JPH1142442A - 電気集塵装置 - Google Patents

電気集塵装置

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JPH1142442A
JPH1142442A JP20182297A JP20182297A JPH1142442A JP H1142442 A JPH1142442 A JP H1142442A JP 20182297 A JP20182297 A JP 20182297A JP 20182297 A JP20182297 A JP 20182297A JP H1142442 A JPH1142442 A JP H1142442A
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dry ice
dust collecting
electrodes
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昌文 杉本
Shoji Ebina
庄司 海老名
Tatsumi Fuku
辰己 富久
Kenichi Masamoto
憲一 政本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極に高い付着力で付着する付着物を確実に
かつ短時間で除去することができるようにした電気集塵
装置を提供する。 【解決手段】 相互に5〜10mm程度の間隔をあけて
並列に配置される平板状の複数の集塵用電極21を備え
る集塵ユニット9に、各集塵用電極21間の空間28に
向けて粒径が約1〜2mmのドライアイスペレット22
をノズル11から予め定める噴射速度で噴射して、各集
塵用電極21の対向する表面24a,24bに衝突させ
ることができる洗浄ユニット10を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車道路のトン
ネル内の煤塵を含む空気を清浄化する電気集塵装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車道路のトンネル内の空気は、自動
車から排出される煤煙、および自動車の走行によるアス
ファルト舗装の摩耗によって生じた粉塵などの浮遊微粒
子を多く含んで汚染されている。このような汚染された
空気中にはまた、スパイクタイヤによって削られて発生
するコンクリートダストと塩化カルシウムなどの凍結防
止剤とが結合した粘度状の粒子とがトンネル内に持込ま
れ、それが走行中の自動車によって舞い上げられて撹拌
され、粘着性の浮遊微粒子も混在している。このように
トンネル内の空気には、非粘着性の微粒子と粘着性の微
粒子とが混在しており、このようなトンネル内の汚染空
気を清浄化するために、トンネル内の空気を吸引し、そ
の空気中の煤塵粒子をコロナ放電によって帯電させた
後、この帯電した煤塵粒子をクーロン力によって電気的
に吸着する電気集塵装置が用いられている。
【0003】この電気集塵装置は、前述したように、空
気中の煤塵粒子をコロナ放電によって帯電させるための
帯電用電極、およびコロナ放電によって帯電した煤塵粒
子を電気的に吸着するための集塵用電極を備える。集塵
用電極には、上記の非粘着性の微粒子および粘着性の微
粒子が電気的に吸着されて付着するため、電気集塵装置
には電極に空気または水を吹付けて洗浄するための洗浄
装置が備えられている。
【0004】典型的な従来の技術は、たとえば特公平6
3−52540号公報に示されている。この従来の技術
では、前記集塵用電極を備える集塵ユニットの汚染空気
の流れ方向下流側に各集塵用電極間の間隙に向けて空気
を噴射する複数のエアブローノズルが設けられる。各エ
アブローノズルにはコンプレッサからエアブローライン
を介して加圧空気が供給され、前記エアブローノズルか
ら音速に近い速度で各集塵電極の層間間隙に向けて空気
を吹付け、各集塵電極に付着している付着物を払い落と
すことができるように構成されている。
【0005】また特公平6−85891号公報に示され
る他の従来の技術では、上記の特公昭63−52540
号公報の従来の技術においてエアブローでは集塵用電極
に付着した粘着性がある付着物を除去しきれないために
水洗浄方式が有効であるとして、質量の大きい水の洗浄
力を利用し、集塵用電極間に集塵部洗浄ノズルから約3
kg/cm2の水圧で洗浄水を円錐形状に拡散して噴射
し、集塵用電極の付着物を除去した後、前記集塵部洗浄
ノズルから約2kg/cm2の空気圧で空気を噴射し、
集塵用電極に付着した水滴を除去して集塵用電極の乾燥
時間を短縮することができるように構成されている。
【0006】さらに、特公平6−49154号公報に示
される他の従来の技術では、前述の特公昭63−525
40号公報に示される従来の技術のように、エアブロー
では除去しきれない粘着性の付着物に対して集塵部洗浄
ノズルから約3kg/cm2の水圧で水を集塵用電極に
噴射して付着物を除去した後、前記集塵部洗浄ノズルか
ら前記水に代えて空気を噴射して、集塵用電極に付着す
る水滴を除去し、水洗浄後の乾燥時間を短縮することが
できるように構成されている。
【0007】上述の特公昭63−52540号公報、特
公平6−85891号公報、および特公平6−4915
4号公報に示される各従来の技術では、集塵用電極の付
着力の高い付着物に対しては充分に除去し得ない場合が
生じ、完全に集塵用電極から付着物を除去するために
は、空気または水による洗浄時間が長くなってしまうと
いう問題がある。また上記の特公平6−85891号公
報および特公平6−49154号公報に示される各従来
の技術では、高圧の水を集塵用電極に吹付けて除去して
いるが、この水洗浄後に集塵用電極に付着した水を除去
して乾燥させるために集塵用電極に空気を吹付けてお
り、送風機またはコンプレッサを長時間にわたって稼働
させなければならない。そのため、このような送風機ま
たはコンプレッサを駆動するための電力消費量が大きく
なり、経済性が悪いという問題がある。
【0008】上記の3つの従来の技術において問題とさ
れる強い付着力で付着した集塵用電極への付着物の除去
に関しては、たとえば特開昭55−167075号公報
に示されるように、氷微粒子もしくはドライアイス粒子
または氷微粒子とドライアイス粒子とを混合して成る混
合粒子を被洗浄面に吹付けて付着物を除去する技術が周
知であり、特にドライアイス粒子を用いた場合には、前
記ドライアイス粒子は氷微粒子および水に比べて短時間
で昇華するため、乾燥時間が省略され、洗浄時間を短縮
することができるとともに、乾燥のための電力消費量も
削減でき、上記の3つの従来の技術に比べて経済性を向
上することができる。
【0009】このような特開昭55−167075号公
報に開示される従来の技術に類似の他の従来の技術は、
たとえば特開平2−297816号公報および特公平4
−51233号公報に示されている。これらの従来の技
術では、いずれもドライアイスなどの昇華物の粒子を被
洗浄面に衝突させて、強い付着力で付着している付着物
を除去することが可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の特開昭55−1
67075号公報に示される従来の技術は、道路や鉄道
の沿線施設、たとえば定期的洗浄を必要とするトンネル
壁面あるいはガードレール、橋梁等の施設、あるいは建
築物等の表面の汚れ落とし、または施設の補修のための
錆落とし、または塗装落としのための技術である。また
上記の特開平2−297816号公報に示される従来の
技術は、電気機器部材の接点片の表面の付着物、もしく
は樹脂成形品から成る電気機器部材のバリ、成形粉等の
付着物を除去する清浄方法に関するものである。さらに
特公平4−51233号公報に示される従来の技術は、
樹脂原料を低温粉砕する装置に付着している樹脂付着物
を除去する洗浄法に関するものである。したがって電気
集塵装置の分野においては、電極に強い付着力で付着す
る付着物を除去する技術は存在していない。
【0011】本発明の目的は、電極に強い付着力で付着
する付着物を確実にかつ短時間で除去することができる
ようにした電気集塵装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、相互に約5〜10mmの間隔をあけて並列に配置さ
れる平板状の複数の電極を備える集塵装置本体に、各電
極間の空間に向けて粒径が約1〜2mmのドライアイス
の粒子をノズルから予め定める噴射速度で噴射して、各
電極の対向する表面に衝突させる洗浄手段を設けたこと
を特徴とする電気集塵装置である。
【0013】本発明に従えば、電気集塵装置は相互に約
5〜10mmの間隔をあけて並列に配置される平板状の
複数の電極を集塵装置本体に備える。このような各電極
間の空間に向けてノズルからドライアイスの粒子が噴射
される。この噴射速度は、噴射方向に存在する各電極の
長さに応じて予め定める噴射速度に選ばれる。すなわち
ノズルから各電極の最深部にわたるすべての領域に付着
する付着物を除去し得る一定の噴射速度が選ばれる。ド
ライアイスの粒子は各電極の間隔が約5〜10mm程度
であるため、その粒径は約1〜2mmのものが好適す
る。この粒径が約1mm未満であれば、ドライアイスの
粒子は各電極の対向する表面に衝突するまでにそのほと
んどが昇華してしまい、電極の全表面を洗浄することが
不可能になってしまうとともに、付着力の強い付着物は
除去することが不能になってしまうからである。また粒
径が約2mmを超えると、各電極の厚みは0.5mm程
度であるため、ドライアイスの粒子の質量が大きいため
に電極の表面への衝突エネルギも過大となり、電極を損
傷してしまうという問題が生じる。また集塵用電極の煤
塵を含むガスの流れの方向上流側には帯電用電極が設け
られ、この帯電用電極は平板状のアース電極間に線状も
しくは突起状の放電電極が配置された構成を有するた
め、ドライアイスの粒子が大きな衝突エネルギで放電電
極に衝突すると、その放電電極が破断してしまうおそれ
がある。したがってドライアイスの粒子の粒径は約1〜
2mmが好適である。
【0014】このような洗浄手段を電気集塵装置に設け
ることによって、各電極の表面に強い付着力で付着する
付着物を確実に、しかも全面にわたって除去することが
可能であり、ノズルからドライアイスの粒子を噴射させ
る洗浄時間も短くてすむ。またドライアイスの粒子は常
温で昇華するので、水洗浄のように乾燥工程を必要とせ
ず、洗浄時間を短縮することができる。さらにドライア
イスの粒子は、常温で昇華するので、吹付けられた各電
極の表面には残着物が存在せず、したがって残着物を核
として新たな付着物が発生せず、溶剤を用いて洗浄した
場合のように洗浄後に付着物が再付着するという不具合
も生じない。
【0015】請求項2記載の本発明は、洗浄手段は、前
記ノズルから噴射されるドライアイスの粒子の噴射方向
を、集塵装置本体の各電極に沿う仮想平面に関して両側
に揺動させる揺動手段を含むことを特徴とする。
【0016】本発明に従えば、洗浄手段は揺動手段を含
む。この揺動手段は、各電極に沿う仮想平面に関してノ
ズル自体を揺動して、あるいはノズルから噴射されるド
ライアイスの粒子の飛翔経路を屈曲もしくは弯曲させ
て、噴射方向を両側に揺動させる。これによって5〜1
0mm程度の僅かな間隔をあけて隣接する各電極の対向
する表面に対してより大きな角度でドライアイスの粒子
を衝突させることができ、各電極の表面のうちノズル近
傍の領域から最も離れた領域にわたってほぼ均一にドラ
イアイスの粒子を衝突させることが可能となり、狭い間
隔をあけて隣接する各電極間の空間内で確実に各電極の
表面を洗浄して付着物を除去することができる。
【0017】請求項3記載の本発明は、洗浄手段は、前
記ノズルを、集塵装置本体の各電極の側縁部の各端面を
共通に含む仮想一側面から間隔をあけて各電極の厚み方
向に平行な横方向およびこの横方向に対して前記仮想一
側面上で垂直な縦方向に移動させる移動手段を含むこと
を特徴とする。
【0018】本発明に従えば、前記洗浄手段はノズルを
横方向および縦方向に移動させるための移動手段を含
む。この移動手段は、各電極の側縁部の各端面を共通に
含む一仮想側面、たとえば煤塵を含むガスの流れの方向
下流側の一側面から間隔をあけて、前記ノズルを、前記
仮想一側面上で各電極の厚み方向に平行な横方向と、こ
の横方向に垂直な縦方向とに移動させることができる。
【0019】このような移動手段によって移動するノズ
ルは、前記仮想一側面から間隔をあけて離間しており、
これによってノズルの噴射口が各電極の端面によって塞
がれてしまうことが防がれ、各電極の端面の損傷および
ノズルの目詰まりが防がれ、円滑にノズルからドライア
イスの粒子を連続的に噴射することができる。またノズ
ルと各電極の端面との間に間隔が存在しなければ、ノズ
ルから噴射されたドライアイスの粒子は電極の端面付近
の表面に衝突して表面に垂直な方向および手前側に反射
し、各電極間の空間にドライアイスの粒子が堆積してそ
の空間が塞がれてしまうおそれがある。このような不具
合が生じないように前記間隔はノズルからドライアイス
の粒子の噴射量、噴射方向および噴射速度ならびに電極
間の間隔に応じて適宜定められることが好ましい。この
ような移動手段によって連続して1または複数のノズル
からドライアイスの粒子を噴射しながら広い領域にわた
って洗浄することが可能であり、これによってノズルの
数を少なくすることができ、構成が大形化せず、安価な
製造コストまたは改良コストで本発明を実現することが
できる。
【0020】またこの移動手段は、ノズルをノズル本体
の下流側の仮想一側面に沿って移動させる構成に限るも
のではなく、たとえば各電極間の空間が開放する領域、
すなわち上面側で前記ノズルを移動させるように構成さ
れてもよく、あるいは各電極の上流側の各端面を含む仮
想一側面側で前記ノズルを移動させるように構成されて
もよい。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
電気集塵装置2の概略的構成を示す上側方から見た系統
図である。自動車道路のトンネル内の空間に連通する換
気用迂回トンネル1には、電気集塵装置2が設けられ
る。この電気集塵装置2の煤塵などの塵埃を含む空気の
流れ方向A下流側には送風機3が設けられる。電気集塵
装置2は、ケーシング4の入口および出口にそれぞれ開
閉ダンパ5,6を備え、ケーシング4内には高圧電源装
置7から給電される帯電ユニット8および集塵ユニット
9ならびに洗浄ユニット10が流れ方向A上流側から下
流側にこの順序で設置される。前記帯電ユニット8およ
び集塵ユニット9を含んで集塵装置本体を構成する。
【0022】運転時には、送風機3によって流れ方向A
上流側からケーシング4内に吸込まれて導入される汚染
空気は、その汚染空気中に含まれたカーボン、砂埃およ
びコンクリート粉などの微粒子が帯電ユニット8によっ
て帯電し、集塵ユニット9によって電気的に吸着されて
捕集され、清浄化されて送風機3から流れ方向A下流側
に排出され、トンネル内へ放出される。
【0023】このようにして捕集された微粒子は、帯電
ユニット8および集塵ユニット9の各電極の表面に付着
するため、集塵ユニット9の流れ方向A下流側に配置さ
れる洗浄ユニット10からドライアイスの粒子であるド
ライアイスペレットを噴射して、電極表面に付着した微
粒子の付着物を除去している。このような洗浄工程は、
たとえば1日に1回程度行われる。洗浄ユニット10
は、前記ドライアイスペレットを噴射するノズル11
と、ノズル11にペレット供給管路12を介して前記ド
ライアイスペレットを供給するペレット供給手段13が
設けられる。
【0024】ケーシング4の底部には、各電極の相互に
対向する表面から剥離されて落下した付着物を回収する
ために排出プレナム14が設けられる。この排出プレナ
ム14には、バッグフィルタまたはサイクロンなどによ
って実現される分離回収手段15が付着物回収管路16
によって接続され、分離回収手段15には吸引ファン1
7が吸引管路18によって接続される。排出プレナム1
4の排出口には開閉ダンパ19が設けられ、この開閉ダ
ンパ19によって排出プレナム14の内部空間と付着物
回収管路16の内部空間とを連通させ、あるいは遮断さ
せることができる。
【0025】図2は集塵ユニット9に備えられる複数の
集塵用電極21およびノズル11の配置状態を示す一部
の水平断面図であり、図3はノズル11から噴射された
ドライアイスペレット22が集塵用電極21に衝突した
状態を示す断面図である。前述した集塵ユニット9は、
水平方向に相互に間隔ΔLをあけて並列に配置される平
板状の複数の集塵用電極21を備え、各電極21間の空
間20に向けてドライアイスペレット22をノズル11
のノズル孔23から予め定める噴射速度Vで噴射し、各
電極21の対向する表面24a,24bに衝突させて、
付着物25を剥離して除去することができる。ここで、
各電極21の対向する表面とは、付着物25の付着状態
に応じて両側の表面を洗浄対象とする場合、および片側
の表面だけを洗浄対象とする場合とがあり、本実施形態
では両側の表面を洗浄する場合について説明する。
【0026】前記間隔ΔLは、約5〜10mmであり、
またドライアイスペレット22のノズル11のノズル孔
23からの噴射速度Vは、100m/sec程度であ
る。ドライアイスペレット22の粒径は、約1〜2mm
であり、その長さは約3mmである。このようにドライ
アイスペレット22の粒径を選ぶことによって、各電極
21の長さL1=500〜1000mmの全長にわたっ
てドライアイスペレット22が昇華してその運動エネル
ギを減衰させることなく衝突し、各表面24a,24b
に強固に付着する付着物25を確実に剥離することがで
きる。さらに詳しく述べると、強固に付着する付着物2
5を確実に剥離することができるのは、電極の表面24
aに高速で衝突したドライアイスペレット22は、付着
物25をその運動エネルギによって破壊し、表面24a
に接触するのとほぼ同時にCO2ガスを表面24に沿っ
て放出し、このガスのガスエッジ作用によって付着物2
5を表面24a,24bから持上げて剥離するものであ
る。もし、ドライアイスペレット22の粒径が小さく、
したがって質量が小さいために付着物25に衝突すると
きの運転エネルギが小さいと、付着物25を破壊して破
ることができず、ガスが外部へ放散してガスエッジ作用
が得られなくなってしまう。そのため、上述したように
少なくとも粒径が約1〜2mm程度は必要であり、噴射
速度Vは約100m/sec程度必要である。
【0027】このような噴射条件を具備することによっ
て、各電極21の流れ方向A下流側の端部21aから上
流側の端部21bにわたって確実に付着物25を除去す
ることができる。また上述したように各電極21間の間
隔ΔLは約5〜10mmと小さいため、表面24a,2
4bとノズル11から噴射されたドライアイスペレット
22の飛翔経路とが成す角度θ1も1〜2°程度以下と
小さく、浅い角度で表面24a,24bに衝突するた
め、表面24a,24bには飛翔方向の衝突力Fの表面
24aの法線方向の分力F1しか作用せず、付着物25
を全面にわたって破砕することができなくなってしまう
ため、上記のようにドライアイスペレット22の噴射条
件が選ばれる。
【0028】またアイスペレット22の粒径が約1mm
未満であれば、電極21の下流側の端部21a付近に付
着する付着物25aは除去し得ても、上流側の端部21
bに付着する付着物25にアイスペレット22が到達す
るまでに常温で昇華してしまい、付着物25を破砕し得
るだけの質量、したがって運動エネルギが得られなくな
ってしまう。またドライアイスペレット22の粒径が約
2mmを超えると、各電極21間の間隔ΔLに対して噴
射されたドライアイスペレット22同士が近接しすぎ、
下流側の端部21a付近に付着したドライアイスペレッ
ト22に後続して噴射されたドライアイスペレット22
が衝突して堆積し、間隔ΔLを塞いで確実に最深部であ
る上流側の端部21bまでドライアイスペレット21を
飛翔させて付着物25に衝突させることが不可能になっ
てしまう。このような不具合を解決するために、ドライ
アイスペレット22の粒径および噴射速度などの噴射条
件が上記のように設定される。このような噴射条件は、
ノズル11の先端部と各電極21の長手方向A下流側の
端部21aの各端面26を含む仮想一側面27との間隔
L2によっても左右される。この間隔L2は、10mm
以下に選ばれ、好ましくは各電極21の加工上の公差に
よる端面26の凹凸を許容し得る程度の間隔として2〜
3mmに選ばれる。
【0029】図4は、汚染空気の流れ方向A下流側から
見た洗浄ユニット10の背面図であり、図5は図4の右
側から見た洗浄ユニット10の断面図であり、図6は移
動手段30の簡略化した系統図である。前記洗浄ユニッ
ト10には、ノズル11を、集塵ユニット9の各電極2
1の側縁部の各端面26を共通に含む仮想一側面27か
ら間隔L2をあけて各電極21の厚み方向(図2の上下
方向)に平行な横方向Bおよびこの横方向Bに対して前
記仮想一側面27上で垂直な縦方向Cに移動させること
ができる移動手段30が設けられる。さらに具体的に述
べると、移動手段30は、4周枠組されたハウジング3
1と、ハウジング31内で縦方向Cに移動する昇降フレ
ーム32と、ノズル11を横方向Bに変位する横駆動手
段33と、昇降フレーム32を縦方向Cに移動する縦駆
動手段34とを含む。
【0030】ハウジング31は、上下に相互に平行に延
びる一対の縦枠体35,36と、横方向Bに延び、各縦
枠体35,36の上端部を連結する上枠体37と、横方
向Bに延び、各縦枠体35,36の下端部を連結する下
枠体38とを有する。このようなハウジング31内に
は、前記縦駆動手段34が設けられる。昇降フレーム3
2は各縦枠体35,36間にわたって縦方向、すなわち
上下に昇降変位自在に長手方向両端部が案内される。昇
降フレーム32の上面にはノズル11が固定される走行
体39が横方向Bに移動自在に設けられる。
【0031】昇降フレーム32内には、横駆動手段33
が設けられ、走行体39を横方向に変位する。この横駆
動手段33は、昇降フレーム32内の長手方向両端部に
水平な回転軸線まわりに回転自在に軸支される一対のプ
ーリ41,42と、各プーリ41,42間にわたって巻
掛けられて張架される無端状のタイミングベルト43
と、一方のプーリ42を所定の距離にわたって連続的お
よび断続的に回転駆動するモータ44とを有する。この
モータ44は、たとえばサーボモータによって実現され
る。
【0032】縦駆動手段34は、一方の縦枠体36の長
手方向両端部に水平な回転軸線まわりに回転自在に設け
られる一対のスプロケットホイール45,46と、各ス
プロケットホイール45,46間にわたって巻掛けられ
て張架される昇降用チェーン47と、他方の縦枠体35
の長手方向両端部に水平な回転軸線まわりに回転自在に
設けられる一対のスプロケットホイール48,49と、
各スプロケットホイール48,49間にわたって巻掛け
られて張架される昇降用チェーン50と、上枠体37の
長手方向両端部に各縦枠体35,36の上端部に配置さ
れる各スプロケットホイール45,48とを同軸に連結
される一対のスプロケットホイール51,52と、各ス
プロケットホイール51,52間にわたって巻掛けられ
て張架される動力伝達用チェーン53と、一方の縦枠体
36の上部に配置された2つのスプロケットホイール4
5,51に出力軸が連結されて回転駆動する縦移動用モ
ータ54とを有する。
【0033】各縦枠体35,36内に設けられる各昇降
用チェーン47,50の内張架部分55と外張架部分5
6とが連結され、昇降フレーム32を縦方向Cに昇降変
位させることができる。
【0034】ノズル11には可撓性のホース61の一端
部が接続され、このノズル11の他端部には前記ペレッ
ト供給管路12が接続される。
【0035】図7は、移動手段30によるノズル11の
洗浄経路を示す集塵ユニット9を下流側から見た図であ
り、図7(1)はノズル11が各集塵用電極21の全幅
にわたって幅方向Bに移動した後に横一列分だけ縦方向
Cへ移動する動作を繰返して上部63から下部64へ洗
浄する経路を示し、図7(2)はノズル11が各集塵用
電極21の全高さにわたって、縦方向Cに移動した後に
縦一列分だけ横方向Bへ移動する動作を繰返して一側部
65から他側部66へ洗浄する経路を示す。
【0036】ノズル11は、前述したように、移動手段
30によって横方向Bおよび縦方向Cに移動することが
でき、このようなノズル11によって集塵ユニット9の
流れ方向A下流側から上流側に向けてドライアイスペレ
ット22が吹付けられる。
【0037】洗浄動作が開始されるにあたっては、ノズ
ル11は、図7(1)に示されるように、集塵ユニット
9の上部63の一側部65寄りの近傍の初期値P0 に配
置され、動作の開始とともに縦方向C下方へ最上列まで
下降し、その後、一側部65から他側部66に向かって
全幅にわたって横方向Bに移動しながら洗浄し、他側部
66側で横一列分だけ下降して2列目に移り、他側部6
6から一側部65に向けて全幅にわたって横方向に移動
しながら洗浄する。このような動作を繰返しながら集塵
ユニット9の上部63から下部64にわたって洗浄動作
を行う。
【0038】横方向Bへの移動速度はVB=50〜20
0mm/secに選ばれ、縦方向Cへの移動速度はVC
=50〜200mm/secに選ばれる。またノズル1
1からはドライアイスペレット22がドライアイスペレ
ット供給手段13から噴射速度VP=100〜150m
/secで一定の方向に噴射され、各集塵用電極21の
全幅L1にわたって表面24a,24bにほぼ均一に当
接し、付着物25が除去される。
【0039】上述の図7(1)に示される横方向Cの洗
浄動作では、ノズル11から噴射されるドライアイスペ
レット22が各集塵用電極21の端面26(図2参照)
に頻繁に当接するため、各集塵用電極21間の空間20
内への吹込み量が減少してしまう。そのため、図7
(2)に示されるように、ノズル11を一側部65か他
側部66に向かって縦方向Cに順次的に移動させながら
縦1列毎に洗浄を行うことによって、各集塵用電極21
の端面26にノズル11から噴射されたドライアイスペ
レットが当接する回数を格段に少なくすることができ、
実質的に洗浄に寄与しない無駄なドライアイスペレット
の使用を少なくして、より効率的に洗浄動作を行うこと
ができる。
【0040】図8は、揺動手段70の具体的構成を示す
断面図である。前記洗浄ユニット10、揺動手段70を
備える。すなわち、昇降フレーム32上を横方向Bに移
動自在に設けられる前記走行体39は、中空箱状であっ
て、この走行体39内には揺動手段70が設けられる。
この揺動手段70は走行体39の底部71に固定される
揺動モータ72と、揺動モータ72の出力軸に固定され
るホロア73と、ホロア73に下端部が嵌まり込み、ホ
ロア73の軸線からずれた軸線を有する軸74と、走行
体39の上板75上で変位自在に設けられ、軸74の上
端部が固定される摺動板76と、ノズル11を先端部近
傍で摺動板76に固定するブラケット77と、ノズル1
1の後端部近傍に取付けられるブラケット78と、後端
側ブラケット78が固定され、硬質ゴムなどの可撓性お
よび弾発性を有する材料から成る直円柱状の支持片79
と、支持片79の下端部が固定され、走行体39の底部
71に溶接して取付けられる取付片80とを有する。
【0041】前記揺動モータ72は、たとえば空気圧モ
ータによって実現される。このモータ72の出力軸が回
転駆動されると、これに伴ってホロア73および軸74
がホロア73の回転軸線まわりに回転駆動される。この
とき軸74はホロア73の回転軸線から偏心距離eだけ
離れた位置で回転する。偏心距離eは、たとえば0.1
〜1.0mmの範囲内でノズル11内からドライアイス
ペレット22の噴射状態を見て適宜設定される。ホロア
73の回転によってノズル11の先端部側が振動し、基
端部側は支持片79によって前記先端側の揺動を許容し
た状態でノズル17の基端部を支持している。
【0042】このような揺動手段70によって、ノズル
11から噴射されるドライアイスペレット22の噴射方
向を、各集塵用電極21の表面24a,24bに沿う仮
想平面81(図2参照)に対して両側に揺動させること
ができる。このようなノズル11の揺動動作は、前記横
駆動手段33によるノズル11の横方向Bの移動速度V
B および各集塵用電極21の表面24a,24bへの付
着物の付着状態によって決定され、3〜20Hz程度の
範囲で適宜設定される。
【0043】このような揺動手段70によってノズル1
1の噴射方向を各集塵用電極21aの下流側の端部21
aから上流側の端部21bにわたって全面にドライアイ
スペレット22を衝突させることができ、ノズル11を
移動手段30によって連続的に移動させながらドライア
イスペレット22を噴射しても、表面24a,24bの
全面から付着物25を確実に除去することが可能とな
る。
【0044】図9は、本発明の実施の他の形態のノズル
11aの先端部83付近の断面図である。本実施の形態
のノズル11aは、先端部83が直円筒状に形成され、
この先端部83の内径は複数の空間28を挟む各一対の
集塵用電極21の対向する表面24a,24bよりも大
きく選ばれる。先端部83内には、周方向に等間隔をあ
けて複数(本実施の形態では4)のリブ84によって先
端部83の中心軸線上に同軸に配置される略円錐台状の
中央ブロック85が設けられる。この中央ブロック85
は、ドライアイスペレット22の噴射方向上流側の一端
部86が半球状に形成され、噴射方向D下流側の他端部
87に近接するにつれて拡径して形成される。この他端
部87の外周面と先端部83の内周面との間には、一半
径線上で間隔mを有する環状のノズル孔23aが形成さ
れる。
【0045】中央ブロック85によって、ノズル孔23
aから噴出したドライアイスペレットは、外周部近傍で
矢符88で示されるように半径方向外方に拡がり、また
中央ブロック85の他端部87における軸線に垂直な端
面89よりも下流側では、伴流によってドライアイスペ
レット22は半径方向内方に引き寄せられる。このよう
にしてノズル先端から噴射されるドライアイスペレット
22の拡がり角θ2を大きくして、ほぼ均一にドライア
イスペレットを噴射することができる。このような拡が
り角θ2は、中央ブロック85を軸線方向に移動させて
中央ブロック85の端面89と先端部83の端面91と
の軸線方向の間隔ΔL1を変化させ、たとえば間隔ΔL
1を小さくするように中央ブロック85を形成または配
置したときには拡がり角θ2は大きくなり、また間隔Δ
L1を大きくなるように中央ブロック85を形成しまた
は移動させたときには拡がり角θ2を小さくすることが
できる。
【0046】前記中央ブロック85の他端部87におけ
る外周面と先端部83との間隔mは、ドライアイスペレ
ット22の粒径よりもわずかに大きく選ばれる。したが
ってドライアイスペレット22が中央ブロック85と先
端部83との間を通過するとき、ドライアイスペレット
22の輸送流体である乾燥空気が漏洩する隙間を少なく
することができ、噴射直後のドライアイスペレットの失
速を防ぐことができる。
【0047】このようなノズル11aを前述の実施の形
態のノズル11に代えて用いることによって、一度に広
い領域にドライアイスペレットを噴射することができ、
これによって移動手段30によるノズル11aの移動速
度を大きくして、洗浄時間を短縮することができる。
【0048】また本発明の実施のさらに他の形態とし
て、図9に示される直円筒状の先端部83を有するノズ
ル11aに代えて、ノズル孔が噴射方向に拡開する構成
であってもよい。このようなノズルを用いることによっ
て、さらに広い噴射領域に拡散してドライアイスペレッ
トを噴射することができる。
【0049】本発明の実施のさらに他の形態として、図
10に示されるように、中央にドライアイスペレット2
2が輸送用流体である乾燥空気によって噴射される第1
ノズル孔93と、第1ノズル孔93よりも半径方向外方
で開口し、中心軸線に向けて空気を噴射する複数(本実
施の形態では2)の第2ノズル孔94a,94bとが形
成されるノズル11bを用いるようにしてもよい。各第
2ノズル孔94a,94bには、図示しない空気圧源か
ら個別に空気が供給され、これらの第2ノズル孔94
a,94bから噴射される空気の強さ、すなわち吐出圧
または吐出量を変化させることによって中央の第1ノズ
ル孔93から一定の噴射量で噴射されるドライアイスペ
レットおよびその輸送流体の向きを変化させ、希望する
交番周期で対向する各集塵用電極21の表面24a,2
4b間に交互に当接させることができる。
【0050】このように各表面24a,24bに第1ノ
ズル孔93から噴射されるドライアイスペレットを交互
に集中的に当接させることができるので、高い洗浄効果
を達成することができる。
【0051】また各第2ノズル孔94a,94bは、第
1ノズル孔93を外囲するようにして円弧状に形成され
る。これによって第1ノズル孔93から噴射されたドラ
イアイスペレット22の噴射流が、第1ノズル孔93か
ら噴出直後に拡がって拡散することが防がれ、噴出流の
運動エネルギが放散することなく各集塵用電極21a,
21bの表面24a,24bに衝突させて、大きな洗浄
効果を得ることができる。しかも、第2ノズル孔94
a,94bによって、第1ノズル孔93から噴射される
ドライアイスペレット22の噴射流の向きを微小に変化
させることができるので、ノズル11b自体を揺動させ
る必要がなく、構成が簡略化される。
【0052】図10に示されるノズル11bは、第2ノ
ズル孔94a,94bが出射端において第1ノズル孔9
3の外周に周方向に円弧状に延びて形成されたけれど
も、本発明の実施のさらに他の形態として、複数の円形
の第2ノズル孔を第1ノズル孔93の周囲に周方向に等
間隔をあけて複数形成されてもよい。このような円形の
第2ノズル孔によって、第1ノズル孔93から噴射され
るドライアイスペレット22の噴射流を任意の方向に微
小角変位させて噴射することが可能となり、したがって
左右方向だけでなく、上下方向および斜め方向にも噴射
流の角度を変えてドライアイスペレット22の噴射流を
拡開させずに、細いままで、各集塵用電極21の表面2
4a,24bに集中的に衝突させて、付着物が粘着性の
微粒子および非粘着性の微粒子に拘わらず、大きな洗浄
エネルギで剥離することができ、洗浄効果が向上され
る。
【0053】以上の実施の各形態では、集塵ユニット9
の洗浄について説明したけれども、帯電ユニット8に対
しても上記の洗浄ユニット10によって同様に洗浄する
ことができる。この場合には、複数の平板状のアース電
極間に線状の放電電極が設けられているため、ノズル1
1から噴射されるドライアイスペレットの噴射圧を上記
集塵ユニット9の場合に比べて低くし、あるいは噴射圧
は変えずに粒径を小さくして洗浄することによって、放
電電線の破断を防ぎ、かつ確実に付着物を除去すること
ができる。
【0054】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、電気集
塵装置は相互に約5〜10mmの間隔をあけて並列に配
置される平板状の複数の電極を集塵装置本体に備える。
このような各電極間の空間に向けてノズルからドライア
イスの粒子が噴射される。この噴射速度は、噴射方向に
存在する各電極の長さに応じて予め定める噴射速度に選
ばれる。すなわちノズルから各電極の最深部にわたるす
べての領域に付着する付着物を除去し得る一定の噴射速
度が選ばれる。ドライアイスの粒子は各電極の間隔が約
5〜10mm程度であるため、その粒径は約1〜2mm
のものが好適する。この粒径が約1mm未満であれば、
ドライアイスの粒子は各電極の対向する表面に衝突する
までにそのほとんどが昇華してしまい、電極の全表面を
洗浄することが不可能になってしまうとともに、付着力
の強い付着物は除去することが不能になってしまうから
である。また粒径が約2mmを超えると、各電極の厚み
は0.5mm程度であるため、ドライアイスの粒子の質
量が大きいために電極の表面への衝突エネルギも過大と
なり、電極を損傷してしまうという問題が生じる。また
集塵用電極の煤塵を含むガスの流れの方向上流側には帯
電用電極が設けられ、この帯電用電極は平板状のアース
電極間に線状もしくは突起状の放電電極が配置された構
成を有するため、ドライアイスの粒子が大きな衝突エネ
ルギで放電電極に衝突すると、その放電電極が破断して
しまうおそれがある。したがってドライアイスの粒子の
粒径は約1〜2mmが好適である。
【0055】このような洗浄手段を電気集塵装置に設け
ることによって、各電極の表面に強い付着力で付着する
付着物を確実に、しかも全面にわたって除去することが
可能であり、ノズルからドライアイスの粒子を噴射させ
る洗浄時間も短くてすむ。またドライアイスの粒子は常
温で昇華するので、水洗浄のように乾燥工程を必要とせ
ず、洗浄時間を短縮することができる。さらにドライア
イスの粒子は、常温で昇華するので、吹付けられた各電
極の表面には残着物が存在せず、したがって残着物を核
として新たな付着物が発生せず、溶剤を用いて洗浄した
場合のように洗浄後に付着物が再付着するという不具合
も生じない。
【0056】請求項2記載の本発明によれば、洗浄手段
は揺動手段を含む。この揺動手段は、各電極に沿う仮想
平面に関してノズル自体を揺動して、あるいはノズルか
ら噴射されるドライアイスの粒子の飛翔経路を屈曲もし
くは弯曲させて、噴射方向を両側に揺動させる。これに
よって5〜10mm程度の僅かな間隔をあけて隣接する
各電極の対向する表面に対してより大きな角度でドライ
アイスの粒子を衝突させることができ、各電極の表面の
うちノズル近傍の領域から最も離れた領域にわたってほ
ぼ均一にドライアイスの粒子を衝突させることが可能と
なり、狭い間隔をあけて隣接する各電極間の空間内で確
実に各電極の表面に付着した付着物を除去することがで
きる。
【0057】請求項3記載の本発明によれば、前記洗浄
手段はノズルを横方向および縦方向に移動させるための
移動手段を含む。この移動手段は、各電極の側縁部の各
端面を共通に含む一仮想側面、たとえば煤塵を含むガス
の流れの方向下流側の一側面から間隔をあけて、前記ノ
ズルを、前記仮想一側面上で各電極の厚み方向に平行な
横方向と、この横方向に垂直な縦方向とに移動させるこ
とができる。
【0058】このような移動手段によって移動するノズ
ルは、前記仮想一側面から間隔をあけて離間しており、
これによってノズルの噴射口が各電極の端面によって塞
がれてしまうことが防がれ、各電極の端面の損傷および
ノズルの目詰まりが防がれ、円滑にノズルからドライア
イスの粒子を連続的に噴射することができる。またノズ
ルと各電極の端面との間に間隔が存在しなければ、ノズ
ルから噴射されたドライアイスの粒子は電極の端面付近
の表面に衝突して表面に垂直な方向および手前側に反射
し、各電極間の空間にドライアイスの粒子が堆積してそ
の空間が塞がれてしまうおそれがある。このような不具
合が生じないように前記間隔はノズルからドライアイス
の粒子の噴射量、噴射方向および噴射速度ならびに電極
間の間隔に応じて適宜定められることが好ましい。この
ような移動手段によって連続して1または複数のノズル
からドライアイスの粒子を噴射しながら広い領域にわた
って洗浄することが可能であり、これによってノズルの
数を少なくすることができ、構成が大形化せず、安価な
製造コストまたは改良コストで本発明を実現することが
できる。
【0059】またこの移動手段は、ノズルをノズル本体
の下流側の仮想一側面に沿って移動させる構成に限るも
のではなく、たとえば各電極間の空間が開放する領域、
すなわち上面側で前記ノズルを移動させるように構成さ
れてもよく、あるいは各電極の上流側の各端面を含む仮
想一側面側で前記ノズルを移動させるように構成されて
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の電気集塵装置2の概略
的構成を示す系統図である。
【図2】集塵用ユニット9に備えられる複数の集塵用電
極21およびノズル11の配置状態を示す一部の水平断
面図である。
【図3】ノズル11から噴射されたドライアイスペレッ
ト22が集塵用電極21に衝突した状態を示す断面図で
ある。
【図4】汚染空気の流れ方向A下流側から見た移動手段
30の背面図である。
【図5】図4の右側から見た移動手段30の側面図であ
る。
【図6】移動手段30の簡略化した系統図である。
【図7】移動手段30によるノズル11の洗浄経路を示
す集塵ユニット9を下流側から見た図であり、図7
(1)はノズル11が各集塵用電極21の全幅にわたっ
て横方向Bに移動した後に横一列分だけ縦方向Cへ移動
する動作を繰返して上部63から下部64へ洗浄する経
路を示し、図7(2)はノズル11が各集塵用電極21
の全高さにわたって縦方向Cに移動した後に縦一列分だ
け横方向Bへ移動する動作を繰返して一側部65から他
側部66へ洗浄する経路を示す。
【図8】揺動手段70の具体的構成を示す断面図であ
る。
【図9】本発明の実施の他の形態のノズル11aの先端
部83付近の断面図である。
【図10】本発明の実施のさらに他の形態のノズル11
bの先端部83a付近の斜視図である。
【符号の説明】
2 電気集塵装置 3 送風機 4 ケーシング 5,6 開閉ダンパ 8 帯電ユニット 9 集塵ユニット 10 洗浄ユニット 11,11a,11b ノズル 21,21a,21b 集塵用電極 22 ドライアイスペレット 23 ノズル孔 24a,24b 表面 25 付着物 26 端面 27 仮想一側面 28 空間 30 移動手段 32 昇降フレーム 39 走行体 70 揺動手段 81 仮想平面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富久 辰己 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 政本 憲一 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に約5〜10mmの間隔をあけて並
    列に配置される平板状の複数の電極を備える集塵装置本
    体に、各電極間の空間に向けて粒径が約1〜2mmのド
    ライアイスの粒子をノズルから予め定める噴射速度で噴
    射して、各電極の対向する表面に衝突させる洗浄手段を
    設けたことを特徴とする電気集塵装置。
  2. 【請求項2】 洗浄手段は、前記ノズルから噴射される
    ドライアイスの粒子の噴射方向を、集塵装置本体の各電
    極に沿う仮想平面に関して両側に揺動させる揺動手段を
    含むことを特徴とする請求項1記載の電気集塵装置。
  3. 【請求項3】 洗浄手段は、前記ノズルを、集塵装置本
    体の各電極の側縁部の各端面を共通に含む仮想一側面か
    ら間隔をあけて各電極の厚み方向に平行な横方向および
    この横方向に対して前記仮想一側面上で垂直な縦方向に
    移動させる移動手段を含むことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の電気集塵装置。
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