JP3218715U - 加工工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転する加工工具の回転軸線回りのブレを抑制して、高い加工精度の座ぐり加工ができる加工工具を提供する。
【解決手段】加工工具1Aは、基端に形成された被固定部10aが主軸70に取り付けられ、主軸70によって回転軸線回りに回転される棒状の工具本体10と、工具本体10の被固定部10aと先端との間に形成され被加工物の下穴56に挿入されるガイド部11と、ガイド部11の回転軸線方向における中間よりも基端側に設けられた切削部12とを備えている。
【選択図】図3

Description

本考案は、例えば座ぐり加工に用いて好適な加工工具に関する。
例えば蒸気タービンの車室を被加工物とし、この車室のフランジ部の被加工面に予め形成された下穴に対して座ぐり加工を施す場合がある。この座ぐり加工の場合、ボール盤のチャックとフランジ部の被加工面が向かい合うように被加工物を配置して、棒状の座ぐりバーの基端をボール盤のチャックに固定して、座ぐりバーの先端側に切削用の刃を設けた板状バイトを取り付ける。そして、座ぐりバーを回転軸線回りに回転させながら被加工面へ移動させて、予め形成された下穴に対して座ぐり加工を施す、いわゆる表座ぐり加工を行うことがある。
しかし、蒸気タービンの車室など鋳物で製造されたフランジ部の付け根付近には曲面となったコーナ面があり、表座ぐり加工を被加工物のフランジ部に施すと、板状バイトがコーナ面に断続的に接触する。そうすると、板状バイトに断続的な切削抵抗がかかり、座ぐりバーの振動および板状バイトの逃げが発生する場合がある。その結果、座ぐりバーの回転軸線回りにブレが生じて、加工精度(例えば真円度や加工表面の仕上げ精度)が悪化するおそれがある。
そこで、図8に示すように、従来の加工工具では、まず、被加工物をボール盤のチャックに対して反転(紙面上下方向で反転)させてフランジ部152のコーナ面154が下面(紙面下方)になるように配置する。次に、フランジ部152の上面(紙面上方)から座ぐりバー101を、予め形成されたフランジ部152の下穴156に貫通させ、フランジ部152から貫通した座ぐりバー101の端部側に板状バイト112を取り付ける。その後、座ぐりバー101を回転させながら下面側から上面側へ移動させる、いわゆる裏座ぐり加工を施すことで対応していた。これによって、座ぐりバー101の基端側が下穴156に挿入された状態で座ぐり加工が施されるので、ボール盤のチャックに固定された座ぐりバーの基端側はフランジ部152の下穴156との隙間で規制されてガイドされることになり振動および板状バイトの逃げが抑制される。これにより、座ぐりバー101の回転軸線回りのブレが抑制されて、加工精度を維持することができる。しかし、このような裏座ぐり加工を施す場合、被加工物の反転工程や、座ぐり加工を行う下穴156毎に座ぐりバー101を下穴156に貫通させて板状バイト112を取り付けて切削量を調整する工程などに多くの作業時間を要するという課題があった。
特許文献1には、前述の裏座ぐり加工に加えて従来の表座ぐり加工にも対応可能な座ぐりバーが開示されている。詳細には、裏座ぐりにおいてフランジから貫通する座ぐりバーの端部側、すなわち板状バイトが取り付けられる先端側の座ぐりバーを延長することとした座ぐりバーが開示されている。
実開昭59−62903号公報
しかし、特許文献1においては、裏座ぐりにも対応可能な座ぐりバーとさせるために、基端から板状バイトまでの距離を長く確保しなければならない。このため、この座ぐりバーを表座ぐりで使用すると、座ぐりバーの基端を起点とした振動および板状バイトの逃げが発生し易くなり、座ぐりバーの回転軸線回りにブレが生じて、加工精度を維持できないおそれがある。
本考案はこのような事情に鑑みてなされたものであって、回転する加工工具の回転軸線回りのブレを抑制して、高い加工精度の座ぐり加工ができる加工工具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本考案の加工工具は以下の手段を採用する。
すなわち、本考案の一態様に係る加工工具は、基端に形成された被固定部が主軸に取り付けられ、該主軸によって回転軸線回りに回転される棒状の工具本体と、該工具本体の前記被固定部と先端との間に形成され被加工物の下穴に挿入されるガイド部と、前記ガイド部の前記軸線方向における中間よりも前記基端側に設けられた切削部とを備えている。
本態様に係る加工工具は、例えばボール盤の主軸に取り付けられて回転軸線回りに回転する棒状の工具本体を備えている。工具本体は、被加工物の下穴に挿入されるガイド部を備え、このガイド部によって工具本体の先端側の回転軸線回りのブレを抑制できる。また、ガイド部の軸線方向における中間よりも基端側に切削部が設けられている。このため、ガイド部の軸線方向長さに対して、主軸側(例えばボール盤のチャック側)となる被固定部から切削部までの距離が短くなっているので、基端側に加わる負荷荷重を低減でき回転軸線回りのブレを更に抑制できる。これらによって、加工精度の高い加工(例えば座ぐり加工)を可能とする。
また、本考案の一態様に係る加工工具において、前記切削部は、前記工具本体の前記回転軸線に対して半径方向に挿入されて所定位置で固定され刃部分が形成された板状バイトとされている。
本態様に係る加工工具において、切削部は切削加工用の刃部分が形成された板状であり、工具本体に対して半径方向に挿入されて所定位置で固定された板状バイトとされている。これによって、工具本体の回転軸線から半径方向における板状バイトの位置を変更調整するだけで加工径(例えば座ぐり径)を容易に調節できる。また、板状バイトは、工具本体から取り外すことで容易に切削加工の刃部分の研磨加工が可能なので、使用された板状バイトの刃部分の研磨に要する工数を低減できてコストダウンを可能とする。
また、本考案の一態様に係る加工工具は、前記工具本体の前記先端側から前記基端側に向かって前記回転軸線方向に挿入され、前記板状バイトを前記工具本体に対して固定するボルトを備えている。
本態様に係る加工工具において、板状バイトはボルトによって固定されているので、板状バイトの脱着や位置調整が、被加工物と干渉しないで加工工具の先端部側から容易に可能となる。
また、板状バイトはガイド部の中間よりも基端側に設けられおり、ボルトは先端側から基端側に向かって軸線方向に挿入されているので、板状バイトの固定には長尺のボルトを用いることとなる。これによって、板状バイトを押し付ける際に、短いボルトを使用した場合と比較してボルトのひずみ量(すなわち、弾性変形量)が増加することができるので、工具本体に対する板状バイトの押付力を強く安定させた状態で維持できる。例えば、仮にボルトが緩み方向にわずかに回ったとしても、ひずみ量が大きい(すなわち、弾性変形量が大きい)ので、減少した押し込み量をボルトの弾性変形によって補うことで押付力を維持することができる。
また、本考案の一態様に係る加工工具において、前記切削部は、前記工具本体の周囲に設けられたドリルとされている。
本態様に係る加工工具において、切削部は工具本体の周囲に設けられ前記回転軸線回りに回転するドリルとされている。これによって、例えば座ぐり径を変更する場合、目的の座ぐり径に対応したドリルに交換するだけで良く、座ぐり径の変更が容易に可能となる。
また、被加工物の下穴に挿入されるガイド部によって工具本体の先端側の軸線回りのブレを抑制できるので、加工精度の高い加工(例えば座ぐり加工)を可能とする。
また、ドリルの周側面にあるスパイラル状溝によって、切削部から発生した切粉を溝に沿わせて円滑に排出することができるので、加工領域(例えば座ぐりの内側)に切粉が堆積することを抑制できる。
また、本考案の一態様に係る加工工具は、前記ガイド部の周側面に設けられ、被加工物の下穴径に挿入可能に対応する外径を有するスリーブを備えている。
本態様に係る加工工具は、ガイド部の周側面に設けられ、被加工物の下穴径に対応して挿入可能とする外径を有するスリーブを備える。これによって、スリーブを交換するだけで複数種類の下穴径に対応可能となる。このため、下穴径に応じた各種サイズの加工工具を準備する必要がなくなり、1つの加工工具での汎用性が向上する。
また、本考案の一態様に係る加工工具は、前記ガイド部の周側面と前記スリーブとの隙間に設けられ、前記ガイド部に対して前記スリーブを保持する保持部材を備えている。
本態様に係る加工工具によれば、ガイド部の周側面とスリーブとの隙間に設けられ、ガイド部に対してスリーブを保持する保持部材を備える。例えば、ガイド部に保持部材としてテープ材を巻き付けてスリーブを押し込み固定することで、簡便にスリーブをガイド部に固定できる。また、簡便にスリーブをガイド部から取り外すことができる。
また、本考案の一態様に係る加工工具において、前記ガイド部の周側面にはスパイラル状の溝部が形成されている。
本態様に係る加工工具によれば、ガイド部の周側面にはスパイラル状の溝部が形成されている。これによって、切削部から発生した切粉を溝部に沿わせて円滑に排出することができるので、加工領域(例えば座ぐりの内側)に切粉が堆積することを抑制できる。
また、本考案の一態様に係る加工工具において、前記スリーブの周側面にはスパイラル状の溝部が形成されている。
本態様に係る加工工具によれば、スリーブの周側面にはスパイラル状の溝部が形成されている。これによって、切削部から発生した切粉を溝部に沿わせて円滑に排出することができるので、加工領域(例えば座ぐりの内側)に切粉が堆積することを抑制できる。
本考案に係る加工工具によれば、回転する加工工具の回転軸線回りのブレを抑制して、高い加工精度の座ぐり加工を可能とする。
本考案の加工工具が加工に使用されて好適な車室の縦断面図である。 図1のA部の拡大図である。 本考案の第1実施形態に係る加工工具の縦断面図である。 本考案の第2実施形態に係る加工工具の正面図である 本考案の第3実施形態に係る加工工具の縦断面図である。 本考案の第3実施形態に係る加工工具の正面図である。 本考案の第4実施形態に係る加工工具の正面図である。 従来の加工工具の一例を示した図である。
以下、本考案の第1実施形態から第4実施形態に係る加工工具について図1から図7を用いて説明する。
本実施形態の加工工具1は、例えば図1に示すような鉛直方向上下で分割された蒸気タービンの車室50のフランジ部52(被加工物)に対して座ぐり加工を施す際に使用される工具である。
図1のA部を拡大した図2に示すように、鋳物で製造されたフランジ部52根元側で縦壁部53に接続する角部には、内側に向かい曲面となるコーナ面54が形成されている。加工工具1は、フランジ部52に対して座ぐり加工を施す際に使用される工具である。座ぐり加工は、フランジ部52の上面(図で示す鉛直方向上側の面)に施される。なお、座ぐり加工を施すに際し、フランジ部52には予め下穴56が形成されている。
〔第1実施形態〕
以下、本考案の第1実施形態に係る加工工具1Aについて図を用いて説明する。
図3に示すように、加工工具1Aは、工具本体10とガイド部11と切削部12とを備える。前述した従来の加工工具にある図8と対比すると、ガイド部11は座ぐりバー101に相当する部分であり、切削部12は板状バイト112に相当する部分である。
工具本体10は、回転軸線X方向に延びる棒状の部材とされ、例えばボール盤の主軸70に取り付けられる。工具本体10の基端側(図で示す鉛直方向上側の端部側)には円錐台形状の被固定部10aが設けられ、ボール盤の主軸70(主軸70のチャック)に固定される。工具本体10は、主軸70の回転に伴って回転軸線X回りに回転される。工具本体10の材質は、例えばSK材などの炭素工具鋼とされる。
一方、工具本体10は、基端側にある被固定部10aとの接続位置と、基端とは反対の先端側(図で示す鉛直方向下側の端部側)の間に、ガイド部11が形成されている。ガイド部11は、フランジ部52に予め形成された下穴56に挿入される工具本体10の先端側の区間である。ガイド部11は、下穴56の内径に対して例えば約0.1mm〜1.0mm小さい外径とされる。
工具本体10の回転軸線X方向において、ガイド部11の中間よりも基端側には切削部12が設けられている。換言すれば、ガイド部11の回転軸線X方向の長さにおいて、ガイド部11の被固定部10aとの接続位置から切削部12までの距離が、ガイド部11の先端から切削部12までの距離よりも短い距離となるように切削部12が設けられている。
本実施形態においては、切削部12として、切削加工用の刃部分(図示せず)が形成された板状である板状バイト12Aが設けられている。板状バイト12Aは、工具本体10の半径方向に挿入されている。板状バイト12Aは、工具本体10の先端側から締め込まれた長尺のボルト14によって押さえつけられ所定の位置で固定されている。板状バイト12Aは、工具本体10の側周面からその一部が突出するように固定されている。この板状バイト12Aの突出量を調節することで座ぐり穴58の必要な内径に対して設定される。なお、座ぐり穴58の内径は、例えばフランジ部52の締め付けに使用される締結ボルトのサイズによって設定されている。
ボルト14は、工具本体10の先端側から基端側に向けて回転軸線X方向に沿って挿入されている。ボルト14は、ボルト径に対してボルト長さが大きい長尺のものとされ、頭部側から軸方向中央に向けて締め込みをして押し付ける力に必要な長さに対応して雄ねじ加工が施されている。また、工具本体10のボルト14を挿入する貫通穴には、ボルト14の雄ねじに対応して雌ねじ加工が施されている。
次に、加工工具1Aの使用方法について説明する。
図3に示すように、加工工具1Aは、主軸70に固定された加工工具1Aのガイド部11の先端から、フランジ部52に予め形成された下穴56に挿入される。主軸70がフランジ部52に向けて下降するに伴って加工工具1Aが下降するとき、ガイド部11は下穴56に挿入されているので、工具本体10の先端側は下穴56との僅かな隙間で規制されることによって回転軸線X回りにガイドされ、板状バイトの逃げが抑制される。
その後、主軸70がさらに下降することで、板状バイト12Aがフランジ部52のコーナ面54に到達して座ぐり加工が開始される。
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
フランジ部52に形成された下穴56に挿入されるガイド部11によって、下穴56とガイド部11との僅かな隙間で規制されて、回転軸線X回りにガイドされ、工具本体10の先端側の回転軸線X回りのブレと振動を抑制できる。また、ガイド部11の回転軸線X方向における中間よりも基端側に板状バイト12Aが設けられ、ボール盤の主軸70側から板状バイト12Aまでの距離が短くなっているので、板状バイト12Aの逃げ幅が小さくなるように規制される。従い、工具本体10のブレを更に抑制でき、板状バイト12Aの逃げや振動が小さくなる。これらによって、座ぐり加工の高い加工精度を可能にできる。
また、切削に板状バイト12Aを使用する場合、工具本体10の回転軸線Xから半径方向における板状バイト12Aの位置を変更調整することで加工径(例えば座ぐり穴58の内径)を容易に調節できる。さらに、板状バイト12Aは、工具本体10から取り外すことで容易に切削加工の刃部分(図示せず)の研磨加工が可能なので、使用された板状バイト12Aの研磨に要する工数を低減できてコストダウンを可能にできる。
また、板状バイト12Aはボルト14によって固定されているので、板状バイト12Aの脱着や位置調整が被加工物と干渉しないで工具本体10の先端部側から容易に可能となる。さらに、板状バイト12Aは長尺のボルト14によって固定されているので、仮に短いボルトを使用した場合と比較して、ボルト14のひずみ量(すなわち、弾性変形量)が増加するので、板状バイト12Aの工具本体10に対する押付力を安定させた状態で維持できる。例えば、仮にボルト14が緩み方向にわずかに回ったとしても、ひずみ量が大きい(すなわち、弾性変形量が大きい)ので、減少した押し込み量をボルト14の弾性変形によって補うことで押付力を維持することができる。
〔第2実施形態〕
以下、本考案の第2実施形態に係る加工工具1Bについて図を用いて説明する。
本実施形態の加工工具1Bは、第1実施形態と切削部12の形態が異なり、その他の点については同様である。したがって、第1実施形態と異なる点についてのみ説明し、その他は同一の符号を用いてその説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態の加工工具1Bにおいては、切削部12としてドリル12Bが設けられている。
ドリル12Bは、工具本体10の周囲に脱着可能に設けられている。ドリル12Bは、加工を施す座ぐり穴58の内径に対応したものとされる。ドリル12Bを交換することで座ぐり穴58の内径に合せて加工ができる。なお、座ぐり穴58の内径は、フランジ部52の締め付けに使用される締結ボルトのサイズによって設定されている。なお、ドリル12Bは、工具本体10の表面に直接溝を設けて形成されていてもよい。その場合は、座ぐり穴58の内径に合せて、工具本体10を交換すること加工ができる。
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
例えば座ぐり穴58の内径を変更する場合、目的の座ぐり穴58の内径に対応したドリル12Bに交換するだけで良く、変更が容易に可能となる。またドリルの周側面にあるスパイラル状の溝によって、切削部12から発生した切粉を溝に沿わせて円滑に排出することができるので、加工領域(例えば座ぐりの内側)に切粉が堆積することを抑制できる。
〔第3実施形態〕
以下、本考案の第3実施形態に係る加工工具1Cについて図を用いて説明する。
本実施形態の加工工具1Cは、第1実施形態および第2実施形態とガイド部11の形態が異なり、その他の点については同様である。したがって、第1実施形態および第2実施形態と異なる点についてのみ説明し、その他は同一の符号を用いてその説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態の加工工具1Cにおいては、ガイド部11の周側面にスリーブ16が設けられている。
スリーブ16は筒状の部材とされ、ガイド部11の外径に対して0.1mm〜0.5mm程度大きな内径を有する。また、スリーブ16の外径は下穴56の内径に対応していて、その隙間は0.1mm〜1.0mmとされる。スリーブ16は、例えば一般構造用圧延鋼材とされる。
図6に示すように、ガイド部11の外径とスリーブ16の内径との隙間には、ガイド部11に対してスリーブ16が脱落したり摺動したりしないようにする保持部材18が設けられている。保持部材18は、例えばテープ材とされる。この場合、テープ材を巻き付けたガイド部11に筒状のスリーブ16を押し込むことで容易に固定ができ、また、容易にスリーブ16をガイド部11から取り外すことができる。
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
スリーブ16を交換するだけで同一の工具本体10で複数種類の下穴56に対応可能となる。このため、下穴56の内径に対応したガイド部11を備えた加工工具を下穴56の寸法毎に準備する必要がなくなり、1種類の加工工具での汎用性が向上する。換言すると、ある寸法のガイド部11を備えた加工工具を1つと、そのガイド部11の外径に対応した内径を有する複数のスリーブ16であって外径がそれぞれ異なる複数のスリーブ16とを準備しておけば、複数種類の下穴56の内径に対応することができることになる。
〔第4実施形態〕
以下、本考案の第4実施形態に係る加工工具1Dについて図を用いて説明する。
本実施形態の加工工具1Dは、第1実施形態から第3実施形態とガイド部の形態が異なり、その他の点については同様である。したがって、第1実施形態から第3実施形態と異なる点についてのみ説明し、その他は同一の符号を用いてその説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態の加工工具1Dにおいては、ガイド部11の周側面に溝部11aが設けられている。溝部11aはスパイラル状の溝であって、座ぐり加工によって発生した切粉を工具本体10の回転を利用して溝に沿わせて排出可能な溝とされる。
また、スリーブ16を用いる場合は、スパイラル状の溝部11aは、ガイド部11の周側面ではなく、スリーブ16の周辺面にスパイラル状の溝部11aを設けてもよい。
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
切削部12から発生した切粉を溝部11aに沿わせて円滑に排出することができるので、加工領域(例えば座ぐり穴58の内側)に切粉が堆積することを抑制できる。
なお、図7においては切削部12が板状バイト12Aとされているが、図4に示すようなドリル12Bであっても良い。
1(1A,1B,1C,1D) 加工工具
10 工具本体
10a 被固定部
11 ガイド部
11a 溝部
12 切削部
12A 板状バイト(切削部)
12B ドリル(切削部)
14 ボルト
16 スリーブ
18 保持部材
50 車室
52 フランジ部
53 縦壁部
54 コーナ面
56 下穴
58 座ぐり穴

Claims (8)

  1. 基端に形成された被固定部が主軸に取り付けられ、該主軸によって回転軸線回りに回転される棒状の工具本体と、
    該工具本体の前記被固定部と先端との間に形成され被加工物の下穴に挿入されるガイド部と、
    該ガイド部の前記回転軸線方向における中間よりも前記基端側に設けられた切削部と、
    を備えている加工工具。
  2. 前記切削部は、前記工具本体の前記回転軸線に対して半径方向に挿入されて所定位置で固定され刃部分が形成された板状バイトとされている請求項1に記載の加工工具。
  3. 前記工具本体の前記先端側から前記基端側に向かって前記回転軸線方向に挿入され、前記板状バイトを前記工具本体に対して固定するボルトを備えている請求項2に記載の加工工具。
  4. 前記切削部は、前記工具本体の周囲に設けられたドリルとされている請求項1に記載の加工工具。
  5. 前記ガイド部の周側面に設けられ、被加工物の下穴径に挿入可能に対応する外径を有するスリーブを備えている請求項1から4のいずれかに記載の加工工具。
  6. 前記ガイド部の周側面と前記スリーブとの隙間に設けられ、前記ガイド部に対して前記スリーブを保持する保持部材を備えている請求項5に記載の加工工具。
  7. 前記ガイド部の周側面にはスパイラル状の溝部が形成されている請求項1から4のいずれかに記載の加工工具。
  8. 前記スリーブの周側面にはスパイラル状の溝部が形成されている請求項5または6に記載の加工工具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109648257A (zh) * 2018-11-30 2019-04-19 中国航空工业集团公司金城南京机电液压工程研究中心 一种角向组合装置贯通孔的加工方法

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