JPH1141481A - 色変換方法及びその装置並びに記録媒体 - Google Patents

色変換方法及びその装置並びに記録媒体

Info

Publication number
JPH1141481A
JPH1141481A JP9209756A JP20975697A JPH1141481A JP H1141481 A JPH1141481 A JP H1141481A JP 9209756 A JP9209756 A JP 9209756A JP 20975697 A JP20975697 A JP 20975697A JP H1141481 A JPH1141481 A JP H1141481A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color
conversion
value
range
primary colors
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9209756A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3628151B2 (ja
Inventor
Kazutaka Taniguchi
和隆 谷口
Taku Sakamoto
卓 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd filed Critical Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Priority to JP20975697A priority Critical patent/JP3628151B2/ja
Priority to US09/113,616 priority patent/US6366291B1/en
Publication of JPH1141481A publication Critical patent/JPH1141481A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3628151B2 publication Critical patent/JP3628151B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Image Processing (AREA)
  • Facsimile Image Signal Circuits (AREA)
  • Color Image Communication Systems (AREA)
  • Controls And Circuits For Display Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 再現できる色域の外にある特定の色の部分に
おいて、色の調子が無くなったり、色相が変化したりす
ることがないようにする。 【解決手段】 測色値であるXYZを、赤,緑,青につ
いて輝度リニアな値となるr’g’b’に色変換する処
理を行なう(ステップS20)。r’,g’またはb’
の値をLとおき(ステップS24)、そのLの値がi以
上であるか否かを判定する(ステップS26)。Lの値
がi>Lであれば、r’,g’,b’のうち、Lとおか
れた値以外の値に基づいてcの値を求める(ステップS
27)。Lの値が−ck≦L<0の場合にはcの値によ
ってL切片が変化するLの一次関数によってLからVへ
の変換を行なう(ステップS28)、Lの値がi≦Lで
あれば、Lの1/γ乗の関数によってLからVへの変換
を行なう(ステップS30)。得られたVの値をステッ
プS24のr’,g’,b’に対応させてR,Gまたは
Bとおく(ステップS32)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、測色値をカラー表
示デバイスに入力される表示用信号に変換する技術及び
上記表示用信号を上記測色値に逆変換する技術に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来では、原カラー画像(例えば、カラ
ーフィルム、カラー印画紙あるいはカラー印刷物)をカ
ラースキャナを用いて読み取って、RGBの3つの色信
号を得て、読み取ったカラー画像を確認するために、あ
るいは必要な処理を確実に行うために、得られたRGB
色信号をカラーモニタに与えて対話対象としてカラー画
像を表示することが広く行われている。
【0003】しかし、カラースキャナで読み取って得ら
れたRGB色信号は、カラースキャナの色分解フィルタ
の特性にのみ頼った信号であるため、たとえ、RGB色
信号であっても、そのままカラーモニタに与えただけで
は、到底、原カラー画像に近い画像は得られない。
【0004】一方、印刷、新聞用の画像処理において
は、カラー印刷がCMYKの4色のインキを用いて行わ
れる関係から、カラー印刷用の画像の各画素は、それぞ
れ、最終的に色変換されてCMYKの4つの色信号から
構成されることになる。従って、この場合、画像処理の
中間段階において、処理過程あるいは最終印刷仕上がり
予想の画面を予見するために、カラー印刷用のCMYK
色信号をRGB色信号に変換した上で、カラーモニタに
与えてカラー画像を表示することも広く行われている。
【0005】しかし、カラー印刷用のCMYK色信号を
単にRGB色信号に変換してカラーモニタに与えただけ
では、実際のカラー印刷された画像に近いカラー画像を
得ることは困難である。
【0006】即ち、上記したような色分解フィルタの特
性にのみ頼ったRGB色信号や、カラー印刷用のCMY
K信号は、それらの信号を、表示したいカラーモニタ用
のRGB色信号に色変換することによって、初めて、期
待するカラー画像をそのカラーモニタに表示することが
できる。
【0007】ところが、カラーモニタは、RGB3色の
蛍光体それぞれが持つ色で囲まれた色域(カラーモニタ
固有のガメット[gamut])内の色しか表示できないの
に対し、原カラー画像(のガメット)あるいはカラー印
刷された画像(のガメット)の中には、カラーモニタの
RGB3色の蛍光体それぞれが持つ色で囲まれた色域よ
りも、外側にあたる色が含まれている場合が多い。
【0008】従って、色変換して得られるカラーモニタ
用のRGB色信号の値を0から1までに規格化したと
き、カラーモニタのRGB3色の蛍光体それぞれが持つ
色で囲まれた色域よりも外側にあたる色については、カ
ラーモニタ用のRGB色信号のうち、少なくとも1つの
信号が、0よりも小さい値(負の値)かあるいは1より
も大きい値(100%を越える値)になってしまう。
【0009】ここで、カラーモニタ用のRGB色信号の
値を0から1までに規格化するとは、カラーモニタで白
を表現するために必要なRGB色信号の値をそれぞれ1
(即ち、MAX)とし、真っ黒を表現するために必要なR
GB色信号の値をそれぞれ0(即ち、MIN)とするとい
う意味であるから、1より大きい値で蛍光体を光らせる
こともできず、まして0より小さい値になったからと言
って、蛍光体を0より小さい値で光らせるなど、到底で
きない相談である。
【0010】従って、このような場合、従来では、カラ
ーモニタ用のRGB色信号の値として1以上の値や0以
下の値が要求されても、それぞれ、すべて、MAX1やMIN
0で打ち切らざるを得なかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このため、原カラー画
像あるいはカラー印刷された画像の中に含まれている表
現したい色の一部が、カラーモニタにおける蛍光体で再
現できる色域の外にあると、その色の部分(例えば、彩
度の高い色の部分がその部分に当たる)については、カ
ラーモニタ用のRGB色信号の値が一律にMAX1もしく
は MIN0で打ち切られてしまうため、その色の部分の色
の調子が無くなるという重大な不具合を生じていた。
【0012】また、原カラー画像あるいはカラー印刷の
画像の中に含まれている表現したい色が、カラーモニタ
における蛍光体で再現できる色域の内部から外部に移る
際には、その色域の境界で、RGB色信号の値が3色一
斉にMAX1もしくは MIN0で打ち切られるのではなく、
MAX1もしくは MIN0を越えそうになった色信号の値の
みがMAX1もしくはMIN0で打ち切られるだけで、それ以
外の色信号の値はそのまま変化を続けるので、その色域
の境界付近で急に色相が変わり始め、色相の変化を招い
てしまうという恐れがあった。
【0013】一般的に、高彩度の色の部分は、画像中に
おいて大変重要な部分であることが多く、その重要な部
分の色の調子が無くなったり、色相が変化したりするこ
とは、耐えられない欠陥となる可能性が高い。
【0014】従って、本発明の目的は、上記した従来技
術の問題点を解決し、再現できる色域の外にある特定の
色の部分において、色の調子が無くなったり、色相が変
化したりすることのない色変換方法及び色変換装置など
を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明
の色変換方法は、各々特定の色度座標を持つ加法混色の
原色を、該加法混色の原色にそれぞれ対応して入力され
る表示用信号の信号強度に応じた混合量で混色すること
により、色を表示すると共に、前記表示用信号の信号強
度としては所定の規定範囲内の値を採り得、前記信号強
度に応じた前記混合量としては所定の再現可能範囲内の
値を採り得るカラー表示デバイスについて、測色値から
前記カラー表示デバイスに入力すべき前記表示用信号を
得るために、前記測色値を前記表示用信号に変換する色
変換方法であって、(a)前記測色値を前記加法混色の
原色の各混合量に変換する工程と、(b)変換して得ら
れた前記加法混色の原色の各混合量を、それぞれ、前記
加法混色の原色毎に、前記加法混色の原色にそれぞれ対
応する前記表示用信号の信号強度に変換する工程と、を
備え、前記工程(b)は、前記加法混色の原色のうち、
少なくとも一つの特定原色については、前記工程(a)
によって変換して得られた当該特定原色以外の残りの原
色の各混合量に基づいて、前記再現可能範囲外であっ
て、かつ、予め設定された最大救済範囲内において、救
済範囲を設定すると共に、前記工程(a)によって変換
して得られた前記特定原色の混合量が前記再現可能範囲
内の値である場合には、前記表示用信号の信号強度とし
て、前記規定範囲内において予め設定された第1の変換
範囲内の値に変換し、前記特定原色の混合量が前記再現
可能範囲外の値であって、かつ、前記救済範囲内の値で
ある場合には、前記表示用信号の信号強度として、前記
規定範囲内における前記第1の変換範囲以外の残りの第
2の変換範囲内の値に変換することを要旨とする。
【0016】また、本発明の色変換装置は、各々特定の
色度座標を持つ加法混色の原色を、該加法混色の原色に
それぞれ対応して入力される表示用信号の信号強度に応
じた混合量で混色することにより、色を表示すると共
に、前記表示用信号の信号強度としては所定の規定範囲
内の値を採り得、前記信号強度に応じた前記混合量とし
ては所定の再現可能範囲内の値を採り得るカラー表示デ
バイスについて、測色値から前記カラー表示デバイスに
入力すべき前記表示用信号を得るために、前記測色値を
前記表示用信号に変換する色変換装置であって、前記測
色値を前記加法混色の原色の各混合量に変換する第1の
変換手段と、変換して得られた前記加法混色の原色の各
混合量を、それぞれ、前記加法混色の原色毎に、前記加
法混色の原色にそれぞれ対応する前記表示用信号の信号
強度に変換する第2の変換手段と、を備え、前記第2の
変換手段は、前記加法混色の原色のうち、少なくとも一
つの特定原色については、前記第1の変換手段によって
変換して得られた当該特定原色以外の残りの原色の各混
合量に基づいて、前記再現可能範囲外であって、かつ、
予め設定された最大救済範囲内において、救済範囲を設
定すると共に、前記第1の変換手段によって変換して得
られた前記特定原色の混合量が前記再現可能範囲内の値
である場合には、前記表示用信号の信号強度として、前
記規定範囲内において予め設定された第1の変換範囲内
の値に変換し、前記特定原色の混合量が前記再現可能範
囲外の値であって、かつ、前記救済範囲内の値である場
合には、前記表示用信号の信号強度として、前記規定範
囲内における前記第1の変換範囲以外の残りの第2の変
換範囲内の値に変換することを要旨とする。
【0017】このように、本発明の色変換方法及びその
装置においては、まず、測色値を加法混色の原色の各混
合量に変換し、次に、変換して得られた加法混色の原色
の各混合量を前記表示用信号の信号強度に変換する。こ
のとき、加法混色の原色のうち、少なくとも一つの特定
原色については、変換して得られた当該特定原色以外の
残りの原色の各混合量に基づいて、再現可能範囲外であ
って、かつ、予め設定された最大救済範囲内において、
救済範囲を設定する。そして、変換して得られた特定原
色の混合量が再現可能範囲内の値である場合には、表示
用信号の信号強度として、規定範囲内において予め設定
された第1の変換範囲内の値に変換し、特定原色の混合
量が再現可能範囲外の値であって、かつ、救済範囲内の
値である場合には、表示用信号の信号強度として、規定
範囲内における第1の変換範囲以外の残りの第2の変換
範囲内の値に変換する。
【0018】従って、本発明の色変換方法及び色変換装
置によれば、例え、カラー表示デバイスによって再現で
きる色域の外にある色の部分であっても、その色の部分
の測色値から変換して得られる加法混色の原色の混合量
のうち、特定原色の混合量が救済範囲内の値である場合
には、その値は表示用信号の信号強度として第2の変換
範囲内の値に変換されるため、特定原色については、上
記した色の部分の情報が失われることなく、表示用信号
の信号強度の値として保存される。従って、上記した色
の部分において、色の調子が無くなったり、色相が変化
したりすることがない。
【0019】また、本発明の色変換方法において、前記
工程(b)では、前記残りの原色の各混合量に基づいて
前記救済範囲を設定する際に、前記残りの原色の各混合
量が大きいほど前記救済範囲を大きく設定し、前記残り
の原色の各混合量が小さいほど前記救済範囲を小さく設
定することが好ましい。
【0020】救済範囲をこのように設定することによっ
て、カラー表示デバイスの再現可能範囲外にあって、救
済すべき色を的確に、しかも、過不足なく救済範囲に含
めることができる。また、第2の変換範囲は、不要な変
換値を含まなくなるので、その範囲を有効に使うことが
できる。
【0021】また、本発明の色変換方法において、前記
工程(b)における前記救済範囲の設定は、前記特定原
色の混合量が前記再現可能範囲内の値である場合に行な
うことが好ましい。
【0022】このよう構成することによって、救済範囲
の設定処理を不要な場合には行なわなくても済むため、
全体の処理速度を向上させることができる。
【0023】また、本発明の色変換方法において、前記
規定範囲に対する前記第2の変換範囲の割合は前記再現
可能範囲に対する前記最大救済範囲の割合よりも小さい
方が好ましい。
【0024】救済範囲の変換先である第2の変換範囲は
できる限り狭くし、再現可能範囲の変換先である第1の
変換範囲をできる限り広くした方が、再現できる色域の
中にある色に対する変換前後の色度点のずれ量を少なく
することができる。
【0025】また、本発明の色変換方法において、前記
工程(b)は、前記特定原色の混合量から該特定原色に
対応する前記表示用信号の信号強度への変換を、前記混
合量と前記信号強度との変換関係を表す変換関数を用い
て行なうと共に、前記特定原色の混合量が前記再現可能
範囲内の値である場合には第1の関数を含む変換関数を
用い、前記特定原色の混合量が前記最大救済範囲内の値
である場合には、前記第1の関数とは異なり、かつ、当
該特定原色以外の残りの原色の各混合量に基づいて変化
する第2の関数を含む変換関数を用いるようにしても良
い。
【0026】このように構成することによって、特定原
色の混合量が最大救済範囲内の値である場合には、当該
特定原色以外の残りの原色の各混合量に対応した変換を
行なうことができる。
【0027】また、本発明の他の色変換方法は、各々特
定の色度座標を持つ加法混色の原色を、該加法混色の原
色にそれぞれ対応して入力される表示用信号の信号強度
に応じた混合量で混色することにより、色を表示すると
共に、前記表示用信号の信号強度としては所定の規定範
囲内の値を採り得、前記信号強度に応じた前記混合量と
しては所定の再現可能範囲内の値を採り得るカラー表示
デバイスについて、該カラー表示デバイスに入力すべき
前記表示用信号を、測色値に変換する色変換方法であっ
て、(a)前記加法混色の原色にそれぞれ対応する前記
表示用信号の信号強度を、それぞれ、前記加法混色の原
色毎に、前記加法混色の原色の各混合量に変換する工程
と、(b)変換して得られた前記加法混色の原色の各混
合量を前記測色値に変換する工程と、を備え、前記工程
(a)は、前記加法混色の原色のうち、少なくとも一つ
の特定原色については、予め求められた当該特定原色以
外の残りの原色の各混合量に基づいて、前記再現可能範
囲外であって、かつ、予め設定された最大救済範囲内に
おいて、救済範囲を設定すると共に、前記特定原色に対
応する前記表示用信号の信号強度が、前記規定範囲内に
おいて予め設定された第1の変換範囲内の値である場合
に、前記特定原色の混合量として、前記再現可能範囲内
の値に変換し、前記特定原色に対応する前記表示用信号
の信号強度が、前記規定範囲内における前記第1の変換
範囲以外の残りの第2の変換範囲内の値である場合に、
前記特定原色の混合量として、前記再現可能範囲外の値
であって、かつ、前記救済範囲内の値に変換することを
要旨とする。
【0028】このような色変換方法を用いることによっ
て、カラー表示デバイスに入力すべき表示用信号から測
色値への変換を行なうことができる。
【0029】また、本発明の他の色変換装置は、色変換
用の代表点からなるルックアップテーブルを備え、前述
の本発明の色変換装置によって変換して得られた前記加
法混色の原色にそれぞれ対応する前記表示用信号の信号
強度を、前記色変換用ルックアップテーブルの代表点
と、その点に基づく補間演算を用いて、所定の表色系の
値に変換する色変換装置であって、前記色変換用ルック
アップテーブルは、変換して得られた前記加法混色の原
色にそれぞれ対応する前記表示用信号の信号強度の値の
組合せのうち、前記第1の変換範囲と前記第2の変換範
囲との境界に位置する境界値を前記特定原色の何れかに
対応する前記表示用信号の信号強度の値として含む特定
の組合せを、少なくとも、前記色変換用ルックアップテ
ーブルのアドレスの値として持つと共に、前記特定の組
合せによって表されるアドレスには、前記特定の組合せ
を変換して得られる前記表色系の値が格納されているこ
とを要旨とする。
【0030】このような構成を採ることによって、第1
の変換範囲と第2の変換範囲にまたがる領域を同一の係
数で補間することを回避できるので、正しい表色系の値
を得ることができる。
【0031】本発明の記録媒体は、各々特定の色度座標
を持つ加法混色の原色を、該加法混色の原色にそれぞれ
対応して入力される表示用信号の信号強度に応じた混合
量で混色することにより、色を表示すると共に、前記表
示用信号の信号強度としては所定の規定範囲内の値を採
り得、前記信号強度に応じた前記混合量としては所定の
再現可能範囲内の値を採り得るカラー表示デバイスにつ
いて、測色値から前記カラー表示デバイスに入力すべき
前記表示用信号を得るために、前記測色値を前記表示用
信号に変換するためのコンピュータプログラムを記録し
たコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記
測色値を前記加法混色の原色の各混合量に変換する第1
の機能と、変換して得られた前記加法混色の原色の各混
合量を、それぞれ、前記加法混色の原色毎に、前記加法
混色の原色にそれぞれ対応する前記表示用信号の信号強
度に変換すると共に、前記加法混色の原色のうち、少な
くとも一つの特定原色については、前記第1の機能によ
って変換して得られた当該特定原色以外の残りの原色の
各混合量に基づいて、前記再現可能範囲外であって、か
つ、予め設定された最大救済範囲内において、救済範囲
を設定し、前記第1の機能によって変換して得られた前
記特定原色の混合量が前記再現可能範囲内の値である場
合には、前記表示用信号の信号強度として、前記規定範
囲内において予め設定された第1の変換範囲内の値に変
換し、前記特定原色の混合量が前記再現可能範囲外の値
であって、かつ、前記救済範囲内の値である場合には、
前記表示用信号の信号強度として、前記規定範囲内にお
ける前記第1の変換範囲以外の残りの第2の変換範囲内
の値に変換する第2の機能とを、コンピュータに実現さ
せるためのコンピュータプログラムを記録したことを要
旨とする。
【0032】なお、記録媒体としては、フレキシブルデ
ィスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、
ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの
符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置
(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等
の、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用でき
る。
【0033】このような記録媒体に記録されたコンピュ
ータプログラムがコンピュータによって実行されると、
上記した本発明の色変換方法や色変換装置とほぼ同様な
処理がなされ、本発明の色変換方法や色変換装置と同様
の効果を奏することができる。
【0034】
【発明の他の態様】また、本発明は、以下のような他の
態様も含んでいる。即ち、一つの態様としては、コンピ
ュータに上記の発明の各工程または各手段の機能を実現
させるコンピュータプログラムを通信経路を介して供給
するプログラム供給装置としての態様である。こうした
態様では、プログラムをネットワーク上のサーバなどに
置き、通信経路を介して、必要なプログラムをコンピュ
ータにダウンロードし、これを実行することで、上記の
色変換方法や色変換装置を実現することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例として
の色変換方法の処理手順を示すフローチャートである。
【0036】例えば、今、印刷用の画像処理の中間段階
(例えば、製版工程の途中など)において、最終印刷結
果を予見するために、カラー印刷用にスキャンされたR
GB色信号をカラーモニタ用のRGB色信号に変換して
カラーモニタに与え、カラー画像を表示することを考え
てみる。
【0037】一般に、スキャナ読込用透過フィルムのR
GB色信号をカラーモニタ用のRGB色信号(表示用信
号RGB)に変換する場合、RGB→XYZ→RGBの
順に色変換を行なう。ここで、XYZはデバイスに依存
しない測色系や表色系を経由することを代表して示して
おり、L***やL***等、あるいはそれらのいく
つかを経由してもかまわない。このうち、本実施例の色
変換方法は、測色値であるXYZを表示用信号であるR
GBに色変換を行なう場合(即ち、XYZ→RGB)に
適用される。
【0038】即ち、本実施例の色変換方法においては、
図1に示すように、まず、測色値であるXYZを、赤,
緑,青について輝度リニアな(即ち、輝度に比例した)
値となるr’g’b’に色変換する処理を行なう(ステ
ップS20)。なお、これらr’g’b’については後
述する。
【0039】図2はITU−R 709の赤,緑,青の
各蛍光体の表す色の色度座標及びD50の白色の色度座
標を示す説明図である。
【0040】本実施例では、カラーモニタにおける赤,
緑,青の蛍光体として、ITU−R709(旧CCIR
709)蛍光体を用いる場合を想定している。ここ
で、ITU−Rとは、テレコミュニケーションに関する
国際的な組織(International Telecommunication Unio
n)のことであり、その Recomendation 709 (HDTV の規
格)では、赤(red),緑(green),青(blue)の蛍光
体の表す色の色度座標(発光色度座標)を図2(a)に
示すように定義している。また、赤,緑,青の各蛍光体
の表す色の色度座標の他、白の色度座標を決定すること
によって、上記したカラーモニタにおける赤,緑,青の
最大輝度(即ち、赤,緑,青の各蛍光体が発光した際の
最大輝度)の比を確定することができる。
【0041】例えば、白としてD50(色温度5000
度)の白(white)を用いた場合、その色度座標は図2
(b)に示すように与えられる。従って、上記カラーモ
ニタにおける赤,緑,青の最大輝度の比は、Ew,E
r,Eg,Ebを、それぞれ、白,赤,緑,青の色度座
標を持ちY成分(即ち、輝度成分)が1のベクトルであ
るとすると、式(1)に示す如く表すことができる。
【0042】Ew=0.24989Er+0.6980099Eg+0.05
20963Eb ……(1)
【0043】ここで、上記したr’,g’,b’とは、
上記カラーモニタにおける赤,緑,青の各輝度(即ち、
赤,緑,青の各蛍光体が発光した際の各輝度)を、それ
ぞれ、最小輝度がほぼ0,最大輝度がほぼ1となるよう
に規格化(正規化)して得られる値である。一般に、カ
ラーモニタにおいては、赤,緑,青の各蛍光体がそれぞ
れ適当な輝度で発光して、それらの各光が混ざり合うこ
とにより、所望の色を表示することになる。従って、上
記したr’,g’,b’は、上記カラーモニタにおい
て、赤,緑,青の各色を混色して所望の色を表示する際
の、赤,緑,青の各混合量を表すことになる。
【0044】一方、x,y,z,X,Y,Zの関係は式
(2)〜(5)のように表される。
【0045】 x=X/(X+Y+Z) ……(2) y=Y/(X+Y+Z) ……(3) z=Z/(X+Y+Z) ……(4) z=1−x−y ……(5)
【0046】従って、以上の式及び値を用いて、r’,
g’,b’からX,Y,Zへの色変換関係を求めると、
式(6)のように表される。
【0047】
【数1】
【0048】即ち、式(6)は上記カラーモニタにおけ
るr’,g’,b’からX,Y,Zへの色変換関係を表
している。
【0049】また、式(6)に示す行列の逆行列を求め
ることによって、式(6)とは逆のX,Y,Zから
r’,g’,b’への色変換関係を求めると、式(7)
のように表される。
【0050】
【数2】
【0051】即ち、式(7)は、上記カラーモニタ用と
してのX,Y,Zからr’,g’,b’への色変換関係
を表している。
【0052】従って、上記したステップS20では、式
(7)に示す行列演算によって、XYZからr’g’
b’への色変換を行なう。
【0053】ところで、測色値であるXYZとして、上
記カラーモニタにおける赤,緑,青の各蛍光体によって
再現し得る色域(上記カラーモニタ固有のガメット[ga
mut])の中にある色を変換した場合には、変換によっ
て得られるr’,g’,b’の値は、何れも0から1の
範囲に納まることになる。しかし、XYZとして、上記
した色域の外にある色を変換した場合には、変換によっ
て得られるr’,g’,b’の値は、何れかが0から1
の範囲外になってしまう。
【0054】次に、本実施例では、ステップS20で得
られたr’g’b’から上記カラーモニタに入力すべき
赤,緑,青の表示用信号であるRGBに変換する処理を
行なう(ステップS22)。
【0055】本実施例において、R,G,Bは、それぞ
れ、上記カラーモニタに入力すべき赤,緑,青の表示用
信号の各信号強度(即ち、印加電圧)を、最小値が0,
最大値が1となるように規格化(正規化)したものであ
る。
【0056】ここで、本実施例におけるr’g’b’→
RGB変換処理について説明する前に、本実施例と従来
技術とを比較するために、従来におけるr’g’b’→
RGB変換処理について説明する。
【0057】従来においては、上記カラーモニタにおけ
るγ特性に基づいて、式(8)に示す変換関数により
r’g’b’からRGBへの変換を行なっていた。
【0058】
【数3】
【0059】式(8)において、Lは、赤,緑,青の各
蛍光体が発光した際の各輝度を表すものであり、上記し
たr’,g’またはb’に対応する。また、Vは、上記
カラーモニタに入力すべき赤,緑,青の表示用信号の各
信号強度(即ち、印加電圧)を表すものであり、上記し
たR,GまたはBに対応する。
【0060】従って、r’g’b’→RGB変換処理で
は、赤,緑,青毎に、それぞれ、r’をRに、g’をG
に、b’をBに、それぞれ変換することになる。
【0061】従来におけるr’g’b’→RGB変換処
理では、前段のXYZ→r’g’b’変換処理において
r’,g’,b’の何れかの値として0より小さい値
(即ち、L<0)が得られた場合、式(8)から明らか
なように、その値はすべてR,GまたはBの値として0
(即ち、V=0)に変換されてしまう。
【0062】従って、前述したように、前段のXYZ→
r’g’b’変換処理において、例えば、XYZして、
上記カラーモニタにおける赤,緑,青の各蛍光体によっ
て再現し得る色域の外にある色を変換し、その変換によ
り得られるr’,g’,b’の値の何れかが0より小さ
い値になった場合(即ち、0から1の範囲外になった場
合)は、その値はすべてR,G,Bの値として0に変換
されて、一律に0で打ち切られることになる。このた
め、上記した色域の外にある色の部分については、r’
g’b’→RGB変換処理を行なった際に、その色の部
分の情報が失われてしまい、前述したように、その色の
部分の色の調子がなくなったり、色相が変化したりする
などの不具合が生じてしまう。
【0063】図3は従来の色変換方法によっては救済で
きない色の領域を示す説明図である。図3では、3次元
の色空間を赤−緑の平面に射影して示したものである。
図3において、赤方向の軸と緑方向の軸と(即ち、2つ
の矢印)で挟まれた領域は実際に存在する色の領域を示
しており、また、格子状に仕切られた矩形は、上記カラ
ーモニタにおける赤,緑,青の各蛍光体によって再現し
得る色域(即ち、ガメット)gaを示している。
【0064】従って、実際に存在する色であっても、図
3において斜線で示した領域OA内の色のように、色域
gaの外にある色については、前述したように、r’
g’b’→RGB変換処理を行なった際に、その色の部
分の情報が失われてしまうため、従来の色変換方法によ
っては、領域OA内の色を救済することができなかっ
た。
【0065】一方、このような従来の色変換方法に対
し、本実施例の色変換方法においては、r’g’b’→
RGB変換処理として、図1に示すような処理を行な
う。
【0066】即ち、本実施例においては、まず、ステッ
プS20で得られたr’,g’またはb’の値をLとお
き(ステップS24)、そのLの値がi以上であるか否
かを判定する(ステップS26)。ここで、iは後述す
るようにjのγ乗であり、0より大きい値である。
【0067】そして、判定の結果、Lの値がiより小さ
い場合には、式(9)に従って、cの値を求める処理を
行なう(ステップS27)。
【0068】
【数4】
【0069】但し、式(9)において、M,Nは、ステ
ップS20で得られたr’,g’,b’の値のうち、ス
テップS24でLとおかれた値以外の値である。即ち、
例えば、ステップS24において、r’の値をLとおい
た場合は、M,Nはそれぞれg’,b’の各値となる。
また、式(9)において、fは式(10)に示すような
MまたはNの関数である。
【0070】
【数5】
【0071】但し、式(10)において、dはMまたは
Nである。
【0072】従って、r’の値をLとおいた場合を例に
採ると、g’及びb’の値が0以上1以下の範囲に入っ
ている場合は、式(10)よりf(g’)=g’,f
(b’)=b’となるので、式(9)から明らかなよう
に、cの値はg’とb’の平均値(g’+b’)/2と
なる。また、g’及びb’の値が何れも0より小さい場
合は式(10)よりf(g’)=0,f(b’)=0と
なり、g’及びb’の値が何れも1より大きい場合は式
(10)よりf(g’)=1,f(b’)=1となるの
で、cの値は必ず0以上1以下の範囲に入る。
【0073】さて、以上のようにして、ステップS27
においてcの値を求めたら、その後、そのcの値に基づ
いて、式(11)に示す変換関数によりLからVへの変
換を行なう(ステップS28)。
【0074】
【数6】
【0075】但し、式(11)において、iはjのγ乗
であり、iは0より大きい。また、j,kは、それぞ
れ、予め設定された0より大きな所定の値である。
【0076】一方、ステップS26における判定の結
果、Lの値がi以上の場合には、式(12)に示す変換
関数によりLからVへの変換を行なう(ステップS3
0)。
【0077】
【数7】
【0078】図4及び図5はr’g’b’→RGB変換
処理において用いられるLからVへの変換特性を、従来
例と本実施例とで比較して示したグラフである。これら
図において、図5は図4の(L,V)=(0,0.0
3)近傍の部分を拡大して示した拡大図である。
【0079】図4及び図5において、実線で示された曲
線C0は従来例における変換特性を表し、具体的には、
式(8)に示す変換関数によって得られる変換特性を表
している。一方、破線で示された曲線C1は本実施例に
おける変換特性を表し、具体的には、式(11),(1
2)に示す変換関数によって得られる変換特性を表して
いる。なお、図4及び図5においては、式(8),(1
2)におけるγの値を「3」,式(11)におけるkの
値を「0.1」,式(11)におけるjの値を「0.0
3」としている。
【0080】本実施例における変換特性(曲線C1)
は、図5において破線で示すように、Vの値が0以上j
未満の範囲内においては直線となっている。しかも、そ
の直線の傾き(dV/dL)は、式(9)より明らかな
ように、j/(i+ck)となり、また、L切片は−c
kとなるので、それぞれ、ステップS27で得られたc
の値に基づいて変化する。また、このとき、前述したよ
うに、cの値は必ず0以上1以下の範囲に入り、kの値
は0より大きいので、L切片である−ckの値は−k以
上0以下の範囲に入っている。
【0081】さて、従来においては、図4において、実
線で示された曲線C0が表すように、Lの値が0より小
さい場合(L<0)は、すべて、Vの値として0に変換
されてしまうため、上記色域gaの外にある色について
は、r’g’b’→RGB変換処理を行なった際に、そ
の色の部分の情報が失われていた。
【0082】これに対し、本実施例においては、図4及
び図5において、破線で示された曲線C1が表すよう
に、Lの値が−ck以上でi未満の場合(−ck≦L<
i)は、Lの一次関数によって、Vの値として0以上j
未満の値に変換される。従って、−ck以上0未満の範
囲(−ck≦L<0)は上記範囲(−kc≦L<i)内
であるので、上記色域gaの外にある色でも、Lの値と
して−ck以上0未満の範囲(−ck≦L<0)に入る
色の部分については情報が失われることがない。但し、
cの値は、前述したように0以上1以下の範囲で変化す
るので、cの値が0に近いほど−ck以上0未満の範囲
は狭くなり、cの値が1に近いほど−ck以上0未満の
範囲は広くなる。
【0083】なお、Lの値が−ckより小さい場合(L
<−ck)には、式(11)からも明らかなように、そ
のLの値は、従来の場合と同様に、Vの値として0に変
換されることになる。
【0084】一方、Lの値がi以上で1未満の場合(i
≦L<1)は、Vの値としてj以上1未満の値に変換さ
れる。このとき、Lの値は、式(12)に示すように、
従来における式(8)と同じLの1/γ乗の関数、即
ち、上記カラーモニタのγ特性に応じた関数によって、
Vの値に変換されるため、上記範囲では曲線C1は従来
の曲線C0と重なることになる。
【0085】なお、Lの値が1以上の場合(1≦L)に
は、式(12)からも明らかなように、そのLの値は、
従来の場合と同様に、Vの値として1に変換されること
になる。
【0086】さて、以上のようにして、ステップS28
またはS30において、Vの値が得られたら、次に、本
実施例においては、Vの値を、ステップS24のr’,
g’,b’に対応させて、R,GまたはBとおく(ステ
ップS32)。
【0087】従って、以上のr’g’b’→RGB変換
処理(ステップS22)によって、赤,緑,青毎に、そ
れぞれ、r’はRに、g’はGに、b’はBに、それぞ
れ変換される。
【0088】図6は本実施例の色変換方法におけるr’
g’b’→RGB変換処理によって救済される色の領域
と、変換前と変換後の各色の位置を示す説明図である。
図6は、図3と同様に、3次元の色空間を赤−緑の平面
に射影して示したものである。図6において、赤方向の
軸と緑方向の軸と(即ち、2つの矢印)で挟まれた領域
は実際に存在する色の領域を示しており、また、格子状
に仕切られた実線の矩形は、上記カラーモニタにおける
赤,緑,青の各蛍光体によって再現し得る色域(即ち、
ガメット)gaを示している。
【0089】この色域gaの中にある色のうち、図6に
おいて、格子状に仕切られた一点鎖線の矩形で表した変
換領域A1の中にある色については、上記したr’g’
b’→RGB変換処理のうち、ステップS30の処理に
よって、それぞれ、同じ変換領域A1に変換される。
【0090】一方、上記色域gaの外にある色であって
も、図6において、散点にて示した領域PA内の色につ
いては、上記したr’g’b’→RGB変換処理のう
ち、ステップS28の処理によって、それぞれ、上記色
域ga内の斜線で示した変換領域A2に変換される。即
ち、領域PAは本実施例のr’g’b’→RGB変換処
理によって救済される色の領域であり、変換領域A2が
それら救済領域PA内にある色の変換先の領域である。
【0091】なお、上記色域gaの中にある色のうち、
変換領域A2の中にある色については、救済領域PAの
中の色と一緒に、ステップS28の処理によって、それ
ぞれ、変換領域A2に変換される。
【0092】ここで、救済領域PAは、Lの値として見
た場合に前述した−ck以上0未満の範囲に対応し、従
って、その幅w0はckとなる。cの値は、式(9),
(10)に従って変化するため、救済領域PAの幅w0
は次のように変化する。即ち、例えば、r’の値をLと
おいた場合を例に採ると、f(g’)=0,f(b’)
=0である場合、c=0となるので、幅w0は0とな
り、最小となる。f(g’)=1,f(b’)=1であ
る場合は、c=1となるので、幅w0はkとなり、最大
となる。f(g’)=g’,f(b’)=b’である場
合は、c=(g’+b’)/2となるので、幅w0は
(g’+b’)k/2となる。このとき、幅w0は
g’,b’の各値に比例するため、図6に示すように、
赤についての救済領域の幅w0は、緑及び青(g’,
b’)の各値(図6では青の値は紙面に垂直な方向)が
大きくなるのに従って、リニアに広くなっていく。
【0093】また、救済領域PAの幅w0の最大幅をw
1とすると、その値はLの値としてみた場合に、前述し
たようにkに対応する。これに対し、変換領域A2の幅
w2はVの値として見た場合に前述したjに対応する。
また、色域gaの一辺の幅はLまたはVの値として見た
場合に「1」に対応する。本実施例においては、前述し
たように、kの値を「0.1」、jの値を「0.03」
に設定しているので、変換領域A2の幅w2は救済領域
PAの最大幅w1より狭くなっている。
【0094】従って、救済領域PAのうち、幅w0が変
換領域A2の幅w2よりも広い領域については、その領
域内にある色は、r’g’b’→RGB変換処理によっ
て、より幅の狭い変換領域A2に、圧縮して押し込まれ
ることになる。これに対し、救済領域PAのうち、幅w
0が変換領域A2の幅w2よりも狭い領域については、
その領域内にある色は、より幅の広い変換領域A2に、
拡張して押し込まれることになる。よって、前者の色に
ついては、変換先の変換領域A2において、色度点の分
散状態が密になるのに対し、後者の色については粗にす
ることができる。
【0095】また、元々色域gaの中にあった色のう
ち、変換領域A1の中にあった色は、r’g’b’→R
GB変換処理によって、同じ変換領域A1に変換される
ことになるので、それらの色については、変換前後にお
ける色の位置(色度点)のずれがほとんどない。
【0096】また、図6において、赤方向の軸と緑方向
の軸と(即ち、2つの矢印)で挟まれた領域(即ち、狭
角の領域)以外の領域(即ち、広角の領域)は、実際に
は存在しない色の領域であるが、本実施例においては、
この領域内に上記救済領域PAが少しも含まれていない
ので、上記したr’g’b’→RGB変換処理による変
換先の領域(即ち、変換領域A2)には、確実に色が存
在することになる。
【0097】さて、以上説明したように、本実施例によ
れば、測色値であるXYZとして、上記カラーモニタに
おける赤,緑,青の各蛍光体によって再現し得る色域
(即ち、ガメット)gaの外にある色を変換した場合
に、変換によって得られるr’,b’,g’の何れかの
値が、0より小さい値になったとしても(L<0)、そ
の値が−ck以上であれば(L≧−ck)、R,G,B
の値として0以上j未満の値に変換される(0≦V<
j)。従って、上記色域gaの外にある色でも、r’,
b’,g’値として−ck以上0未満の範囲(−ck≦
L<0)に入る色の部分については情報が失われること
がないため、R,G,Bの値として保存される。従っ
て、上記した色の部分において、色の調子が無くなった
り、色相が変化したりすることがない。
【0098】ところで、上記した実施例においては、カ
ラー印刷用にスキャンされたRGB色信号をカラーモニ
タ用のRGB色信号に変換してカラーモニタに与える場
合を想定していたため、測色値であるXYZから表示用
信号であるRGBへの色変換を対象としていた。
【0099】しかし、カラーモニタ用のRGB色信号を
カラー印刷用のCMYK色信号に変換して印刷機等に与
えたり、あるいは、カラーモニタ用のRGB色信号をX
YZ等の測色値に変換して記録媒体等に記録したりする
場合には、上記とは逆の色変換、即ち、表示用信号であ
るRGBから測色値であるXYZへの色変換を対象とし
ても良い。
【0100】即ち、この場合は、図1のステップS22
で行なったr’g’b’→RGB変換処理とは逆の変換
処理であるRGB→r’g’b’変換処理を行なった
後、図1のステップS20で行なったXYZ→r’g’
b’変換処理とは逆の変換処理であるr’g’b’→X
YZ変換処理を行なうようにすれば良い。
【0101】図7は本発明の他の実施例としての色変換
方法の処理手順を示すフローチャートである。
【0102】即ち、本実施例の色変換方法においては、
図7に示すように、まず、赤,緑,青の表示用信号であ
るRGBを、赤,緑,青について輝度リニアな値となる
r’g’b’に色変換する処理を行なう(ステップS4
0)。なお、前述した実施例におけるr’g’b’→R
GB変換処理では、LからVへの変換を行なっていた
が、本実施例におけるステップS40のRGB→r’
g’b’変換処理においては、上記とは逆のVからLへ
の変換を行なうことになる。
【0103】具体的には、まず、R,GまたはBの値を
Vとおき(ステップS44)、そのVの値がj以上であ
るか否かを判定する(ステップS46)。但し、R,
G,Bの各値は、それぞれ、0以上1以下の範囲には入
っている。
【0104】そして、判定の結果、Vの値がjより小さ
い場合には、式(13)に従って、M,Nの値を求める
処理を行なう(ステップS50)。
【0105】
【数8】
【0106】但し、式(13)において、T,Uは、
R,G,Bの値のうち、ステップS44でVとおかれた
値以外の値である。即ち、例えば、ステップS44にお
いて、Rの値をVとおいた場合は、T,Uはそれぞれ
G,Bの各値となる。
【0107】式(13)に示す変換関数は、従来の変換
関数である式(8)の変換関数とは逆の変換関数となっ
ており、前述したように、例えば、T,Uをそれぞれ
G,Bの各値とした場合には、式(13)によって、
M,Nとして暫定的なg’,b’の値を得ることができ
る。
【0108】次に、ステップS50で得られたM,Nの
各値に基づいて、前述の式(9)により、cの値を求め
る処理を行ない(ステップS52)、その後、そのcの
値に基づいて、式(14)に示す変換関数によりVから
Lへの変換を行なう(ステップS54)。
【0109】
【数9】
【0110】一方、ステップS46における判定の結
果、Vの値がj以上の場合には、式(15)に示す変換
関数によりVからLへの変換を行なう(ステップS4
8)。
【0111】
【数10】
【0112】即ち、前述の実施例におけるr’g’b’
→RGB変換処理では、LからVへの変換を、図4に示
すような変換特性に基づいて行なっていたが、この変換
特性では、図4から明らかなように、cの値さえ決まれ
ば、曲線C1が一つ確定するため、Lの値に対するVの
値が一意的に決定される。従って、逆の変換において
も、cの値さえ決まれば、Vの値に対するLの値が一意
的に決定されるので、RGB→r’g’b’変換処理に
おけるVからLへの変換も、図4に示す変換関係を用い
て容易に行なうことができる。
【0113】さて、以上のようにして、ステップS48
またはS54において、Lの値が得られたら、次に、本
実施例においては、Lの値を、ステップS44のR,
G,Bに対応させてr’,g’またはb’とおく(ステ
ップS56)。
【0114】従って、以上のRGB→r’g’b’変換
処理(ステップS40)によって、赤,緑,青毎に、そ
れぞれ、Rはr’に、Gはg’に、Bはb’に、それぞ
れ変換される。
【0115】次に、ステップS40で得られたr’g’
b’を、測色値であるXYZに色変換する処理を行なう
(ステップS42)。
【0116】即ち、前述の実施例におけるXYZ→r’
g’b’変換処理は、式(7)に示す行列演算によって
行なっていたが、本実施例におけるステップS22の
r’g’b’→XYZ変換処理は、式(7)とは逆の式
(6)に示す行列演算によって行なうことができる。
【0117】以上のようにして、本実施例においては、
表示用信号であるRGBから測色値であるXYZへの色
変換を行なうことができる。
【0118】ところで、前述の図1に示した実施例にお
いては色変換方法について説明したが、その色変換方法
は図8に示すような色変換装置によって実現することが
できる。
【0119】図8は図1に示す色変換方法を実現するこ
とが可能な色変換装置を示すブロック図である。図8に
示す色変換装置は、主として、CPU20、メモリ3
0、I/Oインタフェース40、ディスク・インタフェ
ース50を備えており、これらは相互にバス60によっ
て接続されている。
【0120】また、I/Oインタフェース40には、マ
ウス70,キーボード80,カラーモニタ90,ネット
ワークカード130が接続されており、マウス70,キ
ーボード80から入力された指示や命令をCPU20に
伝えたり、表示用信号をカラーモニタ90に与えたり、
ネットワークカード130との間で通信データのやり取
りを行なったりする。なお、ネットワークカード130
はネットワーク回線140に接続されており、このネッ
トワーク回線140を介して、例えば、サーバ150な
どと通信を行なう。
【0121】また、ディスク・インタフェース50に
は、ハードディスクドライブ100,CD−ROMドラ
イブ110,フロッピディスクドライブ120が接続さ
れており、ハードディスクドライブ100内のハードデ
ィスクに対しデータ等の読み書きを行なったり、CD−
ROMドライブ110に挿入されたCD−ROMよりプ
ログラムやデータ等を読み出したり、フロッピディスク
ドライブ120に挿入されたフロッピディスク125に
対しデータ等の読み書きを行なったりする。
【0122】また、CPU20は、メモリ30に蓄えら
れたコンピュータプログラムに従って動作し、XYZ→
r’g’b’変換処理部22やr’g’b’→RGB変
換処理部24として機能する。ここで、XYZ→r’
g’b’変換処理部22は、主に、図1に示したXYZ
→r’g’b’変換処理(ステップS20)を実行し、
また、r’g’b’→RGB変換処理部24は、主に、
図1に示したr’g’b’→RGB変換処理(ステップ
S22)を実行する。なお、色変換すべき測色値である
XYZのデータは予めハードディスクドライブ100内
のハードディスクに記憶されており、このハードディス
クから供給されるか、或いは、サーバ150に格納され
ており、このサーバ150からネットワーク回線14
0,ネットワークカード130を介して供給される。ま
た、処理中に得られたデータはメモリ30や上記ハード
ディスクに一時的に格納される。色変換によって得られ
た表示用信号であるRGBのデータは、上記ハードディ
スクに記憶されるか或いは上記サーバに格納される。ま
た、カラーモニタ90が対象としているカラーモニタと
同種のカラーモニタである場合には、得られた表示用信
号であるRGBをカラーモニタ90に与えて、モニタリ
ングしても良い。
【0123】また、CPU20にXYZ→r’g’b’
変換処理部22やr’g’b’→RGB変換処理部24
として機能させるコンピュータプログラムは、最終的に
は、前述したようにメモリ30に蓄えられるが、元は、
CD−ROM115やフロッピディスク125に記録さ
れている。即ち、上記したコンピュータプログラムはC
D−ROM115やフロッピディスク125からCD−
ROMドライブ110やフロッピディスクドライブ12
0によって読み取られ、例えば、一旦ハードディスクド
ライブ100内のハードディスクに書き込まれた後、メ
モリ30に転送される。
【0124】なお、上記したコンピュータプログラムを
記録するための記録媒体としては、CD−ROM115
やフロッピディスク125やハードディスクの他、光磁
気ディスク,磁気テープ,ICカード,ROMカートリ
ッジ,パンチカード、或いは、バーコードなどの符号が
印刷された印刷物など、コンピュータによって読み取り
可能な種々の記録媒体を用いることができる。
【0125】また、上記したコンピュータプログラムと
して、前述したようにCD−ROM115やフロッピデ
ィスク125に記録されていたものをメモリ30に転送
することもできるが、サーバ150に格納されていたも
のをネットワーク回線140,ネットワークカード13
0を介してメモり30に転送するようにしても良い。こ
の場合、サーバ150がコンピュータプログラム提供装
置として機能する。なお、本実施例では、サーバへの接
続手段として、ネットワーク回線とネットワークカード
との組合せを用いたが、その他、公衆回線とモデムやタ
ーミナルアダプタとの組合せを用いるようにしても良
い。
【0126】さて、以上の説明においては、図1に示す
色変換方法によって測色値であるXYZから表示用信号
であるRGBへの色変換を行なう場合と、図1の色変換
とは逆の色変換方法によって表示用信号であるRGBか
ら測色値であるXYZへの色変換を行なう場合と、につ
いてそれぞれ説明した。そこで次に、図1の色変換方法
によって得られた表示用信号であるRGB(即ち、RG
B色信号)から印刷用信号であるCMYK(即ち、CM
YK色信号)への色変換を行なって印刷機、製版用画像
記録装置等に与える場合を考えてみる。なお、前述した
ように、図1の色変換方法は図8の色変換装置によって
実現することができるので、図1の色変換方法によって
得られた表示用信号であるRGBは、図8の色変換装置
によって得られた表示用信号であるRGBと言い換える
ことができる。
【0127】図8の色変換装置によって得られた表示用
信号であるRGBから印刷用信号であるCMYKへの色
変換は、図9に示すよう色変換装置によって行なわれ
る。
【0128】図9は本発明の別の実施例として色変換装
置を示すブロック図である。図9に示すように、本実施
例の色変換装置160は、色変換用ルックアップテーブ
ル170と色変換用補間回路180とを備えている。
【0129】図9に示す色変換装置160に、図8の色
変換装置によって得られた表示用信号であるRGBが入
力されると、色変換用補間回路180は、入力されたR
GBの値の組合せが色変換用ルックアップテーブル17
0におけるアドレスの値として存在する場合には、その
RGBの値の組合せを色変換用ルックアップテーブル1
70に入力する。色変換用ルックアップテーブル170
では、色変換用補間回路180から入力されたRGBの
値の組合せの示すアドレス内に格納されているCMYK
の値を読み出して、色変換用補間回路180に出力す
る。色変換用補間回路180は読み出されたCMYKを
そのまま出力する。
【0130】一方、色変換装置160に入力されたRG
Bの値の組合せが色変換用ルックアップテーブル170
におけるアドレスの値として存在しない場合には、色変
換用ルックアップテーブル170におけるアドレスの値
として存在するRGBの値の組合せのうち、入力された
上記RGBの値の組合せに近いものを複数選択して、色
変換用ルックアップテーブル170に入力する。色変換
用ルックアップテーブル170では、色変換用補間回路
180から入力されたRGBの値の各組合せの示す複数
のアドレスから、各々の中に格納されているCMYKの
値をそれぞれ読み出して、色変換用補間回路180に出
力する。色変換用補間回路180は、読み出された複数
のCMYKの値を用いて補間演算を行なって、色変換装
置160に入力されたRGBに対応するCMYKを出力
する。
【0131】図10は図9の色変換用ルックアップテー
ブルにおけるアドレスの値として存在するRGBの値の
組合せとそれらアドレス内に格納されているCMYKの
値の一例を示す説明図である。従って、例えば、色変換
用ルックアップテーブル170に、色変換用補間回路1
80からRGBの値の組合せとして(R,G,B)=
(0,0,8)が入力されたとすると、その組合せの示
すアドレス内に格納されているCMYKの値は、図10
に示すように、(C,M,Y,K)=(C2,M2
2,K2)であるので、この値が色変換用補間回路18
0に出力される。なお、図10に示すように、色変換用
ルックアップテーブル170の全てのアドレス内には必
ずCMYKの値が格納されている。
【0132】さて、本実施例においては、図8に示す色
変換装置のr’g’b’→RGB変換処理部24におい
て行なわれているr’g’b’→RGB変換処理が、例
えば、図4及び図5に示す変換特性に基づくものである
場合、R,G,Bの何れかの値としてjを含むRGBの
値の組合せが、少なくとも、色変換用ルックアップテー
ブル170におけるアドレスの値として存在するよう
に、色変換用ルックアップテーブル170を構成するよ
うにする。
【0133】例えば、今、j=8と設定すると、R,
G,Bの何れかの値として8を含むRGBの値の組合せ
が、色変換用ルックアップテーブル170におけるアド
レスの値として存在するように、色変換用ルックアップ
テーブル170を構成する。図10に示す例では、アド
レスの値として、(R,G,B)=(0,0,8)、
(R,G,B)=(0,8,0)、(R,G,B)=
(8,0,0)、(R,G,B)=(0,8,8)、
(R,G,B)=(8,0,8)、(R,G,B)=
(8,8,0)、(R,G,B)=(8,8,8)、…
など、R,G,Bの何れかの値として8を含むRGBの
値の組合せが存在しているので、まさに、図10に示す
例は上記したルックアップテーブルに該当する。
【0134】従って、前述したように、色変換用ルック
アップテーブル170の全てのアドレス内には必ずCM
YKの値が格納されているため、色変換用ルックアップ
テーブル170を上記したように構成することによっ
て、R,G,Bの何れかの値としてjを含むRGBの値
の組合せのうち、アドレスの値として存在するものにつ
いては、必ず、それに対応するCMYKの値が色変換用
ルックアップテーブル170内に実存することになる。
【0135】r’g’b’からRGBへの変換では、図
4及び図5に示す変換特性から明らかなように、R,G
またはB=j(即ち、V=j)の前後において、変換の
傾向が全く異なっている。従って、RGBからCMYK
へ変換する場合も、R,GまたはB=jの前後におい
て、変換の傾向が異なることになる。このため、jを含
むRGBの値の組合せに近い組合せについて、それぞ
れ、対応するCMYKの値(即ち、変換によって得られ
るCMYKの値)を求めると、それら値同士はかけ離れ
たものとなっており、連続性がない。
【0136】一方、jを含むRGBの値の組合せが、全
く、色変換用ルックアップテーブル170のアドレスの
値として存在せず、このRGBの値の組合せに対応する
CMYKの値が色変換用ルックアップテーブル170に
実存しないものと仮定すると、jを含むRGBの値の組
合せが色変換装置160に入力された場合は、このRG
Bの値の組合せに近い組合せについて、それぞれ、対応
するCMYKの値が複数、色変換用ルックアップテーブ
ル170から読み出されて、それらCMYKの値を用い
て補間演算が行なわれることになる。しかし、前述した
ように、jを含むRGBの値の組合せに近い組合せにつ
いては、それぞれ、対応するCMYKの値同士はかけ離
れたものとなっており、連続性がないため、それらCM
YKの値を用いて補間演算が行なわれたとしても、その
補間演算によっては、jを含むRGBの値の組合せにつ
いての正しいCMYKの値を得ることができない。
【0137】これに対し、本実施例のように、jを含む
RGBの値の組合せが少なくとも色変換用ルックアップ
テーブル170のアドレスの値として存在し、このRG
Bの値の組合せに対応するCMYKの値が色変換用ルッ
クアップテーブル170に実存するように構成した場合
には、jを含むRGBの値の組合せが色変換装置160
に入力されると、補間演算が行なわれることなく、その
RGBの値の組合せに対応するCMYKの値が色変換用
ルックアップテーブル170から読み出されて出力され
るため、jを含むRGBの値の組合せについての正しい
CMYKの値を得ることができる。
【0138】なお、本発明は上記した実施例や実施形態
に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲に
おいて種々の態様にて実施することが可能である。
【0139】即ち、上記した実施例においては、測色値
としてXYZを用いるようにしたが、XYZの代わり
に、測色値としてL***を用いるようにしても良
い。
【0140】また、上記した実施例において、r’g’
b’→RGB変換処理におけるLからVへの変換特性
は、図5において破線で示したように、Vの値が0以上
j未満の範囲内において、直線(即ち、Lの一次関数)
となっている。しかし、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、上記範囲においては、Lの一次関数以外の関
数であっても、単調に増加する関数であれば、LからV
への変換に用いることができる。
【0141】また、上記した実施例においては、表示用
信号であるRGBを与える対象としてカラーモニタを用
いていたが、本発明は、カラーモニタに限定されるもの
ではなく、カラー液晶ディスプレイやカラープラズマデ
ィスプレイなどの他のカラー表示デバイスを用いるよう
にしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての色変換方法の処理手
順を示すフローチャートである。
【図2】ITU−R 709の赤,緑,青の各蛍光体の
表す色の色度座標及びD50の白色の色度座標を示す説
明図である。
【図3】従来の色変換方法によっては救済できない色の
領域を示す説明図である。
【図4】r’g’b’→RGB変換処理において用いら
れるLからVへの変換特性を、従来例と本発明の一実施
例とで比較して示したグラフである。
【図5】図4の変換特性の要部を拡大して示したグラフ
である。
【図6】本発明の一実施例の色変換方法におけるr’
g’b’→RGB変換処理によって救済される色の領域
と、変換前と変換後の各色の位置を示す説明図である。
【図7】本発明の他の実施例としての色変換方法の処理
手順を示すフローチャートである。
【図8】図1に示す色変換方法を実現することが可能な
色変換装置を示すブロック図である。
【図9】本発明の別の実施例として色変換装置を示すブ
ロック図である。
【図10】図9の色変換用ルックアップテーブルにおけ
るアドレスの値として存在するRGBの値の組合せとそ
れらアドレス内に格納されているCMYKの値の一例を
示す説明図である。
【符号の説明】
20…CPU 22…XYZ→r’g’b’変換処理部 24…r’g’b’→RGB変換処理部 30…メモリ 40…I/Oインタフェース 50…ディスク・インタフェース 60…バス 70…マウス 80…キーボード 90…カラーモニタ 100…ハードディスクドライブ 110…CD−ROMドライブ 115…CD−ROM 120…フロッピディスクドライブ 125…フロッピディスク 130…ネットワークカード 140…ネットワーク回線 150…サーバ 160…色変換装置 170…色変換用ルックアップテーブル 180…色変換用補間回路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々特定の色度座標を持つ加法混色の原
    色を、該加法混色の原色にそれぞれ対応して入力される
    表示用信号の信号強度に応じた混合量で混色することに
    より、色を表示すると共に、前記表示用信号の信号強度
    としては所定の規定範囲内の値を採り得、前記信号強度
    に応じた前記混合量としては所定の再現可能範囲内の値
    を採り得るカラー表示デバイスについて、測色値から前
    記カラー表示デバイスに入力すべき前記表示用信号を得
    るために、前記測色値を前記表示用信号に変換する色変
    換方法であって、 (a)前記測色値を前記加法混色の原色の各混合量に変
    換する工程と、 (b)変換して得られた前記加法混色の原色の各混合量
    を、それぞれ、前記加法混色の原色毎に、前記加法混色
    の原色にそれぞれ対応する前記表示用信号の信号強度に
    変換する工程と、 を備え、 前記工程(b)は、 前記加法混色の原色のうち、少なくとも一つの特定原色
    については、前記工程(a)によって変換して得られた
    当該特定原色以外の残りの原色の各混合量に基づいて、
    前記再現可能範囲外であって、かつ、予め設定された最
    大救済範囲内において、救済範囲を設定すると共に、 前記工程(a)によって変換して得られた前記特定原色
    の混合量が前記再現可能範囲内の値である場合には、前
    記表示用信号の信号強度として、前記規定範囲内におい
    て予め設定された第1の変換範囲内の値に変換し、 前記特定原色の混合量が前記再現可能範囲外の値であっ
    て、かつ、前記救済範囲内の値である場合には、前記表
    示用信号の信号強度として、前記規定範囲内における前
    記第1の変換範囲以外の残りの第2の変換範囲内の値に
    変換することを特徴とする色変換方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の色変換方法において、 前記工程(b)では、前記残りの原色の各混合量に基づ
    いて前記救済範囲を設定する際に、前記残りの原色の各
    混合量が大きいほど前記救済範囲を大きく設定し、前記
    残りの原色の各混合量が小さいほど前記救済範囲を小さ
    く設定することを特徴とする色変換方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の色変換
    方法において、 前記工程(b)における前記救済範囲の設定は、前記特
    定原色の混合量が前記再現可能範囲内の値である場合に
    行なうことを特徴とする色変換方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のうちの任意の
    一つに記載の色変換方法において、 前記規定範囲に対する前記第2の変換範囲の割合は前記
    再現可能範囲に対する前記最大救済範囲の割合よりも小
    さいことを特徴とする色変換方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のうちの任意の
    一つに記載の色変換方法において、 前記工程(b)は、 前記特定原色の混合量から該特定原色に対応する前記表
    示用信号の信号強度への変換を、前記混合量と前記信号
    強度との変換関係を表す変換関数を用いて行なうと共
    に、 前記特定原色の混合量が前記再現可能範囲内の値である
    場合には第1の関数を含む変換関数を用い、前記特定原
    色の混合量が前記最大救済範囲内の値である場合には、
    前記第1の関数とは異なり、かつ、当該特定原色以外の
    残りの原色の各混合量に基づいて変化する第2の関数を
    含む変換関数を用いることを特徴とする色変換方法。
  6. 【請求項6】 各々特定の色度座標を持つ加法混色の原
    色を、該加法混色の原色にそれぞれ対応して入力される
    表示用信号の信号強度に応じた混合量で混色することに
    より、色を表示すると共に、前記表示用信号の信号強度
    としては所定の規定範囲内の値を採り得、前記信号強度
    に応じた前記混合量としては所定の再現可能範囲内の値
    を採り得るカラー表示デバイスについて、該カラー表示
    デバイスに入力すべき前記表示用信号を、測色値に変換
    する色変換方法であって、 (a)前記加法混色の原色にそれぞれ対応する前記表示
    用信号の信号強度を、それぞれ、前記加法混色の原色毎
    に、前記加法混色の原色の各混合量に変換する工程と、 (b)変換して得られた前記加法混色の原色の各混合量
    を前記測色値に変換する工程と、 を備え、 前記工程(a)は、 前記加法混色の原色のうち、少なくとも一つの特定原色
    については、予め求められた当該特定原色以外の残りの
    原色の各混合量に基づいて、前記再現可能範囲外であっ
    て、かつ、予め設定された最大救済範囲内において、救
    済範囲を設定すると共に、 前記特定原色に対応する前記表示用信号の信号強度が、
    前記規定範囲内において予め設定された第1の変換範囲
    内の値である場合に、前記特定原色の混合量として、前
    記再現可能範囲内の値に変換し、 前記特定原色に対応する前記表示用信号の信号強度が、
    前記規定範囲内における前記第1の変換範囲以外の残り
    の第2の変換範囲内の値である場合に、前記特定原色の
    混合量として、前記再現可能範囲外の値であって、か
    つ、前記救済範囲内の値に変換することを特徴とする色
    変換方法。
  7. 【請求項7】 各々特定の色度座標を持つ加法混色の原
    色を、該加法混色の原色にそれぞれ対応して入力される
    表示用信号の信号強度に応じた混合量で混色することに
    より、色を表示すると共に、前記表示用信号の信号強度
    としては所定の規定範囲内の値を採り得、前記信号強度
    に応じた前記混合量としては所定の再現可能範囲内の値
    を採り得るカラー表示デバイスについて、測色値から前
    記カラー表示デバイスに入力すべき前記表示用信号を得
    るために、前記測色値を前記表示用信号に変換する色変
    換装置であって、 前記測色値を前記加法混色の原色の各混合量に変換する
    第1の変換手段と、 変換して得られた前記加法混色の原色の各混合量を、そ
    れぞれ、前記加法混色の原色毎に、前記加法混色の原色
    にそれぞれ対応する前記表示用信号の信号強度に変換す
    る第2の変換手段と、 を備え、 前記第2の変換手段は、 前記加法混色の原色のうち、少なくとも一つの特定原色
    については、前記第1の変換手段によって変換して得ら
    れた当該特定原色以外の残りの原色の各混合量に基づい
    て、前記再現可能範囲外であって、かつ、予め設定され
    た最大救済範囲内において、救済範囲を設定すると共
    に、 前記第1の変換手段によって変換して得られた前記特定
    原色の混合量が前記再現可能範囲内の値である場合に
    は、前記表示用信号の信号強度として、前記規定範囲内
    において予め設定された第1の変換範囲内の値に変換
    し、 前記特定原色の混合量が前記再現可能範囲外の値であっ
    て、かつ、前記救済範囲内の値である場合には、前記表
    示用信号の信号強度として、前記規定範囲内における前
    記第1の変換範囲以外の残りの第2の変換範囲内の値に
    変換することを特徴とする色変換装置。
  8. 【請求項8】 色変換用の代表点からなるルックアップ
    テーブルを備え、請求項7に記載の色変換装置によって
    変換して得られた前記加法混色の原色にそれぞれ対応す
    る前記表示用信号の信号強度を、前記色変換用ルックア
    ップテーブルの代表点と、その点に基づく補間演算を用
    いて、所定の表色系の値に変換する色変換装置であっ
    て、 前記色変換用ルックアップテーブルは、変換して得られ
    た前記加法混色の原色にそれぞれ対応する前記表示用信
    号の信号強度の値の組合せのうち、前記第1の変換範囲
    と前記第2の変換範囲との境界に位置する境界値を前記
    特定原色の何れかに対応する前記表示用信号の信号強度
    の値として含む特定の組合せを、少なくとも、前記色変
    換用ルックアップテーブルのアドレスの値として持つと
    共に、 前記特定の組合せによって表されるアドレスには、前記
    特定の組合せを変換して得られる前記表色系の値が格納
    されていることを特徴とする色変換装置。
  9. 【請求項9】 各々特定の色度座標を持つ加法混色の原
    色を、該加法混色の原色にそれぞれ対応して入力される
    表示用信号の信号強度に応じた混合量で混色することに
    より、色を表示すると共に、前記表示用信号の信号強度
    としては所定の規定範囲内の値を採り得、前記信号強度
    に応じた前記混合量としては所定の再現可能範囲内の値
    を採り得るカラー表示デバイスについて、測色値から前
    記カラー表示デバイスに入力すべき前記表示用信号を得
    るために、前記測色値を前記表示用信号に変換するため
    のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み
    取り可能な記録媒体であって、 前記測色値を前記加法混色の原色の各混合量に変換する
    第1の機能と、 変換して得られた前記加法混色の原色の各混合量を、そ
    れぞれ、前記加法混色の原色毎に、前記加法混色の原色
    にそれぞれ対応する前記表示用信号の信号強度に変換す
    ると共に、 前記加法混色の原色のうち、少なくとも一つの特定原色
    については、前記第1の機能によって変換して得られた
    当該特定原色以外の残りの原色の各混合量に基づいて、
    前記再現可能範囲外であって、かつ、予め設定された最
    大救済範囲内において、救済範囲を設定し、 前記第1の機能によって変換して得られた前記特定原色
    の混合量が前記再現可能範囲内の値である場合には、前
    記表示用信号の信号強度として、前記規定範囲内におい
    て予め設定された第1の変換範囲内の値に変換し、 前記特定原色の混合量が前記再現可能範囲外の値であっ
    て、かつ、前記救済範囲内の値である場合には、前記表
    示用信号の信号強度として、前記規定範囲内における前
    記第1の変換範囲以外の残りの第2の変換範囲内の値に
    変換する第2の機能とを、 コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラ
    ムを記録した記録媒体。
JP20975697A 1997-07-17 1997-07-17 色変換方法及びその装置並びに記録媒体 Expired - Fee Related JP3628151B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20975697A JP3628151B2 (ja) 1997-07-17 1997-07-17 色変換方法及びその装置並びに記録媒体
US09/113,616 US6366291B1 (en) 1997-07-17 1998-07-10 Method of color conversion, apparatus for the same, and computer program product for realizing the method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20975697A JP3628151B2 (ja) 1997-07-17 1997-07-17 色変換方法及びその装置並びに記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1141481A true JPH1141481A (ja) 1999-02-12
JP3628151B2 JP3628151B2 (ja) 2005-03-09

Family

ID=16578121

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20975697A Expired - Fee Related JP3628151B2 (ja) 1997-07-17 1997-07-17 色変換方法及びその装置並びに記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3628151B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014155024A (ja) * 2013-02-07 2014-08-25 Japan Display Inc 色変換装置、表示装置、電子機器及び色変換方法
US9055298B2 (en) 2005-07-15 2015-06-09 Qualcomm Incorporated Video encoding method enabling highly efficient partial decoding of H.264 and other transform coded information

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9055298B2 (en) 2005-07-15 2015-06-09 Qualcomm Incorporated Video encoding method enabling highly efficient partial decoding of H.264 and other transform coded information
JP2014155024A (ja) * 2013-02-07 2014-08-25 Japan Display Inc 色変換装置、表示装置、電子機器及び色変換方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3628151B2 (ja) 2005-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6366291B1 (en) Method of color conversion, apparatus for the same, and computer program product for realizing the method
JP3242251B2 (ja) カラー・イメージ再現方法
US7180632B2 (en) Image processing device, image processing method, and record medium
JP4565642B2 (ja) 画像処理方法および画像処理装置
US7193746B2 (en) Image processing device image processing method, and record medium
US20100157112A1 (en) Image processing apparatus, image processing method, and computer program product
US7969628B2 (en) Apparatus and method for segmenting an output device color gamut and mapping an input device color gamut to the segmented output device color gamut
US7312891B2 (en) Image processing method and apparatus
US8456511B2 (en) Method and apparatus for reproducing image using output prediction
JP3980343B2 (ja) 色変換装置、画像処理装置、色変換方法、該色変換方法を実行させるためのプログラム、該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び画像処理システム
US7061646B2 (en) Color correction table generating method, image processing device, image processing method and recording media
JP3691686B2 (ja) カラーデータ変換装置およびカラーデータ変換方法
US20080174798A1 (en) Color-management apparatus and method
US7167275B2 (en) Image processing apparatus, image processing method, program, and recording medium
US6839460B2 (en) Image processing method, image processing apparatus and recording medium
JP3628151B2 (ja) 色変換方法及びその装置並びに記録媒体
JPH1141483A (ja) 色変換方法及びその装置並びに記録媒体
JPH1141480A (ja) 色変換方法及びその装置並びに記録媒体
JPH118777A (ja) 色変換方法及びその装置並びに記録媒体
US8107140B2 (en) Color processing apparatus, color processing method, and computer readable medium
JPH09270925A (ja) 画像処理装置及び方法
JP2004110647A (ja) 色変換係数作成方法、色変換係数作成装置、プログラム、記憶媒体
JP2002094826A (ja) 画像処理装置、画像形成装置、並びに画像処理方法
JP2000287096A (ja) カラープリンタにおけるガマット圧縮方法及びそれを用いた色再現処理装置
JPH10341453A (ja) 色変換方法及び色変換装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040921

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041008

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071217

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081217

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees