JPH1147467A - ボタン穴かがりミシン - Google Patents

ボタン穴かがりミシン

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JPH1147467A
JPH1147467A JP21084197A JP21084197A JPH1147467A JP H1147467 A JPH1147467 A JP H1147467A JP 21084197 A JP21084197 A JP 21084197A JP 21084197 A JP21084197 A JP 21084197A JP H1147467 A JPH1147467 A JP H1147467A
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充宏 立川
Yasuaki Hirano
靖明 平野
Toshiaki Kasuga
俊明 春日
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 眠り穴あるいは鳩目穴等のボタン穴かがりミ
シンにおいて、ボタン穴、即ち、メス落ち位置とボタン
穴に対する左右側縫い部との間隔を調節可能にする。 【解決手段】 縫い目形成前に予め設定されているデー
タに基づいて、布の前後方向への移送量と針の基線位置
及び針振り位置と布切りメスの下降位置とを規定するこ
とにより、ボタン穴の左右にボタン穴から所定長さ離れ
て内縁が位置するように左右側縫い部を有するボタン穴
かがり縫い目を形成するボタン穴かがりミシンにおい
て、ボタン穴を形成する布切りメスの下降位置に対して
ボタン穴かがり縫い目を左右方向に移動するように設定
する設定手段を設ける。また、布切りメスの下降位置に
対して左右側縫い部内縁との各幅を各別に設定可能とす
る設定手段を設ける。この設定手段による各幅の設定に
より、ボタン穴かがり縫い幅を変えずに側縫い幅を変更
する変更手段をさらに設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、布送りと同調して
針振りを行いながら布にボタン穴かがり縫い目を形成す
るボタン穴かがりミシンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、カムの制御あるいは予め定めら
れたプログラムによりボタン穴かがり縫い目を形成する
ボタン穴かがりミシンは知られている。このボタン穴か
がりミシンにおいては、メス落ち点を中心に左右均等に
側縫い部内縁までの長さを設定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、ボタン
穴かがりミシンにおいて、従来はメス落ち点を中心に左
右均等に側縫い部内縁までの長さを設定しているが、実
際に縫われた場合には、布地の種類やミシンの組付上の
誤差等により、メス落ち点から左右側縫い部内縁までの
長さ(幅)が、設定された通り左右均等にはならず、一
方の側縫い部から布切りメスによる切断端まで生地が突
出した状態となって縫い目が見苦しくなり、あるいは逆
に側縫い部の縫い目を切断することがあった。また、ボ
タン穴かがり縫い目の幅、換言すると、閂止め部の幅を
変えずにメス落ち点から左右側縫い部内縁までの長さを
変化させることができなかった。
【0004】そこで、本発明の目的は、眠り穴あるいは
鳩目穴等のボタン穴かがりミシンにおいて、ボタン穴、
即ち、メス落ち位置とボタン穴に対する左右側縫い部と
の間隔を調節可能にすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく
請求項1記載の発明は、縫い目形成前に予め設定されて
いる、例えば、RAMに格納されたデータに基づいて、
布の前後方向への移送量と針の基線位置及び針振り位置
と布切りメスの下降位置とを規定することにより、ボタ
ン穴の左右にボタン穴から所定長さ離れて内縁が位置す
るように左右側縫い部を有するボタン穴かがり縫い目を
形成するボタン穴かがりミシンにおいて、前記ボタン穴
を形成する前記布切りメスの下降位置に対して前記ボタ
ン穴かがり縫い目を左右方向に移動するように設定す
る、例えば、操作パネルに設けられる等による設定手段
を設けた構成、を特徴としている。
【0006】ここで、データは、例えば、RAMに格納
される。また、ボタン穴かがり縫い目左右方向位置設定
手段は、例えば、操作パネルに設けられる。
【0007】以上のように、請求項1記載の発明によれ
ば、ボタン穴を形成する布切りメスの下降位置に対して
ボタン穴かがり縫い目を左右方向に移動するように設定
する設定手段を設けたボタン穴かがりミシンなので、設
定手段の設定に応じメス落ち位置に対してボタン穴かが
り縫い目を左右方向に移動させて、ボタン穴に対する左
右側縫い部との間隔を調整できる。従って、ボタン穴に
対する左右側縫い部内縁までの間隔を左右均等にでき
る。
【0008】また、請求項2記載の発明は、縫い目形成
前に予め設定されている、例えば、RAMに格納された
データに基づいて、布の前後方向への移送量と針の基線
位置及び針振り位置と布切りメスの下降位置とを規定す
ることにより、ボタン穴の左右にボタン穴から所定長さ
離れて内縁が位置するように左右側縫い部を有するボタ
ン穴かがり縫い目を形成するボタン穴かがりミシンにお
いて、前記ボタン穴を形成する前記布切りメスの下降位
置に対して前記左右側縫い部内縁との各幅を各別に設定
可能とする、例えば、操作パネルに設けられる等による
設定手段を設けた構成、を特徴としている。例えば、デ
ータは、RAMに格納される。また、左右側縫い部個別
設定手段は、例えば、操作パネルに設けられる。
【0009】このように、請求項2記載の発明によれ
ば、ボタン穴を形成する布切りメスの下降位置に対して
左右側縫い部内縁との各幅を各別に設定可能とする設定
手段を設けたボタン穴かがりミシンなので、設定手段に
よりメス落ち位置に対して左右側縫い部内縁との各幅を
各別に設定して、ボタン穴に対する左右側縫い部との間
隔を個別に調整できる。従って、ボタン穴に対する左右
側縫い部内縁までの間隔を左右均等にできる。
【0010】そして、請求項3記載の発明は、請求項2
記載のボタン穴かがりミシンであって、前記設定手段に
よる各幅の設定により、ボタン穴かがり縫い幅を変えず
に側縫い幅を変更する、例えば、CPUに含まれる等に
よる変更手段を設けた構成、を特徴としている。例え
ば、側縫い幅変更手段は、CPUに含まれる。
【0011】このように、請求項3記載の発明によれ
ば、請求項2記載の設定手段による各幅の設定により、
ボタン穴かがり縫い幅を変えずに側縫い幅を変更する変
更手段をさらに設けたボタン穴かがりミシンなので、設
定手段によるメス落ち位置に対する左右側縫い部内縁と
の各幅の個別設定に応じて変更手段によって、ボタン穴
かがり縫い目の幅、即ち、閂止め部の幅を変えずにメス
落ち位置から左右側縫い部内縁までの間隔を変化させら
れる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を適用したボタン
穴かがりミシンの実施の各形態例を図1から図42に基
づいて説明する。始めに、装置の構成例について順次説
明してから、制御方式について説明していく。
【0013】先ず、図1は本発明を適用した一例として
のボタン穴かがりミシンの外観を示す斜視図である。ま
た、図2は第1の実施の形態例を示すもので、内部機構
の概略斜視図、図3は図2の反対側から見た状態の内部
機構の斜視図である。これらの図1から図3において、
1はミシンフレーム、5はミシンモータ、6は上軸、7
はクランク機構、8は針棒、9は針、10は立軸、11
は下軸、12は釜、13はボビンケース、14は布保持
板、15は布押え(枠状クランプ体)、16は布切りメ
ス(上下動メス)、17は天秤、18は針棒揺動台、1
9は糸調子、20は送りモータ(電気的駆動手段:パル
スモータ)、21は送り機構(連結手段)、30は布切
りメス用エアーシリンダユニット、31はメス取付板、
40は基線モータ、41は振り幅モータ、42は針振り
機構、60はボイスコイルモータである。図示のよう
に、ミシンフレーム1は、上面に平坦なベッド面を有す
るベッド2と、このベッド2上の一端部側に起立する縦
胴部3と、この縦胴部3上からベッド2とほぼ平行に沿
って伸びるアーム4とから構成されて、側面視でほぼコ
字状を成している。
【0014】以上のミシンフレーム1において、その縦
胴部3側の端部にミシンモータ5が備えられ、このミシ
ンモータ5の駆動により回転する上軸6がアーム4内に
配設され、この上軸6の先端部にはクランク機構7を介
して針棒8が連結されており、この針棒8の下部に針9
が取り付けられている。また、縦胴部3内に立軸10が
配設されて、ベッド2内に下軸11が配設されており、
この下軸11の先端部の釜12にボビンケース13が装
着されている。なお、立軸10は、その上端部が上軸6
とベベルギヤ6a,10aを介して連結されて、下端部
が下軸11とベベルギヤ10b,11aを介して連結さ
れている。さらに、ベッド2上には、移動可能な布保持
板14が配設されて、この布保持板14の上方には、枠
状クランプ体による布押え15が配設されるとともに、
上下動メスである布切りメス16が配設されている。な
お、前記クランク機構7には、アーム4の先端部側面か
ら外部に突出する天秤17が組み込まれている。また、
針棒8は、針棒揺動台18に上下摺動自在に組み込まれ
ている。この針棒揺動台18は、上端部を上軸6に平行
な揺動支点軸18aを支点として揺動自在となってい
る。なお、アーム4の先端部側面の下部に糸調子19が
備えられており、この糸調子19は、ボイスコイルモー
タ60により糸張力が可変制御されるものとなってい
る。
【0015】そして、縦胴部3内には、布保持板14及
び布押え15用の電気的駆動手段である送りモータ20
が配設されて、この送りモータ20は軸線を垂直方向と
したパルスモータであって、その出力軸から布保持板1
4及び布押え15にかけて送り機構21が構成されてい
る。また、アーム4の先端部上には、メス動作用の電気
的駆動手段としての布切りメス用エアーシリンダユニッ
ト30が設置されて、この布切りメス用エアーシリンダ
ユニット30の駆動により昇降動作するメス取付板31
が、アーム4内に垂直に配設されている。このアーム4
から下方に突出するメス取付板31の下端部に、布切り
メス16が止めねじ32によって取り付けられている。
なお、図10に示されるように、メス取付板31には、
上昇復帰用のリターンスプリング33が接続されてお
り、また、メス取付板31の側方には、メス取付板31
の被検知部31aを検出する近接式の布切りメス上下位
置検出センサ34a、34bが配設されている。さら
に、縦胴部3内には、針棒揺動台18の基線位置を決め
るの基線モータ40及び振り幅を決める振り幅モータ4
1が配設されて、これら基線モータ40及び振り幅モー
タ41は何れも軸線を上軸6と平行で水平方向としたパ
ルスモータであって、その各々の出力軸から針棒揺動台
18にかけて針振り機構42が構成されている。
【0016】先ず、送り機構21は、図2に示すよう
に、軸線を水平方向とした送り軸22、布保持板14用
のブラケット23、布押え15用の布保持腕24等から
構成されている。こうして、送りモータ20から布保持
腕24への連結手段が構成されている。即ち、縦胴部3
内において、送りモータ20上の出力軸に設けたピニオ
ン20aに噛み合うラック22aを有する送り軸22を
組み込んで、縦胴部3から突出してアーム4の下方に位
置する送り軸22中間部分に、布保持板14を下端部に
連結支持するブラケット23を上端部で固定している。
このブラケット23の下部側面に、先端部に布押え15
を連結支持する取付片25を備えた布保持腕24の基端
部を、ピン24aを支点として上下揺動自在に結合して
いる。なお、図示しないが、布保持腕24を上昇動作す
るアクチュエータ(エアーシリンダユニットまたはソレ
ノイド等)及び下降復帰させるリターンスプリング等が
設けられている。ただし、布保持腕24の上下動はペダ
ル操作によってもよい。また、送り軸22の位置に基づ
いてメス先端位置に対応した原点位置を検出する近接式
の送り原点検出センサ26が設けられている。以上の送
り機構21によって、布保持板14及び布押え15は、
パルスモータによる送りモータ20の駆動でピニオン2
0a及びラック22aの噛み合いにより前進後退動作す
る送り軸22からブラケット23、布保持腕24を各々
介して一体的に、ベッド2上を移動する。以上が布送り
用の電気的移動手段である。
【0017】次に、針振り機構42は、図3から図5に
示すように、基線用アーム43、基線用レバー44、連
結リンク45、針振りカムレバー46、針振りレバー4
7、連結軸48、針振り腕49、針振りカム54、振り
幅用アーム55、振り幅用レバー56等から構成されて
いる。即ち、縦胴部3内において、水平に機枠に支持さ
れた支軸43aを中間部の支点とした基線用アーム43
の下端部に設けたセクタギヤ43bを、基線モータ40
の出力軸に設けたピニオン40aに噛み合わせ、基線用
アーム43上部の二股部内に、同じく二股状の基線用レ
バー44の端部を水平ピン44aで揺動自在に連結して
いる。この基線用レバー44の二股部内において、連結
リンク45の一端部を水平ピン44bで揺動自在に連結
し、この連結リンク45の他端部に水平ピン45aで針
振りカムレバー46を揺動自在に連結している。さら
に、この針振りカムレバー46の下端部に水平ピン46
aで針振りレバー47の先端部を揺動自在に連結してい
る。この針振りレバー47の基端部は、アーム4内に上
軸6に平行に配設した連結軸48の基端部に固定されて
いる。この連結軸48の先端部には、針振り腕49の基
端部が固定されており、この針振り腕49の先端部に針
棒揺動台18が図示しない角ゴマ等を介して揺動自在に
連結されている。
【0018】ここで、針振りカムレバー46は、上部が
コ字状に開放されたカム係合凹部46bとなっていて、
このカム係合凹部46bに偏心カムによる針振りカム5
4が係合している。即ち、この針振りカム54は、上軸
6から減速ギヤ51,52を介して減速比1/2で回転
が伝達される副軸53に備えられている。さらに、縦胴
部3内において、水平に機枠に支持された支軸55aを
中間部の支点とした振り幅用アーム55の下端部に設け
たセクタギヤ55bを、振り幅モータ41上の出力軸に
設けたピニオン41aに噛み合わせ、振り幅用アーム5
5の上端部に、振り幅用レバー56の一端部を水平ピン
56aで揺動自在に連結している。この振り幅用レバー
56の他端部は、前記水平ピン44bを介して前記連結
リンク45に揺動自在に連結されている。なお、基線用
アーム43のセクタギヤ43bの側方に、基線位置検出
手段としての磁気センサによる基線原点検出センサ57
が配設されており、セクタギヤ43bの一端部側に基線
検出用の磁石43cが設けられている。同様に、振り幅
用アーム55のセクタギヤ55bの近傍にも、針振り幅
検出手段としての磁気センサによる振り幅原点検出セン
サ58が配設されており、セクタギヤ55bの一端部側
に振り幅検出用の磁石55cが設けられている。また、
副軸53側の減速ギヤ52の一側面に、磁気センサによ
る針振り左右位置検出センサ59(基線側・針振り側検
出手段)が配設されており、減速ギヤ52に左右位置検
出用の磁石52aが設けられている。ところで、前記減
速ギヤ52は、主軸6上の減速ギヤ51の2回転に対し
て1回転、即ち、針9が2回上下動するのに対して1回
転する。前記針振り左右位置検出センサ59は、針9が
上停止位置に位置し、かつ、基線側に振られている回転
位相において、磁石52aに対向している。
【0019】以上の針振り機構42によって、針棒揺動
台18は、駆動手段としてのパルスモータである基線モ
ータ40及び振り幅モータ41の各々の駆動で、基線用
アーム43から基線用レバー44を経て、または、振り
幅用アーム55から振り幅用レバー56を経て、以降は
連結リンク45、針振りカムレバー46、針振りレバー
47、連結軸48、針振り腕49及び針振りカム54を
介して揺動がそれぞれ伝達されることにより、上端部の
揺動支点軸18aを支点として基線の変更と振り幅の変
更が行われる。即ち、図4にも示し、図5に模式的に示
したように、基線については、パルスモータによる基線
モータ40の駆動で基線用アーム43、基線用レバー4
4、連結リンク45、針振りカムレバー46、針振りレ
バー47、連結軸48、針振り腕49及び針振りカム5
4を介して揺動が伝達されて、上端部の揺動支点軸18
aを支点として針棒揺動台18が揺動することによっ
て、基線が変更される。これが基線変更機構である。ま
た、振り幅については、パルスモータによる振り幅モー
タ41の駆動で振り幅用アーム55、振り幅用レバー5
6、連結リンク45、針振りカムレバー46、針振りレ
バー47、連結軸48、針振り腕49及び針振りカム5
4を介して揺動が伝達されて、上端部の揺動支点軸18
aを支点として針棒揺動台18が揺動することによっ
て、振り幅が変更される。これが針振り幅変更機構であ
る。
【0020】ここで、針振り機構42は、基線位置を基
準として振り幅を左側へ振る(増大する)もので、図6
(a)に示すように、針振りカム54のカム頂部が基線
側(図示右側)にある時が、基線用アーム43の位置に
より針落ちが決まるものとなっている。また、図6
(b)に示すように、針振りカム54のカム頂部がカム
振り幅側(図示左側)にある時が、基線位置に対して振
り幅量により針落ちが決まるものとなっている。そし
て、基線位置の移動は、図7に示すように、基線用アー
ム43の回動により行われる。また、振り幅の変更は、
図8に示すように、振り幅用アーム55の回動により基
線用レバー44を介して行われる。そして、縫製の際
は、ミシンモータ5の駆動により回転する上軸6から減
速ギヤ51,52を介して回転が伝達される副軸53に
備えた針振りカム54が減速比1/2で回転し、この針
振りカム54がカム係合凹部46bに係合した針振りカ
ムレバー46が往復揺動を行い、その針振りカムレバー
46の往復運動が、針振りレバー47、連結軸48、針
振り腕49及び針振りカム54を介して針棒揺動台18
に伝達される。この結果、前述した基線及び振り幅の変
更に基づいて、上端部の揺動支点軸18aを支点として
針棒揺動台18が往復揺動して、ボタン穴かがりの平行
部(側縫い部)及び閂止め部(閂止め縫い部)の縫い目
が形成される。
【0021】次に、図9(a)はボタン穴かがり縫い部
分の名称を示したもので、図示のように、ボタン穴の左
右が左平行部(左側縫い部)と右平行部(右側縫い部)
であって、ボタン穴の前後が第1閂止め部(後閂止め縫
い部)と第2閂止め部(前閂止め縫い部)である。この
ようなボタン穴かがり縫いは、以上の構成によるボタン
穴かがりミシンによって、図9(b)に示すように、第
2閂止め部(前閂止め縫い部)の左側から縫い始めて左
平行部(左側縫い部)、第1閂止め部(後閂止め縫い
部)、右平行部(右側縫い部)及び第2閂止め部(前閂
止め縫い部)に戻る。
【0022】また、この実施の形態例のボタン穴かがり
ミシンの場合、図10に示した布切りメス用エアーシリ
ンダユニット30の駆動により布切りメス16を、ボタ
ン穴かがり縫製中に複数回上下動させることによって、
ボタン穴を形成するものとなっている。即ち、例えば、
図11(a)に示すように、布切りメス16の一回目の
下降動作によって布に一旦切り込みを入れた後、図11
(b)に示すように、矢印方向に布送りを行って、図1
1(c)に示すように、再び布切りメス16を下降動作
させることで、所定長さのボタン穴を形成するものであ
る。
【0023】次に、制御方式について説明する。 「制御方式」以上のボタン穴かがりミシンは、図12に
示した制御ブロック構成図に従って制御される。即ち、
図示のように、CPU100には、バスを介して、RO
M101、RAM102、Y送りカウンタ103、基線
送りカウンタ104、針振り送りカウンタ105、布切
りメスカウンタ106、糸切り送りカウンタ107、割
込みコントローラ108、I/Oインターフェイス10
9が接続されている。なお、CPU100には、各種の
制御部や演算手段、即ち、ミシン制御手段、ミシン駆動
速度決定手段、基線及び針振り幅の変更量補正手段、縫
い目形成順序指定手段、縫いデータ読み出し手段部、縫
い開始指定手段、メス制御手段、メス下降時期決定手段
を含むメス上下動時期決定手段、その上下動時期間隔判
断手段、側縫い長さ変更手段、側縫い幅変更手段、針落
ち制御手段、パターン拡大・縮小基準点決定手段、各種
駆動制御手段等が含まれている。
【0024】ROM101には、制御のためのプログラ
ム及びデフォルトが格納されており、例えば、縫いモー
ドと釜合わせモード、糸通しモードを記憶する記憶部等
が格納されている。RAM102には、制御のための各
種変数等が格納されており、例えば、縫いデータ、基線
・針振りデータ等が格納されている。Y送りカウンタ1
03、基線送りカウンタ104、針振り送りカウンタ1
05、布切りメスカウンタ106、糸切り送りカウンタ
107は、各カウント値を書き込み、カウンタ起動コマ
ンドを書き込むことで、カウント値に比例した時間経過
後、1パルスのカウント信号を出力し、カウンタ停止コ
マンドを書き込むまでは、一定周期でカウンタ出力を繰
り返すものである。割込みコントローラ108は、各割
込み信号入力により各割込み信号に対応した割込み処理
を自動的にCPU100が実行するためのものである。
I/Oインターフェイス109は、CPU100が外部
の入出力装置とのインターフェイスを取るものである。
また、Y送りカウンタ103、基線送りカウンタ10
4、針振り送りカウンタ105、布切りメスカウンタ1
06、糸切り送りカウンタ107の各カウント出力は、
割込みコントローラ108に接続されており、各カウン
タのカウント出力で、各カウンタに対応した割込み処理
が実行される。
【0025】そして、図12において、操作パネル11
0は、図13に示すように、表示部と各種キーにより構
成され、オペレータが、縫製に必要な各種設定/操作を
行うためのものである。Y送りパルスモータドライバ1
11は、Y送りカウンタ103のY送りカウンタ出力信
号とI/Oインターフェイス109からのY送り方向+
/−信号とにより、1回のカウンタ出力で1パルス分、
Y送り方向の+/−に従いY送りパルスモータ(前記送
りモータ)20を回転させる。基線送りパルスモータド
ライバ112は、基線送りカウンタ104の基線送りカ
ウンタ出力信号とI/Oインターフェイス109からの
基線送り方向+/−信号とにより、1回のカウンタ出力
で1パルス分、基線送り方向の+/−に従い基線送りパ
ルスモータ(前記基線モータ)40を回転させる。針振
り送りパルスモータドライバ113は、針振り送りカウ
ンタ105の針振りカウンタ出力信号とI/Oインター
フェイス109からの針振り送り方向+/−信号とによ
り、1回のカウンタ出力で1パルス分、針振り送り方向
の+/−に従い針振り送りパルスモータ(前記振り幅モ
ータ)41を回転させる。
【0026】ミシンモータドライバ115は、I/Oイ
ンターフェイス109からのミシン起動/停止信号とミ
シンスピード信号とにより、ミシン起動時には所定回転
数でミシンモータ5を回転させ、ミシン停止時には針上
位置センサ116の検出に基づいて周知の定位置停止手
段によりミシンモータ5を停止させる。針上位置センサ
116は、前記針棒8の上位置を検出するものである。
また、前記針上位置センサ116の上位置検知出力は針
数カウント入力として使用される。そして、ミシンモー
タドライバ115は、ミシンが停止か回転中かの状態
を、I/Oインターフェイス109にミシンステータス
停止/回転中信号として出力し、また、針上位置センサ
116からの信号を、割込みコントローラ108に針上
位置割込み信号として出力する。さらに、ミシンモータ
ドライバ115は、送り基準位置センサ117、TG
(タコ・ジェネレータ)発生器118からの信号を、割
込みコントローラ108に送り基準割り込み、TG割り
込みとしてそれぞれ出力する。送り基準位置センサ11
7は、Y送りモータ/基線送りモータ/針振り送りモー
タ等の送り制御に使用されるものである。TG発生器1
18は、ミシンモータ1回転中に24分割の方形波を発
生させるものである。なお、ミシンモータエンコーダ1
19からの信号がフィードバックされる。
【0027】押え上昇ソレノイド駆動回路121は、I
/Oインターフェイス109からの押え下降/上昇信号
により、押え上昇ソレノイド122を駆動するものであ
る。布切りメス下降シリンダ駆動回路123は、I/O
インターフェイス109からの布切り上昇/下降信号に
より、布切りメス下降シリンダ(前記布切りメス用エア
ーシリンダユニット)30を駆動するものである。Y送
り原点センサは、Y送りパルスモータ20の原点位置を
検出するためのもので、前記送り原点検出センサ26で
ある。基線送り原点センサは、基線送りパルスモータ4
0の原点位置を検出するためのもので、前記基線原点検
出センサ57である。針振り送り原点センサは、針振り
送りパルスモータ41の原点位置を検出するためのもの
で、前記振り幅原点検出センサ58である。押えスイッ
チ124は、オペレータが、ワークをセット時、前記布
押え15を上昇/下降させるための操作スイッチで、ミ
シンペダルの踏み込み動作に関連するものである。スタ
ートスイッチ125は、オペレータが、ワークをセット
時、縫製を開始させるための操作スイッチで、ミシンペ
ダルの踏み込み動作に関連するものである。
【0028】また、針振り左右検知スイッチは、前記針
振り左右位置検出センサ59である。メス上下検知スイ
ッチは、前記布切りメス上下位置検出センサ34a,3
4bである。そして、操作パネル110は、図13に示
すように、各種キー及び表示部を備えている。即ち、縫
製キー131と、この縫製キー131が押されて縫製モ
ードであることを点灯により表示するLED表示部13
2と、選択キー133と、この選択キー133が押され
る度に順次点灯してパターンNo.、パラメータN
o.、スピード、糸通し、釜合わせの各設定モードを表
示するLED表示部134,135,136,137,
138とを備えている。さらに、2桁のLED7セグメ
ントによるパターン表示部141及び4桁のLED7セ
グメントによるパラメータ表示部142による数値表示
部140と、この数値表示部140の数値の±1ずつの
増減を行うマイナスキー143及びプラスキー144
と、数値表示部140の数値の所定単位毎の増減を行う
ダウンキー145及びアップキー146と、糸通しスイ
ッチまたは釜合わせスイッチとしてのセットキー147
とを備えている。なお、以上のような各種キーを備えて
いることから操作パネル110は、ボタン穴・メス刃長
さ設定手段、ボタン穴形成幅方向位置設定手段、ボタン
穴かがり縫い目左右方向位置設定手段、閂止め縫い部と
ボタン穴端部との間隔設定手段、左右側縫い部個別設定
手段、パターン拡大・縮小設定手段、針数・ピッチ一定
選択手段等としての機能も具備している。
【0029】次に、図12に示した制御ブロックに基づ
いて制御を行うゼネラルフローを示した図14に従って
具体的な制御について説明する。以下の制御は、前述し
たように、各種の制御部(ミシン制御手段、ミシン駆動
速度決定手段、基線及び針振り幅の変更量補正手段、縫
い目形成順序指定手段、縫いデータ読み出し手段、縫い
開始位置を設定するための開始指定手段、メス制御手
段、メス下降時期決定手段を含むメス上下動時期決定手
段、その上下動時期間隔判断手段、側縫い長さ変更手
段、側縫い幅変更手段、針落ち制御手段、パターン拡大
・縮小基準点決定手段、各種駆動制御手段等)や演算手
段が含まれているCPU100と、例えば、縫いモード
と釜合わせモード、糸通しモードを記憶する記憶部等を
含む制御のためのプログラム及びデフォルトが格納され
ているROM101と、例えば、縫いデータ、基線・針
振りデータ等を含む制御のための各種変数等が格納され
ているRAM102との信号の授受をもって行われる。
また、CPU100は、前述したように、ボタン穴・メ
ス刃長さ設定手段、ボタン穴形成幅方向位置設定手段、
閂止め縫い部とボタン穴端部との間隔設定手段、パター
ン拡大・縮小設定手段、針数・ピッチ一定選択手段等と
しての機能も具備している操作パネル110からの信号
入力によって所定の制御を行う。
【0030】図14のゼネラルフローに示すように、電
源オンにより最初は、ステップS1で、操作パネル設定
処理を呼び出し、操作パネル110による各種の設定処
理が行われる。この操作パネル110による各種の設定
操作は、次のステップS2での縫製キー131のオンま
で行われ、縫製キー131のオン後は、次のステップS
3で、縫製データ作成処理を呼び出し、縫製データが作
成される。なお、前記ステップS2において、縫製キー
131がオンでなければ、前記ステップS1へ戻る。縫
製データ作成後は、次のステップS4で、布押え15の
下降出力を行い、続いて、次のステップS5で、機械原
点検索処理を呼び出し、Y送りパルスモータ20/基線
送りパルスモータ40/針振り送りパルスモータ41の
機械原点検索を行う。続いて、次のステップS6で、縫
い始め移動を呼び出し、Y送りパルスモータ20/基線
送りパルスモータ40/針振り送りパルスモータ41を
縫い始め位置まで駆動した後、次のステップS7で、布
押え15の上昇出力を行って、次のステップS8に進
む。
【0031】ステップS8では、縫製キー131のチェ
ックを行い、縫製キー131のオン時は、前記ステップ
S1へ戻って、操作パネル設定処理が再度行われ、ま
た、縫製キー131がオンでなければ、次のステップS
9に進む。ステップS9では、押えスイッチ124のチ
ェックを行い、押えスイッチ124のオン時は、次のス
テップS10に進み、また、押えスイッチ124がオン
でなければ、前記ステップS8へ戻る。ステップS10
では、布押え15が上昇中であるか否かが判断され、上
昇中であれば、次のステップS11で、布押え15の下
降出力を行い、また、上昇中でなければ、ステップS1
2で、布押え15の上昇出力を行って、前記ステップS
8へ戻る。布押え下降出力後は、次のステップS13
で、押えスイッチ124のチェックを行い、押えスイッ
チ124のオン時は、前記ステップS12で、布押え1
5の上昇出力を行って、前記ステップS8へ戻り、ま
た、押えスイッチ124がオンでなければ、次のステッ
プS14に進む。ステップS14では、スタートスイッ
チ125のチェックを行い、スタートスイッチ125の
オン時は、次のステップS15に進み、また、スタート
スイッチ125がオンでなければ、前記ステップS13
へ戻る。そして、ステップS15では、縫製処理を呼び
出し、縫製が開始される。縫製終了後は、次のステップ
S16で、布押え15の上昇出力が行われ、前記ステッ
プS8へ戻る。
【0032】次に、以上のゼネラルフローにおける操作
パネル設定処理(ステップS1)、縫製データ作成(ス
テップS3)、機械原点検索(ステップS5)、縫製
(ステップS15)の各処理について順次詳細に説明す
る。図15は操作パネル設定処理(ステップS1)のサ
ブルーチンを示したもので、先ず、ステップS101
で、選択キー133のチェックを行い、選択キー133
のオン時は、次のステップS102で、選択番号に1を
インクリメントして、次のステップS103に進み、ま
た、選択キー133がオンでなければ、そのままステッ
プS105へ進む。ステップS103では、選択番号の
チェックを行い、選択番号が最大番号「4」を越える時
は、次のステップS104で、選択番号に「0」をセッ
トして戻してから、次のステップS105に進み、ま
た、選択番号が最大番号「4」以下であれば、そのまま
ステップS105に進む。ステップS105では、選択
番号が「0」であるか否かが判断され、「0」であれ
ば、ステップS106に進んで、パターン変更処理を行
った後、ゼネラルフロー(図14)の前記ステップS2
に進み、また、「0」でなければ、ステップS107に
進む。
【0033】ステップS107では、選択番号が「1」
であるか否かが判断され、「1」であれば、ステップS
108に進んで、パラメータ変更処理を行った後、ゼネ
ラルフロー(図14)の前記ステップS2に進み、ま
た、「1」でなければ、ステップS109に進む。ステ
ップS109では、選択番号が「2」であるか否かが判
断され、「2」であれば、ステップS110に進んで、
スピード変更処理を行った後、ゼネラルフロー(図1
4)の前記ステップS2に進み、また、「2」でなけれ
ば、ステップS111に進む。ステップS111では、
選択番号が「3」であるか否かが判断され、「3」であ
れば、ステップS112に進んで、糸通しモードに設定
した後、ゼネラルフロー(図14)の前記ステップS2
に進み、また、「3」でなければ、ステップS113に
進む。ステップS113では、選択番号が「4」である
か否かが判断され、「4」であれば、ステップS114
に進んで、釜合わせモードに設定した後に、ゼネラルフ
ロー(図14)の前記ステップS2に進み、また、
「4」でなければ、そのまま前記ステップS2に進む。
【0034】次に、以上の操作パネル設定処理(ステッ
プS1)におけるパラメータ変更処理(ステップS10
8)の処理について詳細に説明する。ここで、処理の説
明に先立って、図16に示した設定項目図表及び図17
に示した諸元について説明する。図16に示した設定項
目図表は、予め諸パラメータが設定済みのパターン番号
「1」〜「6」が設けられるとともに、必要に応じてパ
ターンから変更設定するためのパラメータ番号「1」〜
「19」に対応した設定項目「布切り長さ」「メス幅」
「閂止め長さ」「閂止め幅」「平行部ピッチ」「閂止め
部ピッチ」「布切りメス−第1閂止め間 スキマ長さ」
「布切りメス−第2閂止め間 スキマ長さ」「メス落ち
左右位置」「平行部張力」「閂止め部張力」「縫い始め
張力」「縫い終わり張力」「布切りメスサイズ」「押え
サイズ」「拡大・縮小率」「拡大・縮小時針数一定」
「メス落ちタイミング補正針数」「メス駆動時スピー
ド」が設けられ、前記RAM102に記憶されている。
各パターン番号には、前記ROM101に記憶されたデ
フォルトが格納される。そして、各パラメータ番号及び
設定項目に対応して設定範囲とその単位が設けられてい
る。また、図17に示した諸元の通り、ボタン穴かがり
に関しては、布切り長さa、メス幅b、閂止め長さc、
閂止め幅d、平行部ピッチe、閂止め部ピッチf、メス
−第1閂止めスキマg、メス−第2閂止めスキマhを設
定して行う。なお、前記RAM102には、各パラメー
タを設定してパターン番号を登録設定してあり、そのパ
ターン番号に対応して、また、必要に応じてパラメータ
を変更して使用される。
【0035】図18はパラメータ変更処理(ステップS
108)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステッ
プS1081で、プラスキー144のチェックを行い、
プラスキー144のオン時は、次のステップS1082
で、パラメータ番号に1をインクリメントして、次のス
テップS1083に進み、また、プラスキー144がオ
ンでなければ、そのままステップS1085へ進む。ス
テップS1083では、パターン番号のチェックを行
い、パラメータ番号が最大番号「19」を越える時は、
次のステップS1084で、パラメータ番号に「1」を
セットしてから、次のステップS1085に進み、ま
た、パラメータ番号が最大番号「19」以下であれば、
そのままステップS1085に進む。ステップS108
5では、マイナスキー143のチェックを行い、マイナ
スキー143のオン時は、次のステップS1086で、
パラメータ番号に1をデクリメントして、次のステップ
S1087に進み、また、マイナスキー143がオンで
なければ、そのままステップS1089に進む。ステッ
プS1087では、パラメータ番号のチェックを行い、
パラメータ番号が最小番号「1」未満の時は、次のステ
ップS1088で、パラメータ番号に最大番号「19」
をセットしてから、次のステップS1089に進み、ま
た、パラメータ番号が最小番号「1」未満でなければ、
そのままステップS1089に進む。そして、ステップ
S1089において、パラメータ番号に対応する所望の
データ変更処理を、ダウンキー145またはアップキー
146の操作により行ってから、ゼネラルフロー(図1
4)の前記ステップS2に進む。
【0036】図19は縫製データ作成(ステップS3)
のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS31
で、拡大・縮小処理を行い、続いて、次のステップS3
2で、布押え15と布切りメス16のサイズチェックを
行い、続いて、次のステップS33で、サイズエラーを
チェックする。そして、布押え15及び布切りメス16
の関係がサイズエラーであれば、そのままステップS3
4に進んで、エラー表示を行ってから、ゼネラルフロー
(図14)の前記ステップS4に進み、また、布押え1
5及び布切りメス16の関係がサイズエラーでなけれ
ば、次のステップS37において、前記右回りまたは左
回り縫いを選択するために操作パネル114に設けられ
た前記スイッチ(図示しない)を判断し、ステップS3
5またはステップS38に進む。ステップS35または
ステップS38では、それぞれパターン演算を行い、続
いて、ステップS36で、メス駆動タイミング演算を行
ってから、ゼネラルフロー(図14)の前記ステップS
4に進む。即ち、ステップS37において、縫製を右回
りで行うと判断した場合は、ステップS33で右回りパ
ターン演算を行う一方、縫製を右回りでは行わないと判
断した場合には、ステップS38で、左回りパターン演
算を行う。
【0037】次に、以上の縫製データ作成(ステップS
3)におけるパターン演算(ステップS35)の処理に
ついて詳細に説明する。図20は拡大・縮小処理(ステ
ップS31)のサブルーチンを示したもので、ここで
は、ボタン穴かがり縫製の拡大・縮小を行うため、図2
1(a)に示したように、その拡大・縮小の基準点P
を、布切りメス16の前端部として、図21(b)に示
すように、平行部ピッチe及び閂止め部ピッチf、また
は/及び、布切り長さa、メス幅b、閂止め長さc及び
閂止め幅dの各設定値を、拡大・縮小する制御を行う。
この縫製データ作成においては、図20に示すように、
先ず、ステップS311で、αに拡大・縮小率をセット
してから、次のステップS312で、針数一定か否かを
判断し、針数一定ならば、ステップS313に進み、ま
た、針数一定でなければ、ステップS314に進む。ス
テップS313では、「平行部ピッチe」、「閂止め部
ピッチf」の設定値として、図16の図表における平行
部ピッチ×α、閂止め部ピッチ×αをそれぞれセットし
てから、次のステップS314に進む。そして、ステッ
プS314において、「布切り長さ」、「メス幅」、
「閂止め長さ」、「閂止め幅」の各設定値として、図1
6の図表における布切り長さ×α、メス幅×α、閂止め
長さ×α、閂止め幅×α、メス-第一閂止め長さg×α、
メス−第二閂止め長さh×αをそれぞれセットした後、
図19のフローの前記ステップS32に進む。
【0038】図22はパターン演算(ステップS35)
のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS35
1で、縫い始め位置の演算を行い、続いて、次のステッ
プS352で、左平行部の演算を行い、続いて、次のス
テップS353で、第1閂止め部の演算を行う。そし
て、次のステップS354で、右平行部の演算を行い、
続いて、次のステップS355で、第2閂止め部の演算
を行って、次のステップS356で、縫い終わりの演算
を行った後、図19のフローの前記ステップS36に進
む。
【0039】次に、以上のパターン演算(ステップS3
5)における縫い始め位置演算(ステップS351)、
左平行部演算(ステップS352)、第1閂止め部演算
(ステップS353)、右平行部演算(ステップS35
4)、第2閂止め部演算(ステップS355)、縫い終
わり演算(ステップS356)の各処理について順次詳
細に説明する。ここで、各演算処理の説明に先立って、
縫製順序及び各諸元について説明する。図23は縫製順
序を示したもので、図23は機械原点から縫い始め位
置への移動、図23はそれに引き続く左平行部の縫
製、図23は第1閂止め部の縫製半ばまで、図23
は第1閂止め部の縫製終了、図23は右平行部の縫製
開始、図23は右平行部の縫製、図23は第2閂止
め部の縫製開始、図23は第2閂止め部の縫製半ばま
で、図23は縫い終わり(第2閂止め部の縫製終了)
をそれぞれ示している。なお、機械原点への移動は、縫
製モードに切り替わったときのみ行われる。そして、図
24は縫製データ演算結果を表した図表であり、後述す
る図25及び図31に示される演算により求められる。
この図表において、Nは繰り返し回数(針数)、YはY
送り、Kは基線、Hは振り幅、Tは糸張力値をそれぞれ
示しており、それぞれの添え字は、図23に示した縫製
順序(データポインタ)、、、、、、、
、に各々対応している。なお、以下の演算において
は、図17に示した諸元に基づく寸法(布切り長さa、
メス幅b、閂止め長さc、閂止め幅d、平行部ピッチ
e、閂止め部ピッチf、メス−第1閂止めスキマg、メ
ス−第2閂止めスキマh)が用いられる。以上の縫製デ
ータ演算結果は前記RAM102に格納される。
【0040】図25は縫い始め位置演算(ステップS3
51)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップ
S3511で、Y1=c/2を演算し、続いて、次のス
テップS3512で、K1=b/2を演算し、続いて、
次のステップS3513で、H1=(d−b)/2を演
算し、続いて、次のステップS3514で、T1=「縫
い始め張力」をセットする。そして、次のステップS3
515で、「メス落ち左右位置」のパネル設定値は0か
を判断し、0であれば、図22のフローの前記ステップ
S352に進み、また、0でなければ、次のステップS
3516で、K1=K1+「メス落ち左右位置」をセット
した後、前記ステップS352に進む。このような「メ
ス落ち左右位置」の設定値に基づく縫い始め位置
(K1)の設定により、「メス落ち位置」を中心とした
メス幅位置調整機能を持たせて、図26に示されるよう
に、縫目形状の左右方向中心位置がメス落ち位置となる
ようにする。
【0041】図27は左平行部演算(ステップS35
2)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS
3521で、Y2=eをセットし、続いて、次のステッ
プS3522で、N2={a+h+g+(c/2)}÷
eを演算する。この演算式において、aを変えずにhと
gとを変更することにより、閂止め縫い部とボタン穴端
部のと間隔を補正できる。そして、次のステップS35
23で、K2=0をセットし、続いて、次のステップS
3524で、H2=0をセットし、続いて、次のステッ
プS3525で、T2=「平行部張力」をセットした
後、図22のフローの前記ステップS353に進む。
【0042】図28は第1閂止め部演算(ステップS3
53)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップ
S3531で、Y3=fをセットし、続いて、次のステ
ップS3532で、N3=c÷fを演算し、続いて、次
のステップS3533で、K3={(b+d)/2}÷
3を演算し、続いて、次のステップS3534で、H3
={(d+b)/2}÷N3を演算する。続いて、次の
ステップS3535で、T3=「閂止め部張力」をセッ
トしてから、次のステップS3536で、Y4=fをセ
ットし、続いて、次のステップS3537で、N4=c
÷fを演算する。そして、次のステップS3538で、
4=0をセットし、続いて、次のステップS3539
で、H4=0をセットし、続いて、次のステップS35
40で、T4=「閂止め部張力」をセットした後、図2
2のフローの前記ステップS354に進む。
【0043】図29は右平行部演算(ステップS35
4)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS
3541で、N5=1をセットし、続いて、次のステッ
プS3542で、Y5=0をセットし、続いて、次のス
テップS3543で、K5=0をセットする。続いて、
次のステップS3544で、H5=(d+b)/2を演
算し、続いて、次のステップS3545で、T5=「平
行部張力」をセットする。そして、次のステップS35
46で、Y6=eをセットし、続いて、次のステップS
3547で、N6=(a+h+g)÷eを演算する。続
いて、次のステップS3548で、K6=0をセット
し、続いて、次のステップS3549で、H6=0をセ
ットし、続いて、次のステップS3550で、T6
「平行部張力」をセットした後、図22のフローの前記
ステップS355に進む。
【0044】図30は第2閂止め部演算(ステップS3
55)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップ
S3551で、N7=1をセットし、続いて、次のステ
ップS3552で、Y7=0をセットし、続いて、次の
ステップS3553で、K7=0をセットする。続い
て、次のステップS3554で、H7=(d+b)/2
を演算し、続いて、次のステップS3555で、T7
「閂止め部張力」をセットする。そして、次のステップ
S3556で、Y8=fをセットし、続いて、次のステ
ップS3557で、N8=c÷fを演算する。続いて、
次のステップS3558で、K8=0をセットし、続い
て、次のステップS3559で、H8=0をセットし、
続いて、次のステップS3560で、T8=「閂止め部
張力」をセットした後、図22のフローの前記ステップ
S356に進む。
【0045】図31は縫い終わり演算(ステップS35
6)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS
3561で、Y9=fをセットし、続いて、次のステッ
プS3562で、N9=(c/2)÷fを演算し、続い
て、次のステップS3563で、K9=(b+d)/2
÷N9を演算する。そして、次のステップS3564
で、H9=(d+b)/2÷N9を演算し、続いて、次の
ステップS3565で、T9=「縫い終わり張力」をセ
ットし、続いて、次のステップS3566で、総針数N
9Σn=2nを演算した後、図19のフローの前記ステ
ップS36に進む。
【0046】次に、図32は機械原点検索(ステップS
5)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS
51で、Y送りパルスモータ20を、Y送り原点センサ
26をチェックしながら駆動して、Y送りパルスモータ
20の原点位置の検索を行う。Y送りパルスモータ20
の原点検索後、次のステップS52で、Y送り位置に0
をセットする。続いて、次のステップS53で、基線送
りパルスモータ40を、基線送り原点センサ57をチェ
ックしながら駆動して、基線送りパルスモータ40の原
点位置の検索を行った後、次のステップS54で、基線
送り位置に0をセットする。そして、次のステップS5
5で、針振り送りパルスモータ41を、針振り原点セン
サ58をチェックしながら駆動して、針振り送りパルス
モータ41の原点位置の検索を行ってから、次のステッ
プS56で、針振り位置に0をセットした後、ゼネラル
フロー(図14)の前記ステップS6に進む。
【0047】次に、図33は縫製(ステップS15)の
サブルーチンを示したもので、先ず、ステップS151
で、残り針数として総針数がセットされ、続いて、次の
ステップS152で、針振り左右検知センサ59をチェ
ックしながら現在の針振り位置は右側(基線側)か否か
を判断し、右側であれば、次のステップS153で、ミ
シン起動出力を行ってから、次のステップS155に進
む。また、現在の針振り位置が右側でなければ、ステッ
プS154に進んで、ミシン起動出力を行ってから、次
のステップS156に進む。ステップS155では、ミ
シンモータエンコーダ119からのパルスにより、ミシ
ンステータスは回転中か否かを判断し、回転中であれ
ば、次のステップS158に進み、また、回転中でなけ
れば、ステップS155へ戻る。また、ステップS15
6でも、ミシンモータエンコーダ119からのパルスに
より、ミシンステータスは回転中か否かを判断し、回転
中であれば、次のステップS157に進み、また、回転
中でなければ、ステップS156へ戻る。続いて、ステ
ップS157では、針上位置センサ116をチェックし
ながら割込みコントローラ108に針上位置割込要求有
りか否かを判断し、有りであれば、次のステップS15
8に進み、また、針上位置割込要求がなければ、ステッ
プS157へ戻る。
【0048】そして、ステップS158において、ミシ
ンモータエンコーダ119からのパルスにより、ミシン
ステータスは回転か否かを判断し、回転であれば、次の
ステップS159に進み、また、回転でなければ、ゼネ
ラルフロー(図14)の前記ステップS16に進む。ス
テップS159では、TG発生器118をチェックしな
がら割込みコントローラ108にTG割込要求有りか否
かを判断し、有りであれば、ステップS160で、TG
割込み処理を行ってから、次のステップS161に進
み、また、TG割込要求がなければ、そのままステップ
S161に進む。ステップS161では、割込みコント
ローラ108に針上位置割込要求有りか否かを判断し、
有りであれば、ステップS162で針上位置割込み処理
を行ってから、次のステップS163に進み、また、針
上位置割込要求がなければ、そのままステップS163
に進む。ステップS163では、送り基準位置センサ1
17をチェックしながら割込みコントローラ108に送
り基準割込要求有りか否かを判断し、有りであれば、ス
テップS164で、送り基準割込み処理を行ってから、
次のステップS165に進み、また、送り基準割込要求
がなければ、そのままステップS165に進む。続い
て、ステップS165において、布切りメスカウンタ割
込み処理を行ってから、前記ステップS158へ戻る。
【0049】次に、図34は送り基準割込み処理(ステ
ップS164)のサブルーチンを示したもので、先ず、
ステップS1641で、Y送りパルスモータ20の回転
方向の設定を行ってから、次のステップS1642で、
Y送りパルスモータ20のパルス数の設定を行う。続い
て、次のステップS1643で、基線送りパルスモータ
40の回転方向の設定を行ってから、次のステップS1
644で、基線送りパルスモータ40のパルス数の設定
を行う。続いて、次のステップS1645で、針振り送
りパルスモータ41の回転方向の設定を行ってから、次
のステップS1646で、針振り送りパルスモータ41
のパルス数の設定を行う。そして、次のステップS16
48で、繰り返し回数から1をデクリメントする。続い
て、次のステップS1649で、繰り返し回数が0であ
るか否かをチェックし、0であれば、次のステップS1
700で、データポインタに1をインクリメントしてか
ら、次のステップS1701で、データポインタに対す
る繰り返し回数をセットした後、図33のフローの前記
ステップS165に進む。なお、前記ステップS164
9において、繰り返し回数が0でなければ、そのまま前
記ステップS165に進む。
【0050】以上のような制御方式を持つ本実施の形態
例のボタン穴かがりミシンにおいて、図23に示した縫
製順序(データポインタ)乃至のボタン穴かがり縫
いに基づいて説明すると、作業者が操作パネル110上
での各数値設定を行った後、ステップS6による縫い始
め移動により図23の縫い始め位置の点P1に位置し
て、布押え15を下降した状態で停止している。作業者
によりスタートスイッチが操作されるとステップS15
による「縫製」が始まる。この縫製サブルーチンによ
り、データポインタに対応する左側縫い(左平行部)
が開始され、TG割り込み処理S160によるタイミン
グで送り基準割り込み処理S164による各パルス設定
に基づく各パルスモータの動作が行われ、同送り基準割
り込み処理における繰り返し回数が0の判別(ステップ
S1649)が有ったとき、即ち針数(縫目数)が所定
値に達したとき、データポインタをとし(ステップS
1700)、同様にTG割り込み処理、送り割り込み処
理により縫目を形成する。以下同様にしてデータポイン
タ、を行い第1閂止縫いを形成する。データポイン
タのとき、即ち右側縫い(右平行部縫い)中に、針上
位置割り込み処理(ステップS161)のメス駆動処理
ルーチンにおいて、針数カウント値に応じて、カウント
値が演算設定値Mnとなったときに布切りメス下降サブ
ルーチンの処理により布切りメス16が下降される。こ
の時ステップS16261のRの設定値(予め設定され
ている)により布切りメス16が下降する数針前或いは
下降するときにミシンスピードを前記メス駆動スピード
に減速させる。そしてこの動作は、前記演算された数値
nによる回数繰り返される(S16265)。またこの
布切りメスの下降の繰り返し間隔が判別され、その判別
結果に応じてミシンスピードが設定される(ステップS
16251乃至S16260)。データポインタにお
ける針上位置割込処理において、P9即ち縫い始め位置
P1において残針数が0となると、即ちボタン穴かがり
縫いが完了すると、ミシン停止出力が出されて従来周知
の定位置停止手段によりミシンを針上位置に停止させ
る。
【0051】<制御方式の変更例>パターン演算サブル
ーチンの別の実施の形態例として、以下の演算において
は、図35に示した諸元に基づく寸法(布切り長さa、
左メス幅b1、右メス幅b2、閂止め長さc、閂止め幅
d、平行部ピッチe、閂止め部ピッチf、メス−第1閂
止めスキマg、メス−第2閂止めスキマh)が用いられ
る。また、図36に示した設定項目図表は、前述した図
16の図表において、「メス幅」を「左メス幅b1」と
「右メス幅b2」とに分けて、「メス落ち左右位置」を
削除したものとなっている。
【0052】図37は縫い始め位置演算(ステップS3
81)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップ
S3811で、Y1=c/2を演算し、続いて、次のス
テップS3812で、K1=b1をセットし、続いて、次
のステップS3813で、H1={d−(b1+b2)}
/2を演算し、続いて、次のステップS3814で、T
1=「縫い始め張力」をセットした後、次の右平行部演
算(ステップS382)に進む。また、前記b1とb2
を別途指定することにより、メス落ち点より左右両側縫
い部までの間隔を別途に調整できる。
【0053】図38は右平行部演算(ステップS38
2)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS
3821で、N5=1をセットし、続いて、次のステッ
プS3822で、Y5=0をセットし、続いて、次のス
テップS3823で、K5=0をセットする。続いて、
次のステップS3824で、H5=(d+b1+b2)/2
を演算し、続いて、次のステップS3825で、T5
「平行部張力」をセットする。そして、次のステップS
3826で、Y6=eをセットし、続いて、次のステッ
プS3827で、N6=(a+h+g)÷eを演算す
る。続いて、次のステップS3828で、K6=0をセ
ットし、続いて、次のステップS3829で、H6=0
をセットし、続いて、次のステップS3530で、T6
=「平行部張力」をセットした後、次の第1閂止め部演
算(ステップS383)に進む。
【0054】図39は第1閂止め部演算(ステップS3
83)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップ
S3831で、Y3=fをセットし、続いて、次のステ
ップS3832で、N3=c÷fを演算し、続いて、次
のステップS3833で、K3={(b1+b2+d)/
2}÷N3を演算し、続いて、次のステップS3834
で、H3={(d+b1+b2)/2}÷N3を演算する。
続いて、次のステップS3835で、T3=「閂止め部
張力」をセットしてから、次のステップS3836で、
4=fをセットし、続いて、次のステップS3837
で、N4=c÷fを演算する。そして、次のステップS
3838で、K4=0をセットし、続いて、次のステッ
プS3839で、H4=0をセットし、続いて、次のス
テップS3840で、T4=「閂止め部張力」をセット
した後、次の左平行部演算(ステップS384)に続い
て第2閂止め部演算(ステップS385)に進む。
【0055】図40は第2閂止め部演算(ステップS3
85)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップ
S3851で、N7=1をセットし、続いて、次のステ
ップS3852で、Y7=0をセットし、続いて、次の
ステップS3853で、K7=0をセットする。続い
て、次のステップS3854で、H7=(d+b1
2)/2を演算し、続いて、次のステップS3855
で、T7=「閂止め部張力」をセットする。そして、次
のステップS3856で、Y8=fをセットし、続い
て、次のステップS3857で、N8=c÷fを演算す
る。続いて、次のステップS3858で、K8=0をセ
ットし、続いて、次のステップS3859で、H8=0
をセットし、続いて、次のステップS3860で、T8
=「閂止め部張力」をセットした後、次の縫い終わり演
算(ステップS386)に進む。
【0056】図41は縫い終わり演算(ステップS38
6)のサブルーチンを示したもので、先ず、ステップS
3861で、Y9=fをセットし、続いて、次のステッ
プS3862で、N9=(c/2)÷fを演算し、続い
て、次のステップS3863で、K9=(b1+b2
d)/2÷N9を演算する。そして、次のステップS3
864で、H9={d−(b1+b2)}/2÷N9を演算
し、続いて、次のステップS3865で、T9=「縫い
終わり張力」をセットし、続いて、次のステップS38
66で、総針数N=9Σn=2Nnを演算した後、図19の
フローの前記ステップS36に進む。
【0057】<他の実施の形態例>更に他の実施の形態
例として、図42はY送りから布切りメスの動作タイミ
ングをとるために送りセンサ及びメス落ちスイッチを設
けた構成を示すもので、先ず、送り機構21の送り軸2
2に固定のブラケット23上に、板面を側方に向けて検
出板161を垂直に固定して、この検出板161のY方
向移動位置に基づいて前進か後退かの送り方向を検出す
る縫い移動位置検出手段としての近接式の送りセンサ1
62を検出板161の移動方向に対向配設している。そ
して、検出板161の一側面に、前後一対の突部16
3,163を形成して、この前後一対の突部163,1
63の何れかにより被検出部が押されるメス落ちスイッ
チ164を突部163,163の移動経路に対向配設し
ている。即ち、図示例では、このメス落ちスイッチ16
4が前後2個の突部163,163に各々押される度
に、布切りメス用エアーシリンダユニット30をそれぞ
れ駆動して、布切りメス16を2回上下動させるものと
なっている。この実施の形態例では、メス落ちスイッチ
164がメス下降開始時期設定手段である。
【0058】なお、以上の実施の各形態例においては、
ボタン穴かがりミシンとしたが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、他の針振りミシンであっても良い。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変
更可能であることは勿論である。例えば、針上位置検知
に代えて針下位置検知或いは他の位相検知でもよい。さ
らに、本実施の形態例のおいては、各パラメータを演算
設定してメス駆動タイミング或いはボタン穴形状の各寸
法等を設定するものを示したが、予めプログラム設定さ
れ記憶されたデータを選択的に読み出すものにおいて実
施しても同様の効果が得られる。また、一旦演算設定さ
れたものを記憶しておき、これを選択的に読み出すよう
にしてもよい。さらに、ミシンの上下軸を別個のモータ
により各別に回転制御させるようにしたものでもよい。
【0059】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明に係
るボタン穴かがりミシンによれば、設定手段の設定に応
じメス落ち位置に対してボタン穴かがり縫い目を左右方
向に移動させて、ボタン穴に対する左右側縫い部との間
隔を調整できるため、ボタン穴に対する左右側縫い部内
縁までの間隔を左右均等にすることができる。従って、
ボタン穴かがり縫い目を見栄え良く仕上げることができ
る。
【0060】また、請求項2記載の発明に係るボタン穴
かがりミシンによれば、設定手段によりメス落ち位置に
対して左右側縫い部内縁との各幅を各別に設定して、ボ
タン穴に対する左右側縫い部との間隔を個別に調整でき
るため、ボタン穴に対する左右側縫い部内縁までの間隔
を左右均等にすることができる。従って、ボタン穴かが
り縫い目を見栄え良く仕上げることができる。
【0061】そして、請求項3記載の発明に係るボタン
穴かがりミシンによれば、請求項2記載の発明により得
られる効果に加えて、設定手段によるメス落ち位置に対
する左右側縫い部内縁との各幅の個別設定に応じて変更
手段によって、ボタン穴かがり縫い目の幅、即ち、閂止
め部の幅を変えずにメス落ち位置から左右側縫い部内縁
までの間隔を変化させることができるといった利点が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一例としてのボタン穴かがり
ミシンの外観を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態例を示すもので、内部機構の
概略斜視図である。
【図3】図2と反対側から見た状態を示すもので内部機
構の概略斜視図である。
【図4】図3の針振り機構を針側から見た正面図であ
る。
【図5】図4の針振り機構の動作を説明する模式図であ
る。
【図6】針振り機構の動作例を示すもので、(a)は針
振りカムのカム頂部が基線側にある状態を示した図、
(b)は針振りカムのカム頂部がカム振り幅側にある状
態を示した図である。
【図7】針振り機構による基線位置の変更を示した図で
ある。
【図8】針振り機構による振り幅位置の変更を示した図
である。
【図9】ボタン穴かがり部を示すもので、(a)はボタ
ン穴かがり縫い部分の名称を示した図、(b)は右回り
の場合を示した図である。
【図10】メス駆動装置を示す斜視図である。
【図11】布切りメスの2回上下動を説明するもので、
(a)は布切りメスの一回目の下降動作によって布に一
旦切り込みを入れた状態の図、(b)は布送りの方向を
示した図、(c)は布切りメスの二回目の下降動作を示
す図である。
【図12】ボタン穴かがりミシンの制御ブロック構成図
である。
【図13】操作パネルの正面図である。
【図14】図12の制御ブロックに基づいて制御が行な
われるゼネラルフローチャートである。
【図15】操作パネル設定処理(ステップS1)のサブ
ルーチンを示したフローチャートである。
【図16】設定項目図表である。
【図17】ボタン穴かがり部の諸元を示した図である。
【図18】パラメータ変更処理(ステップS108)の
サブルーチンを示したフローチャートである。
【図19】縫製データ作成(ステップS3)のサブルー
チンを示したフローチャートである。
【図20】拡大・縮小処理(ステップS31)のサブル
ーチンを示したフローチャートである。
【図21】ボタン穴かがり縫製の拡大・縮小を説明する
もので、(a)は拡大・縮小の基準点を示した図、
(b)は各部の呼称を示す図である。
【図22】パターン演算(ステップS35)のサブルー
チンを示したフローチャートである。
【図23】右回りの縫製順序を示した図である。
【図24】縫製データ演算結果を示す図表である。
【図25】縫い始め位置演算(ステップS351)のサ
ブルーチンを示したフローチャートである。
【図26】メス落ち中心位置の決定を示す図である。
【図27】左平行部演算(ステップS352)のサブル
ーチンを示したフローチャートである。
【図28】第1閂止め部演算(ステップS353)のサ
ブルーチンを示したフローチャートである。
【図29】右平行部演算(ステップS354)のサブル
ーチンを示したフローチャートである。
【図30】第2閂止め部演算(ステップS355)のサ
ブルーチンを示したフローチャートである。
【図31】縫い終わり演算(ステップS356)のサブ
ルーチンを示したフローチャートである。
【図32】機械原点検索(ステップS5)のサブルーチ
ンを示したフローチャートである。
【図33】縫製(ステップS15)のサブルーチンを示
したフローチャートである。
【図34】送り基準割込み処理(ステップS164)の
サブルーチンを示したフローチャートである。
【図35】ボタン穴かがり部分の諸元を示した図であ
る。
【図36】設定項目図表である。
【図37】縫い始め位置演算(ステップS381)のサ
ブルーチンを示したフローチャートである。
【図38】右平行部演算(ステップS382)のサブル
ーチンを示したフローチャートである。
【図39】第1閂止め部演算(ステップS383)のサ
ブルーチンを示したフローチャートである。
【図40】第2閂止め部演算(ステップS385)のサ
ブルーチンを示したフローチャートである。
【図41】縫い終わり演算(ステップS386)のサブ
ルーチンを示したフローチャートである。
【図42】Y送りから布切りメスの動作タイミングをと
るために送りセンサ及びメス落ちスイッチを設けた構成
例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ミシンフレーム 2 ベッド 3 縦胴部 4 アーム 5 ミシンモータ 6 上軸 8 針棒 9 針 11 下軸 12 釜 14 布保持板 15 布押え 16 布切りメス(上下動メス) 18 針棒揺動台 19 糸調子 20 パルスモータ(送りモータ:電気的駆動手段) 20a ピニオン 21 送り機構(連結手段) 22 送り軸 22a ラック 24 布保持腕 30 布切りメス用エアーシリンダユニット(メス動作
用の電気的駆動手段) 31 メス取付板 34a、34b 布切りメス上下位置検出センサ(メス
上下位置検出手段) 40 基線モータ(基線変更用駆動手段) 41 振り幅モータ(針振り幅変更用駆動手段) 42 針振り機構 43 基線用アーム 44 基線用レバー 45 連結リンク 46 針振りカムレバー 47 針振りレバー 48 連結軸 49 針振り腕 54 針振りカム 55 振り幅用アーム 56 振り幅用レバー 57 基線原点検出センサ(基線位置検出手段) 58 振り幅原点検出センサ(針振り幅検出手段) 59 針振り左右位置検出センサ(針振り左右位置検出
手段) 60 ボイスコイルモータ 162 送りセンサ(縫い移動位置検出手段) 164 メス落ちスイッチ(メス下降開始時期設定手
段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 春日 俊明 東京都調布市国領町8丁目2番地の1 ジ ューキ株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】縫い目形成前に予め設定されているデータ
    に基づいて、布の前後方向への移送量と針の基線位置及
    び針振り位置と布切りメスの下降位置とを規定すること
    により、ボタン穴の左右にボタン穴から所定長さ離れて
    内縁が位置するように左右側縫い部を有するボタン穴か
    がり縫い目を形成するボタン穴かがりミシンにおいて、 前記ボタン穴を形成する前記布切りメスの下降位置に対
    して前記ボタン穴かがり縫い目を左右方向に移動するよ
    うに設定する設定手段を設けたこと、を特徴とするボタ
    ン穴かがりミシン。
  2. 【請求項2】縫い目形成前に予め設定されているデータ
    に基づいて、布の前後方向への移送量と針の基線位置及
    び針振り位置と布切りメスの下降位置とを規定すること
    により、ボタン穴の左右にボタン穴から所定長さ離れて
    内縁が位置するように左右側縫い部を有するボタン穴か
    がり縫い目を形成するボタン穴かがりミシンにおいて、 前記ボタン穴を形成する前記布切りメスの下降位置に対
    して前記左右側縫い部内縁との各幅を各別に設定可能と
    する設定手段を設けたこと、を特徴とするボタン穴かが
    りミシン。
  3. 【請求項3】前記設定手段による各幅の設定により、ボ
    タン穴かがり縫い幅を変えずに側縫い幅を変更する変更
    手段を設けたこと、を特徴とする請求項2記載のボタン
    穴かがりミシン。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001300166A (ja) * 2000-04-27 2001-10-30 Juki Corp 電子ミシン
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CN106048906A (zh) * 2015-04-16 2016-10-26 Juki株式会社 纽扣孔锁边缝纫机

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