JPH1137449A - 排ガス減温塔 - Google Patents

排ガス減温塔

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JPH1137449A
JPH1137449A JP9187071A JP18707197A JPH1137449A JP H1137449 A JPH1137449 A JP H1137449A JP 9187071 A JP9187071 A JP 9187071A JP 18707197 A JP18707197 A JP 18707197A JP H1137449 A JPH1137449 A JP H1137449A
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佐藤  淳
Shiro Nakai
志郎 中井
Pauro Kenichi Kanazawa
パウロ健一 金沢
Masahito Kurata
雅人 倉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排ガスを整流することができ、ガス流の乱
れに起因する冷却効率の低下やダストトラブルを防止で
きる排ガス減温塔を提供する。 【解決手段】 ガス導入ダクト2を構成するに際し、水
平方向に排ガスが流入するダクト入口2aと、下方向に
向けて開口し、塔本体1の頂部に接続したダクト出口2
bとの間に、ダクト内部の排ガスを整流する整流部2B
を設ける。この整流部2Bは曲率中心180度以上の円
弧状をなすように形成する。これにより、塔本体1の内
部で局所的に速いガス流は生じず、流れ方向と直角に交
わる方向の断面において均一な速度分布となるように整
流される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ごみ焼却炉や
溶融炉などの排ガスを水噴霧によって冷却する排ガス減
温塔に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、都市ごみ焼却炉や溶融炉などの排
ガスを水噴霧によって冷却する排ガス減温塔は、図9あ
るいは図10に示したように、概ね円筒形状の塔本体1
の頂部にガス導入ダクト2を設け、下部にガス排出口3
を形成しており、前記炉から水平方向に導出される排ガ
スGをガス導入ダクト2によって下向きに塔本体1の内
部に導入し、流路拡大部1aで拡散させ、ノズル4より
噴霧する冷却水5によって冷却するようにしているもの
が多い。
【0003】特開平5−157218号には、図11に
示したような、ガス導入部2’に整流を目的としたルー
バ6を設けたものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9あ
るいは図10の排ガス減温塔ではそれぞれ、図12ある
いは図13に示したように、塔本体1の内部の、ガス導
入ダクト2に相応しない外側部分に多くの排ガスが流入
し、局所的に速いガス流G1が生じる。その影響で、ガ
ス導入ダクト2に相応する内側部分にカルマン渦が発生
し、塔下部まで続く逆流G2が発生し、以下のような問
題が生じる。
【0005】1)排ガスの排出規制の強化によって排ガ
ス温度を従来より低い140℃〜170℃まで低下させ
ることが要求されるが、この温度近傍ではノズル4より
噴霧される水粒子の蒸発速度は著しく小さく、速いガス
流G1に水粒子が伴われると、塔内滞留時間が不足して
蒸発が終了せず、排ガスGの冷却に支障をきたすばかり
か、未蒸発の水粒子が後段の装置に流入し、悪影響を及
ぼす。
【0006】2)塔本体1内のガス流の乱れによって、
ノズル4から噴霧された水粒子が壁面に直接接触し、壁
面を濡らす。一方、塔本体1内に流入する排ガスGは除
塵前のものであるためダストが多く、また酸性ガス成分
(HCl,SOx)を含んでいる。そのため、塔本体1
の壁面の濡れ部分にダストが付着し、ガス通路の閉塞を
来して、前段のごみ焼却炉や溶融炉の長期連続運転の妨
げとなるだけでなく、濡れ部分で排ガス中のHCl,S
Oxが金属製の塔壁と反応し、塔壁の腐食が急激に進ん
で穴が開くなどのトラブルが生じる。
【0007】図11の排ガス減温塔では、ルーバ6で排
ガスGを整流するようにしたことで、上記の問題点はか
なり改善されると報告されている。しかし、効果的に整
流するために多数のルーバ6を設けているのが実状であ
り、各ルーバ6を微妙に調整しなければならない。この
ような減温塔が特に溶融炉の後段に設けられる場合は、
排ガスG中に含まれているダストの粘性が高いため、密
に配置されているルーバ6へのダストの付着、堆積によ
るダストトラブルが懸念される。
【0008】本発明は上記問題を解決するもので、ルー
バを用いることなく排ガスを整流することができ、ガス
流の乱れに起因する冷却効率の低下やダストトラブルを
防止できる排ガス減温塔を提供することを目的とするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明の排ガス減温塔は、冷却水噴霧ノズルを配置
した円筒状の塔本体の頂部にガス導入ダクトが接続し、
下部にガス排出口を形成した排ガス減温塔において、前
記ガス導入ダクトは、水平方向に排ガスが流入するダク
ト入口と、下方向に向けて開口し、塔本体の頂部に接続
したダクト出口との間に、ダクト内部の排ガスを整流す
る整流部を有し、前記整流部は曲率中心180度以上の
円弧状をなすように構成したものである。
【0010】好ましくは、上下方向に配置される整流部
の一部を、塔本体の軸心を通る仮想平面の一側と他側と
を往復する円弧状となす。上記した構成によれば、ガス
導入ダクトの整流部の両端部と中央部とで排ガスの流れ
方向が大きく変わり、ダクト内周側の排ガスが適度に減
速されるので、塔本体内部で局所的に速いガス流は生じ
ず、流れ方向と直角に交わる方向の断面において均一な
速度分布となるように整流される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しながら説明する。図1に示した排ガス減温塔は、
基本的には図9または図10に示した従来のものとほぼ
同様の構成を有しており、概ね円筒形状の塔本体1の頂
部にガス導入ダクト2が接続し、頂部よりやや下方に流
路拡大部1aを形成し、下部にガス排出口3を形成して
おり、流路拡大部1aに周方向に沿って適当間隔で冷却
水噴霧ノズル4を配置している。
【0012】ガス導入ダクト2は、断面が角形であり、
上下方向に向けて開口し、前段の装置に接続したダクト
入口2aと、下方向に向けて開口し、塔本体1の頂部に
接続したダクト出口2bとの間に、水平方向に排ガスG
を導入する水平導入部2Aと、導入された排ガスGを整
流する円弧状の整流部2Bとを有している。
【0013】整流部2Bの形状を、図2に基づいて詳細
に説明する。塔本体1の軸心を(a−b)、頂部を(e
−f)、流路拡大部1aの上端を(c−d)とし、ダク
ト入口2a(および水平導入部2A)の高さ方向の径を
l、塔本体1の中央部の直径をm、頂部(e−f)の径
をm/2とする。
【0014】上記した前提において、整流部2Bは、水
平導入部2Aより70度上方に立ち上がった部分と、軸
心(a−b)より0.2×mかつ流路拡大部1aの上端
(c−d)より0.8×mの位置の点Oを中心とした半
径(0.6×m)の大円の円弧A1を外周とし、半径
(0.6×m−l)の小円の円弧A2を内周とする円弧
状をなす部分とが合した形状をなしている。ただし、塔
本体1の頂部(e−f)の近傍では、整流部2Bは、点
fから小円に引いた接線gを内周としている。
【0015】この結果、整流部2Bは曲率中心180度
以上の円弧状をなしており、整流部2Bの上下方向に配
置される一部分は、塔本体1の軸心(a−b)を通る仮
想平面の一側から他側に伸びた後に反転し、塔本体1の
頂部に接続している。
【0016】上記したような排ガス減温塔において、排
ガスGは、ダクト入口2aを通じてガス導入ダクト2の
内部に流入し、水平導入部2Aにおいて水平方向に流
れ、整流部2Bの形状に沿って円滑に流れて塔本体1の
内部に流入し、流路拡大部1aでやや拡散した状態にお
いて、冷却水噴霧ノズル4より噴霧される冷却水5によ
って冷却され、ガス排出口3より塔外へ流出していく。
【0017】このとき、排ガスGは、水平導入部2Aと
整流部2Bとの境界で水平方向から斜め上方へと方向転
換し、整流部2Bの中央部で仮想平面の一側と他側とを
往復する反転をした後、整流部2Bと塔本体1との境界
で下方へと方向転換することになり、流れ方向が転換さ
れる毎に内周側の排ガスGが適度に減速されるため、塔
本体1の内部では従来のような局所的に速いガス流は生
じず、流れ方向と直角に交わる方向の断面において均一
な速度分布となるように整流される。
【0018】これにより、冷却水噴霧ノズル4から噴霧
される冷却水5の水粒子は塔本体1の内部で適当時間滞
留して完全蒸発し、かつ従来のようなカルマン渦や逆流
が発生することがないので、壁面への水粒子の付着や、
それによる壁面へのダストの付着や壁面の腐食は防止さ
れる。
【0019】本発明の排ガス減温塔と従来の排ガス減温
塔とを比較するために、数値解析にて検証した。すなわ
ち、図1および図2に示した本発明の排ガス減温塔、お
よび図9または図10に示した従来の各排ガス減温塔の
3次元幾何形状モデルをそれぞれ、ガス導入部以外は全
く同一にして作成し、ガス流の速度分布とノズルから噴
霧される水粒子の軌跡とを調べた。試験条件は以下の通
りである。
【0020】 塔本体の直径 3000mm ガス量 20,000m3 N/h 入口温度 300℃ 出口温度 160℃ ガス中の水分量 15% 冷却水量 1400l/h 水粒子の粒子径 10〜200μm まず、ガス流の速度分布を解析したところ、本発明の排
ガス減温塔では図3に示したようなものとなり、従来の
排ガス減温塔では図4または図5に示したようなものと
なった。各図において、塔内の矢印はガス流を示し、色
の濃い部分は流れが速い。矢印Wは冷却水の噴霧位置を
示す。
【0021】図4または図5では、噴霧位置での流速分
布が偏っており、逆流(上向きの流れ)が見られるのに対
して、図3では、噴霧位置での流速分布ほぼ均一であ
り、逆流(上向きの流れ)はかなり抑えられている。
【0022】次に、水粒子の軌跡、すなわち噴霧された
水粒子が蒸発完了するまでの軌跡を解析したところ、本
発明の排ガス減温塔では図6に示したようなものとな
り、従来の排ガス減温塔では図7または図8に示したよ
うなものとなった。各図において、塔内の矢印は水粒子
の軌跡を示し、矢印Wは冷却水の噴霧位置を示す。ただ
し、各図における水粒子の軌跡は計算結果の平均値であ
り、実際には水粒子は図中の水粒子の軌跡を平均値とし
たランダムな軌跡を示す。
【0023】図7に示した従来の排ガス減温塔では、水
粒子の軌跡が塔本体1の軸心より壁面の方に偏ってい
て、壁面への水粒子の付着の可能性が高い。また図8に
示した従来の排ガス減温塔では、塔本体1の軸心より内
側の水粒子の軌跡が水粒子の噴霧位置より上方まで及ん
でおり、この場合には水粒子の軌跡と壁面との距離が最
小では120mm程度しかないので、壁面への水粒子の
付着の可能性が高い。一方、図6に示した本発明の排ガ
ス減温塔では、ガス流による水粒子の軌跡の乱れは少な
く、壁面への水粒子の付着の可能性は少ない。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、前段の
装置から円筒状の塔本体に排ガスを導入する排ガス導入
ダクトを、一旦塔本体の軸心を越えさせた後に反転させ
て塔本体に接続するようにしたことにより、従来の排ガ
ス整流用ルーバーを用いることなく、塔本体内部に導入
される排ガスを、ガス流と直角方向の流路断面において
均一な速度分布をもつように整流できる。
【0025】これにより、塔本体内部で噴霧した水粒子
を適当時間滞留させることができ、排ガスを効果的に冷
却できるとともに、水粒子を完全蒸発させることができ
る。また壁面への水粒子の付着を防止することができ、
水粒子の付着部分へのダストの付着、およびそれに起因
する壁面の腐食を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における排ガス減温塔の全
体構成を示した正面図である。
【図2】図1に示した排ガス減温塔の排ガス導入ダクト
の構成を説明する要部拡大断面図である。
【図3】図1に示した排ガス減温塔におけるガス流の速
度分布を示した断面図である。
【図4】図3との比較のために、従来型1の排ガス減温
塔におけるガス流の速度分布を示した断面図である。
【図5】図3との比較のために、従来型2の排ガス減温
塔におけるガス流の速度分布を示した断面図である。
【図6】図1に示した排ガス減温塔における水粒子の軌
跡を示した断面図である。
【図7】図6との比較のために、従来型1の排ガス減温
塔における水粒子の軌跡を示した断面図である。
【図8】図6との比較のために、従来型2の排ガス減温
塔における水粒子の軌跡を示した断面図である。
【図9】従来型1の排ガス減温塔の全体構成を示した説
明図である。
【図10】従来型2の排ガス減温塔の全体構成を示した
説明図である。
【図11】従来型3の排ガス減温塔の概略構成を示した
説明図である。
【図12】従来型1の排ガス減温塔におけるガス流を示
した説明図である。
【図13】従来型2の排ガス減温塔におけるガス流を示
した説明図である。
【符号の説明】
1 塔本体 2 ガス導入ダクト 2a ダクト入口 2b ダクト出口 2B 整流部 3 ガス排出口 4 冷却水噴霧ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉田 雅人 大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号 株式会社クボタ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却水噴霧ノズルを配置した円筒状の塔
    本体の頂部にガス導入ダクトが接続し、下部にガス排出
    口を形成した排ガス減温塔において、前記ガス導入ダク
    トは、水平方向に排ガスが流入するダクト入口と、下方
    向に向けて開口し、塔本体の頂部に接続したダクト出口
    との間に、ダクト内部の排ガスを整流する整流部を有
    し、前記整流部は曲率中心180度以上の円弧状をなす
    ことを特徴とする排ガス減温塔。
  2. 【請求項2】 上下方向に配置される整流部の一部が、
    塔本体の軸心を通る仮想平面の一側と他側とを往復する
    円弧状をなすことを特徴とする請求項1記載の排ガス減
    温塔。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001038788A1 (fr) * 1999-11-19 2001-05-31 Kabushiki Kaisha Maruki Structure de pile
JP2002177725A (ja) * 2000-12-14 2002-06-25 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd ガス冷却塔
JP2002219323A (ja) * 2001-01-30 2002-08-06 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd ガス減温塔
JP2008114189A (ja) * 2006-11-07 2008-05-22 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 減温塔
JP2015121349A (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 Jfeスチール株式会社 ガス流速調整装置、熱回収設備、ガス処理設備、及びガス流速調整方法

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