JPH1135830A - 半導電性シリコーンゴム組成物及び半導電性シリコーンゴムロール - Google Patents

半導電性シリコーンゴム組成物及び半導電性シリコーンゴムロール

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JPH1135830A
JPH1135830A JP24335997A JP24335997A JPH1135830A JP H1135830 A JPH1135830 A JP H1135830A JP 24335997 A JP24335997 A JP 24335997A JP 24335997 A JP24335997 A JP 24335997A JP H1135830 A JPH1135830 A JP H1135830A
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修 林田
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A)下記平均組成式(1) R1 nSiO(4-n)/2 (1) (但し、式中R1は同一又は異種の1価炭化水素基であり、nは1.98〜2. 02の正数である。) で示され、分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキ サン 100重量部 (B)1次粒径が70nm以上で、かつDBP吸油量が50cc/100g以下 であるサーマルブラック及び/又はファーネスブラック 2〜200重量部 (C)硬化剤 上記(A)成分を硬化させ得る量 を含有してなることを特徴とする半導電性シリコーンゴ
ム組成物。 【効果】 本発明の半導電性シリコーンゴム組成物は、
特定の1次粒径及びDBP吸油量を有するサーマルブラ
ック及び/又はファーネスブラックを配合したことによ
り、高電圧下などに使用されるロール材料の材料固有の
抵抗値変化に対して安定であり、高電圧下における長期
の使用に耐え得る事務機等のロール材料、特に1×10
3〜1×1012Ω・cmの固有抵抗値に設定された半導
電性シリコーンゴムロール材料等に有効で、帯電ロー
ル、転写ロール、現像ロール用に好適に用いることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化して半導電領
域で安定した抵抗値となるシリコーンゴムを与え、複写
機、ファクシミリ等のOA機器の帯電ロール、転写ロー
ル、現像ロールなどの半導電性ロール材料として有効に
用いられる半導電性シリコーンゴム組成物及び半導電性
シリコーンゴムロールに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】事務機
用途のゴム材料の1つとしてロール材があるが、現在、
ゴム材料としては、シリコーンゴムをはじめとしてウレ
タンエラストマー、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム
等の様々な材料が使用され、またこれらの複合材料も提
案されている。
【0003】これらゴム材料は、電気的な絶縁用材料と
して、或いは静電気防止や電気導通路の目的で導電化材
を配合した導電性材料として様々な用途に用いられてき
たが、近年においては、特に1×103〜1×1012Ω
・cmの中抵抗領域の半導電性材料が複写機などのロー
ル材料に使用されるようになってきた。
【0004】この場合、半導電性ロール材料は、使用環
境のほとんどでゴム材料自身の抵抗値により流れる電流
をコントロールするため、例えば転写能力等の目的を持
たせるにはその抵抗値の安定性が非常に重要となってい
る。また、ロール材料に流れる電流値を安定化するた
め、更にはOPC上に電荷を有効に与えるため、100
V〜10kVの電圧をかけることが多い。
【0005】このような半導電性ロール材料は、そのほ
とんどが主に導電性カーボンを使用しており、例えば特
開平6−306289号公報では比表面積25〜50m
2/g,DBP吸油量100〜150cc/100g、
トルエン着色透過度90〜100%のファーネス法カー
ボンブラック、また特開平7−62241号公報では、
ΔDBP(DBP吸油量(JIS K−6221)と圧
縮後のDBP吸油量である24M4DBP吸油量(AS
TM−D3493)との差)40〜150cc/100
g,Dmod径(凝集体となったカーボンの粒径)25
0〜400nmであるファーネス法カーボンを使用した
ものが提案されている。
【0006】しかしながら、これらのカーボンを導電性
材料とした場合、このような高電圧下の使用環境では導
電性材料であるカーボンの安定性に限界があり、カーボ
ン−カーボン間のストラクチャーが断絶されたり、長時
間使用しているとカーボンの気化などにより設定した抵
抗値からはずれてしまうという問題があり、特に高電圧
になればなるほど、また電流を流せば流すほど上記現象
が顕著に現れてしまうという問題があった。
【0007】一方、通常の導電性カーボンブラックを用
いた場合、カーボンストラクチャーによるトンネル効果
により、電流と電圧の関係はオームの法則に従わず非線
形になることが知られる(L.K.H.van Bee
k and B.I.C.F.van Pul,J.A
ppl.Polymer Sci.,6,651(19
62))。精度の高い半導電領域の抵抗を管理しなけれ
ばならない現像ロール、転写ロールをはじめとするOP
C回りのロール特性として、これら電流と電圧の非線形
性は不合理である。そこで、この問題を解決する手法と
して、特開平6−192486号公報ではリン酸エステ
ルの添加、特開昭63−86205号公報、特開平8−
120176号公報ではチタン酸カリウイスカーの使用
が記載されているが、いずれも上記した電流と電圧の関
係の解決策として十分とはいい難いものであった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、高電圧下で使用してもロール材料の抵抗値を安定化
し得、高電圧下における電流と電圧の関係を線形に近付
けることができ、このためロール材料として好適に用い
ることができる半導電性シリコーンゴム組成物及び半導
電性シリコーンゴムロールを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、下記平均組成式(1) R1 nSiO(4-n)/2 (1) (但し、式中R1は同一又は異種の1価炭化水素基であ
り、nは1.98〜2.02の正数である。)で示さ
れ、分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2個有するオ
ルガノポリシロキサンと硬化剤を含有してなるシリコー
ンゴム組成物に、1次粒径が70nm以上であり、かつ
DBP吸油量が50cc/100g以下のサーマルブラ
ック及び/又はファーネスブラックを配合することによ
り、加工性、圧縮永久歪に優れ、シリコーンゴムに安定
に半導電性を付与し得、しかも高電圧下でも抵抗値変化
に対し安定であり、長期の使用に耐え得る事務機等のロ
ール材料になり得る半導電性シリコーンゴム組成物が得
られることを知見した。ここで半導電性とは、硬化した
シリコーンゴムの抵抗が1×103〜1×1012Ω・c
mの範囲にあることをいう。
【0010】即ち、上記平均組成式(1)で示されるオ
ルガノポリシロキサン100部(重量部、以下同様)
に、1次粒径70nm以上かつDBP吸油量50cc/
100g以下のサーマルブラック及び/又はファーネス
ブラックを2〜200部配合することにより、得られた
シリコーンゴム組成物は有機過酸化物又はオルガノハイ
ドロジェンポリシロキサン/白金系触媒単独でも、また
有機過酸化物とオルガノハイドロジェンポリシロキサン
/白金系触媒の併用系でも硬化し得、その成形物は、結
果的に高電圧下において導電材の変質が妨げられるため
に材料の抵抗値変化が少なく、長期の使用に耐え得るこ
とから、事務機等のロール材料に最適に使用できるもの
である。
【0011】なお、前述したように半導電性ロール材料
に導電性カーボンを使用することは公知であり、ファー
ネス法カーボンブラックを使用することも提案されてい
るが、本発明者は、種々のカーボンブラックの中で特に
1次粒径及びDBP吸油量が上記特定範囲のサーマルブ
ラック及び/又はファーネスブラックを使用すると、後
述した実施例の結果からもわかるように1次粒径又はD
BP吸油量が上記特定範囲外のもの(アセチレンブラッ
クやケッチェンブラック)と比較して抵抗値変化に極め
て安定なシリコーンゴムロールが得られることを知見し
た。
【0012】また、式(1)のオルガノポリシロキサン
に加え、下記平均組成式(2) R1 aSiO(4-a)/2 (2) (但し、式中R2は同一又は異種の脂肪族不飽和結合を
有さない1価炭化水素基であり、aは1.98〜2.0
2の正数である。)で示され、全R2基中の0.1〜1
00モル%がフェニル基であるオルガノポリシロキサン
を式(1)のオルガノポリシロキサン100重量部に対
し0.1〜60重量部配合することにより、この式
(2)のフェニル基含有オルガノポリシロキサンが、式
(1)のオルガノポリシロキサンと上記カーボンブラッ
クの仲立ちをしてカーボンブラックの分散を助け、上記
カーボンブラックをより安定に配合することができ、こ
のため高電圧下における導電性シリコーンゴムの変質を
防止して抵抗値変化をより少なくし得、安定な半導電性
を与え、長期の使用に十分耐えるシリコーンゴムロール
を提供し得ることを知見し、本発明をなすに至ったもの
である。
【0013】従って、本発明は、 (A)下記平均組成式(1) R1 nSiO(4-n)/2 (1) (但し、式中R1は同一又は異種の1価炭化水素基であり、nは1.98〜2. 02の正数である。) で示され、分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキ サン 100部 (B)1次粒径が70nm以上で、かつDBP吸油量が50cc/100g以下 であるサーマルブラック及び/又はファーネスブラック 2〜200部 (C)硬化剤 上記(A)成分を硬化させ得る量 を含有してなることを特徴とする半導電性シリコーンゴ
ム組成物、更に(D)下記平均組成式(2) R1 aSiO(4-a)/2 (2) (但し、式中R2は同一又は異種の脂肪族不飽和結合を
有さない1価炭化水素基であり、aは1.98〜2.0
2の正数である。)で示され、全R2基中の0.1〜1
00モル%がフェニル基であるオルガノポリシロキサン
を0.1〜60重量部配合した半導電性シリコーンゴム
組成物、及び、これらの組成物を成形、硬化してなる半
導電性シリコーンゴムロールを提供する。この場合、上
記組成物に発泡剤を加え、シリコーンゴムスポンジとす
ることもできる。
【0014】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明に係る半導電性シリコーンゴム組成物の第1必須成分
のオルガノポリシロキサンは、下記平均組成式(1)で
示されるものである。 R1 nSiO(4-n)/2 (1) (但し、式中R1は同一又は異種の1価炭化水素基であ
り、nは1.98〜2.02の正数である。)
【0015】ここで、上記式中、R1は、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、
シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、ア
リル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、
フェニル基、トリル基等のアリール基、またはこれらの
基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロ
ゲン原子、シアノ基等で置換したクロロメチル基、トリ
フルオロプロピル基、シアノエチル基等から選択される
同一又は異種の好ましくは炭素数1〜10、より好まし
くは1〜8の非置換又は置換の1価炭化水素基である。
この場合、R1は脂肪族不飽和基(アルケニル基)を少
なくとも2個有していることが必要であるが、R1中の
脂肪族不飽和基の含有量は0.001〜20モル%、特
に0.025〜5モル%であることが好ましい。また、
nは1.98〜2.02の正数である。
【0016】上記式(1)のオルガノポリシロキサン
は、一部分岐していてもよいが、基本的には直鎖状であ
ることが好ましい。また、分子構造の異なる1種又は2
種以上の混合物であってもよい。
【0017】更に、上記オルガノポリシロキサンは、平
均重合度が100〜20,000、特に3,000〜1
0,000であることが好ましい。
【0018】本発明の第2必須成分として用いるカーボ
ンブラックは、本発明の特徴的成分であり、1次粒径が
70nm以上で、かつDBP吸油量が50cc/100
g以下のものであればサーマルブラックでもファーネス
ブラックでもよい。ここで、サーマルブラックは天然ガ
スやアセチレンガスと高温熱分解して得られるものであ
り、ファーネスブラックは天然ガスや芳香族油と部分燃
焼させて得られるものである。なお、1次粒径70nm
以上かつDBP吸油量50cc/100g以下という条
件は、このカーボンブラックのストラクチャーが発達し
ていないこと、即ち、導電性が低いことを意味するもの
で、このようなカーボンブラックは、高電圧下のショッ
トキー効果が起こりにくく、従って高電圧下での抵抗の
低下も少ないものである。
【0019】ここで、1次粒径は70nm以上、好まし
くは70〜100nmであり、70nmに満たないと高
電圧下での抵抗の低下が大きくなる。
【0020】また、DBP吸油量は、JIS K−62
21−1982に示されたジブチルフタレート吸収量を
示すもので、50cc/100g以下、好ましくは20
〜45cc/100gである。DBP吸油量が50cc
/100gを超えると、カーボンのストラクチャーが発
達しすぎて高電圧下での抵抗の低下が大きくなる。
【0021】このようなカーボンブラックの具体例とし
ては、HTC20,HTCSL(新日化カーボン(株)
製)、旭15番,旭サーマル(旭カーボン(株)製)等
が挙げられる。
【0022】上記カーボンブラックの配合量は、第1成
分のオルガノポリシロキサン100部に対して2〜20
0部、望ましくは10〜100部であり、この範囲が半
導電領域を得るために好適である。添加量が2部に満た
ないと、ほぼ絶縁性になってしまい、目的の効果が認め
られず、200部を超えると導電性になりすぎたり、物
理的(機械的)特性が低下する。
【0023】本発明において第3必須成分の硬化剤とし
ては、既知のオルガノハイドロジェンポリシロキサン/
白金系触媒(付加反応用硬化剤)や有機過酸化物触媒を
使用し得る。
【0024】白金系触媒としては公知のものが使用で
き、具体的には白金元素単体、白金化合物、白金複合
体、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール化合物、アル
デヒド化合物、エーテル化合物、各種オレフィン類との
コンプレックスなどが例示される。白金系触媒の添加量
は、第1成分のオルガノポリシロキサンに対し白金原子
として1〜2,000ppmの範囲が望ましい。
【0025】一方、オルガノハイドロジェンポリシロキ
サンは、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよ
いが、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上
のSiH基を有し、重合度が300以下のものが好まし
く、例えばジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封
鎖されたジオルガノポリシロキサン、ジメチルシロキサ
ン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端
トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジメチルハイド
ロジェンシロキサン単位(H(CH32SiO0.5
位)とSiO2単位とからなる低粘度流体、1,3,
5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テト
ラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,
5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラ
メチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジハイドロジ
ェン−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメ
チルシクロテトラシロキサンなどが例示される。
【0026】この硬化剤としてのオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサンの添加量は、第1成分のオルガノポリ
シロキサンの脂肪族不飽和基(アルケニル基)に対し
て、珪素原子に直結した水素原子が50〜500モル%
となる割合が望ましい。
【0027】また、有機過酸化物触媒としては、例えば
ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイ
ルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイ
ド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチ
ル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾ
エートなどが挙げられる。有機過酸化物触媒の添加量
は、第1成分のオルガノポリシロキサン100部に対し
て0.1〜5部とすればよい。
【0028】本発明の組成物には、下記平均組成式
(2) R1 aSiO(4-a)/2 (2) (但し、式中R2は同一又は異種の脂肪族不飽和結合を
有さない1価炭化水素基であり、aは1.98〜2.0
2の正数である。)で示され、全R2基中の0.1〜1
00モル%がフェニル基であるオルガノポリシロキサン
を配合することが好ましい。このフェニル基含有オルガ
ノポリシロキサンは、シリコーンゴム中でカーボンブラ
ックとシリコーンゴムの仲立ちをしてカーボンブラック
の分散を助け、カーボンブラックを安定に配合する作用
を有するものと考えられる。
【0029】上記式(2)において、R2としては、脂
肪族不飽和結合を含有しないR1と同様の基が挙げられ
るが、全R2基の0.1〜100モル%、好ましくは1
〜50モル%、更に好ましくは2〜30モル%がフェニ
ル基である。フェニル基が0.1モル%より少ないと、
このオルガノポリシロキサンの配合効果が発揮されな
い。
【0030】なお、このオルガノポリシロキサン末端は
トリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基のような
トリオルガノシリル基でもシラノール基でもよい。
【0031】aは1.98〜2.02の正数であり、こ
のオルガノポリシロキサンは、基本的には直鎖状である
ことが好ましいが、分子構造の異なる1種又は2種以上
の混合物であってもよい。
【0032】上記式(2)のオルガノポリシロキサン
は、オイル状でも生ゴム状でもよく、平均重合度は2〜
20,000、特に3〜10,000であることが好ま
しい。
【0033】この式(2)のフェニル基含有オルガノポ
リシロキサンの配合量は、第1成分のオルガノポリシロ
キサン100部に対して0.1〜60部、好ましくは1
〜40部である。配合量が0.1部より少ないとその配
合効果が発揮されず、60部を超えると反撥弾性などの
物性を損ねる。
【0034】本発明に係るシリコーンゴム組成物には、
上記必須成分に加え、任意成分として本発明の効果を妨
げない範囲で必要に応じ、補強性シリカ粉末を添加して
もよい。補強性シリカ粉末は、機械的強度の優れたシリ
コーンゴムを得るために添加されるものであるが、この
目的のためには比表面積が50m2/g以上、特に10
0〜300m2/gであることが好ましい。比表面積が
50m2/gに満たないと硬化物の機械的強度が低くな
ってしまう場合がある。このような補強性シリカ粉末と
しては、例えば煙霧質シリカ、沈降シリカ等が挙げら
れ、またこれらの表面をクロロシランやヘキサメチルジ
シラザンなどで疎水化したものも好適に用いられる。
【0035】補強性シリカ粉末の添加量は、第1成分の
オルガノポリシロキサン100部に対して5〜70部、
特に10〜50部とすることが好ましく、5部未満では
添加量が少なすぎて補強効果が得られない場合があり、
70部を超えると加工性が悪くなり、また機械的強度が
低下してしまう場合がある。
【0036】また、任意成分として導電性亜鉛華等の他
の導電性無機酸化物などの導電材や、増量剤としてシリ
コーンゴムパウダー、ベンガラ、粉砕石英、炭酸カルシ
ウムなどの充填剤を添加してもよい。
【0037】更には、任意成分としてスポンジを成形す
るための無機、有機の発泡剤を添加してもよい。この発
泡剤として具体的には、アゾビスイソブチロニトリル、
ジニトロペンタメチレンテトラミン、ベンゼンスルフォ
ンヒドラジド、アゾジカルボンアミドなどが例示され、
その添加量はシリコーンゴムコンパウンド100部に対
し1〜10部の範囲が好適である。このように本発明組
成物に発泡剤を添加すると、スポンジ状のシリコーンゴ
ムを得ることができる。
【0038】また、本発明組成物には、必要に応じて着
色剤、耐熱性向上剤などの各種添加剤や反応制御剤、離
型剤、充填剤用分散剤などを添加することができるが、
特に充填剤用分散剤として使用されるジフェニルシラン
ジオール、各種アルコキシシラン、カーボンファンクシ
ョナルシラン、シラノール基含有低分子量シロキサンな
どは、本発明の効果を損なわないように最小限の添加量
とすることが好ましい。
【0039】更に、本発明のシリコーンゴム組成物に難
燃性、耐火性を付与するため、白金含有材料、白金化合
物と二酸化チタン、白金と炭酸マンガン、白金とγ−F
23、フェライト、マイカ、ガラス繊維、ガラスフレ
ークなどの公知の添加剤を添加してもよい。
【0040】本発明に係るシリコーンゴム組成物は、上
記した成分を2本ロール、バンバリーミキサー、ドウミ
キサー(ニーダー)などのゴム混練り機を用いて均一に
混合して、必要に応じ加熱処理を施すことにより得るこ
とができる。
【0041】このようにして得られたシリコーンゴム組
成物は、金型加圧成形、押し出し成形などの種々の成形
法によって必要とされる用途に成形することができ、特
にシリコーンゴムロールに成形して好適に使用すること
ができる。なお、硬化は硬化方法、成形物の肉厚により
適宜選択することができるが、通常80〜400℃で1
0秒〜30日の条件で行うことができる。このシリコー
ンゴムロールは、通常、芯金上にこれを被覆して上記半
導電性シリコーンゴム層が形成されたものである。
【0042】
【発明の効果】本発明の半導電性シリコーンゴム組成物
は、特定の1次粒径及びDBP吸油量を有するサーマル
ブラック及び/又はファーネスブラックを配合したこと
により、高電圧下などに使用されるロール材料の材料固
有の抵抗値変化に対して安定であり、高電圧下における
長期の使用に耐え得る事務機等のロール材料、特に1×
103〜1×1012Ω・cmの固有抵抗値に設定された
半導電性シリコーンゴムロール材料等に有効で、帯電ロ
ール、転写ロール、現像ロール用に好適に用いることが
できる。
【0043】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。なお、下記の例において部は重量部を示
す。
【0044】〔実施例1,2〕ジメチルシロキサン単位
99.825モル%、メチルビニルシロキサン単位0.
15モル%、ジメチルビニルシロキサン単位0.025
モル%からなり、平均重合度が約5,000であるゴム
状オルガノポリシロキサン100部に、1次粒径80n
m、DBP吸油量30cc/100gのファーネスカー
ボンブラックHTC20(新日化カーボン(株)製)を
表1に示す配合量でロールを用いて配合した。
【0045】上記ベースコンパウンド100部に硬化剤
としてパーブチルBH(信越化学工業(株)製)を0.
8部、発泡剤としてアゾビスイソブチロニトリル(信越
化学工業(株)製)を1.5部添加し、40mmの押し
出し機を用いて表面がプライマー101A/B(信越化
学工業(株)製)で処理された6mmの芯金と同時に押
し出した後、200℃で30分処理し、発泡ロールを得
た。このロールを研磨機を用いて直径12mmに研磨
し、半導電スポンジロールを得た。
【0046】得られたスポンジロール1を図1のような
電極2,2間に挟み、芯金3,3間の抵抗値を印加電圧
100V、1,000V、4,000Vで測定した。な
お、測定機器4はトレックを用いた。結果を表1に示
す。
【0047】〔実施例3〕実施例1のベースコンパウン
ドに更にジメチルシロキサン単位85.0モル%、ジフ
ェニルシロキサン単位15.0モル%からなり、平均重
合度が約5,000であるゴム状のフェニル基含有オル
ガノポリシロキサン10部を配合した以外は実施例1と
同様にしてロールを作製し、抵抗値を測定した。結果を
表1に示す。
【0048】〔比較例1,2〕比較例として1次粒径4
0nm、DBP吸油量110cc/100gのアセチレ
ンブラック(電気化学工業(株)製)を表1に示す配合
量で用いて上記実施例と同様にしてロールを作製し、抵
抗値を測定した。結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】〔実施例4〕ジメチルシロキサン単位9
9.825モル%、メチルビニルシロキサン単位0.1
5モル%、ジメチルビニルシロキサン単位0.025モ
ル%からなり、平均重合度が約5,000であるゴム状
オルガノポリシロキサン100部に、分散剤として末端
シラノール基ジメチルポリシロキサン(重合度n=1
0)4部及び比表面積が200m2/gである処理シリ
カ(日本アエロジル(株)製)20部を添加し、160
℃で2時間熱処理してベースコンパウンドを作製した。
【0051】上記ベースコンパウンド100部に1次粒
径120nm、DBP吸油量40cc/100gのファ
ーネスカーボンブラック旭15番(旭カーボン(株)
製)を60部添加してコンパウンドを作製した。
【0052】上記コンパウンド100部に硬化剤として
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン0.5部を混練りし、得られたコンパウン
ドを用いて直径12mm(アルミ芯金,直径6mm,ゴ
ム肉厚3mm)のロールを圧縮成形した。成形温度は1
65℃/10分、成形圧力は35kgf/cm2であっ
た。
【0053】得られたロールを用いて前記実施例と同様
に抵抗値を測定した。結果を表2に示す。
【0054】〔比較例3〕実施例4で使用したカーボン
ブラックの代わりに1次粒径30nm、DBP吸油量3
80cc/100gの導電性カーボンケッチェンブラッ
クEC(ライオン(株)製)8部を使用した以外は実施
例3と同様にしてロールを得た。
【0055】得られたロールを用いて前記実施例と同様
に抵抗値を測定した。結果を表2に併記する。
【0056】
【表2】
【0057】〔実施例5,6〕ジメチルシロキサン単位
99.825モル%、メチルビニルシロキサン単位0.
15モル%、ジメチルビニルシロキサン単位0.025
モル%からなり、平均重合度が約5,000であるゴム
状オルガノポリシロキサン100部に、分散剤として末
端シラノール基ジメチルポリシロキサン(重合度n=1
0)4部及び比表面積が200m2/gである処理シリ
カ(日本アエロジル(株)製)20部を添加し、160
℃で2時間熱処理してベースコンパウンドを作製した。
【0058】上記ベースコンパウンド100部に1次粒
径120nm、DBP吸油量40cc/100gのファ
ーネスカーボンブラック旭15番(旭カーボン(株)
製)を60部、下記式(3)で示されるフェニルメチル
シロキサン1部又は下記式(4)で示されるジメチルシ
ロキサン1部を添加してコンパウンドを作製した。
【0059】上記コンパウンド100部に硬化剤として
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン0.5部、発泡剤としてKEP−13(信
越化学工業(株)製)を3部添加し、得られたコンパウ
ンドを上記と同様にして押し出し発泡して半導電性スポ
ンジロールを得た。得られたスポンジロールで上記と同
様にして電気抵抗を測定した。結果を表3に示す。
【0060】
【化1】
【0061】
【表3】
【0062】表1〜3の結果より、本発明の半導電性シ
リコーンゴム組成物の硬化物により形成されたシリコー
ンゴムロールは、安定した半導電領域を付与し得ること
が確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導電性シリコーンゴムの抵抗を測定する装置
を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 半導電性シリコーンゴム 2 電極 3 芯金 4 測定機器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03F 7/30 501 G03F 7/30 501

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記平均組成式(1) R1 nSiO(4-n)/2 (1) (但し、式中R1は同一又は異種の1価炭化水素基であり、nは1.98〜2. 02の正数である。) で示され、分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキ サン 100重量部 (B)1次粒径が70nm以上で、かつDBP吸油量が50cc/100g以下 であるサーマルブラック及び/又はファーネスブラック 2〜200重量部 (C)硬化剤 上記(A)成分を硬化させ得る量 を含有してなることを特徴とする半導電性シリコーンゴ
    ム組成物。
  2. 【請求項2】 更に(D)下記平均組成式(2) R1 aSiO(4-a)/2 (2) (但し、式中R2は同一又は異種の脂肪族不飽和結合を
    有さない1価炭化水素基であり、aは1.98〜2.0
    2の正数である。)で示され、全R2基中の0.1〜1
    00モル%がフェニル基であるオルガノポリシロキサン
    を0.1〜60重量部配合した請求項1記載の半導電性
    シリコーンゴム組成物。
  3. 【請求項3】 更に(E)比表面積(BET法)50m
    2/g以上の補強性シリカ粉末5〜70重量部を添加し
    た請求項1又は2記載の半導電性シリコーンゴム組成
    物。
  4. 【請求項4】 更に(F)発泡剤1〜10重量部を添加
    した請求項1、2又は3記載の半導電性シリコーンゴム
    組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項記載の半
    導電性シリコーンゴム組成物を成形、硬化してなる半導
    電性シリコーンゴムロール。
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