JPH114659A - 飼料組成物の製造方法 - Google Patents

飼料組成物の製造方法

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JPH114659A
JPH114659A JP9158662A JP15866297A JPH114659A JP H114659 A JPH114659 A JP H114659A JP 9158662 A JP9158662 A JP 9158662A JP 15866297 A JP15866297 A JP 15866297A JP H114659 A JPH114659 A JP H114659A
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Yoshiyo Tsugami
佳代 津上
Masahide Nakada
正秀 中田
Masahiko Miyama
雅彦 深山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便でかつ安価な被覆手段により、栄養価が
高くかつ第四胃での消化性や吸収性の高い保護物質で被
覆して、蛋白質やアミノ酸のル―メンバイパス性にすぐ
れ、また水に対する溶出性の低い飼料組成物を製造す
る。 【解決手段】 脂肪酸100重量部に蛋白質またはアミ
ノ酸1〜150重量部を加えて混合し、この混合物
を、水300〜1,000重量部に金属化合物3〜60
重量部を分散させた水分散液中に滴下して、反応させる
か、あるいは、上記の混合物に、水100〜400重
量部に水酸化アルカリ5〜40重量部を溶解させた水溶
液を滴下して、反応させたのち、さらに水100〜30
0重量部に5〜70重量部の金属塩化物を溶解させた水
溶液を滴下して、反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、牛などの反芻動物
や養殖魚用などの飼料として用いられる蛋白質またはア
ミノ酸を含む飼料組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】農産物の自由化にともない、安価な乳製
品が大量に輸入されるようになり、国内の酪農関連業界
は厳しい競争にさらされている。これらの酪農業者ら
は、生産性の向上、コストダウンによる経費節減、新技
術開発による高付加価値製品の創生などに、生き残りを
かけた取り組みを行つている。たとえば、一部地域で
は、既に、生乳取引基準に乳蛋白質率が導入され、差別
化商品としての高蛋白質乳が注目されている。今後、さ
らに乳脂肪率や乳蛋白質率の向上に効果があり、乳質を
高める方法が求められている。
【0003】従来より、エネルギ―補給や体調の維持、
増体速度の加速化、産乳の促進、肉質改善などを目的と
して、家畜や養殖魚に蛋白質を給餌することがよく行わ
れている。この飼料には特定の蛋白質原料が用いられる
ため、飼料中に含まれるアミノ酸組成に片寄りができ
る、つまり適用する動物に必要なアミノ酸が不足する場
合がある。この目的で、また栄養補給や栄養成分の利用
促進、代謝機能の調節などの目的で、単体アミノ酸を添
加し、補給する方法がとられる。
【0004】牛などの反芻動物においては、蛋白質やア
ミノ酸をそのまま経口投与すると、第一胃内に共生する
微生物によつて変質、分解が行われ、蛋白質が本来吸収
されるべき第四胃以降の消化器官に達しなかつたり、ア
ンモニアなどの有害な物質が多量に発生して反芻動物の
健康を害し、本来の目的が得られない。また、同様に養
魚用の飼料の場合は、親水性の蛋白質やアミノ酸が水中
に溶解してしまい、飼料としての効果が下がるという問
題がある。さらに、BODの増大など環境汚染の問題も
起こることになる。
【0005】このような問題を解決するために、飼料を
保護物質で被覆し、ペレツト化することにより、ル―メ
ンバイパス性(第一胃バイパス性)や水に対する低溶出
性を付与する方法がとられている。特公昭48−127
85号公報では、保護物質として硬化植物脂肪酸や糠ワ
ツクスを提案しており、たとえば、DL−メチオニン、
カオリン、ステアリン酸をスラリ―とし、これを遠心押
し出し装置を用いて、水添した植物脂肪で被覆するよう
にしている。
【0006】また、特開昭59−198946号公報に
は、アミノセルロ―ス類や金属水酸化物類などで被覆す
ることにより、ル―メンバイパス性を付与する方法が提
案されている。さらに、特開昭59−66843号、同
63−313546号、同63−317053号などの
各公報には、配合組成をいろいろ変え、高融点の油脂類
や脂肪酸あるいは脂肪酸塩と溶融混合し、冷却後、造粒
することにより、ル―メンバイパス性を付与する方法が
提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
提案の被覆方法では、蛋白質やアミノ酸に対して、ル―
メンバイパス性や水に対する低溶出性を十分に付与でき
るものとは、必ずしもいえなかつた。また、保護物質が
栄養源とならなかつたり、第四胃以降での分解性が悪か
つたり、さらには被覆に繁雑な操作や時間を要したり、
非常に高価な装置を必要とするなどの実施上の不都合が
多かつた。
【0008】本発明は、このような事情に照らし、簡便
でかつ安価な被覆手段により、栄養価が高くかつ第四胃
での消化性や吸収性の高い保護物質で被覆して、蛋白質
やアミノ酸のル―メンバイパス性にすぐれ、また水に対
する溶出性の低い飼料組成物を製造することを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため、鋭意検討した結果、脂肪酸と金属化
合物、あるいは脂肪酸と水酸化アルカリおよび金属塩化
物を出発原料として、これらを蛋白質やアミノ酸との混
合時に特定の手法で反応させて脂肪酸金属塩を生成させ
ることにより、親水性である蛋白質やアミノ酸が内部に
取り込まれて、外側を撥水性の脂肪酸金属塩が保護物質
として取り囲んだ構造の飼料組成物を得ることができ、
このものは蛋白質やアミノ酸のル―メンバイパス性にす
ぐれ、また水に対する溶出性が低く、しかも保護物質と
しての上記脂肪酸金属塩は栄養価が高くかつ第四胃での
消化性や吸収性にすぐれ、そのうえこのような良好な性
能を有する飼料組成物が上記安価な原料を用いてかつ上
記混合時の反応という簡便な手法で製造できることを知
り、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、脂肪酸100重量部
に蛋白質またはアミノ酸1〜150重量部を加えて混合
し、この混合物を、水300〜1,000重量部に金属
化合物3〜60重量部を分散させた水分散液中に滴下し
て、反応させることを特徴とする飼料組成物の製造方法
(請求項1)に係るものである。
【0011】また、本発明は、脂肪酸100重量部に蛋
白質またはアミノ酸1〜150重量部を加えて混合し、
この混合物に、水100〜400重量部に水酸化ナトリ
ウムや水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ5〜40重
量部を溶解させた水溶液を滴下して、反応させたのち、
さらに水100〜300重量部に5〜70重量部の金属
塩化物を溶解させた水溶液を滴下して、反応させること
を特徴とする飼料組成物の製造方法(請求項2)に係る
ものである。
【0012】さらに、本発明は、上記の両飼料組成物の
製造方法において、脂肪酸または水に界面活性剤0.1
〜150重量部を加えることにより、親水性の蛋白質ま
たはアミノ酸の脂肪酸に対する可溶化性ないし分散性を
高めるようにした上記飼料組成物の製造方法(請求項
3)に係るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明における蛋白質は、エネル
ギ―補給、体調維持、体重増加、乳質改善、乳蛋白質の
向上、産乳促進などの生物学的活性を示すものであれば
よく、一般の飼料用のものが用いられる。たとえば、綿
実粕、落花生粕、アマニ粕、コ―ングルテンミ―ル、脱
脂大豆、全脂大豆、菜種粕、カゼイン、血粉、魚粉、ミ
―トミ―ル(肉粉)、ミ―トボ―ンミ―ル(骨付き肉
粉)、フエザ―ミ―ルなどの蛋白質が挙げられる。ま
た、本発明におけるアミノ酸は、一般の飼料に用いられ
るリジン、メチオニン、トリプトフアンなどが用いられ
る。
【0014】これらの蛋白質またはアミノ酸は、脂肪酸
100重量部あたり、1〜150重量部、好ましくは2
〜130重量部の割合で用いられる。1重量部未満では
蛋白質またはアミノ酸の含有量が低すぎて栄養化が十分
でなく、また150重量部を超えてしまうと、脂肪酸金
属塩によるコ―テイングが不十分になり、ル―メンバイ
パス性や水に対する低い溶出性を実現できなくなる。な
お、これらの蛋白質またはアミノ酸は、必要により両者
を併用してもよく、この場合、両者の合計量が脂肪酸に
対し上記割合となるようにすればよい。
【0015】本発明における脂肪酸としては、たとえ
ば、牛脂、豚脂、チキン油、魚油などの動物油由来、菜
種油、大豆油、パ―ム油、パ―ム核油、ヒマワリ油、ア
マニ油などの植物油由来の油脂の中から選ばれる少なく
とも1種を加水分解して得られる混合脂肪酸やその蒸留
物が用いられる。もちろん、ステアリン酸、オレイン酸
などの単体脂肪酸を用いることもできる。
【0016】本発明における金属化合物としては、水酸
化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化銅などの金
属水酸化物、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどの
金属酸化物などの中から選ばれる少なくとも1種が用い
られる。これらの金属化合物は、脂肪酸100重量部あ
たり、3〜60重量部、好ましくは5〜50重量部の割
合で用いられる。3重量部より少ないと、脂肪酸金属塩
の生成が十分でなく、また60重量部を超えると、脂肪
酸との反応に関与しない未反応物の混入により第四胃で
の消化性や吸収性に好結果が得られにくい。
【0017】本発明における水酸化アルカリには、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどがある。また、本発
明における金属塩化物としては、塩化カルシウム、塩化
マグネシウム、塩化銅などの中から選ばれる少なくとも
1種が用いられる。これらの使用量は、脂肪酸100重
量部あたり、水酸化アルカリでは5〜40重量部、好ま
しくは10〜30重量部であり、金属塩化物では5〜7
0重量部、好ましくは10〜60重量部である。水酸化
アルカリおよび金属塩化物がそれぞれ5重量部より少な
いと、脂肪酸金属塩の生成が十分でなく、またそれぞれ
が上記範囲を超えてしまうと、生成する脂肪酸金属塩の
精製操作が面倒となつたり、未反応物の混入により飼料
組成物の品質に悪影響を及ぼしやすい。
【0018】本発明における界面活性剤は、脂肪酸中で
の蛋白質やアミノ酸などの親水性物質の可溶化性、分散
性を高めて、上記物質のル―メンバイパス性、水に対す
る不溶性の付与に好結果を与えるものであり、一般に市
販されている各種の界面活性剤を使用することができ
る。具体的には、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタ
ン脂肪酸エステル、シヨ糖脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ングリセリン脂肪酸エステル、リン脂質、大豆レシチ
ン、卵黄レシチンなどが挙げられる。
【0019】これらの界面活性剤は、脂肪酸100重量
部あたり、0.1〜150重量部、好ましくは1〜10
0重量部の割合で用いられる。0.1重量部より少ない
と、十分な界面活性効果が得られず、また150重量部
を超えて使用しても、効果の増大はみられず、価格的に
不利となるため、好ましくない。
【0020】本発明において、蛋白質またはアミノ酸の
被覆材料として、上記のような脂肪酸と金属化合物を使
用する場合は、以下の方法により、飼料組成物を製造す
る。まず、脂肪酸に対して前記割合の蛋白質またはアミ
ノ酸を加えて、よく攪拌し、均一に混合することによ
り、脂肪酸−蛋白質分散液または脂肪酸−アミノ酸分散
液からなる混合物を調製する。つまり、上記の混合によ
り、蛋白質またはアミノ酸の表面を前記割合の脂肪酸で
均一に被覆する。
【0021】つぎに、蛋白質またはアミノ酸の表面を被
覆する上記脂肪酸を、栄養価が高くかつ第四胃での消化
性および吸収性にすぐれる脂肪酸金属塩に変換し、これ
を蛋白質またはアミノ酸の保護物質とする。この変換を
行うには、上記の混合物を、水300〜1,000重量
部に前記割合の金属化合物を分散させた水分散液中に滴
下し、脂肪酸と金属化合物とを反応させればよい。水の
使用量が300重量部より少ないと、上記反応が起こり
にくく、1,000重量部を超えると、脂肪酸の前記被
覆状態が悪化するなどの不都合を生じやすい。
【0022】また、蛋白質またはアミノ酸の被覆材料と
して、脂肪酸と水酸化アルカリおよび金属塩化物を使用
する場合は、上記と同様にして、脂肪酸−蛋白質分散液
または脂肪酸−アミノ酸分散液からなる混合物を得たの
ち、第一段階の反応として、上記の混合物に対し、水1
00〜400重量部に前記割合の水酸化アルカリを溶解
させた水溶液を滴下して、蛋白質またはアミノ酸の表面
を被覆する上記脂肪酸と水酸化アルカリとを反応させ
て、脂肪酸アルカリ塩を生成する。
【0023】つぎに、この脂肪酸アルカリ塩の生成後、
第二段階の反応として、水100〜300重量部に前記
割合の金属塩化物を溶解させた水溶液を滴下し、上記の
脂肪酸アルカリ塩と金属塩化物とを反応させて、栄養価
が高くかつ第四胃での消化性および吸収性にすぐれる脂
肪酸金属塩に変換する。この第二段階および前記の第一
段階の反応での水の使用量は、各段階で少なすぎると、
反応が起こりにくく、また多すぎると、脂肪酸の被覆状
態が悪化するなどの不都合を生じやすいため、各段階で
上記した所定の範囲内で使用するのが望ましい。
【0024】さらに、上記の各反応において、あらかじ
め、脂肪酸中に前記割合の界面活性剤を混合しておく
か、あるいは水中、つまり金属化合物を分散させた水分
散液、水酸化アルカリを溶解させた水溶液、または金属
塩化物を溶解させた水溶液に前記割合の界面活性剤を混
合しておいてもよい。これによると、脂肪酸中での蛋白
質やアミノ酸の可溶化性、分散性が高められて、ル―メ
ンバイパス性、水に対する不溶性の付与に一段と好まし
い結果が得られる。
【0025】このように反応させたのち、固形状の反応
物をろ別し、これを熱風乾燥することにより、蛋白質ま
たはアミノ酸からなる親水性物質を内部に取り込んで、
外側を撥水性の脂肪酸金属塩が取り囲んだ構造の粉末状
の飼料組成物が得られる。この飼料組成物は、顆粒状と
することもでき、また少量の粘結剤を加えて圧縮し、ペ
レツト化して用いてもよい。いずれの形態でも、蛋白質
やアミノ酸のル―メンバイパス性にすぐれ、水に対する
溶出性の低いものとなる。
【0026】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重
量部を意味するものとする。
【0027】実施例1 表1に示す配合組成で、以下の操作により、本発明の試
料組成物を製造した。まず、パ―ム油脂肪酸100部
に、表1に示す所定量の蛋白質またはアミノ酸を加え、
よく攪拌して混合した。つぎに、この混合物を、水50
0部に表1に示す所定量の水酸化カルシウムを分散させ
た水分散液中に、攪拌下で滴下して、上記脂肪酸と水酸
化カルシウムとの反応を行わせた。1時間後に、固形分
をろ別し、80℃で3時間熱風乾燥して、試料1〜6の
飼料組成物を得た。
【0028】
【0029】実施例2 表2に示す配合組成で、以下の操作により、本発明の試
料組成物を製造した。まず、パ―ム油脂肪酸100部
に、表2に示す所定量の蛋白質またはアミノ酸を加え、
よく攪拌して混合した。つぎに、この混合物に、水30
0部に表2に示す所定量の水酸化アルカリを溶解させた
水溶液を滴下し、よく攪拌して、上記脂肪酸と水酸化ア
ルカリとの反応を行わせた。この反応後、さらに水20
0部に表2に示す所定量の金属塩化物を溶解させた水溶
液を滴下し、よく攪拌して、上記の反応物と金属塩化物
との反応を行わせた。1時間後に、固形分をろ別し、8
0℃で3時間熱風乾燥して、試料7〜12の飼料組成物
を得た。
【0030】
【0031】実施例3 表3に示す配合組成で、以下の操作により、本発明の試
料組成物を製造した。まず、パ―ム油脂肪酸100部
に、表3に示す所定量の界面活性剤を溶解または分散さ
せたのち、表3に示す蛋白質またはアミノ酸を加え、よ
く攪拌して混合した。つぎに、この混合物を、水500
部に表3に示す所定量の水酸化カルシウムを分散させた
水分散液中に、攪拌下で滴下して、上記脂肪酸と水酸化
カルシウムとの反応を行わせた。1時間後に、固形分を
ろ別し、80℃で3時間熱風乾燥して、試料13〜18
の飼料組成物を得た。
【0032】なお、表3中、界面活性剤として用いた
「グリセロ―ルモノSt」はグリセロ―ルモノステアレ
―ト、同「ソルビタンモノOl」はソルビタンモノオレ
―ト、同「POE(20モル)ソルビタンモノオレ―ト」
はポリオキシエチレン(20モル)ソルビタンモノオレ
―トで、いずれも日本油脂(株)の製品である。また、
「大豆レシチン」はツルレシチン工業(株)の製品、
「卵黄レシチン」は(株)キユ―ピ―の製品、「シユ―
クロ―スモノステアレ―ト」は第一工業製薬(株)の製
品である。
【0033】
【0034】比較例1 表4に示す配合組成で、以下の操作により、対照用の飼
料組成物を製造した。あらかじめ合成したパ―ム油脂肪
酸カルシウム100部と、表4に示す所定量の蛋白質ま
たはアミノ酸と、さらに粘結剤とを、ベンチニ―ダに仕
込み、最後に水50部を加えて、70℃に加温保持しな
がら1時間混練したのち、0.9mmの目開きのスクリ―
ンを有する押出機で押し出し、これを80℃で3時間乾
燥して、試料19〜24の飼料組成物とした。
【0035】なお、表4中、「パ―ム油脂肪酸Ca」は
パ―ム油脂肪酸カルシウムである。また、粘結剤として
用いた「PA−Na」はポリアクリル酸ナトリウム、同
「CMC」はカルボキシメチルセルロ―スである。
【0036】
【0037】上記の実施例1〜3で得られた試料1〜1
8、比較例1で得られた試料19〜24の各飼料組成物
について、下記の方法により、IN VITROにおける溶出性
試験を行つた。その結果は、表5に示されるとおりであ
つた。
【0038】<IN VITROにおける溶出性試験>各飼料組
成物について、まず、ケルダ―ル法により窒素含量
(A)を求めた。つぎに、各飼料組成物5gを蒸留水2
00mlに浸漬し、39℃で12時間振とうしたのち、
ろ布(300メツシユ)にてろ過し、ろ過残渣中に残存
する窒素含量(B)をケルダ―ル法により求めた。これ
らの窒素含量(A),(B)より、溶出率(%)=
〔(A−B)/A〕×100を、算出した。
【0039】
【0040】また、上記の実施例1〜3で得られた試料
1〜18、比較例1で得られた試料19〜24の各飼料
組成物につき、下記の方法により、フイステル牛でのル
―メンバイパス性試験を行つた。その結果は、表6に示
されるとおりであつた。
【0041】<フイステル牛でのル―メンバイパス性試
験>各飼料組成物について、まず、ケルダ―ル法により
窒素含量(A)を求めた。つぎに、前もつて体重の2重
量%に相当する市販飼料で予備飼育したフイステル装着
ホルスタイン種5頭それぞれに、各飼料組成物を各々5
gナイロンバツク(300メツシユ)に入れた。第一胃
内への浸漬12時間後に、ル―メンからナイロンバツク
を取り出し、残渣中の窒素含量(B)をケルダ―ル法に
より求めた。これらの窒素含量(A),(B)より、バ
イパス率(%)=(B/A)×100を、算出した。各
飼料組成物について、5頭を用いて、計5回の試験を行
い、その平均値を算出した。
【0042】
【0043】上記の表5および表6の結果から明らかな
ように、本発明の試料1〜18の各飼料組成物は、対照
用の試料19〜24の飼料組成物に比べて、水に対する
溶出率が非常に低く、しかもル―メンバイパス率が明ら
かに高くなつており、反芻動物に効率的な飼料組成物で
あることがわかる。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明は、脂肪酸と金属
化合物、あるいは脂肪酸と水酸化アルカリおよび金属塩
化物を出発原料として、これらを蛋白質やアミノ酸との
混合時に特定手法で反応させるようにしたことにより、
親水性である蛋白質やアミノ酸が内部に取り込まれ、外
側を撥水性の脂肪酸金属塩が保護物質として取り囲んだ
構造の飼料組成物で、蛋白質やアミノ酸のル―メンバイ
パス性にすぐれ、また水に対する溶出性の低い飼料組成
物を安定して製造することができる。
【0045】また、上記の出発原料は安価でかつ被覆操
作も簡便のため、上記良好な性能を有する飼料組成物を
経済的にかつ容易に製造できるという利点がある。さら
に、上記の出発原料から生成する保護物質としての脂肪
酸金属塩は、栄養価の高い素材であつて、かつ第四胃で
の消化性や吸収性にすぐれるため、良好なル―メンバイ
パス性と低溶出性と相まつて、各種の反芻動物や養殖魚
などに対して非常にすぐれた蛋白質飼料ないしアミノ酸
飼料を提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪酸100重量部に蛋白質またはアミ
    ノ酸1〜150重量部を加えて混合し、この混合物を、
    水300〜1,000重量部に金属化合物3〜60重量
    部を分散させた水分散液中に滴下して、反応させること
    を特徴とする飼料組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 脂肪酸100重量部に蛋白質またはアミ
    ノ酸1〜150重量部を加えて混合し、この混合物に、
    水100〜400重量部に水酸化アルカリ5〜40重量
    部を溶解させた水溶液を滴下して、反応させたのち、さ
    らに水100〜300重量部に5〜70重量部の金属塩
    化物を溶解させた水溶液を滴下して、反応させることを
    特徴とする飼料組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 脂肪酸または水に界面活性剤0.1〜1
    50重量部を加えてなる請求項1または2に記載の飼料
    組成物の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11196774A (ja) * 1998-01-20 1999-07-27 Shiraishi Calcium Kaisha Ltd ペレット状脂肪酸含有混合飼料造粒品及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11196774A (ja) * 1998-01-20 1999-07-27 Shiraishi Calcium Kaisha Ltd ペレット状脂肪酸含有混合飼料造粒品及びその製造方法

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