JPH1144272A - 燃料ポンプ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料噴射弁に連なる燃料吐出路３に整流され
た燃料を供給するとともにプレッシャーレギュレターＲ
の燃料室９内に整流された燃料を供給する。 【構成】 燃料ポンプ装置は、燃料室５と、燃料ポンプ
Ｐと、燃料フィルターＦと、プレッシャーレギュレター
Ｒとによって構成される。燃料フィルターＦは、上下方
向に貫通路６Ａを有する流路部材６と、その外周を囲繞
するフィルター部材８とにより構成され、流路部材６の
上方開口端６Ｃは燃料吐出路３に臨む。燃料流入路１１
は、流路部材６の貫通路６Ａ内に進入配置されるととも
にその長手軸心線Ｘ−Ｘが直線的に配置され、燃料流入
路１１の上流端１１Ａは貫通路６Ａの上方位置に開口
し、下流端１１Ｂは、燃料室９に臨んで開口する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関に用いられる
燃料噴射装置における燃料ポンプ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】燃料噴射装置において、燃料ポンプ装置
を構成する部品をユニット化することは、装置の設計的
自由度の向上、組付け作業効率の向上の点からよく行な
われるものであり、例えば、特開平８−１２１２８２号
に示される。これは、ブラケットに燃料フィルターが取
りつけられ、燃料フィルターのケースの下部に燃料ポン
プ及びプレッシャーレギュレターが取りつけられる。す
なわち、燃料フィルター、燃料ポンプ、プレッシャーレ
ギュレターがユニット化されたものである。

【０００３】そして、燃料ポンプにて昇圧された燃料
は、ケースの下部室内に流入し、フィルター本体内を上
方に向かって流れ、フィルター本体にて異物が除去され
た燃料がケースの上部室内に流入し、上部空間内の燃料
が燃料吐出路を介して燃料噴射弁に向けて供給される。
一方、フィルター本体の内部には、上下方向に支持管が
貫通して配置されるもので、支持管の上部はスリットを
介して上部室内に開口し、下部は、プレッシャーレギュ
レターの燃料室内へ開口する。この上部室内にある燃料
は、支持管の上部のスリットを介して支持管内を流下
し、プレッシャーレギュレターの燃料室内へ流入するも
ので、これによって上部室内の燃料圧力がプレッシャー
レギュレターにて一定圧に調圧される。以上によると一
定の燃料圧力に調圧された燃料が燃料噴射弁に給送され
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】かかる従来の燃料ポン
プ装置において、燃料ポンプから吐出される燃料は、脈
動圧力を有するもので、この脈動圧力を有する燃料が燃
料フィルターのケース内へ供給される。そして、第１に
この脈動圧力を有する燃料がフィルターを介してケース
の上部空間内へ流入すると、上部空間内において燃料の
流れに乱流を生じるもので、燃料噴射弁に向かう燃料吐
出路内の円滑な燃料流れが阻害される。第２には、この
脈動圧力は上部空間を形成するフィルターのケースに衝
突して振動を生起させるものでケースの振動に伴なう異
常音を発生させる恐れがある。又、第３には、上部空間
内にある燃料は、支持管の内部を流下してプレッシャー
レギュレターの燃料室内に流入するものであるが、この
とき、上部空間内にある燃料に脈動圧力があること。及
び支持管から燃料室内に向かう流路が曲折しているこ
と。からプレッシャーレギュレターの燃料室内へは、脈
動圧力を有する燃料が流入することになる。以上による
とプレッシャーレギュレターが有する固有振動値と、燃
料の脈動圧力とが同調して異常音を発生する恐れがあ
る。この異常音は、乗用車における運転者にとって好ま
しいものでない。

【０００５】本発明になる燃料ポンプ装置は、上記課題
に鑑み成されたもので、燃料噴射弁に連なる燃料吐出路
内を流れる燃料の脈動圧力を軽減して整流された燃料を
供給すること。及びプレッシャーレギュレターの燃料室
内へ脈動圧力が軽減されて整流された燃料を供給するこ
と。のできる前記燃料ポンプ装置を提供することを目的
とする。

【０００６】

【課題を解決する為の手段】本発明になる燃料ポンプ装
置は、前記目的達成の為に、燃料タンクの開口を閉塞す
る蓋体と、蓋体に一体的に取着されるとともに蓋体とと
もに燃料室を形成する筐体と、筐体に装着され、燃料室
内に燃料タンク内の燃料を供給する燃料ポンプと、燃料
室内に配置され、燃料室内の燃料を濾過して燃料吐出路
に向けて供給する燃料フィルターと、筐体に装着され、
燃料吐出路を流れる燃料圧力を一定圧に調圧するプレッ
シャーレギュレターとを備え、前記、燃料フィルター
は、上下方向に貫通路を有する管状部材よりなり、外周
から貫通路内に向けて複数の連通孔が穿設された流路部
材と、流路部材の外周を囲繞するフィルター部材とによ
り形成されるとともに貫通路の上方開口端が燃料吐出路
に臨んで配置され、一方、前記プレッシャーレギュレタ
ーは、区画体にて燃料室とスプリング室とに区分され、
燃料室内には、燃料流入路と、区画体と同期的に移動す
る弁体にて開閉制御される燃料流出路とが開口し、前記
燃料流入路を、燃料フィルターの貫通路内に進入配置す
るとともに、貫通路内に開口する上流端から燃料室内に
向けて開口する下流端に向かう燃料流入路の長手軸心線
を直線的に配置したことを特徴とする。

【０００７】

【作用】燃料ポンプから吐出される脈動圧力をもった燃
料は、燃料室内へ供給され、フィルター、連通孔を介し
て流路部材の貫通路内へ供給される。燃料吐出路へ向か
う燃料は、プレッシャーレギュレターの燃料流入路の外
周に沿って流れ、これによって燃料流れは、整流されて
燃料吐出路へ供給される。一方、貫通路内の燃料は上流
端から燃料流入路内に流入し、燃料流入路内を直線的に
下方へ流れ、これによって燃料流れは整流されてプレッ
シャーレギュレターの燃料室内へ流入する。

【０００８】

【実施例】以下、本発明になる燃料ポンプ装置について
図により説明する。１は、内部に燃料が貯溜される燃料
タンクで有り、燃料タンク１の開口１Ａは、シール部材
を介して蓋体２によって閉塞される。蓋体２には、燃料
吐出路３が形成されるもので、この燃料吐出路３の上流
端３Ａは蓋体２の底部に開口し、下流端３Ｂは側方に開
口するとともに図示せぬ燃料噴射弁が装着された燃料分
配管に連絡される。

【０００９】４は、蓋体２の下方に配置される有底形状
をなす筐体であって、筐体４の上方開口が蓋体２によっ
て閉塞されて燃料室５が形成される。そして、燃料室５
の側方には下方に向かってポンプ吐出路挿入孔５Ａが開
口して形成され、燃料室５の底部５Ｂには、下方に向か
ってレギュレター流入路挿入孔５Ｃが開口して形成され
る。

【００１０】Ｐは、例えば、ウエスコポンプ、ベーンポ
ンプ等の燃料ポンプであり、この燃料ポンプＰは、筐体
４に適当なる方法にて装着され、このときポンプ吐出路
Ｐａは、筐体４のポンプ吐出路挿入孔５Ａ内に挿入配置
され、一方ポンプ吸入路Ｐｂは、ストレーナを介して燃
料タンク１内に臨んで配置される。

【００１１】Ｆは、燃料室５内に配置される燃料フィル
ターであり、以下よりなる。６は上下方向に直線的に貫
通路６Ａが穿設された流路部材であり、その外周部から
内方の貫通路６Ａ内に向けて複数の連通孔６Ｂが穿設さ
れる。そして、流路部材６の上方端に上側リテーナ７Ａ
が装着され、下方端に下側リテーナ７Ｂが装着される。
８はろ紙、多孔材等よりなるフィルター部材であって、
流路部材６の外周に配置されるとともに上側リテーナ７
Ａ、下側リテーナ７Ｂ間に挟持される。そして、かかる
燃料フィルターＦは、筐体４の底部と蓋体２との間に挟
持されて燃料室５内に固定配置されるもので、このとき
流路部材６の貫通路６Ａの上方開口端６Ｃは、上側リテ
ーナ７Ａの孔を介して燃料吐出路３の上流端３Ａに臨ん
で配置される。一方、貫通路６Ａの下方開口端６Ｄは、
レギュレター流入路挿入孔５Ｃに臨んで配置される。以
上によると、燃料室５内の燃料は、フィルター部材８、
連通孔６Ｂを介して流路部材６の貫通路６Ａ内に流入す
る。

【００１２】Ｒは、プレッシャーレギュレターで以下よ
りなる。７は、ダイヤフラム等の区画体８によって燃料
室９とスプリング室１０とに区分された弁本体であっ
て、燃料室９内には、燃料流入路１１と、燃料流出路１
２とが開口する。この燃料流出路１２の上流端にはバル
ブシート１３が配置され、このバルブシート１３は、区
画体８と同期的に移動する弁体１４にて開閉される。尚
１５は、スプリング室１０内に縮設されたスプリングで
あって、区画体８を燃料室９側に向けて押圧する。

【００１３】燃料流入路１１の長手軸心線Ｘ−Ｘは、上
下方向において直線に形成されて燃料フィルターＦの貫
通路６Ａ内に挿入配置される。より具体的に説明する
と、弁本体７より上方に向かって突出する筒部７Ａが筐
体７のレギュレター流入路挿入孔５Ｃ内に挿入して配置
され、筒部７Ａの上端面より更に上方に向かってパイプ
状の燃料流入路１１が貫通路６Ａの上方に向かって突出
配置される。すなわち、パイプ状の燃料流入路１１は、
貫通路６Ａと略同芯に配置されるとともに直線的に上下
方向に配置され、燃料流入路１１の上流端１１Ａが貫通
路６Ａの上方位置に開口し、更に燃料流入路１１の下流
端１１Ｂは、燃料室９に臨んで開口される。ここで重要
なことは、燃料流入路１１の長手軸心線Ｘ−Ｘが直線的
に上下方向に配置されることである。

【００１４】以上によると、蓋体２と筐体４とによって
形成される燃料室５に、燃料ポンプＰ、燃料フィルター
Ｆ、プレッシャーレギュレターＲが装着されて、燃料ポ
ンプ装置がユニット化されるもので、かかるユニット化
された燃料ポンプ装置が燃料タンク１の開口１Ａを介し
て燃料タンク１内に没入して配置される。この状態が図
１に示される。

【００１５】そして、燃料ポンプＰが駆動されると、燃
料タンク１内の燃料は、ポンプ吸入路Ｐｂより燃料ポン
プＰ内へ吸入され、次いでポンプ吐出路Ｐａを介して燃
料室５内へ供給される。

【００１６】この燃料室５内へ供給された燃料は、フィ
ルター部材８、連通孔６Ｂを介して流路部材６の貫通路
６Ａ内へ流入する。

【００１７】そして、流路部材６の貫通路６Ａ内の燃料
は、その一部が燃料吐出路３を介して図示せぬ燃料分配
管の燃料噴射弁に向けて供給され、他の一部が燃料流入
路１１を介してプレッシャーレギュレターＲの燃料室９
内へ供給される。

【００１８】上記燃料吐出路３に向かう燃料流れについ
て以下に詳述する。フィルター部材８より流路部材６の
連通孔６Ｂを介して貫通路６Ａ内に流入する燃料は、貫
通路６Ａの長手軸心線（図において上下方向）に対して
略直交して流入し、この燃料は、燃料流入路１１の外周
に沿って上方向への燃料流れに変換される。そして、こ
のとき燃料流入路１１が貫通路６Ａ内に進入して配置さ
れたこと。及び燃料流入路１１の長手軸心線Ｘ−Ｘが直
線的に配置されたこと。によって上方向へ向かう燃料流
れは燃料流入路１１に沿って確実に整流される。以上に
よると、燃料流入路１１から燃料吐出路３に向けて整流
された燃料が供給されるもので、燃料噴射弁に向けて円
滑な燃料の供給を行なうことができる。又、前述の如
く、燃料を整流できたことは、蓋体２における振動の発
生を抑止できたもので、これによると蓋体２及び燃料タ
ンク１が振動することによって生ずる異常音を低減でき
たものである。

【００１９】次にプレッシャーレギュレターＲに向かう
燃料流れについて以下に詳述する。流路部材６の貫通路
６Ａ内を燃料流入路１１の外周に沿って上方に向かって
流れる燃料は、燃料流入路１１の上流端１１Ａから燃料
流入路１１内へ流入し、燃料流入路１１内を上流端１１
Ａから下流端１１Ｂに向かって流下し、この燃料がプレ
ッシャーレギュレターＲの燃料室９内へと流入する。そ
して、この燃料流入路１１内を流下する燃料は、燃料流
入路１１が長い流路によって形成されること。及び流路
の長手軸心線Ｘ−Ｘが直線的に配置されること。によっ
て効果的に整流され、この整流状態にある燃料が燃料室
９内へ供給される。

【００２０】以上によると、プレッシャーレギュレター
Ｒの固有値（振動、脈動）領域帯をズラすことができ、
脈動と同調したプレッシャーレギュレターの異常音の発
生を抑止できる。又、燃料室９内における脈動圧を低減
できたことは、弁体１４を含む区画体８の振動が抑止さ
れるもので、これによってプレッシャーレギュレターの
制御特性を安定向上できたものである。

【００２１】

【発明の効果】以上の如く、本発明になる燃料ポンプ装
置によると、特に燃料流入路を、燃料フィルターの貫通
路内に進入配置するとともに貫通路内に開口する上流端
から燃料室内に向けて開口する下流端に向かう燃料流入
路の長手軸心線を直線的に配置したことによって、燃料
噴射弁に向けて脈動圧の少ない円滑な燃料の供給を行な
うことができるとともに燃料ポンプ装置を構成する蓋体
２、プレッシャーレギュレターＲに生起する異常音の発
生を効果的に低減できたもので、特に静粛性が望まれる
自動車に効果的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明になる燃料ポンプ装置の一実施例を示す
縦断面図。

【符号の説明】

１ 燃料タンク ２ 蓋体 ４ 筐体 ５ 燃料室 ６ 流路部材 ６Ａ 貫通路 ６Ｂ 連通孔 ９ 燃料室 １１ 燃料流入路 Ｐ 燃料ポンプ Ｆ 燃料フィルター Ｒ プレッシャーレギュレター

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料タンク１の開口１Ａを閉塞する蓋体
   ２と、蓋体２に一体的に取着されるとともに蓋体２とと
   もに燃料室５を形成する筐体４と、筐体４に装着され、
   燃料室５内に燃料タンク１内の燃料を供給する燃料ポン
   プＰと、燃料室５内に配置され、燃料室５内の燃料を濾
   過して燃料吐出路３に向けて供給する燃料フィルターＦ
   と、筐体４に装着され、燃料吐出路５を流れる燃料圧力
   を一定圧に調圧するプレッシャーレギュレターＲとを備
   え、前記、燃料フィルターは、上下方向に貫通路６Ａを
   有する管状部材よりなり、外周から貫通路６Ａ内に向け
   て複数の連通孔６Ｂが穿設された流路部材６と、流路部
   材６の外周を囲繞するフィルター部材８とにより形成さ
   れるとともに貫通路６Ａの上方開口端６Ｃが燃料吐出路
   ３に臨んで配置され、一方、前記プレッシャーレギュレ
   ターは、区画体８にて燃料室９とスプリング室１０とに
   区分され、燃料室９内には、燃料流入路１１と、区画体
   ８と同期的に移動する弁体１４にて開閉制御される燃料
   流出路１２とが開口し、前記燃料流入路１１を、燃料フ
   ィルターＦの貫通路６Ａ内に進入配置するとともに貫通
   路６Ａ内に開口する上流端１１Ａから燃料室９内に向け
   て開口する下流端１１Ｂに向かう燃料流入路１１の長手
   軸心線Ｘ−Ｘを直線的に配置したことを特徴とする燃料
   ポンプ装置。