JPH1146021A - 熱伝導率異方性パッド及びそれを用いた熱電変換システム並びにペルチェ冷却システム - Google Patents
熱伝導率異方性パッド及びそれを用いた熱電変換システム並びにペルチェ冷却システムInfo
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- JPH1146021A JPH1146021A JP9199723A JP19972397A JPH1146021A JP H1146021 A JPH1146021 A JP H1146021A JP 9199723 A JP9199723 A JP 9199723A JP 19972397 A JP19972397 A JP 19972397A JP H1146021 A JPH1146021 A JP H1146021A
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Landscapes
- Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 一方向には金属並の高い熱伝導率を達成する
と共に、それと直交する他の方向へは樹脂やゴム並に熱
の伝わりが悪くなるようにし、尚かつ熱伝達部材や素子
などには大きな加圧力を加えずに密着可能とする。 【解決手段】 熱伝達部材と熱を利用して所定の機能を
実行したりあるいは発熱する素子や部品などとの間に挟
まれて熱を伝達するパッドにおいて、耐熱性高分子のマ
トリックス2中に熱伝導率の大きい材料のファイバー3
を充填し、かつファイバー3を熱を伝えたい方向に配向
するようにしている。
と共に、それと直交する他の方向へは樹脂やゴム並に熱
の伝わりが悪くなるようにし、尚かつ熱伝達部材や素子
などには大きな加圧力を加えずに密着可能とする。 【解決手段】 熱伝達部材と熱を利用して所定の機能を
実行したりあるいは発熱する素子や部品などとの間に挟
まれて熱を伝達するパッドにおいて、耐熱性高分子のマ
トリックス2中に熱伝導率の大きい材料のファイバー3
を充填し、かつファイバー3を熱を伝えたい方向に配向
するようにしている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱を利用して発電な
どの所定の機能を実行したり発熱する素子や部品等と熱
伝達部材との間に挟まれて熱を伝達するパッド及びそれ
を用いた熱電変換システム並びにペルチェ冷却システム
に関する。更に詳述すると、本発明は、熱伝導に方向性
を有し、熱電変換システム用の熱応力緩和パッドやペル
チェ冷却システム用の熱応力緩和パッド、発熱と振動を
伴う部品・機器などを制振・保持しかつ固定する架台側
に熱を効率的に伝達するためのパッド等として有用な熱
伝導率異方性パッド及びそれを用いた熱電変換システム
並びにペルチェ冷却システムに関する。
どの所定の機能を実行したり発熱する素子や部品等と熱
伝達部材との間に挟まれて熱を伝達するパッド及びそれ
を用いた熱電変換システム並びにペルチェ冷却システム
に関する。更に詳述すると、本発明は、熱伝導に方向性
を有し、熱電変換システム用の熱応力緩和パッドやペル
チェ冷却システム用の熱応力緩和パッド、発熱と振動を
伴う部品・機器などを制振・保持しかつ固定する架台側
に熱を効率的に伝達するためのパッド等として有用な熱
伝導率異方性パッド及びそれを用いた熱電変換システム
並びにペルチェ冷却システムに関する。
【0002】
【従来技術】熱伝導率異方性パッドは、一方向にのみ効
果的に熱を伝導し、これと直角方向への断熱を行う熱伝
導媒体であり、電力機器、自動車、鉄道、航空機及び一
般産業機器などの分野における熱源と受熱体の間に介在
させるパッドとして有用なものである。
果的に熱を伝導し、これと直角方向への断熱を行う熱伝
導媒体であり、電力機器、自動車、鉄道、航空機及び一
般産業機器などの分野における熱源と受熱体の間に介在
させるパッドとして有用なものである。
【0003】例えば、熱電変換システムにおいては熱電
変換素子と熱源たる加熱ダクト・冷却ダクトとの間での
熱応力緩和と伝熱を図るパッドが使用されている。即
ち、熱電変換素子から大きな出力を取り出すには、熱電
変換素子の両面にできるだけ大きい温度差を与える必要
がある。そのためには熱電変換素子を加熱ダクトおよび
冷却ダクトで挟み、伝導により熱を伝える方式(Conduc
tion Coupling)が効果的である。しかし熱電変換素子
は上下面の温度差により変形するため、本方式において
は熱を良く伝えると同時に熱応力の緩和を行う「熱応力
緩和パッド」を熱電変換素子と加熱ダクトおよび冷却ダ
クトの間にそれぞれ介在させて接合し、熱電変換素子の
破損を予防する必要がある。上記構造において接合を行
うのは接触抵抗を排除して、熱電変換素子本体に与える
有効温度差を大きくするためである。
変換素子と熱源たる加熱ダクト・冷却ダクトとの間での
熱応力緩和と伝熱を図るパッドが使用されている。即
ち、熱電変換素子から大きな出力を取り出すには、熱電
変換素子の両面にできるだけ大きい温度差を与える必要
がある。そのためには熱電変換素子を加熱ダクトおよび
冷却ダクトで挟み、伝導により熱を伝える方式(Conduc
tion Coupling)が効果的である。しかし熱電変換素子
は上下面の温度差により変形するため、本方式において
は熱を良く伝えると同時に熱応力の緩和を行う「熱応力
緩和パッド」を熱電変換素子と加熱ダクトおよび冷却ダ
クトの間にそれぞれ介在させて接合し、熱電変換素子の
破損を予防する必要がある。上記構造において接合を行
うのは接触抵抗を排除して、熱電変換素子本体に与える
有効温度差を大きくするためである。
【0004】従来の熱電変換素子用熱応力緩和パッドと
しては、米国の宇宙用原子炉SP−100用の熱電変換
素子用に開発されたものがある。これは1インチ角のニ
オブ(Nb)の板に直径数μmのNbのフィラメントを
1千万本程度植え付けたもので、非常に複雑な構造で、
製作性、寿命およびコストの点で問題があり、一般に普
及するには至っていないのが現状である。
しては、米国の宇宙用原子炉SP−100用の熱電変換
素子用に開発されたものがある。これは1インチ角のニ
オブ(Nb)の板に直径数μmのNbのフィラメントを
1千万本程度植え付けたもので、非常に複雑な構造で、
製作性、寿命およびコストの点で問題があり、一般に普
及するには至っていないのが現状である。
【0005】そこで、本発明者は、熱伝導率が大きく弾
性定数の小さい材料と電気絶縁材料とを接合せずに両者
の組成を徐々に変化させた傾斜機能材料を採用した熱応
力緩和パッドを提案した(特開平8−186295
号)。これはSP−100用と同等な性能を有するとと
もに、大量生産およびコスト低減が可能である。
性定数の小さい材料と電気絶縁材料とを接合せずに両者
の組成を徐々に変化させた傾斜機能材料を採用した熱応
力緩和パッドを提案した(特開平8−186295
号)。これはSP−100用と同等な性能を有するとと
もに、大量生産およびコスト低減が可能である。
【0006】しかしながら上述の2方式とも、熱応力緩
和パッドを熱電変換素子と加熱ダクトおよび冷却ダクト
の間にそれぞれ介在させて接合するため、高性能である
反面、熱電変換システムの組み立ておよび修理・交換が
面倒である欠点を有している。
和パッドを熱電変換素子と加熱ダクトおよび冷却ダクト
の間にそれぞれ介在させて接合するため、高性能である
反面、熱電変換システムの組み立ておよび修理・交換が
面倒である欠点を有している。
【0007】このため、余り温度の高くない熱源に適用
される熱電変換システムのように、性能よりも簡易さを
重視する場合には、以下の方法が従来採られている。
される熱電変換システムのように、性能よりも簡易さを
重視する場合には、以下の方法が従来採られている。
【0008】第1の方式は、セラミック板に挟まれて組
み立て済みの市販の熱電変換ユニット(熱電変換素子を
2枚のセラミック板の間に接合した構造を、本文では
「熱電変換ユニット」と呼ぶ)を加熱ダクトおよび冷却
ダクトの間に挟み、ダクトの上下から加圧する方法であ
る。
み立て済みの市販の熱電変換ユニット(熱電変換素子を
2枚のセラミック板の間に接合した構造を、本文では
「熱電変換ユニット」と呼ぶ)を加熱ダクトおよび冷却
ダクトの間に挟み、ダクトの上下から加圧する方法であ
る。
【0009】また、第2の方式は、熱電変換ユニットと
加熱ダクトおよび冷却ダクトとの間にゴムシートを介在
させ、ダクトの上下から加圧する方法である。
加熱ダクトおよび冷却ダクトとの間にゴムシートを介在
させ、ダクトの上下から加圧する方法である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら第1の方
式では、加圧力が弱いと接触抵抗が大きくなり、熱が伝
わり難くなるため、熱電変換素子に作用する温度差が低
減し出力が低下する。逆に加圧力を高めると、出力は上
がるが、熱電変換素子を破壊する恐れがある。このため
加圧力の調整が難しい。一方、接触抵抗を低減するに
は、接触面となるセラミック板および加熱・冷却ダクト
の平面度および表面粗さを高精度に仕上げ、接触面の密
着度を向上させる必要がある。しかし温度差を与えれ
ば、セラミック板および加熱・冷却ダクト自体が面外変
形するため、常に良好な密着をさせることは不可能であ
る。また起動・停止時には熱過渡に起因する熱応力の回
避のため加圧力を必ず暖める必要があり、実用性の点で
劣っていた。
式では、加圧力が弱いと接触抵抗が大きくなり、熱が伝
わり難くなるため、熱電変換素子に作用する温度差が低
減し出力が低下する。逆に加圧力を高めると、出力は上
がるが、熱電変換素子を破壊する恐れがある。このため
加圧力の調整が難しい。一方、接触抵抗を低減するに
は、接触面となるセラミック板および加熱・冷却ダクト
の平面度および表面粗さを高精度に仕上げ、接触面の密
着度を向上させる必要がある。しかし温度差を与えれ
ば、セラミック板および加熱・冷却ダクト自体が面外変
形するため、常に良好な密着をさせることは不可能であ
る。また起動・停止時には熱過渡に起因する熱応力の回
避のため加圧力を必ず暖める必要があり、実用性の点で
劣っていた。
【0011】また、第2の方式では柔軟なゴムシートが
熱応力を緩和するため、加圧力の調整は不要であるが、
ゴムの熱伝導率が悪いため、熱電変換素子に与えられる
温度差が著しく低減し出力が大幅に低下する欠点があ
る。
熱応力を緩和するため、加圧力の調整は不要であるが、
ゴムの熱伝導率が悪いため、熱電変換素子に与えられる
温度差が著しく低減し出力が大幅に低下する欠点があ
る。
【0012】したがって、性能よりも簡易さを重視する
熱電変換システムにおいては、接合や加圧力の調整など
が不要で、かつより大きな温度差を熱電変換素子に与え
られる熱応力緩和パッドが望まれる。
熱電変換システムにおいては、接合や加圧力の調整など
が不要で、かつより大きな温度差を熱電変換素子に与え
られる熱応力緩和パッドが望まれる。
【0013】また、ペルチェ冷却システムにおいても従
来技術とその問題点は上記と全く同様である。
来技術とその問題点は上記と全く同様である。
【0014】更に、振動をともなう部品・機器などを制
振・保持する場合には、ゴムや樹脂製のパッドを据え付
け面に介在させることが一般的だが、これらの材料は熱
伝導率が極めて小さいため、部品・機器が発熱を伴う場
合にはこれを熱的に孤立させることになり、冷却手段を
別途装備するなどの必要が生じる不都合が合った。この
ような状況で用いるパッドとしては、熱を部品・機器か
らその据え付け面に良好に伝達する特性が望まれる。
振・保持する場合には、ゴムや樹脂製のパッドを据え付
け面に介在させることが一般的だが、これらの材料は熱
伝導率が極めて小さいため、部品・機器が発熱を伴う場
合にはこれを熱的に孤立させることになり、冷却手段を
別途装備するなどの必要が生じる不都合が合った。この
ような状況で用いるパッドとしては、熱を部品・機器か
らその据え付け面に良好に伝達する特性が望まれる。
【0015】本発明は性能よりも簡易さを重視する環境
下における使用が好適な熱伝導率異方性パッド、即ち接
合や加圧力の調整などが不要でかつ熱が伝わり易い熱伝
導率異方性パッドを提供することを目的とする。より具
体的には、本発明の第1の目的は、一方向には金属並の
高い熱伝導率を達成すると共に直交する他の方向には樹
脂やゴム並に低い熱伝導率とし、側面方向への熱損失を
避ける熱伝導率異方性パッドを提供することにある。ま
た、本発明の第2の目的は、樹脂またはゴム本来の柔軟
性により、加熱および冷却ダクトの上下からの加圧力の
調整を不要とする熱伝導率異方性パッドを提供すること
にある。また、本発明の第3の目的は、熱伝達部材およ
び素子等との密着性を向上させ、これらとの間の接触抵
抗を低減させる熱伝導率異方性パッドを提供することに
ある。更に、本発明は、熱伝達部材および素子などの受
熱面の平面度および表面粗さに対する要求条件を緩和す
ることを第4の目的とする。更に、本発明は、熱伝導率
異方性パッドの製作が容易でコスト低減を可能とするこ
とを第5の目的とする。
下における使用が好適な熱伝導率異方性パッド、即ち接
合や加圧力の調整などが不要でかつ熱が伝わり易い熱伝
導率異方性パッドを提供することを目的とする。より具
体的には、本発明の第1の目的は、一方向には金属並の
高い熱伝導率を達成すると共に直交する他の方向には樹
脂やゴム並に低い熱伝導率とし、側面方向への熱損失を
避ける熱伝導率異方性パッドを提供することにある。ま
た、本発明の第2の目的は、樹脂またはゴム本来の柔軟
性により、加熱および冷却ダクトの上下からの加圧力の
調整を不要とする熱伝導率異方性パッドを提供すること
にある。また、本発明の第3の目的は、熱伝達部材およ
び素子等との密着性を向上させ、これらとの間の接触抵
抗を低減させる熱伝導率異方性パッドを提供することに
ある。更に、本発明は、熱伝達部材および素子などの受
熱面の平面度および表面粗さに対する要求条件を緩和す
ることを第4の目的とする。更に、本発明は、熱伝導率
異方性パッドの製作が容易でコスト低減を可能とするこ
とを第5の目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明の熱伝導率異方性パッドは、熱伝達部材と熱
を利用して所定の機能を実行したりあるいは発熱する素
子や部品との間に挟まれて熱を伝達するパッドにおい
て、耐熱性高分子のマトリックス中に熱伝導率の大きい
材料のファイバーを充填し、かつファイバーを熱を伝え
たい方向に配向するようにしている。
め、本発明の熱伝導率異方性パッドは、熱伝達部材と熱
を利用して所定の機能を実行したりあるいは発熱する素
子や部品との間に挟まれて熱を伝達するパッドにおい
て、耐熱性高分子のマトリックス中に熱伝導率の大きい
材料のファイバーを充填し、かつファイバーを熱を伝え
たい方向に配向するようにしている。
【0017】したがって、熱はファイバーが配向されて
いる方向にのみ伝わり、それと直交する方向には熱が伝
わり難い。同時に、耐熱性高分子から成るマトリックス
は樹脂またはゴム本来の柔軟性により熱応力の緩和が容
易であると共に、平面度や表面粗さにかかわらず、パッ
ドと熱伝達部材および素子や部品などの受熱面の密着性
が向上し、接触抵抗が低減する。
いる方向にのみ伝わり、それと直交する方向には熱が伝
わり難い。同時に、耐熱性高分子から成るマトリックス
は樹脂またはゴム本来の柔軟性により熱応力の緩和が容
易であると共に、平面度や表面粗さにかかわらず、パッ
ドと熱伝達部材および素子や部品などの受熱面の密着性
が向上し、接触抵抗が低減する。
【0018】また、請求項2記載の熱電変換システム
は、請求項1記載の熱伝導率異方性パッドを熱電変換ユ
ニットと加熱ダクト並びに冷却ダクトとの間に介在して
成る。この場合、熱伝導率異方性パッドと熱電変換ユニ
ット並びに加熱・冷却ダクトとの密着が強い加圧なしに
良好な接触状態を維持できるため、これらの間での接合
の必要がなく、発電システム全体の組み立ておよび熱電
変換ユニットの交換が容易となる。
は、請求項1記載の熱伝導率異方性パッドを熱電変換ユ
ニットと加熱ダクト並びに冷却ダクトとの間に介在して
成る。この場合、熱伝導率異方性パッドと熱電変換ユニ
ット並びに加熱・冷却ダクトとの密着が強い加圧なしに
良好な接触状態を維持できるため、これらの間での接合
の必要がなく、発電システム全体の組み立ておよび熱電
変換ユニットの交換が容易となる。
【0019】更に、本発明のペルチェ冷却システムは、
請求項1記載の熱伝導率異方性パッドをペルチェ冷却素
子と放熱板並びに冷却板との間に介在して成る。この場
合にも、熱伝導率異方性パッドとペルチェ素子並びに放
熱板・冷却板との密着が強い加圧なしに良好な接触状態
を維持できるため、これらの間での接合の必要がなく、
冷却システム全体の組み立ておよびペルチェ素子の交換
が容易となる。
請求項1記載の熱伝導率異方性パッドをペルチェ冷却素
子と放熱板並びに冷却板との間に介在して成る。この場
合にも、熱伝導率異方性パッドとペルチェ素子並びに放
熱板・冷却板との密着が強い加圧なしに良好な接触状態
を維持できるため、これらの間での接合の必要がなく、
冷却システム全体の組み立ておよびペルチェ素子の交換
が容易となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
一実施の形態に基づいて詳細に説明する。
一実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0021】図1に本発明の熱伝導率異方性パッドの一
実施形態を示す。この熱伝導率異方性パッド1は、耐熱
性高分子のマトリックス2中に熱伝導率の大きい材料の
ファイバー3を充填して成る。ファイバー3は、熱を伝
えたい方向に配向されて充填されている。
実施形態を示す。この熱伝導率異方性パッド1は、耐熱
性高分子のマトリックス2中に熱伝導率の大きい材料の
ファイバー3を充填して成る。ファイバー3は、熱を伝
えたい方向に配向されて充填されている。
【0022】ここで、ファイバー3の材質は高い熱伝導
率を有しているものであることが必要であるが、特定の
材質に限定されず、パッドの用途に応じて適宜決定すべ
きである。表1にファイバー3の選定の目安を示す。
率を有しているものであることが必要であるが、特定の
材質に限定されず、パッドの用途に応じて適宜決定すべ
きである。表1にファイバー3の選定の目安を示す。
【0023】
【表1】 例えば、熱電変換システムおよびペルチェ冷却システム
用の熱応力緩和パッドとして構成する場合には、限られ
た面積に大きな熱流束を与えることが重要である。この
観点では熱伝導率λの大きい材料を選定すべきである。
従ってコストを度外視できるならば銀が最適であり、コ
ストを考慮するならば銅が適切である。
用の熱応力緩和パッドとして構成する場合には、限られ
た面積に大きな熱流束を与えることが重要である。この
観点では熱伝導率λの大きい材料を選定すべきである。
従ってコストを度外視できるならば銀が最適であり、コ
ストを考慮するならば銅が適切である。
【0024】また、発熱と振動をともなう部品・機器な
どを制振・保持し、かつ熱を有効に除去するためのパッ
ドとしては、大きな熱流束を与えるとともにパッドの柔
軟性も重要である。従って熱伝導率λが大きいと同時に
弾性定数Eが小さいことすなわちλ/Eが大きいことが
望ましい。この観点ではコストを度外視できるならば銀
が最適であり、コストを考慮するならば銅およびアルミ
ニウムが適する。銅に比べアルミニウムのファイバーを
採用したパッドでは、単位面積当たりの熱流束が約半分
となるが、柔軟性は前者の約2倍となる。したがって熱
流束を重視する場合は銅のフィラメント、柔軟性を重視
する場合はアルミニウムのフィラメントを選定すること
が好ましい。
どを制振・保持し、かつ熱を有効に除去するためのパッ
ドとしては、大きな熱流束を与えるとともにパッドの柔
軟性も重要である。従って熱伝導率λが大きいと同時に
弾性定数Eが小さいことすなわちλ/Eが大きいことが
望ましい。この観点ではコストを度外視できるならば銀
が最適であり、コストを考慮するならば銅およびアルミ
ニウムが適する。銅に比べアルミニウムのファイバーを
採用したパッドでは、単位面積当たりの熱流束が約半分
となるが、柔軟性は前者の約2倍となる。したがって熱
流束を重視する場合は銅のフィラメント、柔軟性を重視
する場合はアルミニウムのフィラメントを選定すること
が好ましい。
【0025】また、航空・宇宙用など重量の制約が厳し
いシステムにおいて熱伝導媒体として本パッドを使用す
る場合には、熱伝導率λが大きいと同時に比重ρが小さ
いこと、すなわちλ/ρが大きいことが望ましい。この
観点ではベリリウムが最適である。ただしベリリウムは
切削や溶融時に人体に有害なため、製造工程では十分な
対策が必要であることから、次善の策としてはアルミニ
ウムが適する。
いシステムにおいて熱伝導媒体として本パッドを使用す
る場合には、熱伝導率λが大きいと同時に比重ρが小さ
いこと、すなわちλ/ρが大きいことが望ましい。この
観点ではベリリウムが最適である。ただしベリリウムは
切削や溶融時に人体に有害なため、製造工程では十分な
対策が必要であることから、次善の策としてはアルミニ
ウムが適する。
【0026】尚、ファイバー3は線径が細いほど軸方向
・垂直方向に圧縮した際の柔軟性が良好でかつマトリッ
クス2とのなじみも良いことから細径であることが好ま
しく、例えば直径数μm〜数10μmであることが好ま
しい。また、ファイバー3の長さはパッド厚さと等しい
ことが好ましい。しかしファイバー3の長さがパッド厚
さより短くても、ファイバー3がマトリックス2内部で
互いに接触していれば、1本のファイバー3がパッド1
の両端面に露出する場合よりは性能が劣るものの近似し
た性能は得られる。
・垂直方向に圧縮した際の柔軟性が良好でかつマトリッ
クス2とのなじみも良いことから細径であることが好ま
しく、例えば直径数μm〜数10μmであることが好ま
しい。また、ファイバー3の長さはパッド厚さと等しい
ことが好ましい。しかしファイバー3の長さがパッド厚
さより短くても、ファイバー3がマトリックス2内部で
互いに接触していれば、1本のファイバー3がパッド1
の両端面に露出する場合よりは性能が劣るものの近似し
た性能は得られる。
【0027】また、マトリックス材としては耐熱性高分
子が採用されている。この耐熱性高分子としては、一般
に耐熱性樹脂あるいは耐熱性ゴムと称されているものの
使用が好ましい。耐熱性高分子としては、例えばフッ素
ゴム、ポリテトラフルオロエチレン(商品名テフロ
ン)、フッ素系樹脂、パーフロロエラストマー、シリコ
ン系ゴム、アクリル系ゴムなどの使用が好ましい。
子が採用されている。この耐熱性高分子としては、一般
に耐熱性樹脂あるいは耐熱性ゴムと称されているものの
使用が好ましい。耐熱性高分子としては、例えばフッ素
ゴム、ポリテトラフルオロエチレン(商品名テフロ
ン)、フッ素系樹脂、パーフロロエラストマー、シリコ
ン系ゴム、アクリル系ゴムなどの使用が好ましい。
【0028】そして、このマトリックス2中へのファイ
バー3の充填率は、特に限定されるものではないが、全
体として弾力性を失わない範囲で尚かつ見かけの熱伝導
率を大幅に低下させない範囲とすることが要求され、例
えば約60%程度を上限として許容される熱伝導率の範
囲で決定される。ファイバー3の見かけの熱伝導率は充
填率に比例するため、充填率が低いと伝熱量も低減する
からである。
バー3の充填率は、特に限定されるものではないが、全
体として弾力性を失わない範囲で尚かつ見かけの熱伝導
率を大幅に低下させない範囲とすることが要求され、例
えば約60%程度を上限として許容される熱伝導率の範
囲で決定される。ファイバー3の見かけの熱伝導率は充
填率に比例するため、充填率が低いと伝熱量も低減する
からである。
【0029】パッド1の厚さは熱伝達部材(図示省略)
たる例えば加熱ダクトから冷却ダクトまでの温度差およ
び両ダクトの加圧力などを考慮して決定する。すなわち
大きな温度差で使用する熱電変換ユニットほど大きな熱
応力が発生するため、熱応力緩和パッドを厚くする必要
がある。通常は数mm程度である。
たる例えば加熱ダクトから冷却ダクトまでの温度差およ
び両ダクトの加圧力などを考慮して決定する。すなわち
大きな温度差で使用する熱電変換ユニットほど大きな熱
応力が発生するため、熱応力緩和パッドを厚くする必要
がある。通常は数mm程度である。
【0030】なお、上述の形態は本発明の好適な形態の
一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。例えば、負荷する温度差の小さい熱電変換システム
においては熱応力の発生も大きくないため、熱応力緩和
パッドを高温側または低温側のいずれか一方のみに設置
すればよい場合がある。
一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。例えば、負荷する温度差の小さい熱電変換システム
においては熱応力の発生も大きくないため、熱応力緩和
パッドを高温側または低温側のいずれか一方のみに設置
すればよい場合がある。
【0031】また、熱伝導率異方性パッドを熱電変換シ
ステムの熱応力緩和パッドとして利用し、このパッドを
熱電変換ユニットと加熱ダクト7並びに冷却ダクト8と
の間にそれぞれ介在して熱電変換ユニットを構成してな
ることもある。この場合には、熱電変換ユニットおよび
加熱・冷却ダクトと接合の必要がないため、発電システ
ム全体の組み立ておよび熱電変換ユニットの交換が容易
である。
ステムの熱応力緩和パッドとして利用し、このパッドを
熱電変換ユニットと加熱ダクト7並びに冷却ダクト8と
の間にそれぞれ介在して熱電変換ユニットを構成してな
ることもある。この場合には、熱電変換ユニットおよび
加熱・冷却ダクトと接合の必要がないため、発電システ
ム全体の組み立ておよび熱電変換ユニットの交換が容易
である。
【0032】更に、熱伝導率異方性パッドをペルチェ冷
却システムの熱応力緩和パッドとして利用し、この熱伝
導率異方性パッドをペルチェ冷却素子と放熱板並びに冷
却板との間に介在してペルチェ冷却システムを構成する
ことも好ましい。この場合には、ペルチェ冷却素子と放
熱板並びに冷却板との接合の必要がないため、冷却シス
テム全体の組み立ておよびペルチェ素子の交換が容易で
ある。 [実施例]図2に本発明の熱伝導率異方性パッド1を熱
電変換システムの熱応力緩和パッドに適用した一例を示
す。本実施例のパッド1では、ファイバー3として銅、
マトリックス2としてシリコンゴムを採用している。
却システムの熱応力緩和パッドとして利用し、この熱伝
導率異方性パッドをペルチェ冷却素子と放熱板並びに冷
却板との間に介在してペルチェ冷却システムを構成する
ことも好ましい。この場合には、ペルチェ冷却素子と放
熱板並びに冷却板との接合の必要がないため、冷却シス
テム全体の組み立ておよびペルチェ素子の交換が容易で
ある。 [実施例]図2に本発明の熱伝導率異方性パッド1を熱
電変換システムの熱応力緩和パッドに適用した一例を示
す。本実施例のパッド1では、ファイバー3として銅、
マトリックス2としてシリコンゴムを採用している。
【0033】熱応力緩和パッド1の平面寸法は適用する
熱電変換ユニット4の寸法に応じて決定される。一般に
市販されているBiTe系の熱電変換ユニット4は、各
種の寸法のものがあるが、大きなものでも一辺5cm程
度の正方形である。したがってこれよりも大きい熱応力
緩和パッドが製作可能ならば、1枚の熱応力緩和パッド
1上に多数の熱電変換ユニット4を並べることも可能で
ある。
熱電変換ユニット4の寸法に応じて決定される。一般に
市販されているBiTe系の熱電変換ユニット4は、各
種の寸法のものがあるが、大きなものでも一辺5cm程
度の正方形である。したがってこれよりも大きい熱応力
緩和パッドが製作可能ならば、1枚の熱応力緩和パッド
1上に多数の熱電変換ユニット4を並べることも可能で
ある。
【0034】熱応力緩和パッド1の厚さは加熱ダクト7
から冷却ダクト8までの温度差および両ダクト7,8の
加圧力などを考慮して決定される。即ち大きな温度差で
使用する熱電変換ユニット4ほど大きな熱応力が発生す
るため、熱応力緩和パッド1を厚くする必要がある。通
常は数mm程度である。
から冷却ダクト8までの温度差および両ダクト7,8の
加圧力などを考慮して決定される。即ち大きな温度差で
使用する熱電変換ユニット4ほど大きな熱応力が発生す
るため、熱応力緩和パッド1を厚くする必要がある。通
常は数mm程度である。
【0035】また、ファイバー3は直径数μm〜数10
μmの銅から成る。ファイバー3は熱応力緩和パッド1
の厚さと等しくパッド1の両面に露出している。銅は熱
伝導率が非常に高く(400W/mK)、ファイバーの
方向への良好な熱伝導が期待できる。例えば、ファイバ
ーの充填率を50%と仮定すると、ファイバー方向の見
かけの熱伝導率は200W/mKとなる。これは銅板の
約半分程度、アルミニウム板と同程度、鉄板の4倍程度
となり、良好な熱伝導特性が得られる。一方、ファイバ
ーと直角方向の熱伝導率は耐熱性樹脂やシリコンゴムの
2倍程度、銅板の約1/1000程度となる。これは繊
維方向の見かけの熱伝導率に比べ約1/500であり、
良好な断熱特性が得られる。したがって熱応力緩和パッ
ド1の面方向への熱損失を防ぐ上で効果的である。また
数μm〜数10μmの細い銅ファイバーは軸方向・パッド
厚み方向にも柔軟であり、マトリックス2のシリコンゴ
ムとの馴染みもよいので、ゴム並の柔軟性および密着性
が得られる。このため、小さな加圧力でも接触熱抵抗を
低減でき、加熱ダクト7および冷却ダクト8の上下から
の加圧力を調整する必要がない。しかも、小さな加圧力
で運転できるため、熱電変換ユニット4の長寿命化が達
成できる。更に、各ダクト7,8および熱電変換ユニッ
ト4の受熱面となるセラミックス5の平面度および表面
粗さに対する要求条件が緩和される。
μmの銅から成る。ファイバー3は熱応力緩和パッド1
の厚さと等しくパッド1の両面に露出している。銅は熱
伝導率が非常に高く(400W/mK)、ファイバーの
方向への良好な熱伝導が期待できる。例えば、ファイバ
ーの充填率を50%と仮定すると、ファイバー方向の見
かけの熱伝導率は200W/mKとなる。これは銅板の
約半分程度、アルミニウム板と同程度、鉄板の4倍程度
となり、良好な熱伝導特性が得られる。一方、ファイバ
ーと直角方向の熱伝導率は耐熱性樹脂やシリコンゴムの
2倍程度、銅板の約1/1000程度となる。これは繊
維方向の見かけの熱伝導率に比べ約1/500であり、
良好な断熱特性が得られる。したがって熱応力緩和パッ
ド1の面方向への熱損失を防ぐ上で効果的である。また
数μm〜数10μmの細い銅ファイバーは軸方向・パッド
厚み方向にも柔軟であり、マトリックス2のシリコンゴ
ムとの馴染みもよいので、ゴム並の柔軟性および密着性
が得られる。このため、小さな加圧力でも接触熱抵抗を
低減でき、加熱ダクト7および冷却ダクト8の上下から
の加圧力を調整する必要がない。しかも、小さな加圧力
で運転できるため、熱電変換ユニット4の長寿命化が達
成できる。更に、各ダクト7,8および熱電変換ユニッ
ト4の受熱面となるセラミックス5の平面度および表面
粗さに対する要求条件が緩和される。
【0036】以上のように構成された熱応力緩和パッド
1はファイバー3をパッド厚み方向即ち熱を伝えたい方
向に配向させてマトリックス2中に充填し固めるだけな
ので、製作が容易であると共にコストの低減も可能とな
る。しかも、この熱応力緩和パッド1は熱電変換ユニッ
ト4および加熱ダクト7、冷却ダクト8と接合の必要が
ないため、発電システム全体の組み立ておよび熱電変換
ユニット4の交換が容易である。 [温度および加圧力の条件]図2に本発明の熱応力緩和
パッド1を採用して1kg/cm2(0.1MPa)で加圧し
たときの熱伝導状態を示す。図中には実験および計算に
より推定した温度分布も示す。この例では、市販のBi
Te系熱電変換ユニット4の上下に本発明の熱応力緩和
パッド(厚さはいずれも3mm)1,1を置き、さらに
加熱ダクト7および冷却ダクト8の間に挟み、ダクト
7,8の上下から1kg/cm2(0.1MPa)の圧力で加
圧している。本発明の熱応力緩和パッド1は柔軟性およ
び密着性が良好なため余り大きな加圧力を必要としな
い。過大な加圧力を与えると却ってパッド1を破損させ
ることになる。本構成においては、上下2枚の熱応力緩
和パッド1の両面、すなわち合計4個所に接触熱抵抗が
存在するが、上記の加圧力における接触熱抵抗の合計
は、加熱ダクト7から冷却ダクト8までの全熱抵抗の2
0%程度である。この構成では加熱ダクト7から冷却ダ
クト8までの全温度差の約72%を熱電変換素子6に与
えることができる。
1はファイバー3をパッド厚み方向即ち熱を伝えたい方
向に配向させてマトリックス2中に充填し固めるだけな
ので、製作が容易であると共にコストの低減も可能とな
る。しかも、この熱応力緩和パッド1は熱電変換ユニッ
ト4および加熱ダクト7、冷却ダクト8と接合の必要が
ないため、発電システム全体の組み立ておよび熱電変換
ユニット4の交換が容易である。 [温度および加圧力の条件]図2に本発明の熱応力緩和
パッド1を採用して1kg/cm2(0.1MPa)で加圧し
たときの熱伝導状態を示す。図中には実験および計算に
より推定した温度分布も示す。この例では、市販のBi
Te系熱電変換ユニット4の上下に本発明の熱応力緩和
パッド(厚さはいずれも3mm)1,1を置き、さらに
加熱ダクト7および冷却ダクト8の間に挟み、ダクト
7,8の上下から1kg/cm2(0.1MPa)の圧力で加
圧している。本発明の熱応力緩和パッド1は柔軟性およ
び密着性が良好なため余り大きな加圧力を必要としな
い。過大な加圧力を与えると却ってパッド1を破損させ
ることになる。本構成においては、上下2枚の熱応力緩
和パッド1の両面、すなわち合計4個所に接触熱抵抗が
存在するが、上記の加圧力における接触熱抵抗の合計
は、加熱ダクト7から冷却ダクト8までの全熱抵抗の2
0%程度である。この構成では加熱ダクト7から冷却ダ
クト8までの全温度差の約72%を熱電変換素子6に与
えることができる。
【0037】他方、図3は市販の熱電変換ユニット4の
セラミックス(電気絶縁板)5に加熱ダクト7と冷却ダ
クト8とを直接に接触させて1kg/cm2(0.1MPa)
で加圧したときの熱伝導状態を示す。加圧力が小さいた
め接触熱抵抗が大きく、熱電変換素子6の温度差は全温
度差の約48%となり、出力が小さい。
セラミックス(電気絶縁板)5に加熱ダクト7と冷却ダ
クト8とを直接に接触させて1kg/cm2(0.1MPa)
で加圧したときの熱伝導状態を示す。加圧力が小さいた
め接触熱抵抗が大きく、熱電変換素子6の温度差は全温
度差の約48%となり、出力が小さい。
【0038】図4は、市販の熱電変換ユニット4のセラ
ミックス5に加熱ダクト7と冷却ダクト8とを直接に接
触させて10kg/cm2(1MPa)で加圧したときの熱伝
導状態を示す。加圧力が大きいため接触熱抵抗が大小さ
く、出力が向上するが、熱電変換ユニット4の寿命が短
い。また、起動・停止毎に加圧力を調整する必要があり
実用性がない。なおこの場合、これ以上加圧力を増加さ
せても接触熱抵抗は減少しないと考えられている。
ミックス5に加熱ダクト7と冷却ダクト8とを直接に接
触させて10kg/cm2(1MPa)で加圧したときの熱伝
導状態を示す。加圧力が大きいため接触熱抵抗が大小さ
く、出力が向上するが、熱電変換ユニット4の寿命が短
い。また、起動・停止毎に加圧力を調整する必要があり
実用性がない。なおこの場合、これ以上加圧力を増加さ
せても接触熱抵抗は減少しないと考えられている。
【0039】本発明のパッドと比較パッドとの性能等の
比較結果を表2に示す。ここで、表中の(a)は図3に
示す従来型で市販の熱電変換ユニットを0.1MPaで
加圧したとき、(b)は図4に示す従来型で市販の熱電
変換ユニットを1MPaで加圧したとき、(c)は図2
に示す本発明の実施例である。そして、表中の記号
「○」は優れていることを、「△」は劣っていること
を、「×」は不可を示している。
比較結果を表2に示す。ここで、表中の(a)は図3に
示す従来型で市販の熱電変換ユニットを0.1MPaで
加圧したとき、(b)は図4に示す従来型で市販の熱電
変換ユニットを1MPaで加圧したとき、(c)は図2
に示す本発明の実施例である。そして、表中の記号
「○」は優れていることを、「△」は劣っていること
を、「×」は不可を示している。
【0040】
【表2】 以上の比較から明らかなように、本発明の熱伝導率異方
性パッド1がダクト(熱伝達部材)7,8と熱電交換ユ
ニット4との間で熱を伝達しつつ熱応力を緩和するのに
優れていることが理解できる。
性パッド1がダクト(熱伝達部材)7,8と熱電交換ユ
ニット4との間で熱を伝達しつつ熱応力を緩和するのに
優れていることが理解できる。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の熱伝導率異方性パッドは、耐熱性高分子のマトリック
ス中に熱伝導率の大きい材料のファイバーを充填し、か
つファイバーを熱を流したい方向に配向するようにして
いるので、ファイバー配向方向への熱導伝率は良好であ
りながらファイバー配向方向と直交方向には良好な断熱
特性が得られる。しかも、ゴム並の柔軟性および密着性
が得られるため、小さな加圧力でも接触熱抵抗を低減で
きると共にパッドを素子や熱伝達部材と共に挟みつける
加圧力を調整する必要もない。そして、小さな加圧力で
運転できるため、パッドが押しつけられる素子や部品例
えば熱電変換ユニットの長寿命化が達成できる。また、
パッドがそれ自体の弾力性によって素子や熱伝達部材に
対して密着するため、熱伝達部材や素子等のパッドと接
する面の平面度および表面粗さに対する要求条件が緩和
される。更に、製作が容易で、コスト低減が可能とな
る。
の熱伝導率異方性パッドは、耐熱性高分子のマトリック
ス中に熱伝導率の大きい材料のファイバーを充填し、か
つファイバーを熱を流したい方向に配向するようにして
いるので、ファイバー配向方向への熱導伝率は良好であ
りながらファイバー配向方向と直交方向には良好な断熱
特性が得られる。しかも、ゴム並の柔軟性および密着性
が得られるため、小さな加圧力でも接触熱抵抗を低減で
きると共にパッドを素子や熱伝達部材と共に挟みつける
加圧力を調整する必要もない。そして、小さな加圧力で
運転できるため、パッドが押しつけられる素子や部品例
えば熱電変換ユニットの長寿命化が達成できる。また、
パッドがそれ自体の弾力性によって素子や熱伝達部材に
対して密着するため、熱伝達部材や素子等のパッドと接
する面の平面度および表面粗さに対する要求条件が緩和
される。更に、製作が容易で、コスト低減が可能とな
る。
【0042】更に、請求項1記載の熱伝導率異方性パッ
ドを熱電変換ユニットの熱応力緩和パッドとして利用す
る場合には、熱電変換ユニットおよび加熱・冷却ダクト
と接合の必要がないため、発電装置全体の組み立ておよ
び熱電変換ユニットの交換が容易である。
ドを熱電変換ユニットの熱応力緩和パッドとして利用す
る場合には、熱電変換ユニットおよび加熱・冷却ダクト
と接合の必要がないため、発電装置全体の組み立ておよ
び熱電変換ユニットの交換が容易である。
【0043】更に、請求項1記載の熱伝導率異方性パッ
ドをペルチェ冷却システムの熱応力緩和パッドとして利
用する場合には、ペルチェ冷却素子と放熱板並びに冷却
板との接合の必要がないため、冷却システム全体の組み
立ておよびペルチェ素子の交換が容易である。
ドをペルチェ冷却システムの熱応力緩和パッドとして利
用する場合には、ペルチェ冷却素子と放熱板並びに冷却
板との接合の必要がないため、冷却システム全体の組み
立ておよびペルチェ素子の交換が容易である。
【図1】熱伝導率異方性パッドの一実施形態を示す概略
図で、(A)は平面図、(B)は縦断面図である。
図で、(A)は平面図、(B)は縦断面図である。
【図2】本発明の熱伝導率異方性パッドを市販の熱電変
換ユニットのセラミックスと加熱ダクト並びに冷却ダク
トとの間に介在させて1kg/cm2 (0.1MPa)で加
圧したときの熱伝導状態を示す概念図である。
換ユニットのセラミックスと加熱ダクト並びに冷却ダク
トとの間に介在させて1kg/cm2 (0.1MPa)で加
圧したときの熱伝導状態を示す概念図である。
【図3】市販の熱電変換ユニットのセラミックス(電気
絶縁板)に加熱ダクトと冷却ダクトとを直接に接触させ
て1kg/cm2 (0.1MPa)で加圧したときの熱伝導
状態を示す概念図である。
絶縁板)に加熱ダクトと冷却ダクトとを直接に接触させ
て1kg/cm2 (0.1MPa)で加圧したときの熱伝導
状態を示す概念図である。
【図4】市販の熱電変換ユニットのセラミックスに加熱
ダクトと冷却ダクトとを直接に接触させて10kg/cm
2(1MPa)で加圧したときの熱伝導状態を示す概念
図である。
ダクトと冷却ダクトとを直接に接触させて10kg/cm
2(1MPa)で加圧したときの熱伝導状態を示す概念
図である。
1 熱伝導率異方性パッド 2 マトリックス 3 ファイバー 4 熱電変換ユニット(熱を利用して発電する素子を含
む) 5 セラミックス 6 熱電交換素子 7 加熱ダクト(熱伝達部材) 8 冷却ダクト(熱伝達部材)
む) 5 セラミックス 6 熱電交換素子 7 加熱ダクト(熱伝達部材) 8 冷却ダクト(熱伝達部材)
Claims (3)
- 【請求項1】 熱を利用して所定の機能を実行したりあ
るいは発熱する素子や部品と熱伝達部材との間に挟まれ
て熱を伝達するパッドにおいて、耐熱性高分子のマトリ
ックス中に熱伝導率の大きい材料のファイバーを充填
し、かつ前記ファイバーを熱を伝えたい方向に配向した
ことを特徴とする熱伝導率異方性パッド。 - 【請求項2】 請求項1記載の熱伝導率異方性パッドを
熱電変換ユニットと加熱ダクト並びに冷却ダクトとの間
に介在していることを特徴とする熱電変換システム。 - 【請求項3】 請求項1記載の熱伝導率異方性パッドを
ペルチェ冷却素子と放熱板並びに冷却板との間に介在し
ていることを特徴とするペルチェ冷却システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9199723A JPH1146021A (ja) | 1997-07-25 | 1997-07-25 | 熱伝導率異方性パッド及びそれを用いた熱電変換システム並びにペルチェ冷却システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9199723A JPH1146021A (ja) | 1997-07-25 | 1997-07-25 | 熱伝導率異方性パッド及びそれを用いた熱電変換システム並びにペルチェ冷却システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1146021A true JPH1146021A (ja) | 1999-02-16 |
Family
ID=16412550
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9199723A Pending JPH1146021A (ja) | 1997-07-25 | 1997-07-25 | 熱伝導率異方性パッド及びそれを用いた熱電変換システム並びにペルチェ冷却システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1146021A (ja) |
Cited By (17)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003110069A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-04-11 | Kyocera Chemical Corp | 熱伝導シートおよびそれを用いた複合部材 |
JP2006335958A (ja) * | 2005-06-03 | 2006-12-14 | Polymatech Co Ltd | 熱伝導性成形体、並びにその製造方法及び取付け方法 |
US7291381B2 (en) | 2002-04-10 | 2007-11-06 | Polymatech Co., Ltd. | Thermally conductive formed article and method of manufacturing the same |
JP2007326976A (ja) * | 2006-06-08 | 2007-12-20 | Polymatech Co Ltd | 熱伝導性成形体及びその製造方法 |
WO2009018559A3 (en) * | 2007-08-02 | 2009-05-14 | Baker Hughes Inc | Downhole applications of composites having aligned nanotubes for heat transport |
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