JPH1138219A - 液晶表示装置用カラーフィルター基板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示のザラツキ感を解決して良好な表示品位
を有するカラー液晶表示装置を実現することのできるカ
ラーフィルター基板を提供する。 【解決手段】 画素間および表示画面外周部を遮光する
ためのブラックマトリクス２を形成した基板１上に、三
原色のフィルター３をインキを用いてストライプ状に形
成し、さらに、それらインキの表面をローラー加圧によ
り平坦化することにより形成される液晶表示装置用カラ
ーフィルター基板である。ブラックマトリックス２の膜
厚よりも三原色のフィルター３の画素部の膜厚を１．２
倍以上厚くした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カラー表示式の液
晶表示装置に用いられる、液晶表示装置用カラーフィル
ター基板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、各種情報機器の発達に伴い、その
情報の表示器として、薄型、低消費電力を特長とする液
晶表示装置（以下、「ＬＣＤ」と称する）の占める比率
が急速に高まっている。一方、表示器が人間の視覚に訴
えるとういう性格を持つことから、カラー表示であるこ
とが好ましく、カラーＬＣＤとその基幹部品となるカラ
ーフィルター基板の重要性は極めて大きなものとなって
いる。

【０００３】以下に、従来のＬＣＤ用カラーフィルター
基板について説明する。図８は、オフセット印刷とロー
ラー加圧とによってフィルターを形成した従来のカラー
フィルター基板を平面的に見たときの模式図である。こ
の図の中で、１は基板である。２はブラックマトリック
スで、基板１の表面に遮光性樹脂で形成され、表示画面
外周部と、その内側の表示画素内のフィルター間とを遮
光する役目を果たし、０．６μｍ以上の膜厚を有する。
３は三原色（Ｒ、Ｇ、Ｂ）のフィルターで、有機顔料を
分散したインキを用いてオフセット印刷法で形成され、
これらＲ、Ｇ、Ｂがストライプ状の繰り返し構造をと
る。通常、印刷精度の関係から、ストライプのラインに
沿った方向が印刷方向となる。

【０００４】図６および図７は、図８に示した従来のカ
ラーフィルター基板の断面形状を示すものである。ここ
で図６は、図８におけるＡ−Ａ′間の模式断面図であ
り、印刷方向と平行方向のそれを示す。図７は、Ｂ−
Ｂ′間の模式断面図であり、印刷方向と垂直方向のそれ
を示す。

【０００５】以上のように構成されたカラーフィルター
基板は、液晶層を狭持するための一対の基板の少なくと
も一方に用いられ、ＬＣＤのカラー表示を可能にする。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、図６に示すように、フィルター３の印刷
方向と平行方向では、このフィルター３の印刷のための
インキがブラックマトリックス２に乗り上げざるを得な
いため、ブラックマトリックス２の膜厚により、ローラ
ー加圧後にも凸部５ができ、フィルター３が画素内部に
おいて凹形に形成される。また、図７に示すように、印
刷方向と直角方向では、ストライプのライン方向の印刷
精度の関係から、ローラー加圧後にフィルター３が両側
のブラックマトリックス２上に乗り上げる形状をとり、
この場合もブラックマトリックス２の膜厚によりフィル
ター３が画素内部において凹形に形成される。

【０００７】以上のことから、一画素内のフィルターの
形状は、その外周部の方が中心部よりも膜厚が厚くなる
皿型形状となる。そのため、一画素内でフィルターの透
過率ムラと液晶層の厚みムラとが生じる。この結果、こ
のようなカラーフィルター基板をＬＣＤに用いた場合、
表示に微少なザラツキ感が発生するという課題を有して
いる。

【０００８】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、表示のザラツキ感を解決して良好な表示品位を有す
るカラーＬＣＤを実現することのできるカラーフィルタ
ー基板を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この目的を実現するため
に、本発明のＬＣＤ用カラーフィルター基板は、ブラッ
クマトリックスの膜厚よりも三原色のフィルターの画素
部の膜厚を１．２倍以上厚くしたものである。

【００１０】このようなものであると、フィルターがブ
ラックマトリックスに乗り上げてできる凸部の高さが圧
縮されると同時に、凸部における画素内に入り込む裾野
の部分も狭まるため、画素内のフィルター膜厚が平滑化
される。その結果、画素内の色の透過率ムラと液晶層の
厚みムラとが解消される。

【００１１】なお、ブラックマトリックスの膜厚に比べ
三原色のフィルターの画素部の膜厚が１．２倍未満であ
るときには、上記の凸部の高さの圧縮が十分とならず、
また画素内に入り込む凸部の裾野の部分の狭まりも十分
とならないため、所期の効果が得られなくなる。

【００１２】

【発明の実施の形態】請求項１記載の本発明は、画素間
および表示画面外周部を遮光するためのブラックマトリ
クスを遮光性樹脂で形成した基板上に、三原色のフィル
ターをインキを用いてストライプ状に形成し、さらに、
それらインキの表面をローラー加圧により平坦化するこ
とにより形成されるＬＣＤ用カラーフィルター基板にお
いて、前記ブラックマトリックスの膜厚よりも前記三原
色のフィルターの画素部の膜厚を１．２倍以上厚くした
ものである。

【００１３】このようなものであると、上述のように、
フィルターがブラックマトリックスに乗り上げてできる
凸部の高さが圧縮されると同時に、凸部における画素内
に入り込む裾野の部分も狭まるため、画素内のフィルタ
ー膜厚が平滑化される。その結果、画素内の色の透過率
ムラと液晶層の厚みムラとが解消される。

【００１４】請求項２に記載の本発明は、画素間のブラ
ックマトリックス上で、隣り合うインキどうしが互いに
接合しているようにしたものである。すなわち本発明に
よれば、上述のようにブラックマトリックスを形成する
遮光性樹脂の膜厚よりも三原色のフィルターの画素部の
膜厚を１．２倍以上厚く構成することで、ローラー加圧
後にブラックマトリックス上で隣り合うフィルターのイ
ンキが接合するようになる構造が、インキの基板への転
写量の調整により容易に可能となる。

【００１５】請求項３に記載の本発明は、画素部フィル
ターに加え、基板の端部のフィルターのラインに接合す
るように、最寄りのブラックマトリックス外周部上に、
少なくともいずれか任意の一色のインキ層が、画素部の
フィルターの厚みに対応したレベルで形成されているよ
うにしたものである。

【００１６】このようなものであると、画素の両端のフ
ィルターのラインも、そのラインに接合するように、最
寄りのブラックマトリックス外周部上にフィルターライ
ンを形成することで内部画素部と同様な構成にすること
ができる。

【００１７】請求項４記載の本発明は、基板上のフィル
ター層の表面にオーバーコート層が形成されているよう
にしたものである。このようなものであると、オーバー
コート層の平滑化効果により、カラーフィルター表面が
さらに平滑化され、液晶層の厚みムラがいっそう改善さ
れることになる。

【００１８】（実施の形態１）以下、本発明の実施の形
態１について、図面を参照しながら説明する。図３は本
発明の実施の形態１のカラーフィルター基板を平面的に
見たときの模式図であり、図１および図２は、図３のカ
ラーフィルター基板の断面形状を示す図である。図１は
図３におけるＡ−Ａ′間の模式断面図であり、印刷方向
と平行方向のそれを示す。図２は図３におけるＢ−Ｂ′
間の模式断面図であり、印刷方向と直角方向のそれを示
す。図６〜図８に示したものと同様に、これらの図の中
で、１は基板であり、２は遮光性樹脂で形成されたブラ
ックマトリックスである。３はＲ、Ｇ、Ｂ三原色のフィ
ルターである。

【００１９】このフィルター３は、ブラックマトリック
ス２が形成された基板１上にインキをオフセット印刷法
で形成し、さらに、ローラー加圧により平坦化すること
で形成される。この時、画素内のフィルター３の膜厚
を、ブラックマトリックス２を形成する遮光性樹脂の膜
厚より１．２倍以上厚くし、隣り合うフィルターがブラ
ックマトリックス２上で接合した構成にする。また、画
素部のフィルター３に加え、基板１の両端の画素部フィ
ルターのラインの最寄りのブラックマトリックスの外周
部上にも、少なくともＲ、Ｇ、Ｂいずれかの任意の一色
のフィルター３Ａを、画素部フィルター３に接合するよ
うに形成する。

【００２０】以上のように構成されたカラーフィルター
基板は、、画素内のフィルター３の膜厚を、ブラックマ
トリックス２を形成する遮光性樹脂の膜厚より１．２倍
以上厚くし、隣り合うフィルターがブラックマトリック
ス２上で接合した構成としたため、図１に示すフィルタ
ーの印刷方向と平行方向の断面では、フィルター３がブ
ラックマトリックス２に乗り上げてできる凸部５の高さ
が圧縮され、画素内に入り込む凸部５の裾野が狭まるた
め、画素内部ではフィルター膜厚が平滑化される。ま
た、両端のフィルターのラインにおいても、ブラックマ
トリックス２の外周部に設けたフィルター３により同様
の平滑化ができる。また、図２に示すフィルターの印刷
方向と直角方向の断面でも、上記と同様の作用により、
画素内フィルターの膜厚が平滑化される。

【００２１】以上の結果、画素内部ではフィルター３の
膜厚は均一になり、画素内部の色の透過率ムラと液晶層
の厚みムラとを改善することができる。

【００２２】（実施の形態２）以下、本発明の実施の形
態２について、図面を参照しながら説明する。図４およ
び図５は、本発明の実施の形態２のカラーフィルター基
板の断面形状を示す図である。図４は図３におけるＡ−
Ａ′間の模式断面に相当する図であり、印刷方向と平行
方向のそれを示す。また図５は図３におけるＢ−Ｂ′間
の模式断面に相当する図であり、印刷方向と直角方向の
それを示す。

【００２３】これらの図の中で、１は基板、２は遮光性
樹脂で形成されたブラックマトリックスである。３は
Ｒ、Ｇ、Ｂ三原色のフィルターである。以上は図１およ
び図２の構成と同様なものである。図１および図２の構
成と異なるのは、その表面にオーバーコート層４を設け
た点である。このオーバーコート４層は、カラーフィル
ター３の表面を平滑化および保護する役目を果たす。

【００２４】上記のように構成されたカラーフィルター
基板は、オーバーコート４層の平滑化効果により、カラ
ーフィルター３の表面がさらに平滑化され、液晶層の厚
みムラがいっそう改善される。

【００２５】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、画素間お
よび表示画面外周部を遮光するためのブラックマトリク
スを形成した基板上に、三原色のフィルターをインキを
用いてストライプ状に形成し、さらに、それらインキの
表面をローラー加圧により平坦化したカラーフィルター
基板において、画素内部のフィルターの膜厚を、ブラッ
クマトリクスの膜厚よりも１．２倍以上厚くしたため、
フィルターがブラックマトリックスに乗り上げてできる
凸部の高さを圧縮できると同時に、凸部における画素内
に入り込む裾野の部分も狭めることができるため、画素
内のフィルター膜厚を平滑化でき、その結果、画素内の
色の透過率ムラと液晶層の厚みムラとを解消できる優れ
たＬＣＤ用カラーフィルター基板を実現できるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態１におけるカラーフィルタ
ー基板の印刷方向と平行方向の模式断面図である。

【図２】同カラーフィルター基板の印刷方向と直角方向
の模式断面図である。

【図３】同カラーフィルター基板の模式平面図である。

【図４】本発明の実施の形態２におけるカラーフィルタ
ー基板の印刷方向と平行方向の模式断面図である。

【図５】図４のカラーフィルター基板における印刷方向
と直角方向の模式断面図である。

【図６】従来のカラーフィルター基板の印刷方向と平行
方向の模式断面図である。

【図７】図６のカラーフィルター基板における印刷方向
と直角方向の模式断面図である。

【図８】図６のカラーフィルター基板の模式平面図であ
る。

【符号の説明】

１ 基板 ２ ブラックマトリックス ３ フィルター ４ オーバーコート層

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画素間および表示画面外周部を遮光する
   ためのブラックマトリクスを形成した基板上に、三原色
   のフィルターをインキを用いてストライプ状に形成し、
   さらに、それらインキの表面をローラー加圧により平坦
   化することにより形成される液晶表示装置用カラーフィ
   ルター基板であって、前記ブラックマトリックスの膜厚
   よりも前記三原色のフィルターの画素部の膜厚を１．２
   倍以上厚くしたことを特徴とする液晶表示装置用カラー
   フィルター基板。
2. 【請求項２】 画素間のブラックマトリックス上で、隣
   り合うインキどうしが互いに接合していることを特徴と
   する請求項１記載の液晶表示装置用カラーフィルター基
   板。
3. 【請求項３】 画素部フィルターに加え、基板の端部の
   フィルターのラインに接合するように、最寄りのブラッ
   クマトリックス外周部上に、少なくともいずれか任意の
   一色のインキ層が、画素部のフィルターの厚みに対応し
   たレベルで形成されていることを特徴とする請求項１ま
   たは２記載の液晶表示装置用カラーフィルター基板。
4. 【請求項４】 基板上のフィルター層の表面にオーバー
   コート層が形成されていることを特徴とする請求項１か
   ら３までのいずれか１項記載の液晶表示装置用カラーフ
   ィルター基板。