JPH1148676A - 水性ボールペン用インキ追従体及びその製造方法 - Google Patents

水性ボールペン用インキ追従体及びその製造方法

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JPH1148676A
JPH1148676A JP9206231A JP20623197A JPH1148676A JP H1148676 A JPH1148676 A JP H1148676A JP 9206231 A JP9206231 A JP 9206231A JP 20623197 A JP20623197 A JP 20623197A JP H1148676 A JPH1148676 A JP H1148676A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気泡を除去して、経時的にも安定で、離油が
少なく、ロット毎の粘度ばらつきやそれに伴う性能ばら
つきを大幅に軽減する。 【解決手段】 増粘剤添加後に減圧する。0.2気圧以
下が望ましい。昇温や撹拌を同時に行うことが望まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインキ収容管内に直接収
容する水性ボールペン用インキの尾端部に使用するイン
キ追従体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 水性ボールペンのインキの粘度は、類
似の形態を持つ油性ボールペンの粘度が3Pa sec〜20
Pa secであるのに対し、50mPa sec〜3Pa secと低い
ため、ペンを上向き又は横向きに放置した場合にはイン
キが漏出してしまう。また、軽度な衝撃でもインキが飛
散し、手や服を汚してしまう恐れがあるため、これを防
止するべくインキ追従体が具備されている。
【0003】特開昭48−40510、特開昭57−1
53070、特開昭57−200472、特開昭58−
1772、特開昭61−57673、特開昭61−14
5269、特開昭61−151289、特開昭61−2
00187、特開昭61−268786、特開昭62−
50379、特開昭62−148581、特開昭62−
199492、特開昭63−6077、特開平02−2
48487、特開平04−202281、特開平05−
270192、特開平05−270193、特開平06
−200235、特開平06−220418、特開平0
6−247094、特開平06−264048、特開平
06−328890、特開平06−336584、特開
平07−61187、特開平07−173426、特開
平07−214974、特開平07−214975、特
開平07−242093、特開平07−266780、
特開平08−2171、特開平08−11481、特開
平08−58282、特開平08−72465、特開平
08−90982、特開平08−108679、特開平
08−142570、特開平08−183286、特開
平08−300873、特開平08−300874、特
開平09−11683、特開平09−76687などに
は、インキ収容管に直接インキを収容せしめる水性ボー
ルペンにゲル状物もしくはゲル状物と固形物を併用する
インキ追従体を具備する事が開示されている。これら
は、インキに追従しやすくする、落下時の衝撃に耐え
る、逆流防止効果を高める、見栄えを良くするなど、多
様な目的と着眼の発明である。
【0004】これらの共通点としては、横乃至上向きで
放置されても逆流しないように、難揮発性または不揮発
性溶剤を何らかの増粘剤を用いて疑塑性を与ているもの
である。もう一つの特徴としては、旧来の油性ボールペ
ンでは潤滑剤などに用いる一般的なグリース(以下潤滑
グリース)と同等の粘稠度を持つインキ追従体が用いら
れることが多かったが、これと比較すると、粘度、稠度
とも極めて低いものが多いことが挙げられる。これは、
油性ボールペンの筆記に要するインキ量が100mあた
り10〜30mgであるのに対し、インキ収容管に直接イ
ンキを収容せしめる水性ボールペンにおいては、筆記に
要するインキ量が100mあたり50〜300mg前後と
大きい。このため、インキ追従体には厳しいインキ追従
性能が要求されるので、一般に粘稠度の低いものが主流
となる。
【0005】一般に潤滑グリースでは粘稠度の低いもの
ほど安定性が悪く、放置しておくと油分が分離してくる
現象(離油)が起こりやすい。また、増粘剤成分が潤滑
グリース中で移動し易いため、疎の部分と密の部分が入
り交じり、均一な状態ではなくなり易い。更にグリース
類の増粘剤は粘稠度が低いほど2本ロールミルや3本ロ
ールミル、ニーダー、プラネタリーミキサーなどの高粘
度用の分散機では効率よく分散できない。また、ビーズ
ミル、サンドミル、ホモジナイザー、等の低粘度域が得
意な分散機で調製出来るほど低粘度でもない。分散機の
効率が悪いと、経時的な安定性ばかりでなく、ロット毎
の粘稠度や均一性も一定しない。水性ボールペン用のイ
ンキ追従体も潤滑グリースと類似の材料を用いるもので
あるから、同様の物理法則に基ずいた経時的挙動を示
す。しかし、離油が起こればインキ中の界面活性剤と反
応したり、油滴としてインキ流路を分断したりして筆記
に悪影響を及ぼす。また均一性がなければ追従する部分
とインキ収容管内壁に粒状に付着する物とが出来て、見
栄えが悪いばかりで無く、内壁に付着した分だけ量が減
り、最後には揮発防止や漏洩防止などの追従体として機
能も無くなってしまう。
【0006】また、潤滑グリースや従来製造法のインキ
追従体に共通する欠点もある。どちらも内径2.5mm以
上の円筒形若しくはそれに準ずる形態のインキ収容管に
直接インキを収容せしめる水性ボールペンのインキ追従
体として組み立てると、時間が経つに従ってインキとイ
ンキ追従体の間に気泡が生じたり、インキ追従体部分
(潤滑グリースで代用した場合も含む)に初期には見ら
れなかった気泡やクラックが入ることがある。インキ追
従体は半固体と言うよりも液体に近い物なので、クラッ
クという表現が適切かどうかは甚だ疑問であるが、グリ
ース状のものが見た目に割れるのである。これらを本発
明者等は「泡咬み」と呼んでいる。インキとインキ追従
体界面に気泡が生じると、これが成長してインキと追従
体が接しなくなってしまう。そこまでくるとインキ追従
体はインキの蒸気圧で逆に尾端方向に押し出され、つい
には抜けてしまう事態になる。また、クラックのような
ものが入ってしまったインキ追従体はインキと外気の接
触を妨げるというインキ追従体本来の役割を失ってしま
う。原因としては、インキ追従体、又は潤滑グリースを
製造した時に目に見えない微小気泡が入っていてこれが
経時的に集まり、外に抜けようとしてで来たものと推測
される。これはこの種の水性ボールペンにおいて非常に
大きな欠点である。市場にある商品は強遠心による脱泡
で気泡を追い出しているものである。しかしながら、強
遠心による脱泡では目に見えない様な微細気泡を除去す
るには必ずしも有効ではなく、「泡咬み」の出現率を1
/5〜1/20程度に軽減するにとどまる。更に、イン
キが顔料インキ、就中真比重が4以上の顔料を用いたイ
ンキなどでは強遠心は顔料の沈降を促進するため、歓迎
できない方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は従来の
水性ボールペン用インキ追従体の欠点である製造ロット
毎、或いは経時的な品質の不安定を解消し、量産的にも
経時的にも安定した性能を有するインキ追従体とその製
造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を鋭意研究の結果、微粒子シリカや粘土増粘剤、金属
石鹸、有機増粘剤を微視的にも極めて高度に均一化させ
ることを主眼に置き、増粘剤の性能をいつも最大限に生
かすことによって一定に発揮させ、経時的な安定性が増
し、更には製造ロット毎のばらつきをも軽減することを
見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】潤滑グリースと水性ボールペン用インキ追
従体は、使われる材料や調製法は良く似ているが、技術
思想としては明確な差異がある。潤滑グリースの場合、
潤滑目的で使用される場合が多いので、付着させた部分
から油分が垂れ落ちないために構造粘性を強くし、降伏
値を持たせる。一方、水性ボールペン用インキ追従体は
後端以外に解放部のない容器中に位置し、更には自身以
外に摺動部のない環境下で用いられるものである為、構
造粘性や降伏値は小さくて良い。むしろインキに追従し
ていくために、構造粘性や降伏値は小さくなければなら
ないと言える。
【0010】一般に微粒子のシリカやアルミナ、酸化チ
タン等の無機増粘剤、無機或いは有機顔料や樹脂微粒子
など液中で構造粘性を得る微粒子粉体は、分散が良いほ
ど増粘効果が小さくなり、且つ降伏値も小さくなる。ま
た、粘土増粘剤や有機増粘剤は溶剤によって膨潤するこ
とによって増粘させるものであるが、液中の分布がよい
と降伏値が小さくなる傾向がある。金属石鹸も同様であ
る。
【0011】インキ追従体の増粘剤は見た目には油中に
完全に濡れて馴染んでいるように見えても、実際にはそ
れ自身の増粘効果によって中心部まで溶剤が十分に侵透
せず、極めて微視的には目に見えない気泡が微粒子増粘
剤や粘土増粘剤などの中心部に存在している。これは、
一見全く気泡など無いように見えるグリースやインキ追
従体を減圧すると、それを構成する油分の沸点とほど遠
い条件で多量の気泡が発生することで証明される。高温
で調製されるため、油分の侵透には有利な筈の金属石鹸
増粘剤でも同様である。本発明では極めて微視的視野に
立って、増粘剤1粒子毎の溶剤に対する濡れを良くし、
増粘剤の持つ能力をいつも最大限に生かす事で製造毎の
粘弾性、更に言えば性能のばらつきを押さえるととも
に、増粘剤が均一に分布する事によって極めて良い経時
安定性を示す水性ボールペン用インキ追従体を得ること
に成功した。本発明はそれを満たす条件下で作られたイ
ンキ追従体とその製造方法である。
【0012】水性ボールペン用インキ追従体の基油とし
て用いられる溶剤は分子量500〜3000のポリブテ
ン、流動パラフィンやスピンドル油等の鉱油類、シリコ
ーンオイル等が挙げられる。これらは水性インキに溶出
することなく揮発減量も小さい。また一般的に水性イン
キよりインキ収容管に用いられるポリプロピレンやポリ
エチレンなどの樹脂類との濡れが良く、インキの消費量
が視認しやすくなる利点も有する。
【0013】ポリブテンやシリコーンオイルには揮発性
の強いものもあるが、JIS C−2320に準じて9
8℃・5時間の揮発減量値を測り、この結果が概ね0.
2重量%以下のものであれば常温では2〜3年以上問題
はない。ポリブテンの揮発性は分子量と大きく相関す
る。前出の揮発減量値を満足させる目安を分子量で表す
と、平均分子量が概ね500以上のものが該当する。シ
リコーンオイルに関しては構造も重要な要素なので一概
に分子量だけでは判断できないので、前出の方法で実測
して目安とすると良いであろう。
【0014】本発明に用いる増粘剤は、疎水性もしく非
水溶性のものが好ましい。親水性の増粘剤はインキとの
界面からインキ中に移行してインキ追従体の粘度が失わ
れてしまったり、インキに悪影響を与えて筆記不能にな
るなどの不都合が生じる場合がある。しかし増粘剤やイ
ンキ追従体そのものにに撥水処理を施す、又は影響を受
けにくいインキ設計とするなどの対策があれば親水性で
あっても差し支えない。増粘剤としては、アエロジルR
−972,R−974D,R−976D、RY−200
(日本アエロジル株商品名)のような表面をメチル化処
理した微粒子シリカ、レオパールKE(千葉製粉(株)商
品名)などの有機増粘剤、もしくはジメチルジオクタデ
シルアンモニウムベントナイトなど表面をオニウム処理
などで疎水化した粘土増粘剤、もしくはステアリン酸リ
チウム,ステアリン酸アルミニウム,ステアリン酸ナト
リウムなどの非水溶性金属石鹸を用いることが望まし
い。これらは単独でも併用しても構わないが、その総添
加量はインキ追従体全量に対して1〜10重量%であ
る。アエロジル#200、380、300、100、O
X50(日本アエロジル株商品名)微粒子アルミナ、超
微粒子酸化チタンなどの親水性の増粘剤はHLBが4以
下、なるべくなら2以下の界面活性剤や、シランカップ
リング剤、フルオロカーボン・メチルハイドロジェンシ
リコーンなどを添加すればインキへの干渉を押さえるこ
とが出来る。シリコーンオイルを基油とする場合にはそ
れだけでもインキへの干渉を押さえることが出来ること
が多い。
【0015】本発明の水性ボールペン用インキ追従体の
追従性を向上するために界面活性剤などの添加剤を用い
るのも有効な手段である。界面活性剤の種別は全く問わ
ないが、インキ側のゲル状物では経時保存中にインキへ
溶出するものは好ましくなく、HLB(親水疎水バラン
ス)値が4以下の非イオン系界面活性剤が好ましい。さ
らに言えば一般にフッ素系界面活性剤、シリコン系界面
活性剤と呼ばれているものが、基油の表面張力を著しく
下げるため、減圧脱泡で微視的気泡を排除する本発明に
は最も好ましい添加剤である。また、発明の主旨から
も、増粘剤の分散安定化、均一化や系の疎水化に効果の
ある前述のシランカップリング剤、フルオロカーボン・
メチルハイドロジェンシリコーンなどを添加しても良
い。添加剤は経時的な安定性やインキへの悪影響などさ
えなければ積極的に用いられるべきである。一般的に、
これらの添加量は、効力が発揮される最少の添加量であ
る0.01%から最大でも5重量%程度である。5重量
%を超えて用いても性能上問題とはならないが、添加効
果としては全く無意味である。
【0016】本発明は製造方法を含む特許であるから、
実施例を持って詳細に説明するが、概念的には減圧によ
りゲル状物内部、更に言えば増粘剤内部の目に見えない
気泡を膨らませて系外へ出す。もう一つ、温度を上げて
溶剤の表面張力を小さくし、目には見えないほど微細な
増粘中の気泡をもぬらす。と言った思想に基ずく。当
然、減圧下も加熱下も同時に攪拌した方が効率が良い。
更に減圧・加熱・攪拌を同時に行えば更に良い結果が得
られるが0.1気圧以下のように強く減圧する場合は温
度は高くない方がよい。目安は概ね60℃である。
【0017】2本ロールミルや3本ロールミルを高温で
使用すると、気泡の混入が少ないインキ追従体が出来る
が、ニーダーやプラネタリーミキサーその他撹拌機で減
圧及び加温能力があるものに移して減圧脱泡の仕上げを
するべきである。脱泡の方法としては負圧によって膨張
した泡を水やアルコール類などの有機溶剤、消泡剤など
の界面活性剤の何れかを1種以上噴霧する事によって排
除する方法や、予め破泡剤を配合する等も考えられる
が、インキ追従体に噴霧したものが残る可能性があった
り、インキ追従体性能に関係のない成分が残留したりす
るので、異物に頼らない減圧脱泡の方が好ましい。
【0018】減圧は0.2気圧以下でなければならな
い。0.2気圧は本発明者の経験的な数値で科学的根拠
はない。難揮発性溶剤を意図的に使っているため、60
℃以内なら、低気圧でも沸騰した経験はないが、高温で
粘度の下がった状態でも0.2気圧以上では十分に気泡
が抜けない。
【0019】気圧の下限は「基油が沸騰しない範囲なら
低いことが好ましい」と言う表現になる。本発明者等
は、低いほど良く泡が抜けて良い結果を生むと確信して
いるが、いかな難揮発溶剤でも全くの真空となれば存在
していられない。また、不(難)揮発性溶剤は分子量や二
重結合・環状物の位置などが違うものの混合物である場
合が多い。従って、高温低気圧下では一部が揮発するも
のもある。例えばポリブテンの場合、普通に分子量と呼
ばれるものは平均値であり、その近辺の分子量のポリブ
テンの集合体である。これを高温低気圧下に曝すと低分
子量の成分が失われることとなる。製造毎の品質管理は
ポリブテンのロットばらつきに支配されがちだが、揮発
しやすい部分が先に失われるので、むしろ経時的な安定
性はよい。
【0020】予め高粘度を保って分散したものを後から
溶剤など希釈する方法にも本発明は有効である。例えば
本発明の実施例1の配合においては3本ロールミルを使
用しているが、本発明の製造方法では3本ロールミルの
工程前までをプラネタリーミキサーでよく混練し、ここ
に鉱油を投入して100℃程度に加温しながら撹拌し、
冷却水などを通して、60℃以下に温度調整して減圧脱
泡すれば、3本ロールミルを用いなくても同等の性能が
得られる。更に効率よく分散させる為には、鉱油投入前
にも減圧下で混練するか、一度温度を上げて混練する等
を推奨する。
【0021】本発明のインキ追従体の充填方法の一例を
示すと、インキ収容管にインキを充填し、ペン先を取り
付け、更にインキ追従体を充填する。しかる後、遠心分
離機で尾端方向からペン先方向に向けて強い遠心力をか
けるとインキとインキ追従体は間に空気などを挟むこと
なく見栄え良く充填される。
【0022】
【実施例】実施例、比較例によって本発明を更に説明す
る。試験3及び試験4に用いるボールペンの組立には、
国産遠心機株製H−103N型遠心分離機を用い、ペン
の尾端方向からペン先方向に遠心力がかかるように、毎
分2800回転で10分間遠心力をかけ、内部に混入し
た気泡を追い出した。
【0023】試験3及び試験4の水性ボールペン用イン
キを次に示すように調製した。 プリンテックス 25(カーホ゛ンフ゛ラック;デグサ社商品名) 7 重量部 PVP K−30 (ホ゜リヒ゛ニルヒ゜ロリト゛ン;GAF社製) 3.5 〃 グリセリン 10 〃 リシノール酸カリウム 0.5 〃 トリエタノールアミン 1 〃 1,2−ベンズイソチアゾリン3−オン 0.2 〃 ベンゾトリアゾール 0.2 〃 水 27.2 〃 以上をビーズミルで混練した後、カーボンブラックの粗大粒子を取り除き プロピレングリコール 20 重量部 カ−ボポール 940(架橋型ホ゜リアクリル酸;B.F.ク゛ット゛リッチ社商品名) 0.4 〃 水 30 〃 を加えて、40sec-1の時の粘度が500mPa sec水性ボ
ールペン用インキを得た。
【0024】実施例1〜5及び比較例1〜5を各々同じ
材料ロットを使用して5回(ロット)ずつ調製した。 試験1 粘度ばらつき 実施例及び比較例のインキ追従体の粘度を測定した。粘
度はE型粘度計のコーン角3度で1回転の粘度を測り5
つの内の最低値に対する最高値の割合を%表示した。数
値が小さいほど(100に近いほど)ばらつきが小さい
と言える。 試験2 経時安定性−1(離油試験) 実施例及び比較例の各5ロットをそれぞれ1リットルの
ステンレスビーカーに、目立つような気泡が混入しない
ように注意しながら擦り切り一杯取り、ピンポン玉半分
相当の穴あけ、50℃の恒温槽に1週間放置したとき、
穴に出てきた油の量を測定した。。評価は概ね1cc程度
以下(1.5cc未満)が○、概ね2〜3cc程度(1.5cc
以上3.5cc未満)が△、4cc程度(3.5cc以上)以上
にあるようなら×とした。これを○が0点、△3点、×
が5点として、5ロットの合計点を各々の実施例及び比
較例の点数とした。点数が小さい程良い結果である。
【0025】試験3 経時安定性−2(ペン体保存試
験) 実施例及び比較例の各5ロットで10本ずつ、図1に示
すホルダーを用いたボールペンを組み立てた。内径4.
0mmで半透明のポリプロピレンチューブをインキ収容管
10とし、所定のインキ20と各実施例及び比較例のイ
ンキ追従体30を充填した。ペン先部40には、図1と
同様の形態を持つホルダーを用いた市販のボールペン
(UM−100;三菱鉛筆(株)商品名)のものと同じボ
ールペンチップを装着した。ボールペンチップホルダー
41の材質は快削ステンレス、ボール42は直径0.5
mmのタングステンカーバイトである。組上がったボール
ペンをペン先部が上になるようにして50℃の恒温槽に
1ヶ月間放置した後、目視にて油分がインキ中に混入し
ている本数を数えて点数とした。点数は各ロット10本
ずつで各例5ロットずつであるから、実施例及び比較例
はそれぞれ50サンプルであり、0点が最も良く最低は
50点である。
【0026】試験4 経時安定性−2(泡咬み試験) 組上がったボールペンをペン先部が下になるようにして
50℃の恒温槽に1ヶ月間放置した後、目視にて気泡が
インキ−インキ追従体界面に存在するか。又はインキ追
従体中にクラックのようなものが見受けられるかを数え
て点数とした。インキ中でもインキ追従体中でも気泡や
クラックのようなものが見受けられた場合は不合格とし
てカウントした。点数は各ロット10本ずつで各例5ロ
ットずつであるから、実施例及び比較例はそれぞれ50
サンプルであり、0点が最も良く最低は50点である。
【0027】試験5 経時安定性−4(経時保存後筆記
試験) 試験3で評価し終えたサンプルをそのまま速度4.5m/s
ecの速度で螺旋筆記した。インキがチューブ内に1cm
(約0.13g)以上残っているのに筆記できなくなった
ものの本数を数えて点数とした。試験3同様、0点が最
も良く最低は50点である。
【0028】 実施例1 ポリブテン 35R(出光興産株商品名;MW=720) 47.4重量 部 アエロジル R−976D(疎水性シリカ;日本アエロシ゛ル株商品名) 5 〃 エフトップ EF−801 (フッ素系界面活性剤;三菱マテリアル株商品名) 0.1 〃 ダイアナプロセスオイル MC−S32(鉱油;出光興産株商品名)47.5 〃 以上を秤量し、プラネタリーミキサー((株)ダルトン製
5DMV型)を用いて70℃で1時間攪拌後、40℃・
0.2気圧下で1時間攪拌して実施例1を得た。
【0029】 実施例2 ニッサンポリブテン 015N(日本油脂株商品名;MW=580) 95 重量 部 BENTON 34 (有機処理ベントナイト:ウイルバ−エリス社商品名) 4 〃 KBM 504(シランカップリング剤;信越化学(株)商品名) 1 〃 メタノール 2 〃 以上の配合物を三本ロールミル(小平製作所(株)製ロー
ル径13cm)で2回混練した。3本ロールミル混練中に
メタノールは揮発して失われてしまった。次いでアジホ
モミキサー(特殊機化(株)製HM−2P型)に移し、5
0℃・0.02気圧で1時間攪拌して実施例2を得た
【0030】 実施例3 ニッサンポリブテン 200SH (日本油脂株商品名;MW=2650) 48.4重量 部 アエロジル R−972 (疎水性シリカ;日本アエロシ゛ル株商品名;BET表面積110m2/g) 3 〃 SILWET FZ−2122 (シリコーン系界面活性剤;日本ユニカー株商品名) 0.1 〃 以上の配合物をプラネタリーミキサー(前出)で60℃
で0.05気圧下で1時間混練した後、ダイアナプロセ
スオイル MC−W90(鉱油;出光興産株商品名)4
8.5重量部を加え、30℃・0.05気圧で1時間混練
して実施例3を得た。
【0031】 実施例4 TSF451−3000(ジメチルシリコーン油; 東芝シリコーン社商品名) 70.0重量 部 アエロジル 200(微粒子シリカ;日本アエロジル(株)商品名) 4.0 〃 A174(シランカップリング剤;日本ユニカー社商品名) 1.0 〃 以上の配合物を三本ロールミルで2回混練し、ゲル状物4Aを得た。 次いでプラネタリーミキサー(前出)に ゲル状物4A 75 重量 部 TSF451−3000 25 〃 を秤量し、常温・0.02気圧で1時間攪拌して実施例
4を得た。
【0032】 実施例5 ニッサンポリブテン 200SH 38.5重量 部 BENTON 34 1 〃 ジグリセリンジベヘニルエーテル 0.5 〃 エタノール 2 〃 以上の配合物を三本ロールミル(前出)で2回混練し、
ゲル状物5Aを得た。3本ロールミル混練中にエタノー
ルは揮発して失われてしまった。 ダイアナプロセスオイル MC−S32 58.5重量 部 アエロジル 200 1 〃 KBM 504 0.5 〃 以上を横型ビーズミル(ダイノ−ミル社製KDL型)で
ジルコニアビーズを用いて1時間攪拌しゲル状物5Bを
得た。 ゲル状物5A 40 重量 部 ゲル状物5B 60 〃 を秤量し、40℃・0.02気圧以下で1時間攪拌して
実施例5を得た
【0033】 実施例6 ポリブテン 35R 47.4重量 部 ダイアナプロセスオイル MC−S32 47.5 〃 アエロジル R−976D 5 〃 エフトップ EF−801 0.1 〃 以上を秤量し、プラネタリーミキサー(前出)を用いて
70℃で1時間攪拌後、40℃・0.3気圧で1時間攪
拌して実施例6を得た。
【0034】 実施例7 ニッサンポリブテン 015N 95 重量 部 BENTON 34 4 〃 KBM 504 1 〃 メタノール 2 〃 以上の配合物を三本ロールミル(前出)で2回混練し
た。3本ロールミル混練中にメタノールは揮発して失わ
れてしまった。次いでアジホモミキサー(前出)に移
し、50℃・0.02気圧で1時間放置して実施例7を
得た
【0035】 実施例8 ニッサンポリブテン 200SH 48.4重量 部 アエロジル R−972 3 〃 SILWET FZ−2122 0.1 〃 以上の配合物をプラネタリーミキサー(前出)で60℃
で0.05気圧下で1時間混練した後、ダイアナプロセ
スオイル MC−W90(鉱油;出光興産株商品名)4
8.5重量部を加え、温度を100℃とし1時間混練
後、100℃・0.05気圧で1時間混練して実施例8
を得た。
【0036】 実施例9 ポリブテン 35R 47.4重量 部 アエロジル R−976D 5 〃 エフトップ EF−801 0.1 〃 ダイアナプロセスオイル MC−S32 47.5 〃 以上を秤量し、プラネタリーミキサーを用いて70℃で
1時間攪拌後、常温・0.2気圧下で1時間攪拌して実
施例9を得た。
【0037】 実施例10 ポリブテン 35R 47.4重量 部 アエロジル R−976D 5 〃 エフトップ EF−801 0.1 〃 ダイアナプロセスオイル MC−S32 47.5 〃 以上を秤量し、プラネタリーミキサーを用いて70℃で
1時間攪拌後、常温・0.2気圧下で1時間放置して実
施例10を得た。
【0038】 実施例11 ポリブテン 35R 47.4重量 部 アエロジル R−976D 5 〃 エフトップ EF−801 0.1 〃 ダイアナプロセスオイル MC−S32 47.5 〃 以上を秤量し、プラネタリーミキサーを用いて70℃で
1時間攪拌後、40℃・0.2気圧下で1時間放置して
実施例11を得た。
【0039】 比較例1 ポリブテン 35R 47.4重量 部 アエロジル R−976D 5 〃 エフトップ EF−801 0.1 〃 ダイアナプロセスオイル MC−S32 47.5 〃 以上を秤量し、プラネタリーミキサーを用いて70℃で
1時間攪拌後、比較例1を得た。
【0040】 比較例2 TSF451−3000 70.0重量 部 アエロジル 200 4.0 〃 A174 1.0 〃 以上の配合物を三本ロールミルで2回混練し、ゲル状物
4Aを得た。次いでプラネタリーミキサー(前出)に ゲル状物4A 75 重量 部 TSF451−3000 25 〃 を秤量し、常温・常圧で1時間攪拌して比較例2を得
た。
【0041】 比較例3 ニッサンポリブテン 200SH 38.5重量 部 BENTON 34 1 〃 ジグリセリンジベヘニルエーテル 0.5 〃 エタノール 2 〃 以上の配合物を三本ロールミル(前出)で2回混練し、
ゲル状物5Aを得た。3本ロールミル混練中にエタノー
ルは揮発して失われてしまった。 ダイアナプロセスオイル MC−S32 58.5重量 部 アエロジル 200 1 〃 KBM 504 0.5 〃 以上を横型ビーズミル(前出)でジルコニアビーズを用
いて1時間攪拌しゲル状物5Bを得た。 ゲル状物5A 40 重量 部 ゲル状物5B 60 〃 を秤量し、40℃・常圧下で1時間攪拌して比較例3を
得た
【0042】 比較例4 ニッサンポリブテン 015N 95 重量 部 BENTON 34 4 〃 KBM 504 1 〃 メタノール 2 〃 以上の配合物を三本ロールミル(前出)で2回混練し
た。3本ロールミル混練中にメタノールは揮発して失わ
れてしまった。次いでアジホモミキサー(前出)に移
し、50℃・常圧で1時間攪拌して比較例4を得た
【0043】以上の実施例1乃至11と比較例1乃至4
とを、最終段階での負圧力、温度及び撹拌時間の別に表
1に整理した。
【表1】
【0044】更に、これら実施例1乃至11及び比較例
1乃至4について、試験1〜5を行った結果の評価を表
2に示す。
【表2】
【0045】この評価においては、配合によって当然に
評価が異なるので、同一配合のインキ追従体同士を順次
評価することとした。ここでは、まず最初に、実施例
1、実施例9から11、比較例1及び実施例6について
検討する。これらはすべて同配合のインキ追従体であ
り、製造工程中で減圧等を行ったか否の相違のみであ
る。
【0046】ちなみに、比較例1は全く減圧、温度制
御、撹拌を行わなかった場合である。これに対して、実
施例10は、減圧のみを行ったものである。この実施例
10のように、減圧のみを行った場合であっても、比較
例1に比べて遙かに高い評価となっている。更に、実施
例9のように、減圧と共に常温撹拌を行ったり、実施例
11のように、温度を40℃として減圧したりすると、
実施例10に比べて、評価が高くなる。また、実施例1
のように、減圧、温度制御、撹拌を同時に行うと、遙か
に優れた特性を有するようになる。これは、減圧が非常
に有効な手段であると共に、減圧時に撹拌したり、温度
を向上させたりすると各々有効であると共に、減圧時に
撹拌と温度向上とを同時に行うと、別個に行った場合に
比べて遙かに優れた相乗的特性が得られることがわかっ
た。
【0047】更に実施例1と実施例6とは、負圧条件の
みが異なるものである。すなわち、実施例1は0.2気
圧の負圧力で脱泡を行ったのに対して、実施例6は0.
3気圧の負圧力で脱泡を行ったものである。その結果、
表2に明らかなように、実施例1の方が実施例6に比べ
て遙かに優れた評価となった。この意味を検証するため
に、実施例9乃至11と同様の実験を負圧力0.3気圧
で行ったところ、実施例1と実施例6との関係と同様
に、0.3気圧で行った場合には0.2気圧の場合に比
べて評価が低くなっていた。結局、本願発明のように、
負圧によって脱泡する場合には、0.2気圧以下の負圧
にすると、効果が大きくなることが確認された。
【0048】次に、実施例2,実施例7及び比較例4に
ついて説明する。これらはすべて同配合のインキ追従体
であり、製造工程中で撹拌あるいは減圧等を行ったか否
の相違のみである。比較例4は、50℃で1時間の撹拌
を行ったものの、常圧であった。これに対して実施例7
は、撹拌を行わなかったものの、50℃で0.02気圧
としたものであり、実施例2は、50℃で0.02気圧
のもとで1時間撹拌したものである。結果を表2にした
がって検討すると、常圧で加熱撹拌しただけの比較例4
の評価は低い。
【0049】一方、撹拌しないものの加熱減圧した実施
例7は、比較例4に比べると、遙かに優れた評価となっ
ている。更に、加熱減圧しながら撹拌した実施例2は、
実施例7に比べても遙かに優れた評価が得られた。これ
らの結果から、実施例2の配合のインキ追従体で、負圧
を0.02気圧とした場合には、撹拌よりも減圧の方が
特性向上に寄与するものであることが確認された。
【0050】次に、実施例4と比較例2について説明す
る。これらは同配合のインキ追従体であり、製造工程中
で減圧等を行ったか否の相違のみである。この2例はい
ずれも常温撹拌したものであるものの、実施例4は0.
02気圧の元で行い、比較例2は常圧の元で行ったもの
である。この結果からすると、常温撹拌の場合、0.0
2気圧まで減圧した場合としない場合とでは、特性に大
きな差が生じることがわかった。
【0051】次に実施例5と比較例3とについて説明す
る。これらは同配合のインキ追従体であり、製造工程中
で減圧等を行ったか否の相違のみである。この2例はい
ずれも40℃で撹拌したものであり、実施例5は0.0
2気圧まで減圧し、比較例3は常圧で行ったものであ
る。この結果も、前述した実施例4と比較例2との対比
と同様に、40℃での撹拌時にも、0.02気圧まで減
圧した場合としない場合とでは、特性に大きな差が生じ
ることがわかった。
【0052】次に実施例7と比較例4とについて説明す
る。これらは同配合のインキ追従体であり、製造工程中
で減圧等を行ったか否あるいは撹拌を行ったか否かの相
違である。実施例7は加温減圧したものであり、比較例
4は加温撹拌したものである。この結果では、表2に示
されているように、同一温度に加温した場合、撹拌より
も減圧した場合の方が特性が向上することがわかった。
【0053】また実施例3と実施例8とは、同配合のイ
ンキ追従体であるが、実施例3については30℃で1時
間撹拌した場合であり、実施例8については100℃で
1時間混練りした場合である。両者を比較すると、試験
2乃至試験5に関しては両者ともに高評価が得られてい
るものの、試験1に関しては実施例3の方が高い評価と
なっている。このような実施例8は、100℃と言う高
温下で減圧したために基油中の比較的揮発性の高い成分
が失われてしまったために、試験1の評価が低くなった
ものである。本発明者等の経験では分散剤の効力の差に
よる粘度差より、基油の粘度によるインキ追従体の粘度
差の方が性能には大きな影響がある。ボールペンホルダ
ーに充填したときに基油の粘度差によって現れる性能差
は、インキへの追従性、インキの流出性、耐落下衝撃性
など、ボールペン性能として非常に重要な部分であり、
試験2〜試験5の成績が良いものの、実施例8の粘度ば
らつきは避けたいものである。
【0054】本来、本発明は試験4のボールペンホルダ
ー中に発生する泡を問題とし、これの改良のためのもの
である。したがって、試験4の結果について、再度評価
する。比較例1を基準にすると、負圧にした実施例10
では、気泡あるいはクラックの存在が約1/3となり、
同時に撹拌した実施例9では、気泡あるいはクラックの
存在が約1/4となっている。更に、加温した状態で負
圧にした実施例11では、気泡あるいはクラックの存在
が約1/5となっている。これらのことから、増粘剤中
の微小気泡を排除するためには、製造工程中に負圧環境
を形成することが有効であることが確認された。また、
実施例1に対して実施例11は、配合、温度、減圧度と
もに同一であるものの、実施例11は撹拌しないために
減圧下で膨張した泡が破泡せず、常圧に戻したときにイ
ンキ追従体内に戻ってしまうために、結果として実施例
1に比べると脱泡が十分行われないこととなっている。
【0055】ただ、比較例1に比べると、負圧にするこ
とによる脱泡効果は十分確認することができた。このよ
うに、撹拌の有無による脱泡効果に関しては、実施例2
と実施例7との比較においても確認することができた。
このように、試験4の結果を基準としてインキ追従体を
判断すると、負圧にすることによる脱泡効果が確認さ
れ、更に同時に加熱したり、撹拌したりすると更に効果
が向上することも確認された。また実施例1と実施例6
とを比較した結果、負圧にするときの圧力が0.2気圧
以下となると効果が著しく向上することも確認された。
すなわち、負圧にした場合、0.2気圧に一つの境界線
があることがわかった。試験2、試験3の結果も向上し
ているのは、増粘剤中の微小気泡が排除され、増粘剤が
基油に良く濡れたために分散性が向上した為であると推
測される。
【0056】なおここで、比較例3は、減圧脱泡する工
程はないが、三本ロールミルとビーズミルで作ったゲル
状物を混合するものである。どちらの分散機も大きな気
泡を混入させ難いものなので、粘度ばらつきは比較的小
さく、比較的高い評価が得られるものである。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる水
性ボールペン用インキ追従体は、製造毎のばらつきが少
なく、経時的にも安定で、インキに対し悪影響も与えな
い優れたインキ追従体である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインキ追従体を用いる水性ボールペン
のホルダーの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 インキ収納管 20 インキ 30 インキ追従体 40 ペン先部 41 チップホルダー 42 ボール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鎌形 忠 神奈川県横浜市神奈川区入江二丁目5番12 号 三菱鉛筆株式会社研究開発センター内 (72)発明者 白石 克彦 神奈川県横浜市神奈川区入江二丁目5番12 号 三菱鉛筆株式会社研究開発センター内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インキ収容管に直接インキを収容せしめ
    る水性ボールペンのインキ追従体に於いて、増粘剤を添
    加した後に雰囲気の圧力を意図的に負圧にしたことを特
    徴とする水性ボールペン用インキ追従体。
  2. 【請求項2】 負圧を0.2気圧以下としたことを特徴
    とする請求項1記載の水性ボールペン用インキ追従体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 負圧時に常温よりも昇温させたことを特
    徴とする請求項1または2記載の水性ボールペン用イン
    キ追従体。
  4. 【請求項4】 負圧時に撹拌したことを特徴とする請求
    項1、2または3記載の水性ボールペン用インキ追従
    体。
  5. 【請求項5】 増粘剤として、有機処理粘土もしくは微
    粒子シリカの少なくとも1種を用いたことを特徴とする
    請求項1、2、3または4記載の水性ボールペン用イン
    キ追従体。
  6. 【請求項6】 増粘剤を添加した後に0.2気圧以下に
    減圧した環境下で、インキ追従体もしくはインキ追従体
    内部に混入し負圧によって膨張した泡を昇温攪拌するこ
    とによって排除することを特徴とした水性ボールペン用
    インキ追従体の製造方法。
  7. 【請求項7】 増粘剤として、有機処理粘土もしくは微
    粒子シリカの少なくとも1種を用いることを特徴とした
    請求項6記載の水性ボールペン用インキ追従体の製造方
    法。
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