JPH1148001A - 中空シャフトの製造方法 - Google Patents

中空シャフトの製造方法

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JPH1148001A
JPH1148001A JP21432997A JP21432997A JPH1148001A JP H1148001 A JPH1148001 A JP H1148001A JP 21432997 A JP21432997 A JP 21432997A JP 21432997 A JP21432997 A JP 21432997A JP H1148001 A JPH1148001 A JP H1148001A
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Japan
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hollow shaft
hole
mandrel
shaft material
collet
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JP21432997A
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Takeshi Morioka
武 森岡
Taizo Kitamura
泰三 北村
Tatsuo Ichinokawa
辰男 市野川
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】極めて高精度な中空シャフトを、材料に左右さ
れることなく容易に製造することができる中空シャフト
の製造方法を提供する。 【解決手段】中空シャフト素材Wに貫通孔W1 を形成す
る内周加工工程1を行う。中空シャフト素材Wの貫通孔
1 にマンドレル12を挿着して保持し、中空シャフト
素材Wの少なくとも一端部に、貫通孔W1 と同心の基準
となる外周面W2を形成する基準外周部成形工程3を行
う。マンドレル12による保持を解除し、基準外周部成
形工程3により形成された外周面W2 を保持して、中空
シャフト素材Wの仕上げ工程4を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空シャフトの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、比較的長尺の中空シャフトの製造
においては、先ず、円柱棒状のシャフト素材に、ガンド
リル加工によって軸方向に深穴加工し、次いで、細穴を
ドリルで貫通させて、シャフト素材に貫通孔を形成す
る。これによって形成された中空シャフト素材の貫通孔
に円柱棒状の芯金を挿着する。該芯金は、中空シャフト
素材の貫通孔の内径と略同径の外径を有して中空シャフ
ト素材よりも長尺に形成されており、中空シャフト素材
の貫通孔に挿着した際に、中空シャフト素材を略同心に
保持してその両端を旋盤等のセンタ等に保持する。その
後、芯金を介して中空シャフト素材を回転させつつ該中
空シャフト素材の外周を切削加工し、中空シャフトを得
る。
【0003】ここで、前記芯金による中空シャフト素材
の保持状態をさらに詳しく説明すれば、図7に示すよう
に、芯金50は、その外周面の殆どが中空シャフト素材
51の貫通孔52に接触する主軸53と、該主軸53の
一方に同軸に一体に延出する延出軸54とを備えてい
る。一方、中空シャフト素材51の貫通孔52は、その
一端に小径部55が形成されており、該小径部55に芯
金50の延出軸54が挿通される。そして、中空シャフ
ト素材51の貫通孔52の小径部55により形成される
段差を、芯金50の主軸53と延出軸54との境界に形
成される段差に係止させ、芯金50の延出軸54の外方
から固定ナット56を螺着することで、中空シャフト素
材51を芯金50に一体に固定する。これによって、前
述した中空シャフト素材51の外周の切削加工時に、芯
金50を回転させれば、中空シャフト素材51を内径基
準で回転させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この種の芯金
50は、中空シャフト素材51の貫通孔52への挿脱を
可能とするのために、中空シャフト素材51の貫通孔5
2よりも僅かに小径に形成されている。このため、中空
シャフト素材51の貫通孔52と芯金50との間に極め
て小ではあるがクリアランスが生じ(具体的には、約3
0μm)、中空シャフト素材51と芯金50との同心度
(内径の軸心と外径の軸心とのずれ寸法)を高精度に維
持することができない。そして、このような芯金50を
介して中空シャフト素材51を回転させると、中空シャ
フト素材51が振れを生じて、中空シャフト素材51の
外周の切削加工を高精度に行うことができない。
【0005】この種の中空シャフトは、例えば航空機の
ガスタービンのシャフトとして使用されるため、同心度
が極めて高い(10〜20μm以下)ことが望ましい。
しかも、この種の中空シャフトは、例えばニッケル系超
合金やステンレス系合金等の難削材が採用されることが
多く、切削加工が比較的困難な場合がある。
【0006】上記の方法によって製造される中空シャフ
トは、同心度が低く(70〜120μm)、その材料が
難削材である場合には、更に切削精度が低下するので、
航空機のガスタービン等のように極めて高い精度が要求
されるシャフトとしては不適なものとなる不都合があ
る。
【0007】かかる不都合を解消して、本発明は、極め
て高精度な中空シャフトを、材料に左右されることなく
容易に製造することができる中空シャフトの製造方法を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、軸方向に貫通する貫通孔を形成して円
筒状の中空シャフト素材を形成する内周加工工程と、該
中空シャフト素材の貫通孔にマンドレルを挿着し、該マ
ンドレルを介して該貫通孔の軸心と同心に中空シャフト
素材を保持し、該中空シャフト素材の少なくとも一端部
に、該中空シャフト素材の貫通孔と同心の基準となる外
周面を形成する基準外周部成形工程と、前記マンドレル
による保持を解除し、前記基準外周部成形工程により形
成された外周面を保持して回転させ、該中空シャフト素
材の略全長の外周の所定肉厚を切削して仕上げを行う仕
上げ工程とを備えることを特徴とする。
【0009】本発明によれば、前記基準外周部成形工程
における中空シャフト素材は、前記マンドレルによって
保持された状態で、その少なくとも一端部に貫通孔と同
心の基準となる外周面を形成する。こうしておくことに
より、次工程である前記仕上げ工程においては、マンド
レル等を介して中空シャフト素材を保持することなく、
中空シャフト素材自身の基準となる外周面を保持し回転
させて外周切削を行うことができるので、極めて高い精
度の同心度を得て精度の高い中空シャフトを形成するこ
とができる。
【0010】また、本発明において、前記マンドレル
は、主軸と、該主軸より小径に形成され、該主軸の両端
から該主軸と同一軸線上に延設された一対の延長軸部
と、主軸と各延長軸部との間において主軸から各延長軸
部に向かって次第に縮径する一対のテーパ部と、各テー
パ部に装着された一対のコレットと、該コレットを前記
テーパ部に沿って移動させる移動手段とを備えてなり、
前記コレットは、円筒状に形成され、一端縁から他端縁
近傍まで軸方向に延びる複数の第1スリットと他端縁か
ら一端縁近傍まで軸方向に延びる複数の第2スリットと
を交互に配して、内壁が各テーパ部に対応して外径が拡
径自在に形成されており、前記基準外周部成形工程にお
いて該マンドレルによって前記中空シャフト素材を保持
する際には、該マンドレルを前記中空シャフト素材の貫
通孔に挿通した後、移動手段によりコレットをテーパ部
の大径側に移動させ、該コレットの拡径により前記中空
シャフト素材の貫通孔の内壁に該コレットの外壁を圧接
して該中空シャフト素材を保持することを特徴とする。
【0011】これにより、該マンドレルは、前記コレッ
トが中空シャフト素材の貫通孔に2箇所で確実に密着す
るので、コレットと中空シャフト素材の貫通孔との間に
クリアランスが生じることがなく、従来の芯金等を使用
する場合に比して極めて高い精度の同心度を得て精度の
高い外径基準部を形成することができる。
【0012】そして、前記外径基準部成形工程において
中空シャフト素材に精度の高い基準となる外周面を形成
することができるので、前記仕上げ工程においては中空
シャフト素材の基準となる外周面を直接に保持し回転さ
せてその外周を切削加工することができる。更にこれに
よって、特に、前記中空シャフト素材がニッケル系超合
金やステンレス系合金等の難削材であっても、精度良く
確実に切削することができる。
【0013】また、本発明のマンドレルにおいては、先
端に前記移動手段に連結自在の連結部を備えるロッド
と、該ロッドに移動自在に設けられた鍔部材と、前記ロ
ッドの後端に拡径して設けられ、前記鍔部材が突き当て
られる突当部とを備え、前記鍔部材を前記ロッドの突当
部に反動を付けて突き当てることにより、前記コレット
を前記テーパ部の小径側に移動させ、該コレットの縮径
により前記中空シャフト素材の貫通孔の内壁への該コレ
ットの外壁の圧接を解除するマンドレルの取外し具を設
けたことを特徴とする。
【0014】これにより、前記基準外周部成形工程にお
いてマンドレルにより保持された中空シャフト素材を、
前記取外し具により迅速にマンドレルから取り外すこと
ができ、次工程である仕上げ工程に円滑に移行すること
ができる。
【0015】また、本発明は、前記内周加工工程におい
て、前記中空シャフト素材の貫通孔をボーリング加工に
より形成し、次いで、該貫通孔にホーニング加工を施す
ことを特徴とする。
【0016】このように、前記中空シャフト素材の貫通
孔にホーニング加工を施しておけば、中空シャフト素材
の内径の真円度が高く、前記マンドレルに支持した場合
にも同心度が極めて高いものとなる。これにより、前記
外径基準部成形工程において形成される基準となる外周
面の精度を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づ
いて説明する。図1は本実施形態の中空シャフトの製造
方法を示すブロック図、図2は中空シャフトの主要な製
造工程を示す説明図、図3は本実施形態において採用す
るマンドレルの説明的断面図、図4は図3のマンドレル
の挿着工程を示す説明図、図5は図3のマンドレルに備
えるコレットの説明図、図6は図3のマンドレルの取外
し具を示す説明図である。
【0018】本実施形態において製造される中空シャフ
トは、例えば航空機のガスタービン等に採用される比較
的長尺(本実施形態では長さ約1m)のものである。こ
の種のシャフトは極めて高い速度で回転するので、軸振
れ等が確実に防止できるような極めて高い精度に形成す
る必要がある。しかも、航空機のガスタービン等のシャ
フトにおいては、その材料自体にも高い強度が要求さ
れ、一般には、その材料として普通の炭素鋼よりも強度
が高い難削材が採用される。難削材は、高強度、高靱性
を有することで切削が困難とされるものであるが、具体
的には、ニッケル系超合金、鉄系超合金、ステンレス系
合金、チタン系合金等を挙げることができる。特に、中
空シャフトとしては、ニッケル系超合金やステンレス系
合金が好ましく、更に具体的に好ましい例としては、ニ
ッケル系超合金ではINCO718、ステンレス系合金
では17−4PHを挙げることができる。この種の難削
材は、例えば航空機のガスタービン等のように極めて高
い速度で回転させるシャフトの材料として不可欠のもの
とされている。
【0019】本実施形態の方法においては、難削材によ
る長尺の中空シャフトを製造する。本実施形態の方法
は、図1に示すように、内周加工工程1、外周余肉切削
工程2、基準外周部成形工程3、仕上げ工程4の順に行
われる。
【0020】上記各工程について説明する。前記内周加
工工程1においては、図2(a)に示すように、軸方向
に貫通する貫通孔W1 を形成して円筒状の中空シャフト
素材Wを形成する。該貫通孔W1 は、先ず棒状材料(図
示せず)の大略軸心に沿ったボーリング加工により形成
され、更に該貫通孔W1 の内面を平滑に形成するホーニ
ング加工を施す。
【0021】このとき行われるボーリング加工は、周知
のBTA孔明方式によることが挙げられる。BTA孔明
方式は、図示しないが、孔明け加工をしつつ、孔内面と
ボーリングシャフトとの間に切削油を送り込み、ボーリ
ングシャフトの先端から切削油と共に切屑を回収するも
のである。BTA孔明方式によれば、切屑の排出効率が
よく、切屑と内面とが接触しないので、内面が極めて平
滑に形成される。
【0022】ホーニング加工は、ボーリング加工時に貫
通孔W1 内面に発生した傷等を除去する。これにより、
貫通孔W1 の内径の真円度を向上させることができる。
【0023】次いで、前記外周余肉切削工程2が行われ
る。該外周余肉切削工程2は、図2(b)に示すよう
に、中空シャフト素材Wの一端を、図中一部を示す旋盤
8の回転軸端部に設けられた径方向に開閉される複数の
把持爪9に保持し、他端の貫通孔W1 を介してセンタ1
0に支持し、バイト11によって外周の余肉を削り落と
す。該外周余肉切削工程2によって行われる外周切削
は、中空シャフト素材Wの軽量化等を目的に行われるも
のであり、内径(貫通孔W1 の内面側)の中心と外径
(中空シャフト素材Wの外面側)の中心とが未だ同心に
成形されるものではない。
【0024】続いて、前記基準外周部成形工程3が行わ
れる。該基準外周部成形工程3においては、図2(c)
に示すように、先ず、中空シャフト素材Wの貫通孔W1
にマンドレル12を挿着する。そして、該マンドレル1
2の一端を前記旋盤8の把持爪9に保持し、他端をセン
タ10に支持する。該マンドレル12の詳しい構成は後
述するが、この状態でマンドレル12を介して中空シャ
フト素材Wを回転させ、バイト11により、該中空シャ
フト素材Wの両端部の所定範囲v(本実施形態では約5
0mm)に、該中空シャフト素材Wの内径の中心と同心の
外周面W2 を切削形成する。該中空シャフト素材Wの内
径は、前記貫通孔W1 を形成した内周加工工程1により
真円度が高く形成されているので、該中空シャフト素材
Wの貫通孔W1 に後述のマンドレル12を挿着すること
により容易に心出しすることができる。従って、中空シ
ャフト素材Wの両端部の所定範囲vには内外径の同心度
の高い外周面W2 が形成される。
【0025】ここで、前記マンドレル12の構成を説明
する。マンドレル12は、図3に示すように、円柱状の
主軸13と、該主軸13の両端から主軸13と同一軸線
状に延びる一対の延長軸部14,15とを備えている。
主軸13と各延長軸部14,15との間にはテーパ部1
6,17が形成されている。主軸13と、テーパ部1
6,17と、両延長軸部14,15とは同一軸線状に一
体に形成されている。延長軸部14,15は、主軸13
より小径に形成されており、その内部に棒状の挿着杆1
8,19を挿着自在とする挿着孔20,21が形成され
ている。各テーパ部16,17は、図3及び図4(a)
に示すように、主軸13の両端と各延長軸部14,15
との間において、主軸13から延長軸部14,15に向
かって次第に縮径する形状を有している。また、各テー
パ部16,17には、その直径方向に貫通してテーパ部
16,17の軸線方向に長さを有する長孔22,23が
形成されている。
【0026】また、各テーパ部16,17には、内壁が
各テーパ部16,17に対応して外径が拡径自在とされ
た円筒状のコレット24,25が、各テーパ部16,1
7に沿って移動自在に挿着されている。該コレット2
4,25には、図5(a)に示すように、一端縁から他
端縁近傍まで軸方向に延びる複数の第1スリット26
と、他端縁から一端縁近傍まで軸方向に延びる複数の第
2スリット27とが交互に形成されている。該コレット
24,25は、各テーパ部16,17の小径側(各延長
軸部14,15側)にあるときは、図5(a)に示すよ
うにその外径が小とされ、各テーパ部16,17の大径
側(主軸13側)にあるときは、図5(b)に示すよう
に、各スリット26,27の切れ幅が広がって外径が大
とされる。コレット24,25には、その直径方向に貫
通する孔部28が形成されており、図3及び図4(a)
に示すように、前記長孔22,23を貫通してコレット
24,25の孔部28に差し亘された連結ピン29,3
0が設けられている。該連結ピン29,30は、前記挿
着杆18,19の先端に連結されており、挿着杆18,
19が延長軸部14,15の軸線に沿って移動すること
によって、長孔22,23に沿って移動し、コレット2
4,25をテーパ部16,17に沿って移動させる。即
ち、連結ピン29,30及び前記挿着杆18,19は、
コレット24,25をテーパ部16,17に沿って移動
させる移動手段を構成するものである。なお、図4
(a)に示すように、挿着杆18(19)の後端には、
後述する取外し具31に連結するための連結雌ネジ32
が形成されている。
【0027】また、図3及び図4(a)に示すように、
各延長軸部14,15の挿着孔20,21の端部内壁に
はネジ部33,34が形成されており、それぞれのネジ
部33,34には、押し込みネジ35,36が螺合す
る。押し込みネジ35,36は、その軸心部に図示しな
いレンチ穴が形成されており、該レンチ穴に図示しない
レンチを差し込んで回転操作が行えるようになってい
る。
【0028】次に、該マンドレル12に中空シャフト素
材Wを保持する際の作動を図4(a)及び図4(b)を
参照して説明する。なお、図4においては、図3示のマ
ンドレル12の左半部を図示し、一方側のテーパ部16
及びコレット24の作動を説明するが、図4示されてい
ない他方側のテーパ部17及びコレット25の作動につ
いては同様であるのでその説明を省略する。
【0029】図4(a)に示すように、先ず、マンドレ
ル12を中空シャフト素材Wの内部の所定位置まで挿入
する。このとき、前記コレット24を、テーパ部16の
小径側(延長軸部14側)に位置させておくことによ
り、該コレット24の外径を小としておく。次いで、前
記挿着孔20のネジ部33に押し込みネジ35を螺着挿
入する。更に押し込みネジ35を回転させて前記挿着杆
18を主軸13の方向に押し込み移動させる。
【0030】これにより、図4(b)に示すように、前
記挿着杆18が移動して、前記連結ピン29が前記テー
パ部16の長孔22に沿って主軸13の方向に移動し、
連結ピン29によってコレット24がテーパ部16の大
径側(主軸13側)に移動する。それに伴って、コレッ
ト24は、テーパ部16の大径部分によって各スリット
26,27の切れ幅が広げられ、外径が拡径して中空シ
ャフト素材Wの内壁に圧接される。コレット24は、テ
ーパ部16と中空シャフト素材Wとの間にあって両者に
圧接された状態となるので、コレット24とテーパ部1
6(及び主軸13)との軸心ずれが生じることがない。
【0031】そして、中空シャフト素材Wは、本実施形
態のように長尺のものであっても、両コレット24,2
5を介して精度よく保持され、前記基準外周部成形工程
3において外周部W2 を高精度に切削加工することがで
きる。
【0032】続いて、前記仕上げ工程4が行われる。該
仕上げ工程4は、図2(d)に示すように、前記マンド
レル12による中空シャフト素材Wの保持を解除し、前
記基準外周部成形工程3により形成された中空シャフト
素材Wの一端部の外周面W2を旋盤8の把持爪9に保持
し、他端の貫通孔W1 を介してセンタ10に支持し、バ
イト11によって該中空シャフト素材Wの略全長に亘る
外周の所定肉厚を切削する。
【0033】そして更に、該仕上げ工程4においては、
図示しないが、マンドレル12を外した中空シャフト素
材Wの外周面W2 を基準としてNC加工による内周及び
外周の仕上げ加工を行う。これによって極めて精度の高
い長尺の中空シャフトを形成することができる。
【0034】なお、該仕上げ工程4に先立って、前記マ
ンドレル12を中空シャフト素材Wから取り外す作業が
行われる。該マンドレル12を中空シャフト素材Wから
取り外す際には、図6に示すように、取外し具31が使
用される。該取外し具31は、先端に連結雄ネジ(連結
部)37が形成され、後端にボルト頭(当接部)38が
形成されたロッド39と、該ロッド39に移動自在に設
けられた鍔部材40とによって構成されている。該取外
し具31のロッド39の連結雄ネジ37を、マンドレル
12の挿着杆18の後端に形成されている連結雌ネジ3
2に螺着して連結する。このとき、予めマンドレル12
の押し込みネジ35を外しておくことは言うまでもな
い。そして、取外し具31の鍔部材40をロッド39の
ボルト頭38に反動を付けて数回当てる。これにより、
挿着杆18が外方に移動して、前記連結ピン29が前記
テーパ部16の長孔22に沿って延長軸部14の方向に
移動し、連結ピン29によってコレット24がテーパ部
16の小径側(延長軸部14側)に移動する。それに伴
って、コレット24は、テーパ部16の小径部によって
各スリット26,27の切れ幅が狭まり、外径が縮径し
て中空シャフト素材Wへの圧接を解除する。図6におい
ては、一方のコレット24側について図示したが、他方
のコレット25側についても同様に取り外し作業を行
い、これによって、中空シャフト素材Wからのマンドレ
ル12の取外しを容易且つ迅速に行うことができる。
【0035】なお、本実施形態では、前記基準外周部成
形工程3において、中空シャフト素材Wの両端部の所定
範囲vに基準となる一対の外周面W2 を形成したので、
前記仕上げ工程4において中空シャフト素材Wの両端部
の外周面W2 を基準として保持することができ、精度の
良い切削を行うことができる。
【0036】また、本実施形態においては、前記マンド
レル12を採用することが最も好ましいが、例えば図示
しないが、前記マンドレル12と異なる構成を有するも
のであっても、中空シャフト素材Wの貫通孔W1 に挿着
した際に該貫通孔W1 の内面と間にクリアランスが生じ
ないマンドレルであれば、本発明の効果を得ることがで
きることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の中空シャフトの製造方法
を示すブロック図。
【図2】中空シャフトの主要な製造工程を示す説明図。
【図3】本実施形態において採用するマンドレルの説明
的断面図。
【図4】図3のマンドレルの挿着工程を示す説明図。
【図5】図3のマンドレルに備えるコレットの説明図。
【図6】図3のマンドレルの取外し具を示す説明図。
【図7】従来の中空シャフトの製造方法の一工程を示す
説明図。
【符号の説明】
W…中空シャフト素材、W1 …貫通孔、W2 …外周面、
1…第1の内周加工工程(内周加工工程)、3…第1の
基準外周部成形工程(基準外周部成形工程)、4…外周
切削加工工程、12…マンドレル、13…主軸、14…
延長軸部、16,17…テーパ部、24,25…コレッ
ト、26…第1スリット、27…第2スリット。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸方向に貫通する貫通孔を形成して円筒状
    の中空シャフト素材を形成する内周加工工程と、 該中空シャフト素材の貫通孔にマンドレルを挿着し、該
    マンドレルを介して該貫通孔の軸心と同心に中空シャフ
    ト素材を保持し、該中空シャフト素材の少なくとも一端
    部に、該中空シャフト素材の貫通孔と同心の基準となる
    外周面を形成する基準外周部成形工程と、 前記マンドレルによる保持を解除し、前記基準外周部成
    形工程により形成された外周面を保持して回転させ、該
    中空シャフト素材の略全長の外周の所定肉厚を切削して
    仕上げを行う仕上げ工程とを備えることを特徴とする中
    空シャフトの製造方法。
  2. 【請求項2】前記マンドレルは、主軸と、該主軸より小
    径に形成され、該主軸の両端から該主軸と同一軸線上に
    延設された一対の延長軸部と、主軸と各延長軸部との間
    において主軸から各延長軸部に向かって次第に縮径する
    一対のテーパ部と、各テーパ部に装着された一対のコレ
    ットと、該コレットを前記テーパ部に沿って移動させる
    移動手段とを備えてなり、 前記コレットは、円筒状に形成され、一端縁から他端縁
    近傍まで軸方向に延びる複数の第1スリットと他端縁か
    ら一端縁近傍まで軸方向に延びる複数の第2スリットと
    を交互に配して、内壁が各テーパ部に対応して外径が拡
    径自在に形成されており、 前記基準外周部成形工程において該マンドレルによって
    前記中空シャフト素材を保持する際には、該マンドレル
    を前記中空シャフト素材の貫通孔に挿通した後、移動手
    段によりコレットをテーパ部の大径側に移動させ、該コ
    レットの拡径により前記中空シャフト素材の貫通孔の内
    壁に該コレットの外壁を圧接して該中空シャフト素材を
    保持することを特徴とする請求項1記載の中空シャフト
    の製造方法。
  3. 【請求項3】先端に前記移動手段に連結自在の連結部を
    備えるロッドと、該ロッドに移動自在に設けられた鍔部
    材と、前記ロッドの後端に拡径して設けられ、前記鍔部
    材が突き当てられる突当部とを備え、前記鍔部材を前記
    ロッドの突当部に反動を付けて突き当てることにより、
    前記コレットを前記テーパ部の小径側に移動させ、該コ
    レットの縮径により前記中空シャフト素材の貫通孔の内
    壁への該コレットの外壁の圧接を解除するマンドレルの
    取外し具を設けたことを特徴とする請求項2記載の中空
    シャフトの製造方法。
  4. 【請求項4】前記内周加工工程において、前記中空シャ
    フト素材の貫通孔をボーリング加工により形成し、次い
    で、該貫通孔にホーニング加工を施すことを特徴とする
    請求項1乃至3の何れか1項記載の中空シャフトの製造
    方法。
  5. 【請求項5】前記中空シャフト素材は、ニッケル系超合
    金やステンレス系合金等の難削材であることを特徴とす
    る請求項1乃至4の何れか1項記載の中空シャフトの製
    造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008036750A (ja) * 2006-08-03 2008-02-21 Ngk Spark Plug Co Ltd 金属製筒状部材の旋削方法
WO2020121557A1 (ja) * 2018-12-13 2020-06-18 西岡可鍛工業株式会社 軸を生産する方法および鋳型アッセンブリー
KR20210158594A (ko) * 2020-06-24 2021-12-31 (주)센트랄모텍 중공 샤프트 가공 장치 및 가공 방법

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