JPH1138788A - 画像記録装置 - Google Patents

画像記録装置

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JPH1138788A
JPH1138788A JP19682297A JP19682297A JPH1138788A JP H1138788 A JPH1138788 A JP H1138788A JP 19682297 A JP19682297 A JP 19682297A JP 19682297 A JP19682297 A JP 19682297A JP H1138788 A JPH1138788 A JP H1138788A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中間転写体を使用する画像記録装置におい
て、トナー像の転写効率を改善し、さらに重合トナーを
使用した場合でも、転写時に発生しやすいブラー等の画
像乱れを防止して良好な画像を出力すること。 【解決手段】 像担持体上にトナー画像を形成し、該ト
ナー画像を中間転写体に転写した後、該中間転写体に転
写したトナー像を記録媒体に転写する画像記録装置にお
いて、前記中間転写体の最表面、または、前記中間転写
体及び像担持体上に、微粒子或いは微粒子からなる凝集
体を付着させ、該微粒子あるいは微粒子からなる凝集体
を付着させた後の中間転写体表面の摩擦係数が、前記ト
ナーに対して0.2以上であることを特徴とする画像記
録装置である。このとき、用いるトナーは、重合法或い
は懸濁造粒法により生成したものであることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、像担持体上にトナ
ー画像を形成し、このトナー画像を中間転写体に転写し
た後、中間転写体から記録媒体に転写する中間転写型画
像記録装置に係り、具体的には電子写真記録、静電記
録、イオノグラフィ、マグネトグラフィ等を利用する画
像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】感光体ドラム等の像担持体上に形成され
たトナー像を、中間転写体を介して用紙等の記録媒体に
転写する画像記録装置は知られている。このような中間
転写体を使用する画像記録装置は、特にカラー画像を形
成するタイプで使われており、例えば、像担持体上に形
成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン
(C)、ブラック(Bk)の4色のトナー画像を、順次
中間転写体に転写して重ね合わせ、中間転写体上で重ね
合わされたY,M,C,Bkのトナー画像を、中間転写
体から記録媒体へ一括転写した後、定着することにより
カラー画像を得る。このように、中間転写体を使用する
ことにより、感光体ドラムから記録媒体に直接転写する
場合と比較して、記録媒体の特性の違いによる転写不良
など、記録媒体に関する種々の問題を改善できるなどの
長所があり、このことが、カラー画像を形成する際に中
間転写体を使用する大きな理由になっている。もちろ
ん、カラー画像に限らず、白黒画像においても、記録媒
体に関連する問題を改善する目的で中間転写体は使用さ
れており、その他、カラー画像及び白黒画像共に、トナ
ーの転写性やトナー画像の画質を改善する目的などで、
中間転写体は広く利用されている。
【0003】一方、最近、地球環境保全の観点から、エ
コロジー対応のために、クリーナが不要で廃トナーの生
じないクリーナレスの画像記録装置が提案されている。
例えば、特開昭59−133573号公報において、ク
リーニング装置を用いることなく、トナー像を転写した
後、背景部に残留するトナーを現像ロールに転移させる
ことにより、現像装置によって回収する旨が記載されて
いる。その実用化例として、平成元年7月に開催された
電子写真学会主催の「Japan Hardcopy’
89」において、「現像同時クリーニング方式」という
概念のクリーナレスレーザプリンタを開発したとの報告
がなされている。しかし、このような、現像同時クリー
ニング方式では、転写時等に混入した紙粉等も現像装置
に回収されてしまい、画像欠陥の原因となることがあ
る。
【0004】このような現像同時クリーニング方式にお
ける紙粉混入の技術的課題を解決するために、中間転写
体を使用した画像記録装置が、特開平5−210294
号公報等に記載されている。特開平5−210294号
公報では、中間転写体を設けることにより、感光体ドラ
ムが直接記録用紙と接触することがないので、感光体ド
ラムに紙粉が付着することがなくなり、現像装置に紙粉
が入らず、画像欠陥が防止できる旨の記載がある。しか
し、本方式においては、中間転写体の転写効率(転写
率)は改善されてはおらず、中間転写体上に未転写トナ
ーが残るため、中間転写体のクリーナが必要となり、ク
リーナが不要で廃トナーの生じないクリーナレスの画像
記録装置という本来の技術コンセプトを逸脱してしまっ
ている。
【0005】また、中間転写体を使用した画像記録装置
において、中間転写体のクリーナを使用しない方式が、
特開平8−314231号公報等に記載されている。例
えば、特開平8−314231号公報では、中間転写体
上の残留トナーを、逆極性の電圧を印加した転写ローラ
等に転移させて除去するとしている。しかし、転写ロー
ラに転移したトナーを除去するために、クリーナを設け
なければならず、本質的にクリーナが不要で廃トナーの
生じないクリーナレスの画像記録装置ではない。このよ
うに、中間転写体を使用した画像記録装置は一般によく
知られているが、中間転写体を使用した画像記録装置に
おいて、エコロジー対応のために、中間転写体のクリー
ナが本質的に不要で廃トナーの生じない画像記録装置
は、未だ知られていないのが現状である。
【0006】さらに、前記カラー画像形成プロセスのよ
うな、Y,M,C,Bkのトナー画像を重ね合わせてカ
ラー画像を形成する方式において、2種類以上のトナー
画像を重ね合わせることにより、画像のエッジ部でトナ
ーが飛散する、いわゆる「ブラー」が発生するという問
題がある。ブラーは種々の原因で発生するが、主として
転写ニップ部の出口側で発生しやすく、記録媒体が剥離
する時に、ギャップの増大に伴う記録媒体の電位上昇で
放電を起こし、トナーの再帯電が画像構造の再配列を誘
起して発生する。ブラーは画像エッジ部のシャープ性を
低減し、画質を著しく悪くする。なお、ブラーは、上記
のように、多重転写時などトナー層厚が厚いときに発生
しやすい他、トナーの種類によっても発生のしやすさが
異なり、従来の粉砕トナーに比べて、重合法で生成され
た重合トナーは発生しやすい。一般に、重合トナーは、
その形状が球形あるいは球形に近いため、静電的な鏡像
力やファンデルワールス力等の付着力が小さい。これに
より、転写効率が向上するという長所がある反面、ブラ
ー等の画像乱れが発生しやすくなるという短所を有して
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、中間転
写体を使用する画像記録装置において、トナー像を中間
転写体から記録媒体へ転写する際の転写効率を改善し、
回収・廃棄するトナーを無くすこと、またはこれに加え
てクリーニング装置を不要として装置を簡素化するこ
と、さらに重合トナーを使用した場合でも、転写時に発
生しやすいブラー等の画像乱れを防止して良好な画像を
出力することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る画像記録装置は、像担持体上にトナー
による画像を形成し、該トナー画像を中間転写体に転写
した後、該中間転写体に転写したトナー像を記録媒体に
転写する画像記録装置において、前記中間転写体の最表
面に微粒子あるいは微粒子からなる凝集体を付着させ、
該微粒子あるいは該微粒子からなる凝集体を付着させた
後の中間転写体表面の摩擦係数が、前記トナーに対して
0.2以上であることを特徴としている。また、本発明
においては、前記像担持体上に、微粒子あるいは微粒子
からなる凝集体を付着させることも好ましい。さらに、
このとき用いるトナーとしては、重合法あるいは懸濁造
粒法により生成したトナーであることが、転写効率の向
上の意味で好ましい。
【0009】このような手段を用いることにより、以下
に示す作用で上記課題が解決される。一般にトナーは中
間転写体と静電的な力で付着しているが、その他にファ
ンデルワールス力等の非静電的な付着力も作用してい
る。そして、この非静電的な付着力が、100%に近い
転写率を実現する妨げになっている。そこで、上記のよ
うな微粒子の上に重ねてトナー像を転写することによ
り、トナー粒子と中間転写体との間に空隙がある状態、
またはトナーと中間転写体との接触面積が小さい状態と
することができ、上記非静電的な力が低減される。した
がって、転写時に電界が作用するとトナー粒子は容易に
転移し、100%に近い効率で転写を行うことが可能と
なる。この際、微粒子を付着させた後の中間転写体表面
の摩擦係数が、前記トナーに対して0.2以上であると
いう条件を付加することにより、転写時に発生しやすい
ブラー等の画像乱れを防止できることを見出した。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態を挙げ
て説明する。図1は、感光体ドラム1から中間転写体5
へトナー像を転写する際の、転写ニップ部の断面を示
す。図では、1色目のトナー像が転写された後、2色目
のトナー像を転写するときの状態を表している。また、
破線で囲った部分の拡大図(模式図)を図2に示す。図
中、14bは中間転写体5に既に転写されているトナ
ー、15bはその上に重ね合わせて転写するトナー、1
6は中間転写体に付着している微粒子である。このと
き、微粒子16は、中間転写体と比較的強固に付着して
いるため、横方向(矢印18)の力が作用しても動きに
くく、このことがトナーに対する摩擦力を増大する働き
を担っている。
【0011】転写時に、転写ニップでの圧力が矢印17
方向に働くと、中間転写体表面の上記摩擦力により、中
間転写体と直接接触する最下層のトナーは、横に拡がろ
うとする動き(図2の矢印19)が規制されることにな
る。また同時に、転写ニップ圧により、トナー層内の空
隙は減少するが、このとき2色目のトナー層は、トナー
層内部のトナー同士の摩擦力と、動きが規制された最下
層のトナーの働きにより、横方向への動き(図2の矢印
20)が抑えられたまま、上下方向にパッキングされた
状態になる。このため、中間転写体の保持する電荷によ
って、トナー層の最上層まで、より強く静電的な拘束力
が働くようになる。したがって、転写ニップの出口部を
通過する際にも強い静電的な拘束力が働いているので、
ブラーの発生が抑制され、図1に示すようなエッジ部の
乱れの無いトナー像14c及び15cとなる。
【0012】
【実施例】以下、図面を用いながら本発明の実施例につ
いて詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限
定されるものではない。実施例1 図3は、本発明が適用された中間転写型画像記録装置の
一実施例を示す概略構成図である。この中間転写型画像
記録装置は、カラー画像を形成するタイプで、表面に感
光体層を有するドラム状の像担持体1と、この像担持体
1を一様に帯電する帯電器2と、一様に帯電された像担
持体1に像光を照射して静電潜像を形成する像書き込み
装置3と、それぞれ、ブラック(4a)、イエロー(4
b)、マゼンタ(4c)、シアン(4d)、の4色の現
像剤を収容した4台の現像装置4と、上記像担持体1に
接触し、周回可能に張架された無端ベルト状の中間転写
体5と、上記像担持体1上に形成されたトナー像を上記
中間転写体5へ転写する転写ローラ6と、無端ベルト状
の中間転写体の張力を調整するテンションローラ7と、
ペーパーガイド13に沿って搬送ローラ12により搬送
されてくる記録用紙11に中間転写体5上のトナー像を
転写する第2の転写ローラ9と、転写ローラ9に対向し
て設けられているバックアップローラ8と、記録用紙1
1上のトナー像を定着する定着装置10とを有してい
る。
【0013】上記帯電器2は、電極ワイヤに高電圧を印
加し、像担持体1との間でコロナ放電を発生させて、該
像担持体1の表面を一様に帯電するものである。上記像
書き込み装置3は、像担持体の回転方向と垂直に発光素
子(LD)のレーザ光を繰り返し走査し、この発光素子
が画像信号に基づいてON/OFFすることによって、
回転駆動される像担持体1に像露光を行うようになって
いる。上記4台の現像装置4a,4b,4c,4dは、
回転駆動される1台の基部4eに支持されており、順次
像担持体と近接・対向するようになっており、各色に対
応する潜像にトナーを転移して可視像(トナー像)を形
成する。また、上記中間転写体5は、ポリイミド樹脂中
にカーボンブラックを分散させ、厚さ80μmの無端ベ
ルト状にしたものを基材として、その上に表面層として
フッ素ラテックス(ダイキン工業社製GLS−213)
を20μmコーティングして焼成したものである。基材
であるポリイミド樹脂の体積抵抗率は109 〜1010Ω
cmで、フッ素ラテックスの表面層をコーティング後の
中間転写体5の体積抵抗率は1012〜1013Ωcmであ
った。
【0014】なお、本発明で用いられる中間転写体5
は、上記以外の材料・構成のものでも構わなく、中間転
写体5が上記のように2層構成の場合、例えば、上記以
外の基材としてはポリエステル、ポリエチレン、ポリカ
ーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、
ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテル
ケトン(PEEK)、エチレンテトラフルオロエチレン
共重合体(PTFE)等の樹脂の一種またはこれらの混
合物からなるもの、もしくはニッケル、アルミニウム、
銅、ステンレス等の金属などが使用でき、その表面層と
しては、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、
エチレンプロピレンゴム等のゴム、発砲体及びラテック
スなどや、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ
アセタール等の樹脂などが使用できる。なお、中間転写
体5の構成は、上記のような2層構成に限らず、強度が
十分あれば単層でも構わなく、3層以上の構成でも構わ
ない。また、上記のようにベルト状の中間転写体以外
の、例えばローラ状やドラム状の中間転写体でも構わな
い。
【0015】上記転写ローラ6は、金属製の芯金にウレ
タン発泡体の層を形成したもので、ウレタン発砲層の体
積抵抗は、106 〜107 Ωcmに調整してある。ま
た、第2の転写ローラ9は、金属製の芯金にスキン層を
有するシリコーン発砲体の層を形成し、さらにそのスキ
ン層の上にコート層として、PTFEを成膜したもので
ある。コート層の厚みは10μmで、コート層を含む層
全体の体積抵抗率は106 〜107 Ωcmに調整してあ
る。
【0016】このような中間転写型画像記録装置の主要
部材のデータ及び設定は次の通りである。 感光体: OPC(84mmφ) ROS: LD走査光学系 プロセス速度:160mm/s 現像バイアス:VDC=−500V VAC=1.5kVp-p (6kHz) 転写条件: BTR転写(1次転写:20μA(定電流)、 2次転写:1kV(定電圧))
【0017】また、本実施例で使用したトナーは、懸濁
重合を利用した重合法によって生成したトナーで、球形
あるいは球形に近い形状を有している。バインダ樹脂に
はポリエステル樹脂を使用し、平均粒径は7μmとし
た。このように、重合法によって生成されたトナーは、
その形状が球形あるいは球形に近いため、像担持体等へ
の付着時に作用する静電的な鏡像力やファンデルワール
ス力等の付着力が小さい。これは次のような理由からで
ある。従来の粉砕法で生成されたトナーは、その表面に
凹凸があり、摩擦帯電によって凸部が集中的に帯電さ
れ、その部分の表面電荷密度が高くなる。図4に示すよ
うに、粉砕トナー21では、像担持体1等に付着する際
に、この凸部が接触するため、粉砕トナー21の接触部
に多くの電荷が存在し鏡像力が大きくなる。また、像担
持体1等に接触している面積も比較的大きいため、ファ
ンデルワールス力も大きくなる。一方、重合法によって
生成されたトナーは、その形状が球形あるいは球形に近
いため、表面が均一に帯電され、表面電荷密度は粉砕ト
ナーの凸部と比較して低くなる。図5に示すように、重
合トナー22では、像担持体1等に付着する際に、ほと
んど点接触になり、電荷密度も低いため鏡像力が低くな
り、ファンデルワールス力も低くなる。
【0018】このように、重合トナーは、付着力が低い
ため転写性が良好であり、本発明における100%近い
転写率を達成するという目的に叶っている。したがっ
て、本発明で使用するトナーは、上記懸濁重合の他、乳
化重合、分散重合等を利用した重合法で生成したものが
適している。また、バインダ樹脂、着色剤等を含むトナ
ー成分を有機溶剤中に溶解あるいは分散した油相層を、
水相層で懸濁造粒して得られるトナーを使用してもよ
い。このような懸濁造粒法で生成されたトナーも、重合
トナーと同様に、球形あるいは球形に近い形状を有して
いるため転写性が良好であり、本発明に使用するトナー
として適している。さらに、従来の粉砕法や各種のカプ
セル化法等で生成したトナーを使用してもよい。
【0019】本発明では、中間転写体最表面、または、
中間転写体最表面及び像担持体上に、微粒子あるいは微
粒子からなる凝集体を付着させるが、本実施例では中間
転写体及び像担持体の双方に微粒子を付着させた。以下
にこの微粒子について説明する。図3に示す中間転写型
画像記録装置で用いられる微粒子は、例えば次のような
ものである。平均粒径12nmのシリカに、疎水化処理
剤としてHMDSを用いて表面処理したもので、ゆるい
凝集をした状態で存在しており、比較的容易に分散しう
るものである。なお、この微粒子は、前記トナーの外添
剤としても使用しており、トナーの転写性や流動性を向
上させる働きをしている。本実施例で像担持体に付着さ
せる微粒子として特にシリカを用いた理由は、従来より
シリカはトナーの外添剤(転写助剤、流動性助剤)とし
て使用されており信頼性が高いことと、外添剤として併
用すれば、トナーから遊離したものが像担持体へ供給さ
れ、より微粒子の効果を安定に維持できることなどが挙
げられる。本実施例でも、上記の目的で外添剤と併用し
ている。また、微粒子の状態は、一次粒子として、微粒
子が単一で存在している状態でもよく、二次粒子として
2〜数10個が凝集した凝集体で存在している状態でも
よい。なお、凝集体で存在している場合、その大きさと
して、後述する画質上の問題から、平均粒径が100μ
m以下であることが好ましい。
【0020】微粒子の材料としては、上記シリカの他
に、酸化チタン、アルミナ、チタン酸バリウム、チタン
酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸
化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭
酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ
素、酸化クロム、ベンガラ等の無機微粉末や、ポリアク
リレート、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニ
リデン、ポリテトラフルオロエチレン等の有機微粉末を
用いることができる。環境安定性を考慮するとこれら微
粒子は吸湿性が少ないことが望ましく、酸化チタン、ア
ルミナ、シリカ等の吸湿性を有する無機微粉末の場合
は、疎水化処理を施すことが好ましい。これら無機微粉
末の疎水化処理は、上記ヘキサメチルジシラザンの他
に、例えば、ジメチルジクロロシラン、デシルシラン、
ジアルキルジハロゲン化シラン、トリアルキルハロゲン
化シラン、アルキルトリハロゲン化シラン等のシランカ
ップリング剤やジメチルシリコンオイル等の疎水化処理
剤と、上記微粉末とを高温度下で反応させて行うことが
できる。
【0021】これら微粒子の中で、像担持体に使用する
にあたって、画質上、特に遮光効果によるネガゴースト
の発生の問題を考慮する必要があるならば、平均粒径が
露光源(たとえばLEDで660nm程度、半導体レー
ザで780nm程度)の半波長以下の微粒子である必要
があり、画質上まったく問題がないレベルとするために
は、平均粒径が100nm以下の微粒子であることが好
ましい。また、微粒子に透明性を付与すれば、より好ま
しい。その場合、有機微粉末では透明性に優れたポリア
クリレート、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリ
レートの等のアクリル系の微粉末が望ましい。また、無
機微粉末ではシリカが遮光効果の低い点で望ましい。ま
た、微粒子の転写率向上効果をより確実に発揮させるた
めに、微粒子の平均粒径は、トナーの平均粒径の1/1
000程度より大きいことが好ましく、例えば、平均粒
径が7μmのトナーを使用する場合、微粒子の平均粒径
は7nm程度以上であることが好ましい。また、これら
微粒子が、使用されるうちに像担持体上にフィルム状と
なって付着してしまうような材料、例えば、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等は、当然トナーに
対してもフィルミングを起こしやすくトナーに対する付
着力も強くなる。したがって、このようなフィルミング
を起こしやすい材料の微粉末は望ましくない。
【0022】なお、図3に示す像担持体1及び中間転写
体5には、上記微粒子が予め付着させてある。その付着
状態については、後で詳細に述べる。また、像担持体上
における微粒子の付着状態であるが、一種類の微粒子が
存在していても、複数種類の微粒子が同時に存在してい
てもよい。トナーと像担持体の間に微粒子が介在するこ
とでトナーと像担持体との間の付着力を下げることがで
きればよい。
【0023】次に上記のような構成の中間転写型画像記
録装置の動作について説明する。ドラム状の像担持体1
は回転駆動され、帯電器2によって一様に帯電される。
像書き込み装置3との対向位置では像光が照射される
が、使用している微粒子は平均粒径が20nmと像光の
波長780nmに比べて十分小さいため照射を妨げるこ
となく、像担持体の感光体層の電荷は露光によって低減
され、静電電位の差による潜像が形成される。この潜像
は現像装置4(4a)との対向位置に移動し、現像ロー
ルから転移されるブラックトナーが微粒子の上に重ねて
付着され、潜像が可視化される。このようにして形成さ
れたブラックトナー像は、転写ローラ6によって微粒子
の付着している中間転写体5上に1次転写される。この
とき、トナーは微粒子を介して像担持体1上に付着して
おり、ファンデルワールス力等の非静電的な付着力が小
さくなっているので、転写ローラ6による電界で容易に
離脱し、ほぼ100%の転写率で転写される。
【0024】像担持体1においては、さらにイエロー、
マゼンタ、シアンの各色について、帯電器2による帯
電、像書き込み装置3による像光の照射、現像装置4
(4b,4c,4d)によるトナー像の形成、転写ロー
ラ6による中間転写体5への転写の各工程が繰り返さ
れ、その結果、中間転写体5上に4色のトナー像が重ね
合わされたカラー画像が形成される。さらに、このカラ
ー画像は、第2の転写ローラ9によって一括して記録用
紙11に2次転写される。このとき、上記1次転写と同
様に、トナーは微粒子を介して中間転写体5上に付着し
ており、ファンデルワールス力等の非静電的な付着力が
小さくなっているので、第2の転写ローラ9による電界
で容易に離脱し、ほぼ100%の転写率で転写される。
そして最終的に、定着装置10によって定着されて、カ
ラーの記録画像が得られる。上記のようにして、像担持
体から中間転写体へトナー像が1次転写された後、及び
中間転写体から記録用紙にトナー像が2次転写された
後、それぞれ、像担持体上及び中間転写体上には残留ト
ナーが残らないので、この中間転写型画像記録装置では
クリーニング装置は設ける必要はなく、良好なカラー画
像を形成することができる。
【0025】さて、上記のような中間転写型画像記録装
置の転写性と転写画質を評価するため実施した実験につ
いて以下に述べる。この実験では、まず、中間転写体上
の微粒子付着状態を変化させて転写率を測定した。具体
的には5種類の異なる付着状態を作り、それぞれについ
て面積率(像担持体の単位面積当たりに占める微粒子の
投影面積の割合)の測定と転写率の評価を実施した。こ
の面積率の測定には、ニレコ社製のLUZEXIII を使
用した。
【0026】また、微粒子の付与は次のような装置を使
用して行った。図6にその微粒子付与装置203の構成
を示す。微粒子を収容するハウジング234の開口部に
回転ブラシ231が設けられ、その後方には該回転ブラ
シ231に微粒子を供給するパドル232が設けられて
いる。微粒子はパドル232によって回転ブラシ231
の毛先にふりかけられて付着し、回転ブラシ231の軸
方向と平行に支持された棒状部材233と接触して過剰
な微粒子が払い落とされる。微粒子を付与する際には、
中間転写体5を中間転写型画像記録装置から一旦取り出
し、別途用意したオフライン微粒子付着機に上記微粒子
付与装置203と中間転写体5をセットし、微粒子付与
を行った。具体的な方法としては、まず、中間転写体5
を一定速度で回転させておき、回転ブラシ231の毛先
が中間転写体5の表面に接触しながら同方向に移動する
ように回転駆動させる。その速度は中間転写体の回転速
度より毛先がやや早く移動するように設定した。微粒子
の付着状態を変えるには、上記パドル232から回転ブ
ラシ231への微粒子供給量を制御した。また、転写率
は下記の式より求めた。
【0027】
【数1】
【0028】図7に微粒子の面積率と転写率の関係を示
す。なお、面積率=0とは微粒子を付着させなかった場
合を示す。この図に示されるように、面積率が増大する
に連れて転写率が高くなり、面積率が約10%で100
%に近い転写率を達成することができる。一方、面積率
の比較的小さい場合、すなわち中間転写体の表面に付着
している微粒子の量が少なくなると、目標とする100
%に近い転写率が達成できなくなることがわかる。な
お、この傾向は、中間転写体の材料を変えたときも同様
であることを、別途実施した実験により確認した。ただ
し、この際、記録用紙に与える転写電荷量は一定になる
ように制御した。したがって、ほぼ100%の転写率を
実現するためには、微粒子の面積率としては、約10%
以上が必要ということになる。
【0029】次に、中間転写体に微粒子が付着している
ときの摩擦係数と、ブラーの発生率との関係について説
明する。中間転写体に微粒子が付着しているときの摩擦
係数は、JIS K7125に準拠して、次のようにし
て求めた。図8に示すように、幅80mm、長さ200
mmにカットした中間転写体表面に、微粒子を面積率で
10%付着させたものを作製して試験片23とした。ま
た、相手材料24としては、ポリイミドフィルム上に、
図3に示した中間転写型画像記録装置を利用してトナー
を均一に1層分だけベタ現像した後、フィルムの裏側か
らホットプレートにより加熱して、フィルムがトナーの
ガラス転移点より10〜20℃高い温度になるようにし
て、トナーをフィルムに融着させたものを使用した。こ
のようにして相手材料24を作製した場合、図9に示す
ように、トナー24aはフィルム24bとの接触部だけ
で溶けて融着しているため、相手材料24は、上面がト
ナー形状をそのまま止めている状態のものになる。した
がって、摩擦係数を測定しているときの接触面では、図
10に示すように、トナー24aと試験片23b上に付
着している微粒子23aとが摺動していることになる。
【0030】また、図8において、25は63mm×6
3mmのサイズで荷重200gの滑り片、26はロード
セルであり、試験片25とロードセル26とはバネ定数
2N/cmのスプリング27を介してつながっている。
このような条件で測定することにより、中間転写体に微
粒子が付着している状態でのトナーに対する摩擦係数を
測ることができる。この場合、微粒子の物性(表面エネ
ルギー等)や付着状態(面積率等)、及びトナーの物性
(表面エネルギー等)や形状等を含めた系で摩擦係数を
求めることになり、即ちこれは、本発明の画像形成装置
の転写部での形態にできるだけ近い系で摩擦係数を測定
することを意図している。本測定法により、本実施例の
中間転写体表面材料であるフッ素ラテックス(GLS−
213)の摩擦係数を測定した結果、0.36という値
を得た。
【0031】次にこの中間転写体を使用して印字試験を
行い、ブラーの程度を評価した。ブラーの程度は、ブラ
ーグレードとして、予め5段階に定量化されている限度
見本と比較し、最も近いものをその画質サンプルのグレ
ードとする方法により評価した。なお、ブラーグレード
は小さい値程、ブラーが少ないことを示しており、グレ
ード3以下であれば画像として許容できる範囲である。
また、画質サンプルは、最もブラーの発生しやすい4色
重ね合わせの5ドットライン画像を使用した。本実施例
においては、評価の結果、ブラーグレード2という良好
な値を得た。
【0032】次に中間転写体の摩擦係数の違いによるブ
ラーの程度を比較するため、各種材料を使用して中間転
写体を作製し、同様な評価を行った。なお、中間転写体
は単一材料を使用し、体積抵抗率は上記の中間転写体と
同一になるように1012〜1013Ωcmのものを使用し
た。また、中間転写体表面には、上記の実験と同様に、
微粒子を面積率で10%付着させてある。摩擦係数およ
びブラーグレードの測定結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】図11は、上記中間転写体を使用した場合
の、ブラーの程度を評価した結果を示すグラフである。
グラフ中、横軸は中間転写体表面の摩擦係数、縦軸はブ
ラーの程度を示すブラーグレードである。なお、このグ
ラフには前記フッ素ラテックス表面の中間転写体の結果
も併せて記してある。図より、中間転写体表面の摩擦係
数とブラーグレードとは相関をもっており、摩擦係数が
0.2以上でブラーグレード3以下を達成できることが
わかる。
【0035】実施例2 図12は、本発明が適用された中間転写型記録装置の他
の実施例を示す概略構成図である。実施例1と同様な構
成要素については同じ符号を付して、ここではその詳細
な説明を省略する。同図において、この中間転写型画像
形成装置は、実施例1とほぼ同様であるが、2次転写し
た後の中間転写体5に、微粒子を均一に付与する微粒子
付与装置203を装置内に有している。この微粒子付与
装置203は、前記実施例1で、微粒子を付着させるの
に用いたものと同一であり、その動作は前述した通りで
ある。実施例2では、微粒子付与装置203により、中
間転写体の表面に微粒子を均一にかつ安定して付着させ
ることができるので、100%近い高転写率で、ブラー
等の転写乱れのない画像を、より長期にわたって安定し
て出力することができた。
【0036】以上説明した実施の形態は、いずれもカラ
ー画像記録方式で説明したが、白黒画像記録方式でも同
様の効果を得ることができる。また、上記実施の形態
は、いずれもカールソンプロセスに基づく電子写真記録
方式で説明したが、チャージレス方式、背面露光方式
等、記録紙に転写を行う間接記録方式であれば適用可能
である。さらに、中間転写体から他の中間転写体に転写
する場合にも適用できる。その他、いわゆる静電記録方
式やイオノグラフィ方式等、感光体の代わりに誘電体を
使用して静電潜像を書き込み、これを現像して転写する
場合にも有効である。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る中間
転写型画像形成装置では、中間転写体の表面に微粒子を
付着させ、該微粒子を付着させた後の中間転写体表面の
摩擦係数が、トナーに対して0.2以上であるため、微
粒子の効果で100%近い転写率を達成することができ
ると共に、ブラー等の転写乱れのない良好な画像が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメカニズムを説明する図であり、感光
体ドラムから中間転写体へトナー像を転写する際の、転
写ニップ部の断面図である。
【図2】図1の転写ニップ部の拡大模式図である。
【図3】本発明が適用された中間転写型画像記録装置の
一実施例を示す概略構成図である。
【図4】粉砕トナーの電荷分布、および像担持体との接
触状態を説明する図である。
【図5】重合トナーの電荷分布、および像担持体との接
触状態を説明する図である。
【図6】微粒子付与装置の概略構成図である。
【図7】微粒子付着状態と転写率との関係を説明するグ
ラフである。
【図8】摩擦係数の測定法を説明する図である。
【図9】摩擦係数測定における相手材料の表面状態を示
す断面図である。
【図10】摩擦係数測定時の試験片と相手材料との接触
状態を示す拡大断面図である。
【図11】摩擦係数とブラーとの関係を説明するグラフ
である。
【図12】本発明が適用された中間転写型画像記録装置
の他の実施例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1:像担持体 2:帯電器 3:像書き込み装置 4:現像装置 5:中間転写体 6:転写ローラ 7:テンションローラ 8:バックアップローラ 9:第2の転写ローラ 10:定着装置 11:記録用紙 12:搬送ローラ 13:ペーパーガイド 14、15:トナー 16:微粒子 17、18、19、20:矢印 21:粉砕トナー 22:重合トナー 23:試験片 24:相手材料 25:滑り片 26:ロードセル 27:スプリング 203:微粒子付与装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体上にトナーによる画像を形成
    し、該トナー画像を中間転写体に転写した後、該中間転
    写体に転写したトナー像を記録媒体に転写する画像記録
    装置において、前記中間転写体の最表面に微粒子あるい
    は微粒子からなる凝集体を付着させ、該微粒子あるいは
    該微粒子からなる凝集体を付着させた後の中間転写体表
    面の摩擦係数が、前記トナーに対して0.2以上である
    ことを特徴とする画像記録装置。
  2. 【請求項2】 前記像担持体上に、微粒子あるいは微粒
    子からなる凝集体を付着させたことを特徴とする請求項
    1に記載の画像記録装置。
  3. 【請求項3】 前記トナーは、重合法により生成したト
    ナーであることを特徴とする請求項1または2に記載の
    画像記録装置。
  4. 【請求項4】 前記トナーは、懸濁造粒法により生成し
    たトナーであることを特徴とする請求項1または2に記
    載の画像記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010060646A (ja) * 2008-09-01 2010-03-18 Canon Inc 画像形成方法

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