JPH1135979A

JPH1135979A - 洗浄剤組成物

Info

Publication number: JPH1135979A
Application number: JP19562097A
Authority: JP
Inventors: Kiyoko Yamamoto; 清子山本
Original assignee: Kanebo Ltd
Current assignee: Kanebo Ltd
Priority date: 1997-07-22
Filing date: 1997-07-22
Publication date: 1999-02-09

Abstract

(57)【要約】【課題】皮膚や毛髪に対し刺激が少なく、泡立ちの量と
早さ、クリーミー性に優れ、洗浄後の使用感に優れた弱
酸性領域でも安定な洗浄剤組成物を提供する。【解決手段】（Ａ）Ｎ−アシルグリシン又はその塩と、
（Ｂ）アルキルイミノジカルボキシレ−ト型両性界面活
性剤とを（Ａ）／（Ｂ）が１０／１〜１／１０の割合で
含有することを特徴とする洗浄剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚や毛髪に対し
刺激が少なく、泡立ちの量と早さ、クリーミー性に優
れ、洗浄後の使用感に優れた洗浄剤組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、洗浄剤組成物には、高級脂肪酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩やアル
キルベンゼンスルホン酸塩などの陰イオン型界面活性剤
が主成分として用いられている。しかし、これらの界面
活性剤は洗浄力は優れているが、すすぎ時のぬるつき、
使用後のつっぱり感など使用感に問題があり、更に皮膚
や毛髪などの人体に対する刺激が強いという問題もあ
る。

【０００３】特に近年、肌荒れ、毛髪の傷み等、消費者
の安全性に関する意識の高まりから「皮膚や毛髪にやさ
しい」といった低刺激性である洗浄剤組成物が要求され
ており、そのような皮膚や毛髪に対して刺激が少なく、
優れた洗浄力を有する界面活性剤として、アシルアミノ
酸型陰イオン型界面活性剤が検討されている。しかし、
従来のアシルアミノ酸型陰イオン型界面活性剤を主成分
とする洗浄剤組成物は、泡のクリーミーさに欠ける、使
用時のぬめり、粘度調製が困難などの問題が残ってい
る。

【０００４】また陰イオン型界面活性剤と比較して、よ
り皮膚に対して安全性の高い界面活性剤として知られて
いる両性界面活性剤を、陰イオン性界面活性剤に組み合
わせた洗浄剤組成物に関して多くの検討がなされている
が、これらの洗浄剤組成物は泡立ち、すすぎ時のぬめり
や乾燥前のべたつきなどの使用感に問題があり、十分な
効果を持つものではない。

【０００５】そこで近年、Ｎ−アシルグリシン塩にアミ
ノ酸及び糖を配合し、安全性、泡立ち速度、使用感に優
れた洗浄剤組成物（特開平７−３３１２８１号公報）、
無機塩、ポリオールを含有し粘度調製された洗浄剤組成
物（特開平８−５３６９３号公報）、特定の界面活性剤
を併用した安全性、泡切れ、使用感に優れた洗浄剤組成
物（特開平８−１３４４９４号公報）等が報告されてい
る。しかしながら、これらの洗浄剤組成は弱酸性領域や
低濃度での泡量、使用感が日常の使用において未だ満足
なものでなかった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明者は、このよう
な状況に鑑み、鋭意研究した結果、本発明を完成したも
のであって、その目的とするところは、皮膚や毛髪に対
し刺激が少なく、泡立ちの量と早さ、クリーミー性に優
れ、洗浄後の使用感に優れた弱酸性領域でも安定な洗浄
剤組成物を提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
（Ａ）Ｎ−アシルグリシン又はその塩と、（Ｂ）アルキ
ルイミノジカルボキシレ−ト型両性界面活性剤とを
（Ａ）／（Ｂ）が１０／１〜１／１０の割合で含有する
ことを特徴とする洗浄剤組成物にある。また、ｐＨが
５．５〜７．５である上記洗浄剤組成物にある。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳述す
る。

【０００９】本発明において使用されるＮ−アシルグリ
シン又はその塩におけるＮ−アシル基としては、オクタ
ノイル、デカノイル、ラウロイル、ミリストイル、パル
ミトイル、ステアロイル、オレオイル、リノレオイル、
ヤシ油脂肪酸アシル、パーム核油脂肪酸アシルなどの炭
素数８〜２２のアシル基が挙げられる。また、塩の塩基
成分には、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カ
ルシウム等のアルカリ土類金属、トリエタノールアミ
ン、コリン等のアルカノールアミン、リジン、オルニチ
ン、アルギニン等の塩基性アミノ酸等を例として挙げる
ことができる。

【００１０】本発明の洗浄剤組成物において、Ｎ−アシ
ルグリシン及び／又はその塩は、それぞれ単独又は二種
以上を組み合わせて好適に使用される。Ｎ−アシルグリ
シン及び／又はその塩の本発明の組成物における配合量
としては、組成物全量に対して１〜９５重量％であり、
好ましくは５〜８５重量％である。配合量が１重量％未
満であると満足な使用感を得ることが出来ない場合があ
り、９５重量％を超えると組成物の安定性が損なわれ、
分離する場合がある。

【００１１】本発明において使用されるアルキルイミノ
ジカルボキシレート型両性界面活性剤としては、次の一
般式（１）で表される。

【化１】（式中、Ｒ₁は炭素数１０〜２２のアルキル基又はアル
ケニル基、Ｒ₂、Ｒ₃は炭素数１〜３のアルキレン基、
Ｍ₁、Ｍ₂は水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、
アンモニウム、有機アンモニウムを示す。）

【００１２】具体的には、式（１）中、Ｒ₁のアルキル
基又はアルケニル基としては、ラウリル基、ミリスチル
基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基、ヤシ油
脂肪酸基等が挙げられ、該アルキル基又はアルケニル基
の炭素数が、９以下では毛髪や皮膚への刺激が強くな
り、２３以上では起泡性、経時安定性が低下する。
Ｒ₂、Ｒ₃のアルキレン基としては、メチレン基、エチ
レン基、プロピレン基等が挙げられる。Ｍ₁、Ｍ₂の対
イオンは、水素、リチウム、ナトリウム、カリウム、１
／２カルシウム、１／２マグネシウム、アンモニウム、
トリエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウ
ム、モノエタノールアンモニウム等が挙げられる。

【００１３】本発明の洗浄剤組成物において、アルキル
イミノジカルボキシレート型両性界面活性剤は、一種又
は二種以上を組み合わせて好適に使用される。アルキル
イミノジカルボキシレートの本発明の洗浄剤組成物にお
ける配合量としては、１〜９０重量％であり、好ましく
は５〜８５重量％である。配合量が１重量％未満である
と満足な使用感を得ることが出来ない場合があり、９０
重量％を超えると組成物の安定性が損なわれ、分離する
場合がある。

【００１４】（Ａ）Ｎ−アシルグリシン及び／又はその
塩と、（Ｂ）アルキルイミノジカルボキシレート型両性
界面活性剤の配合比としては、（Ａ）／（Ｂ）は１０／
１〜１／１０の割合で配合される。（Ａ）／（Ｂ）が１
０／１を超えると泡立ちの速度、経時安定性が低下し、
１／１０未満では、泡のクリーミー性が低下する。

【００１５】本発明の洗浄剤組成物のｐＨとしては、皮
膚表面のｐＨとの相同性、低刺激性より５．５〜７．５
が特に好ましい。ｐＨが５．５未満では起泡性、安定性
が低下する場合があり、７．５を超えるとアルカリ性と
なり添加剤等の配合安定性が低下する場合がある。尚、
ｐＨの測定はＪＩＳＫ６２２０による。本発明の洗浄
剤組成物には本発明の効果を損なわない範囲において、
一般に用いられる水酸化ナトリウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化カリウム、クエン酸、乳酸、サリチル酸等の
ｐＨ調整剤を適宜用いることができる。

【００１６】本発明の洗浄剤組成物には、上記必須成分
の他に、本発明の効果を損なわない範囲であれば、更に
洗浄剤に一般に配合される成分、例えばアニオン界面活
性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、他の
両性界面活性剤、パール光沢剤、防腐剤、キレート剤、
包摂化合物、殺菌剤、抗炎症剤、紫外線吸収剤、粘度調
整剤、色素、香料、植物抽出液、高級アルコール、油性
成分等の任意成分を配合することができる。

【００１７】本発明の洗浄剤組成物は、シャンプー、ボ
ディシャンプー、洗顔料、シェービング料等として適用
することができ、固体、液体、エアゾールフォーム、ミ
ストなど様々な形態のものに用いることができ、特に剤
型にとらわれない。

【００１８】

【実施例】次に本発明を実施例をもって詳細に説明する
が、本発明はこれにより限定されるものではない。配合
量は重量％である。

【００１９】実施例１〜８、比較例１〜７下記表１記載の配合組成よりなる本発明にかかるボディ
シャンプーを常法により調製し、１０名のパネラーが官
能により、泡量、泡立ちの早さ、泡のクリーミー性、使
用感、低刺激性について「良い」「普通」「悪い」の３
段階で判定し、判定結果を「良い」と回答した人数によ
り評価した。

【００２０】評価基準は以下の通りである。 ◎：大変優れている ‥‥「良い」と回答したパネラー
の数が８名以上 ○：優れている ‥‥「良い」と回答したパネラーの数
が６名以上、８名未満 △：劣っている ‥‥「良い」と回答したパネラーの数
が４名以上、６名未満 ×：大変劣っている ‥‥「良い」と回答した試験解答
者の数が２名未満

【００２１】安定性に関しては、上記各ボディシャンプ
ーを５℃及び４５℃の恒温槽で各々１ヶ月保存し、その
外観を目視により評価した。

【００２２】評価基準は下記による。 ◎ ‥‥ 外観に変化なし ○ ‥‥ 外観にほとんど変化なし △ ‥‥ 外観に若干の変化あり（分離、沈殿等） × ‥‥ 外観に変化あり（分離、沈殿等）

【００２３】

【表１】

【００２４】（注１）化１の一般式（１）においてＲ₁
がラウリル基、Ｒ₂、Ｒ₃がメチレン基、Ｍ₁、Ｍ₂の
５０当量％がナトリウム、５０当量％が水素のものであ
る。（注２）化１の一般式（１）においてＲ₁がヤシ油アル
キル基、Ｒ₂、Ｒ₃がメチレン基、Ｍ₁、Ｍ₂の５０当
量％がカリウム、５０当量％が水素のものである。

【００２５】表１から明らかなように、本発明による洗
浄剤組成物は比較例に比べて、泡量、泡立ちの早さ、泡
のクリーミー性、使用感、安定性、低刺激性の点におい
て優れていた。

【００２６】実施例９（ボディシャンプー）下記の配合組成よりなるボディシャンプーを常法により
調製した。配合量ココイルグリシンカリウム２０アルキルイミノジカルボキシレート型界面活性剤（注３）２０ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド５グリセリン３ミリスチン酸１ステアリン酸ジエチレングリコール２メチルセルロース０．３クエン酸０．２ＥＤＴＡ０．２パラベン０．２香料１精製水バランス（ｐＨ６．６）（注３）化１の一般式（１）においてＲ₁がラウリル基、Ｒ₂、Ｒ₃がメチレン基、Ｍ₁、Ｍ₂の５０当量％がナトリウム、５０当量％が水素のものである。

【００２７】本発明の洗浄剤組成物である上記ボディシ
ャンプーは、安定性が優れており、泡量、泡立ちの早
さ、泡のクリーミー性、使用感、低刺激性の評価結果は
いずれも優れたものであった。

【００２８】実施例１０（ボディシャンプー）下記の配合組成よりなるボディシャンプーを常法により
調製した。配合量ココイルグリシンカリウム１０ラウロリルグリシントリエタノールアミン２０アルキルイミノジカルボキシレート型界面活性剤（注４）１０ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド５ミリスチン酸カリウム２プロピレングリコール２塩化ナトリウム３クエン酸０．２ＥＤＴＡ０．２パラベン０．２香料１精製水バランス（ｐＨ６．３）（注４）化１の一般式（１）においてＲ₁がラウリル基、Ｒ₂、Ｒ₃がメチレン基、Ｍ₁、Ｍ₂の５０当量％がナトリウム、５０当量％が水素のものである。

【００２９】本発明の洗浄剤組成物である上記ボディシ
ャンプーは、安定性が優れており、泡量、泡立ちの早
さ、泡のクリーミー性、使用感、低刺激性の評価結果は
いずれも優れたものであった。

【００３０】実施例１１（洗願フォーム）下記の配合組成よりなる洗願フォームを常法により調製
した。配合量ココイルグリシンカリウム１０アルキルイミノジカルボキシレート型界面活性剤（注５）２５ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン３ポリエチレングリコール３ソルビット（７０％水溶液）２塩化ナトリウム２クエン酸０．２ＥＤＴＡ０．２パラベン０．２精製水バランス（ｐＨ６．０）（注５）化１の一般式（１）においてＲ₁がラウリル基、Ｒ₂、Ｒ₃がメチレン基、Ｍ₁、Ｍ₂の５０当量％がナトリウム、５０当量％が水素のものである。

【００３１】本発明の洗浄剤組成物である上記洗願フォ
ームは、安定性が優れており、泡量、泡立ちの早さ、泡
のクリーミー性、使用感、低刺激性の評価結果はいずれ
も優れたものであった。

【００３２】

【発明の効果】上記記載の如く、本発明は、皮膚や毛髪
に対し刺激が少なく、泡立ちの量と早さ、クリーミー性
に優れ、洗浄後の使用感に優れた弱酸性領域でも安定な
洗浄剤組成物を提供するものである。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】（Ａ）Ｎ−アシルグリシン又はその塩
と、（Ｂ）アルキルイミノジカルボキシレ−ト型両性界
面活性剤とを（Ａ）／（Ｂ）が１０／１〜１／１０の割
合で含有することを特徴とする洗浄剤組成物。
【請求項２】ｐＨが５．５〜７．５である請求項１記
載の洗浄剤組成物。