JPH113666A - イオン源 - Google Patents
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- JPH113666A JPH113666A JP9154944A JP15494497A JPH113666A JP H113666 A JPH113666 A JP H113666A JP 9154944 A JP9154944 A JP 9154944A JP 15494497 A JP15494497 A JP 15494497A JP H113666 A JPH113666 A JP H113666A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】イオン源にアルカリ金属の蒸気を供給する金属
蒸気発生装置において、リザーバタンク及び金属蒸気供
給パイプの温度管理を容易にすること。 【解決手段】気化させるアルカリ金属19を収容する導
電性のリザーバタンク20に導電性の金属蒸気供給パイ
プ21を接続し、このパイプ21の他端をイオン化装置
に接続する。加熱電源59からリザーバタンク20と金
属蒸気供給パイプ21とを通して電流を流すことによ
り、リザーバタンク20及び金属蒸気供給パイプ21自
体で発熱を生じさせる。
蒸気発生装置において、リザーバタンク及び金属蒸気供
給パイプの温度管理を容易にすること。 【解決手段】気化させるアルカリ金属19を収容する導
電性のリザーバタンク20に導電性の金属蒸気供給パイ
プ21を接続し、このパイプ21の他端をイオン化装置
に接続する。加熱電源59からリザーバタンク20と金
属蒸気供給パイプ21とを通して電流を流すことによ
り、リザーバタンク20及び金属蒸気供給パイプ21自
体で発熱を生じさせる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオンビームを用
いて金属の分析を行う分析装置や、金属表面にイオンビ
ームを照射して金属の改質を行う改質装置などのイオン
応用機器に用いるイオン源に関するものである。
いて金属の分析を行う分析装置や、金属表面にイオンビ
ームを照射して金属の改質を行う改質装置などのイオン
応用機器に用いるイオン源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】イオンビーム分析装置などのイオン応用
機器においては、イオン源により発生させたイオンを加
速器に供給して加速し、該加速器から得られるイオンビ
ームをターゲットに照射するようにしている。
機器においては、イオン源により発生させたイオンを加
速器に供給して加速し、該加速器から得られるイオンビ
ームをターゲットに照射するようにしている。
【0003】イオン源としては各種の方式のものが用い
られているが、そのうちの1つとして、アルカリ金属の
蒸気を発生する金属蒸気発生装置と、該金属蒸気発生装
置から供給されるアルカリ金属蒸気中の金属分子の一部
をイオン化してターゲットに衝突させることによりター
ゲットの構成分子をスパッタさせるとともに、スパッタ
された分子を金属蒸気中の中性のアルカリ金属分子に接
触させることによりイオン化するイオン化装置と、該イ
オン化装置により生成されたターゲットの構成分子のイ
オンを外部に引出すイオン引出し電極とを備えたものが
ある。
られているが、そのうちの1つとして、アルカリ金属の
蒸気を発生する金属蒸気発生装置と、該金属蒸気発生装
置から供給されるアルカリ金属蒸気中の金属分子の一部
をイオン化してターゲットに衝突させることによりター
ゲットの構成分子をスパッタさせるとともに、スパッタ
された分子を金属蒸気中の中性のアルカリ金属分子に接
触させることによりイオン化するイオン化装置と、該イ
オン化装置により生成されたターゲットの構成分子のイ
オンを外部に引出すイオン引出し電極とを備えたものが
ある。
【0004】図2は従来のこの種のイオン源の構成を示
したもので、同図において1は両端にフランジ1a,1
bを有する管状のイオン源容器である。2はイオン源容
器1の一端側の開口部を閉じるフランジ板で、このフラ
ンジ板2は、イオン源容器1の一端に設けられたフラン
ジ1aに、ボルト3と該ボルトに結合されたナット4と
により接続されている。
したもので、同図において1は両端にフランジ1a,1
bを有する管状のイオン源容器である。2はイオン源容
器1の一端側の開口部を閉じるフランジ板で、このフラ
ンジ板2は、イオン源容器1の一端に設けられたフラン
ジ1aに、ボルト3と該ボルトに結合されたナット4と
により接続されている。
【0005】イオン源容器1の内部には、円筒状に形成
されたハウジング5が同心的に配置され、該ハウジング
5の一端はフランジ板2に固定されている。ハウジング
5内は、軸線方向に所定の間隔をあけて配置されて該ハ
ウジング5に固定された2つの仕切板6及び7により3
つの部屋5A〜5Cに仕切られている。フランジ板2に
近い側に配置された一方の仕切板6の中央部には孔6a
が設けられ、他方の仕切板7の中央部には、フランジ板
2側に向って次第に径が小さくなるように形成されたコ
ーン状の電極部7aが設けられている。
されたハウジング5が同心的に配置され、該ハウジング
5の一端はフランジ板2に固定されている。ハウジング
5内は、軸線方向に所定の間隔をあけて配置されて該ハ
ウジング5に固定された2つの仕切板6及び7により3
つの部屋5A〜5Cに仕切られている。フランジ板2に
近い側に配置された一方の仕切板6の中央部には孔6a
が設けられ、他方の仕切板7の中央部には、フランジ板
2側に向って次第に径が小さくなるように形成されたコ
ーン状の電極部7aが設けられている。
【0006】フランジ板2の中央部には孔2aが形成さ
れ、該孔2aの周辺部には、イオン源容器1の外側に配
置されたゲートバルブ8の一端が絶縁スリーブ9を介し
て接続されている。ゲートバルブ8の一端には、絶縁ス
リーブ9の内側に該絶縁スリーブと軸線を共有した状態
で設けられたターゲット支持管10の一端が接続され、
ターゲット支持管10の他端は、フランジ板2の孔2a
の軸心部を通してハウジング5の第1の部屋5A内に挿
入されている。ターゲット支持管10の他端には円錐台
状の頭部11aと該頭部の外周部に連続するように形成
された鍔板部11bとを有する円盤状のキャップ11が
取り付けられ、該キャップ11の頭部11aの先端が仕
切板6の孔6a内に緩く挿入されている。
れ、該孔2aの周辺部には、イオン源容器1の外側に配
置されたゲートバルブ8の一端が絶縁スリーブ9を介し
て接続されている。ゲートバルブ8の一端には、絶縁ス
リーブ9の内側に該絶縁スリーブと軸線を共有した状態
で設けられたターゲット支持管10の一端が接続され、
ターゲット支持管10の他端は、フランジ板2の孔2a
の軸心部を通してハウジング5の第1の部屋5A内に挿
入されている。ターゲット支持管10の他端には円錐台
状の頭部11aと該頭部の外周部に連続するように形成
された鍔板部11bとを有する円盤状のキャップ11が
取り付けられ、該キャップ11の頭部11aの先端が仕
切板6の孔6a内に緩く挿入されている。
【0007】ゲートバルブ8の他端にはターゲットチュ
ーブ12の一端が接続され、該ターゲットチューブ12
内と、ゲートバルブ8の軸心部に形成された孔とターゲ
ット支持管10内とを通してターゲット支持棒13が挿
入され、該ターゲット支持棒13の先端部に形成された
凹部内にイオン化しようとする材料からなるターゲット
14が保持されている。ターゲットチューブ12内には
またフレオンなどの冷媒ガスをターゲット支持棒13に
接触させるための冷媒通路(図示せず。)が形成され、
ゲートバルブ8により、該冷媒通路を流れる冷媒ガスの
流量が調整されるようになっている。
ーブ12の一端が接続され、該ターゲットチューブ12
内と、ゲートバルブ8の軸心部に形成された孔とターゲ
ット支持管10内とを通してターゲット支持棒13が挿
入され、該ターゲット支持棒13の先端部に形成された
凹部内にイオン化しようとする材料からなるターゲット
14が保持されている。ターゲットチューブ12内には
またフレオンなどの冷媒ガスをターゲット支持棒13に
接触させるための冷媒通路(図示せず。)が形成され、
ゲートバルブ8により、該冷媒通路を流れる冷媒ガスの
流量が調整されるようになっている。
【0008】ハウジング5の第2の部屋5B内には、コ
イル状に巻回されたフィラメント15がハウジング5と
同心的に配置され、該フィラメント15の両端は図示し
ない電源に接続されている。フィラメント15はまた、
負極端子がターゲット支持管10に電気的に接続された
スパッタリング電源16の正極端子に接続され、ターゲ
ット14とフィラメント15との間に2〜5[KV]の
加速電圧が印加されている。この例では、フィラメント
15と該フィラメントに通電する電源とにより、後記す
る金属蒸気発生装置から供給されるアルカリ金属蒸気中
のアルカリ金属分子の一部を加熱してイオン化するイオ
ン化手段が構成されている。またフィラメント15とス
パッタリング電源16とにより、イオン化されたアルカ
リ金属分子をターゲット14に衝突させて該ターゲット
を構成する金属分子をスパッタさせるスパッタリング装
置が構成され、上記イオン化手段とスパッタリング装置
とにより、ターゲット14の構成分子をイオン化するイ
オン化装置17が構成されている。
イル状に巻回されたフィラメント15がハウジング5と
同心的に配置され、該フィラメント15の両端は図示し
ない電源に接続されている。フィラメント15はまた、
負極端子がターゲット支持管10に電気的に接続された
スパッタリング電源16の正極端子に接続され、ターゲ
ット14とフィラメント15との間に2〜5[KV]の
加速電圧が印加されている。この例では、フィラメント
15と該フィラメントに通電する電源とにより、後記す
る金属蒸気発生装置から供給されるアルカリ金属蒸気中
のアルカリ金属分子の一部を加熱してイオン化するイオ
ン化手段が構成されている。またフィラメント15とス
パッタリング電源16とにより、イオン化されたアルカ
リ金属分子をターゲット14に衝突させて該ターゲット
を構成する金属分子をスパッタさせるスパッタリング装
置が構成され、上記イオン化手段とスパッタリング装置
とにより、ターゲット14の構成分子をイオン化するイ
オン化装置17が構成されている。
【0009】フランジ板2にはまた金属蒸気発生装置1
8が取り付けられている。この金属蒸気発生装置は、気
化させるアルカリ金属19を収納したリザーバタンク2
0と、該リザーバタンク20に一端が連通させられ、他
端がイオン化装置17内に連通させられた金属蒸気供給
パイプ21と、リザーバタンク20及び金属蒸気供給パ
イプ21を加熱するヒータ22及び23とを備えてい
る。アルカリ金属19としては、最外殻に余分の電子を
持っているために、他の分子に衝突した際に電子を与え
やすい性質を有するCs(セシウム),Li(リチウ
ム),Mg(マグネシウム),V(バナジウム)などが
用いられる。
8が取り付けられている。この金属蒸気発生装置は、気
化させるアルカリ金属19を収納したリザーバタンク2
0と、該リザーバタンク20に一端が連通させられ、他
端がイオン化装置17内に連通させられた金属蒸気供給
パイプ21と、リザーバタンク20及び金属蒸気供給パ
イプ21を加熱するヒータ22及び23とを備えてい
る。アルカリ金属19としては、最外殻に余分の電子を
持っているために、他の分子に衝突した際に電子を与え
やすい性質を有するCs(セシウム),Li(リチウ
ム),Mg(マグネシウム),V(バナジウム)などが
用いられる。
【0010】図示の例では、金属蒸気供給パイプ21が
第1及び第2のL字形パイプ21A及び21Bからなっ
ていて、第1のL字形パイプ21Aの一端が継手24を
介してリザーバタンク20に接続されている。フランジ
板2の端部寄りの位置に形成された孔2bの周辺部に支
持管25が接続され、第1のL字形パイプ21Aの他端
側の直管部が該支持管25内と孔2bとを通してイオン
源容器1内に挿入されている。第1のL字形パイプ21
Aはその直管部の中心軸線を支持管25の軸線と一致さ
せた状態で配置されて、該支持管25の両端に設けられ
たフランジに固定されている。イオン源容器1内に挿入
された第1のL字形パイプ21Aの他端は管継手26を
介して第2のL字形パイプ21Bの一端に接続され、第
2のL字形パイプ21Bの他端はハウジング5の側壁部
に形成された貫通孔を通してハウジング5の第2の部屋
5B内に挿入されている。
第1及び第2のL字形パイプ21A及び21Bからなっ
ていて、第1のL字形パイプ21Aの一端が継手24を
介してリザーバタンク20に接続されている。フランジ
板2の端部寄りの位置に形成された孔2bの周辺部に支
持管25が接続され、第1のL字形パイプ21Aの他端
側の直管部が該支持管25内と孔2bとを通してイオン
源容器1内に挿入されている。第1のL字形パイプ21
Aはその直管部の中心軸線を支持管25の軸線と一致さ
せた状態で配置されて、該支持管25の両端に設けられ
たフランジに固定されている。イオン源容器1内に挿入
された第1のL字形パイプ21Aの他端は管継手26を
介して第2のL字形パイプ21Bの一端に接続され、第
2のL字形パイプ21Bの他端はハウジング5の側壁部
に形成された貫通孔を通してハウジング5の第2の部屋
5B内に挿入されている。
【0011】ヒータ22はリザーバタンク20の外周に
巻き付けられて取り付けられ、ヒータ23は第1のL字
形パイプ21Aのコーナ部を覆うように形成されたカバ
ー27の外周に取り付けられている。
巻き付けられて取り付けられ、ヒータ23は第1のL字
形パイプ21Aのコーナ部を覆うように形成されたカバ
ー27の外周に取り付けられている。
【0012】イオン源容器1の他端側のフランジ1bに
は碍子からなる絶縁リング28の一端に取り付けられた
フランジ金具29がボルト30により接続され、絶縁リ
ング28の内側には、一端がフランジ金具29に固定さ
れた碍子カバー31が同心的に配置されている。
は碍子からなる絶縁リング28の一端に取り付けられた
フランジ金具29がボルト30により接続され、絶縁リ
ング28の内側には、一端がフランジ金具29に固定さ
れた碍子カバー31が同心的に配置されている。
【0013】絶縁リング28の他端側に取り付けられた
フランジ金具32には引出し電極33が取り付けられて
いる。引出し電極33は、ハウジング5の第3の部屋5
C内に該ハウジングと中心軸線を共有した状態で配置さ
れた筒状部33aと、該筒状部33aの先端に形成され
たコーン状の電極部33bと、筒状部33aの後端部側
に形成された筒状部33aよりも大径の電極部33c
と、電極部33cの外周部に形成されたフランジ部33
dとを有している。フランジ部33dは、絶縁リング2
8の他端側に形成されたフランジ金具32に当接され、
フランジ部33dのフランジ金具32と反対側の面にビ
ームダクト34に設けられたフランジ34aが当接され
ている。フランジ金具32とフランジ部33dとフラン
ジ34aとを貫通したボルト35と該ボルトに螺合され
たナット36とにより、フランジ34aがフランジ金具
32に対して締め付けられて、引出し電極33が絶縁リ
ング28に対して固定されている。
フランジ金具32には引出し電極33が取り付けられて
いる。引出し電極33は、ハウジング5の第3の部屋5
C内に該ハウジングと中心軸線を共有した状態で配置さ
れた筒状部33aと、該筒状部33aの先端に形成され
たコーン状の電極部33bと、筒状部33aの後端部側
に形成された筒状部33aよりも大径の電極部33c
と、電極部33cの外周部に形成されたフランジ部33
dとを有している。フランジ部33dは、絶縁リング2
8の他端側に形成されたフランジ金具32に当接され、
フランジ部33dのフランジ金具32と反対側の面にビ
ームダクト34に設けられたフランジ34aが当接され
ている。フランジ金具32とフランジ部33dとフラン
ジ34aとを貫通したボルト35と該ボルトに螺合され
たナット36とにより、フランジ34aがフランジ金具
32に対して締め付けられて、引出し電極33が絶縁リ
ング28に対して固定されている。
【0014】ビームダクト34の側壁部を貫通した状態
でブッシング37が取り付けられ、引出し電極33の筒
状部33cの内側に一端側が挿入された円筒状のアース
電極38が接続導体39とブッシング37の中心導体と
を通してアース電位部に接続されている。またアース電
極38の他端側には、レンズ電極40が配置されてい
る。
でブッシング37が取り付けられ、引出し電極33の筒
状部33cの内側に一端側が挿入された円筒状のアース
電極38が接続導体39とブッシング37の中心導体と
を通してアース電位部に接続されている。またアース電
極38の他端側には、レンズ電極40が配置されてい
る。
【0015】フィラメント15と引出し電極33との間
には、イオン引出し電源41から所定の直流電圧が印加
され、アース電極38とレンズ電極40との間には図示
しない電源から収束用の直流電圧が印加されている。こ
の例では、イオン引出し電極33とアース電極38とに
より第1の静電レンズが構成され、アース電極38とレ
ンズ電極40とにより第2の静電レンズが構成されてい
る。
には、イオン引出し電源41から所定の直流電圧が印加
され、アース電極38とレンズ電極40との間には図示
しない電源から収束用の直流電圧が印加されている。こ
の例では、イオン引出し電極33とアース電極38とに
より第1の静電レンズが構成され、アース電極38とレ
ンズ電極40とにより第2の静電レンズが構成されてい
る。
【0016】イオン源容器1内及びビームダクト34内
は、図示しない真空ポンプにより真空引きされて、所定
の真空状態に保持される。
は、図示しない真空ポンプにより真空引きされて、所定
の真空状態に保持される。
【0017】図2に示したイオン源において、リザーバ
タンク20内には気化させるアルカリ金属として、セシ
ウムCsが収容されているものとする。またターゲット
14としては、例えばCuが用いられるものとする。
タンク20内には気化させるアルカリ金属として、セシ
ウムCsが収容されているものとする。またターゲット
14としては、例えばCuが用いられるものとする。
【0018】この場合、リザーバタンク内のCsはヒー
タ22により加熱されて気化され、気化されたCsは金
属蒸気供給パイプ21を通してハウジング5の第2の部
屋5B内(イオン化装置17内)に供給される。ハウジ
ングの第2の部屋5B内に流入した蒸気中のCsの一部
は加熱されたフィラメント15に触れて正イオンCs+
にイオン化される。イオン化されなかった他のCs分子
は中性の状態でハウジング5の第2の部屋5B内に充満
する。セシウムの正イオンCs+ は、フィラメント15
とターゲット14との間に印加された加速電圧により加
速されてターゲット14に衝突する。この衝突により、
ターゲット14を構成するCuの分子がスパッタされ
る。スパッタされたCu分子は中性のCs 分子から電子
をもらってイオン化され、負イオンCu- となる。この
ようにして生成されたターゲット構成材料の負イオンC
u- はイオン引出し電極33aとフィラメント15との
間に印加された電圧により加速されてイオン化装置の外
部に引き出される。
タ22により加熱されて気化され、気化されたCsは金
属蒸気供給パイプ21を通してハウジング5の第2の部
屋5B内(イオン化装置17内)に供給される。ハウジ
ングの第2の部屋5B内に流入した蒸気中のCsの一部
は加熱されたフィラメント15に触れて正イオンCs+
にイオン化される。イオン化されなかった他のCs分子
は中性の状態でハウジング5の第2の部屋5B内に充満
する。セシウムの正イオンCs+ は、フィラメント15
とターゲット14との間に印加された加速電圧により加
速されてターゲット14に衝突する。この衝突により、
ターゲット14を構成するCuの分子がスパッタされ
る。スパッタされたCu分子は中性のCs 分子から電子
をもらってイオン化され、負イオンCu- となる。この
ようにして生成されたターゲット構成材料の負イオンC
u- はイオン引出し電極33aとフィラメント15との
間に印加された電圧により加速されてイオン化装置の外
部に引き出される。
【0019】イオン化装置の外部に引き出されたCuの
負イオンのビームはイオン引出し電極33とアース電極
38とにより構成された第1の静電レンズ、及びアース
電極38とレンズ電極40とにより構成された第2の静
電レンズにより収束され、ビームダクト34を通して図
示しない加速器に供給される。
負イオンのビームはイオン引出し電極33とアース電極
38とにより構成された第1の静電レンズ、及びアース
電極38とレンズ電極40とにより構成された第2の静
電レンズにより収束され、ビームダクト34を通して図
示しない加速器に供給される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】図2に示した従来のイ
オン源においては、リザーバタンク20にヒータ22を
接触させた状態で取り付けていたが、このような構造で
は、ヒータ22からリザーバタンク20への熱伝達に時
間がかかるため熱応答が遅くなり、リザーバタンク20
内の温度の制御を的確に行うことができないため、リザ
ーバタンク及び金属蒸気供給パイプの温度管理が難しい
という問題があった。
オン源においては、リザーバタンク20にヒータ22を
接触させた状態で取り付けていたが、このような構造で
は、ヒータ22からリザーバタンク20への熱伝達に時
間がかかるため熱応答が遅くなり、リザーバタンク20
内の温度の制御を的確に行うことができないため、リザ
ーバタンク及び金属蒸気供給パイプの温度管理が難しい
という問題があった。
【0021】また図2に示した構造では、金属蒸気供給
パイプ21からイオン源容器1の端部に取り付けられた
フランジ板2に熱が逃げ易いため、金属蒸気供給パイプ
21のイオン源容器1内に挿入された部分の温度が低下
し易いという問題があり、この部分でパイプ21内の金
属が固まって金属蒸気の流通が妨げられることがあっ
た。
パイプ21からイオン源容器1の端部に取り付けられた
フランジ板2に熱が逃げ易いため、金属蒸気供給パイプ
21のイオン源容器1内に挿入された部分の温度が低下
し易いという問題があり、この部分でパイプ21内の金
属が固まって金属蒸気の流通が妨げられることがあっ
た。
【0022】従来は、これらの問題が起こり難くするた
めに、ヒータ22及び23の発熱量を増加させてリザー
バ及び金属蒸気供給パイプに十分な熱を与えるようにし
ていたため、リザーバタンク20の温度が高くなりすぎ
て、イオン化装置17に供給されるアルカリ金属蒸気の
量が過剰になる傾向があった。そのため、イオン化装置
内がアルカリ金属により早期に汚染され、イオン化装置
の性能を維持するために必要とされるメインテナンスを
頻繁に行わなければならないという問題があった。
めに、ヒータ22及び23の発熱量を増加させてリザー
バ及び金属蒸気供給パイプに十分な熱を与えるようにし
ていたため、リザーバタンク20の温度が高くなりすぎ
て、イオン化装置17に供給されるアルカリ金属蒸気の
量が過剰になる傾向があった。そのため、イオン化装置
内がアルカリ金属により早期に汚染され、イオン化装置
の性能を維持するために必要とされるメインテナンスを
頻繁に行わなければならないという問題があった。
【0023】また従来は、加熱されたリザーバタンク及
び金属蒸気供給パイプの温度が容易に低下しないように
するために、これらの熱容量を大きくし設定していたた
め、イオンの発生を停止させた後、リザーバタンク及び
金属蒸気供給パイプの温度を低下させるために長い時間
(数十分程度)を要し、イオンの発生を停止させた後、
リザーバタンク内への新たな金属の充填作業や、リザー
バタンク内及び金属蒸気供給パイプ内のクリーニング作
業等を行うことができる状態になるまでに長時間を要す
るという問題があった。
び金属蒸気供給パイプの温度が容易に低下しないように
するために、これらの熱容量を大きくし設定していたた
め、イオンの発生を停止させた後、リザーバタンク及び
金属蒸気供給パイプの温度を低下させるために長い時間
(数十分程度)を要し、イオンの発生を停止させた後、
リザーバタンク内への新たな金属の充填作業や、リザー
バタンク内及び金属蒸気供給パイプ内のクリーニング作
業等を行うことができる状態になるまでに長時間を要す
るという問題があった。
【0024】本発明の目的は、リザーバタンク及び金属
蒸気供給パイプの各部の熱応答を早くして、各部の温度
管理を容易に行うことができるようにしたイオン源を提
供することにある。
蒸気供給パイプの各部の熱応答を早くして、各部の温度
管理を容易に行うことができるようにしたイオン源を提
供することにある。
【0025】本発明の他の目的は、金属蒸気供給パイプ
の各部の温度が低下して気化した金属の流通が妨げられ
ることがないようにしたイオン源を提供することにあ
る。
の各部の温度が低下して気化した金属の流通が妨げられ
ることがないようにしたイオン源を提供することにあ
る。
【0026】本発明の更に他の目的は、イオン化装置に
供給される金属蒸気の量が過剰になるのを防ぐこができ
るようにしたイオン源を提供することにある。
供給される金属蒸気の量が過剰になるのを防ぐこができ
るようにしたイオン源を提供することにある。
【0027】本発明の更に他の目的は、イオンの発生を
停止させた後、リザーバタンク及び金属蒸気供給パイプ
の冷却を短時間で行うことができるようにしたイオン源
を提供することにある。
停止させた後、リザーバタンク及び金属蒸気供給パイプ
の冷却を短時間で行うことができるようにしたイオン源
を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルカリ金属
を気化させて金属蒸気を発生させる金属蒸気発生装置
と、金属蒸気発生装置から供給された金属蒸気を構成す
るアルカリ金属分子の一部を加熱してイオン化するイオ
ン化手段と、該イオン化手段により生成されたアルカリ
金属イオンをターゲットに衝突させて該ターゲットの構
成分子を金属蒸気中にスパッタさせるスパッタリング装
置とを備えて、ターゲットからスパッタされた分子を金
属蒸気に含まれる中性のアルカリ金属分子に接触させて
イオン化するイオン化装置と、イオン化装置により生成
されたターゲットの構成分子のイオンを外部に引出すイ
オン引出し電極とを備えたイオン源に係わるものであ
る。
を気化させて金属蒸気を発生させる金属蒸気発生装置
と、金属蒸気発生装置から供給された金属蒸気を構成す
るアルカリ金属分子の一部を加熱してイオン化するイオ
ン化手段と、該イオン化手段により生成されたアルカリ
金属イオンをターゲットに衝突させて該ターゲットの構
成分子を金属蒸気中にスパッタさせるスパッタリング装
置とを備えて、ターゲットからスパッタされた分子を金
属蒸気に含まれる中性のアルカリ金属分子に接触させて
イオン化するイオン化装置と、イオン化装置により生成
されたターゲットの構成分子のイオンを外部に引出すイ
オン引出し電極とを備えたイオン源に係わるものであ
る。
【0029】本発明においては、上記金属蒸気発生装置
が、気化させるアルカリ金属を収容する導電性のリザー
バタンクと、一端がリザーバタンク内に連通させられる
とともに該リザーバタンクに電気的に接続され、他端が
イオン化装置に連通させられた導電性の金属蒸気供給パ
イプと、リザーバタンクと金属蒸気供給パイプとに電圧
を印加する加熱電源とを備えている。本発明において
は、加熱電源からリザーバタンクと金属蒸気供給パイプ
とを通して電流を流すことによりリザーバタンク及び金
属蒸気供給パイプで発熱させ、リザーバタンク自体に生
じる発熱により該リザーバタンク内のアルカリ金属を溶
融させて気化させる。また金属蒸気供給パイプ自体に生
じる発熱により該パイプの温度を適温に維持する。
が、気化させるアルカリ金属を収容する導電性のリザー
バタンクと、一端がリザーバタンク内に連通させられる
とともに該リザーバタンクに電気的に接続され、他端が
イオン化装置に連通させられた導電性の金属蒸気供給パ
イプと、リザーバタンクと金属蒸気供給パイプとに電圧
を印加する加熱電源とを備えている。本発明において
は、加熱電源からリザーバタンクと金属蒸気供給パイプ
とを通して電流を流すことによりリザーバタンク及び金
属蒸気供給パイプで発熱させ、リザーバタンク自体に生
じる発熱により該リザーバタンク内のアルカリ金属を溶
融させて気化させる。また金属蒸気供給パイプ自体に生
じる発熱により該パイプの温度を適温に維持する。
【0030】上記のように、リザーバタンク及び金属蒸
気供給パイプ自体に通電することにより発熱させて、リ
ザーバタンク及び金属蒸気供給パイプを加熱するように
すると、通電する電流の大きさの変化に対する各部の熱
応答を早くすることができるため、各部の温度コントロ
ールを的確に行わせることができる。
気供給パイプ自体に通電することにより発熱させて、リ
ザーバタンク及び金属蒸気供給パイプを加熱するように
すると、通電する電流の大きさの変化に対する各部の熱
応答を早くすることができるため、各部の温度コントロ
ールを的確に行わせることができる。
【0031】また上記のように、金属蒸気供給パイプに
通電することにより発熱させるようにすると、金属蒸気
供給パイプの各部の温度を容易に維持することができる
ため、金属蒸気供給パイプの温度の低下により、気化し
た金属蒸気の流通が妨げられるのを防ぐことができる。
通電することにより発熱させるようにすると、金属蒸気
供給パイプの各部の温度を容易に維持することができる
ため、金属蒸気供給パイプの温度の低下により、気化し
た金属蒸気の流通が妨げられるのを防ぐことができる。
【0032】更に上記のように構成すると、リザーバタ
ンク及び金属蒸気供給パイプの各部の温度を容易に適温
に維持することができるため、イオン化装置に過剰な金
属蒸気が供給されるおそれをなくすことができ、過剰な
金属蒸気の供給によりイオン化装置の内部が早期に汚染
されるのを防ぐことができる。
ンク及び金属蒸気供給パイプの各部の温度を容易に適温
に維持することができるため、イオン化装置に過剰な金
属蒸気が供給されるおそれをなくすことができ、過剰な
金属蒸気の供給によりイオン化装置の内部が早期に汚染
されるのを防ぐことができる。
【0033】また上記のように、リザーバタンク及び金
属蒸気供給パイプ自体で発熱させるようにすると、リザ
ーバタンク及び金属蒸気供給パイプの熱容量を特に大き
くしておく必要がないため、これらの冷却を短時間で行
わせることができる。
属蒸気供給パイプ自体で発熱させるようにすると、リザ
ーバタンク及び金属蒸気供給パイプの熱容量を特に大き
くしておく必要がないため、これらの冷却を短時間で行
わせることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係わるイオン源の
金属蒸気発生装置の部分の構成を示したものである。同
図において、1は円筒状に形成された金属製のイオン源
容器、2はイオン源容器1の一端に設けられたフランジ
にボルト3及びナット4により取り付けられた金属製の
フランジ板、5はイオン源容器1内に該イオン源容器と
中心軸線を共有した状態で配置されて一端がフランジ板
2に固定された金属製のハウジングであり、これらは図
2に示された従来のイオン源に設けられていたものと同
様である。
金属蒸気発生装置の部分の構成を示したものである。同
図において、1は円筒状に形成された金属製のイオン源
容器、2はイオン源容器1の一端に設けられたフランジ
にボルト3及びナット4により取り付けられた金属製の
フランジ板、5はイオン源容器1内に該イオン源容器と
中心軸線を共有した状態で配置されて一端がフランジ板
2に固定された金属製のハウジングであり、これらは図
2に示された従来のイオン源に設けられていたものと同
様である。
【0035】また20は円筒状に形成されたタンク本体
20aと該タンク本体の上端の開口部の周辺に形成され
たフランジ20bとを有して、内部にCsなどのアルカ
リ金属19が収容されるリザーバタンク、21は第1及
び第2のL字形パイプ21A及び21Bからなる金属蒸
気供給パイプである。リザーバタンク20及びL字形パ
イプ21A及び21Bは、所定の固有抵抗と、耐熱性
と、アルカリ金属の蒸気に対する耐蝕性とを有する導電
材料により形成されていて、第1及び第2のL字形パイ
プ21A及び21Bは周知の管継手26により電気的及
び機械的に接続され、イオン源容器1の外部に配置され
た第1のL字形パイプ21Aの一端側の直管部は、その
先端を垂直方向の下側に向けた状態で継手24を介して
リザーバタンク20の上端に電気的及び機械的に接続さ
れている。
20aと該タンク本体の上端の開口部の周辺に形成され
たフランジ20bとを有して、内部にCsなどのアルカ
リ金属19が収容されるリザーバタンク、21は第1及
び第2のL字形パイプ21A及び21Bからなる金属蒸
気供給パイプである。リザーバタンク20及びL字形パ
イプ21A及び21Bは、所定の固有抵抗と、耐熱性
と、アルカリ金属の蒸気に対する耐蝕性とを有する導電
材料により形成されていて、第1及び第2のL字形パイ
プ21A及び21Bは周知の管継手26により電気的及
び機械的に接続され、イオン源容器1の外部に配置され
た第1のL字形パイプ21Aの一端側の直管部は、その
先端を垂直方向の下側に向けた状態で継手24を介して
リザーバタンク20の上端に電気的及び機械的に接続さ
れている。
【0036】更に詳述すると、継手24は、外周にネジ
が形成された大径部24a1と小径部24a2とを有する中
継管24aと、中継管24aの大径部24a1及び小径部
24a2の外周のネジにそれぞれ螺合された袋ナット24
b及び24cとを備えていて、袋ナット24b内に、リ
ザーバタンク20のフランジ20bが嵌合され、フラン
ジ20bが袋ナット24bにより締め付けられて、リザ
ーバタンク20が中継管24aの大径部24a1に接続さ
れている。
が形成された大径部24a1と小径部24a2とを有する中
継管24aと、中継管24aの大径部24a1及び小径部
24a2の外周のネジにそれぞれ螺合された袋ナット24
b及び24cとを備えていて、袋ナット24b内に、リ
ザーバタンク20のフランジ20bが嵌合され、フラン
ジ20bが袋ナット24bにより締め付けられて、リザ
ーバタンク20が中継管24aの大径部24a1に接続さ
れている。
【0037】また第1のL字形パイプ21Aの一端側の
直管部の先端に形成されたフランジ部21a1が袋ナット
24c内に嵌合され、該フランジ部21a1が袋ナット2
4cにより締め付けられて、L字形パイプ21Aが中継
管24aの小径部24a2に接続されている。
直管部の先端に形成されたフランジ部21a1が袋ナット
24c内に嵌合され、該フランジ部21a1が袋ナット2
4cにより締め付けられて、L字形パイプ21Aが中継
管24aの小径部24a2に接続されている。
【0038】第1のL字形パイプ21Aの他端側の直管
部は、フランジ板2の端部寄りの位置に形成された孔2
bの周辺部にボルト50により固定された支持管51内
と、孔2b内とを通してイオン源容器1内に挿入されて
いる。孔2bの内径はL字形パイプ21Aの外径よりも
大きく設定されていて、L字形パイプ21Aがフランジ
板2に直接接触しないようになっている。
部は、フランジ板2の端部寄りの位置に形成された孔2
bの周辺部にボルト50により固定された支持管51内
と、孔2b内とを通してイオン源容器1内に挿入されて
いる。孔2bの内径はL字形パイプ21Aの外径よりも
大きく設定されていて、L字形パイプ21Aがフランジ
板2に直接接触しないようになっている。
【0039】イオン源容器1内に挿入された第1のL字
形パイプ21Aの他端は管継手26を介して第2のL字
形パイプ21Bの一端に接続され、第2のL字形パイプ
21Bの他端はハウジング5の側壁部に形成された貫通
孔を通してハウジング5の第2の部屋5B内(イオン化
装置内)に挿入されている。なお第2のL字形パイプ2
1Bの他端がハウジング5を貫通する部分は、セラミッ
クなどの高耐熱性を有する絶縁材料によりハウジング5
に対して絶縁されている。
形パイプ21Aの他端は管継手26を介して第2のL字
形パイプ21Bの一端に接続され、第2のL字形パイプ
21Bの他端はハウジング5の側壁部に形成された貫通
孔を通してハウジング5の第2の部屋5B内(イオン化
装置内)に挿入されている。なお第2のL字形パイプ2
1Bの他端がハウジング5を貫通する部分は、セラミッ
クなどの高耐熱性を有する絶縁材料によりハウジング5
に対して絶縁されている。
【0040】支持管51は、セラミックなどの高耐熱性
を有する絶縁材料からなっていて、該支持管51により
リザーバタンク20及び金属蒸気供給パイプ21がフラ
ンジ板2に対して絶縁されている。
を有する絶縁材料からなっていて、該支持管51により
リザーバタンク20及び金属蒸気供給パイプ21がフラ
ンジ板2に対して絶縁されている。
【0041】フランジ板2にはまた孔2cが設けられて
いて、孔2cを外側から気密に塞ぐように絶縁材料から
なるブッシング52がボルト53により取り付けられ、
該ブッシング52の中心部を貫通した導体54の一端が
イオン源容器1内に挿入されている。導体54の一端及
び他端にはそれぞれ端子金具55及び56が取り付けら
れ、イオン源容器1内に配置された端子金具55は、金
属蒸気供給パイプ21を構成する第2のL字形パイプ2
1Bのハウジング5寄りの端部に接続された端子金具5
7にリード線58を介して接続されている。
いて、孔2cを外側から気密に塞ぐように絶縁材料から
なるブッシング52がボルト53により取り付けられ、
該ブッシング52の中心部を貫通した導体54の一端が
イオン源容器1内に挿入されている。導体54の一端及
び他端にはそれぞれ端子金具55及び56が取り付けら
れ、イオン源容器1内に配置された端子金具55は、金
属蒸気供給パイプ21を構成する第2のL字形パイプ2
1Bのハウジング5寄りの端部に接続された端子金具5
7にリード線58を介して接続されている。
【0042】ブッシング52を貫通した導体54の他端
側に取り付けられた端子金具56は所定の直流電圧また
は交流電圧を発生する加熱電源59の一方の出力端子5
9aにリード線60とスイッチ61とを通して接続され
ている。またリザーバタンク20の下端に端子金具62
が接続され、該端子金具62がリード線63を通して加
熱電源59の他方の出力端子59bに接続されている。
側に取り付けられた端子金具56は所定の直流電圧また
は交流電圧を発生する加熱電源59の一方の出力端子5
9aにリード線60とスイッチ61とを通して接続され
ている。またリザーバタンク20の下端に端子金具62
が接続され、該端子金具62がリード線63を通して加
熱電源59の他方の出力端子59bに接続されている。
【0043】なお金属蒸気供給パイプ21と支持管51
との嵌合部、支持管51とフランジ板2との接続部、及
びブッシング52とフランジ板2との接続部が、イオン
源容器1内の気密を保持し得る構造になっていることは
もちろんである。
との嵌合部、支持管51とフランジ板2との接続部、及
びブッシング52とフランジ板2との接続部が、イオン
源容器1内の気密を保持し得る構造になっていることは
もちろんである。
【0044】本発明においては、加熱電源59からリザ
ーバタンク20と金属蒸気供給パイプ21とを通して電
流を流すことにより、リザーバタンク20及び金属蒸気
供給パイプ21でジュール熱を発生させ、この発熱によ
り、リザーバタンク20及び金属蒸気供給パイプ21を
加熱する。そのため、各部で所定の発熱量が得られるよ
うに、リザーバタンク20及び金属蒸気供給パイプ21
の構成材料の材質及び固有抵抗を選定するとともに、そ
れぞれの断面積を発熱量に反比例した大きさに設定す
る。
ーバタンク20と金属蒸気供給パイプ21とを通して電
流を流すことにより、リザーバタンク20及び金属蒸気
供給パイプ21でジュール熱を発生させ、この発熱によ
り、リザーバタンク20及び金属蒸気供給パイプ21を
加熱する。そのため、各部で所定の発熱量が得られるよ
うに、リザーバタンク20及び金属蒸気供給パイプ21
の構成材料の材質及び固有抵抗を選定するとともに、そ
れぞれの断面積を発熱量に反比例した大きさに設定す
る。
【0045】一般にリザーバタンク20は、金属蒸気供
給パイプ21に比べて断面積が大きくなるのを避けられ
ないため、該リザーバタンク20の構成材料としては、
金属蒸気供給パイプ21の構成材料よりも固有抵抗が大
きいものを用いるのが好ましい。また金属蒸気供給パイ
プ21の各部からの放熱量が異なる場合には、放熱量が
大きい部分の断面積を放熱量が少ない部分の断面積より
も小さくするように、金属蒸気供給パイプ21の各部の
断面積を適宜に異ならせて、同じ通電電流に対して金属
蒸気供給パイプの各部の温度がほぼ均一になるようにし
ておくのが好ましい。
給パイプ21に比べて断面積が大きくなるのを避けられ
ないため、該リザーバタンク20の構成材料としては、
金属蒸気供給パイプ21の構成材料よりも固有抵抗が大
きいものを用いるのが好ましい。また金属蒸気供給パイ
プ21の各部からの放熱量が異なる場合には、放熱量が
大きい部分の断面積を放熱量が少ない部分の断面積より
も小さくするように、金属蒸気供給パイプ21の各部の
断面積を適宜に異ならせて、同じ通電電流に対して金属
蒸気供給パイプの各部の温度がほぼ均一になるようにし
ておくのが好ましい。
【0046】リザーバタンク20の構成材料としては、
例えばニクロム等のNi合金が最適である。また金属蒸
気供給パイプ21はステンレス鋼等の耐蝕性を有する導
電材料により形成するのが適当である。
例えばニクロム等のNi合金が最適である。また金属蒸
気供給パイプ21はステンレス鋼等の耐蝕性を有する導
電材料により形成するのが適当である。
【0047】加熱電源59には、リザーバタンク20及
び金属蒸気供給パイプ21の各部の温度を適値に保つよ
うにこれらを通して流れる電流を制御する制御回路を設
けておく。この制御回路としては、制御すべき部分の温
度を検出して、その検出値が設定範囲に保たれるように
通電電流を制御する公知の温度制御回路を用いればよ
い。
び金属蒸気供給パイプ21の各部の温度を適値に保つよ
うにこれらを通して流れる電流を制御する制御回路を設
けておく。この制御回路としては、制御すべき部分の温
度を検出して、その検出値が設定範囲に保たれるように
通電電流を制御する公知の温度制御回路を用いればよ
い。
【0048】なお金属蒸気発生装置においては、リザー
バタンク20の温度を厳密に制御すればよく、金属蒸気
供給パイプ21の各部は、気化した金属が固化してない
程度に十分に高い温度に保たれればよい。従って、本発
明を実施するに当っては、金属蒸気供給パイプの断面積
をリザーバタンク20の断面積よりも小さくすることに
より、常にリザーバタンクからの発熱量より金属蒸気供
給パイプの各部からの発熱量の方が多くなるように構成
して、リザーバタンク20の温度のみを検知して温度制
御を行うように温度制御回路を構成すれば十分である。
バタンク20の温度を厳密に制御すればよく、金属蒸気
供給パイプ21の各部は、気化した金属が固化してない
程度に十分に高い温度に保たれればよい。従って、本発
明を実施するに当っては、金属蒸気供給パイプの断面積
をリザーバタンク20の断面積よりも小さくすることに
より、常にリザーバタンクからの発熱量より金属蒸気供
給パイプの各部からの発熱量の方が多くなるように構成
して、リザーバタンク20の温度のみを検知して温度制
御を行うように温度制御回路を構成すれば十分である。
【0049】リザーバタンク20の断面積を十分に小さ
くできないために、該リザーバタンクからの発熱量が不
足がちになる場合や、継手24の部分からの放熱量が多
いためにリザーバタンク20が冷えやすい場合には、リ
ザーバタンク20及び継手24の部分を覆うように断熱
材からなるカバー64を取り付けて、リザーバタンク2
0の温度が低下しないようにする措置を講じればよい。
くできないために、該リザーバタンクからの発熱量が不
足がちになる場合や、継手24の部分からの放熱量が多
いためにリザーバタンク20が冷えやすい場合には、リ
ザーバタンク20及び継手24の部分を覆うように断熱
材からなるカバー64を取り付けて、リザーバタンク2
0の温度が低下しないようにする措置を講じればよい。
【0050】その他の構造は図2に示した従来のイオン
源の構造と同様であり、本発明に係わるイオン源の動作
は、リザーバタンク20及び金属蒸気供給パイプ21
が、それぞれを流れる電流により発生するジュール熱に
より加熱される点を除き、従来のイオン源のそれと同様
である。
源の構造と同様であり、本発明に係わるイオン源の動作
は、リザーバタンク20及び金属蒸気供給パイプ21
が、それぞれを流れる電流により発生するジュール熱に
より加熱される点を除き、従来のイオン源のそれと同様
である。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、リザー
バタンク及び金属蒸気供給パイプ自体に通電することに
より発熱させて、リザーバタンク及び金属蒸気供給パイ
プを加熱するようにしたので、通電する電流の大きさの
変化に対する各部の熱応答を早くして、各部の温度コン
トロールを的確に行わせることができる利点がある。
バタンク及び金属蒸気供給パイプ自体に通電することに
より発熱させて、リザーバタンク及び金属蒸気供給パイ
プを加熱するようにしたので、通電する電流の大きさの
変化に対する各部の熱応答を早くして、各部の温度コン
トロールを的確に行わせることができる利点がある。
【0052】また本発明によれば、金属蒸気供給パイプ
自体で発熱を生じさせるようにしたので、金属蒸気供給
パイプの各部の温度の低下を防ぐことができ、金属蒸気
供給パイプの温度の低下により、気化した金属蒸気の流
通が妨げられるのを防ぐことができる。
自体で発熱を生じさせるようにしたので、金属蒸気供給
パイプの各部の温度の低下を防ぐことができ、金属蒸気
供給パイプの温度の低下により、気化した金属蒸気の流
通が妨げられるのを防ぐことができる。
【0053】更に本発明によれば、リザーバタンク及び
金属蒸気供給パイプの各部の温度を容易に適温に維持す
ることができるため、イオン化装置に過剰な金属蒸気が
供給されるおそれをなくすことができ、過剰な金属蒸気
の供給によりイオン化装置の内部が早期に汚染されるの
を防ぐことができる。
金属蒸気供給パイプの各部の温度を容易に適温に維持す
ることができるため、イオン化装置に過剰な金属蒸気が
供給されるおそれをなくすことができ、過剰な金属蒸気
の供給によりイオン化装置の内部が早期に汚染されるの
を防ぐことができる。
【0054】また本発明によれば、リザーバタンク及び
金属蒸気供給パイプ自体で発熱させるので、リザーバタ
ンク及び金属蒸気供給パイプの熱容量を特に大きくして
おく必要がない。そのため、イオンの発生を停止させた
後、リザーバタンク及び金属蒸気供給パイプの冷却を短
時間で行わせることができる。
金属蒸気供給パイプ自体で発熱させるので、リザーバタ
ンク及び金属蒸気供給パイプの熱容量を特に大きくして
おく必要がない。そのため、イオンの発生を停止させた
後、リザーバタンク及び金属蒸気供給パイプの冷却を短
時間で行わせることができる。
【図1】本発明に係わるイオン源で用いる金属蒸気発生
装置の構成例を示した断面図である。
装置の構成例を示した断面図である。
【図2】従来のイオン源の要部の構成を示した断面図で
ある。
ある。
1 イオン源容器 2 フランジ板 19 アルカリ金属 20 リザーバタンク 21 金属蒸気供給パイプ 24 継手 26 管継手 59 加熱電源
Claims (1)
- 【請求項1】 アルカリ金属を気化させて金属蒸気を発
生させる金属蒸気発生装置と、 前記金属蒸気発生装置から供給された金属蒸気を構成す
るアルカリ金属分子の一部を加熱してイオン化するイオ
ン化手段と、該イオン化手段により生成されたアルカリ
金属イオンをターゲットに衝突させて該ターゲットの構
成分子を前記金属蒸気中にスパッタさせるスパッタリン
グ装置とを備えて、前記ターゲットからスパッタされた
分子を前記金属蒸気に含まれる中性のアルカリ金属分子
に接触させてイオン化するイオン化装置と、 前記イオン化装置により生成されたターゲットの構成分
子のイオンを外部に引出すイオン引出し電極とを備えた
イオン源において、 前記金属蒸気発生装置は、 気化させるアルカリ金属を収容する導電性のリザーバタ
ンクと、 一端が前記リザーバタンク内に連通させられるとともに
該リザーバタンクに電気的に接続され、他端が前記イオ
ン化装置に連通させられた導電性の金属蒸気供給パイプ
と、 前記リザーバタンクと金属蒸気供給パイプとに電圧を印
加する加熱電源とを具備し、 前記加熱電源から前記リザーバタンクと金属蒸気供給パ
イプとを通して電流を流すことにより前記リザーバタン
ク及び金属蒸気供給パイプで発熱させ、前記リザーバタ
ンクで生じる発熱により該リザーバタンク内のアルカリ
金属を溶融させて気化させることを特徴とするイオン
源。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9154944A JPH113666A (ja) | 1997-06-12 | 1997-06-12 | イオン源 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9154944A JPH113666A (ja) | 1997-06-12 | 1997-06-12 | イオン源 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH113666A true JPH113666A (ja) | 1999-01-06 |
Family
ID=15595348
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9154944A Withdrawn JPH113666A (ja) | 1997-06-12 | 1997-06-12 | イオン源 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH113666A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014038858A (ja) * | 2005-01-14 | 2014-02-27 | Kaneko Hiroyuki | イオン源原及びプラズマ源 |
-
1997
- 1997-06-12 JP JP9154944A patent/JPH113666A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014038858A (ja) * | 2005-01-14 | 2014-02-27 | Kaneko Hiroyuki | イオン源原及びプラズマ源 |
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