JPH1148732A - エアサスペンション用リーフスプリングの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】オーバステアの傾向を減少させ、生産性を向上
し、安価なエアサスペンション用リーフスプリングの取
付構造を得る。 【解決手段】第１リーフスプリング１３と第１リーフス
プリング１３より長い第２リーフスプリング１４とが上
下に重ねられ、第１及び第２リーフスプリング１３，１
４の前端部に形成された目玉部１３ａ，１４ａがシャシ
フレーム１６に設けられたブラケット１７に取付けら
れ、下側の第２リーフスプリング１４の後端１４ｂがシ
ャシフレーム１６に設けられたエアスプリング１１の下
部に取付けられ、上側の第１リーフスプリング１３の後
部又は中間部をアクスル２１の下部に配置して第１及び
第２リーフスプリング１３，１４がアクスル２１に取付
けられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、前端部に形成され
た目玉部がシャシフレームに設けられたブラケットに取
付けられ、後端がシャシフレームに設けられたエアスプ
リングの下部に取付けられたエアサスペンション用リー
フスプリングの取付構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、車両の懸架装置としてリーフスプ
リングとエアスプリングを組合わせたエアサスペンショ
ンが知られている。このエアサスペンションではエアス
プリングを組合わせることにより金属バネ方式に比較し
て、バネ上共振点を低く設定でき、かつ細かい振動を吸
収できるため乗り心地の向上を図ることができるように
なっている。このエアサスペンションではリーフスプリ
ングの前端部がシャシフレームに設けられたブラケット
に取付けられ、後端がシャシフレームに設けられたエア
スプリングの下部に取付けられるが、リーフスプリング
がアクスルを支持する位置によりオーバスラング方式と
アンダスラング方式とに大別される。オーバスラング方
式では、リーフスプリングの中間部がアクスルの上部に
配置してリーフスプリングがアクスルに取付けられ、ア
クスルの後方に位置するエアスプリングの下部にリーフ
スプリングの後端部を取付けるため、リーフスプリング
の後部がアクスルの後方でクランク状に折曲げられる。

【０００３】一方、図３に示すアンダスラング方式はリ
ーフスプリング２の中間部をアクスル３の下部に配置し
てリーフスプリング２がアクスル３に取付けられる方式
である。このアンダスラング方式ではリーフスプリング
２の前部が上方に向って湾曲して形成され、アクスル３
を支持したリーフスプリング２の後部がそのまま後方に
延長されてエアスプリング４の下部に取付けられるよう
になっている。このため、リーフスプリング２の後部を
クランク状に加工する必要が無く、アンダスラング方式
はオーバスラング方式に比較して比較的安価である特徴
を有している。なお、リーフスプリング２は車両重量に
より複数枚重ねて使用する場合があるが、図に示すよう
にリーフスプリング２を２枚重ねたものにあっては、シ
ャシフレーム６に固着されたブラケット７のピン７ａの
下部に上側及び下側のリーフスプリング８，９の前端を
位置させてピン７ａの上側に折返すことにより目玉部８
ａ，９ａが形成される。このため、上側のリーフスプリ
ング８が主として荷重をピン７ａに伝達させるため、上
側のリーフスプリング８がそのまま後方に延長されてエ
アスプリング４の下部にその後端部８ｂが取付けられる
ようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、アンダスラン
グ方式のエアサスペンションを車両の後軸に採用する
と、オーバステアの傾向が高まる不具合がある。即ち、
リーフスプリング２の前部は上方に向って湾曲して形成
されているために、リーフスプリング２の中間部をアク
スル３の下部にそのまま配置するとアクスル３の中心は
リーフスプリング２の前端部より下方に位置することに
なる。この状態でシャシフレーム６が上下動するとリー
フスプリング２が目玉部８ａ，９ａを支点として揺動
し、アクスル３は図３の一点鎖線で示す軌跡Ｒに従って
移動し、この移動によりアクスル３は車両前後方向にも
移動する。従って、例えば車両が左旋回した場合には、
遠心力により右側の車高が低下して左側の車高が上昇す
ることになる。このため、車高が上昇するアクスル３の
左側が、車高が低下するアクスル３の右側より車両前方
に移動し、アクスル３が全体として左旋回させるように
傾斜することになる不具合がある。

【０００５】アクスルの中心をリーフスプリングの前端
部における高さ位置近づけてこの不具合を解消するため
に、リーフスプリング２の前端を取付けるブラケット７
を大型化してシャシフレーム６の下方に延設してリーフ
スプリング２の前部をアクスル３の中心まで下降させる
ことや、図３に示すように、リーフスプリング２とアク
スル３の間にアクスル３を持上げる介挿部材５を介在さ
せてアクスル３の中心を上昇させることが考えられる。
しかし、ブラケット７の大型化や介挿部材５の介在させ
ることは車両重量を増大させ、介挿部材５を装着させる
ことは装着工数が増加して生産性を低下させる不具合が
ある。本発明の目的は、オーバステアの傾向を減少させ
得るアンダスラング方式におけるエアサスペンション用
リーフスプリングの取付構造を提供することにある。本
発明の別の目的は、生産性を向上し、安価なエアサスペ
ンション用リーフスプリングの取付構造を提供すること
にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る発明は、
図１に示すように、第１リーフスプリング１３と第１リ
ーフスプリング１３より長い第２リーフスプリング１４
とが上下に重ねられ、第１及び第２リーフスプリング１
３，１４の前端部に形成された目玉部１３ａ，１４ａが
シャシフレーム１６に設けられたブラケット１７に取付
けられ、下側の第２リーフスプリング１４の後端１４ｂ
がシャシフレーム１６に設けられたエアスプリング１１
の下部に取付けられ、上側の第１リーフスプリング１３
の後部又は中間部をアクスル２１の下部に配置して第１
及び第２リーフスプリング１３，１４がアクスル２１に
取付けられたエアサスペンション用リーフスプリングの
取付構造である。リーフスプリングを２枚重ねにし、上
側の第１リーフスプリング１３より長い下側の第２リー
フスプリング１４の後端１４ｂをエアスプリング１１の
下部に取付け、上側の第１リーフスプリング１３の後部
又は中間部をアクスル２１の下部に配置して第１及び第
２リーフスプリング１３，１４をアクスル２１に取付け
ることにより、従来の介挿部材を用いることなくアクス
ル２１の中心を上昇させる。

【０００７】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて詳しく説明する。図１及び図２に示すように、
エアサスペンションはエアスプリング１１とリーフスプ
リング１２とが組合わされる。リーフスプリング１２は
２枚重ねになっており、第１リーフスプリング１３と第
１リーフスプリング１３より長い第２リーフスプリング
１４とが上下に重ねられて大きな曲げ強度に耐え得るよ
うになっている。第１及び第２リーフスプリング１３，
１４の前端部にはそれぞれ目玉部１３ａ，１４ａが形成
され、シャシフレーム１６に固着されたブラケット１７
のピン１７ａにこの目玉部１３ａ，１４ａが枢着され
る。

【０００８】一方、エアスプリング１１はブラケット１
７の後方のシャシフレーム１６に設けられる。エアスプ
リング１１はその上側の上取付部１１ａがシャシフレー
ム１６に固着された取付金具１８に固着され、下側の下
取付部１１ｂがネジ１９により第２リーフスプリング１
４の後端１４ｂに締付け固定される。図のエアスプリン
グ１１はベローズ形である。アクスル２１は、リーフス
プリング１２の中央部分よりやや後方であって、第１リ
ーフスプリング１３の中間部がアクスルの下部に配置さ
れ、パッド２２を介してＵ字ボルト２３により締付け固
定される。パッド２２からは腕２２ａ（図２）が延設さ
れ、腕２２ａにショックアブソーバ２４の下端２４ａが
取付けられ、上端２４ｂ（図１）はシャシフレーム１６
に取付けられる。このショックアブソーバ２４はアクス
ル２１の上下動とともに上下動してアクスルの上下振動
を減衰させるようになっている。

【０００９】なお、エアスプリング１１の上取付部１１
ａにはエアパイプ２６ａを介してサージタンク２６が連
設され、シャシフレーム１６にはレベリングバルブ２７
（図１）が設けられる。レベリングバルブ２７にはレバ
ー２７ａを介してリンク２７ｂがアクスル２１に連結さ
れる。レベリングバルブ２７はシャシフレーム１６に対
するアクスル２１の変位によりエアスプリング１１内に
サージタンク２６内の圧縮エアを供給又は排出すること
により車高を常に一定に保つように構成される。また、
第２リーフスプリング１４の後端１４ｂとエアスプリン
グ１１の下取付部１１ｂの間には左右の第２リーフスプ
リング１４を連結する横部材２８が介装され、この横部
材２８にはラテラルロッド２９の一端２９ａが取付けら
れる。ラテラルロッド２９の他の一端２９ｂ（図２）は
シャシフレーム１６に固着された固定部材３１にピン３
２を介して取付けられる。このラテラルロッド２９はリ
ーフスプリング１２のシャシフレーム１６に対する横方
向荷重を支えるようになっている。

【００１０】このように構成されたエアサスペンション
用リーフスプリングの取付構造では、リーフスプリング
１２が２枚重ねであるので、大きな曲げ強度にも耐える
ことができる。上側の第１リーフスプリング１３より長
い下側の第２リーフスプリング１４の後端１４ｂをエア
スプリング１１の下部に取付け、上側の第１リーフスプ
リング１３の中間部をアクスル２１の下部に配置して第
１及び第２リーフスプリング１３，１４をアクスル２１
に取付けるので、図３に示す従来の上側のリーフスプリ
ング８をアクスル３の下部に配置して上側のリーフスプ
リング８の後部をエアスプリング４の下部に取付ける場
合に比較してアクスル２１の中心が上昇する。このた
め、通常走行時においてアクスル２１が上下振動し、リ
ーフスプリング１２が目玉部１３ａ，１４ａを支点とし
て揺動しても、アクスル２１の車両前後方向の移動量を
従来より縮小することができる。

【００１１】なお、本発明ではエアスプリング１１の下
部に後端部が取付けられない上側の第１リーフスプリン
グ１３の目玉部１３ａが主として荷重をブラケット１７
のピン１７ａに伝達することになるが、上側の第１リー
フスプリング１３はエアスプリング１１の下部に後端部
１４ｂが取付けられる下側の第２リーフスプリング１４
と一体的にアクスル２１にＵ字ボルト２３により取付け
られるため、第１及び第２リーフスプリングから成るリ
ーフスプリング１２の曲げ強度が低下することはない。

【００１２】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、リ
ーフスプリングを２枚重ねにし、上側の第１リーフスプ
リングより長い下側の第２リーフスプリングの後端をエ
アスプリングの下部に取付け、上側の第１リーフスプリ
ングの後部又は中間部をアクスルの下部に配置して第１
及び第２リーフスプリングをアクスルに取付けたので、
従来の介挿部材を用いることなくアクスルの中心を上昇
させることができる。この結果、アクスルの中心をリー
フスプリングの前端部における高さ位置近づけることが
でき、オーバステアの傾向を減少させることができる。

【００１３】また、本発明によれば、リーフスプリング
の前端を取付けるブラケットを大型化させること、又は
リーフスプリングとアクスルの間にアクスルを持上げる
介挿部材を介在させることなくアクスルの中心をリーフ
スプリングの前端部における高さ位置近づけるので、ブ
ラケットの大型化又は介挿部材の存在に起因する生産工
数の増加を防止して生産性を向上し、かつ安価なエアサ
スペンション用リーフスプリングの取付構造を得ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のリーフスプリングの取付構造を示すエ
アサスペンションの側面図。

【図２】そのリーフスプリングの取付構造を示すエアサ
スペンションの斜視図。

【図３】従来例を示す図１に対応する側面図。

【符号の説明】

１１ エアスプリング １３ 第１リーフスプリング １４ 第２リーフスプリング １３ａ，１４ａ 目玉部 １４ｂ 後端 １６ シャシフレーム １７ ブラケット ２１ アクスル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１リーフスプリング(13)と前記第１リ
   ーフスプリング(13)より長い第２リーフスプリング(14)
   とが上下に重ねられ、 前記第１及び第２リーフスプリング(13,14)の前端部に
   形成された目玉部(13a,14a)がシャシフレーム(16)に設
   けられたブラケット(17)に取付けられ、 下側の前記第２リーフスプリング(14)の後端(14b)が前
   記シャシフレーム(16)に設けられたエアスプリング(11)
   の下部に取付けられ、 上側の前記第１リーフスプリング(13)の後部又は中間部
   をアクスル(21)の下部に配置して前記第１及び第２リー
   フスプリング(13,14)が前記アクスル(21)に取付けられ
   たエアサスペンション用リーフスプリングの取付構造。