JPH1138024A - 金属部材と樹脂部材との間のシール構造 - Google Patents

金属部材と樹脂部材との間のシール構造

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JPH1138024A
JPH1138024A JP19592397A JP19592397A JPH1138024A JP H1138024 A JPH1138024 A JP H1138024A JP 19592397 A JP19592397 A JP 19592397A JP 19592397 A JP19592397 A JP 19592397A JP H1138024 A JPH1138024 A JP H1138024A
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JP
Japan
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cap
resin
seal member
seal
sealing
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JP19592397A
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English (en)
Inventor
Taku Kobayashi
卓 小林
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、金属部材と樹脂部材との間のシー
ル構造に関し、Oリングを排除することにより、部品点
数の削減を図ることを目的とする。 【解決手段】 熱可塑性エラストマより構成されたシー
ル部材42は、キャップ32の貫通穴34の周縁部に熱
かしめにより固定される。この状態で、前記熱可塑性エ
ラストマと同系の樹脂が、熱可塑性エラストマの融点よ
りも高い温度で射出成形されることにより、コネクタ部
40を含む樹脂成形部38が成形される。この場合、シ
ール部材42の表面が溶融し、樹脂成形部38と溶着す
ることで、両者間に高いシール性が確保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属部材と樹脂部
材との間のシール構造に係り、特に、例えば金属製のキ
ャップを備える回転速センサ等において、樹脂製の成形
部とキャップとの間のシール性を確保するのに好適な金
属部材と樹脂部材との間のシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車の車輪速センサ等に適
用し得る回転速センサとして、例えば自動車技術事例集
第93698号(1996年7月30日、日本自動車工
業会知的財産部会発行)に開示される構成が公知であ
る。この回転速センサは、キャップを備えている。キャ
ップは、一端が閉じた円筒状の金属製部材である。キャ
ップの内部には、永久磁石と、コイルと、ヨークとによ
り構成されたセンサ組立体が設けられている。センサ組
立体は、その一部がキャップ内部に成形された樹脂成形
部に覆われることで、樹脂成形部と一体に保持されてい
る。
【0003】上記従来の回転数センサは、また、コネク
タ部を備えている。コネクタ部は、樹脂材料よりなる構
成部分であり、キャップの底面から突出するように設け
られている。このコネクタ部は、キャップの底面に設け
られた貫通穴を通して、キャップ内部の樹脂成形部と一
体化されている。コネクタ部の内部には、ターミナルが
貫通している。ターミナルは上記貫通穴を通過し、キャ
ップ内部側の端部において、センサ組立体のコイルに接
続されている。
【0004】センサ組立体の周囲には、ロータが配設さ
れている。ロータは一定ピッチのスリットを備えてお
り、その回転角に応じて、センサ組立体のコイルに鎖交
する磁束の大きさを変化させる。かかる磁束の変化に伴
って、コイルには起電力が発生し、この起電力により生
じた電圧信号は、ターミナルから回転数センサの出力信
号として出力される。従って、この出力信号に基づい
て、ロータの回転速度を検出することができる。
【0005】ところで、上記従来の回転速センサが、例
えば自動車の車輪速センサ等として用いられる場合、回
転速センサは大気に露出した状態で設置されることにな
る。一方、上述の如く、コネクタ部はキャップの貫通穴
を通して、キャップ内部の樹脂成形部と一体化されてい
る。従って、コネクタ部とキャップとの境界部における
シールが不十分であると、外部環境からキャップの内部
に水分が浸入する可能性がある。特に、コネクタ部は樹
脂材料より構成されているのに対して、キャップは金属
材料より構成されているため、両材料の熱膨張差によっ
て、コネクタ部とキャップとの間に隙間が生じ易い。従
って、回転速センサが自動車の車輪速センサ等として用
いられる場合、コネクタ部とキャップとの界面に十分な
シール性を確保するための手段を設けることが要求され
る。
【0006】そこで、上記従来の回転速センサは、コネ
クタ部とキャップとの間のシール性を確保するために、
キャップの貫通穴の周囲と、コネクタ部との間に配設さ
れたOリングを有している。かかる構成を実現するた
め、上記従来の回転数センサの製造にあたって、コネク
タ部は樹脂成形部とは別体に成形される。そして、キャ
ップの貫通穴の周囲と、コネクタ部との間にOリングが
保持された状態で、キャップの内部側から樹脂成形部が
モールド成形されることで、樹脂成形部とコネクタ部と
がキャップの貫通穴を通して一体化される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の如
く、上記従来の回転速センサにおいて、コネクタ部は、
キャップ内部の樹脂成形部と同様に、樹脂材料より構成
されている。従って、部品点数を削減して低コスト化を
図る上からは、コネクタ部とハウジング部とを一体かつ
同時に成形し得ることが望ましい。しかしながら、上述
の如く、上記従来の回転速センサにおいては、樹脂成形
部をモールド成形する際にOリングを保持するため、コ
ネクタ部をハウジング部とは別体に構成せざるを得な
い。このように、上記従来の回転速センサにおけるキャ
ップとコネクタ部との間のシール構造は、Oリングを用
いるものであるため、部品点数が増大するという問題を
有するものであった。
【0008】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、金属部材と樹脂部材との界面のシール性を、O
リングを用いることなく確保することができ、これによ
り、部品点数を削減することが可能な金属部材と樹脂部
材との間のシール構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、金属部材と、熱可塑性エラストマより
なり、前記金属部材に熱かしめで固定されたシール部材
と、該シール部材の融点を一時的に越える温度で、前記
シール部材の少なくとも一部を覆うように成形された樹
脂部材と、を備える金属部材と樹脂部材との間のシール
構造により達成される。
【0010】本発明において、シール部材は熱可塑性エ
ラストマより構成される。このため、シール部材が、金
属部材に熱かしめされることで、シール部材は金属部材
に固定される。この場合、熱可塑性エラストマが適当な
弾性を有していることで、シール部材は金属部材に密着
状態で固定される。また、樹脂部材は、シール部材の融
点を一時的に越える温度で、シール部材の少なくとも一
部を覆うように成形される。このため、樹脂部材の成形
時に、シール部材の表面は、樹脂部材に覆われる部位に
おいて一時的に溶融し、樹脂部材と溶着する。このよう
に、本発明によれば、シール部材と金属部材とが密着
し、かつ、シール部材と樹脂部材とが溶着することで、
金属部材と樹脂部材との間のシール性が確保される。ま
た、シール部材が熱かしめにより金属部材に固定された
状態で、樹脂部材の成形が行なわれるため、シール部材
を保持するための部材は不要である。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例である金
属部材と樹脂部材との間のシール構造が適用された回転
速センサ10の構成を示す断面図である。図1に示す如
く、回転速センサ10は、第1ヨーク20及び第2ヨー
ク22を備えている。第1ヨーク20は、略L字型の断
面形状を有する円筒状の磁性部材である。また、第2ヨ
ーク22は略円環状の磁性部材である。第2ヨーク22
は第1ヨーク20の図1における上端面と所定の隙間を
隔てて対向するように配置されている。第2ヨーク22
には、その外縁部から図1における下向きに延びる歯部
22aが、周方向に一定のピッチで設けられている。ま
た、第1ヨーク20の端面と第2ヨーク22との上記隙
間には、マグネット24が配設されている。第1ヨーク
20、第2ヨーク22、及びマグネット24は、径方向
外向きに開口する環状空間を画成している。
【0012】第1ヨーク20、第2ヨーク22、及びマ
グネット24は、これらが所定の相対位置に保持された
状態で、樹脂性のボピン26がモールド成形されること
により一体に保持されている。ボビン26は、上記環状
空間に収容されるように配置されている。ボビンの周囲
にはコイル28が巻設されている。以下、第1ヨーク2
0、第2ヨーク22、マグネット24、ボビン26、及
び、コイル28により構成された一体の部材を、センサ
組立体30と称する。
【0013】本実施例の回転速センサ10は、また、キ
ャップ32を備えている。キャップ32は一端(図1に
おいては上端)が閉じた略円筒状の金属製部材である。
上記したセンサ組立体30は、キャップ32の内部に収
容されている。キャップ32は、その底面に貫通穴34
を備えている。この貫通穴34にはターミナル36が貫
通している。ターミナル36の、キャップ32の内部に
収容された側の端部は、コイル28の巻線に接続されて
いる。
【0014】キャップ32の内部には、樹脂成形部38
が射出成形により成形されている。本実施例において、
樹脂成形部38を構成する樹脂として、ナイロン系樹脂
を用いている。センサ組立体30は、その一部が樹脂成
形部38により覆われることで、キャップ32の内部に
固定されている。樹脂成形部38は、キャップ32の内
部から貫通穴34を通ってターミナル36を取り囲むよ
うに、図1中上方へ突出している。樹脂成形部38のキ
ャップ32から突出した部位は、コネクタ部40を構成
している。コネクタ部40は、キャップ32との境界部
において、貫通穴34の周囲の所定の領域を覆うように
形成されている。
【0015】貫通穴34の周縁部と、樹脂成形部38と
の間には、シール部材42が配設されている。シール部
材42は熱可塑性エラストマより構成された部材であ
り、熱かしめにより貫通穴34の内周縁を上下から挟む
ように固定されている。なお、本実施例において、シー
ル部材42を構成する熱可塑性エラストマとして、樹脂
成形部38を構成する樹脂と同系のナイロン系エラスト
マ(融点約150°C)を用いている。
【0016】本実施例の回転速センサ10の製造にあた
っては、シール部材42を貫通穴34の内周縁に上述の
如く固定し、かつ、センサ組立体30をキャップ32内
部の所定の位置に保持した状態で、樹脂成形部38を射
出成形により成形する。図2及び図3は、シール部材4
2をキャップ32の貫通穴34の周囲に熱かしめにより
固定する工程を示している。図2に示す如く、シール部
材42は、円筒部42aと、円筒部42aの一端(図2
においては下端)に形成されたフランジ42bとを備え
ている。円筒部42aの他端部は、外周面にテーパ面4
2cが設けられることで、鋭利なエッジ状に形成されて
いる。
【0017】シール部材42の熱かしめ処理にあたって
は、まず、図2に示す如く、シール部材42を、フラン
ジ42aがキャップ32に当接するまで、円筒部42a
を貫通穴34へ挿通させる。次に、図3に示す如く、フ
ランジ42aを保持台44により保持した状態で、かし
め用パンチ46により、熱かしめ処理を行なう。かしめ
用パンチ46は、貫通穴34の直径に比して大きな径を
有する大径部46aと、大径部46aから図3における
下方に延び、シール部材42の円筒部42aの内径に比
して僅かに小さな径を有する小径部46bとを備えるパ
ンチである。かしめ用パンチ46はシール部材42を構
成する熱可塑性エラストマの融点より低く、かつ、その
軟化温度よりも高い温度(例えば、約120°C)に加
熱されている。
【0018】このかしめ用パンチ46が、小径部46b
がシール部材42の円筒部42aの内部に進入するよう
に下向きに押し込まれると、シール部材42は軟化し、
貫通穴34の周辺部に押し付けられるように外周側へ押
し拡げられる。その後、シール部材34が冷却される
と、熱可塑性エラストマが適当な弾性を有していること
で、シール部材42には圧縮応力が残留する。かかる圧
縮応力によって、シール部材42とキャップ32とが密
着し、両部材間のシール性が確保される。
【0019】このようにしてシール部材42が固定され
た後、樹脂成形部38が射出成形により成形される。以
下、樹脂成形部38の成形処理を、二次成形と称す。す
なわち、シール部材42の熱かしめ処理が終了すると、
キャップ32及びセンサ組立体30は、共に二次成形用
の金型内にセットされる。そして、熱可塑性エラストマ
と同系のナイロン系樹脂を用いて、例えば成形温度29
0°Cで二次成形が行なわれる。
【0020】この場合、二次成形の温度が、シール部材
42を構成する熱可塑性エラストマの融点(約150°
C)を越えているため、二次成形の過程で、シール部材
42の表面が溶解する。そして、熱可塑性エラストマ
と、二次成形の樹脂とが共に同系のナイロン系であるこ
とと相俟まって、樹脂成形部38の成形過程で、樹脂成
形部38とシール部材42とが強固に溶着し、両者間に
安定した結合状態が形成される。
【0021】なお、上述の如く、シール部材42の円筒
部42aの端部が鋭利なエッジ状に形成されていること
で、二次成形時にシール部材42が溶融し易くなってい
る。従って、本実施例によれば、シール部材42と樹脂
成形部38とをより確実に溶着させることができる。図
4は、二次成形が終了した状態の、シール部42周辺を
示す断面図である。シール部42と樹脂成形部38とが
溶着していることで、図4に矢印Aで示す、シール部材
42と樹脂成形部38の界面に沿った外部からの水分の
浸入が阻止されている。また、シール部材42が熱かし
めによりキャップ32に密着固定されていることで、矢
印Bで示す、シール部材42とキャップ32との界面に
沿った外部からの水分の浸入が阻止されている。
【0022】このように、本実施例においては、キャッ
プ32との密着性を保持し得る適当な弾性を有すると共
に、樹脂成形部38との高い溶着性を有する熱可塑性エ
ラストマにより構成されたシール部材42を用いること
で、キャップ32と樹脂成形部38との間のシール性を
確保することが可能となっている。再び、図1を参照す
るに、キャップ32の内部には、センサ組立体30の外
周から径方向に所定の間隔を隔ててロータ44が配設さ
れている。ロータ44は、円筒状の磁性部材であり、回
転部材46に固定されている。ロータ44には、周方向
に、上記第2ヨーク22の歯部22aと同一のピッチで
矩形状のスロット44aが設けられている。また、スロ
ット44aの間の部位には、接続部42bが形成されて
いる。
【0023】ロータ44が、接続部44bと、第2ヨー
ク22の歯部22aとが対向するような回転位置にある
場合には、第2ヨーク22、ロータ44の接続部44
b、及び、第1ヨーク20は、コイル22を取り巻くよ
うな磁気回路を構成する。この場合、マグネット28が
発する磁束がこの磁気回路を流通することで、コイル2
2には大きな磁束が鎖交することになる。一方、ロータ
44が、スロット44aと、第2ヨーク22の歯部22
aとが対向するような回転位置にある場合には、上記磁
気回路は構成されない。このため、コイル22と鎖交す
る磁束は小さくなる。
【0024】このように、ロータ44の回転角度に応じ
て、コイル28と鎖交する磁束が変化する。コイル28
に鎖交する磁束が変化すると、その変化に応じて、コイ
ル28には起電力が発生する。従って、ロータ44が回
転すると、その回転速度に応じた交流電圧が、ターミナ
ル36より回転速センサ10の出力信号として出力され
る。そして、この出力信号に基づいて、ロータ44の回
転速を検出することができる。
【0025】ところで、本実施例の回転速センサ10
が、例えば自動車の車輪速センサ等として用いられた場
合には、回転数センサ10が外気に曝されることから、
コネクタ部40とキャップ32との間に適切なシール性
が要求されることは上記した通りである。この場合、コ
ネクタ部40とキャップ32との間のシール性を確保す
る手段として、上記従来の回転速センサの如く、Oリン
グによりシール性を確保するのが一般的である。しかし
ながら、コネクタ部40とキャップ32との間のシール
性をOリングにより確保するものとすると、上記したよ
うに、樹脂成形部38の成形時にOリングを保持するた
め、コネクタ部40を別体に成形することが必要となっ
て、部品点数の増大を招くことになる。
【0026】これに対して、本実施例の回転速センサ1
0は、上述の如く、シール部材42とキャップ32との
間、及び、シール部材42と樹脂成形部38との界面に
適切なシール性を有している。このため、コネクタ部4
0とキャップ32との境界部には、外気からの水分の浸
入が許容される部位が存在しないことになる。従って、
本実施例によれば、Oリングを用いることなく、回転速
センサ10を自動車の車輪速センサ等として用いる場合
に要求されるシール性を十分に満足させることができ
る。
【0027】このように、本実施例におけるキャップ3
2と樹脂成形部38との間のシール構造は、Oリングを
用いることなくシール性を確保することができる構成で
ある。このため、本実施例においては、コネクタ部40
を、二次成形によって樹脂成形部38の一部として成形
することが可能となっている。すなわち、本実施例のキ
ャップ32と樹脂成形部38との間のシール構造によれ
ば、コネクタ部40を別体に成形することが不要となる
ことで、部品点数の削減が図られていることになる。
【0028】なお、キャップ32と樹脂成形部38との
間のシール性をOリングを用いて確保しつつ、二次成形
によってコネクタ部40を形成することが可能な構成と
して、Oリングを保持するための保持部材を設ける構成
が公知である。図5は、かかる公知の構成におけるシー
ル構造の断面図である。なお、図5において、図4と同
様の構成部分には同一の符号を付している。
【0029】図5に示す構成において、保持部材100
は、環状に形成された樹脂製部材であり、内周縁から軸
方向に延びるスリーブ部100aと、スリーブ部100
aの周囲に設けられた環状溝100bとを備えている。
なお、保持部材100は2次成形の樹脂と同系の樹脂よ
り構成される。保持部材100は、その環状溝100b
にOリング102が収容された状態で、スリーブ部10
0aがキャップ32の貫通穴34に圧入固定される。か
かる状況下において、Oリング102に適当な弾性変形
が生ずることで、保持部材100とキャップ32との間
のシール性が確保される。そして、このように保持部材
100が貫通穴34に圧入固定された状態で、コネクタ
部40を含む樹脂成形部38が二次成形により成形され
る。そして、二次成形の際に、保持部材100と樹脂成
形部38とが融着することで、保持部材100と樹脂成
形部38との間のシール性が確保される。
【0030】このように、図5に示す公知の構成によれ
ば、保持部材100とキャップ32との間のシール性を
Oリング102により確保すると共に、キャップ32と
樹脂成形部38との間のシール性を両者の溶着により確
保することで、樹脂成形部38とキャプ32との間のシ
ール性を確保しながら、コネクタ部40を別体に成形す
ることなく、二次成形により樹脂成形部38の一部とし
て成形することができる。しかしながら、上記公知の構
成によれば、コネクタ部40を別体に成形することは不
要となるものの、それに代わって、Oリング102を保
持する保持部材100が必要となるため、部品点数の削
減は図られていない。
【0031】これに対して、本実施例におけるキャップ
32と樹脂部材38との間のシール構造は、Oリングに
代えてシール性を確立する役割を有するシール部材42
が、熱かしめによりキャップ32に固定される構成であ
る。従って、二次成形時にシール部材42を保持するた
めの部材を設けることは不要であり、これにより、部品
点数の削減が実現されていることになる。
【0032】また、上記公知の構成は、保持部材100
のスリーブ部100aがキャップ32の貫通穴34に圧
入されるものである。このため、保持部材100及び貫
通穴34の寸法公差を厳しく管理することが必要となっ
て、コスト増を招いてしまう。これに対して、本実施例
においては、上述の如く、シール部材42は、キャップ
32の貫通穴34に熱かしめ処理により固定される。こ
の熱かしめ処理においては、シール部材42が加熱軟化
された状態で、強制的に押し拡げられることで、貫通穴
34の周縁部に密着される。このため、シール部材42
と貫通穴34との間に隙間が生じても、この隙間をシー
ル部材42の変形により確実に封止することができる。
すなわち、シール部材42及び貫通穴34の寸法誤差が
生じても、その誤差がシール部材42とキャップ32と
の間のシール性に悪影響を与えることはない。このよう
に、本実施例におけるキャップ32と樹脂成形部38と
の間のシール構造によれば、シール部材42及び貫通穴
34の寸法公差を大きく設けることができ、従って、製
造コストの低減を図ることができるという利益をも得る
ことができる。
【0033】また、上記公知の構成によれば、保持部材
100によりOリング102を確実に保持するために、
保持部材100の肉圧を十分に大きく設けることが必要
となる。このため、例えば、樹脂成形部38のキャップ
32の内部の厚さ(図5に示すt)を十分に小さくする
ことができなくなる等、寸法上の自由度が制約されてし
まう。
【0034】これに対して、本実施例においては、Oリ
ングを保持することは不要であるため、シール部材42
の肉圧を十分に薄く設けることができる。このため、上
記厚さtに相当する寸法がシール部材42の肉圧により
制約され難くなる等、寸法上の自由度が向上することに
なる。更に、上記公知の構成によれば、Oリング102
と、これを保持する環状溝100bとの間には必然的に
隙間が生ずることになる。このため、二次成形における
成形圧によって、保持部材100に変形が生じ易くな
り、その結果、樹脂成形部38全体の変形を招く可能性
がある。
【0035】これに対して、本実施例のシール部材42
は、キャップ32に熱かしめにより固定されると共に、
樹脂形成部38に溶着される構成であるため、シール部
材42の周囲に隙間が生ずることはない。従って、本実
施例によれば、二次成形における成形圧に起因して、上
記の如き変形が生ずるのを防止することができる。ま
た、上記実施例においては、樹脂成形部38を構成する
樹脂、及びシール部材42を構成する熱可塑性エラスト
マとして、共にナイロン系の材料を用いているが、これ
らの材料としては、その他にも、ポリエステル系、ウレ
タン系、スチレン系、オレフィン系等の材料が適用可能
である。また、樹脂成形部38とシール部材42は必ず
しも同系の材料とする必要はなく、両者間に適当な溶着
が生ずる限りにおいて、異系の材料を用いることも可能
である。
【0036】また、上記実施例においては、本発明に係
る金属部材と樹脂部材との間のシール構造が、回転速セ
ンサのコネクタ部におけるシール性を確保するために適
用された場合について説明したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、金属部材と樹脂部材との界面にシ
ール性が要求される用途に広く適用することができる。
【0037】なお、上記実施例においては、キャップ3
2が請求項1に記載した金属部材に、樹脂成形部38が
請求項1に記載した樹脂部材に、それぞれ相当してい
る。
【0038】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、シール部
材と金属部材との熱かしめ、及び、シール部材と樹脂部
材との溶着により、金属部材と樹脂部材との間のシール
性を確保することができる。従って、本発明に係る金属
部材と樹脂部材との間のシール構造によれば、シール部
材を保持するための部材を設けることが不要となること
で、部品点数の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である金属部材と樹脂部材と
の間のシール構造が適用された回転数センサの断面図で
ある。
【図2】本実施例において、熱かしめ処理のためにシー
ル部材がキャップの貫通穴に挿通された状態を示す断面
図である。
【図3】本実施例において、シール部材をキャップへ熱
かしめする工程を示す断面図である。
【図4】本実施例において、樹脂成形部が二次成形され
た後の、樹脂成形部とキャップとの間のシール構造を示
す断面図である。
【図5】Oリングを用いて樹脂成形部とキャップとの間
のシール性を確保しつつ、コネクタ部を樹脂成形部と一
体に成形することが可能な公知の構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
32 キャップ 34 貫通穴 38 樹脂成形部 40 コネクタ部 42 シール部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05K 5/06 H05K 5/06 E

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属部材と、 熱可塑性エラストマよりなり、前記金属部材に熱かしめ
    で固定されたシール部材と、 該シール部材の融点を一時的に越える温度で、前記シー
    ル部材の少なくとも一部を覆うように成形された樹脂部
    材と、を備えることを特徴とする金属部材と樹脂部材と
    の間のシール構造。
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