JPH1144892A - プロジェクションtv - Google Patents
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- JPH1144892A JPH1144892A JP6044098A JP6044098A JPH1144892A JP H1144892 A JPH1144892 A JP H1144892A JP 6044098 A JP6044098 A JP 6044098A JP 6044098 A JP6044098 A JP 6044098A JP H1144892 A JPH1144892 A JP H1144892A
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Abstract
提供する。 【解決手段】 液晶モジュールを構成する薄膜トランジ
スタのチャネル形成領域が、複数の棒状または偏平棒状
結晶が互いに特定の方向性をもって並んだ結晶構造体で
構成されている。上記薄膜トランジスタは80〜250
℃(好ましくは100〜200℃)の温度下でホットキ
ャリア注入等による素子特性の劣化を効果的に抑制でき
るため、非常に信頼性の高いプロジェクションTVが実
現できる。
Description
した薄膜トランジスタで構成した半導体回路を有するプ
ロジェクションTV(プロジェクションテレビ)に関す
る。
を形成して半導体回路を構成する技術が急速に進んでい
る。その様な半導体回路としてアクティブマトリクス型
液晶表示装置の様な電気光学装置が代表例として挙げら
れる。
同一基板上に画素マトリクス回路とドライバー回路とを
設けたモノリシック型表示装置である。また、さらにメ
モリ回路やクロック発生回路等のロジック回路を内蔵し
たシステムオンパネルの開発も進められている。
レイとして活用した電子デバイスの需要が高まり、激し
い開発競争が繰り広げられている。その様な電子デバイ
スの代表としてプロジェクターがある。
ライトからの強光を照射し、液晶表示装置の画素マトリ
クス回路で作成する映像を大画面スクリーン上に投影す
る装置である。
がある。数m角のスクリーン上に正面から映像を投影す
るタイプはフロント型プロジェクター(またはフロント
型プロジェクションTV)と呼ばれる。また、対角数十
インチのスクリーン上に裏側から映像を投影するタイプ
をリア型プロジェクター(またはリア型プロジェクショ
ンTV)と呼ぶ。
化を受けてリア型プロジェクションTVが家庭用TVの
最有力候補となっている。これは、リア型プロジェクシ
ョンTVが高精細さ、コンパクト性、軽量性、セット生
産性、低消費電力性の面でCRT方式を凌ぐとの見方が
強いからである。
を踏まえて、高い信頼性を有し、メンテナンスの簡単な
プロジェクションTVを提供することを課題とする。
の構成は、少なくとも光学系および液晶モジュールを具
備したプロジェクションTVであって、前記液晶モジュ
ールを構成する薄膜トランジスタのチャネル形成領域
は、複数の棒状または偏平棒状結晶が互いに概略平行に
特定の方向性をもって並んだ結晶構造体からなり、前記
薄膜トランジスタの動作温度が80〜250℃であるこ
とを特徴とする。
系および液晶モジュールを具備したプロジェクションT
Vであって、前記液晶モジュールを構成する薄膜トラン
ジスタのチャネル形成領域は、複数の棒状または偏平棒
状結晶が互いに概略平行に特定の方向性をもって並び、
且つ、結晶粒界の殆どで結晶格子に連続性を有する結晶
構造体からなり、前記薄膜トランジスタの動作温度が8
0〜250℃であることを特徴とする。
ジスタを動作させると同時にキンク効果(ホットキャリ
ア注入などによって動作が暴走する現象)を防止または
抑制することにあり、その様な薄膜トランジスタを用い
て構成した液晶モジュールをプロジェクションTVに適
用した点にある。
動作中にホットキャリア注入等でゲイト絶縁膜中に捕獲
された電荷を、動作に伴う自己発熱によって放出するこ
とで、動作と同時にキンク効果を防止する特徴がある。
るという特異な特徴を有しているため、バックライトか
らの強光による発熱または自己発熱が蓄積されやすいプ
ロジェクションTVには最適なスイッチング素子である
と考えられる。
でもって説明する。
発明によるTFTを形成し、画素マトリクス回路と周辺
回路とをモノリシックに構成する例を示す。なお、本実
施例ではドライバー回路やロジック回路等の周辺回路の
例として、基本回路であるCMOS回路を示す。
板301を準備する。石英基板の代わりに表面に 0.5〜
5 μmの厚さの絶縁膜を形成したセラミックス基板、シ
リコン基板等を用いることができる。なお、太陽電池に
使用される様なグレードの低いシリコン基板は安価であ
るので反射型表示装置の様に透光性基板を用いる必要の
ない用途において有効である。
厚(熱酸化後の膜減りを考慮した膜厚)が10〜75nm(好
ましくは15〜45nm)となる様に調節する。本実施例で作
製するTFTは活性層が非常に薄いため、オン状態(チ
ャネルが形成された状態)においてチャネル形成領域が
完全に空乏化するFD(Full-Depletion)型TFTとな
る。
CVD法またはプラズマCVD法によれば良い。また、
非晶質珪素膜の代わりにSi1-X GeX で示される様な
ゲルマニウムを含有した珪素膜を用いても良い。
行う。結晶化の手段としては本発明者による特開平7-13
0652号公報記載の技術を用いる。同公報の実施例1およ
び実施例2のどちらの手段でも良いが、本願発明では実
施例2に記載した技術内容(特開平8-78329 号公報に詳
しい)を利用するのが好ましい。
触媒元素の添加領域を選択するマスク絶縁膜303を形
成する。マスク絶縁膜303は触媒元素を添加するため
に複数箇所の開口部を有している。この開口部の位置に
よって結晶領域の位置を決定することができる。
触媒元素としてニッケル(Ni)を含有した溶液をスピ
ンコート法により塗布し、Ni含有層304を形成す
る。なお、触媒元素としてはニッケル以外にも、ゲルマ
ニウム(Ge)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、パラ
ジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(A
u)等を用いることができる。(図3(A))
トマスクを利用したイオン注入法またはプラズマドーピ
ング法を用いることもできる。この場合、添加領域の占
有面積の低減、横成長領域の成長距離の制御が容易とな
るので、微細化した回路を構成する際に有効な技術とな
る。
450 ℃1 時間程度の水素出しの後、不活性雰囲気、水素
雰囲気または酸素雰囲気中において 500〜700 ℃(代表
的には 550〜650 ℃)の温度で 4〜24時間の加熱処理を
加えて非晶質珪素膜302の結晶化を行う。本実施例で
は窒素雰囲気で570 ℃14時間の加熱処理を行う。
ッケルを添加した添加領域305、306から優先的に
進行し、基板301の基板面に対してほぼ平行に成長し
た結晶領域307、308が形成される。本発明者らは
この結晶領域307、308を横成長領域と呼んでい
る。(図3(B))
スク絶縁膜303を除去してパターニングを行い、横成
長領域307、308のみでなる島状半導体層(活性
層)309〜311を形成する。ここで309はCMO
S回路を構成するN型TFTの活性層、310はCMO
S回路を構成するP型TFTの活性層、311は画素マ
トリクス回路を構成するN型TFT(画素TFT)の活
性層である。
上に珪素を含む絶縁膜でなるゲイト絶縁膜312を成膜
する。ゲイト絶縁膜312の膜厚は後の熱酸化工程によ
る増加分も考慮して20〜250nm の範囲で調節すれば良
い。また、成膜方法は公知の気相法(プラズマCVD
法、スパッタ法等)を用いれば良い。
ッケル)を除去または低減するための加熱処理(触媒元
素のゲッタリングプロセス)を行う。この加熱処理は処
理雰囲気中にハロゲン元素を含ませ、ハロゲン元素によ
る金属元素のゲッタリング効果を利用するものである。
果を十分に得るためには、上記加熱処理を700 ℃を超え
る温度で行なうことが好ましい。この温度以下では処理
雰囲気中のハロゲン化合物の分解が困難となり、ゲッタ
リング効果が得られなくなる恐れがある。
℃を超える温度で行い、好ましくは800 〜1000℃(代表
的には950 ℃)とし、処理時間は 0.1〜 6hr、代表的に
は 0.5〜 1hrとする。
塩化水素(HCl)を0.5 〜10体積%(本実施例では3
体積%)の濃度で含有させた雰囲気中において、950
℃、30分の加熱処理を行う例を示す。HCl濃度を上記
濃度以上とすると、活性層310〜312の表面に膜厚
程度の凹凸が生じてしまうため好ましくない。
lガスを用いる例を示したが、それ以外のガスとして、
代表的にはHF、NF3 、HBr、Cl2 、ClF3 、
BCl3 、F2 、Br2 等のハロゲンを含む化合物から
選ばれた一種または複数種のものを用いることが出来
る。
中のニッケルが塩素の作用によりゲッタリングされ、揮
発性の塩化ニッケルとなって大気中へ離脱して除去され
ると考えられる。そして、この工程により活性層309
〜311中のニッケルの濃度は 5×1017atoms/cm3 以下
にまで低減される。
MS(質量二次イオン分析)の検出下限である。即ち、
現状ではSIMSの検出下限にまで低減されるとしか判
明していないが、実際には 1×1014〜 1×1017atoms/cm
3 の濃度にまでニッケルは低減されているものと思われ
る。
果、 1×1018atoms/cm3 以下(好ましくは 5×1017atom
s/cm3 以下)ではTFT特性に対するニッケルの影響は
確認されなかった。ただし、本明細書中における不純物
濃度は、SIMS分析の測定結果の最小値でもって定義
される。
311とゲイト絶縁膜312の界面では熱酸化反応が進
行し、熱酸化膜の分だけゲイト絶縁膜312の膜厚は増
加する。この様にして熱酸化膜を形成すると、非常に界
面準位の少ない半導体/絶縁膜界面を得ることができ
る。また、活性層端部における熱酸化膜の形成不良(エ
ッジシニング)を防ぐ効果もある。
処理を施した後に、窒素雰囲気中で950 ℃ 1時間程度の
加熱処理を行なうことで、ゲイト絶縁膜312の膜質の
向上を図ることも有効である。
311中にはゲッタリング処理に使用したハロゲン元素
が 1×1015〜 1×1020atoms/cm3 の濃度で残存すること
も確認されている。また、その際、活性層309〜31
1と加熱処理によって形成される熱酸化膜との間に前述
のハロゲン元素が高濃度に分布することがSIMS分析
によって確かめられている。
する金属膜を成膜し、パターニングによって後のゲイト
電極の原型313〜315を形成する。本実施例では2
wt%のスカンジウムを含有したアルミニウム膜を用い
る。なお、これ以外にもタンタル膜、導電性を有する珪
素膜等を用いることもできる。(図4(A))
公報記載の技術を利用する。同公報には、陽極酸化によ
り形成した酸化膜を利用して自己整合的にソース/ドレ
イン領域と低濃度不純物領域とを形成する技術が開示さ
れている。
用したレジストマスク(図示せず)を残したまま3%シ
ュウ酸水溶液中で陽極酸化処理を行い、多孔性の陽極酸
化膜316〜318を形成する。
時間に比例して膜厚が増加する。また、上面にレジスト
マスクが残っているのでゲイト電極の原型313〜31
5の側面のみに形成される。なお、特開平7-135318号公
報記載の技術では、この膜厚が後に低濃度不純物領域
(LDD領域とも呼ばれる)の長さになる。本実施例で
は膜厚が700 nmとなる様な条件で陽極酸化処理を行う。
た後、エチレングリコール溶液に3%の酒石酸を混合し
た電解溶液中で陽極酸化処理を行う。この処理では緻密
な無孔性の陽極酸化膜319〜321が形成される。な
お、多孔性の陽極酸化膜の内部にも電解溶液が浸透する
ので、その内側にも形成される。
印加する電圧に応じて膜厚が決定する。本実施例では、
100 nm程度の膜厚で形成される様に印加電圧を80Vとし
て陽極酸化処理を行う。
後に残ったアルミニウム膜322〜324が実質的にゲ
イト電極として機能する。
次にゲイト電極322〜324、多孔性の陽極酸化膜3
16〜318をマスクとしてゲイト絶縁膜312をドラ
イエッチング法によりエッチングする。そして、多孔性
の陽極酸化膜316〜318を除去する。こうして形成
されるゲイト絶縁膜325〜327の端部は多孔性の陽
極酸化膜316〜318の膜厚分だけ露出した状態とな
る。(図4(C))
施例ではリンを用いるが砒素でも良い)を2回に分けて
添加する。
高加速電圧で行い、n- 領域を形成する。この時、加速
電圧が高い(80keV 程度)ので不純物イオンは露出した
活性層表面だけでなく露出したゲイト絶縁膜の端部の下
にも添加される。このn- 領域はPイオン濃度が 1×10
18〜 1×1019atoms/cm3 となる様に調節する。
で行い、n+ 領域を形成する。この時は加速電圧が低い
(10keV 程度) のでゲイト絶縁膜がマスクとして機能す
る。また、このn+ 領域はシート抵抗が 500Ω以下(好
ましくは 300Ω以下)となる様に調節する。
るN型TFTのソース領域328、ドレイン領域32
9、低濃度不純物領域330、チャネル形成領域331
が形成される。また、画素TFTを構成するN型TFT
のソース領域332、ドレイン領域333、低濃度不純
物領域334、チャネル形成領域335が画定する。
(図4(D))
回路を構成するP型TFTの活性層もN型TFTの活性
層と同じ構成となっている。
336を設け、P型を付与する不純物イオン(本実施例
ではボロンを用いる)の添加を行う。
2回に分けて行うが、N型をP型に反転させる必要があ
るため、前述のPイオンの添加濃度の数倍程度の濃度の
B(ボロン)イオンを添加する。
Tのソース領域337、ドレイン領域338、低濃度不
純物領域339、チャネル形成領域340が形成され
る。(図5(A))
ーネスアニール、レーザーアニール、ランプアニール等
の組み合わせによって不純物イオンの活性化を行う。そ
れと同時に添加工程で受けた活性層の損傷も修復され
る。
膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、有機性樹脂膜、或い
はそれらの積層膜を形成する。本実施例では窒化珪素膜
を25nmの厚さに形成し、その上に900 nmの酸化珪素膜を
堆積した積層膜を用いる。
ソース電極342〜344、ドレイン電極345、34
6を形成して図5(B)に示す状態を得る。本実施例で
は画素TFTのドレイン電極346を補助容量の下部電
極として利用するので、それに対応する様な形状に加工
しておく。
を形成し、その上に補助容量を形成するための容量電極
348を 100nmの厚さに形成する。本実施例では容量電
極348としてチタン膜を用い、ドレイン電極346と
の間で補助容量を形成する。
ので誘電体として好適である。また、チタン膜以外にも
アルミニウム膜やクロム膜を用いても良い。
FT側基板を作製する例であるので、透過型と違って後
に形成される画素電極の下を自由に利用できる(開口率
を気にする必要がない)。それ故に上述の様な補助容量
の形成が可能となる。
膜349を 0.5〜3 μmの厚さに形成する。有機性樹脂
膜としてはポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイ
ミドアミド等が用いられる。有機性樹脂膜の利点は、
成膜方法が簡単である点、容易に膜厚を厚くできる
点、比誘電率が低いので寄生容量を低減できる点、
平坦性に優れている点などが挙げられる。
成してパターニングにより画素電極350を形成する。
本実施例は反射型の例であるため画素電極350を構成
する導電膜としてアルミニウムを主成分とする材料を用
い、画素電極350に反射膜としての機能を持たせる。
〜2hr加熱し、素子全体の水素化を行うことで膜中(特
に活性層中)のダングリングボンド(不対結合手)を補
償する。以上の工程を経て同一基板上にCMOS回路お
よび画素マトリクス回路を作製することができる。
ず、本願発明で利用するTFTの活性層の特徴について
説明する。ハロゲン元素によるゲッタリングプロセス後
の活性層は、非常に特徴的な構造の結晶性珪素膜で構成
されている。
視的に見て特定の方向性をもって並んだ結晶構造体から
なることがTEM(透過型電子顕微鏡法)による観察で
確認される。また、この時、各結晶同士は互いに概略平
行に並ぶ。
は、複数の棒状または偏平棒状結晶の成長方向がほぼ同
一の方向に向かっていることを意味している。この場
合、キャリアはまるで雨樋を流れる水の如く棒状または
偏平棒状結晶の内部を優先的に進むと考えられるため、
キャリアにとって異方性を有した結晶構造と言える。
向(TFTがオン状態にある時にキャリアが移動する方
向)とを一致させることで、非常に動作速度の高いTF
Tを得ている。
同士の境界(結晶粒界)ではSi−Ni結合が切れ、S
i−Si結合として再結合することにより不対結合手が
激減する。即ち、結晶粒界の殆どは格子欠陥を形成せず
に連続しており、結晶粒界は実質的にキャリアを捕獲し
ない。この事はキャリアの移動度が向上することを意味
しており、後述するTFT特性はこの様な結晶構造に起
因してなしうるものと考えられる。
M(高分解能透過型電子顕微鏡法)により結晶粒界付近
の格子縞を観察した結果、異なる結晶間で格子縞が1対
1に対応し、連続的に連なっていることが確認された。
即ち、結晶粒界において結晶格子に連続性があり、不対
結合手の如き結晶欠陥が殆ど存在しないことが判明して
いる。
ングプロセス後の結晶とを比べるとゲッタリング後の方
が結晶の内部欠陥が少ないことがTEMによる観察で確
認された。これは 700℃を超える高い温度での加熱処理
による効果と考えられる。
にあたって結晶化温度以上の温度でのアニール工程(本
実施例の場合、図3(D)に示す工程)は、結晶粒内の
欠陥低減に関して重要な役割を果たしている。その事に
ついて説明する。
工程までを終了した時点での結晶シリコン膜を25万倍
に拡大したTEM写真であり、結晶粒内(黒い部分と白
い部分はコントラストの差に起因して現れる)に矢印で
示される様なジグザグ状に見える欠陥が確認される。
面の原子の積み重ね順序が食い違っている積層欠陥であ
るが、転位などの場合もある。図17(A)は{11
1}面に平行な欠陥面を有する積層欠陥と思われる。そ
の事は、ジグザグ状に見える欠陥が約70°の角をなし
て折れ曲がっていることから推測できる。
見た本発明の結晶シリコン膜は、結晶粒内には殆ど積層
欠陥や転位などに起因する欠陥が見られず、非常に結晶
性が高いことが確認できる。この傾向は膜面全体につい
て言えることであり、欠陥数をゼロにすることは現状で
は困難であるが、実質的にゼロと見なせる程度にまで低
減することができる。
の欠陥が殆ど無視しうる程度にまで低減され、且つ、結
晶粒界が高い連続性によってキャリア移動の障壁になり
えないため、単結晶または実質的に単結晶と見なせる。
示した結晶シリコン膜は結晶粒界はほぼ同等の連続性を
有しているが、結晶粒内の欠陥数には大きな差がある。
本発明の結晶シリコン膜が図17(A)に示した結晶シ
リコン膜よりも遙に高い電気特性を示す理由はこの欠陥
数の差によるところが大きい。
に示した工程は必要不可欠な工程であることが判る。本
発明者らは、この工程によって起こる現象について次の
様なモデルを考えている。
内の欠陥(主として積層欠陥)には触媒元素(代表的に
はニッケル)が偏析している。即ち、Si-Ni-Siといった
形の結合が多数存在していると考えられる。
ロセスを行うことで欠陥に存在するNiが除去されると、
Si-Ni 結合は切れる。そのため、シリコンの余った結合
手はすぐにSi-Si 結合を形成して安定する。こうして欠
陥が消滅する。
晶シリコン膜中の欠陥が消滅することは知られている
が、本発明ではニッケルとの結合が切れて未結合手が多
く発生するためシリコンの再結合がさらにスムーズに行
われると推測できる。
る際に発生する余剰シリコン原子が安定性を求めて欠陥
へと移動し、Si-Si 結合の生成に大きく寄与していると
考えられる。この概念はいわゆる高温ポリシリコン膜の
結晶粒内に欠陥が少ない理由として知られている。
度(代表的には 700〜1100℃)で加熱処理を行うことで
結晶シリコン膜とその下地との間が固着し、密着性が高
まることで欠陥が消滅するというモデルを考えている。
とでは、熱膨張係数に10倍近くの差がある。従って、
非晶質シリコン膜から結晶シリコン膜に変成した段階
(図17(A))では、結晶シリコン膜が冷却される時
に非常に大きな応力が結晶シリコン膜にかかる。
る。図18(A)は結晶化工程後の結晶シリコン膜にか
かる熱履歴を示している。まず、温度(t1 )で結晶化
された結晶シリコン膜は冷却期間(a)を経て室温まで
冷やされる。
(a)にある時の結晶シリコン膜であり、80は石英基
板、81は結晶シリコン膜である。この時、結晶シリコ
ン膜81と石英基板80との界面82における密着性は
あまり高くなく、それが原因となって多数の粒内欠陥を
発生していると考えられる。
た結晶シリコン膜81は石英基板80上で非常に動きや
すく、引っ張り応力などの力によって積層欠陥や転位な
どの欠陥83を容易に生じてしまうと考えられる。
(A)に示した様な状態となるのである。そしてその
後、図18(A)に示す様に温度(t2 )で触媒元素の
ゲッタリング工程が施され、その結果、結晶シリコン膜
中の欠陥が前述の理由によって消滅する。
グ工程が行われると同時に結晶シリコン膜石英基板に固
着され、石英基板との密着性が高まる点である。即ち、
このゲッタリング工程は結晶シリコン膜と石英基板(下
地)との固着工程を兼ねていると考えられる。
ると冷却期間(b)を経て室温まで冷やされる。ここで
結晶化工程の後の冷却期間(a)と異なる点は、石英基
板80とアニール後の結晶シリコン膜84との界面85
が非常に密着性の高い状態となっている点である。(図
18(C))
して結晶シリコン膜84が完全に固着されるので、結晶
シリコン膜の冷却段階において結晶シリコン膜に応力が
加わっても欠陥を発生するには至らない。即ち、再び欠
陥が発生する様なことを防ぐことができる。
温まで下げるプロセスを例にとっているが、結晶化が終
了したらそのまま温度を上げてゲッタリング+固着工程
を行うこともできる。その様なプロセスを経ても本発明
の結晶シリコン膜を得ることは可能である。
(図17(B))は、単に結晶化を行っただけの結晶シ
リコン膜(図17(A))に較べて格段に結晶粒内の欠
陥数が少ないという特徴を有している。
ectron Spin Resonance :ESR)によってスピン密度
の差となって現れる。現状では本発明の結晶シリコン膜
のスピン密度は少なくとも 5×1017spins/cm3 以下(好
ましくは 3×1017spins/cm3以下)であることが判明し
ている。ただし、この測定値はは現存する測定装置の検
出限界に近いので、実際のスピン密度はさらに低いと予
想される。
発明の結晶シリコン膜は、連続粒界結晶シリコン(Cont
inuous Grain Silicon:CGS)と呼ばれる。
施例に従って作製した薄膜トランジスタの電気特性を調
べた結果について以下に述べる。測定は市販の装置(ヒ
ューレットパッカード社製:型番4145B)を用いて
行った。
ついて説明する。本発明者らは上記装置を用いてTFT
を測定し、横軸にゲイト電圧、縦軸にドレイン電流をプ
ロットしたグラフ(Id−Vg特性と呼ぶ)を調べた。
なお、測定時の試料温度は試料を支持するサーモチャッ
ク(温度制御機能を有する)で室温に制御した。
の場合(図1(A))と、L/W=8/200μmの場
合(図1(B))について調べた。なお、Lはチャネル
長、Wはチャネル幅である。
態のId−Vg特性を調べ、次に、初期特性を測定した
後、同条件10回の繰り返し測定による劣化加速試験を
行い、TFTが劣化する割合を調べた。
示す。図1(A)において101(実線)、102(点
線)で示されるグラフがId−Vg特性(またはId−
Vg曲線)である。そして、101が初期特性であり、
102が10回繰り返し測定を行った後に測定した特性
を表している。
線)、104(点線)はそれぞれ101、102に示す
Id−Vg特性に対応する電界効果移動度(モビリテ
ィ)の変動を表すグラフである。モビリティはTFTの
動作速度を表す指針であり、Id−Vg特性のデータか
ら理論的に計算で求めている。
(実線)、106(点線)はそれぞれイニシャルおよび
加速試験後のId−Vg特性であり、107(実線)、
108(点線)はそれぞれイニシャルおよび加速試験後
のモビリティである。
見を以下に示す。図1(A)の場合、イニシャル時には
最大で 300cm2/Vs近いモビリティを達成していたのであ
るが、加速試験後には最大値で 220cm2/Vs程度にまで劣
化してしまっている。また、ゲイト電圧が0V以下の領
域でのドレイン電流(ここではオフ電流と呼ぶ)も加速
試験後には2倍程度に増加してしまっている。
時のモビリティ(107で示される)と加速試験後のモ
ビリティ(108で示される)に大きな差は見られず、
殆ど劣化していないことが確認された。また、オフ電流
にも大きな変化は見られなかった。
よる加速試験ではチャネル幅の大きいTFTの方が劣化
に強いという傾向が確認された。なお、本発明者らは数
十個のTFTで同様の傾向を確認している。
異なることによるTFTの性質の違いを検討した結果、
本発明者らはチャネル幅が大きい場合に起こる大電流に
よる自己発熱に注目した。そこで、同一構造のTFTを
積極的に加熱し、その状態で繰り返し測定による加速試
験を行った。
W=6.6/2μmのトリプルゲイト型TFTを室温で
調べた結果、図2(B)は同じトリプルゲイト型TFT
を125℃に加熱して調べた結果である。
行った場合、イニシャル状態のId−Vg特性(実線)
201と加速試験後のId−Vg特性(点線)202と
では変化が見られないが、イニシャル状態のモビリティ
(実線)203に対して加速試験後のモビリティ(点
線)204は最大値で20%近くも劣化している。
加熱した状態で加速試験を行った場合、イニシャル状態
のId−Vg特性(実線)205、加速試験後のId−
Vg特性(点線)206は殆ど変化が見られず、イニシ
ャル状態のモビリティ(実線)207と加速試験後のモ
ビリティ(点線)208との間にも大きな変化は見られ
なかった。
Tは熱を加えることで劣化しにくくなる性質を持つこと
が確認された。この効果は、80℃以上で顕著になり、
250℃程度まで確認されている。本発明者らの実験で
は100〜200℃の温度範囲内で安定な効果が得られ
ている。
ネル幅の大きいTFTが自己発熱により加熱され、結果
的に劣化が抑制されていたと考えられる。なお、エミッ
ション顕微鏡でチャネル幅が100μm以上のTFTを
観察した場合、オン状態にある時のチャネル付近では発
熱による発光が確認される。これは、おそらく100℃
以上に加熱されることにより発光が観測されたものと予
想される。
(W)を様々に変えて実験を行った結果、チャネル幅が
100μm以上であれば本願発明の効果を確認できた。
特に、L/W=0.01以下(例えばL=2μmであれ
ばW=200μm以上)の関係にある時、顕著な効果を
確認することができた。
という効果は、本願発明で利用するTFTに特有の現象
である。本発明者らがいわゆる低温ポリシリコンTFT
に対して同様の試験を行った結果、加熱によりしきい値
電圧(Vth)が大きくシフトしてしまい使い物にならな
かった。
如き触媒元素を使用して結晶化したものと触媒元素を使
用せずレーザーアニールのみで結晶化したものとを調べ
たが、どちらの場合も結果は同じであった。
なTFTの劣化は、特に電子がキャリアとなるN型TF
Tにおいて顕著である。実際のところ、本実施例に従っ
て作製したP型TFTではどの様な条件でも殆ど劣化し
ないことが確認されている。
E(チャネルホットエレクトロン)注入とDAHC(ド
レインアバランシェホットキャリア)注入であることか
らも容易に理解できる。
ネルに沿った方向の電界により高いエネルギーを持ち、
ついにはゲイト絶縁膜中に注入される現象である。ま
た、DAHC注入とは、高エネルギーの電子が格子との
衝突電離により電子−正孔対を形成し、それらがゲイト
絶縁膜中に注入される現象である。(小柳光正:サブミ
クロンデバイスII,pp125 ,丸善株式会社,1998)
入された電子が電気特性の変動を招くことにより引き起
こされる。前述の繰り返し測定による劣化加速試験にお
いてもCHE注入やDAHC注入による劣化が進行して
いると考えられる。
を加熱することでCHE注入やDAHC注入による劣化
を抑制しうる理由として、熱エネルギーによってゲイト
絶縁膜中に捕獲された電子が活性層中へ再放出されるた
めと推測している。
型(FD型)TFTであるので、非常にキャリアの移動
度が高いという特徴がある。実際、図1、2に示す様に
モビリティは平均で 200cm2/Vsを上回るものであり、一
般的なTFTでは到底なし得ない電気特性を実現してい
る。
HC注入による劣化も生じやすいのであるが、加熱によ
りその様な劣化を防止または抑制することで非常に高い
性能と高い信頼性を有するTFTが実現される。
したハロゲン元素によるゲッタリング効果に加えてリン
元素によるゲッタリング効果を得るための構成について
説明する。説明には図6を用いる。
素によるゲッタリングプロセスまで行い、図6(A)の
状態を得る。図6(A)において、601は石英基板、
602は活性層、603はゲイト絶縁膜である。
材料との積層膜でなるゲイト電極604を形成する。次
いでゲイト電極604の表面を陽極酸化することによっ
て陽極酸化膜605を形成する。陽極酸化膜605は保
護膜として機能する。(図6(A))
イト絶縁膜602をドライエッチング法によりエッチン
グする。そして、その状態でリン元素をイオン注入法に
より添加して不純物領域606、607を形成する。
(図6(B))
イエッチング法によるエッチバックを行い、サイドウォ
ール608を形成する。そして、サイドウォール608
を形成した後、再びリン元素を添加してソース領域60
9、ドレイン領域610を形成する。(図6(C))
のリン元素が添加されず、ソース/ドレイン領域よりも
低濃度にリン元素を含む一対の低濃度不純物領域611
となる。また、ゲイト電極604の下は不純物の添加さ
れないチャネル形成領域612となる。
450〜650℃(代表的には600℃)で8〜24時
間(代表的には12時間)の加熱処理を行う。
(ここではニッケル)のゲッタリングを目的とした工程
であるが、同時に不純物の活性化、活性層が受けたイオ
ン注入時の損傷の回復が行われる。
ネル形成領域612に残存するニッケルがソース/ドレ
イン領域609、610に移動し、そこでゲッタリング
されて不活性化する。即ち、チャネル形成領域612内
部に残存するニッケルを除去することが可能である。
0は導電性を有していれば電極としての機能を果たすの
でニッケルの有無が電気特性に影響を与える恐れがな
い。そのため、ゲッタリングサイトとして機能させうる
のである。
たら、実施例1と同様に層間絶縁膜613、ソース電極
614、ドレイン電極615を形成して図6(E)に示
す薄膜トランジスタが完成する。
タルを用いているが、導電性を有する結晶性珪素膜を用
いても良い。また、低濃度不純物領域の形成方法は本実
施例の手段に限定されるものではない。
成領域に残存する触媒元素をソース領域およびドレイン
領域に移動させてゲッタリングすることにある。これ
は、リン元素による金属元素のゲッタリング効果に着目
した発明である。
たが、P型TFTの場合、ボロン元素だけではゲッタリ
ング効果が得られないので、リン元素とボロン元素の両
方をソース/ドレイン領域に添加することが必要であ
る。
異なるTFT構造を採用した場合の例について説明す
る。まず、図7(A)は低濃度不純物領域を形成するに
あたってサイドウォールを利用する例である。
の陽極酸化膜を形成し、ゲイト電極と陽極酸化膜をマス
クとしてゲイト絶縁膜をエッチングする。その状態でn
- 領域およびp- 領域を形成するための不純物添加を行
う。
ッチバック法で形成した後、n+ 領域およびp+ 領域を
形成するための不純物添加を行う。この様な工程でサイ
ドウォール701〜703の下には低濃度不純物領域
(n- 領域およびp- 領域)が形成される。
術を利用して金属シリサイド704〜706を形成して
いる。シリサイド化するための金属としてはチタン、タ
ンタル、タングステン、モリブデン等を用いることがで
きる。
極707〜709が一導電性を付与した結晶性珪素膜で
形成されている点に特徴がある。通常、N型導電性を持
たせるが、N型TFTとP型TFTとで導電性を異なら
せるデュアルゲイト型TFTとすることも可能である。
イド構造を適用しているが、この場合、ゲイト電極70
7〜709の上面にも金属シリサイド710〜712が
形成される。
TFTに適した構造となる様に設計されている。特に、
サリサイド構造は数GHzレベルの動作周波数を実現す
る上で非常に有効な技術である。
異なる構成で補助容量を形成する場合の例について説明
する。
801を大きめに形成しておき、その一部を補助容量の
下部電極として活用する。この場合、ドレイン領域80
1の上にはゲイト絶縁膜802があり、その上に容量電
極803が形成される。この容量電極803はゲイト電
極と同一材料で形成される。
量を形成する部分は、予め不純物を添加して導電性を持
たせておいても良いし、容量電極803に定電圧をかけ
て形成される反転層を利用しても良い。
るため、画素電極の裏側を最大限に活用して補助容量を
形成できる。そのため、非常に大きな容量を確保するこ
とができる。勿論、透過型液晶表示装置にも適用できる
が、その場合、補助容量の占有面積を大きくしてしまう
と開口率が落ちるので注意が必要である。
例である。図8(B)の構成ではドレイン電極804を
補助容量の下部電極とし、その上に窒化珪素膜805、
ブラックマスク806を形成し、ドレイン電極804と
ブラックマスク806との間で補助容量を形成する。
マスク806が補助容量の上部電極を兼ねる点が特徴で
ある。
あるので透明導電膜(例えばITO膜)を用いる。
を占めやすい補助容量をTFTの上に形成することで開
口率を広くすることが可能である。また、誘電率の高い
窒化珪素膜を25nm程度の薄さで利用できるので、少ない
面積で非常に大きな容量を確保することが可能である。
なる構造の薄膜トランジスタに本願発明を適用した場合
の例について説明する。説明には図9を用いる。
2を形成する。ゲイト電極902は後の熱酸化工程に耐
えられる様にタンタル、シリコン等の耐熱性の高い電極
を利用しておく。
イト絶縁膜903を形成する。その上には、後に活性層
となる非晶質珪素膜を50nmの厚さに形成する。そして、
実施例1と同様に開口部を有するマスク絶縁膜905を
形成した後、ニッケル含有層906を形成する。
結晶化のための加熱処理を行い、横成長領域でなる結晶
性珪素膜907を得る。(図9(B))
ゲン元素を含む雰囲気中で加熱処理を行う。条件は実施
例1に従えば良い。この工程によって結晶性珪素膜90
7中からニッケルがゲッタリングされ、気相中へと除去
される。(図9(C))
ら、パターニングにより横成長領域のみでなる活性層9
08を形成し、その上に窒化珪素膜でなるチャネルスト
ッパー909を形成する。(図9(D))
する結晶性珪素膜を形成してパターニングを施し、ソー
ス領域910、ドレイン領域911を形成する。さら
に、ソース電極912、ドレイン電極913を形成す
る。
加熱処理を行い、図9(E)に示す様な構造の逆スタガ
型TFTが完成する。本実施例で示す逆スタガ型TFT
も実施例1と同様の結晶性珪素膜で活性層を構成してい
るので、加熱状況下で耐劣化特性が向上するという特徴
を有している。
TFTの一例であり、本実施例の構造に限定されるもの
ではない。また、逆スタガ型TFTだけでなく他のボト
ムゲイト型TFTに適用することも可能である。
示したTFTを用いて液晶パネルを構成する場合の例を
示す。図10に示すのはアクティブマトリクス型液晶パ
ネルの断面を簡略化した図であり、ドライバー回路やロ
ジック回路を構成する領域にはCMOS回路を、画素マ
トリクス回路を構成する領域には画素TFTを示してい
る。
リクス回路の構造(TFT構造)に関する説明を既に行
ったので、本実施例では必要な箇所のみを説明すること
にする。
図5(C)の状態を得る。なお、画素TFTをマルチゲ
イト構造とするなどの変更は実施者の自由である。
001を形成する。次に、対向基板を用意する。対向基
板は、ガラス基板1002、透明導電膜1003、配向
膜1004とで構成される。なお、対向基板側には必要
に応じてブラックマスクやカラーフィルターが形成され
るがここでは省略する。
板(TFT側基板)と対向基板とを公知のセル組み工程
によって貼り合わせる。そして、両基板の間に液晶材料
1005を封入して図10に示す様な液晶パネルが完成
する。
ド、ゲストホストモード等)によって選定する必要があ
るが、プロジェクションTVの様に熱がかかりやすい環
境下で扱うことを想定して耐熱性の高い液晶材料を用い
ることが好ましい。
ションTVに適用した場合、実施例1に示した様なTF
Tを用いることで空冷用のファンを必要としない(80
〜250℃程度の温度で信頼性が高い)という利点が得
られる。
めには、少なくとも100℃以上(好ましくは150℃
以上)のクリアリングポイント(液晶材料が等方性を示
す温度)を有する液晶材料を用いる必要がある。
マトリクス基板の外観を図11に簡略化して示す。図1
1において、1101は石英基板、1102は画素マト
リクス回路、1103はソースドライバー回路、110
4はゲイトドライバー回路、1105はロジック回路で
ある。
で構成される論理回路全てを含むが、ここでは従来から
画素マトリクス回路、ドライバー回路と呼ばれている回
路と区別するため、それ以外の信号処理回路(D/Aコ
ンバータ等)を指す。
外部端子としてFPC(Flexible Print Circuit)端子
が取り付けられる。一般的に液晶モジュールと呼ばれる
のはFPCを取り付けた状態の液晶パネルである。
ョンTVにおいて液晶モジュールで表示する映像をスク
リーンに投射するための光学系(光学エンジン)の一例
を示す。図12に示すのは、対向基板側にマイクロレン
ズを搭載した単板式光学エンジンの例である。
ンプ等のランプ光源11から発した強光はダイクロイッ
クミラー12〜14に入射する。本実施例ではダイクロ
イックミラー12でR(赤)成分光が反射され、ダイク
ロイックミラー13でB(青)成分光が反射され、ダイ
クロイックミラー(全反射ミラーでも良い)14でG
(緑)成分光が反射される。
は平行ではなく微妙に角度を変えて配置される。これに
よりR、B、Gの各成分光は異なる入射角で液晶パネル
15へと入射する。
6、対向基板17、液晶層18、アクティブマトリクス
基板19で構成される。なお、20はRに対応する画
素、21はBに対応する画素、22はGに対応する画素
である。
レンズ16を通過すると異なった三つの場所に焦点を結
ぶ。従って、例えばR成分光が焦点を結ぶ位置にRに対
応する画素20を配置することでR成分光のみを選択的
に入射させることが可能で在る。
の各成分光は、それぞれR、G、Bに対応する各画素2
0〜22に選択的に入射する。この様な特殊な構成する
ことでカラーフィルターを用いないで単板式を実現する
ことができる。
とで各画素の情報を含んだ光が形成される。これをフレ
ネルレンズ23で収束させて投射レンズ(図示せず)へ
と導く。最終的にはスクリーン上でRBGに対応する映
像が合成される。
ターを用いなくても良いため従来の同等解像度の機種と
比べて画面を数倍に明るくすることができる。
モジュールを用いて三板式光学エンジンを構成する場合
の例について説明する。説明には図13を用いる。
2、33はそれぞれRとGに対応したダイクロイックミ
ラー、34〜36は全反射ミラー、37〜39はそれぞ
れR、G、Bに対応した透過型液晶パネル、40はダイ
クロイックプリズム、41は投射レンズである。
イクロイックミラー32でR成分光のみ反射される。R
成分光は全反射ミラー36で向きを変え、Rに対応する
液晶パネル37に入射する。
33ではG成分光のみ反射され、Gに対応する液晶パネ
ル38に入射する。
を透過したB成分光は全反射ミラー34、35で反射さ
れてBに対応する液晶パネル39に入射する。
ネル37〜39を透過して映像情報を含んだ光はダイク
ロイックプリズム40によって再び合成され、投射レン
ズによってスクリーンに向けて投射される。
デンサレンズ等の光学系レンズの記載は省略している。
実際には、フライアイレンズやコンデンサレンズ等によ
って光学的な調整が行われる。
光学系はプリズムの精度確保に高度な技術が必要となる
が、光を有効に活用する上で非常に有効である。また、
色合成が簡単になる、投射レンズのバックフォーカスが
小さくできる等の利点によって投射レンズを小型化する
ことができる。
有利な構成であり、光学系を小さくすることでコスト面
でも非常に有利と言える。
い構成で光学エンジンを構成することも可能である。こ
の様な光学系の変更は、実施者が必要に応じて適宜なし
うる設計事項に過ぎない。
式光学エンジンを用いる例について説明する。説明には
図14を用いるが、実施例8と同様にフライアイレン
ズ、コンデンサレンズ等の光学系は省略する。
3、44はダイクロイックミラー、45は全反射ミラ
ー、46〜48は偏光ビームスプリッタ(PBS)、4
9〜51はそれぞれR、G、Bに対応する液晶パネル、
52はダイクロイックプリズム、53は投射レンズであ
る。
イックミラー43でR成分光のみを透過してG成分光お
よびB成分光を反射する。さらに、ダイクロイックミラ
ー44ではG成分光のみが反射される。
分光は全反射ミラー45で反射されて偏光ビームスプリ
ッタ46へ入射する。また、G成分光は偏光ビームスプ
リッタ47へ、B成分光は偏光ビームスプリッタ48へ
入射する。
射光をP偏光とS偏光に分離する機能を有し、且つ、P
偏光のみを透過する性質を有している。従って、R、
G、Bに対応する液晶パネル49〜51にはそれぞれ
R、G、Bに対応するS偏光のみが入射する。
オフ状態にある時は入射光の偏光方向を変化させないで
反射する様に液晶分子が配向している。また、画素がオ
ン状態にある時は液晶分子の配向状態が変化し、入射光
の偏光方向もそれに伴って変化する様に構成されてい
る。
たS偏光は画素がオン状態にあった部分に対応した光の
みがP偏光に変化する。即ち、オン状態にある画素で反
射された光のみが偏光ビームスプリッタ46〜48を透
過することができる。
を透過した映像情報を含む光はダイクロイックプリズム
52で合成されて投射レンズ53へ入射する。そして、
投射レンズ53からスクリーン上へと投影される。
ダイクロイックプリズムを用いることで小型化、軽量化
を実現している。なお、本実施例においてもダイクロイ
ックプリズムを持ちない構成とすることは設計事項の変
更に過ぎない。
9に示した様な光学エンジンをセットに組み込んだプロ
ジェクションTVの外観図を示す。本実施例で示すのは
一般的にはリア型プロジェクションとも呼ばれるタイプ
である。なお、図15(A)は側面図であり、内部構造
を簡略化して示している。また、図15(B)は斜め上
方から見た図である。
体、62は光学エンジン、63はリフレクター、64は
スクリーンである。実際にはその他の光学系が加わって
複雑な構成となるが、本実施例では概略の構成のみを示
すこととする。
示した構造のものを用いることができる。また、光学エ
ンジン62の内部に組み込まれる液晶モジュールは実施
例6に示した様な構成の液晶パネルで構成される。
T(実施例1で説明したもの)でもって一体形成した半
導体回路によってNTSC方式、PAL方式、ディジタ
ル方式のいずれのビデオ信号にも対応できる様にするこ
とができる。
XGAといった様に異なる解像度に対応していてもロジ
ック回路等で不必要な個所を黒表示するなどの工夫によ
り解像度の低下を防ぐことができる。
Vの最大の利点は液晶パネルを冷却するための空冷用フ
ァンを必要としない点である。
に強い光を照射することになるので液晶パネルは非常に
高い温度で加熱される。熱を加えるとTFT特性が劣化
し、信頼性が著しく損なわれるため、一般的なプロジェ
クションTVでは空冷用ファンなどで液晶パネルを冷却
しつつ使用する。
るので大気中の細かい塵なども吸い込んでしまうという
欠点がある。即ち、空冷用ファンによって吸入されたゴ
ミがスクリーンの裏側に付着して画質を落とすという問
題が生じる。
いられるリア型プロジェクションTVにおいて非常に重
大であった。即ち、メンテナンスのできない一般家庭で
は製造元や電気店にメンテナンスを依頼するしかない状
況になってしまう。
例1で説明した様に熱が加わった状態で信頼性が向上す
るTFTを使用しているので空冷用ファンを特に必要と
しない構成が可能である。即ち、本体内部に外気を取り
入れる必要がないのでスクリーン裏にゴミが付着すると
いった問題を回避することができる。
ても温度上昇によるTFTの劣化は殆どなく、非常に信
頼性の高い液晶モジュールを搭載している。従って、T
FTの動作温度(使用時にTFTが曝される温度)が8
0〜250℃(好ましくは100〜200℃)程度にま
で上昇しても非常に信頼性の高いプロジェクションTV
が実現できる。
材料はクリアリングポイントが100℃以上(好ましく
は150℃以上)であることは言うまでもない。
とは異なる構成のプロジェクションTVを示す。本実施
例で示すのは一般的にはフロント型プロジェクションと
も呼ばれるタイプである。
した構成図を図16に示す。図16において、71はプ
ロジェクション装置本体、72は投射レンズ、73はス
クリーンである。
示した様な光学エンジンが搭載されており、投射レンズ
72から映像情報を含む光がスクリーン73上に投射さ
れる構成である。
造の一例として、三板式透過型光学エンジン(実施例
8)を用いた場合の例について示している。
特徴は映像が大画面スクリーンに映し出されるというこ
とで、会議やプレゼンテーション用のアプリケーション
として需要が高い。なお、スクリーンは100インチ
型、200インチ型といったものがよく用いられる。
ョンTVは装置本体の内部は非常に蓄熱しやすいため、
熱劣化対策が不可欠である。そして、それが装置の小型
化、軽量化、低価格化を阻む要因でもある。
ェクションTVは熱に対して非常に強く、加熱された状
態でも高い信頼性を確保できるので、装置の小型化等に
対応しやすいと言える。
ンTVと同様にNTSC信号、PAL信号、ディジタル
信号等のビデオ信号に対応させることも、VGAからU
XGAまでの幅広い解像度域に対応することも可能であ
る。
に示した様な加熱によって信頼性が向上する性質を有す
るTFTを用いた液晶モジュールを搭載する。この様な
構成とすることで非常に熱に対して強い信頼性の高いプ
ロジェクションTVを実現することができる。
しないリア型プロジェクションTVを作製することも可
能である。この様なリア型プロジェクションTVは、ス
クリーン裏にゴミが付着するといった問題もなく、メン
テナンスフリーであるという利点を有する。この効果は
特に一般家庭において非常に有利である。
図。
図。
図。
図。
図。
図。
示す図。
明するための図。
Claims (10)
- 【請求項1】少なくとも光学系および液晶モジュールを
具備したプロジェクションTVであって、 前記液晶モジュールを構成する薄膜トランジスタのチャ
ネル形成領域は、複数の棒状または偏平棒状結晶が互い
に概略平行に特定の方向性をもって並んだ結晶構造体か
らなり、 前記薄膜トランジスタの動作温度が80〜250℃であ
ることを特徴とするプロジェクションTV。 - 【請求項2】少なくとも光学系および液晶モジュールを
具備したプロジェクションTVであって、 前記液晶モジュールを構成する薄膜トランジスタのチャ
ネル形成領域は、複数の棒状または偏平棒状結晶が互い
に概略平行に特定の方向性をもって並び、且つ、結晶粒
界の殆どで結晶格子に連続性を有する結晶構造体からな
り、 前記薄膜トランジスタの動作温度が80〜250℃であ
ることを特徴とするプロジェクションTV。 - 【請求項3】請求項1または2において、液晶モジュー
ルで処理するビデオ信号はディジタル信号であることを
特徴とするプロジェクションTV。 - 【請求項4】請求項1または2において、液晶モジュー
ルに封入される液晶材料のクリアリングポイントは10
0℃以上であることを特徴とするプロジェクションT
V。 - 【請求項5】請求項1または請求項2において、チャネ
ル形成領域にはNi、Ge、Co、Fe、Pd、Pt、
Cu、Auから選ばれた一種または複数種の元素が、 5
×1017atoms/cm3 以下の濃度で存在することを特徴とす
るプロジェクションTV。 - 【請求項6】請求項1または請求項2において、オン状
態にある時の前記チャネル形成領域は完全に空乏化して
いることを特徴とするプロジェクションTV。 - 【請求項7】請求項1または請求項2において、オン状
態にある時の前記チャネル形成領域は自己発熱によって
加熱されていることを特徴とするプロジェクションT
V。 - 【請求項8】請求項7において、チャネル形成領域のチ
ャネル幅は100μm以上であることを特徴とするプロ
ジェクションTV。 - 【請求項9】請求項7において、チャネル形成領域のチ
ャネル長をL、チャネル幅をWとした時、L/W=0.
01以下であることを特徴とするプロジェクションT
V。 - 【請求項10】請求項1または請求項2において、液晶
モジュールに表示された映像は本体内部に取り付けられ
たスクリーンに、内部から投射されることを特徴とする
プロジェクションTV。
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