JPH1144968A - 非磁性一成分トナー、画像形成方法および画像出力装置 - Google Patents

非磁性一成分トナー、画像形成方法および画像出力装置

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JPH1144968A
JPH1144968A JP20054997A JP20054997A JPH1144968A JP H1144968 A JPH1144968 A JP H1144968A JP 20054997 A JP20054997 A JP 20054997A JP 20054997 A JP20054997 A JP 20054997A JP H1144968 A JPH1144968 A JP H1144968A
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JP
Japan
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toner
specific surface
hydrophobic silica
polyester resin
surface area
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Withdrawn
Application number
JP20054997A
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English (en)
Inventor
Yoshihito Suwa
義仁 諏訪
Kazuhiro Sato
和弘 佐藤
Yuichi Moriya
祐一 守屋
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Tomoegawa Co Ltd
Original Assignee
Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着画像の光沢性(平滑性)が高く、ブレー
ド等へのトナー融着が生じにくく、画質劣化が少ない画
像を形成する。 【解決手段】 ポリエステル樹脂を含有するトナー粒子
からなる。ポリエステル樹脂は、ビスフェノールAのエ
チレンオキサイド付加物及びビスフェノールAのプロピ
レンオキサイド付加物を用いて合成されている。ポリエ
ステル樹脂の重量平均分子量(Mw)/数平均粒子径
(Mn)は8以下でかつMwは6000〜15000で
ある。トナー粒子の表面には、比表面積が互いに異なる
2種類の疎水性シリカが付着している。比表面積はそれ
ぞれ20〜50m2/gおよび170〜230m2/gで
ある。比表面積の小さい疎水性シリカの付着量は、比表
面積の大きな疎水性シリカの付着量より多い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性一成分現像
方式を採用した複写機又はプリンタなどの画像出力装置
に用いられる非磁性一成分トナー、それを用いた画像出
力装置および画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真の乾式現像法としては、トナー
およびキャリアを含有する二成分系現像剤を用いる二成
分現像方式と、キャリアを用いずにトナーのみから主構
成される一成分系現像剤を用いる一成分現像方式とに大
別されるが、一成分系現像方式は現像器が小型化及び低
価格化でき、メンテナンスフリー化も容易という利点を
有する。また、一成分現像方式は、磁性トナーを用いる
方式と、非磁性トナーを用いる方式とに分けられるが、
非磁性トナーを用いる方式は、カラー印刷が可能である
という利点を有する。このため最近では、非磁性一成分
現像方式を用いた複写機及びプリンタが普及し、印刷速
度の向上も著しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の非
磁性一成分現像方式では、現像ロールに金属または樹脂
等からなるブレードを圧接させることにより、現像ロー
ルへのトナー層の付着厚さを制御しつつ同時にトナーを
帯電させる。このため、繰り返し使用するうちに現像ロ
ールやブレードにトナーが融着しやすく、これにより現
像ロール上でのトナー層厚や帯電量が不均一となって、
画像にカブリや濃度ムラが発生しやすい問題を有してい
る。この問題は特に、印刷速度を高めるために現像ロー
ルの回転速度を高めると顕著になる。
【0004】前記トナー融着を防止するための改善策と
しては、トナー粒子に含まれる結着樹脂のガラス転移点
(Tg)を高め、結着樹脂の分子量を大きくすることが
従来より行われてきた。しかし、このような方法では、
必然的にトナーの定着性が悪化するばかりか、フルカラ
ートナーの場合には定着画像に平滑性および光沢が得ら
れず、透明フィルム(OHPフィルム)に印刷した場合
の光透過性が悪化するなどの弊害が生じていた。
【0005】一方、トナー粒子の流動性および帯電能力
を向上する手法として、トナー粒子に外添剤を付着させ
ることが従来より行われている。しかし、外添剤を付着
させたトナーを非磁性一成分現像方式で使用した場合、
トナー粒子がブレードおよび現像ロールにより摩擦され
るため、トナー粒子表面に付着していた外添剤がトナー
粒子内に埋め込まれてしまい、外添剤の流動性向上効果
が薄れるだけでなく、印刷後の画像が劣化しやすく、画
像の耐久性が低下するという問題があった。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、定着画像の光沢性(平滑性)が高いにもかかわら
ず、中速印刷領域においてもブレード等への融着が生じ
にくく、さらに画質劣化が少ない画像を形成できる非磁
性一成分トナーおよび画像出力装置を提供することを課
題としている。
【0007】なお、特開平8−15890号公報には、
一成分トナーの外添剤として、小粒径外添剤と、大粒径
外添剤とを共にトナー表面に付着させることが提案され
ているが、これは残像現象の発生を防止することを課題
としている点で、本発明と異なっている。また、特開平
6−95429号公報、および特開平7−295293
号公報には、帯電ブレードや現像ロール等へのトナー融
着を防止する目的で、非磁性一成分トナーの組成を調整
する提案がなされているが、本発明のトナーとは構成お
よび効果を異にしている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明に係る非磁性一成分トナーは、ポリエステル
樹脂を含有するトナー粒子を有する非磁性一成分トナー
であって、前記ポリエステル樹脂は、ビスフェノールA
のエチレンオキサイド付加物及びビスフェノールAのプ
ロピレンオキサイド付加物を用いて合成されたものであ
り、前記ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)/
数平均粒子径(Mn)は8以下でかつ前記重量平均分子
量(Mw)は6000〜15000であり、前記トナー
粒子の表面には、比表面積が互いに異なる2種類の疎水
性シリカが付着しており、前記2種類の疎水性シリカの
比表面積はそれぞれ20〜50m2 /gおよび170〜
230m2 /gであり、前記比表面積の小さい疎水性シ
リカの付着量は、前記比表面積の大きな疎水性シリカの
付着量より多いことを特徴としている。
【0009】また、本発明に係る画像出力装置は、感光
体と、この感光体にトナーを供給するための現像ロール
と、この現像ロールにトナーが接触する状態でトナーを
保持するトナー保持部と、前記現像ロールに当接される
ことにより現像ロールに付着するトナー層の厚さを規定
するためのトナー層厚規制部材とを具備する画像出力装
置であって、トナーとして前述した非磁性一成分トナー
を使用したことを特徴とする。
【0010】さらに、本発明に係る画像形成方法は、回
転する現像ロールの外周面に層厚規制部材を押し当てな
がらトナーを供給することにより、前記現像ロールへ一
定層厚のトナーを付着させる工程と、現像ロールへ付着
したトナーを、静電潜像が形成された感光体に転写する
工程と、感光体に付着したトナーを被印刷物に転写する
工程とを具備する画像形成方法であって、トナーとして
前記非磁性一成分トナーを使用することを特徴としてい
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明に係る非磁性一成分トナーは、フェライト等
の磁性体粒子を有意量としては含まない単一種のトナー
粒子から主構成され、これらトナー粒子は、必須成分と
して結着樹脂、着色剤、および帯電制御剤を含み、必要
に応じて、ポリプロピレンやポリエチレン等のオフセッ
ト防止剤、流動性改善用滑剤等を含む。トナー粒子の平
均粒径は、必ずしも限定はされないが、一般には5〜3
0μmとされ、通常は溶融混練粉砕法や重合法等により
製造される。
【0012】本発明の非磁性一成分トナーの第一の特徴
は、前記結着樹脂としてポリエステル樹脂を主成分とす
る樹脂を用い、前記ポリエステル樹脂は、ビスフェノー
ルAのエチレンオキサイド付加物、及びビスフェノール
Aのプロピレンオキサイド付加物を、ポリエステル原料
中のジオール成分として用いて合成されている点にあ
る。
【0013】同時に、前記ポリエステル樹脂は、(a)
芳香族ジカルボン酸を主組成物として含むジカルボン酸
成分と、(b)芳香族ジオールおよび脂肪族ジオールを
含むジオール成分と、(c)3価以上の多価カルボン酸
および/または3価以上の多価アルコールとから合成さ
れたものであることが好ましい。以下、これらを個別に
説明する。
【0014】(a)ジカルボン酸成分の主組成物である
芳香族ジカルボン酸は、ポリエステル樹脂のガラス転移
温度を上げ、トナーの耐ブロッキング性の向上に寄与す
るうえ、それ自体が疎水性を有するためトナーの耐湿性
を向上する効果を奏する。ポリエステル樹脂原料中にお
ける芳香族ジカルボン酸の含有量は、全酸成分に対して
50モル%以上が好ましく、60モル%以上であるとさ
らに好ましい。芳香族ジカルボン酸の含有量が50モル
%未満であると、ガラス転移温度が下がりすぎ、トナー
の耐ブロッキング性が悪化するとともに、モノマーが有
する耐湿性向上効果も十分に発揮されなくなるという問
題を生じるからである。
【0015】具体的な芳香族ジカルボン酸としては、テ
レフタル酸およびイソフタル酸等の芳香族ジカルボン
酸、並びに、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステ
ルが例示できる。前記低級アルキルエステルとしては、
ジメチルテレフタル酸、ジメチルイソフタル酸、ジエチ
ルテレフタル酸、ジエチルイソフタル酸、ジブチルテレ
フタル酸、ジブチルイソフタル酸等が例示できる。
【0016】前記芳香族ジカルボン酸またはその低級ア
ルキルエステルは、単独で使用してもよいし、2種以上
を組み合わせて使用してもよい。ただし、コストが安く
取り扱いが容易である点からは、テレフタル酸、イソフ
タル酸、あるいはこれらの低級アルキルエステルが好適
である。テレフタル酸系の芳香族ジカルボン酸は、結着
樹脂のガラス転移温度を向上する効果があり、イソフタ
ル酸系のものは反応性を高める効果があるから、目的に
よってその濃度バランスを変えて用いることが好まし
い。
【0017】必要に応じては、ジカルボン酸成分とし
て、芳香族ジカルボン酸と他種のジカルボン酸を併用し
てもよい。前記他種のジカルボン酸としては、フタル
酸、セバシン酸、イソデシル琥珀酸、フマル酸、アジピ
ン酸;それらのモノメチル、モノエチル、ジメチル、ジ
エチルエステル等;並びに、これら列記した全ての物質
の酸無水物等が例示できる。これら他種のジカルボン酸
の組成および組成比は、トナーの定着性や耐ブロッキン
グ性に大きく影響を与えるので、これらの特性を考慮し
て決定すべきである。ポリエステル樹脂原料中における
前記他種のジカルボン酸の含有量は、全酸成分に対して
30モル%以下であることが好ましい。30モル%を越
えると、ガラス転移温度が下がり、耐ブロッキング性が
悪化するという問題を生じるからである。
【0018】(b)ジオール成分中の芳香族ジオール
は、ポリエステル樹脂のガラス転移温度を上げ、トナー
の耐ブロッキング性を良好にするとともに、樹脂の反応
性を制御するための成分である。この芳香族ジオールに
は、ベタ画像の追従性を良好にして融着発生を抑制する
ために、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物
及びビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の
両者が含まれていなければならない。
【0019】前記ビスフェノールAのエチレンオキサイ
ド付加物としては、ポリオキシエチレン−(2,0)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシエチレン−(2,3)−2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−
(2,8)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシエチレン−( 3,0 )− 2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が例示
できる。
【0020】前記ビスフェノールAのプロピレンオキサ
イド付加物としては、ポリオキシプロピレン−(2,
0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ポリオキシプロピレン−(2,3)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロ
ピレン−(2,8)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(3,0)
−2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が
例示できる。なお、これらの芳香族ジオールは、単独で
使用されてもよいし、2種以上を組み合わせて使用され
てもよい。
【0021】上述した芳香族ジオールの中でも、ポリオ
キシプロピレン(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン(2,1<n<2,5)、ポリオキ
シエチレン−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン(2,0<n<3,0)が特に好まし
い。これは、樹脂のガラス転移温度を上げ、耐ブロッキ
ング性を良好にするとともに、樹脂の反応性を制御する
ことが容易であるという理由による。
【0022】なお、芳香族ジオールは、高温で熱分解を
起こしやすいため、高い反応性を必要とするジカルボン
酸と併用する場合には、原料中の含有量が全酸成分に対
して40〜120モル%であることが必要で、より好ま
しくは45〜100モル%にされる。芳香族ジオールが
40モル%未満であると、ポリエステル樹脂のガラス転
移温度が低下し、トナーの耐ブロッキング性が低下す
る。他方、芳香族ジオールが120モル%を超えると、
反応性が著しく低下し、目的の重合度まで進行しなくな
るからである。
【0023】一方、ジオール成分中の脂肪族ジオール
は、樹脂の縮重合反応速度を向上する作用を果たす。こ
の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、プロピレングリコール、ブタンジ
オール、ポリエチレングリコール等が例示でき、これら
は単独または2種以上を組み合わせて使用できる。これ
らの中でも、トナーとしての定着性が良好である点か
ら、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブ
タンジオールが特に好ましい。
【0024】脂肪族ジオールは、全酸成分に対して10
〜105モル%の範囲で使用されることが好ましく、さ
らに好ましくは15〜100モル%の範囲にされる。脂
肪族ジオールが10モル%未満では、反応性が著しく低
下し、目的の重合度まで反応が進行せず、他方、105
モル%を越えるとポリエステル樹脂のガラス転移温度や
樹脂強度の低下を招くため、トナーの耐ブロッキング性
が低下する。
【0025】(c)3価以上の多価カルボン酸、および
/または3価以上の多価アルコールは、ポリエステル樹
脂の分子量、分子量分布、及び溶融粘度のバランスを良
好とし、トナー画像の歪みが発生することを抑制すると
ともに、ポリエステル樹脂の樹脂強度を高くしてトナー
の画像安定性を向上させる作用を果たす。
【0026】3価以上の多価カルボン酸としては、トリ
メリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−シクロヘキ
サントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカル
ボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,
2,5−へキサントリカルボン酸、1,2,7,8−オ
クタンテトラカルボン酸およびこれらの酸無水物等が例
示できる。
【0027】3価以上の多価アルコールとしては、ソル
ビトール、1,2,3,6−へキサンテトラロール、
1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,
4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオー
ル、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2
−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−ト
リヒドロキシメチルベンゼン等が例示できる。
【0028】これらの多価カルボン酸あるいは多価アル
コールは、単独または2種以上を組み合わせて使用する
ことができる。上述した中でも、トリメリット酸および
その酸無水物、ペンタエリスリトール、トリメチロール
プロパンを用いると、樹脂の分子量、分子量分布及び溶
解粘度のバランスが良好になり、樹脂強度が高まるた
め、特に好ましい。
【0029】前記多価カルボン酸および/または多価ア
ルコールは、全酸成分に対してその総量が1〜30モル
%となる範囲で使用され、好ましくは2〜28モル%の
範囲とされる。前記多価カルボン酸および多価アルコー
ルの総量が1モル%未満であると、ポリエステル樹脂の
樹脂強度が低下し、トナーの画像安定性が損なわれる一
方、30モル%を越えるとポリエステル樹脂の溶融粘度
が高くなり、トナーの定着性や発色性が低下するからで
ある。
【0030】ポリエステル樹脂の原料として、さらにモ
ノカルボン酸を使用してもよい。モノカルボン酸を使用
すると、架橋成分を比較的多量に含むポリエステル樹脂
でのゲル化点近傍での反応を抑制し、ポリエステル樹脂
の溶融粘度、軟化温度、分子量等の物性を、所望の範囲
に容易にコントールすることができる。具体的なモノカ
ルボン酸としては、安息香酸、ナフタレカルボン酸、ク
ロロ安息香酸、プロモ安息香酸、パラヒドロキシ安息香
酸、メチル安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、酢酸、
プロピオン酸、酪酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン
酸等が例示できる。
【0031】前記モノカルボン酸は、全酸成分に対して
20モル%以下の範囲で使用することが好ましく、さら
に好ましくは18モル%以下の範囲にされる。モノカル
ボン酸が20モル%を越えると、樹脂の反応性が低下
し、目的の重合度まで反応が進行しなくなる傾向が生じ
るからである。
【0032】本発明の他の特徴は、ポリエステル樹脂の
重量平均分子量(Mw)/数平均粒子径(Mn)が8以
下であることにある。Mw/Mn値が8を越えると、光
沢がでにくく、光透過性が悪くて本発明のトナーをフル
カラートナーとして用いた場合に発色性が悪くなりやす
いからである。より好ましいMw/Mn値は2〜8であ
る。
【0033】本発明のさらに他の特徴は、ポリエステル
樹脂の重量平均分子量(Mw)が6000〜15000
である点にある。ポリエステル樹脂のMwが6000未
満であると、トナー層厚規制部材(ブレード)にトナー
が融着しやすく、プリント画像に筋状の画像の乱れが発
生しやすく、他方、15000を越えると、光沢がでに
くく、光透過性が悪くて本発明のトナーをフルカラート
ナーとして用いた場合に発色性が悪くなりやすいからで
ある。より好ましいポリエステル樹脂の重量平均分子量
(Mw)は8000〜12000である。
【0034】さらに、ポリエステル樹脂の酸価は、8〜
20mgKOH/gの範囲であることが好ましい。8m
gKOH/g未満又は20mgKOH/gを越えると、
トナーに所望の摩擦帯電量を発生させにくく、多数枚プ
リントするうちに摩擦帯電量が不安定になり画像濃度の
低下等の問題が生じる場合があるからである。より好ま
しいポリエステル樹脂の酸価は10〜15mgKOH/
gである。
【0035】本発明において特に好ましいポリエステル
樹脂は、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、
ジオール成分としてエチレングリコール、ビスフェノー
ルAのエチレンオキサイド付加物、並びにビスフェノー
ルAのプロピレンオキサイド付加物を用いて合成された
樹脂である。このような構成からなるポリエステル樹脂
は、トナー層厚規制部材(ブレード)にいっそうトナー
が融着しにくく、耐久性がさらに向上し、多数枚のプリ
ントが容易であるであることが本発明者らの実験により
判明している。
【0036】本発明の非磁性一成分トナーのさらに他の
特徴は、トナー粒子の表面に、比表面積が大小異なる二
種類の疎水性シリカ(粒子)が付着している点にある。
疎水性シリカ粒子とはその表面に何らかの撥水処理が施
されたシリカ粒子を意味し、撥水処理としては、シラン
系カップリング剤、シリコーンオイル、その他の高分子
化合物等をシリカ粒子に塗布または付着させることによ
る表面処理が例示できる。比表面積が小さい疎水性シリ
カは、トナー層厚規制部材(例えばブレード)にトナー
が融着するのを防ぐ効果を奏し、比表面積が大きい疎水
性シリカは、トナーの流動性を高める効果を奏する。
【0037】比表面積が小さい方の疎水性シリカの比表
面積は20〜50m2 /gとされ、より好ましくは20
〜30m2 /gであり、比表面積が大きい方の疎水性シ
リカの比表面積は170〜230m2 /gとされ、より
好ましくは200〜220m 2 /gである。比表面積が
小さい方の疎水性シリカの比表面積が20〜50m2
gである場合にも、比表面積が大きい方の疎水性シリカ
の比表面積が170m 2 /g未満であると、トナーに流
動性向上を付与する効果が不足するため、ベタ画像を多
数プリントした場合、ベタ画像にムラが生じる。一方、
230m2 /gを越えた場合は、トナー粒子の表面に比
表面積が大きい方の疎水性シリカが埋没してしまいトナ
ーに流動性向上を付与する効果が低下する。
【0038】比表面積が大きい方の疎水性シリカの比表
面積が170〜230m2 /gであっても、比表面積が
小さい方の疎水性シリカの比表面積が20m2 /g未満
ではトナー層厚規制部材にトナーが融着しやすく、プリ
ント画像にスジ状の画像のみだれが発生する。一方、比
表面積が小さい方の疎水性シリカの比表面積が50m 2
/gを越えた場合は、比表面積が小さい方の疎水性シリ
カによってトナー粒子表面を保護する効果が乏しくな
り、トナー粒子表面に疎水性シリカが埋没してしまい、
トナー層厚規制部材にトナーが融着し耐久性がなくな
る。
【0039】トナー粒子表面に対する2種類の疎水性シ
リカの付着量は、比表面積の小さい疎水性シリカが大き
な疎水性シリカよりも多く付着していなければならな
い。比表面積の大きな疎水性シリカが比表面積の小さい
疎水性シリカよりも多い場合には、比表面積の小さい疎
水性シリカによるトナー融着防止効果が阻害され、少な
いプリント枚数でトナーがトナー層厚規制部材に融着し
耐久性に乏しくなるという問題を生じる。さらに好まし
くは、トナー粒子100重量部に対して比表面積の小さ
い疎水性シリカの付着量は1〜3重量部、比表面積が大
きな疎水性シリカの付着量は0.5〜1.5重量部とさ
れる。
【0040】なお、本明細書でいう疎水性シリカの比表
面積は、BET法で測定された比表面積を意味し、その
値は市販の高精度自動ガス吸着装置(日本ベル社製商品
名「BELSORP28」)等により測定することがで
きる。この種の測定器は、吸着ガスとして不活性ガス、
特に窒素ガスを用いて、疎水性シリカ粒子の表面に単分
子層を形成するのに必要なガス吸着量Vm(cc/g)
を測定し、次式によりBET比表面積S(m2 /g)を
求める。 S=4.35・Vm(m2 /g)
【0041】トナー粒子への付着前の状態において、比
表面積が小さい疎水性シリカの嵩密度は150〜220
g/l、比表面積が大きい疎水性シリカの嵩密度は60
〜100g/lであることが好ましい。比表面積が20
〜50m2 /g の疎水性シリカの嵩密度が150〜2
20g/lであると疎水性シリカの粒度分布が広くブロ
ードであってトナー層厚規制部材にトナーが融着するこ
とを防止する効果が増大する。また、比表面積が170
〜230m2 /g の疎水性シリカの嵩密度が60〜1
00g/lであると、疎水性シリカの粒度分布が狭くて
シャープでありトナー粒子に対する流動性付与効果が増
大する。疎水性シリカの嵩密度は、JIS K−510
1に基づいて測定した値である。
【0042】シリカ粒子の撥水処理に用いるシラン系カ
ップリング剤としては、ジメチルジクロルシラン、トリ
メチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリル
フェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラ
ン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、P−クロルフ
ェニルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリア
セトキシシラン、ジビニルクロルシラン、ヘキサメチレ
ンジシラザン等が挙げられる。
【0043】比表面積が小さい疎水性シリカの具体例と
しては、日本アエロジル社製の商品名「RX50」が例
示でき、比表面積が大きい疎水性シリカの具体例として
はヘキストインダストリー社製の商品名「H3004」
が例示できる。
【0044】疎水性シリカをトナー粒子に付着させる方
法としては、タービン型攪拌機、ヘンシェルミキサー、
スーパーミキサー等の一般的な攪拌機を用いる方法、あ
るいは表面改質機と呼ばれる装置(奈良機械製作所社製
の「ナラ・ハイブリダイゼーション・システム」、ホソ
カワミクロン社製の「オングミル」等)を用いる方法が
ある。また、トナー粒子表面上の疎水性シリカは、トナ
ー粒子に対してまぶしと呼ばれる弱い付着状態で付着さ
れていてもよいし、疎水性シリカがトナー粒子の表面に
その一部が埋め込まれた状態で固定されていてもよい。
【0045】本発明のトナー粒子に含まれる結着樹脂に
は、主成分である前記ポリエステル樹脂以外に、必要に
応じて副成分として、スチレン、α−メチルスチレン、
クロルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸オクチル、アクリル酸アルキルエステル
等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸アルキルエ
ステル等のメタクリル酸エステル類;アクリロニトリ
ル、マレイン酸、マレイン酸エステル、メタクリル酸メ
チル、アクリル酸メチル、塩化ビニル、酢酸ビニル、安
息香酸ビニル、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケ
トン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、
ビニルイソブチルエーテル等のビニル単量体等を単独重
合したもの又は共重合したスチレン系樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等が混合され
ていてもよい。
【0046】トナー粒子に含まれる着色剤としては、カ
ーボンブラック、アニリンブルー、カルコオイルブル
ー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポン
オイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロ
ライド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオ
キサレート、ランプブラック、ローズベンガルおよびこ
れらの2種以上の混合物などが例示できるが、これらに
限定はされない。前記着色剤は、十分な濃度の可視像を
形成するために必要十分な割合で含有されることが必要
であり、一般には、結着樹脂100重量部に対して1〜
20重量部程度の割合であることが好ましい。
【0047】さらに、トナー粒子に含まれる帯電制御剤
としては、含金アゾ染料、サリチル酸化合物、ニグロシ
ン染料、第4級アンモニウム塩等が例示できる。帯電制
御剤のトナー中における含有量は限定されないが、一般
には、1〜5重量%程度であることが好ましい。
【0048】次に、本発明に係る画像出力装置の一実施
形態を説明する。図1は、本発明に係る接触型非磁性一
成分現像方式の画像出力装置(現像装置)の概略図であ
り、この装置は、前述した非磁性一成分トナーを使用し
ている。
【0049】図中符号1は、図示しない駆動機構により
回転される円筒状の感光体ドラムであり、その表面は、
セレンや有機光半導体(OPC)等の光伝導物質により
形成されている。図示していないが、感光体ドラム1に
隣接して周知の潜像形成機構が設けられ、電子写真法に
より、感光体ドラム1の表面に静電潜像が形成されるよ
うになっている。また、感光体ドラム1に隣接して、感
光体ドラム1へトナーを供給するための現像ロール5が
配置され、図示しない駆動機構により回転されるように
なっている。なお、図1ではドラム状の感光体1を使用
しているが、本発明ではベルト状の感光体を使用するこ
とも可能である。
【0050】現像ロール5は、内部の弾性ロールと、こ
の弾性ロールの外周面に形成されたトナー担持層とから
なる2層構造をなし、前記トナー担持層は、感光体ドラ
ム1の表面に対し、好ましくは1〜5mmのニップ幅を
以て接触している。トナー担持層はバイアス電圧が印加
できるように導電性材料で形成されているか、もしくは
導電性層を有することが好ましい。
【0051】前記トナー担持層は、適度の弾性を備えた
薄い樹脂層であり、例えば、含フッ素樹脂、シリコーン
系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂な
ど、膜形成性を有する樹脂から形成されている。トナー
担持層の厚さは、一般には10〜200μmが好まし
い。一方、前記弾性ロールを構成する弾性材料として
は、シリコーンゴム等の各種ゴム、スポンジゴム、ウレ
タンフォーム等が使用され、これらには導電性粉末が含
有されていてもよい。弾性ロールの表面には、導電性塗
料が塗布されていてもよい。
【0052】現像ロール5は箱状のホッパー2の開口部
に取り付けられ、ホッパー2内には前述した本発明の非
磁性一成分トナー3が収容され、このトナー3が現像ロ
ール5の外周面に接触している。ホッパー2内にはま
た、トナー3を攪拌しつつ現像ロール5側へ送るための
4枚のアジテータ(撹拌羽根)7と、トナー3を現像ロ
ール5へ供給するためのトナー補給ローラ6とがそれぞ
れ設けられている。
【0053】ホッパー2の端部には、ドクターブレード
4aが固定部材4bを介して固定され、このドクターブ
レード4aの先端は現像ロール5の外周面に一定圧力で
押しつけられている。これにより、現像ロール5が図示
しない駆動機構により回転されると、非磁性一成分トナ
ー3はドクターブレード4aによって摩擦され帯電する
とともに、トナー3はドクターブレード4aと現像ロー
ル5とのわずかな隙間を通って、現像ロール5の表面上
に一定の層厚になるように塗布される。なお、本発明で
は、トナー層厚規制部材4aとして、ドクターブレード
の代わりにロール等を使用してもよいし、他の形式のブ
レードを使用することも可能である。また、本発明は前
記摩擦帯電方法に限定されず、トナー層厚規制部材4a
を直流または交流電源に接続し、現像ロール5のトナー
担持層とトナー層厚規制部材4aとの間に電界が発生す
るようにしてもよい。
【0054】現像ロール5に塗布された非磁性一成分ト
ナー3は、現像ロール5の回転に伴い、予め静電潜像が
形成された感光体ドラム1と接触し、静電潜像の顕像化
が行われる。さらに、感光体ドラム1の外周に付着した
トナー3は、感光体ドラム1の回転に伴い紙やOHPシ
ート等の被印刷体に転写され、さらに焼き付け機構等に
より必要なトナー定着処理が施される。
【0055】一方、図2は本発明に係る画像出力装置の
変形例を示している。この装置はホッパー2の容量が小
さいタイプのもので、ホッパー2内にはアジテータ7が
1基のみ設けられている。また、トナー補給ローラの代
わりにブレード6Bが設けられている。他の構成は図1
の装置と同様である。
【0056】以上の構成からなる非磁性一成分トナー、
画像出力装置、および画像形成方法によれば、トナーの
定着性が優れるため、定着後の画像の光沢性(平滑性)
が高い。このように光沢性に優れながら、比較的印刷速
度の速い中速印刷速度領域においても、ブレード4a等
への融着が生じにくい。さらに、トナー粒子に付着して
いる外添剤としての疎水性シリカが、トナー粒子に埋め
込まれることが少ないので、定着後の画質劣化が少ない
という効果を奏する。
【0057】
【実施例】本発明の効果を実証するため、以下の実施例
1〜5、および比較例1〜8の非磁性一成分トナーをそ
れぞれ製造し、性能を比較した。
【0058】[実施例1]下記の原料(A)〜(C)を
スーパーミキサーで混合し、エクストルーダーで溶融混
練し、ジェットミル粉砕機で微粉砕し、さらに風力分級
機で分級を行い、体積平均粒子径が7.2μmのトナー
粒子を得た。
【0059】 (A)ポリエステル樹脂:83重量% ポリエステル樹脂の原料組成: ・テレフタル酸(全酸成分に対して68.4モル%) ・イソフタル酸(全酸成分に対して30.5モル%) ・ポリオキシエチレン−(2,0) −2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン (全酸成分に対して56.0モル%) ・ポリオキシプロピレン−(2,3) −2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン (全酸成分に対して34.0モル%) ・エチレングリコール(全酸成分に対して34.0モル%) ・トリメリット酸 (全酸成分に対して1.1モル%) ポリエステル樹脂物性:Mw/Mn=2.5 Mw=8500 酸価=8.5
【0060】(B)顔料分散樹脂:15重量% 樹脂成分:上記ポリエステル樹脂 顔料成分:ヘキストインダストリー社製Toner M
agenta 6B 顔料成分の含有率:30重量% (C)帯電制御剤(サリチル酸化合物):2重量%
【0061】次に、トナー粒子100重量部に対し、 ・疎水性シリカA(日本アエロジル社製商品名「RX5
0」、比表面積20m2 /g、嵩密度220g/l):
1.5重量部 ・疎水性シリカB(ヘキストインダストリー社製商品名
「H3004」、比表面積230m2 /g、嵩密度60
g/l):0.5重量部 を添加し、ヘンシェルミキサーを使用して2分間撹拌混
合し、トナー粒子表面に疎水性シリカ粒子を付着させ、
本発明に係る負帯電性の非磁性一成分トナーを得た。
【0062】[実施例2]実施例1の組成のうち、疎水
性シリカAの量を3.0重量部に変更し、疎水性シリカ
Bの量を1.0重量部に変更した点以外は、実施例1と
同様の組成及び条件で、本発明に係る負帯電性の非磁性
一成分トナーを得た。
【0063】[実施例3]実施例1の組成のうち、疎水
性シリカAの代わりに疎水性シリカC(比表面積50m
2 /g、嵩密度150g/l):1.5重量部を使用
し、疎水性シリカBの代わりに疎水性シリカD(比表面
積170m2 /g、嵩密度100g/l):0.5重量
部を使用した点以外は、実施例1と同様の組成及び条件
で、本発明に係る負帯電性の非磁性一成分トナーを得
た。
【0064】[実施例4]実施例1の組成のうち、ポリ
エステル樹脂を下記の組成からなるものに代えた点以外
は、実施例1と同様の組成及び条件で、本発明に係る負
帯電性の非磁性一成分トナーを得た。 (A−1)ポリエステル樹脂 ・テレフタル酸(全酸成分に対して97.0モル%) ・ポリオキシエチレン−(2,0) −2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン (全酸成分に対して10.5モル%) ・ポリオキシプロピレン−(2,3) −2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン (全酸成分に対して56.5モル%) ・エチレングリコール(全酸成分に対して33.0モル%) ・トリメリット酸(全酸成分に対して3.0モル%) ポリエステル樹脂物性:Mw/Mn=3.0 Mw=11000 酸価=10.5
【0065】[実施例5]実施例4の組成のうち、疎水
性シリカAの量を3.0重量部に変更し、疎水性シリカ
Bの量を1.0重量部に変更した点以外は、実施例4と
同様の組成及び条件で、本発明に係る負帯電性の非磁性
一成分トナーを得た。
【0066】[比較例1]実施例1の組成のうち、疎水
性シリカAの量を0.5重量部に変更した点以外は、実
施例1と同様の組成及び条件で、本発明の範囲から外れ
た負帯電性の非磁性一成分トナーを得た。
【0067】[比較例2]実施例1の組成のうち、疎水
性シリカAの代わりに疎水性シリカC(比表面積80m
2 /g、嵩密度140g/l):1.5重量部を使用
し、疎水性シリカBの代わりに疎水性シリカE(比表面
積140m2 /g、嵩密度110g/l):0.5重量
部を使用した点以外は、実施例1と同様の組成及び条件
で、本発明の範囲から外れた負帯電性の非磁性一成分ト
ナーを得た。
【0068】[比較例3]実施例1の組成のうち、ポリ
エステル樹脂を下記のものに代えた点以外は、実施例1
と同様の組成及び条件で、本発明の範囲から外れた負帯
電性の非磁性一成分トナーを得た。 (A−2)ポリエステル樹脂 ・テレフタル酸(全酸成分に対して68.4モル%) ・イソフタル酸(全酸成分に対して30.5モル%) ・ポリオキシプロピレン−(2,3) −2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン (全酸成分に対して50.2モル%) ・エチレングリコール(全酸成分に対して49.8モル%) ・トリメリット酸(全酸成分に対して1.1モル%) ポリエステル樹脂物性:Mw/Mn=3.1 Mw=12000 酸価=3.2
【0069】[比較例4]実施例1の組成のうち、ポリ
エステル樹脂を下記のものに代えた点以外は、実施例1
と同様の組成及び条件で、本発明の範囲から外れた負帯
電性の非磁性一成分トナーを得た。 (A−3)ポリエステル樹脂 ・テレフタル酸(全酸成分に対して53.3モル%) ・イソフタル酸(全酸成分に対して21.6モル%) ・ポリオキシエチレン−(2,0) −2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン (全酸成分に対して20.2モル%) ・ポリオキシプロピレン−(2,3) −2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン (全酸成分に対して99.8モル%) ・エチレングリコール(全酸成分に対して17.2モル%) ・トリメリット酸(全酸成分に対して25.1モル%) ポリエステル樹脂物性:Mw/Mn=10 Mw=35000 酸価=14
【0070】[比較例5]実施例1の組成のうち、ポリ
エステル樹脂を下記のものに代えた点以外は、実施例1
と同様の組成及び条件で、本発明の範囲から外れた負帯
電性の非磁性一成分トナーを得た。 (A−4)ポリエステル樹脂 ・テレフタル酸(全酸成分に対して67.8モル%) ・イソフタル酸(全酸成分に対して30.7モル%) ・ポリオキシプロピレン−(2,3) −2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン (全酸成分に対して47.5モル%) ・エチレングリコール(全酸成分に対して50.5モル%) ・トリメリット酸 (全酸成分に対して1.5モル%) ポリエステル樹脂物性:Mw/Mn=3.1 Mw=9500 酸価=8
【0071】[比較例6]比較例4の組成のうち、疎水
性シリカAの量を3.0重量部に変更し、疎水性シリカ
Bの量を1.0重量部に変更した点以外は、比較例4と
同様の組成及び条件で、本発明の範囲から外れた負帯電
性の非磁性一成分トナーを得た。
【0072】[比較例7]実施例1の組成のうち、ポリ
エステル樹脂を下記のものに代えた点以外は実施例1と
同様の組成及び条件で、本発明の範囲から外れた負帯電
性の非磁性一成分トナーを得た。 (A−5)ポリエステル樹脂 ・テレフタル酸(全酸成分に対して53.3モル%) ・イソフタル酸(全酸成分に対して21.6モル%) ・ポリオキシエチレン−(2,0) −2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン (全酸成分に対して20.2モル%) ・ポリオキシプロピレン−(2,3) −2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン (全酸成分に対して99.8モル%) ・エチレングリコール(全酸成分に対して17.2モル%) ・トリメリット酸(全酸成分に対して25.1モル%) ポリエステル樹脂物性:Mw/Mn=12 Mw=15000 酸価=16
【0073】[比較例8]実施例1の組成のうち、ポリ
エステル樹脂を下記のものに代えた点以外は実施例1と
同様の組成及び条件で、本発明の範囲から外れた負帯電
性の非磁性一成分トナーを得た。 (A−6)ポリエステル樹脂 ・テレフタル酸(全酸成分に対して68.4モル%) ・イソフタル酸(全酸成分に対して30.5モル%) ・ポリオキシエチレン−(2,0) −2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン (全酸成分に対して56.0モル%) ・ポリオキシプロピレン−(2,3) −2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン (全酸成分に対して34.0モル%) ・エチレングリコール(全酸成分に対して34.0モル%) ・トリメリット酸(全酸成分に対して1.1モル%) ポリエステル樹脂物性:Mw/Mn=2.1 Mw=5000 酸価=12
【0074】次に、得られた各非磁性一成分トナーを、
図1の構成を有するソニーテクトロニクス社製のプリン
ター「Phaser540」のホッパー2に入れた後、
透明なOHPフィルム(Xerox社製)にベタ画像を
印字し、光透過性について評価した。評価は、ベタ画像
が定着されたOHPフィルムを光学顕微鏡で200倍に
拡大して目視し、次の基準により行った。 ○:トナー粒子の形状が確認されない。 △:トナー粒子の形状が部分的に確認される。 ×:ベタ画像全体にトナー粒子の形状がはっきり確認さ
れる。 なお、「ベタ画像」とは全面現像(印字)を意味する。
【0075】次に、各非磁性一成分トナーおよび前記プ
リンターを用いて、ベタ画像を連続的に3000枚の白
紙に印刷し、3000枚目に印字されたベタ画像の画像
濃度を、マクベス反射濃度計「RD−914」で測定
し、ベタ画像の追従性を次の基準で評価した。 ○・・・ベタ画像にムラが全くない。 ×・・・ベタ画像にムラが発生し、画像濃度が低下した
部分がある。
【0076】次に、前記プリンターの現像器に各非磁性
一成分トナーを入れ、35℃、85%RHの環境下に
て、スリーブ回転数300rpmの条件で空撹拌を行
い、スリーブ面に非磁性一成分トナーが帯電ブレードに
融着することにより発生する縦スジが現れるまでの時間
を計測した。なお、融着発生時間が10時間未満である
とプリンターに用いるトナーカートリッジ中のトナーを
使いきらないうちに帯電ブレードにトナー融着が発生
し、そのトナーカートリッジを廃棄処分しなければなら
なくなる。したがって、融着発生時間は10時間以上で
あることが実用上必要である。各試験における結果を表
1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る非磁
性一成分トナー、画像出力装置、および画像形成方法に
よれば、定着画像の光透過性、光沢性及び平滑性が優れ
ているにもかかわらず、長期に亘って帯電ブレードにト
ナーが融着しにくく、しかも安定した画質の画像を多数
枚得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像出力装置の一実施形態を示
す断面図である。
【図2】 画像出力装置の他の実施形態を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2 ホッパー 3 非磁性一成分トナー 4a ドクターブレード(トナー層厚規制部材) 4b 固定部材 5 現像ロール 6 トナー補給ローラ 6B ブレード 7 アジテータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル樹脂を含有するトナー粒子
    を有する非磁性一成分トナーであって、前記ポリエステ
    ル樹脂は、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
    物及びビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物
    を用いて合成されたものであり、前記ポリエステル樹脂
    の重量平均分子量(Mw)/数平均粒子径(Mn)は8
    以下でかつ前記重量平均分子量(Mw)は6000〜1
    5000であり、前記トナー粒子の表面には、比表面積
    が互いに異なる2種類の疎水性シリカが付着しており、
    前記2種類の疎水性シリカの比表面積はそれぞれ20〜
    50m2 /gおよび170〜230m2 /gであり、前
    記比表面積の小さい疎水性シリカの付着量は、前記比表
    面積の大きな疎水性シリカの付着量より多いことを特徴
    とする非磁性一成分トナー。
  2. 【請求項2】 現像ロールにトナー層厚規制部材を圧接
    することによりトナー層の厚みを規定する現像部を有
    し、かつ、前記現像ロールと感光体ドラムとが接触して
    いる形式の画像出力装置用であることを特徴とする請求
    項1記載の非磁性一成分トナー。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステル樹脂の酸価は8〜20
    mgKOH/gであることを特徴とする請求項1または
    2記載の非磁性一成分トナー。
  4. 【請求項4】 前記比表面積が相対的に小さい疎水性シ
    リカの嵩密度は150〜220g/l、前記比表面積が
    相対的に大きい疎水性シリカの嵩密度は60〜100g
    /lであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の非磁性一成分トナー。
  5. 【請求項5】 感光体と、この感光体にトナーを供給す
    るための現像ロールと、この現像ロールにトナーが接触
    する状態でトナーを保持するトナー保持部と、前記現像
    ロールに当接されることにより現像ロールに付着するト
    ナー層の厚さを規定するためのトナー層厚規制部材とを
    具備する画像出力装置であって、前記トナーは、ポリエ
    ステル樹脂を含有するトナー粒子を有する非磁性一成分
    トナーであって、前記ポリエステル樹脂は、ビスフェノ
    ールAのエチレンオキサイド付加物及びビスフェノール
    Aのプロピレンオキサイド付加物を用いて合成されたも
    のであり、前記ポリエステル樹脂の重量平均分子量(M
    w)/数平均粒子径(Mn)は8以下でかつ前記重量平
    均分子量(Mw)は6000〜15000であり、前記
    トナー粒子の表面には、比表面積が互いに異なる2種類
    の疎水性シリカが付着しており、前記2種類の疎水性シ
    リカの比表面積はそれぞれ20〜50m2/gおよび1
    70〜230m2 /gであり、前記比表面積の小さい疎
    水性シリカの付着量は、前記比表面積の大きな疎水性シ
    リカの付着量より多いことを特徴とする画像出力装置。
  6. 【請求項6】 回転する現像ロールの外周面に層厚規制
    部材を押し当てながらトナーを供給することにより、前
    記現像ロールへ一定層厚のトナーを付着させる工程と、
    現像ロールへ付着したトナーを、静電潜像が形成された
    感光体に転写する工程と、感光体に付着したトナーを被
    印刷物に転写する工程とを具備する画像形成方法であっ
    て、前記トナーは、ポリエステル樹脂を含有するトナー
    粒子を有する非磁性一成分トナーであり、前記ポリエス
    テル樹脂は、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付
    加物及びビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加
    物を用いて合成されたものであり、前記ポリエステル樹
    脂の重量平均分子量(Mw)/数平均粒子径(Mn)は
    8以下でかつ前記重量平均分子量(Mw)は6000〜
    15000であり、前記トナー粒子の表面には、比表面
    積が互いに異なる2種類の疎水性シリカが付着してお
    り、前記2種類の疎水性シリカの比表面積はそれぞれ2
    0〜50m2 /gおよび170〜230m2 /gであ
    り、前記比表面積の小さい疎水性シリカの付着量は、前
    記比表面積の大きな疎水性シリカの付着量より多いこと
    を特徴とする画像形成方法。
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