JPH1136005A - プレス成形用複合金型材およびその製造方法、並びに該複合金型材からなるプレス成形用金型 - Google Patents
プレス成形用複合金型材およびその製造方法、並びに該複合金型材からなるプレス成形用金型Info
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Abstract
合された金型構成用ブロックを提供する。金型の裏板へ
の溶接、ボルト締結による固定は鋼材を介して容易に行
われ、当該ブロックを配列することにより種々の形状の
金型を作製することが可能となる。金型のプレス加工面
となる超硬合金焼結体の表層部は耐摩耗性に優れ、耐久
性を有する金型面が形成される。 【解決手段】 炭化タングステン基超硬合金と鋼材とを
一体に接合した金型材のブロックであって、表層部は結
合相成分の含有量が少なく、表層部から内層部にかけて
段階的に結合相成分の含有量を増加させた少なくとも3
層の炭化タングステン基超硬合金の焼結体からなり、内
層部に鋼材が拡散反応により接合している。このブロッ
クを配列して金型面を構成し、プレス成形用金型とす
る。
Description
材、とくに鉱石粉末原料から焼成タイルを作製する場合
のプレス工程で使用される金型を構成するためのブロッ
クとなる金型用材、およびその製造方法、並びに該金型
用材料から形成されるプレス成形用金型に関する。
たダイス鋼(JIS SKD11 など) に代表される鋼製のもの
が多く使用されているが、プレス成形の対象物が鉱石粉
体のように硬質な場合には、耐摩耗性の面で問題がある
ため、この問題を改善するために、結合相成分としてC
o、Niを含有させた炭化タングステン(WC)からな
るWC−Co系、WC−Ni系、その他の超硬合金プレ
ートに、鋼材をろう付け接合したものが提案されてい
る。
う付けする場合には、ろう切れの問題があり、超硬合金
と鋼材の熱膨張係数が大きく相違するため、この熱膨張
係数の差に起因して超硬合金側に応力が生じ、ろう付け
温度からの冷却時あるいは使用中の温度変化や僅かな衝
撃で、超硬合金に変形や割れが生じるという問題もあ
る。また、ろう付けでは接合強度も低く信頼性に欠け
る。
るために、金型用鋼材の表層部に、溶射、CVD、PV
D、メッキなどの表面被覆法を利用して硬質材料を被覆
し、高硬度とすることも提案されているが、溶射では気
孔が生じ易く、CVD、PVDでは被覆厚さに限界があ
り、メッキにおいては好適な硬質材料が存在せず、ま
た、これらの表面被覆法では母材との密着性が十分でな
く、プレス圧を受けた場合に亀裂、剥離が生じ易くな
り、いずれも満足すべき効果を達成することができな
い。
をCoなどの結合相成分の含有量の少ないWC基超硬合
金より形成し、内層部ほど結合相成分の含有量が多くな
るよう、WC基超硬合金を層状に段階的に積層した後、
通電焼結して一体の複合超硬合金焼結体を作製し、表層
部は耐摩耗性を高め、結合相成分含有量が多い内層部は
ステンレス鋼や炭素鋼材への直接溶接を可能とした超硬
合金材料が提案されている。(特開平7-300375号公報)
た場合には、性能的には満足すべき結果を得ることがで
きるが、この超硬合金材料に鋼材をろう付けあるいは溶
接により接合した後に、これをさらに鋼材などからなる
金型の裏板に、溶接、ボルト締結などの手段により固定
しなければならないため、金型作製のための工程が長く
なり、また、金型においては厳密な寸法公差を必要とす
るが、二度の接合工程を経るために、寸法面でも問題が
生じ易い。
を解消するためになされたものであり、その目的は、プ
レス成形面の耐摩耗性が改善され、金型の裏板に溶接、
ボルト締結などによって直接固定することができ、金型
作製工程の短縮を可能とするプレス成形金型を構成する
ためのブロックとなる複合金型材およびその製造方法、
並びに該複合金型ブロックから形成されるプレス成形用
金型を提供することにある。
めの本発明による金型を構成するためのブロックとなる
プレス成形用複合金型材は、炭化タングステン基超硬合
金と鋼材とを一体に接合した金型材であって、表層部は
結合相成分の含有量が少なく、表層部から内層部にかけ
て段階的に結合相成分の含有量を増加させた少なくとも
3層の炭化タングステン基超硬合金の焼結体からなり、
内層部に鋼材が拡散反応によって接合していることを構
成上の第1の特徴とする。
の焼結体は、表層部が結合相成分を5〜12%を含有す
る炭化タングステン基超硬合金、中間層が結合相成分を
10〜20%含有する炭化タングステン基超硬合金、内
層部が結合相成分を20〜40%含有する炭化タングス
テン基超硬合金の3層からなることを第2の特徴とす
る。
プレス成形用複合金型材が、表層部を上面、内層部に接
合された鋼材を下面として所定形状に配列され、下面の
鋼材が裏板と固定されて金型面を構成することを特徴と
する。
ブロックとなるプレス成形用複合金型材の製造方法は、
粉末材料を成形ダイ中に装入し、上パンチおよび下パン
チで圧縮して圧粉体とするとともに、該圧粉体にパンチ
を通して電圧を印加し通電焼結することにより焼結体と
する方法において、成形ダイにセットした下パンチの上
に所定形状に成形した鋼材を載置し、該鋼材上に、結合
相成分の含有量が段階的に少なくなるよう調整した炭化
タングステン基超硬合金の粉末を順に3層以上積層充填
した後、上パンチをセットして、該粉末を圧縮、通電焼
結して焼結体とするとともに、該焼結体と前記鋼材とを
拡散反応により接合することを特徴とする。
に示すように、炭化タングステン基超硬合金2と鋼材3
とを一体に接合したものであって、炭化タングステン基
超硬合金2は焼結体であり、表層部4は、Co、Ni、
Feなどの結合相成分の含有量が少なく、表層部4から
内層部6にかけて段階的に結合相成分の含有量を増加さ
せた少なくとも表層部4、中間層部5、内層部6の3層
からなり、内層部6に鋼材3が拡散反応によって接合し
ている。
硬合金として、WC−Co系、WC−Ni系、WC−C
o−Ni系、WC−Fe系などが使用可能である。炭化
タングステン基超硬合金の焼結体2は少なくとも3層と
する。この目的は、表層部4と内層部6との熱膨張係数
の差を少なくし、熱膨張差に起因する応力発生を緩和す
るためで、層数は、結合相成分の種類、含有量、金型材
の寸法などに応じて決定される。
分を5〜12%を含有する炭化タングステン基超硬合
金、中間層5が結合相成分を10〜20%含有する炭化
タングステン基超硬合金、内層部6が結合相成分を20
〜40%含有する炭化タングステン基超硬合金とするの
が好ましく、この構成により、表層部4と内層部6との
熱膨張差を少なくして応力を減少させ、変形や割れの発
生を抑制することができる。
型面を構成するエレメントとなる小ブロックであり、図
2に示すように、プレス成形用複合金型材1が、表層部
4を上面、内層部6に接合された鋼材3を下面として所
定形状に配列され、下面の鋼材3が鋼板などの裏板8と
固定されて金型面7となる。
大きくすると、超硬合金部で撓みが生じ易く、割れに到
る場合もあり、また超硬合金部の焼結が不均一になるこ
ともあるが、本発明では、複合金型材を小ブロックと
し、このブロックを金型の形状に応じて組合わせ、裏板
と固定する構成の金型面としたため、図2の1Aに示す
ように、各ブロックを単独で修理、取り替えることが可
能となる。また、金型の使用に際して、金型面がそれぞ
れ独立した小ブロックから構成されているため、プレス
加工時の応力が分散して、プレス加工時の応力により金
型面が損傷するなどのトラブルを回避することができ
る。
は、溶接、ボルト締結などの手段により行われるが、複
合金型材1の裏板8との固定側は鋼材3であるから、鋼
同士の溶接となり、常法によりきわめて簡単に接合する
ことができる。鋼材3に対するボルト孔の加工もきわめ
て容易であり、裏板鋼板とのボルト締結は簡単に行われ
る。なお、ボルト締結によった場合には、損傷した金型
材ブロックを金型面から取り外し、その修理、取り替え
をより簡単に実施することができるという利点がある。
また、ボルト締結と、キー溝による位置決め方法を並用
することにより、より精度の良い構成とすることができ
る。
電焼結により行われる。通電焼結は、図3にその装置構
成の要部を示すように、真空容器(図示せず)内に設け
られた焼結炉(図示せず)に成形ダイ9と成形ダイ9に
挿入される上パンチ10および下パンチ11からなる成
形型を配設し、成形ダイ9内に粉末材料Mを装入して、
パンチ10、11に荷重Pとして、例えば、100〜1
000kg/cm2 の荷重を付加し、粉末材料Mを上下
から圧縮するとともに、パンチ10、11を通して粉末
材料Mに電圧を印加し通電することにより行われてい
る。成形ダイは炭素材、超硬合金などからなり、パンチ
も同じく炭素材、超硬合金などから構成される。
成形ダイ9に下パンチ11をセットし、下パンチ11に
予め所定形状に成形加工した炭素鋼などの鋼材12を載
置し、鋼材12上に、まず、Co、Ni、Feなどの結
合相成分の含有量の多い炭化タングステン(WC)基超
硬合金粉末13を充填し、さらに結合相成分の含有量が
段階的に少なくなる炭化タングステン(WC)基超硬合
金粉末14、15を積層充填した後、上パンチ10をセ
ットして軽く加圧して通電焼結機に装着し、パンチを作
動して所定圧力まで加圧し、ついでパンチ10、11を
通して通電し、超硬合金粉末を加熱焼結する。
結合相成分の含有量が異なる3層以上の炭化タングステ
ン(WC)基超硬合金からなる超硬合金の焼結体に鋼材
が一体に接合した複合金型材が得られる。鋼材と接合す
る超硬合金部(内層部)は、結合相成分を多く含有して
おり、靭性、鋼に対する接合性(ぬれ性)が高いから、
焼結温度域で鋼材と拡散反応し冶金的に強固に接合す
る。一方、表層部は結合相成分の含有量が少ないから、
耐摩耗性に優れた金型のプレス加工面を形成することが
できる。
などの各層の厚さは、使用条件に応じて、数mmから数
十mmになるように調整する。鋼材の厚さは、プレス
圧、裏板との固定法などに応じて、数mmから数百mm
の範囲とする。なお、鋼材として低炭素鋼を使用する場
合には、接合時に超硬合金側のC(炭素)量を減少さ
せ、η相を形成させるため、0.6%以上の炭素量を含
有する炭素鋼または合金鋼が好ましい。
る硬さが要求されるとともに、材料粉末の移動に対する
耐アブレシブ摩耗、高負荷に耐える剛性、耐撓み性など
が必要とされるが、本発明によれば、熱処理した鋼の数
倍から数十倍の耐摩耗性をそなえ、プレス加工時の高圧
負荷に十分に耐え得る金型を構成できる金型材を得るこ
とができる。
mの黒鉛製の円筒状成形ダイと、同じく黒鉛製の上パン
チおよび下パンチを組合わせ、まず、成形ダイ内にセッ
トされた下パンチ上に厚さ10mmの炭素鋼板を載置
し、その上に、平均粒径1.5μmのWC粉末に、平均
粒径1μmのCo粉末をそれぞれ、6%、12%および
24%配合したWC−Co系超硬合金粉末を、Co含有
量が高い順に3段階に積層充填した。
さがそれぞれ5mmとなるように、100kg/cm2
の圧力で加圧した後、通電焼結機に装着し、さらに、5
00kg/cm2 の加圧力で圧縮成形するとともに通電
(電流:2000A)して、1200℃の温度に昇温
し、120秒間保持することにより通電焼結し、径30
mm、高さ17.5mm(鋼板部:10mm厚さ)の複
合焼結体を得た。
分に切断し、その一方について切断面を研磨し、切断面
を顕微鏡で観察したところ、割れや気孔はみられず、各
層の境界部が完全に拡散接合されているのが認められ
た。複合焼結体のCo:6%を含有する表層部の硬さ
は、Hv1750kg/mm2 であった。
焼結体の鋼板部分を厚さ30mmのステンレス鋼板にN
i溶接棒を使用してアーク溶接したところ、鋼板同士の
溶接のため、溶接は容易であり、溶接強度、衝撃強度の
十分に高い接合部が形成された。
結体を用い、Co:6%を含有する表層部について耐摩
耗性試験を行った。耐摩耗試験はオルゼン型摩耗試験機
により、研磨テーブル上に#80アルミナ砥粒を置き、
研磨テーブルを50rpmで回転させ、乾式で、複合焼
結体の表層部を荷重400kg/cm2 で押し付け、6
00回転後の摩耗量を測定したところ、摩耗体積は約3
×10-4cm2 (重量減:約5.1mg)であり、きわ
めて優れた耐摩耗性を有していた。
金焼結体と鋼材とが冶金的に一体に接合された金型構成
用ブロックが得られるから、金型の裏板への溶接、ボル
ト締結手段による固定が鋼材を介して容易に行われ、当
該ブロックを配列することにより種々の形状のプレス成
形用金型を作製することが可能となる。金型のプレス加
工面となる超硬合金焼結体の表層部は耐摩耗性に優れた
特性をそなえているから、耐久性を有する金型面が形成
される。金型に損傷などが生じた場合にも、各ブロック
を取り外して修理し、または取り替えることにより簡単
に修復することができる。
ク)を示す一部断面斜視図である。
成した金型の金型面を示す斜視図である。
図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 炭化タングステン基超硬合金と鋼材とを
一体に接合した金型材であって、表層部は結合相成分の
含有量が少なく、表層部から内層部にかけて段階的に結
合相成分の含有量を増加させた少なくとも3層の炭化タ
ングステン基超硬合金の焼結体からなり、内層部に鋼材
が拡散反応によって接合していることを特徴とする金型
を構成するためのブロックとなるプレス成形用複合金型
材。 - 【請求項2】 炭化タングステン基超硬合金の焼結体
は、表層部が結合相成分を5〜12%(mass%、以
下同じ)を含有する炭化タングステン基超硬合金、中間
層が結合相成分を10〜20%含有する炭化タングステ
ン基超硬合金、内層部が結合相成分を20〜40%含有
する炭化タングステン基超硬合金の3層からなることを
特徴とする請求項1記載のプレス成形用複合金型材。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のプレス成形用複
合金型材が、表層部を上面、内層部に接合された鋼材を
下面として所定形状に配列され、下面の鋼材が裏板と固
定されて金型面を構成することを特徴とするプレス成形
用金型。 - 【請求項4】 粉末材料を成形ダイ中に装入し、上パン
チおよび下パンチで圧縮して圧粉体とするとともに、該
圧粉体にパンチを通して電圧を印加し通電焼結すること
により焼結体とする方法において、成形ダイにセットし
た下パンチの上に所定形状に成形した鋼材を載置し、該
鋼材上に、結合相成分の含有量が段階的に少なくなるよ
う調整した炭化タングステン基超硬合金の粉末を順に3
層以上積層充填した後、上パンチをセットし、該粉末を
圧縮、通電焼結して焼結体とするとともに、該焼結体と
前記鋼材とを拡散反応により接合することを特徴とする
金型を構成するためのブロックとなるプレス成形用複合
金型材の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP20855897A JP3764807B2 (ja) | 1997-07-17 | 1997-07-17 | プレス成形用複合金型材およびその製造方法、並びに該複合金型材からなるプレス成形用金型 |
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CN105728731A (zh) * | 2016-03-18 | 2016-07-06 | 沈阳飞机工业(集团)有限公司 | 一种用增材制造技术增强刀具刃口强度的方法 |
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1997
- 1997-07-17 JP JP20855897A patent/JP3764807B2/ja not_active Expired - Fee Related
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