JPH114452A - ビデオカメラ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 任意の色相においてソフトフォーカス化を行
う。 【解決手段】 色相検出回路３において、入力映像信号
が所定色相範囲内の信号である間だけ検出信号を出力す
る。この検出信号が出力されている間だけ映像信号につ
いてソフトフォーカス処理を行う。このソフトフォーカ
ス処理においては、映像信号中の輪郭線を示す輪郭信号
を抽出する輪郭生成回路２と、色相検出回路３から検出
信号が出力されている間だけ抽出された輪郭信号とは極
性が逆の信号を映像信号に加算する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はビデオカメラ装置に
関し、特にソフトフォーカス効果を実現できるビデオカ
メラ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の技術としては、特開平２−１８１
５７９号公報のように画面の中心に対して周囲のフォー
カスをぼやけさせる効果を本来レンズに取付けるフィル
タの特性を電気回路的に持たせたものがある。また、特
定の色相に付ける輪郭を特定色相以外の部分に付ける輪
郭よりも少なくして絵を自然に見せる効果を持たせるス
キントーン機能もある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の技術の中で、レ
ンズに取付けるフィルタ動作を電気的に行うものでは、
画面全体にのみソフトフォーカスを行うことができる。
しかし、肌色や緑色等、特定の色のみにソフトフォーカ
スを付けることはできない。

【０００４】また、特定の色相に付ける輪郭を特定色相
以外に付ける輪郭よりも少なくする方法では、付加する
輪郭を減らすことはできるが、例えばある色相において
輪郭を付けないようにした場合の特性よりも周波数特性
を減らすことはできない。つまり輪郭信号を付加する前
の周波数特性より低くしてよりソフトフォーカス化する
ことはできない。

【０００５】一般に、テレビジョンカメラは高解像度化
されているため、撮影者が画面の一部分を、特にある色
相に対してカメラの持つ性能より低い周波数特性を持た
せたい場合にこの要求を満たすことができない。

【０００６】本発明は上述した従来技術の欠点を解決す
るためになされたものであり、その目的はある任意の色
相においてソフトフォーカス化を行い、映像の表現力を
広げることのできるビデオカメラ装置を提供することで
ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明によるビデオカメ
ラ装置は、入力される映像信号が所定色相範囲内の信号
である間だけ検出信号を出力する色相検出手段と、前記
検出信号が出力されている間だけ前記映像信号について
ソフトフォーカス処理を行うソフトフォーカス処理手段
とを含むことを特徴とする。

【０００８】そして、前記ソフトフォーカス処理手段
は、前記映像信号中の輪郭線を示す輪郭信号を抽出する
抽出手段と、前記検出信号が出力されている間だけ前記
抽出手段により抽出された輪郭信号とは極性が逆の信号
を前記映像信号に加算する加算手段とを含むことを特徴
とする。

【０００９】つまり本装置では、輪郭信号と比べると負
の極性を持つソフトフォーカス用信号を生成し、映像信
号にこのソフトフォーカス用信号を付加しているのであ
る。本機能により、ある特定の色相、例えば緑であると
か青であるとかにおいて、輪郭信号を付加する前の状態
よりもソフトフォーカス化することができる。このた
め、被写体に応じて画質を自由に変化できるようにな
る。

【００１０】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の一形態につ
いて図面を参照して説明する。

【００１１】図１は本発明によるビデオカメラ装置の実
施の一形態を示すブロック図である。なお同図におい
て、説明の便宜上、遅延素子等は省略されている。

【００１２】同図において、本実施形態によるビデオカ
メラ装置は、輪郭を生成する輪郭生成回路２と、色相を
検出する色相検出回路３と、２つの乗算器８及び９と、
これら乗算器８及び９の出力を択一的に出力する切換器
１１と、この切換器１１の出力と入力信号１とを加算す
る加算器１３とを含んで構成されている。

【００１３】かかる構成において、入力信号１は輪郭生
成回路２、色相検出回路３及び加算器１３に入力されて
いる。

【００１４】輪郭生成回路２の出力信号７は輪郭用乗算
器８及びソフトフォーカス用乗算器９に入力され、両乗
算器８及び９にて夫々輪郭用乗数４、ソフトフォーカス
用乗数５と乗算される。

【００１５】色相検出回路３では、入力信号１を色相基
準値６を基に、例えば基準値内ならばハイレベル（以
下、“Ｈｉ”）を出力し基準値外ならばローレベル（以
下“Ｌｏ”）を出力するような動作をし、その先の切換
器１１に対して制御を行う。上記例の場合はＨｉの場合
にはソフトフォーカス加算信号１５を、Ｌｏの場合には
輪郭加算信号１６を選択する。切換器１１の出力である
加算信号１２と入力信号１を加算して、ソフトフォーカ
ス処理を行い出力信号１４を出力する。

【００１６】図２は本実施例におけるタイミング例が示
されている。入力信号１にデータが、 Ａ→Ｂ→Ｃ→Ｄ→Ｅ→… と入力されたとし、輪郭信号７は、 Ａ´→Ｂ´→Ｃ´→Ｄ´→Ｅ´→… となるものとする。

【００１７】このような信号に対して、輪郭加算信号１
５は輪郭用乗数４をＭとして Ａ´＊Ｍ→Ｂ´＊Ｍ→Ｃ´＊Ｍ→Ｄ´＊Ｍ→Ｅ´＊Ｍ→
… となる。ソフトフォーカス加算信号１６はソフトフォー
カス用乗数５をＮとして、 Ａ´＊Ｎ→Ｂ´＊Ｎ→Ｃ´＊Ｎ→Ｄ´＊Ｎ→Ｅ´＊Ｎ→
… となる。

【００１８】ここで、色相検出回路３に対してある色相
基準値６を与えている場合に、入力信号１のうち、Ａ，
Ｂ，Ｅが基準値以外のデータであり、Ｃ，Ｄが色相基準
値６を満足する値を持つものとすると、色相検出回路の
出力信号の色相検出信号１０は入力１の中でＡ，Ｂ，Ｅ
の時にＬｏとなり、Ｃ，Ｄの時にＨｉとなる。

【００１９】この色相検出信号１０に応じて切換器１１
の極性を切換え、その加算信号１２は、 Ａ´＊Ｍ→Ｂ´＊Ｍ→Ｃ´＊Ｎ→Ｄ´＊Ｎ→Ｅ´＊Ｍ→
… となる。この加算信号１２と入力信号１のデータを位相
が同じになるように加算器１３にて加算して、出力信号
１４とする。出力信号１４は、 Ａ＋Ａ´＊Ｍ→Ｂ＋Ｂ´＊Ｍ→Ｃ＋Ｃ´＊Ｎ→Ｄ＋Ｄ´
＊Ｎ→Ｅ＋Ｅ´＊Ｍ→… となる。

【００２０】図１及び図２の動作を実施の輝度信号の波
形に則して表したものが、図３から図７に示されてい
る。但し、本波形は説明用であるため、実際の波形とは
若干異なるものである。

【００２１】まず、図３の波形が入力信号１として入力
されたものとする。すると、図３の波形に対して輪郭信
号７は図４のように出力される。また、ソフトフォーカ
ス加算信号１６は図５に示されているようになり、図４
とは極性が逆の信号である。

【００２２】ここで、輪郭加算信号１５は輪郭信号７に
対してゲインを変更したものであるので、ここでは図４
に示されている波形であるものとする。色相検出信号１
０がＬｏの時は図３の入力信号１と図４の輪郭信号７と
が加算される。このため、出力信号１４は図６に示され
ているようになる。図６の出力信号１４は図３の入力信
号１に対して周波数特性が高くなっているのが分かる。

【００２３】一方、色相検出信号１０がＨｉの時は図３
の入力信号１と図５のソフトフォーカス加算信号１６と
が加算器１３にて加算される。このため、出力信号１４
は図７に示されているようになる。図７の出力信号１４
は図３の入力信号１に対して周波数特性が低くなってい
るのが分かる。

【００２４】つまり、入力信号１が正弦波等である場合
を想定すると、波形の立上りが速い場合は繰返し周波数
が高く、波形の立上りが遅い場合は繰返し周波数が低い
ということができるのである。

【００２５】ところで、図１に示されているように、ソ
フトフォーカス用乗数５は、零より小なる値であり、絶
対値が１より小さいのが一般的である。つまり、輪郭信
号７に負の傾きとなるような値を乗じることによって、
図５に示されているような信号１６を生成するのであ
る。

【００２６】また、輪郭用乗数４は零以上の値であり、
２つの乗算器８及び９の出力レベルが等しくなるような
値とする。輪郭用乗数４が零のときは乗算器８の出力は
常に零となり、ソフトフォーカス処理を行わない場合
は、切換器１２から出力される零レベルを加算器１３に
おいて加算することになる。

【００２７】なお図３〜図７において、縦軸は電圧レベ
ル、横軸は時間、各図中の破線は波形の振幅の中心位置
に対応する時間位置である。

【００２８】このように、本構成にて処理を行えばある
色相以外の部分では通常の動作である周波数を持ち上げ
る動作を行い、ある特定の色相部分では周波数特性を下
げる、つまりソフトフォーカス処理効果を得ることがで
きる。

【００２９】図８には、他の実施形態の構成が示されて
いる。この構成例では、図１における乗算器８及び９を
用いる代わりに乗算器１７を１個用い、色相検出信号１
０は輪郭用乗数４とソフトフォーカス用乗数５との切換
えを行う切換器１８の制御のために用いる。本構成でも
図１の構成例の場合と同じくある色相の時に入力の周波
数特性を下げる効果を得られる。

【００３０】上記２つの実施形態に示した通り、色相検
出回路を用いた回路で希望の色相を検出し、それを基に
輪郭信号と逆極性を持つ信号を映像信号に加算すること
により、撮影者等が希望する色相の時だけフォーカスを
甘くすることができるのである。特に、輪郭信号を付加
しない、つまり入力映像信号だけを出力した場合にでも
希望の焦点ずらしの効果が出しきれない時などに有効で
ある。

【００３１】ここで、図１及び図８における輪郭生成回
路２及び色相検出回路３の内部構成例について説明す
る。

【００３２】図９は輪郭生成回路２の構成例を示すブロ
ック図であり、図１及び図８と同等部分は同一符号によ
り示されている。同図において、輪郭生成回路２は、２
つの遅延素子（Ｄ）２１及び２２と、１／２乗算器２５
と、２つの−１／４乗算器２３及び２４と、これら乗算
器２３〜２５の出力を加算する加算器２６とを含んで構
成されている。

【００３３】かかる構成において、入力信号１はパラレ
ルのディジタル信号であるものとする。この入力信号１
は、遅延素子２１によって１クロック分遅延され、さら
に遅延素子２２によって１クロック分遅延される。次
に、入力信号１，遅延素子２１の出力、遅延素子２２の
出力について、夫々乗算器２３〜２５による乗算を行
う。この場合、乗算又はビットシフトによってレベル変
換が行われる。最後に、これら乗算器２３〜２５の出力
を加算器２６で加算し、輪郭が抽出される。つまり、遅
延素子による遅延前後の信号夫々に互いに異なる値を乗
じて加算することで、映像信号中の輪郭線を示す輪郭信
号を抽出しているのである。

【００３４】図１０は、色相検出回路３の構成例を示す
ブロック図であり、図１及び図８と同等部分は同一符号
により示されている。同図において、色相検出回路３
は、色相変換回路３１と、この変換出力であるＩ信号３
１０及びＱ信号３１１について信号レベルの判定を行う
信号範囲判定回路３２とを含んで構成されている。

【００３５】信号範囲判定回路３２は、Ｉ信号３１０及
びＱ信号３１１の他、色相基準値６をも入力としてい
る。この色相基準値６は、Ｉ上限信号３０１，Ｉ下限信
号３０２，Ｑ上限信号３０３及びＱ下限信号３０４から
構成されている。そして、この信号範囲判定回路３２
は、Ｉ信号３１０の信号レベルがＩ下限信号３０２以上
Ｉ上限信号３０１以下の値であり、かつ、Ｑ信号３１１
の信号レベルがＱ下限信号３０４以上Ｑ上限信号３０３
以下の値であるときにＨｉ、それ以外のときにＬｏとな
る色相検出信号１０を出力する。

【００３６】かかる構成において、入力信号１を入力と
する色相変換回路３１においてＩ信号３１０及びＱ信号
３１１を生成する。これら生成されたＩ信号３１０及び
Ｑ信号３１１は信号範囲判定回路３２に入力され、これ
らの信号レベルが上述した範囲内であるかどうかが判定
される。そして、上述した範囲内の信号レベルであれば
色相検出信号１０はＨｉ、それ以外のときにはＬｏとな
る。この色相検出信号１０は、上述した図１の切換器１
１又は図８の切換器１８の制御信号となる。

【００３７】なお、上述したＩ上限信号３０１，Ｉ下限
信号３０２，Ｑ上限信号３０３及びＱ下限信号３０４
は、図示せぬＣＰＵから信号範囲判定回路３２に入力さ
れるようにすれば良い。また、カメラ装置に付加されて
いるボリュームのツマミの調整により出力されて信号範
囲判定回路３２に入力されるようにしても良い。

【００３８】以上のように、本装置によれば、色相検出
結果に応じて２種類の輪郭乗数を切換えて用いることに
より、特定の色相についてのみフォーカスを甘くするこ
とができるのである。つまり、カメラ装置固有の輝度信
号の周波数よりも低い周波数にすることで映像の表現力
を広げることができるのである。

【００３９】請求項の記載に関連して本発明は更に次の
態様をとりうる。

【００４０】（１）前記色相検出手段は、前記映像信号
をＩ信号及びＱ信号からなる色差信号に変換する変換手
段と、この変換後の色差信号のＩ信号及びＱ信号夫々に
ついて所定レベル範囲内の値であるかどうかを判定する
判定手段とを含むことを特徴とする請求項１〜４のいず
れかに記載のビデオカメラ装置。

【００４１】（２）前記抽出手段は、前記映像信号を遅
延させる遅延素子と、この遅延前後の信号夫々に互いに
異なる値を乗じて加算する手段とを含むことを特徴とす
る請求項２〜４のいずれかに記載のビデオカメラ装置。

【００４２】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、色相検出
結果に応じて２種類の輪郭乗数を切換えて用いることに
より、特定の色相についてのみフォーカスを甘くするこ
とができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態によるビデオカメラ装置
の構成を示すブロック図である。

【図２】図１のビデオカメラ装置の動作を示すタイムチ
ャートである。

【図３】図１のビデオカメラ装置の入力信号を示す波形
図である。

【図４】図１のビデオカメラ装置の輪郭信号を示す波形
図である。

【図５】図１のビデオカメラ装置のソフトフォーカス加
算信号を示す波形図である。

【図６】図１のビデオカメラ装置の入力信号と輪郭信号
とを加算した信号を示す波形図である。

【図７】図１のビデオカメラ装置の入力信号とソフトフ
ォーカス加算信号とを示す波形図である。

【図８】本発明の実施の他の形態によるビデオカメラ装
置の構成を示すブロック図である。

【図９】図１及び図８における輪郭生成回路の構成例を
示すブロック図である。

【図１０】図１及び図８における色相検出回路の構成例
を示すブロック図である。

【符号の説明】

１ 入力信号 ２ 輪郭生成回路 ３ 色相検出回路 ４ 輪郭乗数 ５ ソフトフォーカス乗数 ６ 色相基準値 ８，９，１７ 乗算器 １１，１８ 切換器 １３ 加算器 １４ 出力信号

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入力される映像信号が所定色相範囲内の
   信号である間だけ検出信号を出力する色相検出手段と、
   前記検出信号が出力されている間だけ前記映像信号につ
   いてソフトフォーカス処理を行うソフトフォーカス処理
   手段とを含むことを特徴とするビデオカメラ装置。
2. 【請求項２】 前記ソフトフォーカス処理手段は、前記
   映像信号中の輪郭線を示す輪郭信号を抽出する抽出手段
   と、前記検出信号が出力されている間だけ前記抽出手段
   により抽出された輪郭信号とは極性が逆の信号を前記映
   像信号に加算する加算手段とを含むことを特徴とする請
   求項１記載のビデオカメラ装置。
3. 【請求項３】 前記加算手段は、零以上の値である輪郭
   用乗数を乗じて輪郭信号のレベルを変化させる第１の乗
   算器と、零より小なる値であるソフトフォーカス用乗数
   を乗じて輪郭信号の極性を逆にする第２の乗算器と、前
   記検出信号が出力されていないとき前記第１の乗算器の
   出力を送出し、前記検出信号が出力されているとき前記
   第２の乗算器の出力を送出する切換器と、この切換器の
   出力と前記映像信号とを加算する加算器とを含むことを
   特徴とする請求項１又は２記載のビデオカメラ装置。
4. 【請求項４】 前記加算手段は、前記検出信号が出力さ
   れていないとき零以上の値である輪郭用乗数を送出し、
   前記検出信号が出力されているとき零より小なる値であ
   るソフトフォーカス用乗数を送出する切換器と、この切
   換器の出力と前記輪郭信号とを乗算する乗算器と、この
   乗算器の出力と前記映像信号とを加算する加算器とを含
   むことを特徴とする請求項１又は２記載のビデオカメラ
   装置。