JP3085381B2 - プラズマイオン化質量分析装置 - Google Patents

プラズマイオン化質量分析装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はプラズマイオン化質量分析計に係り、特にバ
ツクグラウンドノイズ除去機構を具備したプラズマイオ
ン化質量分析計に関する。
〔従来の技術〕
プラズマイオン化質量分析計の概略を第8図に示す。
プラズマイオン源1は、アルゴヤや窒素のプラズマガス
により大気圧下で形成される誘導結合プラズマ(ICP:In
ductively Coupled Plasma)やマイクロ波誘導プラズマ
(MIP:Microwave Induced Plasma)等のプラズマであ
る。試料は、このイオン源でイオン化させると圧力差に
よりオリフイス2を通り、真空度が1〜0.1Pa程度の第
1差動排気領域5に入り、更に圧力差によりオリフイス
3を通り、真空度が10-2〜10-3Pa程度の第2差動排気領
域6に入る。この領域には前記オリフイスからイオンを
引き出しその流れを収束させるためのレンズ群9があ
る。レンズ群で収束されたイオンは、隔壁4に設けられ
ているアパーチヤ21を通り、真空度が10-4〜10-5Paの分
析領域7に入り、そこに備えられた質量分析計12及び検
出器14で分析される。
この種の装置に用いられているプラズマイオン源に
は、イオンのみならず多量のフオトンと励起粒子を発生
する特徴がある。又、第8図に示される様に、この種の
装置のレンズ群9,壁壁4上のアパーチヤ21,質量分析計2
1は、従来各々の中心軸がオリフイス2,3から差動排気領
域に導入される前記フオトンのビーム中心軸8に重なる
ように配置されていた。このため、プラズマイオン源か
ら発生するフオトン及び励起粒子がイオンと共に検出器
ないしその周辺まで到達する。検出器には通常、エレク
トロンマルチプライアやチヤンネルトロン等が用いられ
るが、これらにフオトンや励起粒子が入射すると、イオ
ンの場合と同様に2次電子が発生しノイズ電流が発生す
る。この結果質量スペクトルのバツクグラウンドレベル
が上がり、装置のS/N比が低下する。このフオトンと励
起粒子に因るバツクグラウンドレベルを抑制しS/N比を
向上させる装置は現在2種類考案されている。
第1の装置は第9図に示すように、質量分析計12より
プラズマイオン源1側の前記フオトンのビーム中心軸8
上に、フオトン及び励起粒子を遮るための円板22を設
け、その周辺に電界を形成させてイオンを質量分析計に
導き検出する。この種の装置は、アナリテイカルケミス
トリ 52,(1980年)第2283頁から2289頁(Anal.Chem.5
2,(1980)pp2283〜2289),アナリスト 108(1983
年)第1033頁から1050頁(Analyst 108,(1983)pp1033
〜1050)に記載されている。
第2の装置は第10図に示すように前記フオトンのビー
ム中心軸8から外れた位置に検出器14を設け、且つ質量
分析計12を出たイオンのみを偏向させて前記検出器へ導
く偏向機構13を備え、該フオトンのビームからイオンが
分離する位置に該偏向機構で偏向されないフオトンを吸
収する光吸収体19を設けたものである。この種の装置は
特開昭61−107650に記載されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のフオトン及び励起粒子を円板により遮る第1の
従来技術は、現在市販されているプラズマイオン化質量
分析装置に導入されている。しかし第9図に示したよう
にオリフイス2,3から真空筐体内に導入されるフオトン
のビーム中心軸8上に円板22を設けるため、該円板に於
てフオトン及び励起粒子が除去されると同時にイオンも
損失され、S/N向上が十分ではなかつた。また、この円
板だけでは散乱,拡散されるフオトン及び励起粒子を完
全に除去することはできず、S/N向上の技術として完全
ではなかつた。さらにイオンを質量分析計12に導くため
の静電レンズ群9の構成も複雑になつて調整が煩雑とな
り、これが操作上の大きな問題であつた。
上記の検出器の位置を変えて偏向部と光吸収体を設け
る第2の従来技術では、第10図に示したようにオリフイ
ス2,3から真空筐体内に導入されるフオトンのビーム中
心軸8にそつて検出器14に近傍までイオンが進むため、
その損失は少ない。しかし同時に該近傍に到達するイオ
ン源からのフオトンや励起粒子の損失も少ないため、こ
れらの一部が偏向部13周辺で散乱して検出器14に入るこ
とによつて生じるバツクグラウンドノイズが十分に除去
されないという問題があつた。
本発明の目的は前記2種類の装置が目的としたプラズ
マイオン化質量分析装置の質量スペクトルに於ける、バ
ツクグラウンドノイズ低減をより効果的に且つより簡易
に達成することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、プラズマイオン化質量分析装置の真空筐
体内においてこれに導入されるフオトンのビーム中心軸
に対し2段階のイオンビーム偏向機構を設けることによ
り、達成される。
〔作用〕
プラズマイオン源で発生したイオン及び多量のフオト
ン及び励起粒子は、オリフイスから真空筐体に導入され
るとオリフイス面に垂直な方向に沿つて進む。このイオ
ン及びフオトン,励起粒子の混在しているビームからイ
オンを分離する偏向機構を2ケ所に設けている。2つの
偏向機構のうち1つはオリフイスと質量分析計の間に、
もう1つは質量分析計と検出器の間に設けられている。
1気圧のプラズマイオン源からオリフイスを通して真
空筐体内に導入されたイオン,フオトン,励起粒子のう
ち、まず第1の偏向機構によりイオンのみが偏向されて
質量分析計に導入される。この時、第1の偏向機構だけ
では散乱,拡散等により、イオンとフオトン及び励起粒
子の分離が十分ではなく、フオトン及び励起粒子の一部
も質量分析計に導入される。そこで第2の偏向機構によ
り質量分析計を透過した後にもう一度イオンのみを偏向
させる。このように2段階でイオンとフオトン及び励起
粒子を分離することにより、検出器には殆どフオトン及
び励起粒子は導入されない。またイオンビーム周辺の金
属表面で散乱されるフオトンも第1,第2の偏向機構周辺
に光吸収体を設けることにより十分効率よく除去され
る。
以上のような2段階偏向機構を有する本発明により、
プラズマイオン化質量分析装置の高感度化を阻害すると
いう大きな問題の原因であつたフオトン,励起粒子を効
率よく除去できる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図により説明する。
第1図の実施例の装置では、質量分析計12をその中心
軸がオリフイス2,3から差動排気領域5,6に導入されるフ
オトンのビーム中心軸8に対して任意の角度傾くように
配し、該質量分析計12の手前にこれにイオンを導く偏向
機構11を設け、該偏向機構によりイオンがフオトンのビ
ーム中心軸8から分離していく位置の周辺に光吸収体18
を設け且つ該質量分析計の中心軸から外れた位置に検出
器14を配し該検出器にイオンを導く偏向機構13と該中心
軸上に光吸収体19を設けている。
プラズマイオン化質量分析装置では、溶液試料はエー
ロゾルとして、また固体試料はレーザにより蒸発させた
上でそれぞれキヤリア・ガスによつてプラズマイオン源
1に導入され、被測定元素がこのプラズマ内でイオン化
される。このイオンはオリフイス2,3を通して第2差動
排気領域6に導入される。このイオンはさらに引き出し
及び収束レンズ群9で効率よく高真空である分析領域7
に導入される。
この時、イオンだけでなくプラズマ内で発生したフオ
トン,励起粒子も同時に分析領域7に導入される。この
フオトン,励起粒子とイオンを分離するために偏向機構
11が設置されている。偏向機構11により形成された電場
或るいは磁場で偏向されるのは電荷を有するイオンのみ
であるため、イオンとフオトン及び励起粒子を分離する
ことができる。偏向機構11の形状は図に示した扇形電極
に限らず、平行平板型やQレンズ型であつてもよい。こ
の時フオトン,励起粒子の一部も偏向機構11の電極表面
で反射散乱され質量分析計に導入される。これを防ぐた
め偏向機構11の電極には、網状の素材を用いてもよく、
第1図の例のようにフオトン及び励起粒子をフオトンの
ビーム中心軸8方向に逃がすためのアパーチヤを設けて
もよい。さらに直進したフオトンが真空槽内表面で反
射,散乱されて検出器14に到達するのを防ぐために、光
吸収体19を設置している。また該偏向機構11そのものを
光吸収体とすべく、この表面を処理(黒く塗装する等)
してもよい。
本実施例により、イオン源1から真空筐体に導入され
るフオトン及び励起粒子の大部分が前記偏向機構11及び
偏向機構13で、それぞれイオンビーム10より分離され
る。また、光吸収体18,19を設けることにより、イオン
ビームから分離したフオトンの真空槽内表面による反射
は殆ど生じない。この結果、本実施例によればプラズマ
イオン化質量分析装置の質量スペクトルのバツクグラウ
ンドノイズを大幅に低減できるためS/N比の高い質量ス
ペクトルが得られる。
第2図は本発明の他の実施例である。本実施例では、
質量分析計12をその中心軸がオリフイスから真空筐体に
導入されるフオトンのビーム中心軸8に対して任意の距
離だけ隔たつた平行線となるように配し、該質量分析計
手前にこれにイオンを導く偏向機構11を、該偏向機構に
よりフオトンのビーム中心軸8からイオン分離していく
位置乃至その周辺に光吸収体18をそれぞれ設け、且つ該
質量分析計12の中心軸から外れた位置に検出器14を配
し、該検出器にイオンを導く偏向機構13と該中心軸上に
光吸収体19を設けている。偏向機構11の仕様は図に示し
た円筒型電極に限らず、第1図の実施例と同様に形状変
更や表面処理してよい。また必要に応じて複数個用いて
もよい。
本実施例による効果は、質量分析計12をその中心軸が
真空筐体に導入されるフオトンのビーム中心軸8と平行
になるように配するため第1図の実施例に比べて真空筐
体を小型にし易い。その反面、第1図の実施例に比べて
偏向機構11でイオンビームを2度曲げることにより、イ
オンの損失が増えるという欠点がある。
第3図及び第4図の実施例の装置は、第1図及び第2
図の装置において分析領域7にあつた偏向機構11を第2
差動領域6に移したものであり、偏向機構11の仕様につ
いてはそれぞれ第1図及び第2図の装置と同様である。
本実施例ではイオンビーム10が隔壁4上の細孔から分
析領域7に到達する前に前記フオトンのビーム中心軸8
から任意角度だけ曲げられるため、イオン源からのフオ
トン及び励起粒子を隔壁4で遮ることができ、バツクグ
ラウンドノイズをより効率的に除去できる。その反面、
分析部7に比べて真空度が低い第2差動排気領域6に偏
向機構11を設けるために差動排気達域の長さが長くな
り、イオンや中性粒子との衝突による散乱の影響も受け
易くなり、これによつてイオンの損失が増加する欠点が
ある。
第5図及び第6図の実施例の装置は、第1図及び第2
図の装置における偏向機構11を1段の差動排気略域20と
分析領域7からなる仕様のプラズマイオン化質量分析装
置に用いたものである。動作及び効果は、第3,4図の実
施例と同様である。
第7図は本発明による他の実施例である。本実施例の
装置は、偏向機構11をオリフイス3とイオンを収束する
レンズ群9の間に配し、該偏向機構によつてオリフイス
から真空筐体に導入されるイオンのみを前記レンズ群に
向けて引き出すようにしたものである。この光学系にお
いても第3,4図の実施例と同様の効果が得られる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、イオン源にて発生し真空筐体に導入
されるイオンやフオトン,励起粒子のうちイオンのみを
該筐体内で2度偏向して検出器に導き、且つバツクグラ
ウンドノイズの発生原因なるフオトン及び励起粒子の到
達しにくい位置に検出機を配することができるため、バ
ツクグラウンドノイズを効率よく低減させることがで
き、プラズマイオン化質量分析装置のS/N比の向上が達
成される。
【図面の簡単な説明】
第1〜7図は本発明を適用したプラズマイオン化質量分
析装置の断面図、第8〜10図は従来のプラズマイオン化
質量分析計の断面図である。 1……プラズマイオン源、2……オリフイス、3……オ
リフイス、4……隔壁、5……第1差動排気領域、6…
…第2差動排気領域、7……分析領域、8……真空筐体
内に導入されるフオトンのビーム中心軸、9……イオン
引き出し・収束用レンズ群、10……イオンビーム、11…
…偏向機構、12……質量分析計、13……偏向機構、14…
…検出器、15……排気ポンプ、16……排気ポンプ、17…
…排気ポンプ、18……光吸収体、19……光吸収体、20…
…差動排気領域、21……アパーチヤ、22……円板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−264546(JP,A) 特開 昭61−107650(JP,A) 実開 昭63−139758(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 49/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマを用いてイオンを生成するイオン
    生成部と、前記イオン生成部からのイオンを収束する収
    束部と、前記収束部を通過したイオンを偏向させるため
    の偏向機構と、偏向されたイオンを質量分析する質量分
    析部と、質量分析されたイオンを検出するイオン検出部
    とを備えてなるプラズマイオン化質量分析装置におい
    て、 前記偏向機構には、前記偏向機構に入射して偏向されず
    にに直進する粒子を通過させて外部に排出させるための
    アパーチャを設けてなることを特徴とするプラズマイオ
    ン化質量分析装置。
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