JPH1140098A - 誘導結合プラズマ質量分析装置 - Google Patents

誘導結合プラズマ質量分析装置

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JPH1140098A
JPH1140098A JP9198359A JP19835997A JPH1140098A JP H1140098 A JPH1140098 A JP H1140098A JP 9198359 A JP9198359 A JP 9198359A JP 19835997 A JP19835997 A JP 19835997A JP H1140098 A JPH1140098 A JP H1140098A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオンロスが少なくかつイオンビーム経路の
調整が容易なフォトン阻止手段を備えた誘導結合プラズ
マ質量分析装置を実現する。 【解決手段】 スキマー32の後段に設けた第1の板部
材240に、スキマーの開口を光学軸200に沿って投
影した投影像とは重ならない開口250を設け、その後
段にイオンレンズ242〜246を設け、イオンレンズ
の後段に開口250の光学軸方向の投影像とは重ならな
い開口260を持つ第2の板部材248を設けたことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導結合プラズマ
質量分析装置に関し、特に、誘導結合プラズマに不可避
的に含まれるフォトンの影響を受けないようにした誘導
結合プラズマ質量分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】誘導結合プラズマ質量分析装置は、誘導
結合プラズマを用いて被分析の元素をイオン化し、イオ
ン化された元素を例えば四重極マスフィルタ等によって
質量選択し、そのイオンを2次電子増倍管等で検出する
ことにより、質量分析を行うようになっている。
【0003】誘導結合プラズマにおいて、プラズマおよ
びイオンとともに例えば紫外線等のフォトンが発生す
る。このフォトンが2次電子増倍管に入感すると、その
検出信号によってバックグラウンド・ノイズレベルが上
昇する。バックグラウンド・ノイズレベルの上昇は微量
イオンの検出限界を狭めるので、誘導結合プラズマ質量
分析装置には、フォトンを分析系に入れないようにする
ための阻止手段が設けられる。
【0004】そのような阻止手段の1つとして、図6に
示すように、イオンを減圧空間に導入するスキマー60
0の後段に、フォトン阻止板602を設けることが行わ
れる。フォトン阻止板602はスキマー600の開口面
積の投影より大きい面積を持つように構成され、光学軸
上に配置されて光学軸上を進行するフォトンを阻止する
ようになっている。
【0005】一方、イオンは横方向の広がりを持つの
で、光学軸上のものはフォトン阻止板602で阻止され
るものの、それ以外のものは阻止されることなく進行
し、アインツェルレンズ604等の主レンズ系で集束さ
れてイオンビームが形成される。
【0006】アインツェルレンズ604のビーム集束点
の後方に、面積を大きくした第2のフォトン阻止板60
6が設けられ、フォトン阻止を完璧なものにしている。
その際、イオンビームが第2のフォトン阻止板606に
衝突しないようにするため、ベッセルボックス608等
の第2のレンズ系によって進行経路を適切に曲げるよう
にしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の装置において
は、第2の阻止板606との衝突によるイオンロスをで
きるだけ少なくするために、アインツェルレンズ604
やベッセルボックス608の電圧を適正に設定する必要
がある。しかし、イオンの持つエネルギーには幅がある
ので、最適な電圧を得るまでには煩雑な調整が必要とさ
れる。また、主レンズ系の後段に第2のレンズ系を設け
るので、光学軸が長くなって装置が大型化するととも
に、部品点数が多くなる。
【0008】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたもので、その目的は、イオンロスが少なくかつイ
オンビーム経路の調整が容易なフォトン阻止手段を備え
た誘導結合プラズマ質量分析装置を実現することであ
る。
【0009】また、フォトン阻止手段を備えながらも小
型化が容易な誘導結合プラズマ質量分析装置を実現する
ことを目的とする。また、フォトン阻止手段を備えなが
らも部品点数の少ない誘導結合プラズマ質量分析装置を
実現することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)上記の課題を解決する請求項1の発明は、誘導結
合プラズマによって被分析元素のイオンを生成するイオ
ン生成手段と、前記イオン生成手段が生成したイオンを
導入する開口を有するスキマー手段と、前記スキマー手
段の後段に配設され、前記スキマー手段の前記開口を光
学軸方向に投影した投影像とは重ならない開口を有する
第1の板部材と、前記第1の板部材の後段に配設され、
前記第1の板部材の前記開口の位置に物点を有しこの物
点から発散するイオンを像点に集束させるイオンレンズ
手段と、前記イオンレンズ手段の後段に配設され、前記
第1の板部材の前記開口を光学軸方向に投影した投影像
とは重ならない開口を前記像点に相当する位置に有する
第2の板部材と、前記第2の板部材の後段に配設され、
前記第2の板部材の前記開口を通過したイオンについて
質量分析を行う質量分析手段と、を具備することを特徴
とする。
【0011】請求項1の発明では、スキマーの開口と第
1の板部材の開口が光学軸方向において重ならず、さら
に、第1の板部材の開口と第2の板部材の開口が光学軸
方向で重ならないので、スキマーの開口から入射したフ
ォトンは通過を阻止される。
【0012】また、イオンレンズ手段の物点および像点
が第1の板部材の開口および第2の板部材の開口にそれ
ぞれ位置することにより、第1の板部材の開口から入射
したイオンは、効率良く第2の板部材の開口から出射す
る。
【0013】(2)上記の課題を解決する請求項2の発
明は、誘導結合プラズマによって被分析元素のイオンを
生成するイオン生成手段と、前記イオン生成手段が生成
したイオンを導入する開口を有するスキマー手段と、前
記スキマー手段の後段に配設され、前記スキマー手段の
前記開口を光学軸方向に投影した投影像とは重ならない
開口を有する第1の板部材と、前記第1の板部材の後段
に配設され、前記第1の板部材の前記開口の位置に物点
を有しこの物点から発散するイオンを像点に集束させる
イオンレンズ手段と、前記イオンレンズ手段の後段に配
設され、前記第1の板部材の前記開口を光学軸方向に投
影した投影像とは重ならない開口を前記像点に相当する
位置に有する第2の板部材と、前記第2の板部材の後段
に配設され、前記第2の板部材の前記開口を通過したイ
オンを横方向の広がりを制限して進行させるイオンガイ
ド手段と、前記イオンガイド手段を通じて与えられたイ
オンについて質量分析を行う質量分析手段と、を具備す
ることを特徴とする。
【0014】請求項2の発明では、スキマーの開口と第
1の板部材の開口が光学軸方向において重ならず、さら
に、第1の板部材の開口と第2の板部材の開口が光学軸
方向で重ならないので、スキマーの開口から入射したフ
ォトンは通過を阻止される。
【0015】また、イオンレンズ手段の物点および像点
がそれぞれ第1の板部材の開口および第2の板部材の開
口に位置することにより、第1の板部材の開口から入射
したイオンは、効率良く第2の板部材の開口から出射す
る。
【0016】また、第2の板部材の開口から出射したイ
オンが、イオンガイド手段により横方向の広がりを制限
されて効率良く質量分析手段に導かれる。 (3)上記の課題を解決する請求項3の発明は、請求項
2の発明において、前記イオンガイド手段が前記第2の
板部材の前記開口から出射するイオンの進行方向に合わ
せて光学軸に対し傾けられている、ことを特徴とする。
【0017】請求項3の発明では、光学軸に対して傾け
たイオンガイド手段が効率よくイオンを次段に導く。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態
に限定されるものではない。
【0019】図1に、誘導結合プラズマ質量分析装置の
模式的構成を示す。本装置は、本発明の実施の形態の一
例である。同図に示すように、本装置は、例えば石英管
等で構成されるプラズマトーチ2を有する。プラズマト
ーチ2は、本発明におけるイオン生成手段の実施の形態
の一例である。
【0020】プラズマトーチ2には、高周波誘導コイル
4が巻回されている。高周波誘導コイル4には、高周波
電源6からインピーダンスマッチング回路8を通じて高
周波電力が供給される。プラズマトーチ2と高周波誘導
コイル4の間にはシールド板10が配設されている。プ
ラズマトーチ2は、高周波誘導コイル4に供給された高
周波電力によって、高周波誘導結合プラズマ40(以
下、プラズマ)を発生する。
【0021】プラズマ40は、分析装置の本体100の
前面に設けられたサンプリングコーン30に向けて照射
される。本体100の内部はインターフェースチャンバ
18、イオンレンズチャンバ20およびアナライザチャ
ンバ22に分割されている。
【0022】インターフェースチャンバ18は、図示し
ない例えばロータリポンプ等によって吸引・排気され、
内部圧力が例えば200〜400Paに保たれている。
イオンレンズチャンバ20は、図示しない例えば第1の
ターボ分子ポンプ等によって吸引・排気され、内部圧力
が例えば2×10-1〜8×10-1Paに保たれている。
アナライザチャンバ22は、図示しない例えば第2のタ
ーボ分子ポンプ等によって吸引・排気され、内部圧力が
例えば1×10-4〜9×10-4Paに保たれている。す
なわち、インターフェースチャンバ18からアナライザ
チャンバ22まで段階的に圧力が減じられ、アナライザ
チャンバ22において最も真空度が高くなっている。
【0023】サンプリングコーン30は、インターフェ
ースチャンバ18の前面に設けられている。サンプリン
グコーン30は、プラズマトーチ2と対向する方向に突
出する中空の錐体であり、その先端に設けられた開口を
通じて、プラズマ40およびそれに含まれる被分析元素
のイオンをインターフェースチャンバ18に導入(サン
プリング)するようになっている。
【0024】インターフェースチャンバ18とイオンレ
ンズチャンバ20の間の隔壁には、スキマー32が設け
られている。スキマー32は、本発明におけるスキマー
手段の実施の形態の一例である。スキマー32は、イオ
ンが到来する方向に突出する中空の錐体であり、その先
端に設けられた開口を通じて、イオンをイオンレンズチ
ャンバ20に導入するようになっている。
【0025】イオンレンズチャンバ20にはレンズ系2
4が設けられている。レンズ系24は、スキマー32を
通じて導入されたイオンを収束してイオンビームを形成
するものである。レンズ系24の構成については後にあ
らためて説明する。
【0026】レンズ系24によって集束されたイオンビ
ームは、イオンレンズチャンバ20とアナライザチャン
バ22の間の隔壁に設けられたアパチャー34を通じ
て、アナライザチャンバ22内の質量選択部26に入射
される。
【0027】質量選択部26は、例えば四重極マスフィ
ルタ等で構成される。質量選択部26で選択されたイオ
ンがイオン検出器28によって検出される。イオン検出
器28は、例えば2次電子増倍管等を前段に有するもの
である。イオン検出器28の出力信号が図示しない信号
処理装置で処理され、質量分析値が求められる。質量選
択部26、イオン検出器28および信号処理装置は、本
発明における質量分析手段の実施の形態の一例である。
【0028】図2に、レンズ系24の模式的構成を、ス
キマー32との相互関係とともに示す。同図に示すよう
に、レンズ系24は、光学軸200に沿って同軸的に順
次配列されたエレメント240〜248を有する。エレ
メント240〜248は、例えば金属等の導電体によっ
て構成される。光学軸200は、スキマー32の開口の
光学軸と一致している。
【0029】エレメント240は、例えば、先端に平坦
部を有する中空の円錐体となるように構成される。エレ
メント240は、本発明における第1の板部材の実施の
形態の一例である。エレメント240の先端の平坦部に
は開口250が設けられている。開口250は、光学軸
200から偏心して設けられている。これによって、ス
キマー32の開口を光学軸200に沿って投影したと
き、その投影像が開口250と重ならないようになって
いる。
【0030】エレメント242は、例えば、前半部が円
錐の一部をなすように絞り込まれた円筒となるように構
成される。絞り込まれたエレメント242の先端部は、
エレメント240の内部空間に入り込んでいる。エレメ
ント244,246は、いずれも例えば円筒となるよう
に構成される。
【0031】エレメント242,244,246は、イ
オンを集束するためのアインツェルレンズを構成するも
のであり、エレメント242とエレメント246には同
一の電圧が図示しない電圧源から与えられ、エレメント
244にはそれとは値の異なる電圧が図示しない別な電
圧源から与えられる。アインツェルレンズは、本発明に
おけるイオンレンズ手段の実施の形態の一例である。ま
た、本発明におけるアインツェルレンズの実施の形態の
一例である。
【0032】エレメント248は例えば円板状に構成さ
れる。エレメント248は、本発明における第2の板部
材の実施の形態の一例である。エレメント248は、開
口260を有する。開口260は、光学軸200から逆
方向に偏心した位置に設けられている。これによって、
エレメント240の開口250を光学軸200に沿って
投影したとき、その投影像が開口260と重ならないよ
うになっている。
【0033】エレメント242,244,246で構成
されるアインツェルレンズは、エレメント240の開口
250の位置に物点を有し、エレメント248の開口2
60の位置に像点を有するように構成されている。その
際、エレメント240および248にも適宜の電圧を印
加し、全体として1つのイオンレンズ系を構成すること
が、物点および像点をより精密に形成する点で好まし
い。
【0034】図3に、レンズ系24の他の構成例を示
す。図3において、図2と同様の部分に同一の符号を付
して説明を省略する。同図に示すように、エレメント2
48の後段にイオンガイド270が設けられている。イ
オンガイド270は、本発明におけるイオンガイド手段
の実施の形態の一例である。イオンガイド270は、図
4にそのA−A断面を示すように、例えば棒状の電極2
72〜282を有する。電極272〜282は、円周に
沿って等間隔に配置されかつ長手方向に互いに平行にな
っている。電極272〜282で囲まれた空間内に、エ
レメント248の開口260を通過したイオンが注入さ
れる。
【0035】電極272,276,280は図示しない
高周波電圧源の一方の極に接続され、電極274,27
8,282は図示しない高周波電圧源の他方の極に接続
されている。このような接続によって与えられる高周波
電圧により、電極272〜282で囲まれた空間には高
周波電界が形成される。
【0036】この高周波電界は、イオンガイド270に
注入されたイオンを電極272〜282で囲まれた空間
の中心付近に閉じ込める働きをする。これによって、イ
オンビーム290は横方向への広がりが制限され、イオ
ンガイド270の中心軸に沿って進行する。
【0037】すなわち、イオンガイド270は、イオン
ビームの横方向の広がりを抑えて中心軸に沿って導くも
のとなる。これによって、仮に、エレメント248の開
口260からアナライザチャンバのアパチャー34まで
の距離が長い場合でも、ビームの広がりによるイオンロ
ス等を生じることなく、効率よく伝達することができ
る。
【0038】次に、本装置の動作を説明する。プラズマ
ガスと副ガスがプラズマトーチ2に供給されるととも
に、キャリアガスとしての例えばアルゴンガスがプラズ
マトーチ2に供給される。また、高周波電源6からイン
ピーダンスマッチング回路8を介して高周波誘導コイル
4に高周波電力が供給され、高周波誘導コイル6の周囲
に高周波磁界が形成される。
【0039】このような高周波磁界の近傍でアルゴンガ
ス中に電子またはイオンが植え付けられると、高周波磁
界の作用によって瞬時にプラズマ40が生じる。プラズ
マ40から紫外線等のフォトンが放射される。被分析試
料を霧化したエアロゾルをキャリアガスで搬送してプラ
ズマトーチ2内に供給すると、このエアロゾルがプラズ
マ40によってイオン化され、被分析試料のイオンが発
生する。
【0040】このようにして生成したプラズマ40内の
イオンは、サンプリングコーン30を通じてインターフ
ェースチャンバ18に導入され、そこからスキマー32
を通じてイオンレンズチャンバ20に導かれる。イオン
レンズチャンバ20において、イオンはレンズ系24に
よって収束される。
【0041】その様子を図5に示す。スキマー32を通
じて導入されたイオンのうち、エレメント240の開口
250を通過したものが、レンズ系24に入力される。
入力イオンはレンズ系24によって集束される。
【0042】ここで、レンズ系24は、エレメント24
0の開口250の位置に物点を有し、エレメント248
の開口260の位置に像点を有するので、開口250か
ら注入されたイオンは、開口260の位置に集束され
る。このときのイオンの進行経路は、例えばトラジェク
トリ300で示すようになる。
【0043】これによって、レンズ系24に入力された
イオンは効率よく開口260から出力される。また、こ
のときのレンズ系24の電圧設定は、基本的には通常の
アインツェルレンズにおける電圧設定と同様なので、適
正な電圧設定を行うための調整は容易に行うことができ
る。
【0044】イオンレンズチャンバ20には、スキマー
32の開口を通じてフォトンも入射する。フォトンは光
学軸200上を進行してエレメント240の平坦部に達
し、そこにスキマー32の開口の投影像(スポット)を
形成する。
【0045】エレメント240の平坦部では、開口25
0が、スキマー32の開口の投影像と重ならないように
光学軸200から偏心した状態で設けられている。この
ため、フォトンの大半はエレメント240の平坦部で阻
止される。また、スキマー32の開口から角度をもって
放射するフォトンの一部が開口250を通過するような
ことがあっても、開口250の光学軸200方向への投
影像が、エレメント248の開口260と重ならないよ
うになっているので、フォトンはエレメント248によ
って阻止される。
【0046】このように、レンズ系24自体がフォトン
阻止手段を備えているので、従来のように、レンズ系2
4と直列にフォトン阻止およびそれに伴うイオン経路調
節のための特別なイオン光学系を設ける必要がない。こ
のため、装置全体の光学軸長が短縮され、また、部品点
数が減少する。
【0047】レンズ系24で集束されたイオンは、アパ
チャー34を通じてアナライザチャンバ22に入射され
る。アナライザチャンバ22に入射されたイオンは、質
量選択部26での質量選択を経てイオン検出器28で検
出される。イオン検出器28の検出信号が信号処理装置
で処理されて、質量分析値が求められる。
【0048】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1の
発明では、イオンを導入する開口を有するスキマー手段
の後段に、スキマー手段の開口を光学軸方向に投影した
投影像とは重ならない開口を有する第1の板部材を設
け、第1の板部材の後段に、第1の板部材の開口の位置
に物点を有しこの物点から発散するイオンを像点に集束
させるイオンレンズ手段を設け、イオンレンズ手段の後
段に、第1の板部材の開口を光学軸方向に投影した投影
像とは重ならない開口をイオンレンズ手段の像点に相当
する位置に有する第2の板部材を設けるようにしたの
で、イオンビーム経路の調整が容易なフォトン阻止手段
を備えた誘導結合プラズマ質量分析装置を実現すること
ができる。
【0049】また、上記のように構成したので、フォト
ン阻止手段備えながらも小型化が容易な誘導結合プラズ
マ質量分析装置を実現することができる。また、上記の
ように構成したので、フォトン阻止手段を備えながらも
部品点数の少ない誘導結合プラズマ質量分析装置を実現
することができる。
【0050】請求項2の発明では、上記の構成に加え
て、第2の板部材の後段にその開口を通過したイオンを
横方向の広がりを制限して進行させるイオンガイド手段
を設けるようにしたので、イオンロスがさらに少ない誘
導結合プラズマ質量分析装置を実現することができる。
【0051】請求項3の発明では、イオンガイドの配設
方向を第2の板部材の開口からのイオンの出射方向に合
わせてあるので、第2の板部材の開口からイオンガイド
への入射が効率良く行われ、イオンロスをさらに少なく
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置の模式的構成
図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例の装置におけるレン
ズ系の模式的構成図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例の装置におけるレン
ズ系の模式的構成図である。
【図4】本発明の実施の形態の一例の装置におけるイオ
ンガイドの断面を示す模式図である。
【図5】本発明の実施の形態の一例の装置におけるレン
ズ系の作用を示す図である。
【図6】従来例の模式的構成図である。
【符号の説明】
2 プラズマトーチ 4 高周波誘導コイル 6 高周波電源 8 インピーダンスマッチング回路 10 シールド板 18 インターフェースチャンバ 20 イオンレンズチャンバ 22 アナライザチャンバ 24 レンズ系 26 質量選択部 28 イオン検出器 30 サンプリングコーン 32 スキマー 34 アパチャー 40 高周波誘導結合プラズマ 200 光学軸 240〜248 エレメント 250,260 開口 270 イオンガイド 272〜282 電極 290 イオンビーム 300 トラジェクトリ 600 スキマー 602 フォトン阻止板 604 アインツェルレンズ 606 第2のフォトン阻止板 608 ベッセルボックス

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導結合プラズマによって被分析元素の
    イオンを生成するイオン生成手段と、 前記イオン生成手段が生成したイオンを導入する開口を
    有するスキマー手段と、 前記スキマー手段の後段に配設され、前記スキマー手段
    の前記開口を光学軸方向に投影した投影像とは重ならな
    い開口を有する第1の板部材と、 前記第1の板部材の後段に配設され前記第1の板部材の
    前記開口の位置に物点を有しこの物点から発散するイオ
    ンを像点に集束させるイオンレンズ手段と、 前記イオンレンズ手段の後段に配設され、前記第1の板
    部材の前記開口を光学軸方向に投影した投影像とは重な
    らない開口を前記像点に相当する位置に有する第2の板
    部材と、 前記第2の板部材の後段に配設され前記第2の板部材の
    前記開口を通過したイオンについて質量分析を行う質量
    分析手段と、を具備することを特徴とする誘導結合プラ
    ズマ質量分析装置。
  2. 【請求項2】 誘導結合プラズマによって被分析元素の
    イオンを生成するイオン生成手段と、 前記イオン生成手段が生成したイオンを導入する開口を
    有するスキマー手段と、 前記スキマー手段の後段に配設され、前記スキマー手段
    の前記開口を光学軸方向に投影した投影像とは重ならな
    い開口を有する第1の板部材と、 前記第1の板部材の後段に配設され前記第1の板部材の
    前記開口の位置に物点を有しこの物点から発散するイオ
    ンを像点に集束させるイオンレンズ手段と、前記イオン
    レンズ手段の後段に配設され、前記第1の板部材の前記
    開口を光学軸方向に投影した投影像とは重ならない開口
    を前記像点に相当する位置に有する第2の板部材と、 前記第2の板部材の後段に配設され、前記第2の板部材
    の前記開口を通過したイオンを横方向の広がりを制限し
    て進行させるイオンガイド手段と、 前記イオンガイド手段を通じて与えられたイオンについ
    て質量分析を行う質量分析手段と、を具備することを特
    徴とする誘導結合プラズマ質量分析装置。
  3. 【請求項3】 前記イオンガイド手段が前記第2の板部
    材の前記開口から出射するイオンの進行方向に合わせて
    光学軸に対し傾けられている、ことを特徴とする請求項
    2に記載の誘導結合プラズマ質量分析装置。
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