JP3513151B2 - タクスス属種の細胞培養によるタキソールおよびタキサンの増強された生産 - Google Patents

タクスス属種の細胞培養によるタキソールおよびタキサンの増強された生産

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はタクスス属種(Taxus species)の細胞培養
によるタキソールおよびタキサンの増強された生産方法
に関するものである。
背景技術 タキソール供給問題と可能な解決策 タキソールは最初はパシフィック・イュー(pacific
yew;北米太平洋岸産のイチイ属の植物)、すなわちタク
スス・ブレヴィフォリア(Taxus brevifolia)(Wani e
t al.1971)の樹皮から単離されたジテルペノイド・ア
ルカロイドである。
タキソールに関心がもたれたのは、米国国立癌研究所
(NCI)が大規模なスクリーニング・プログラムにおい
て粗樹皮抽出物が抗腫瘍活性を示すことを見いだしたと
きが始めである。それ以来、臨床的試みでタキソールは
難治の卵巣癌や乳癌その他の癌に対して非常に有効であ
ることが確認されている。タキソールはその細胞毒性の
機構が基本的に異なるため、即ち、微小管(microtubul
e)の脱重合の阻止によっているため、化学療法におけ
る突破口であるとされている(Rowinsky et al.1990参
照)。
タキソール方程式におけるもっとも気持を挫けさせる
変数はこれまでのところ供給である。一人の患者を治療
するのに樹齢100年のパシフィック・イューを3本から
6本必要とするが、これはタキソールの平均収率が乾燥
樹皮および針葉の約0.01%と低いからである(Witherup
et al.1990)。治療および検査に必要な量のタキソー
ルを生産するには数万本のイチイの伐採を必要とする。
これまで世界の供給のすべてが太平洋北西岸の太古の森
林に生育するこれらのずんぐりした成長の遅い針葉樹を
収穫することにより得られている。不運なことに、イチ
イは伐採搬出によりほぼ絶滅しかけている。保存論者
は、危険にさらされているキタブチフクロウ(Northern
spotted owl)その他の野生生物の隠れ家となっている
太古の森林に生育する樹木を大規模に犠牲にすることに
対して成功裡に反対運動を展開している。パシフィック
・イューの本数が減っているので、医療研究は将来のタ
キソールへの希望を新しい代替供給源にかけている。こ
れまで考慮された3つの供給源は化学合成、半合成およ
び植物細胞培養である。
タキソールはこれまで全化学合成ができなかった大き
な、複雑な構造をもつ化学分子である。従って、簡単な
入手可能な薬品から大規模合成することは来る二、三年
間に実行しえるオプションとなることはありそうにな
い。
大規模生産の可能なオプションとしては半合成、即
ち、農業的に生産されたタキソール前駆体、バッカチン
(baccatin)、に側鎖を化学的に付着させることであ
る。この側鎖の合成について顕著な発展がなされた(De
nnis et al.1991)。側鎖をバッカチンに結合する方法
も開発された(Denis et al.1990;米国特許第4,924,011
号;Holton 1991;米国特許第5,015,744号)。しかしなが
ら、タクスス・プランテーションの針葉からバッカチン
を農業的に供給することは決してとるに足らないことで
はなく、現在では先の報告(Dennis et al.1991、0.1重
量%)はバッカチン含有量について最近の報告(Wither
up et al.1990、0.03重量%)よりもより楽観的であっ
たことから再評価されつつある。要約すると、化学合成
および半合成の世界的な化学療法用途にタキソールを供
給する能力は確保されていない。代替生産手段を探究開
発する強い理由が存在する。
本発明はタキソールや他のタキサンを供給するための
植物細胞培養に基づくプロセスの開発に関するものであ
る。
植物由来の薬品の供給源としての組織培養 種々の異なる培養方法における植物細胞の分裂、成長
および二次的中間代謝物を生産する能力は多数のグルー
プによって十分に証明されている。現在、2つの化合
物、シコニン(shikonin)(赤色染料および抗炎症剤)
とギンセンゴシド(ginsengoside)(東洋医薬の強壮
薬)が日本で組織培養プロセスにより生産されている。
他の多くのプロセスは報告によると製品の市販が間近で
あり、これらにはヴァニリン(vanillin)、ベルベリン
(berberine)、ロスマリン酸(rosmarinicacid)が含
まれる(Payne et al.1991)。
タキソールに対する植物細胞培養プロセスには多くの
利点がある。(i)細胞培養プロセスは製品の無限、連
続的かつ均一供給を保証する。(ii)細胞培養は大きな
バイオリアクター内で行い環境条件を操作することによ
りタキソールの過剰生産を誘発させることができる。
(iii)細胞培養は樹皮や針葉に比べて生産する化合物
のスペクトルがより単純であり、分離精製がかなり単純
化する。(iv)細胞培養プロセスは農業に基づくプロセ
スよりも需要の急速な変化に迅速に適応することができ
る。(v)タキソールを供給する以外にも細胞培養プロ
セスはタキソールその他の活性誘導体に半合成的に転換
することができるバッカチンのようなタキサン前駆体を
も生産することができる。
無菌大規模植物細胞培養は本来的に高価であり、細胞
培養方法が商業的に適切となるのはこれらのコストが迅
速な細胞成長と高い中間代謝物生産性によって相殺され
る場合に限られる。あらゆる植物種および標的中間代謝
物は異なっており、異なるアプローチが特定の系ごとに
必要となる。本発明はタキソールおよびタキサン生産の
ための迅速に成長し生産性の高い植物細胞培養を得るた
めの創造的かつ熟練したアプローチに焦点を合わせてい
る。
木本植物および針葉樹の組織培養に伴う問題 文献を歴史的に概観すると、草本植物は培養において
比較的容易に操作されてきたのに対して、木本植物およ
び針葉樹の培養を達成するのは困難であった。
二次的中間代謝物生産裸子植物−および針葉樹培養の
成長は一般に低い。例えば、BerlinおよびWitte(198
8)はThuja occidentalisの培養が18日間で約30%だけ
それらのバイオマスを増加させたことを見い出した。Va
n Uden et al.(1990)はCallitris drummondiiの懸濁
培養について21日間でバイオマスの増加が20−50%であ
ることを報告した。Westgate et al.(1991)は裸子植
物(Cephalotaxus harringtoniaの懸濁培養について約1
0日の倍加時間を報告した。Bornman(1983)によりまと
められたように、とうひ属植物の懸濁培養(Picea abie
s)用の培地開発に向けて非常に多くの努力がなされ
た。この集合的仕事により裸子植物の懸濁培養は実際に
迅速な成長をすることができるが、一般的原則は適用す
ることができず、異なる細胞系統に対する培地処方は独
立に最適化しなければならないことが実証されている。
裸子植物培養の二次的中間代謝物の生産性を概観する
とこれも草本種に比べて迅速な生合成を誘発するのは困
難であることを示している。たとえば、セファロタクス
ス・ハリントニア(Cephalotaxus harringtonia)の培
養ではテルペン・アルカロイドを親植物で見られるレベ
ルのわずか1%ないし3%のレベルで生産した(Delfel
and Rothfus 1977)。成功したエリシテーション(eli
citation)でさえも、Heinstein(1985)は親植物で生
産されたレベルに近づくことができただけである(約0.
04乾燥重量%総アルカロイド)。Van Uden et al.(199
0)は針葉樹Callitris drummondiiの懸濁培養を誘導し
てポドフィロトキシン(podophyllotoxin)を生産させ
ることができたが、針葉により生産されるレベルのわず
か十分の一のレベルだけであった。Thuja occidentalis
の顕著なレベルのモノテルペン類(10−20mg/L)および
ジテルペノイド・デヒドロフェルギノール(diterpenoi
d dehydroferruginol)(2−8mg/L)を生産する能力は
Berlin et al.(1988)により納得のゆくように実証さ
れている。しかしながら、これらの結果は成長の遅い
(18日間でバイオマスが30%増加)、低細胞密度(1リ
ットル当り5ないし7グラムの乾燥重量)の培養で得ら
れたものである。
タキソール生産用細胞培養:従前の努力 裸子植物懸濁培養における迅速な成長および高生産性
を達成することが困難であることはタキソール生産につ
いてのこれまでの3編の報告に反映されている。Jaziri
et al.(1991)は最近タクスス・バッカータ(Taxus b
accata)のカルス培養を誘導したが、彼らの免疫吸着ア
ッセイを使用してタキソールを検出することができなか
った。WickremesinheおよびArteca(1991)はタクスス
・メディア(Taxus media)(cv.hicksii)のカルス培
養中に0.009%の乾燥重量のタキソールが存在すること
を報告したが、倍加時間、細胞密度、報告されたタキソ
ールが生産される時間の尺度は示されていない。
米国特許第5、019、504号(Christen et al.1991)
はタクスス・ブレヴィフォリアの細胞培養によるタキサ
ンおよびタキサン様化合物の生産および回収を記載して
いる。これらの研究者は2ないし4週間の時間枠内で1
ないし3mg/Lのレベルのタキソール生産を報告した。彼
らはまた「3−4週間で5ないし10倍」の細胞マスの増
加を報告したが、これは約7ないし12日の倍加時間に相
当する。
発明の開示 本発明者らはタキソール、タキソール様化合物または
タキサンはすべてのタクスス属の種即ち、ブレヴィフォ
リア(brevifolia)、カナデンシス(canadensis)、カ
スピダータ(cuspidata)、バッカータ(baccata)、グ
ロボーサ(globosa)、フロリダーナ(floridana)、ワ
リキアーナ(wallichiana)、メディア(media)および
シネンシス(chinensis)から非常に高収率生産するこ
とができることを見い出した。特に、本発明者らはタク
スス・シネンシス種は迅速に成長することができ、非常
に高いレベルのタキソールおよびタキサンを短期間に生
産することができることを見い出した。
Christen et al.(1991)に記載の発明を改良して、
本発明者らはここに異なるタクスス属種からの細胞培養
は迅速かつ効率的に誘導することができると共に、人工
栄養培地上にうまく成長させることができ、しかも無傷
の植物体におけるのと同じ化学療法的に活性なタキサン
・アルカロイドが、細胞培養中に生産されることを発見
した。
さらに、本発明の方法により従前に報告されたよりも
ずっと短い時間枠内でタキソールを得ることが可能であ
る。タクスス・シネンシス種では、本発明者らは細胞を
操作して他のタクスス属種の組織培養から得られる量を
はるかに越える量のタキソールを生産することができ
た。さらに、タクスス・シネンシス細胞培養の成長速度
はChristen et al.(1991)に記載のタクスス・ブレヴ
ィフォリアに対するものよりも顕著に高く、3ないし6
倍である。
本発明の目的はタクスス属の種々の種(スペシーズ)
からの細胞培養を迅速かつ効率的に誘導することを含
む。
本発明の目的は迅速な成長、高い細胞密度および高い
細胞生存率を促す特別の環境条件を形成することを含
む。本発明で達成された成長特性は重要な因子について
従前の結果を上回っている。
本発明の目的は(a)栄養の濃度の注意深い操作(生
産培地の処方)、(b)光の使用、(c)定期的な培地
交換のプロトコルの使用、(d)エリシター(elicitor
s)の使用によりタキソールとタキサンの迅速かつ長期
間の生合成および分泌を誘導する能力を含む。
本発明の目的は培地処方と環境条件を変えることによ
り生産されるタキサンのプロフィールを操作する能力を
含む。特に、細胞は優勢なタキサン生産物としてタキソ
ールを生産するように馴らされた。さらに、副産物であ
るセファロマンニン(cephalomannine)の生産が抑制さ
れ、それにより高価かつ重要な下流の分離精製問題に対
するエレガントな生物学的解決を与えている。
本発明の目的はそれ自体薬理作用を示すか、あるいは
薬理作用を持つ化合物に修飾または転換することができ
るタキソール以外の種々のタキサンを生産する能力を含
む。
本発明の目的はタクスス・シネンシスの細胞培養を誘
導して野生の植物体で生産されるレベル(0.003ないし
0.03%乾燥重量、XuおよびLiu 1991)をはるかに越える
レベルのタキソール(0.32%乾燥重量)を生産するよう
に誘導する能力を含む。
図面の簡単な説明 第1図は培地Aにおける典型的なバッチ成長サイクル
に対するタクスス・シネンシス懸濁培養系統K−1のバ
イオマス増加を示す。誤差バーは2つのフラスコから測
定した標準偏差を表わす。
第2図は15日間の実験において第9日と第12日に行う
培地交換のタキソール(A)および総タキサン(B)の
生産性への効果を示す。各ボックス内の数字は生産物が
生産される時間間隔(日数)を表す。セル内のボックス
の塗りつぶし部分は実験開始時の細胞接種材料の中に存
在するタキソールまたは総タキサンを表す。処理はすべ
て二重に行った。第2表に示すようにタクスス・シネン
シス懸濁培養細胞系統K−1を培地Aとともに使用し
た。
第3図は実施例7.3で使用した標準グローラックスラ
ンプ(GTE Sylvania,Danvers,MA)のスペクトル特性を
示す。
第4図はタクスス・シネンシス細胞懸濁液K−1にお
けるタキサン生産を示す。10分ないし40分のクロマトグ
ラムの部分を示す。選択されたタキサンのピークのダイ
オード・アレイ・スキャンは特徴的なタキサンのUV吸収
スペクトルを示し、ピークは227nmである。
第5図はタクスス・シネンシス細胞系統K−1を培地
C中で長期間培養して生産されるタキソールとタキサン
を示す。上方のパネルは既知および未知のタキサンにつ
いてのデータを表にしたものであり、下方のパネルは25
日ないし42日の期間におけるタキソールおよびタキサン
生産の増加量を表したものである。
第6図は細胞培養上清中のタキソールのMS/MS確認を
示す。パネルAは真正タキソールのイオンスプレーAPCI
マススペクトルを示し、パネルBは親ピークの娘イオン
スペクトルを示す(m/z871=タキソール+NH4 +)。パネ
ルCは粗細胞培養抽出物からのイオンスプレーAPCIマス
スペクトルを表し、タキソールのm/z854および871特徴
を示す。パネルDは対応する娘スペクトルm/z871を示
し、細胞培養上清中にタキソールが存在することの明瞭
な証拠を提示している。
発明を実施するための最良の形態 植物は長らく製薬および特殊薬品の材料源となってき
た。これらの製品は典型的には収穫された植物材料の抽
出または化学合成により得られた。タキソールは最近天
然物のスクリーニングから出現したもっとも重要で可能
性の高い抗ガン剤の一つとなった。
本明細書において使用されるように、タキソールおよ
びタキソール様化合物、またはタキサンという用語はタ
キサン環を有する化合物を記述するために互換的に使用
される。これらの化合物はそれ自体抗新生作用を持って
いてもよく、修飾されて生物活性化合物を生じてもよ
い。
本明細書において使用されるように、「カルス」とい
う用語は構造的に未分化であり固体培地上に培養される
培養された植物細胞の塊を記述するのに使用される。本
明細書において使用されるように、「懸濁培養」という
用語は液体栄養培地中に分散された構造的に未分化の細
胞を記述するのに使用される。懸濁培養は種々の段階の
集合状態にある細胞を含むと了解される。集合体のサイ
ズの範囲は本発明において記載されているサスペンジョ
ンにおいて出会うが、サイズは直径数十ミクロン(単一
細胞または集合した数個の細胞)から数千個の細胞から
なる直径数ミリメートルの集合体までの範囲である。
本発明において有用な植物材料は既知のすべてのタク
スス属の種即ち、ブレヴィフォリア(brevifolia)、カ
ナデンシス(canadensis)、カスピダータ(cuspidat
a)、バッカータ(baccata)、グロボーサ(globos
a)、フロリダーナ(floridana)、ワリキアーナ(wall
ichiana)、メディア(media)およびシネンシス(chin
ensis)から得られた。特に、本発明者らはタクスス・
シネンシスを短かい培養時間で顕著量のタキソールおよ
びタキサンを生産し、所望の化合物を培地中に連続的に
分泌する能力を有するものとして同定した。
本発明者らの見出したところによると、特定のタキソ
ールの含有量は植物種によって変動し、同じ種内では組
織源と特定の樹木個体によって変動する。高収率のタキ
ソール生産源を選択することは治療用途のタキソールを
十分量提供するための重要な第一の工程である。
タクスス細胞系統の誘導 タクスス植物材料は全北米からおよび他の大陸からも
集めることができる。培養は適当なタクススの組織を成
長のために選択することによって誘導される。この植物
の樹皮、形成層、針葉、茎、種子、きゅう果(cone)お
よび根を含む任意の部分からの組織をカルスを誘導する
のに選択することができる。しかしながら、タキソール
の収率を最適にするためには、針葉および植物部分の分
裂組織領域が好ましい。最も好ましいのは新しく成長し
た針葉(例えば1ないし3カ月令)であり、これらは一
般に浅緑色により同定することができる。「新しく成長
した」(new growth)という用語は広くその年の成長シ
ーズン内の植物の針葉生成を意味するものとして意図さ
れている。
培養の汚染を防止するために、組織は培地に導入する
に先立って表面滅菌しなければならない。任意の従来の
滅菌技術例えば「クロロックス」(Clorox)(Clorox社
の所有する漂白剤の商標)処理が効果的であろう。さら
に、セフォキシチン(cefoxitin)、ベンレート(benla
te)、クロキサシリン(cloxacillin)、アンピシリン
(ampicillin)、ゲンタマイシンサルフェート(gentam
ycin sulfate)、フォスフォマイシン(phosphomycin)
のような抗微生物剤を植物材料の表面滅菌に使用しても
よい。
カルス成長 培養は典型的に成長形態、生産性、生産物プロフィー
ルその他の特徴において変異性を示す。個々の細胞系統
は成長培地の構成成分に対する好みが異なるので、多く
の異なる成長培地をカルスの誘導および増殖に使用する
ことになるかも知れない。
適当な培地組成は培養する種によって変わる。異なる
種に対する好ましい培地は第3表にリストされている。
例えば、他のものも使用することができるが、タクスス
・シネンシス用の2つの好ましい成長栄養培地はAとD
である。これらの培地は第2表にリストされた成分を含
有しているのが好ましい。例えば、培地Aを使用すると
きは、成長ホルモンまたは調節剤が培地中に1ppbないし
10ppm、好ましくは2ppbないし1ppm、の量で導入され
る。培地Dを使用するときは、成長ホルモンまたは調節
剤が培地中に1ppbないし10ppmのレベルの範囲、好まし
くは2ppbないし2ppm、で導入される。他の培地成分の量
は第2表に示されている濃度の10分の1ないし3倍であ
るが、第2表に示すレベルで導入するのが好ましい。
懸濁成長 タクスス懸濁培養は他の植物細胞培養と同様に迅速な
成長速度および高細胞密度の能力を有する。しかしなが
ら、最適条件は細胞系統ごとに変動するため、与えられ
た細胞系統に対する迅速な最適化に導く方法を考慮する
必要がある。
種々のタクスス属種の初期培養は第3表にリストされ
ているマクロおよびミクロ栄養、有機塩および成長ホル
モンを含有する培地に移すことにより継代培養する。量
は一般に次の範囲である。すなわち、第2表に示す各培
地成分の10分の1の濃度から3倍の濃度までである。好
ましいレベルは第2表にリストされているものである。
液体培養は空気に曝され、好ましくは振とうその他に
より穏やかに動かして空気を培地に導入するか、あるい
は管を通して空気を培養器に導入してもよい。培養は適
当な成長条件下20℃ないし26℃に維持される。pHは約3
ないし7、好ましくは4ないし6であってもよい。培養
は完全な暗黒から種々の期間の完全な明光(狭いバンド
および/または広いスペクトル)の間の範囲の光条件下
で成長することができる。露光下の培養において総タキ
ソール生産が最も高いので、これが好ましい。典型的な
光強度条件は約100ないし約3,000フート燭光(foot can
dle power)の範囲である。
懸濁培養は継代培養から1ないし8週間維持される
が、その後培養の成長は減少する。培養物は成長培地を
例えば濾過により除去することにより収穫される。収穫
された培養物は秤量し、例えば凍結乾燥により乾燥し、
微粉末に粉砕し、従来の溶媒抽出技術を使用してタキソ
ールを抽出することができる。
倍加時間はバイオマスの経時的増加をモニタすること
により、あるいは単に継代培養中に成長指数をモニタす
ることにより測定されている。最大乾燥重量密度15−24
グラム/リットルが達成された。種々のタクスス属種懸
濁培養の成長特性が実施例4に詳述されている。
分析方法 細胞および培地からのタキソールとタキサンの抽出・
回収方法は従来の技法に従って行われ、実施例5に詳細
に述べる。イムノアッセイ(ELISA)技法は主に市販キ
ット中のハワイ・バイオテクノロジー社により供給され
たプロトコルに従った。強力液体クロマトグラフィー法
は実施例5に詳述するように既存のプロトコルを少し変
えた。本発明において使用した条件下では、解像度のよ
いタキサンのピークが得られ、精確な検出と定量ができ
た。非タキサン成分が一緒に溶離する可能性があるた
め、タキサンと思われるピークごとにスペクトルの純度
をダイオードアレイにより検査してからピーク領域を統
合した。タキサン標準品の滞留時間を実施例5にリスト
する、サンプル・クロマトグラムを第4図に含めた。
生産培地条件 本明細書において使用されるように、「栄養培地」と
いう用語は植物細胞カルスおよび懸濁培養の培養に適し
た培地を記述するのに使用される。「栄養培地」という
用語は一般的であり「成長培地」と「生産培地」の双方
を含む。「成長培地」という用語は培養細胞の迅速な成
長に有利な栄養培地を記述するのに使用される。「生産
培地」という用語は培養細胞のタキソールおよびタキサ
ンの生合成に有利な栄養培地を指称する。成長は生産培
地で起きることがあり得るとともに、生産が成長培地で
起きることがあり得るし、単一の栄養培地中で最適の成
長と生産が起きることがあり得ることが了解される。
栄養培地の一定のクラスの添加物は本発明において特
殊な名称で指称されており、本明細書中に定義されてい
る。本明細書中において使用されているように、「抗褐
変剤」(anti−browning agents)という用語は細胞培
養の間に色素が形成されるのを防止するために栄養培地
に添加される成分を指称する。これらの色素には一般に
細胞の成長、生存率および生産物の形成に有害な効果を
有すると観察されているフェノール化合物およびそれら
の関連化合物が含まれる。本明細書中に使用されている
ように、「生合成前駆体」という用語は栄養培地へ添加
された化合物であって細胞により代謝・導入されてタキ
ソールおよびタキサンになるものを記述するのに使用さ
れる。本明細書中に使用されているように、「代謝阻害
剤」(metabolic inhibitor)という用語は栄養培地に
添加された化合物であって特定の生合成経路を妨害する
ものを指称する。例えば、代謝阻害剤はタキソールと初
期の生合成前駆体について競争する異なる経路を阻止す
ることによりタキソール生合成を高めるのに使用するこ
とができる。本明細書中において使用されるように、ス
チムレータ(刺激剤)またはアクチベータ(活性化剤)
という用語は栄養培地に添加された化合物であって特定
の生合成経路、例えばタキソール生合成に導く生合成経
路を刺激または活性化するものを記述するのに使用され
る。上述の添加物の作用の機構は完全には分かっていな
いことが了解される。
懸濁培養において二次的中間代謝物の形成が成長と同
時に起きるならば、この中間代謝物は成長関連と呼ば
れ、単一の培地処方で良好な成長と高レベルの生産を達
成するのに十分であることがある。他の多くの系では、
迅速な成長と高い生産物形成が同時には起きないことが
見出されている。そのような場合は、成長期と生産期が
分離されており、各期用の培地が独立に開発されている
(Payne et al.1991により再調査された)。タクスス・
シネンシスにおけるタキソールとタキサンの生産の場
合、成長と迅速な生産物形成は分離されており、独立の
培地がそれぞれについて開発されていた。しかしなが
ら、単一の成長/生産培地をこの培養のために処方して
もよいことが了解される。本発明において開発された生
産培地は総タキソールおよびタキサン形成を増加させる
だけでなく細胞生合成をタキソール生産に振り向ける。
さらに、セファロマンニンのような阻害的副産物の生産
が樹皮組織と比べて最小限である。本発明において開発
された生産培地は、また、細胞の長期生存率および生合
成を促進し、さらに高レベルの生産物を細胞外培地中に
分泌させる。これらの特徴は効率的な商業規模のタキソ
ール生産方法の操作に非常に重要である。
他のものも使用することができるが、種々の種に対す
る好適な生産培地を第5表に示す。例えば、他のものを
使用することができるが、タクスス・シネンシス用の好
適な生産培地はBおよびCである。これらの培地は第2
表にリストされた成分を含有しているのが好ましい。こ
れらの培地は主要および微量無機塩類、有機物および成
長ホルモンもしくは成長調整物質を含有しているのが好
ましい。量は一般に以下の、第2表に示す各培地成分の
濃度の10分の1ないし3倍の範囲内である。しかしなが
ら、好適なレベルは第2表に示すものである。
培地Bを使用する場合、成長調整物質は培地中に0.1p
pmないし20ppm、好ましくは1ppmないし10ppmの量で導入
される。培地Cを使用するときは、成長調製物質は0.1p
pmないし5ppmのレベルの範囲で導入するのが好ましい。
この培地に他の従来の塩組成物(例えば有機物、ビタ
ミン、アミノ酸、前駆体、アクチベータ、および阻害
剤)の置換、種々の成分、成長調整物質の追加または削
除、あるいは割合の変更のような修飾をすることができ
ることが了解される。
非揮発性の溶解された栄養物質以外に、気体状成分、
主として酸素、二酸化炭素、エチレン(植物ホルモン)
が成長および生産物形成に重要な役割を果たしている。
2つのパラメータが重要である。成長とタキソール形成
に有利な溶存ガス濃度は明らかに重要である。それは該
濃度がリアクタの操作条件を規定しているからである。
さらに、消費または生産速度をリアクタ設計に取り入れ
て最適の特定濃度が維持できるようにする必要がある。
呼吸における重要性以外に、酸素は二次的生合成速度
に劇的な影響を及ぼすことができる。二次的生合成経路
の酸素要求工程に対する高飽和定数は細胞がリアクタ内
で高酸素レベルに曝されることを要求することがある。
高成長速度を維持する際のCO2補給の重要性が文献に示
されている。エチレン、植物ホルモン、は二次的代謝を
含めて植物成長および発生のすべての局面において多面
発現的役割を果たす(例えば、Payne et al.1991参
照)。
エリシター 細胞培養中のタキソールおよび他の関連タキサンの収
率を改善するために、本発明者らは数多くのアプローチ
を行った。生産性を高めるのに使用されたこれらのアプ
ローチの一つはいわゆるエリシターを使用することであ
る。本明細書において使用されるように、エリシターと
いう用語は生物学的由来および非生物由来の化合物であ
って植物または植物細胞培養に適用されたときに二次的
中間代謝物生産の増加を引き起こすものに対して使用さ
れる(Eilert 1987;Ebel 1984;およびDarvill et al.19
84)。多くの異なる化合物が由来の特質と細胞代謝への
作用のモードとに応じてエリシターとして作用すること
ができる。本発明においては、本発明者らは2種類の主
要なエリシター類:1)通常、選ばれたグループの真菌、
バクテリア、酵母からの細胞壁の抽出物または濾過物並
びにそれらの精製フラクションを含む生物エリシター
類、2)化学ストレス剤および生物由来の若干の化合物
を含む非生物エリシター類を使用した(第1表にリスト
したエリシター類参照)。
Christen et al.(1991)は真菌のエリシター類の使
用およびタクスス・ブレヴィフォリアの懸濁によるタキ
ソールの生産のために選ばれた化合物を報告している。
しかしながら、エリシター処理によるタキソール蓄積の
レベルの増加は特に記されていない。
一般に、エリシテーション(細胞培養中にタキサンが
蓄積することおよび培地中へそれを分泌すること)が起
きる程度はエリシターごとに、かつ種ごとに異なるもの
の、いずれの種類のエリシター類もともに有効である。
最高の生産増加はグルタミン酸キトサン、リケナン、フ
ェルラ酸および安息香酸を用いて達成された。キトサン
とリケナンは微生物の細胞壁由来の複合多糖類である。
キトサンは単独で使用すると培地に不溶性であり、毒性
があり永久的な細胞障害を引き起こす。他方、グルタミ
ン酸キトサンは培地に容易に溶解し、細胞の生存率に影
響しない。フェルラ酸と安息香酸は生物由来の合成され
た薬品であり、一般に生物学的系において抗酸化剤とし
て使用される。
エリシター類は溶存ガスと多くの仕方で相互作用す
る。酸素要求性はエリシテーションをすると変わること
がある。負傷反応としての呼吸速度の増加は植物細胞培
養において普通に観察される。重要なのは、エリシター
類はエチレンを介してそれらの作用を媒介する。そのよ
うな場合、微生物エリシター標品をエチレンと置き換え
て、多分このエリシター標品中の他の微生物成分と結び
ついた毒性を予防することが望ましいことがある。
エリシターおよび代謝ストレス剤は、本発明に従い、
エリシター特異性および濃度、時機および継続時間を培
養時間と培地成分の関数として算定することによりタキ
ソールの生産および組織培養中への分泌を最大にするた
めに使用することもできる。
生産性を向上させるための迅速な培地交換 実施例7.3に記載したように、使用済み培地の除去お
よび新しい培地の補充を3日おきに行うと総タキサンお
よびタキソールの生産が顕著に向上するのに寄与すると
ともに、細胞外生産物の量の増加にも寄与する。
培地交換の刺激効果はin situでの生産物の除去によ
っていたことが考えられ、フィードバック阻害および生
産物の分解を防止するものと思われる。in situでの生
産物の除去による二次的中間代謝物の生産および懸濁培
養への分泌に対するそのような積極的効果は、就中、Ro
binsおよびRhodes(1986)ならびにAsadaおよびShuler
(1989)により報告されている。使用済み培地を定期的
に除去すると上述の利点が取り入れられ、さらに培地か
ら他の非タキサン系阻害成分(フェノール化合物のよう
な)を除去することにより二次的生合成の抑制解除に役
立つことがある。
新しい培地を活発な生合成を行いつつある細胞に補充
すると枯渇した必須栄養物質を提供することにより生産
を向上することもある。例えば、Miyasaka et al.(198
6)はサルヴィア・ミルチオリザ(Salvia miltiorhiz
a)の定常期の細胞を刺激してジテルペン中間代謝物で
あるクリプトタンシノンとフェルギノールを生産させる
ことができたが、これは単に培地にスクロースを添加す
ることによって行われた。推測では、定常期における炭
素の制限により生合成が停止したものと思われる。本発
明において使用する定期的培地交換プロトコルは上述の
ファクターの何れの結果としても有益であると考えられ
る。
交換される培地の量、交換の頻度、および補充される
培地の組成は変えることができるものと了解される。
定期的培地交換により生合成および分泌を刺激するこ
とができることは連続、半連続またはフェッド−バッチ
(fed−batch)モードの効率的な商業的プロセスの設計
および操作に対する重要な示唆を与える。
光 高等植物にとって光は無傷の植物および細胞培養のい
ずれにおいても二次的代謝における有力なファクターで
ある。光の強度と波長はともに重要である(Seibertお
よびKadkade 1980)。例えば、フラボノイドおよびアン
トシアニン生合成は通常高強度連続光により促進される
が、暗所培養体は他の中間代謝物にとって好ましいこと
がある。培養された細胞の緑化または光合成能力の向上
も生産物形成または生産物スペクトルを増加させる。本
発明者らの研究は広いバンドの光源および特定の狭いバ
ンドの光源の使用を含む。実施例7.3に示すように、露
光するとタキソールの蓄積が増えるとともに培地中への
分泌が増加する。タキソール生産に対する光の刺激効果
はタキサンの生合成に対する特異な制御機構が存在する
ことを示唆する。光受容体の性質と光誘導促進の成果学
的特徴は未だ明らかでない。
プロセス操作のモード 植物細胞培養プロセスに対する操作のモードは栄養物
質、細胞および生産物が時間に関して添加または除去さ
れる仕方をいう(Payne et al.1991)。すべての栄養物
質が最初に供給され、細胞と生産物を含む培養内容物が
培養期間末に収穫されるときは操作のモードは「一段階
バッチプロセス」と呼ばれる。バッチ方法が2つの連続
する期、成長期と生産期、に分割されこれら2つの期の
間で培地が交換されるときは、操作のモードは「二段階
バッチプロセス」と呼ばれる。
「フェッド−バッチ」操作では、個々の培地添加物と
栄養物質は一段階または二段階バッチ培養の間中、定期
的または連続的に供給される。
バッチ培養の内容物の全部ではないが実質的部分が収
穫され、連続的細胞成長および生産のための新しい培地
が添加されると、このプロセスは「反復的ドロー・アン
ド・フィル(引き出しおよび充填)操作」に似るため
「半連続的プロセス」と呼ばれる。
新しい培地を連続的に供給し、溢れた培地を連続的に
除去すると、このプロセスは「連続的」と呼ばれる。細
胞がリアクタ内に保持されると、このプロセスは「潅流
モード」と呼ばれる。細胞が連続的に溢れた培地ととも
に除去されると、この連続的プロセスは「ケモスタッ
ト」と呼ばれる。
これらの種々のプロセス操作のモードは上述のタキソ
ール生産系と適合性を有するものと了解される。
実施例 以下の実施例は、本発明を実施する上で用いられる材
料と方法をさらに記載したものである。これらの実施例
は、本発明を説明するためのものであって、いかなる場
合においても本発明を限定するものではない。
実施例1: カルス誘導 タクスス属植物材料のサンプルを、多数の野生植物お
よび培養植物から採取した。これらの試料を研究室に到
着した時に処理するか、もしくは使用するまで4℃で保
存した。
最初に材料を希釈石鹸溶液で洗浄し、水ですすぎを行
った後、クロロックス(Clorox)溶液(1%次亜塩素酸
塩、pH7)に10分間浸して表面の滅菌を行った。滅菌条
件下、材料を滅菌水を用いて3回すすいだ。次に、100m
g/Lのアスコルビン酸を含む1%ポリビニルピロリドン
(PVP)溶液中で針葉(needles)を切断した。そして、
切断端とともに針葉を培地E(第2表参照)に置いた。
1枚あたり30ないし40の外植片(explants)を含む培地
プレートを、24±1℃、暗所でインキュベートした。こ
れらのプレートの観察を毎日実施し、微生物による汚染
が生じているかどうかを調べた。汚染が認められた場
合、汚染されていない針葉を新しい培地Eのプレートに
移しかえた。培養20日目までに実質的なカルス形成が観
察された。カルスを外植体から分離し、第3表に示す種
々のカルス成長培地に置いた。例えば、タクスス・シネ
ンシスのカルスは培地D(第2表参照)に移した。この
誘導方法は、たいへん効率が良く、低い汚染率で高頻度
のカルス誘導が得られ、誘導処理した外植体のうち90%
以上にカルスが認められた。同様の方法をうまく用い
て、タクスス・ブレビフォーリア、タクスス・カナデン
シス、タクスス・カスピダータ、タクスス・バッカー
タ、タクスス・グロボーサ、タクスス・フロリダーナ、
タクスス・ワリチアーナ、タクスス・メディア、および
タクスス・シネンシスの培養を誘導した。
実施例2 カルスの増殖 カルスを外植片から除去するとともに、除去したカル
スを24±1℃、暗所で培養した。10日毎にカルスの健康
な部分を新しい培地に移した。この移植頻度は、褐変を
抑えることおよびカルスの維持期間を延ばすことにとっ
てたいへん重要であることがわかった。種々のカルスに
とって好ましい成長培地および維持培地を第3表にまと
めた。
実施例3 懸濁培養の誘導 カルス材料の生重量1gを、各種に適当な液体培地(第
3表参照)を25ml含む125mlのエルレンマイアーフラス
コへ無菌的に移植した。例えば、タクスス・シネンシス
に対しては培地Dを用いた。フラスコをシリコンフォー
ムキャップ(ベルコ、エヌジェー(Bellco,NJ))で塞
いだ後、回転振とう機に置き、暗所で24±1℃、120rpm
の条件で振とうした。約3ないし10日で懸濁培養が形成
された。初期段階では、ミラクロスフィルタ(カルバイ
オケム(Calbiochem))を有するブフナー漏斗によって
フラスコの含有物を吸引濾過することにより、培地の交
換を行った。細胞の増殖段階では、通常、1〜2g(生重
量)の細胞を新しい培地が25ml入った新しい125mlフラ
スコへ移し、その後週に一回の割合で植え継ぎを行っ
た。
実施例4 懸濁細胞の増殖 代表的な種の懸濁培養における典型的な増殖速度およ
び細胞密度を第4表に示す。
詳細な例として、タクスス・シネンシスK−1系統の
バイオマス(生重量および乾燥重量)の経時的な増加を
第1図に示す。最大増殖速度は、増殖曲線でもっとも急
激にバイオマスが増大した点での傾斜をとって測定し
た。タクスス・シネンシスの細胞培養における増殖は、
最大倍加時間が2.5日であった。この増殖速度は、タク
スス種懸濁培養に関して以前に報告されていたものより
も著しく高い。例えば、クリステンらの報告(Christen
et al.(1991))によれば、培養3ないし4週間後で
バイオマスが5〜10倍増加するが、これをタクスス・ブ
レビフォーリアの平均倍加時間として換算すると7ない
し12日となる。
高密度での培養細胞の能力は、細胞培養プロセスの容
積生産性(volumetric productivity)を最大限にする
上で重要である。タクスス・ブレビフォーリアの培養に
おいて達成された細胞密度が1リットルあたりの乾燥重
量で1g以下であったのに対し(Christen et al.(199
1)で発表されたデータから計算)、タクスス・シネン
シスの懸濁培養では18日間の増殖で密度が1リットルあ
たりの乾燥重量で8ないし20gまで達した。
細胞の生存率は、0.05%フルオレセインジアセテート
を含むアセトン(Widholm,1972)によって細胞を染色
し、倒立蛍光顕微鏡(オリンパスIMT−2、日本)でも
って青色光励起により緑色の蛍光を発する細胞の数をカ
ウントすることによって決定した。細胞生存率は、増殖
期の初めから終わりまで90%以上であった。
急激な細胞増殖状態にあって高生存率を維持しながら
高細胞密度まで細胞を培養するための能力が、タキソー
ルおよびタキソール様化合物を生産するための植物細胞
培養プロセスの経済的操作にとって重要な前提必要条件
である。
実施例5 タキソールおよびタキサンの分析 5.1.酵素結合免疫測定法 タキソール(ハワリ生物工学研究所提供)の酵素結合
免疫測定法(ELISA)による分析を大規模の細胞系統の
スクリーニングに用いた。この方法は高感度(0.1ng/m
L)であるが、ポリクロナール抗体を用いるため、他の
タキサンとのクロス反応性が観察される。分画コレクシ
ョンを有する予備的な(分析規模の)高速液体クロマト
グラフィ(HPLC)は、未同定のタキサンと同様に、10−
デアセチルタキソール、7キシロシル−10−デアセチル
タキソール、セファロマンニン、10−デアセチル−7−
エピタキソール、7エピタキソールとの交差反応性を示
した。そのようなクロス反応性にもかかわらず、この方
法はタキサン生産物の検出のために非常に有益であると
見出され、多数の細胞を迅速にスクリーニングすること
を可能にした。タキサンの明白な生成を示す細胞抽出を
その後、以下に概要を示すHPLC手順を用いて詳細に分析
した。
5.2.タキソールおよび関連するタキサンの抽出 上清からのタキサンの抽出を、培地中の濃度に依存す
る2つの方法によって実行した。液体培地中にタキサン
が十分な量存在するとき、サンプルを非常に手早くかつ
効率的に準備した。培地(2mL)を完全に(真空で)乾
燥させ、計量した量のメタノール(0.5−2.0mL)を加え
た。サンプルの完全な溶解または分散を達成するまで、
この混合物を超音波的に撹拌した。HPLC分析前に遠心分
離によって固形物を除去した。検出レベルが0.1mg/Lよ
りかなり下で、量的な回収は、1mg/Lレベルで得られ
た。
培養上清中のタキサン濃度が低いときは、その培地
を、メチレンクロライドとイソプロピルアルコール(IP
A)との混合物(体積比で9:1)で3度抽出した。抽出ご
との混合物の量は同一とした。乾燥性となるまで有機層
を減少し、計量した量のメタノール(50−250mL)中に
おいて組成を再構成した。マルチ抽出では、典型的にタ
キソール、セファロマンニンおよびバッカチンIIIの90
−95%を0.6mg/Lレベルで回収した。
細胞材料を、新たに採取した細胞を−5℃で冷凍し、
続いて真空乾燥し、50サイクルのメタノールソックスレ
ーによって抽出を行った。タキサンの70〜80%を、10−
15%測定可能な分解物として回収した。固形培地および
カルスの抽出を、細胞の抽出と同様に達成したが、最終
的なメタノール抽出物のメチレンクロライド/IPA混合物
と水への分配を常に行った。
5.3.高速液体クロマトグラフィ法 分析的な高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を、CM35
00/CM3200ポンプ、CM4100可変量自動サンプラおよび総
合周辺486パーソナルコンピュータに連結したSM50000フ
ォトダイオードアレイ検出器からなるLDC分析二値勾配
高圧混合システムを備えた高炭素ロード(load)ジフェ
ニルカラム(Supelco製、5mM、4.6mm×25cm)で行っ
た。カラム温度を、Eldex CH150カラムオーブンで35℃
に調整した。タクススの定量的なHPLC分析を、次のよう
な二値勾配溶出の略表を用いて達成した。
溶出液Aは、0.015mMのKH2PO4をトリフルオロ酢酸でp
H3.5に調製したものであり、溶出液Bはアセトニトリル
である。
上記クロマトグラフィ法としては、トリフルオロ酢酸
を含有するリン酸緩衝液および長い勾配が用いられてき
た以外は幾つかの公知の方法(ウィザラップ(Witheru
p)ら、1989年)に似た方法を用いた。これらの違い
は、混合物からのタキソールおよび他のタキサンの解像
度を明白に改良するものである。タキサンに関して観察
された相対的な保持時間は以下に示される。タキソール
は、用いられるカラムおよびハードウエアに依存して31
分と33分との間に溶出する。
タキソール、セファロマンニンおよびバッカチンIII
の保持時間を、国立ガン研究所から入手した真正サンプ
ルを用いて決定した。上記に掲げた他のタキサンの保持
時間を、ハウザー化学(Hauser Chemical(Boulder C
O))によって提供された分析用標準品の保持時間と比
較した。既知のタキサンの同定は、保持時間および紫外
線スペクトル比較を基礎とした。タキソール、セファロ
マンニンおよびバッカチンIIIの定量は、真正材料から
決定された応答因子を基礎とした。10−デアセチルバッ
カチンIIIの定量は、バッカチンIIIに関して決定された
応答因子を用いて行われた。残りのタキソール誘導体の
定量は、タキソールに関して測定された応答因子を基礎
とした。
各標準品(10mL)を注入し(初期に標準品を注入した
後に3または4のサンプルを注入し)、上記3成分の各
々の領域を合わせた。各成分に関する応答因子はデータ
の線形最小二乗分析によって得られた。10mLの各サンプ
ルを注入し、注入ごとの量を標準データの回帰曲線を基
礎として算出した。これらの結果をリッター当たりまた
は乾燥重量%の量に換算した。第4図は、上清サンプル
の典型的なクロマトグラムを示す。
5.4.タキソールのMS/MS確認 細胞培養の上清中のタキソールの同定を、MS/MS法
(第6図において示した)を用いて確認した。その方法
は、フローインジェクションをイオンスプレイ大気圧で
の化学的イオン化に組み合わせるものである。第6図に
掲げられたデータを得るために用いられた手順の詳細は
次のようである。マススペクトロメータ:大気圧イオン
化源を備えたSciex API 3のトリプル四重極質量分析計
を用いた。窒素をカーテンガスとして用い、アルゴンを
CIDスペクトラのための衝突ガスとして用いた。インタ
フェース:イオン蒸発イオン化(Ion Evaporation Ioni
zation(Electrospray))によってイオンを生産するイ
オンスプレイインタフェースを用いた。ゼロエア(Zero
air)を霧吹きガスとして用いた。LCポンプ:5μL/分で
操作するABI 140Bの二重シリンジポンプを用いた。溶
媒:2mM NH4OAc、+0.1%蟻酸を含む50/50のアセトニト
リル−H2Oを用いた。注入量:5μL。フローインジェク
ション分析によってとられた全スペクトラ。この方法
は、細胞培養サンプルにおけるタキソールの存在のため
の明確な確認を与え、HPLCによる結果ときわめてよく一
致する定量結果を与えた。
実施例6 種々の種(species)によるタキソール生産 種々のタクスス属種の細胞培養によって生産されたタ
キソールは第5表に要約されている。カルスを各種ごと
に特定の固体培地上に置き、20日間、暗所で培養した。
細胞および培地を乾燥し、共にメタノール抽出し、上記
に示したELISAまたはHPLCのいずれかの方法によって検
定した。タクスス・シネンシス(Taxus chinensis)培
養で得られた結果を実施例7および8にさらに詳述す
る。
実施例7: 7.1.成長培地中での生産 タキソールおよび同族のタキサンの生産は、成長培地
A中に送り込まれた最初の2日間の内に始まった。観察
された最大タキソールは、15日目のもので、8.81μg/フ
ラスコであり、これは0.44mg/Lのタキソールに相当する
ものであった。その46.1%はその細胞外の培地中に存在
した。15日目において、タキサンの合計濃度は、72.87
μg/フラスコまたは3.6mg/Lであり、その58.6%はその
細胞外の培地中に存在した。細胞の生育率は蛍光染色法
による測定で常に90%以上であり(実施例4)、これは
細胞外のタキソールおよびタキサンの存在は細胞溶解が
原因というよりはむしろ分泌によるものであったことを
示唆している。細胞がタキソールおよびタキサンを分泌
する能力は、連続運転の重要な局面となるものである。
7.2.生産性促進のための培地交換 タキソールおよび合計タキサンの生産性における大幅
な改良は、9日目において成長培地Aを無菌状態で吸い
出し、新しい培地と交換して、12日目にこの手順を繰り
返すことによって、得られたものである。この実験は15
日目に中止し、その結果は第2図に示した。培地交換に
よる生産性の大幅な増加は、第6表にまとめられてい
る。生産されたタキソールおよびタキサンの合計量は、
培地の交換をした場合では、培地交換をしない場合に比
較して、約4.6倍高かった。重要なことには、培地交換
処理をしない場合に比較して、約4.9倍高いタキソー
ル、および約5.9倍高い合計タキサンが、細胞外培地内
において、回収された。
タキソールおよび合計タキサン生産性を大幅に促進
し、そして、さらに細胞外の生産物蓄積を引き起こす能
力は、バイオマスを再使用し、簡略化された下流側の精
製(downstream purification)を含む効果的な連続プ
ロセスの操作にとって重要である。
7.3.成長培地中のタキサン生産における光の効果 光は、光合成にばかりでなく、植物細胞培養物内での
二次代謝の様々な局面においても、重要な役割を果たす
ものとして、知られている(SeibertおよびKadkade1980
年)。実施例4、7.1、および7.2に記載された実験は、
暗所にて処理されたが、タクスス・シネンシス培養物の
光に対する反応をここに説明する。
タクスス・シネンシス系統K−1の7日経過後の細胞
の生重量1グラムを、125mlのエルレンマイアーフラス
コ内の25ml成長培地A(第2表参照)中に接種し、回転
数120rpmの回転振とう機上で24±1℃で培養した。同じ
二つのフラスコの一方を暗所に置き、他方を3フィート
の距離にある標準GroLuxランプの点灯下に置いた。この
ランプの特性は第3図に示した。結果は第7表に示し
た。
培養物を光に曝しても、合計タキサンのレベルまたは
細胞外蓄積の量に影響しなかった。しかし、タキサンの
プロフィールには、前記の二つの処理フラスコにおいて
はかなりな変化があった。例えば、光の中で培養した細
胞は、暗所で培養した細胞のより2.8倍高いタキソール
を生産した。また、細胞外タキソールの割合は、暗所培
養におけるものより、かなり高いものであった(76%対
56%)。したがって、光を用いた培養は、特に固有スペ
クトル特性で、タキソール生産の細胞培養プロセスにお
いて、非常に有益となろう。
実施例8: エリシター(elicitors) エリシターという用語は、植物細胞培養物に添加され
ると二次代謝の増加をもたらす、生物学的な(または生
物の)および非生物学的な(または非生物の)由来(or
igin)の化合物に対して用いられる。
数多くのエリシターが有益であると判明しているが、
ここでは、代表的な説明可能な例を、すなわち、グルタ
ミン酸キトサン(chitosan glutamate)を詳しく説明す
る。以前にキトサンがいくつかの植物細胞培養物システ
ムにおけるエリシターとして試みられたが、褐変および
生存率の低下などの有毒反応が同時に生じて、その実用
を不可能にしている(BeaumontおよびKnorrl1987年)。
実に、このような毒性側の反応は、文献中に報告されて
いる多くのエリシターの一般的な欠点である。毒性側の
作用を回避しながら、グルタミン酸キトサンなどの化学
修飾されたキトサンをタキソールおよびアクススの生合
成を誘発するために特に用いることは、新規な研究方法
である。
7から8日間、培地Dの中で成長したタクスス・シネ
ンシスK−1系統の懸濁液を、ミラクロス(Calbiochem
社)フィルターが取り付けられた殺菌されたバックナー
漏斗を無菌状態で用いて、吸引濾過した。生重量が2gの
細胞を無菌状態で125mlのエルレンマイアーフラスコ内
の25mlの培地C(第2表参照)中に転送した。グルタミ
ン酸キトサンの0.05%溶液を新たに調製し、0.22ミクロ
ンのカートリッジフィルターにより濾過滅菌した。この
溶液の825μLを実験の開始時に前記フラスコに添加し
た。この溶液量は、細胞の乾燥重量1グラム当たり165m
gのエリシターのレベルに対応している。このフラスコ
を暗所内の回転数110rpmの回転振とう機上で24±1℃で
培養した。このフラスコから15日目に破壊的に試料採取
し、成長の観察、細胞と培地の色および細胞の生存率を
記録した。凍結乾燥試料を、実施例5で説明したよう
に、タキソールおよびタキサンを得るために、メタノー
ル抽出し、HPLCにより分析した。この実験の結果を第8
表に示す。
エリシター処理では、非処理の場合より細胞当たりの
合計タキサン生産において幾分かの改善が得られた(タ
キサンの乾燥重量で、0.42%に対して0.53%)。エリシ
ターが非毒性であることは、両方の処理において観察さ
れた高い生存率(75〜80%)から明らかである。実際
に、エリシター処理なしの場合に比べたエリシター処理
での乾燥重量の増加は、繰り返し観察された(乾燥重量
で、10.1g/Lに対して14.2g/L)。より高い細胞密度で
は、合計タキサンの力価で、例えば、エリシター処理し
ない場合における42.4mg/Lに対して、エリシター処理で
は75.8mg/Lのように、エリシター処理の場合の方が、1.
8倍大きい結果となった。
エリシター処理では、タキソールの生合成において
は、細胞当たり(タキソールの乾燥重量で、0.054%に
対して0.098%で1.8倍の増加)および、力価の比較(5.
4mg/Lに対して13.9mg/Lで2.6倍の増加)の両方とも増加
する結果となった。分泌量については、エリシター処理
しない場合に比べてエリシター処理の方が高かった(細
胞外生産で、72%に対して85%)。
ここで説明したエリシター処理では、タキソール生産
の増加、より好適な生産プロフィール、生産物分泌の促
進および高い細胞生産率の維持が、得られる結果となっ
た。これらの生産特性は、タキソール生産における細胞
培養工程の大幅な改良がなされたことを、表している。
実施例9: 生産培地の開発 実施例6に記載したレベルを越えるようなタキソール
生産性の増大を得るために、栄養レベルを操作して特別
な「生産培地(production media)」を処方した。培地
Dで増殖する7ないし8日経過したタクスス・シネンシ
ス細胞系統K−1の懸濁液をミラクロスフィルタ(カル
バイオケム(Calbiochem))が設けられた滅菌ブフナー
漏斗を用いて無菌的に吸引濾過した。生重量が500mgの
細胞を無菌的に5mlの生産培地BおよびC(第2表参
照)に移した。容器を、暗所、24±1℃、110rpmの条件
でもって回転振とう機により18、25、および42日間のい
ろいろな期間にわたってインキュベーションした。
このような処理を施したものに対して破壊的サンプリ
ングを実施し、増殖、細胞および培地の色、および細胞
の生存率を観察記録した。凍結乾燥試料を、実施例5に
記載したようにメタノール処理してタキソールおよびタ
キサンの抽出を行い、HPLCでもって分析した。
9.1.18日間培養の結果 タクスス・シネンシス細胞培養は、顕著なレベルのタ
キサンおよびタキソールを生産することによって修正培
地組成物に反応した。これらのデータを第9表にまと
め、また試料のクロマトグラムは第4図に示した。培地
Bでは、精製タキソール24.1mg/Lとともに全体で99.8mg
/Lのタキサンが生産された。培地Cでは、タキソール2
1.3mg/Lとともに合計で110mg/リットルのタキサンが生
産された。乾燥重量に換算すると、細胞が生産したタキ
ソールの乾燥重量は、培地Bで0.18%、また培地Cで0.
065%であった。
9.2.延長培養 培養期間を25および42日間として、タクスス・シネン
シス細胞(K−1系統)を培地Cで培養した場合のタキ
ソールおよびタキサン生産を調べた。その結果を、第5
表にまとめた。以下のような重要な観察値を要約するこ
とができる。
(i)タクスス懸濁培養によって顕著なレベルのタキソ
ールおよび他のタキサンが生産可能である。42日目で、
乾燥重量で0.32%のタキソールおよび0.62%の合計タキ
サンを有する最も高い蓄積が観察され、これは、最終培
地容積に対して153mg/Lタキソールおよび295mg/L合計タ
キサンの力価に相当する。第6図に示すように、タンデ
ムマススペクトロメトリーによるこの試料の分析によっ
てタキソールの存在が確認された。MS/MSによる定量
は、HPLCとたいへんよく一致した。
(ii)25日目と42日目とのあいだの17日間にわたるタキ
ソール生合成速度は、この期間において生産が直線的に
行われたと仮定した場合、約7.6mgタキソール/L/日であ
った。この速度は、最初の25日間の生産速度によりも顕
著に高い。25日目と42日目とのあいだにおける全タキサ
ン生合成速度は、12.3mg/L/日であった。
(iii)生産培地処方によって、実施例7に記載したよ
うな急増殖条件の場合と比較して、特定のタキソール含
有量を45倍まで増加させることができる。
(iv)望ましくないタキサンの生産を最小限にしつつ、
生合成が要求最終産物タキソールに集中するように、生
産物スペクトルを操作することができる。例えば、タキ
ソールがタキサン全体のうちたったの12.2%しか占めて
いない成長培地(実施例7.1参照)と比較して、タキソ
ールがタキサン全体を占める割合が25日目では28%であ
り、42日目では52%であった。生産物プロフィールを操
作するこのような能力は、下流側精製および生産物純度
に関連した制御的問題に対して重大な影響を及ぼすであ
ろう。例えば、タキサンの副産物であるセファロマンニ
ンの生産を抑制する能力は、樹皮組織からのタキソール
精製と比較して下流側の精製を大いに単純化することが
できた。
(v)大量のタキソール(42日目で87%)および他のタ
キサンを分泌するために、タクスス細胞培養が誘導され
てきた。細胞溶解によるよりもむしろ分泌による細胞外
タキソールおよびタキサンの存在がいくつかの別個の観
察によって確証される。すなわち、(a)25目から45日
目の間に連続した生合成が起こる。このことは細胞が生
存し、かつ活動的であることを示唆している。別個の観
察によれば、生産培地での培養18日目以降に70%を上回
る生存率が認められた。(b)異なるタキサンが異なる
比率で分泌された。もし、細胞が溶解した場合、培地中
の比率は異なるタキサンで類似すると考えられる。
(vi)増殖し、かつタキソールを細胞外環境へ大量かつ
高率に生産するタクスス細胞系統の能力は、特に注目す
べき価値がある。
(vii)それらの結果が得られたタクスス細胞系統は、
高密度になるまで急激に増殖することも可能である。ま
た、急増殖条件下で20世代後に報告された生産能を発現
する。このことは、それの安定性および商業的潜在能力
を証明するものである。
本願に記載した条件下でタクスス・シネンシスの細胞
系統によって生産されるタキソールおよびタキサンのレ
ベルは、以前報告されたものよりも高く、35ないし150
倍である。例えば、クリステンら(Christen et al.(1
991))は、培養2ないし4週間後のタクスス・ブレビ
フォーリアの懸濁培養によって、1ないし3mg/Lのタキ
ソールが生産されると報告している。また、Wickerames
inhe and Arteca(1991)は、タクスス・メディアの細
胞培養で乾燥重量0.009%のタキソールが生産されるこ
とを報告している。
要約すると、われわれのデータは、タクスス・シネン
シスの培養を注意深く誘導し、かつ選択することによっ
て、また成長培地を特別に処方することによって、細胞
を高密度に達するまで急激に増殖させることができるこ
とを示している。このような細胞を生産培地条件に移し
た場合、細胞は高生存率を維持する一方で顕著な濃度か
らなるタキソールおよび他のタキサンを期間を延ばして
生合成および分泌することができる。定期的な培地の交
換、生産培地に光およびエリシターを取り込むことによ
って、相乗的な生産性増大が得られる。これらの特性
は、組織培養技術を用いたタキソールおよびタキサン生
産のための効率的な商業的プロセスにとって決定的な前
提必要条件である。
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フロントページの続き (72)発明者 プリンス,クリストファー,エル. アメリカ合衆国 14850 ニューヨーク 州 イサカ イースト ショア ドライ ブ 1102 (72)発明者 シューブメール,バリー,エフ. アメリカ合衆国 14850 ニューヨーク 州 イサカ ウォーターワゴン ロード 157 (72)発明者 ケーン,ユージン,ジェイ. アメリカ合衆国 14850 ニューヨーク 州 イサカ スレイタービル ロード 1820 (72)発明者 ローチ,ブレードン アメリカ合衆国 14847 ニューヨーク 州 インターラーケン ルート 96 9205 (56)参考文献 米国特許5019504(US,A) BIO/TECHNOLOGY,Vo l.9,No.10(1991),p.933− 934,936,938 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 17/00 - 17/18 C12N 5/00 - 5/28 BIOSIS/WPI(DIALOG) PubMed

Claims (36)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記工程を含むことを特徴とする、タクス
    ス・シネンシスの細胞培養から高収率でタキソールおよ
    びタキサンを回収する方法; (a)タクスス属種由来の細胞を、1つ以上の栄養培地
    で、天然のタクスス・シネンシスにより生産される量よ
    り少なくとも10倍量のタキソールとタキサンとを生産す
    る条件下で培養する工程であって、 (i)タクスス・シネンシス細胞を、培養細胞の迅速な
    成長に有利な懸濁液の成長栄養培地に植菌して植菌懸濁
    物を形成する工程、 (ii)前記工程(i)の植菌懸濁物を成長させ、バイオ
    マスを増殖させる工程、 (iii)前記工程(ii)の懸濁培養物をタキソール及び
    タキサンの生合成に有利な生産栄養培地に継代培養して
    生産培養物を形成する工程、ここで、前記生産栄養培地
    は生産物形成のために独立して最適化され、前記成長栄
    養培地と異なる、 (iV)前記工程(iii)の生産培養物をタキソール及び
    タキサンを形成するための条件下で培養する工程、 を含む工程;及び (b)前記工程(iv)の培地、細胞、または生産培養物
    の培地及び細胞から前記タキソールおよびタキサンを回
    収する工程。
  2. 【請求項2】効果的な抗褐変剤及び細胞懸濁培養の連続
    した迅速な成長のためのプロトコルを付与する工程をさ
    らに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】連続したまたは断続した広いバンドまたは
    狭いバンドの照明の中で培養される工程をさらに含むこ
    とを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記成長栄養培地、生産栄養培地、または
    両方のいずれかの前記最適化条件が栄養濃度、光、培地
    交換、及び/またはエリシターの操作の結果であること
    を特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】生産された前記タキソールが天然のタクス
    ス・シネンシスにより生産されるよりも少なくとも35倍
    多いことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】タキサンの容量生産性が生産物形成期間に
    わたる平均で15mg/L/日である生産物形成期間を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】タキソールの容量生産性がタキソール生産
    期間に計算で10mg/L/日であることを特徴とする請求項
    1に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記タクスス・シネンシス細胞が、懸濁培
    養で、硝酸銀及びメチルジャスモネートを含有する培地
    中、10mg/L/日の平均の容量生産性でタキサンを生産す
    ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】前記細胞培養物の前記細胞または前記培地
    から1つ以上のタキサンを回収する工程をさらに含むこ
    とを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記成長条件が前記培地中に使用される
    成長調整物質の量または種類を変えることにより最適化
    することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】前記成長調整物質がホルモン類似体であ
    ることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】前記成長調整物質がプクロラムであるこ
    とを特徴とする請求項10に記載の方法。
  13. 【請求項13】前記培地がAgNO3を含有することを特徴
    とする請求項10に記載の方法。
  14. 【請求項14】前記培地がマクロおよびミクロ塩類、微
    量元素および/またはビタミンおよびその他の有機補充
    物質を含有することを特徴とする請求項10に記載の方
    法。
  15. 【請求項15】前記培地が植物ホルモン、ホルモン代替
    物および誘導体、ホルモン阻害剤および/または合成成
    長調整物質を含むことを特徴とする請求項10に記載の方
    法。
  16. 【請求項16】前記培地が生物または非生物エリシター
    を含有することを特徴とする請求項10に記載の方法。
  17. 【請求項17】前記生物的または非生物的エリシターが
    表1aから選択されることを特徴とする請求項16に記載の
    方法。
  18. 【請求項18】前記エリシターがグルタミン酸キトサ
    ン、リゲナン、フェルラ酸および安息香酸から選択され
    ることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】前記エリシターがグルタミン酸キトサン
    であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】前記培地が生合成前駆体、代謝および非
    代謝阻害剤、および/または刺激剤および/またはアク
    チベータを含むことを特徴とする請求項10に記載の方
    法。
  21. 【請求項21】前記生合成前駆体、代謝および非代謝阻
    害剤、および/または刺激剤および/またはアクチベー
    タが表1bから選択されることを特徴とする請求項20に記
    載の方法。
  22. 【請求項22】フェニルアラニンが前記培養の生産段階
    で存在していることを特徴とする請求項20に記載の方
    法。
  23. 【請求項23】前記培地が抗褐変剤、抗酸化剤、安定化
    剤、増強剤、ラジカルスカベンジャー、調整剤、および
    /または還元剤を含有することを特徴とする請求項10に
    記載の方法。
  24. 【請求項24】前記培地が細胞培養成長に対してとタキ
    ソールおよびタキサンの生産に対してとで異なることを
    特徴とする請求項1に記載の方法。
  25. 【請求項25】定期的な栄養培地の交換の工程をさら含
    むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  26. 【請求項26】定期的なタキソールおよびタキサン除去
    の工程をさら含むことを特徴とする請求項1に記載の方
    法。
  27. 【請求項27】成長および生産物形成が、1段階または
    2段階のバッチプロセス、またはフェッド−バッチプロ
    セス、または半連続プロセス、または連続プロセス、ま
    たはそれらの変形を用いて達成されることを特徴とする
    請求項1に記載の方法。
  28. 【請求項28】前記1つ以上の栄養培地がタキサン前駆
    体も含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  29. 【請求項29】前記1つ以上の栄養培地が炭素源として
    マルトースを含むことを特徴とする請求項1に記載の方
    法。
  30. 【請求項30】前記1つ以上の栄養培地が炭素源として
    スクロールを含むことを特徴とする請求項1に記載の方
    法。
  31. 【請求項31】前記1つ以上の栄養培地が炭素源として
    グルコース、フラクトース、またはそれらの混合物を含
    むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  32. 【請求項32】前記1つ以上のタキサンの生産が前記栄
    養培地の組成の変化により誘導されることを特徴とする
    請求項1に記載の方法。
  33. 【請求項33】タキサンの生産中に少なくとも1回栄養
    培地を交換する工程をさらに含むことを特徴とする請求
    項1に記載の方法。
  34. 【請求項34】前記培養工程中に少なくとも1回栄養培
    地を交換する工程をさらに含むことを特徴とする請求項
    1に記載の方法。
  35. 【請求項35】前記タクスス・シネンシス細胞がフェッ
    ド−バッチプロセスにより培養されることを特徴とする
    請求項1に記載の方法。
  36. 【請求項36】タキソールが前記細胞培養物の前記細胞
    または前記培地またはそれら両方から回収されることを
    特徴とする請求項1に記載の方法。
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