JPH1146783A - ラジカル発生促進剤処理による植物二次代謝産物の生産促進方法 - Google Patents

ラジカル発生促進剤処理による植物二次代謝産物の生産促進方法

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JPH1146783A
JPH1146783A JP21069697A JP21069697A JPH1146783A JP H1146783 A JPH1146783 A JP H1146783A JP 21069697 A JP21069697 A JP 21069697A JP 21069697 A JP21069697 A JP 21069697A JP H1146783 A JPH1146783 A JP H1146783A
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acid
plant
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plants
jasmonic acid
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JP21069697A
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Osamu Kodama
治 児玉
Shigeru Tamogami
繁 田母神
Yasuhiro Hara
康弘 原
Homare Tabata
誉 多葉田
Koichi Matsubara
浩一 松原
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 植物体の一部又は全体あるいは培養組織
及び/又は細胞を a.ジャスモン酸類化合物又はコロナチン類化合物及び b.ラジカル発生促進剤で処理することを特徴とする当該
植物体あるいは培養組織及び/又は細胞に含まれる二次
代謝産物含有量の増加方法。 【効果】 医薬、化粧品、食品添加物、農薬等として有
用な二次代謝産物の含有量を増加させることが可能にな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物体又は植物の
培養組織及び/又は細胞を用いて、医薬、化粧品、食品
添加物、農薬など又はこれらの原料として有用な植物二
次代謝産物の生産を促進する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、産業上価値のある植物二次代謝産
物は栽培又は野生植物から抽出されているが、これら植
物体の二次代謝産物を選択的に高めうる方法はほとんど
知られていない。また、バイオテクノロジーの一手段で
ある組織及び/又は細胞培養においても、ムラサキ培養
細胞による創傷治癒薬原料シコニンの生産、薬用ニンジ
ン培養細胞によるジンセノシド等含有エキスの生産など
少数の例を除けば、植物組織又は細胞培養を用いて工業
的に生産した例は知られていない。
【0003】培養組織及び/又は細胞によるこれら有用
二次代謝産物の生産については、20年以上も前から、大
学、公的研究機関又は企業で精力的に研究が進められて
きたにもかかわらず、実用化に結びついた例は極めて少
ない。その原因の一つに、培養物に含まれる二次代謝産
物の含量が低いことが挙げられる。この二次代謝産物の
含量を増加させる有力な戦略の一つに、培地組成の最適
化が挙げられるが、含量の増加に適した培地組成は植物
種及び二次代謝産物ごとに異なるのが普通であり、また
長期間の検討を要する割には、実用化に充分なレベルに
まで二次代謝産物の含量を増加させることが困難である
ケースが多かったため、効率よく実用化研究を進める上
での障害になっていた[J. Berlin, Biotechnology 2nd
Edition,eds. H-J Rehm and G. Reed, volume eds. H.
Kleinkauf and H. von Dhren, VCH, Weinheim, German
y, 1997, pp. 593-640]。
【0004】近年、汎用的に二次代謝産物の生産性を向
上させる一つの手段として、微生物の培養物などのエリ
シターを培養組織又は細胞に添加する方法が提案された
が、普遍的に使用できる菌種を見いだすことができず、
また生産性向上にも限界があったため、実用化には至ら
なかった。このような背景のもと、特定の植物種では、
前記のエリシターで処理した細胞中で、植物ホルモンの
一種であるジャスモン酸のレベルが高まり、これが二次
代謝産物の生産性向上に寄与することが明らかにされ、
この原理に基づいた植物二次代謝産物の生産促進物質に
関する特許が出願されている(DE 4122208、特開平5-18
4355、特開平8-33490 、特開平7-308196、特開平7-3081
97、特開平8-198863)。
【0005】しかしながら、ジャスモン酸又はその誘導
体類が二次代謝産物の生産性を向上させうる場合でも、
実用化の観点からはその効果は不十分であることが多
く、より効果的な生産性向上策の考案が望まれていた。
以上の背景のもと、本発明者らは、植物二次代謝に対す
るジャスモン酸の効果の解析を通して、ジャスモン酸及
びジャスモン酸と実質的に同じ作用を有する類縁化合物
を植物体、植物組織又は細胞培養に処理するにあたっ
て、それら化合物の効果を高めうる方法を考案し本発明
を完成した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、植物体、植
物組織及び/又は培養細胞を用いて、各親植物に含まれ
る二次代謝産物の含量を高めることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】ファイトアレキシンやア
ルカロイド、テルペノイドなど植物二次代謝産物生産に
おいて、ジャスモン酸が生合成関連の遺伝子発現に関わ
るシグナル物質であることを示唆する研究が数多く報告
されているが、ジャスモン酸の下流におけるレセプター
を介した別のシグナル伝達機構の存在、あるいはジャス
モン酸の直接的な遺伝子発現機構など、ジャスモン酸が
いかにしてその作用を発現しているかについては依然不
明である。
【0008】ジャスモン酸やその典型的な誘導体である
ジャスモン酸メチルを外部から植物体に与えたときに植
物が二次代謝産物生産を開始するまでには、多くの場合
長いタイムラグが必要である。更に、これら二次代謝産
物生産を引き起こすために必要なジャスモン酸は比較的
高濃度である。これらの結果は、外部から投与されたジ
ャスモン酸が直接的に二次代謝産物の生産性向上を引き
起こしているのではなく、この生産性向上に至る過程に
は更に二次的な制御因子が存在することを示唆してい
る。そこで、前記タイムラグはジャスモン酸の働きを阻
害する物質がジャスモン酸処理時にすでに細胞内に存在
し、この阻害物質がジャスモン酸の活性発現を遅らせて
いると仮定して研究を進めた。その結果、ジャスモン酸
の活性は植物ホルモンであるサイトカイニンによって完
全に打ち消されることを見いだした。即ち、研究材料と
して用いたイネ葉においては、ジャスモン酸をカイネチ
ンやゼアチンと同時に処理すると、ジャスモン酸のエリ
シター活性(イネの二次代謝産物であり、ファイトアレ
キシンの一種であるサクラネチンの生産性向上)は完全
に阻害された。
【0009】サイトカイニンがフリーラジカルの消去機
能を有するという報告[Frimer, A.A. et al., J. Org.
Chem. 48, 1700-1705 (1983)、Beckman, K.B. and Ingr
am,D.S., Physiol. Mol. Plant Pathol. 45, 229-246
(1994)] や、フリーラジカルの消去剤のタイロンがジャ
スモン酸の活性を阻害したことから、ジャスモン酸によ
って引き起こされる二次的なシグナル伝達機構に活性酸
素の生成が関与していると推測される。
【0010】植物体内において、活性酸素はクロロプラ
ストやミトコンドリアで恒常的に生成しているが、植物
体に対して強い毒性を示すため、クロロプラストではア
スコルビン酸、アスコルビン酸ペルオキシダーゼによっ
て消去されている。アスコルビン酸自体も活性酸素消去
剤として機能することが知られており、本発明者らは、
前記イネ葉を用いた実験から、カイネチンほど顕著では
ないが、アスコルビン酸もジャスモン酸のエリシター活
性を阻害することを見いだしている。しかし、本発明者
らは、このとき高濃度のアスコルビン酸が存在すると、
驚くべきことにジャスモン酸のエリシター活性がかえっ
て強められることを見いだした。アスコルビン酸が過剰
に存在すると、その還元作用によって3 価鉄イオンが2
価鉄イオンに還元され、次いでFenton反応によって活性
酸素の生成が促進されることが知られており[Witerbour
n, C.C., Biochemical J. 198, 124-131 (1981) 、Fee,
J.A., Trends Biochem. Sci. 7, 84-86 (1982)]、同様
のメカニズムによってジャスモン酸のエリシター活性が
促進されたものと結論づけられる。
【0011】以上のことから、本発明者らはラジカル発
生促進剤がジャスモン酸の有する植物二次代謝産物の生
産促進効果を更に強めうることを見いだし本発明を完成
した。即ち、本発明は、植物体の一部又は全体あるいは
培養組織及び/又は細胞を a.ジャスモン酸類化合物又はコロナチン類化合物及び b.ラジカル発生促進剤で処理することを特徴とする当該
植物体あるいは培養組織及び/又は細胞に含まれる二次
代謝産物含有量の増加方法、並びに前記の方法により二
次代謝産物含有量が増加された植物体の一部又は全体あ
るいは培養物から当該二次代謝産物を回収することを特
徴とする植物二次代謝産物の製造方法に関する。
【0012】本発明に用いるラジカル発生促進剤として
は、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、
トコフェロール及びグルタチオン等の生体内で酵素的又
は非酵素的に酸化されてラジカルとなり、他の化合物か
らの当該化合物のラジカル生成を促進する化合物が挙げ
られる。ここで、アスコルビン酸誘導体としては、ナト
リウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカ
リ土類金属塩、パルミチン酸、ステアリン酸等との脂肪
酸エステル及びそれらのアルカリ又はアルカリ土類金属
塩、硫酸エステル又はその金属塩、リン酸エステル又は
その金属塩を例示することができる。
【0013】また、本発明に用いるラジカル発生促進剤
としては、糖アルコールを例示することができ、中でも
マンニトール及び/又はソルビトールが特に好ましい化
合物として例示できる。更に、本発明に用いるラジカル
発生促進剤としては、ハロタン、四塩化炭素、ブロモホ
ルム、イソニコチン酸ヒドラジド、ニトロフラントイ
ン、メトロニダゾール及びクロラムフェニコールなど、
生体に投与した際、活性酸素発生の引き金となりうる化
合物が例示できる。
【0014】アスコルビン酸以下、以上に示したラジカ
ル発生促進剤は、水溶液又はメタノールなどの有機溶媒
−水混合液、Tween などの界面活性剤を含む水溶液に溶
解又は懸濁した後、植物体に噴霧又は塗布又はそれらに
類する方法で投与するか、あるいは組織及び/又は細胞
培養用の培地に溶解又は懸濁して投与することができ
る。これらの投与処理における当該ラジカル発生促進剤
の濃度は、植物体の一部又は全部に対しては1 mM〜50 m
M が好ましく、中でも2 mM〜30 mM が特に好ましい。ま
た、培養組織及び/又は細胞に対する当該ラジカル発生
促進剤の処理濃度としては、0.01 mM 〜50 mM が好まし
く、中でも0.02 mM 〜30 mM が特に好ましい。この植物
形態の違いによる好ましい処理濃度の差は、主として植
物体表面のワックスなどの有無による浸透性に起因する
ものであり、本発明に用いるラジカル発生促進剤の機能
の差によるものではない。
【0015】本発明で使用されるジャスモン酸類化合物
としては、グループ1)ジャスモン酸に代表されるジャ
スモン酸類、グループ2)ツベロン酸に代表されるツベ
ロン酸類、及びグループ3)ククルビン酸に代表される
ククルビン酸類を例示することができる。 グループ1)ジャスモン酸類の具体例としては、一般式
(I):
【0016】
【化1】 [式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e及びR1fは、そ
れぞれ水素原子、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基又
は炭素数1〜6のアルコキシ基を表し;R2 、R3 、R
4 、R5 及びR6 は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜
6のアルキル基を表し;C1 −C2 −C3 −C4 −C5
−C6 からなる側鎖は、1個又は2個以上の二重結合を
含んでいてもよく;R7 は水酸基、OM(ここで、Mは
アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はNH4
表す。)、NR8a8b(ここで、R8a及びR8bは、それ
ぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアシル基、炭素数
1〜6のアルキル基又はアミノ酸残基を表す。)、OR
9 (ここで、R9 は炭素数1〜6のアルキル基又は炭水
化物残基を表す。)又は炭素数1〜6のアルキル基を表
し;nは1〜7の整数を表し;前記5員環は、隣接する
環員炭素原子間で二重結合を形成してもよい。]で示さ
れる化合物が挙げられる。 グループ2)ツベロン酸類の具体例としては、一般式
(II):
【0017】
【化2】 [式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e及びR1fは、そ
れぞれ水素原子、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基又
は炭素数1〜6のアルコキシ基を表し;R2 、R3 、R
4 、R5 及びR6aは、それぞれ水素原子又は炭素数1〜
6のアルキル基を表し;C1 −C2 −C3 −C4 −C5
−C6 からなる側鎖は、1個又は2個以上の二重結合を
含んでいてもよく;R6bは水酸基又は−O−炭水化物残
基を表し;R7 は水酸基、OM(ここで、Mはアルカリ
金属原子、アルカリ土類金属原子又はNH4 を表
す。)、NR8a8b(ここで、R8a及びR8bは、それぞ
れ独立に水素原子、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1
〜6のアルキル基又はアミノ酸残基を表す。)、OR9
(ここで、R9 は炭素数1〜6のアルキル基又は炭水化
物残基を表す。)又は炭素数1〜6のアルキル基を表
し;nは1〜7の整数を表し;前記5員環は、隣接する
環員炭素原子間で二重結合を形成してもよい。]で示さ
れる化合物が挙げられる。 グループ3)ククルビン酸類としては、一般式(III) :
【0018】
【化3】 [式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e及びR1fは、そ
れぞれ水素原子、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基又
は炭素数1〜6のアルコキシ基を表し;R2 、R3 、R
4 、R5 及びR6 は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜
6のアルキル基を表し;C1 −C2 −C3 −C4 −C5
−C6 からなる側鎖は、1個又は2個以上の二重結合を
含んでいてもよく;R7 は水酸基、OM(ここで、Mは
アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はNH4
表す。)、NR8a8b(ここで、R8a及びR8bは、それ
ぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアシル基、炭素数
1〜6のアルキル基又はアミノ酸残基を表す。)、OR
9 (ここで、R9 は炭素数1〜6のアルキル基又は炭水
化物残基を表す。)又は炭素数1〜6のアルキル基を表
し;nは1〜7の整数を表し;前記5員環は、隣接する
環員炭素原子間で二重結合を形成してもよい。]で示さ
れる化合物が挙げられる。
【0019】前記一般式(I)、(II)及び(III) にお
いて、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R2 、R
3 、R4 、R5 、R6 、R6a、R7 、R8a、R8b又はR
9 で表される炭素数1〜6のアルキル基としては、例え
ばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t−
ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基が挙げられ
る。
【0020】前記一般式(I)、(II)及び(III) にお
いて、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e又はR1fで表され
る炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えばメトキ
シ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ
基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ
基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキ
シルオキシ基が挙げられる。R7 がOMである場合にお
いて、Mで表されるアルカリ金属原子又はアルカリ土類
金属原子としては、例えばナトリウム、カリウム、カル
シウムが挙げられる。
【0021】R7 がNR8a8bである場合において、R
8a又はR8bで表される炭素数1〜6のアシル基は、直
鎖、分岐鎖のいずれでもよく、例えばホルミル基、アセ
チル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ヘ
キサノイル基、アクリロイル基が挙げられる。R7 がN
8a8bである場合において、R8a又はR8bで表される
アミノ酸残基としては、イソロイシル基、チロシル基、
トリプトフィル基が挙げられる。R7 がOR9 である場
合において、R9 で表される炭水化物残基、及び前記一
般式(II)においてR6bが−O−炭水化物残基である場
合における炭水化物残基としては、グルコピラノシル基
が挙げられる。
【0022】また、前記一般式(I)、(II)又は(II
I) で示される化合物においては、5員環は、隣接する
環員炭素原子間で二重結合を形成してもよい。前記一般
式(I)、(II)又は(III) で示される化合物の好まし
いものとしては、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e
1f、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6 が水素原子であ
り、R7 が水酸基又はメトキシ基であり、C1 −C2
3 −C4−C5 −C6 からなる側鎖が、二重結合を含
まないか、あるいはC1 とC2 、C2 とC3 又はC3
4 の間で二重結合を含む化合物が挙げられる。
【0023】本発明で使用されるジャスモン酸類化合物
は、ジャスモン酸、ツベロン酸又はククルビン酸と実質
的に同様の生理活性を有する誘導体であれば、特に制限
はなく、例えば、ジャスモン酸、ツベロン酸又はククル
ビン酸の、アルキル部分の炭素数が1〜6であるアルキ
ルエステル、あるいはジャスモン酸もしくはツベロン酸
の環上オキソ基のイミノ置換体又はククルビン酸の環上
水酸基のアミノ置換体を用いることもできる。本発明で
使用される前記一般式(I)、(II)又は(III) で示さ
れる化合物には種々の立体異性体(シストランス異性
体、光学異性体)が存在するが、それぞれの異性体を単
独で用いても、混合物の形で用いてもよいが、シス体化
合物を用いることが特に好ましい。
【0024】以上のジャスモン酸類の中でも前記一般式
(I)、(II)及び(III) において、R1a、R1b
1c、R1d、R1e、R1f、R2 、R3 、R4 、R5 及び
6 が水素原子であり、R7 が水酸基又はメトキシ基で
あり、nが1であり、C3 とC4の間で二重結合を含ん
でいる化合物であるジャスモン酸又はジャスモン酸メチ
ル、ツベロン酸又はツベロン酸メチル、及びククルビン
酸又はククルビン酸メチルが特に好ましい。また、本発
明で使用されるコロナチン類化合物としては、一般式
(IV):
【0025】
【化4】 又は一般式(V):
【0026】
【化5】 [式中、R10は、水酸基、OR11(ここで、R11は、炭
素数1〜6のアルキル基又は炭水化物残基を表す。)、
OM1 (ここで、M1 は、アルカリ金属原子、アルカリ
土類金属原子又はNH4 を表す。)又はNR12a 12b
(ここで、R12a及びR12b は、それぞれ独立に水素原
子、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルキル
基、アミノ酸残基又は一般式(VI):
【0027】
【化6】 (ここで、R13は、水素原子、水酸基、炭素数1〜6の
アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は次式 −CO−R16 (式中、R16は、水酸基、OM2 (ここで、M2 は,ア
ルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はNH4 を表
す。)、NR17a 17b (ここで、R17a 及びR
17b は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアシ
ル基、炭素数1〜6のアルキル基又はアミノ酸残基を表
す。)又はOR18(ここで、R18は、炭素数1〜6のア
ルキル基又は炭水化物残基を表す。)を表す。)で示さ
れる基を表し;R14a 、R14b 、R15a 及びR15b は、
それぞれ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜6のアル
キル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。)で示
される基を表す。)を表し;R19a 、R19b 、R20a
20b 、R21、R22、R23a 、R23b 、R24a
24b ,R25a 、R25b 、R26及びR28は、それぞれ独
立に水素原子、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基又は
炭素数1〜6のアルコキシ基を表し;R27は、水素原
子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭水化物残基を表
し;式中の五員環及び六員環は、隣接する炭素原子間で
二重結合を形成してもよい。]で示される化合物等が挙
げられる。
【0028】前記一般式(IV)、(V)及び(VI)にお
いて、R11、R12a 、R12b 、R13、R14a 、R14b
15a 、R15b 、R17a 、R17b 、R18、R19a 、R
19b 、R20a 、R20b 、R21、R22、R23a 、R23b
24a 、R24b ,R25a 、R25b 、R26、又はR27で表
される炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、sec −ブチル基、t−ブチ
ル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル
基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられる。
【0029】前記一般式(IV)、(V)及び(VI)にお
いて、R13、R14a 、R14b 、R15 a 、R15b
19a 、R19b 、R20a 、R20b 、R21、R22
23a 、R23b 、R24a 、R24b ,R25a 、R25b 、又
はR26で表される炭素数1〜6のアルコキシ基として
は、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ
基、sec −ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチル
オキシ基、ネオペンチルオキシ基、t−ペンチルオキシ
基、n−ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基等が
挙げられる。R10又はR16が、OM1 又はOM2 である
場合において、M1 又はM2 で表されるアルカリ金属原
子又はアルカリ土類金属原子としては、例えばナトリウ
ム、カリウム、カルシウム等が挙げられる。
【0030】R10又はR16が、NR12a NR12b 又はN
17a 17b である場合において、R12a 、R12b 、R
17a 又はR17b で表される炭素数1〜6のアシル基は、
直鎖、分岐鎖のいずれでもよく、例えばホルミル基、ア
セチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、
ヘキサノイル基、アクリロイル基等が挙げられる。R10
又はR16が、NR12a NR12b 又はNR17a 17b であ
る場合において、R12a 、R12b 、R17a 又はR17b
表されるアミノ酸残基としては、例えばイソロイシル
基、バリル基、グルタミル基、リジル基等が挙げられ
る。R10又はR16が、OR11又はOR18である場合にお
いて、R11又はR18で表される炭水化物残基としては、
例えばグルコピラノシル基が挙げられる。前記一般式
(V)において、R27で表される炭水化物残基として
は、例えばグルコピラノシル基が挙げられる。コロナチ
ン類化合物の好ましい化合物としては、次式(VII) :
【0031】
【化7】 で示されるコロナチン、又は次式(VIII):
【0032】
【化8】 で示されるコロナファシック酸が挙げられる。本発明に
用いるジャスモン酸類化合物又はコロナチン類化合物
は、前記のラジカル発生促進剤同様、水溶液又はメタノ
ールなどの有機溶媒−水混合液、Tweenなどの界面活性
剤を含む水溶液に溶解又は懸濁した後、植物体に噴霧又
は塗布又はそれらに類する方法で投与するか、あるいは
組織及び/又は細胞培養用の培地に溶解又は懸濁して投
与することができる。これらの投与処理の際の濃度は、
ジャスモン酸類化合物については0.01μM 〜1000μM 、
好ましくは 0.1μM 〜700μM を例示でき、コロナチン
類化合物については、0.001 μM 〜1000μM 、好ましく
は0.01μM 〜100 μM を例示できる。
【0033】本発明において、植物体への前記ラジカル
発生促進剤及びジャスモン酸類化合物又はコロナチン類
化合物の処理時期に特に制限はないが、通常植物体収穫
の1日〜2 週間前に処理することが好ましい。また、ラ
ジカル発生促進剤とジャスモン酸類化合物又はコロナチ
ン類化合物は同時に処理してもよいし、時期をずらせて
処理してもよい。また、培養組織及び/又は細胞への前
記ラジカル発生促進剤及びジャスモン酸類化合物又はコ
ロナチン類化合物の処理時期についても特に制限はない
が、培養開始時から対数増殖期の間に処理することが好
ましい。このとき、前記植物体への処理の場合と同様、
ラジカル発生促進剤とジャスモン酸類化合物又はコロナ
チン類化合物は同時に処理してもよいし、時期をずらせ
て処理してもよい。
【0034】本発明の対象となる植物種としては、下等
植物から高等植物に至るあらゆる植物種があげられ、例
えば、イチョウ科イチョウ属のイチョウ(Ginkgo bilob
a) ;イチイ科植物、好ましくはタキサス・メディア(Ta
xus media) を含むTaxus 属植物などのタキサン型ジテ
ルペン産生植物;ヒノキ科植物、好ましくはニオイヒバ
(Thuja occidentalis)などを含むThuja 属植物;キンポ
ウゲ科植物、好ましくはオウレン(Coptis japonica) な
どを含むCoptis属植物ならびにアキカラマツ(Thalictru
m minus)などを含むThalictrum属植物;メギ科植物、好
ましくはメギ(Berberis thunbergii) などを含むBerber
is属植物ならびにPodophyllum peltatumなどを含むPodo
phyllum 属植物;ツヅラフジ科植物、好ましくはタマサ
キツヅラフジ(Stephania cepharantha) などを含むStep
hania 属植物;ケシ科植物、好ましくはケシ(Papaver s
omniferum)などを含むPapaver 属植物;ウリ科植物、好
ましくはヘチマ(Luffa cylindrica)などを含むLuffa 属
植物ならびにメロン(Cucumismelo)などを含むCucumis
属植物ならびにスイカ(Citrullus vulgaris)などを含む
Citrullus 属植物;マメ科植物、好ましくはダイズ(Gly
cine max) などを含むGlycine 属植物ならびにソラマメ
(Vicia faba)などを含むVicia 属植物ならびにインゲン
マメ(Phaseolus vulgalis)などを含むPhaseolus 属植
物;ニッサ科植物、好ましくはキジュ(Camptotheca acu
minata) などを含むCamptotheca 属植物;トウダイグサ
科植物、好ましくはハナキリン(Euphorbia millii)など
を含むEuphorbia 属植物;ウコギ科植物、好ましくはオ
タネニンジン(Panax ginseng) などを含むPanax 属植
物;ヤマゴボウ科植物、特に好ましくはヨウシュヤマゴ
ボウ(Phytolacca americana)などを含むPhytolacca属植
物;アカザ科植物、好ましくはビート(Beta vulgaris)
などを含むBeta属植物;キョウチクトウ科植物、好まし
くはインドジャボク(Rauworfia serpentina)などを含む
Rauworfia 属植物ならびにニチニチソウ(Catharanthus
roseus) などを含むCatharanthus属植物ならびにツルニ
チニソウ(Vinca major) などを含むVinca 属植物ならび
にストロファンツス(Strophanthus gratus) などを含む
Strophanthus属植物;ナス科植物、好ましくはズボイシ
ア(Duboisia myopoloides)などを含むDuboisia属植物な
らびにアメリカチョウセンアサガオ(Datura innoxia)な
どを含むDatura属植物ならびにトウガラシ(Capsicum an
nuum) などを含むCapsicum属植物;ゴマノハグサ科植
物、好ましくはジギタリス(Digitalis purpurea)などを
含むDigitalis 属植物;ムラサキ科植物、好ましくはム
ラサキ(Lithospermum erythrorhizon)などを含むLithos
permum属植物ならびにマクロトミア;オイクローマ(Mac
rotomia euchroma) などを含むMacrotomia属植物ならび
にセイヨウムラサキ(Echium lycopsis) などを含むEchi
um属植物;キキョウ科植物、好ましくはロベリア(Lobel
ia inflata) などを含むLobelia 属植物;アカネ科植
物、好ましくはアカネ(Rubia akane) などを含むRubia
属植物;ヨモギ科植物、好ましくはクソニンジン(Artem
isia annua)などを含むArtemisia 属植物;ユリ科植
物、好ましくはイヌサフラン(Colchicumautumnale) な
どを含むColchicum 属植物;ヤマノイモ科植物、好まし
くはDioscorea composita などを含むDioscorea 属植物
ならびにオニドコロ(Aspidistraelatior)などを含むAsp
idistra属植物;イネ科植物、好ましくはイネ(Oryza sa
tiva)などを含むOryza 属植物が例示され、これらの中
でも、Taxus 属植物などのタキサン型ジテルペン産生植
物及びOryza 属植物が特に好ましい。また、Taxus属植
物としては、セイヨウイチイ(Taxus baccata LINN)、イ
チイ(T. cuspidataSIEB. et ZUCC.) 、キャラボク(T. c
uspidata SIEB. et ZUCC. var nana REHDER) 、タイヘ
イヨウイチイ(T. brevifolia NUTT)、カナダイチイ(T.
canadensis MARSH) 、チュウゴクイチイ(T. chinensi
s)、ヒマラヤイチイ(T. wallichiana)、タキサス・メデ
ィア(T. media)などをあげることができ、中でもセイヨ
ウイチイ及びタキサス・メディアが好ましい。
【0035】また、本発明はあらゆる二次代謝産物に適
用可能であり、例えば前記の植物が産生する二次代謝産
物が挙げられ、イチョウが生産するギンコリドA(血管
障害改善薬)などのギンコリド類及びビロバリド類、Ta
xus 属植物などが生産するタキソール(制ガン剤)など
のタキサン類、Thuja 属植物などが生産するヒノキチオ
ール(抗菌剤)などのトロポロン誘導体類、Coptis属植
物やThalictrum属植物、Berberis属植物などが生産する
ベルベリン(健胃整腸剤)などのイソキノリンアルカロ
イド類、Podophylum属植物などが生産するポドフィロト
キシン(制ガン剤中間体)などのフェニルテトラリン型
リグナン類、Stephania 属植物などが生産するアロモリ
ン、セファランチン(円形脱毛症治療薬)などのビスベ
ンジルイソキノリンアルカロイド類、Luffa 属植物、Cu
cumis 属植物、Citrullus 属植物などが生産するブリオ
ノール酸(抗アレルギー剤)などのトリテルペン類、Gl
ycine 属植物やVicia 属植物、Phaseolus 属植物などが
生産するマメ科ファイトアレキシン類(抗菌剤)、Camp
totheca 属植物などが生産するカンプトテシン(制ガン
剤中間体)などのキノリンアルカロイド類、Euphorbia
属植物などが生産するアントシアニン類(色素)、Pana
x 属植物などが生産するジンセノシド(強壮剤)などの
ジンセンサポニン類、Phytolacca属植物、Beta属植物な
どが生産するベタニン(色素)などのベタシアニン類、
Rauworfia 属植物などが生産するレセルピン(血圧降下
剤)や、Catharanthus属植物などが生産するカサランチ
ン、ビンドリン、ビンブラスチン(制ガン剤又は制ガン
剤中間体)、Vinca 属植物などが生産するビンカミン
(脳機能改善薬)などのインドールアルカロイド類、St
rophanthus属植物やDigitalis 属植物などが生産するス
トロファンチン、ジゴキシン(強心剤)などのステロイ
ド配糖体類、Duboisia属植物、Datura属植物などが生産
するヒヨスチアミン、スコポラミン(鎮痙剤)などのト
ロパンアルカロイド類、Capsicum属植物などが生産する
カプサイシン(辛み成分)などのフェニルプロパノイド
類、Lithospermum属植物、Macrotomia属植物、Echium属
植物などが生産するシコニン、アルカニン(創傷治療
剤)などのナフトキノン類、Lobelia 属植物などが生産
するロベリン(呼吸興奮剤)などのロベリアアルカロイ
ド類、Rubia 属植物などが生産するプルプリン(色素)
などのアントラキノン類、Artemisia 属植物などが生産
するアルテミシニン(抗マラリア剤)などのセスキテル
ペンラクトン類、Colchicum 属植物などが生産するコル
ヒチン(痛風薬)などのコルヒクムアルカロイド類、Di
oscorea 属植物、Aspidistra属植物などが生産するジオ
スゲニン(ステロイドホルモン中間体)などのステロイ
ド類、Oryza 属植物などが生産するサクラネチン、モミ
ラクトン(抗菌剤)などのイネファイトアレキシン類が
例示される。これらの中でも、イネファイトアレキシン
及びタキサン型ジテルペンが好ましい。
【0036】また、タキサン型ジテルペンとしては、タ
キソール、10- デアセチルタキソール、7-エピタキソー
ル、バッカチンIII 、10- デアセチルバッカチンIII 、
7-エピバッカチンIII 、セファロマニン、10- デアセチ
ルセファロマニン、7-エピセファロマニン、バッカチン
VI、タキソールC 、タキシシンI、タキシシンIII 、タ
キシンI、タキシンII、タキサギフィン、タキサン1a、
キシロシルタキソール及びキシロシルセファロマニンな
どを例示することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】前記植物の栽培又は組織及び/又
は細胞培養は、本発明によりジャスモン酸類化合物又は
コロナチン類化合物及びラジカル発生促進剤の存在下に
行うこと以外は、従来から知られている方法によって行
うことができる。また、生産された二次代謝産物は、得
られた植物体又はその一部、培養組織及び/又は細胞及
び/又は培地等の培養物から、メタノール等の有機溶媒
による抽出によって回収することができる。また、組織
及び/又は細胞培養の場合には、培地中に適当な吸着剤
や有機溶媒を共存させ、連続的に回収することもでき
る。本発明における組織及び/又は細胞培養の好ましい
例としては、次の方法が挙げられる。
【0038】前記植物の一部、例えば根、生長点、葉、
茎、種子などから採取される植物片を殺菌処理後、ゲラ
ンガムで固めたムラシゲ;スクーグ培地などの固体培地
上に置床し、10〜35℃で14〜60日程度経過させて組織片
の一部から、苗条、培養根又はカルスを生成させる。こ
のようにして得られた培養体を継代培養すると生育速度
が漸次高まり安定化した培養体が得られる。ここで、安
定化した培養体とは、培養中に目的外の器官分化やカル
ス化が起こらない状態を保持する性質をもち培養体の生
育速度が均質であるものをいう。
【0039】この安定化した培養体を増殖に適した液体
培地、例えばムラシゲ;スクーグの液体培地に移して増
殖させる。液体培地において更に生育速度が高められ
る。本発明では、この安定化した培養体は、前記ラジカ
ル発生促進剤及びジャスモン酸類化合物又はコロナチン
類化合物の存在下で固体培地又は液体培地で培養され
る。本発明における培養のための温度としては、通常は
約10〜約35℃、特に約23〜28℃が増殖速度が大きいので
好適である。また、培養期間としては、7〜42日間が好
適である。
【0040】また、培養体が苗条である場合、又は二次
代謝産物の生成に光が必要な場合には、培養体を蛍光灯
など、1,000 〜10,000ルックスの照明下で行うことも可
能である。本発明における培養方法において液体培地を
用いた場合には、培養終了後に培養体をデカンテーショ
ン又は濾過等の方法によって培地から分離し、培養細胞
及び/又は培地から目的とする二次代謝産物を有機溶媒
による抽出等の方法によって分離することができる。以
上のようにして生産された二次代謝産物は、得られた培
養体からメタノール等の有機溶媒による抽出によって分
離することができる。
【0041】
【実施例】以下、実施例、比較例及び参考例により本発
明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実
施例に限定されるものではない。 (実施例1)ナフタレン酢酸を10-5 Mの濃度になるよう
に添加したウッディ・プラント・メディウム(以下「W
PM」と略記する)の固体培地(ゲランガム:0.25% 重
量)に、前もって70% エタノール、次いで2%アンチホル
ミン溶液で滅菌処理したタキサス・メディア(Taxus med
ia) の胚の一部を床置し、25℃、暗所にて静置培養しカ
ルスを得た。このカルス1 g (新鮮重)をナフタレン酢
酸を前記と同じ濃度で添加した液体WPM20 ml 入りの
100 ml容三角フラスコに移し、ロータリーシェーカーを
用いて、振幅25 mm 、旋回速度100 rpm で旋回培養し、
14日ごとに植え継ぎ、該培養細胞の生育速度を速めた。
【0042】このようにして得られた培養細胞2 g (新
鮮重)を、1.24〜28 mM のL-アスコルビン酸及び100 μ
M のジャスモン酸メチルを含むWPM液体培地(液量及
びフラスコは前記と同様)に添加し、14日間培養した。
培養終了後、培養細胞を濾過により培地から分離し、凍
結乾燥後その重量を測定した。得られた乾燥細胞からメ
タノールを用いて、また培地からジクロルメタンを用い
てタキサン型ジテルペンを抽出し、高速液体クロマトグ
ラフィーを用いて、タキソール及びバッカチンIII の標
準品と比較定量することにより、各タキサン型ジテルペ
ンの収量を測定した。その結果を表1に示す。
【0043】(比較例1)実施例1において、L-アスコ
ルビン酸を添加しないこと以外は実施例1と同様に操作
した。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】(参考例1)10葉期のイネ葉の長辺中央部
15 cm を切り取り、短辺中央部に20ヶ所病菌移植パンチ
で直径2 〜3 mmの傷を付けた。傷の上面に250 μM の濃
度になるように調製したジャスモン酸溶液を25μl 滴下
し、組織内へ浸透させた。同様の操作により、更に4 枚
のイネ葉についてもジャスモン酸を組織内に浸透させ
た。合計5 枚のイネ葉をプラスチック容器内で26℃、24
〜96時間ジャスモン酸処理した後、傷を付けた各部を含
む直径5 mmの葉をコルクボーラーにて打ち抜くことでジ
ャスモン酸処理組織片100 枚を調製した。
【0046】このようにして得られたジャスモン酸処理
組織片100 枚を、70% メタノールで3 分間煮沸し、得ら
れたメタノール抽出物を濃縮した後、ジエチルエーテル
抽出を3 回繰り返した。ジエチルエーテル相は窒素下濃
縮乾固し、残渣はメタノールに再溶解して粗抽出物を得
た。粗抽出物は水で希釈後、Bond Elut C18カートリッ
ジにのせ、80% メタノールを用いてサクラネチンを含む
画分を溶出した。溶出液は濃縮した後、溶離液にベンゼ
ン−酢酸エチル−蟻酸(10:1:1)を用いたHPLCカラム
(Nova-pak column, 8NVC18, 8x100mm, Waters)に導入
し、溶出されるサクラネチンをUV検出器を用いて、285
nmにおける吸光度で検出した。その結果を図1、図2
[A] 、図3[A] に示す。
【0047】(参考例2)参考例1において、イネ葉へ
の処理溶液が250 μM ジャスモン酸+5 μM カイネチン
溶液であること以外は該参考例と同様に操作した。その
結果を図1に示す。
【0048】(参考例3)参考例1において、イネ葉へ
の処理溶液が250 μM ジャスモン酸+10 mM 又は100 mM
タイロン(ラジカル消去剤)溶液であること以外は該参
考例と同様に操作した。その結果を図2[B,C] に示す。
【0049】(比較例2)参考例1において、イネ葉へ
の処理溶液が250(M ジャスモン酸+250 μM 又は500 μ
M アスコルビン酸溶液であること以外は該参考例と同様
に操作した。その結果を図2[D, E]に示す。
【0050】(実施例2)参考例1において、イネ葉へ
の処理溶液が250 μM ジャスモン酸+5 mMアスコルビン
酸溶液であること以外は該参考例と同様に操作した。そ
の結果を図2[F]に示す。
【0051】(参考例4)参考例1において、イネ葉へ
の処理溶液が5 mMアスコルビン酸溶液又は250 μM ジャ
スモン酸+5 mMアスコルビン酸+250 μM カイネチン溶
液であること以外は該参考例と同様に操作した。その結
果を図2[G,H] に示す。
【0052】(比較例3)参考例1において、イネ葉へ
の処理溶液が蒸留水であること以外は該参考例と同様に
操作した。その結果を図2[I] 及び図3[I] に示す。
【0053】(参考例5)参考例1において、イネ葉へ
の処理溶液が250 μM ジャスモン酸+7.8 μM 又は31μ
M 又は62μM 又は125 μM 又は250 μM カイネチン溶液
であること以外は該参考例と同様に操作した。その結果
を図3[B〜F]に示す。
【0054】(参考例6)参考例1において、イネ葉へ
の処理溶液が250 μM ジャスモン酸+250 μM アデニン
又は250 μM ゼアチン溶液であること以外は該参考例と
同様に操作した。その結果を図3[G,H] に示す。サイト
カイニン活性を持たないアデニンにはジャスモン酸のエ
リシター活性を阻害する効果がなく、サイトカイニンで
あるゼアチンに該阻害効果が認められたことから、該阻
害効果はプリン誘導体に共通して認められるものではな
く、サイトカイニンに共通したものであることが認めら
れた。
【0055】(比較例4)参考例1において、ジャスモ
ン酸の処理濃度が0.5 mM (500 μM ) であること以外は
該参考例と同様に操作した。その結果を図4[A] に示
す。
【0056】(実施例3)参考例1において、イネ葉へ
の処理溶液が500 μM ジャスモン酸+5 mMアスコルビン
酸溶液であること以外は該参考例と同様に操作した。そ
の結果を図4[B]に示す。
【0057】(比較例5)参考例1において調製した25
0 μM ジャスモン酸処理組織片1 g を14 mM メルカプト
エタノール、5 mM EDTA-2Na 、10% グリセロール(w/v
)、10%ポリビニルポリピロリドン(PVPP)及び
0.1 g 海砂を含む0.2 M トリス−塩酸緩衝液4 mlを用い
てホモジナイズした。ホモジナイズ液を18,500×g で5
分間遠心分離した後の上清を50μm ナイロンメッシュで
濾過し、ナリンゲニン7-O-メチルトランスフェラーゼ
(以下「NOMT」と略記する)を含む粗酵素液を得た。
【0058】粗酵素液(約200 μg プロテイン)に375
μM ナリンゲニン、0.1 M グリシンNaOH(pH 9.5;5mM
DDT 及び1 mM EDTA を含む)、及び92.5 Bq./ μl S-[
14C]アデノシルメチオニンを加え、全容量を160 μl と
して、これをメチルトランスフェラーゼアッセイの反応
液とした。27℃で20分間インキュベーションした後、25
μl の6N塩酸を用いて酵素反応を停止し、1 mlの0.4 %
2,5-ジフェニルオキサゾール(PPO)シンチレーショ
ントルエン溶液を加えた。2 相分離後、非極性画分の放
射活性をBeckman Liquid Scintillation Analyzer (LS1
701)を用いて測定し、NOMT活性とした。その結果を図5
[I][A]に示す。
【0059】(参考例7)比較例5において、イネ葉へ
の処理溶液が250 μM ジャスモン酸+250 μM カイネチ
ン又は250 μM ゼアチン溶液であること以外は該比較例
と同様に操作した。その結果を図5[I][B,C]に示す。
【0060】(実施例4)比較例5において、イネ葉へ
の処理溶液が250 μM ジャスモン酸+5 mMアスコルビン
酸溶液であること以外は該比較例と同様に操作した。そ
の結果を図5[I][D]に示す。
【0061】(参考例8)比較例5において、イネ葉へ
の処理溶液が250 μM ジャスモン酸+5 mMアスコルビン
酸+250 μM カイネチン溶液であること以外は該比較例
と同様に操作した。その結果を図5[I][E]に示す。
【0062】(比較例6)比較例5において、イネ葉へ
の処理溶液が蒸留水であること以外は該比較例と同様に
操作した。その結果を図5[I][F]に示す。
【0063】(参考例9)比較例5において、NOMT活性
測定に精製酵素液を用いた以外は該比較例と同様に操作
した。その結果を図5[II][A] に示す。
【0064】(参考例10)参考例9において、NOMT活性
測定の際に500 μM カイネチン、500(M ゼアチン、又は
5 mMアスコルビン酸をそれぞれ反応液に添加した以外は
該参考例と同様に操作した。その結果を図5[II][B〜D]
に示す。いずれにおいても、酵素活性に有意な差は認め
られず、サイトカイニン及びアスコルビン酸の効果が当
該酵素の活性促進又は阻害によるものではないことがわ
かった。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、植物体の一部又は全体
あるいは培養組織及び/又は細胞をラジカル発生促進剤
及びジャスモン酸類化合物又はコロナチン類化合物で処
理することにより、当該植物体あるいは培養組織及び/
又は細胞に含まれる、医薬、化粧品、食品添加物、農薬
等として有用な二次代謝産物の含有量を増加させること
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】イネ葉におけるジャスモン酸のサクラネチン生
産促進作用に対するカイネチンの阻害効果を継時的に示
す図である。
【符号の説明】
● 250 μM ジャスモン酸処理 ○ 250 μM ジャスモン酸+5 μM カイネチン処理
【図2】イネ葉におけるジャスモン酸のサクラネチン生
産促進作用に対するタイロン及びアスコルビン酸の効果
(各々48時間処理)を示す図である。
【符号の説明】
[A] 250 μM ジャスモン酸処理 [B] 250 μM ジャスモン酸+10 mM タイロン処理 [C] 250 μM ジャスモン酸+100 mMタイロン処理 [D] 250 μM ジャスモン酸+250 μM アスコルビン酸
処理 [E] 250 μM ジャスモン酸+500 μM アスコルビン酸
処理 [F] 250 μM ジャスモン酸+5 mMアスコルビン酸処理 [G] 5 mMアスコルビン酸処理 [H] 250 μM ジャスモン酸+500 μM アスコルビン酸
+250 μM カイネチン処理 [I] コントロール(蒸留水処理)
【図3】イネ葉におけるジャスモン酸のサクラネチン生
産促進作用に対するカイネチンの阻害効果(72時間処
理)を示す図である。
【符号の説明】
[A] 250 μM ジャスモン酸処理 [B] 250 μM ジャスモン酸+7.8 μM カイネチン処理 [C] 250 μM ジャスモン酸+31μM カイネチン処理 [D] 250 μM ジャスモン酸+62μM カイネチン処理 [E] 250 μM ジャスモン酸+125 μM カイネチン処理 [F] 250 μM ジャスモン酸+250 μM カイネチン処理 [G] 250 μM ジャスモン酸+250 μM アデニン処理 [H] 250 μM ジャスモン酸+250 μM ゼアチン処理 [I] コントロール(蒸留水処理)
【図4】イネ葉におけるジャスモン酸のサクラネチン生
産促進作用に対するアスコルビン酸の効果(各々48時間
処理)を示す高速液体クロマトグラムである。
【符号の説明】
A) 0.5 mMジャスモン酸処理 B) 0.5 mMジャスモン酸処理+5 mMアスコルビン酸処
【図5】イネ葉のナリンゲニン7-O-メチルトランスフェ
ラーゼ(NOMT)活性に対するカイネチン及びアスコルビ
ン酸処理又は酵素反応液への添加の効果を示す図であ
る。
【符号の説明】
[I]/[A] 250 μM ジャスモン酸処理 [I]/[B] 250 μM ジャスモン酸+250 μM カイネチン
処理 [I]/[C] 250 μM ジャスモン酸+250 μM ゼアチン処
理 [I]/[D] 250 μM ジャスモン酸+5 mMアスコルビン酸
処理 [I]/[E] 250 μM ジャスモン酸+250 μM アスコルビ
ン酸処理+250 μM カイネチン処理 [I]/[F] コントロール(蒸留水処理) [II]/[A] 精製した酵素標品の活性 [II]/[B] 精製酵素標品+500 μM カイネチンの活性 [II]/[C] 精製酵素標品+500 μM ゼアチンの活性 [II]/[D] 精製酵素標品+5 mMアスコルビン酸の活性
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多葉田 誉 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 松原 浩一 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物体の一部又は全体あるいは培養組織
    及び/又は細胞を a.ジャスモン酸類化合物又はコロナチン類化合物及び b.ラジカル発生促進剤で処理することを特徴とする当該
    植物体あるいは培養組織及び/又は細胞に含まれる二次
    代謝産物含有量の増加方法。
  2. 【請求項2】 ラジカル発生促進剤がアスコルビン酸、
    アスコルビン酸誘導体、トコフェロール及びグルタチオ
    ンから選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1
    に記載の方法。
  3. 【請求項3】 アスコルビン酸誘導体がアスコルビン酸
    のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、脂肪酸エステ
    ル、硫酸エステル及びリン酸エステルから選ばれる少な
    くとも1種の化合物である請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 ラジカル発生促進剤が糖アルコールであ
    る請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 糖アルコールがマンニトール及び/又は
    ソルビトールである請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 ラジカル発生促進剤がハロタン、四塩化
    炭素、ブロモホルム、イソニコチン酸ヒドラジド、ニト
    ロフラントイン、メトロニダゾール及びクロラムフェニ
    コールから選ばれる少なくとも1種の化合物である請求
    項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 ラジカル発生促進剤の処理濃度が、植物
    体の一部又は全部に対しては1 mM〜50 mM 、培養組織及
    び/又は細胞に対しては0.01 mM 〜50 mM である請求項
    1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 ラジカル発生促進剤の処理濃度が、植物
    体の一部又は全部に対しては2 mM〜30 mM 、培養組織及
    び/又は細胞に対しては0.02 mM 〜30 mM である請求項
    7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 ジャスモン酸類化合物がジャスモン酸、
    ツベロン酸、ククルビン酸、及び/又は実質的にこれら
    の化合物と同様の生理活性を有する誘導体である請求項
    1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 ジャスモン酸、ツベロン酸又はククル
    ビン酸と実質的に同様の生理活性を有する誘導体が、ジ
    ャスモン酸、ツベロン酸又はククルビン酸の、アルキル
    部分の炭素数が1〜6であるアルキルエステル、あるい
    はジャスモン酸もしくはツベロン酸の環上オキソ基のイ
    ミノ置換体又はククルビン酸の環上水酸基のアミノ置換
    体である請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 ジャスモン酸のアルキルエステルがジ
    ャスモン酸メチル又はジャスモン酸エチルである請求項
    10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 コロナチン類化合物がコロナチン又は
    コロナファシック酸である請求項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 対象となる植物がイネ科植物である請
    求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 イネ科植物がイネである請求項13に
    記載の方法。
  15. 【請求項15】 二次代謝産物がファイトアレキシンで
    ある請求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 ファイトアレキシンがサクラネチンで
    ある請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 対象となる植物がタキサン型ジテルペ
    ン産生植物である請求項1に記載の方法。
  18. 【請求項18】 タキサン型ジテルペン産生植物がイチ
    イ属植物である請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 イチイ属植物がセイヨウイチイ(Taxu
    s baccata )又はTaxus media である請求項18に記載
    の方法。
  20. 【請求項20】 二次代謝産物がタキサン型ジテルペン
    である請求項1に記載の方法。
  21. 【請求項21】 タキサン型ジテルペンが、タキソー
    ル、10- デアセチルタキソール、7-エピタキソール、バ
    ッカチンIII 、10- デアセチルバッカチンIII、7-エピバ
    ッカチンIII 、セファロマニン、10- デアセチルセファ
    ロマニン、7-エピセファロマニン、バッカチンVI、タキ
    ソールC 、タキシシンI、タキシシンIII 、タキシン
    I、タキシンII、タキサギフィン、タキサン1a、キシロ
    シルタキソール及びキシロシルセファロマニンよりなる
    群から選ばれる少なくとも1種である請求項20に記載
    の方法。
  22. 【請求項22】 請求項1〜21のいずれか1項に記載
    の方法により二次代謝産物含有量が増加された植物体の
    一部又は全体あるいは培養物から当該二次代謝産物を回
    収することを特徴とする植物二次代謝産物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100895804B1 (ko) 2007-05-29 2009-05-07 강원대학교산학협력단 포도파일럼 펠타텀의 캘러스 및 부정근 증식을 이용한 포도파일로톡신 생산방법
WO2010140361A1 (ja) * 2009-06-02 2010-12-09 株式会社ブリヂストン 乳管形成促進剤及びラテックス増産方法
CN109832274A (zh) * 2019-03-28 2019-06-04 上海交通大学 改变大豆次级代谢产物含量的方法

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