JPH1142395A - 風呂水給水ホース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 電線が大きな流動抵抗になることや電線の太
さ分だけ水の流動量が減少することを回避することがで
きながらも、可撓性を低下させることがなく、しかも耐
久性を向上させることができる風呂水給水ホースを提供
する点にある。 【解決手段】 外面に凹部３Ａと凸部３Ｂとを交互に備
えた可撓性を有するホース本体３の一端に給水口５を備
えるとともに、他端に前記給水口５から吸い上げた水を
排出するための排出口を備えた風呂水給水ホースであっ
て、前記ホース本体３の外面に該ホース本体３と略同一
長さを有する導電線７を配置するとともに、前記導電線
７が配置されたホース本体３の外面全体を薄肉のシート
部材６により被覆したことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、風呂水を利用して
洗濯を行うための風呂水給水ホースに関する。

【０００２】

【従来の技術】洗濯機に風呂水を利用する場合には、ま
ず風呂水給水ホースの基端に備えさせた風呂水用給水継
手を洗濯機の風呂水用給水口に差し込んだ後、風呂水給
水ホースの先端の給水口を浴槽に沈める。この後、洗濯
機側に備えている風呂水ポンプ用押ボタンを押すことに
より、ポンプを駆動して、風呂水を吸い上げて洗濯機に
供給するようにしている。

【０００３】上記のように風呂水を洗濯機に供給する場
合には、風呂水給水ホースを一旦、洗濯機と浴槽との間
にセットした後に、洗濯機側に戻って、風呂水ポンプ用
押ボタンを押さなければならないため、風呂水給水作業
が手間のかかる煩わしいものであり、遠隔操作用のスイ
ッチを風呂水給水ホースの先端側に設けることが要望さ
れている。又、風呂水給水ホースの先端に水を検出する
ためのセンサを設けて、このセンサの水検出信号に基づ
いて前記ポンプを自動的に駆動できるようにすることも
要望されている。又、風呂水給水ホースの先端に開閉弁
を設けて、風呂水給水ホースに溜まっている水が風呂水
給水ホースをセットしている間に、風呂水給水ホースの
先端から排出されてしまうことがないように開閉弁を閉
じ操作し、セット後は開閉弁を開放操作して風呂水の吸
い上げができるようにすることも要望されている。又、
風呂水給水ホースは、可撓性を有するとともに、取り扱
いが容易にできるものであるため、比較的薄い肉厚で構
成されることになり、この結果、耐久性において不利に
なり、早期破損を招き、風呂水を洗濯機に供給すること
ができなくなることがあった。

【０００４】上記のように、風呂水給水ホースの先端側
に、遠隔操作用のスイッチを設けたり、水検出用センサ
を設ける、あるいは開閉弁を設ける場合には、それらの
ものと洗濯機側に備えている電源とを接続するための導
電線が必要となり、この導電線を風呂水給水ホースに備
えさせたものとして、例えば実公昭４２−１６９３２号
公報の遠隔操作用ホースが挙げられる。これは、掃除機
用ホース内に電線を挿通した後、掃除機用ホース内面に
電線のチューブを接着剤を介して、又は溶着により固着
するようにしている。

【０００５】上記のものは、掃除機用ホース内に電線を
挿通するものであるが、水を流動させる風呂水給水ホー
ス内に電線を挿通するものにおいては、風呂水給水ホー
ス内に突出する電線が大きな流動抵抗になるだけでな
く、電線の太さ分だけ水の流動量が減少するものであっ
た。又、掃除機用ホース内面の凹部に電線のチューブを
固着することになるため、掃除機用ホースの屈曲を凹部
の伸縮により行っている構成では、掃除機用ホースの屈
曲がし難いものであり、改善の余地があった。そこで、
実公昭３９−２３２６６号公報に示されるように、ホー
ス外面に電線のチューブを溶着により固定したものがあ
る。これは、上記のように電線が大きな流動抵抗になる
こと、及び電線の太さ分だけ水の流動量が減少すること
を回避することができるものの、ホース外面に電線のチ
ューブを溶着するため、ホースの屈曲がし難いものであ
り、特に可撓性を必要とする風呂水給水ホースには、不
向きであった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明が前述の状況に
鑑み、解決しようとするところは、電線が大きな流動抵
抗になることや電線の太さ分だけ水の流動量が減少する
ことを回避することができながらも、可撓性を低下させ
ることがなく、しかも耐久性を向上させることができる
風呂水給水ホースを提供する点にある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題解
決のために、外面に凹部と凸部とを交互に備えた可撓性
を有するホース本体の一端に給水口を備えるとともに、
他端に前記給水口から吸い上げた水を排出するための排
出口を備えた風呂水給水ホースであって、前記ホース本
体の外面に該ホース本体と略同一長さを有する導電線を
配置するとともに、前記導電線が配置されたホース本体
の外面全体を薄肉のシート部材により被覆したことを特
徴としている。前記のように導電線をホース本体の外面
に配置することによって、導電線が吸い上げた水の流動
抵抗になることはない。又、薄肉のシート部材とホース
本体とで導電線を挟み込んで固定することによって、シ
ート部材に対してホース本体の移動が許容されることか
ら、ホース本体の伸縮が阻止されることがない。そのた
め、ホース本体の可撓性が大きく低下することがないの
である。又、シート部材によりホース本体が保護されて
いるから、ホース本体のカバー材やクッション材として
シート部材を機能させることができ、ホース本体の耐久
性の向上を図ることができる。又、何らかの原因でホー
ス本体に亀裂等が発生した場合でも、シート部材が被覆
しているから、給水が行えないということを回避するこ
とができる。

【０００８】前記導電線とこれに接触する前記ホース本
体の凸部とが面接触状態になるように前記シート部材を
ホース本体に被覆することによって、最も接当し易いホ
ース本体の凸部に対する強度アップを図ることができる
と同時に、ホース本体の凹部にまでシート部材の一部が
入り込むことなく、シート部材を直線状に張った状態で
確実に保持することができる。

【０００９】前記シート部材の厚みを０．５ｍｍ以下に
することによって、ホース本体の可撓性を良好に維持さ
せることができながらも、ホース本体の保護を行うこと
ができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】図２に、洗濯機１に浴槽２の水を
吸い上げるための風呂水給水ホースの使用例が示されて
いる。この風呂水給水ホースを用いて浴槽２の水を吸い
上げるには、まず風呂水給水ホースを構成するホース本
体３の基端に取り付けた排出口を有する風呂水用給水継
手４を洗濯機の風呂水用給水口に差し込んだ後、図３に
示すように前記ホース本体３の先端に取り付けた給水口
５を浴槽２に沈める。この後、洗濯機側に備えている風
呂水ポンプ用押ボタン（図示せず）を押すことにより、
洗濯機１内に備えるポンプ（図示せず）を駆動して、風
呂水を吸い上げて洗濯機１に供給するようにしている。

【００１１】前記ホース本体３は、図１（イ），（ロ）
に示すように、内方側に突出する環状の凹部３Ａと外方
側に突出する環状の凸部３Ｂとを交互に備えるととも
に、可撓性を有するために合成樹脂で形成されている。
図１（ハ）に示すように、前記凹部３Ａの肉厚ａを約
０．８ｍｍとし、前記凸部３Ｂの肉厚ｂを約０．６ｍｍ
とすることにより、ホースの伸縮時に作用する凹部３Ａ
の肉厚ａを凸部３Ｂの肉厚ｂよりも厚くすることによっ
て、ホース本体３の耐久性の向上を図るようにしてい
る。尚、凹部３Ａの肉厚ａ及び凸部３Ｂの肉厚ｂの大き
さは、これらの数値に限定されるものではなく、しかも
これら肉厚の大きさは、ホース本体３の直径の大きさ等
に基づいて設定することになる。前記ホース本体３及び
後述のシート部材６は、例えば柔軟質のポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂で製造
してもよく、可撓性を有するものであればどのような材
質から製造してもよい。前記ホース本体３とシート部材
６のそれぞれを、それの表面が低摩擦係数となる材料で
構成すれば、ホース本体３の可撓性をシート部材６が阻
止する度合いを小さくすることができる。

【００１２】前記ホース本体３の外面には、このホース
本体３と略同一の長さを有する導電線７が配置され、こ
の導電線７が配置されたホース本体３の外面全体を保護
するための薄肉のシート部材６により被覆している。前
記シート部材６は、厚さ約０．２ｍｍ〜０．５ｍｍ程度
の薄肉シートに構成することによって、可撓性を有する
ものでありながら、被覆部材としての機能を確実に発揮
させることができるようにしている。前記のようにホー
ス本体３とシート部材６のそれぞれを、それの表面が低
摩擦係数となる材料で構成することによって、ホース本
体３の可撓性を確実に発揮させることができながらも、
ホース本体３の保護が行えるようにしている。図では、
ホース本体３とシート部材６との間に隙間が存在してい
ないようにしているが、隙間が一部分で発生するように
シート部材６をホース本体３に被覆するようにすれば、
更にホース本体３の可撓性を高めることができる。前記
導電線７は、２本の銅線７Ａ，７Ａと、これら銅線７
Ａ，７Ａを被覆するチューブ７Ｂとからなっている。図
に示したチューブ７Ｂは、実際には、図のものよりも薄
いものであるが、図においてわかり易くするためにある
程度の肉厚にしている。前記チューブ７Ｂを可撓性を有
する合成樹脂で製造することによって、ホース本体３の
可撓性をより発揮させることができる。

【００１３】前記給水口５について詳述すれば、図３に
示すように、先端に開口部５Ａを備えるとともに、給水
口５内に水を検出するためのセンサ８を設けて、このセ
ンサ８の水検出信号に基づいて前記ポンプ（図示せず）
を自動的に駆動できるようにしている。例えば、洗濯機
の電源がＯＮ状態であると、前述のように、風呂水用給
水継手４を洗濯機の風呂水用給水口に差し込んだ後、前
記ホース本体３の先端に取り付けた給水口５を浴槽２に
沈めることにより、給水口５内に水が入り込む。このと
き、センサ８がこの入り込んだ水を検出し、この検出信
号が図示しない制御装置に入力されることにより、制御
装置からポンプに駆動信号を出力して、ポンプを自動的
に駆動するのである。前記センサ８の端子に前記銅線７
Ａ，７Ａの一端が接続され、銅線７Ａ，７Ａの他端が、
前記風呂水用給水継手４を洗濯機の風呂水用給水口に差
し込んだときに図示しない制御装置に接続されている電
線に接続されるようになっている。前記２本の銅線７
Ａ，７Ａのものを例に挙げたが、１本のものや３本以上
の銅線を備えさせたものでもよい。

【００１４】前記実施例では、給水口５にセンサ８を設
けたものを示したが、遠隔操作用のスイッチを給水口５
に設けて、給水口５を浴槽２に沈める前にスイッチをＯ
Ｎすることができるようにしてもよい。この場合、スイ
ッチは防水型のもので構成することになる。又、給水口
５内に開閉弁を設けて、風呂水給水ホースに溜まってい
る水が風呂水給水ホースをセットしている間に、風呂水
給水ホースの給水口５から排出されてしまうことがない
ように開閉弁を閉じ操作し、セット後は開閉弁を開放操
作して風呂水の吸い上げることができるようにしてもよ
い。この場合、通電されていない場合には、開閉弁を閉
じ側にスプリング等により維持させておき、風呂水給水
ホースをセットすることにより、通電状態になるととも
に、開閉用のスイッチを操作することで開閉弁を開放操
作するようにしてもよい。このスイッチに代えて、前記
水検出用のセンサ８を設けて、給水口５を浴槽２に沈め
ることにより、前記センサ８が水を検出し、この検出信
号で開閉弁を自動的に開放操作するようにしてもよい。
前記給水口５に設けるものとしては、これら以外のもの
でもよく、導電線７に接続するものであれば、どのよう
なものでもよい。

【００１５】図１（イ）に示すように、前記導電線７の
チューブ７Ｂとこれに接触するホース本体３の凸部３Ｂ
とが面接触状態になるように、シート部材６をホース本
体３に被覆している。具体的には、ホース本体３の凸部
３Ｂが平面となるように、ホース本体３の凸部３Ｂを予
め形成しておく、又は凸部３Ｂがシート部材６を被覆す
ることによって平面となるように凸部３Ｂを変形し易い
ように構成することになる。このように凸部３Ｂの平面
でシート部材６を接触支持することによって、シート部
材６を張った状態で確実に保持することが可能になる。
図４には、前記凸部３Ｂが曲面にした場合を示してお
り、このように曲面で支持するようにしてもよい。

【００１６】

【発明の効果】請求項１によれば、導電線をホース本体
の外面に配置することによって、ホース本体の内側に設
けた従来のもののように、導電線が吸い上げた水の流動
抵抗になることを回避することができるだけでなく、薄
肉のシート部材とホース本体とで導電線を挟み込んで固
定しているから、シート部材に対してホース本体の移動
を許容することができ、ホース本体の伸縮が阻止される
ことがない。そのため、ホース本体の可撓性が大きく低
下することがないのである。又、シート部材によりホー
ス本体が保護されているから、ホース本体のカバー材や
クッション材としてシート部材を機能させることがで
き、ホース本体の耐久性の向上を図ることができる。
又、何らかの原因でホース本体に亀裂等が発生した場合
でも、シート部材が被覆しているから、給水が行えない
ということを回避することができる。従って、電線が大
きな流動抵抗になることや電線の太さ分だけ水の流動量
が減少することを回避することができながらも、可撓性
を低下させることがなく、しかも耐久性を向上させるこ
とができる風呂水給水ホースを提供することができる。

【００１７】請求項２によれば、導電線とこれに接触す
るホース本体の凸部とが面接触状態になるようにシート
部材をホース本体に被覆することによって、最も接当し
易いホース本体の凸部に対する強度アップを図ることが
できると同時に、ホース本体の凹部にまでシート部材の
一部が入り込むことなく、シート部材を直線状に張った
状態で確実に保持することができるから、シート部材に
対してホース本体が移動し易くして、より一層ホース本
体の可撓性の低下を阻止することができる。

【００１８】請求項３によれば、シート部材の厚みを
０．５ｍｍ以下にすることによって、ホース本体の可撓
性を良好に維持させることができながらも、ホース本体
の保護を行うことができ、使用面において優れた風呂水
給水ホースを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（イ）は、風呂水給水ホースの一部切欠き側面
図、（ロ）は、風呂水給水ホースの縦断正面図、（ハ）
は、ホース本体の凸部と凹部の拡大断面図

【図２】風呂水給水ホースの使用例を示す斜視図

【図３】風呂水給水ホースの先端部を示す一部切欠き側
面図

【図４】風呂水給水ホースの他の形状を示す一部切欠き
側面図

【符号の説明】

１ 洗濯機 ２ 浴槽 ３ ホース本体 3A 凹部 3B 凸部 ４ 風呂水用給水継手 ５ 給水口 5A 開口部 ６ シート部材 ７ 導電線 7A 銅線 7B チューブ ８ センサ a,b 厚さ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外面に凹部と凸部とを交互に備えた可撓
   性を有するホース本体の一端に給水口を備えるととも
   に、他端に前記給水口から吸い上げた水を排出するため
   の排出口を備えた風呂水給水ホースであって、前記ホー
   ス本体の外面に該ホース本体と略同一長さを有する導電
   線を配置するとともに、前記導電線が配置されたホース
   本体の外面全体を薄肉のシート部材により被覆したこと
   を特徴とする風呂水給水ホース。
2. 【請求項２】 前記導電線とこれに接触する前記ホース
   本体の凸部とが面接触状態になるように前記シート部材
   をホース本体に被覆してなる請求項１記載の風呂水給水
   ホース。
3. 【請求項３】 前記シート部材の厚みが０．５ｍｍ以下
   である請求項１記載の風呂水給水ホース。