と裏側基布(3)とは、その周縁部が縫
    製(4)されており、前記内側布(11)には該内側布
    の内側から外側にガスを流通させるガス孔(10)が形
    成されているものである請求項1乃至10のいずれかに
    記載のエアバッグの折り畳み方法
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7055851B2 (en) 2001-11-22 2006-06-06 Toyoda Gosei Co., Ltd. Knee protecting airbag device
US7481449B2 (en) 2004-09-14 2009-01-27 Toyoda Gosei Co., Ltd. Airbag device for driver's seat

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7055851B2 (en) 2001-11-22 2006-06-06 Toyoda Gosei Co., Ltd. Knee protecting airbag device
US7481449B2 (en) 2004-09-14 2009-01-27 Toyoda Gosei Co., Ltd. Airbag device for driver's seat
DE102005043635B4 (de) * 2004-09-14 2017-07-06 Toyoda Gosei Co., Ltd. Airbagvorrichtung für einen Fahrersitz

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