JPH1135818A - ポリウレタン組成物および弾性繊維 - Google Patents

ポリウレタン組成物および弾性繊維

Info

Publication number
JPH1135818A
JPH1135818A JP9191086A JP19108697A JPH1135818A JP H1135818 A JPH1135818 A JP H1135818A JP 9191086 A JP9191086 A JP 9191086A JP 19108697 A JP19108697 A JP 19108697A JP H1135818 A JPH1135818 A JP H1135818A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyurethane
heat resistance
elastic fiber
acid
polyurethane elastic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9191086A
Other languages
English (en)
Inventor
Kimio Nakayama
公男 中山
Shunji Kaneda
俊二 金田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP9191086A priority Critical patent/JPH1135818A/ja
Publication of JPH1135818A publication Critical patent/JPH1135818A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融紡糸安定性が非常に優れており、しかも
耐熱性、耐湿熱性、耐熱水性、弾性回復率などの諸特性
に優れるポリウレタン弾性繊維を与えるポリウレタン組
成物、前記の優れた特性を有するポリウレタン弾性繊
維、並びに該弾性繊維を極めて円滑に製造することがで
きる製造方法を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性ポリウレタン100重量部に対し
て、数平均分子量100,000〜5,000,000の(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル系重合体を1〜20重量部配合して
なるポリウレタン組成物;該ポリウレタン組成物からな
るポリウレタン弾性繊維;並びに該ポリウレタン組成物
を溶融紡糸するポリウレタン弾性繊維の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリウレタン組成
物およびそれからなるポリウレタン弾性繊維、並びに該
ポリウレタン弾性繊維の製造方法に関する。本発明のポ
リウレタン組成物は、溶融紡糸安定性が非常に優れてお
り、該ポリウレタン組成物からなるポリウレタン弾性繊
維は、耐熱性、耐湿熱性、耐熱水性、弾性回復性などの
諸特性に優れている。さらに、本発明の製造方法によれ
ば、前記の優れた諸特性を有するポリウレタン弾性繊維
を、極めて円滑に製造することができる。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン弾性繊維の製造方法として
は、乾式紡糸法、湿式紡糸法、溶融紡糸法などが知られ
ているが、ポリウレタン弾性繊維を低コストで製造する
ことができることから、溶融紡糸法が注目されており、
溶融紡糸法によるポリウレタン弾性繊維の生産量が伸び
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶融紡
糸法により得られるポリウレタン弾性繊維は、乾式紡糸
法により得られるものに比べて、強固なハードセグメン
トが形成され難く、耐熱性、耐湿熱性に劣ったものとな
りやすい。ポリウレタン弾性繊維の耐熱性をあげる方法
としては、ポリウレタンの構造を工夫する方法、例え
ば、3官能以上のイソシアネート等を用いてポリウレタ
ンの構造に架橋を導入する方法などが知られているが、
耐熱性が向上する反面、溶融紡糸安定性が悪化する場合
が多く、耐熱性と溶融紡糸安定性を両立するのは困難で
あった。
【0004】本発明の目的は、溶融紡糸安定性が非常に
優れており、しかも耐熱性、耐湿熱性、耐熱水性、弾性
回復性などの諸特性に優れるポリウレタン弾性繊維を非
常に円滑に製造することができるポリウレタン組成物を
提供することにある。本発明の他の目的は、前記の優れ
た諸特性を有するポリウレタン弾性繊維およびその製造
方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を行った結果、数平均分子
量100,000〜5,000,000の(メタ)アク
リル酸アルキルエステル系重合体を、熱可塑性ポリウレ
タンに特定量配合したポリウレタン組成物を用いて溶融
紡糸することにより、耐熱性、耐湿熱性、耐熱水性、弾
性回復性などの諸特性に優れたポリウレタン弾性繊維
を、溶融紡糸時の断糸が非常に少なく、良好な溶融紡糸
安定性を保ちながら、極めて円滑に製造できることを見
出だし、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、熱可塑性ポリウレタ
ン100重量部に対して、数平均分子量100,000
〜5,000,000の(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル系重合体を1〜20重量部配合してなるポリウレ
タン組成物に関する。そして、本発明は、上記のポリウ
レタン組成物からなるポリウレタン弾性繊維に関する。
さらに、本発明は、上記のポリウレタン組成物を用いて
溶融紡糸することを特徴とするポリウレタン弾性繊維の
製造方法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明に用いられる熱可塑性ポリウレタンとして
は、加熱溶融し得る熱可塑性ポリウレタンであればいず
れでも使用可能である。これらのなかでも、数平均分子
量が1,000〜5,000の高分子ポリオール、有機
ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を反応させて得られる
熱可塑性ポリウレタンが好ましく用いられる。
【0008】熱可塑性ポリウレタンの製造に用いられる
高分子ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリ
オール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポ
リオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、
ポリエステルポリエーテルポリオールなどを挙げること
ができ、これらの1種または2種以上を用いることがで
きる。これらのなかでも、高分子ポリオールとしてポリ
エステルポリオールを用いるのが好ましい。
【0009】ポリエステルポリオールを構成するポリカ
ルボン酸成分としては、例えば、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジカルボン酸などの炭素数5〜14の直鎖
状脂肪族ジカルボン酸;2−メチルコハク酸、2−メチ
ルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペン
タン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメチル
デカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸などの炭素数
5〜14の分岐鎖状脂肪族ジカルボン酸;テレフタル
酸、イソフタル酸、オルトフタル酸などの芳香族ジカル
ボン酸;またはそれらのエステル形成性誘導体などを挙
げることができ、これらのうち1種または2種以上を用
いることができる。これらのなかでも、炭素数5〜14
の直鎖状または分岐鎖状の脂肪族ジカルボン酸を用いる
のが好ましく、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸
を用いるのがより好ましい。さらに、必要に応じて、前
記したジカルボン酸と共に、少量の3官能以上のポリカ
ルボン酸を併用することができる。3官能以上のポリカ
ルボン酸としては、トリメリット酸、トリメシン酸など
のトリカルボン酸などを挙げることができ、これらのう
ち1種または2種以上を用いることができる。
【0010】ポリエステルポリオールを構成するポリオ
ール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,
3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,
5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオー
ルなどの炭素数2〜14の直鎖状脂肪族ジオール;2−
メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリ
コール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−
メチル−1,8−オクタンジオールなどの炭素数3〜1
4の分岐鎖状脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノ
ール、シクロヘキサンジオールなどの脂環式ジオールな
どを挙げることができ、これらのうちの1種または2種
以上を用いることができる。これらのなかでも、炭素数
4〜10の分岐鎖状脂肪族ジオールを用いるのが好まし
く、3−メチル−1,5−ペンタンジオールを用いるの
がより好ましい。さらに、必要に応じて、前記したよう
なジオールと共に、少量の3官能以上のポリオールを併
用することができる。3官能以上のポリオールとして
は、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ブ
タントリオール、ヘキサントリオール、トリメチロール
ブタン、トリメチロールペンタン、ペンタエリスリトー
ルなどを挙げることができ、これらのうち1種または2
種以上を用いることができる。これらのなかでも、トリ
メチロールプロパンを用いるのが好ましい。
【0011】上記したポリエステルポリオールの製造方
法は特に制限されず、例えば、上記したポリカルボン酸
成分とポリオール成分とを重縮合させることにより製造
することができる。ポリカルボン酸成分とポリオール成
分を重縮合させる反応は、触媒存在下に行うことがで
き、その場合の触媒としては、チタン系触媒、スズ系触
媒が好ましく用いられる。チタン系触媒の例としては、
チタン酸、テトラアルコキシチタン化合物、チタンアシ
レート化合物、チタンキレート化合物などを挙げること
ができ、より具体的には、テトライソプロピルチタネー
ト、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−2−エチ
ルヘキシルチタネート、テトラステアリルチタネートな
どのテトラアルコキシチタン化合物、ポリヒドロキシチ
タンステアレート、ポリイソポロポキシチタンステアレ
ートなどのチタンアシレート化合物、チタンアセチルア
セテート、トリエタノールアミンチタネート、チタンア
ンモニウムラクテート、チタンエチルアクテート、チタ
ンオクチレングリコールなどのチタンキレート化合物な
どを挙げることができる。またスズ系触媒の例としては
ジアルキルスズジアセテート、ジアルキルスズジラウレ
ート、ジアルキルスズビスメルカプトカルボン酸エステ
ル塩などを挙げることができる。より具体的にはジブチ
ルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブ
チルスズビス(3−メルカプトプロピオン酸エトキシブ
チルエステル)塩などを挙げることができる。そして、
チタン系触媒を用いる場合は、その使用量は各々の状況
に応じて調節でき特に制限されないが、一般に、ポリエ
ステルポリオールの製造に用いる反応成分の全重量に基
づいて、約0.1〜50ppmであるのが好ましく、約
1〜40ppmであるのがより好ましい。また、スズ系
触媒を用いる場合もその使用量は各々の状況に応じて調
節でき特に制限されないが、一般に、ポリエステルポリ
オールの製造に用いる反応成分の全重量に基づいて、約
1〜200ppmであるのが好ましく、約5〜100p
pmであるのがより好ましい。
【0012】そして、チタン系触媒を用いて製造された
ポリエステルポリオールでは、ポリエステルポリオール
中に含まれるチタン系触媒を失活させておくことが好ま
しい、失活されていないチタン系触媒を含むポリエステ
ルポリオールを用いてポリウレタンを製造すると、ポリ
ウレタンひいてはそれより形成されるポリウレタン弾性
繊維の耐熱水性、耐熱性、耐湿熱性などの特性が劣った
ものとなり易い。ポリエステルポリオール中に含まれる
チタン系触媒を失活する方法としては、例えば、ポリエ
ステルポリオールを加熱下に水と接触させる方法;ポリ
エステルポリオールをリン酸、リン酸エステル、亜りん
酸、亜りん酸エステルなどのりん化合物で処理する方法
などを挙げることができる。そして水と接触させる前記
の方法による場合は、例えば、ポリエステルポリオール
に水を1重量%以上添加して、70〜150℃、好まし
くは80〜140℃の温度で1〜5時間程度加熱すれば
よい。そして、その際の加熱による失活処理は常圧下で
行ってもまたは加圧下で行ってもよく、失活処理後に系
を減圧にすると、失活に用いた水分をポリエステルポリ
オールから円滑に除去することができる。
【0013】前記のポリエーテルポリオールとしては、
例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコールなどを挙げるこ
とができ、これらのうちの1種または2種以上を用いる
ことができる。
【0014】前記のポリカーボネートポリオールとして
は、例えば、ポリエステルポリオールの製造原料として
先に例示したポリオール成分と、ジアルキルカーボネー
ト、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネート
などのカーボネート化合物との反応により得られるポリ
カーボネートポリオールを挙げることができる。該ジア
ルキルカーボネートとしてはジメチルカーボネート、ジ
エチルカーボネートなどを、該アルキレンカーボネート
としてはエチレンカーボネートなどを、該ジアリールカ
ーボネートとしてはジフェニルカーボネートなどを挙げ
ることができる。
【0015】前記のポリエステルポリカーボネートポリ
オールとしては、例えば、ポリエステルポリオールの製
造原料として先に例示したポリオール成分、ポリカルボ
ン酸成分、およびポリカーボネートポリオールの製造原
料として先に例示したカーボネート化合物を同時に反応
させることにより得られるポリエステルポリカーボネー
トポリオール;予め合成しておいたポリエステルポリオ
ールおよびポリカーボネートポリオールを、上記したカ
ーボネート化合物、ポリオール成分および/またはポリ
カルボン酸成分と反応させて得られるポリエステルポリ
カーボネートポリオールなどを挙げることができる。
【0016】熱可塑性ポリウレタンの製造に用いられる
高分子ポリオールの数平均分子量は、1,000〜5,
000であるのが好ましく、1,500〜3,000で
あるのがより好ましい。高分子ポリオールの数平均分子
量が1,000未満であると、得られるポリウレタン弾
性繊維の耐熱性、耐熱水性、耐湿熱性などの性能が低下
する傾向がある。一方、数平均分子量が5,000を超
えると、溶融紡糸時の安定性や、得られるポリウレタン
弾性繊維の破断強度、繊維の均質性などが低下する傾向
がある。なお、本明細書でいう高分子ポリオールの数平
均分子量は、いずれもJIS K 1577に準拠して
測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量を意
味する。
【0017】さらに、高分子ポリオールの結晶化エンタ
ルピー(ΔH)は、70J/g以下であるのが好まし
い。結晶化エンタルピー(ΔH)が70J/g以下のも
のを用いると、耐寒性、弾性回復性、破断伸度により優
れたポリウレタン弾性繊維が得られる。
【0018】高分子ポリオールとしてポリエステルポリ
オールを用いる場合には、そのエステル基濃度が0.0
8〜0.17であるものを用いるのが好ましい。エステ
ル基濃度が0.08未満であると、得られるポリウレタ
ン弾性繊維の耐寒性および弾性回復性が低下する傾向が
ある。さらに、繊維を溶融紡糸する際に、紡糸パックの
圧力が経時的に上昇し、溶融紡糸安定性が低下する傾向
がある。一方、エステル基濃度が0.17を越える場合
は、得られるポリウレタン弾性繊維の耐熱性、熱水性、
耐湿熱性が低下する傾向がある。溶融紡糸安定性および
前記した繊維の諸特性が一層良好になる点から、エステ
ル基濃度が0.11〜0.16のポリエステルポリオー
ルを用いるのがより好ましい。なお、本明細書でいう、
ポリエステルポリオールの「エステル基濃度」とは、ポ
リエステルポリオールにおけるエステル結合数をポリエ
ステルポリオールの全炭素数で除した値である。
【0019】上記の各種高分子ポリオールの中でも、下
記の要件〜; エステル基濃度(ポリエステルポリオールにおけるエ
ステル結合数/ポリエステルポリオールの全炭素原子
数)が0.08〜0.17; 数平均分子量が1,000〜5,000; 結晶化エンタルピー(ΔH)が70J/g以下;を全
て満足するポリエステルポリオールを使用するのが特に
好ましく、このようなポリエステルポリオールを使用す
ると、耐熱性、耐湿熱性、耐熱水性、弾性回復性などの
諸特性がより一層優れたポリウレタン弾性繊維が得られ
る。
【0020】熱可塑性ポリウレタンの製造に用いられる
有機ジイソシアネートの種類は特に制限されず、ポリウ
レタンの製造に従来から用いられている有機ジイソシア
ネートのいずれもが使用でき、特に分子量が500以下
のものが好ましく用いられる。そのような有機ジイソシ
アネートの例としては、p−フェニレンジイソシアネー
ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ト
ルイレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソ
シアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
トなどの芳香族ジイソシアネート類;ヘキサメチレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,
4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添
化キシリレンジイソシアネートなどの脂肪族または脂環
式ジイソシアネートなどを挙げることができ、このうち
1種または2種以上を用いることができる。これらのな
かでも、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
および/またはp−フェニレンジイソシアネートが特に
好ましく用いられる。さらに、必要に応じて、トリフェ
ニルメタントリイソシアネートなどのような3官能以上
のポリイソシアネート化合物を少量併用してもよい。
【0021】熱可塑性ポリウレタンの製造に用いられる
鎖伸長剤の種類は特に制限されず、ポリウレタンの製造
に従来から用いられている鎖伸長剤のいずれもが使用で
きる。そのうちでも、イソシアネート基と反応性の活性
水素原子を分子中に2個有し、且つ分子量が300以下
である低分子量化合物が好ましく用いられる。そのよう
な鎖伸長剤の例としては、エチレングリコール、1,4
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9
−ノナンジオール等の脂肪族ジオール;1,4−ビス
(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロ
ヘキサンジオール、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレ
フタレート、キシリレングリコールなどの芳香族ジオー
ルまたは脂環式ジオール;ヒドラジン、エチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホ
ロンジアミン、ピペラジン、ピペラジン誘導体、フェニ
レンジアミン、トリレンジアミンなどのジアミン;アジ
ピン酸ヒドラジド、イソフタル酸ヒドラジドなどのアミ
ノアルコールを挙げることができ、これらのうち1種ま
たは2種以上を用いることができる。これらのなかで
も、1,4−ブタンジオールを用いると、耐熱水性、耐
熱性、弾性回復性に特に優れるポリウレタン弾性繊維を
得ることができるので好ましい。
【0022】本発明では、熱可塑性ポリウレタンとし
て、上記した高分子ポリオール、有機ジイソシアネート
および鎖伸長剤を、下記の式(1)を満足する割合で反
応させて得られる熱可塑性ポリウレタンを用いるのが好
ましい。
【0023】 1.00≦b/(a+c)≦1.10 (1) (式中、aは高分子ポリオールのモル数、bは有機ジイ
ソシアネートのモル数、cは鎖伸長剤のモル数を示
す。)
【0024】b/(a+c)の値が1.00未満である
と、それから得られるポリウレタン弾性繊維は、耐熱水
性、耐熱性、耐湿熱性が劣る傾向がある。一方、b/
(a+c)の値が1.10を超えると、ポリウレタン弾
性繊維は均質性に劣ったものとなる傾向がある。さら
に、b/(a+c)の値が1.01〜1.08の範囲内
となるような割合で反応させると、溶融紡糸安定性や、
得られるポリウレタン弾性繊維の諸特性がより優れたも
のが得られる点から、より好ましい。
【0025】熱可塑性ポリウレタンの製造方法は特に制
限されず、上記した高分子ポリオール、有機ジイソシア
ネート、鎖伸長剤および必要に応じて他の成分を用い
て、既知のウレタン化反応技術を利用して、プレポリマ
ー法またはワンショット法により製造することができ
る。そのうちでも、実質的に溶剤の不存在下に溶融重合
する方法、特に多軸スクリュー型押出機を用いて連続溶
融重合する方法が好ましく用いられる。
【0026】熱可塑性ポリウレタンを製造する際には、
スズ系ウレタン化触媒を用いてポリウレタン形成反応を
行うことができ、特に、原料の合計重量に基づいて、ス
ズ系ウレタン化触媒をスズ原子に換算して0.2〜5p
pmの割合で用いて熱可塑性ポリウレタンを製造する
と、分子量の高いものを得ることができ、そしてそのよ
うな熱可塑性ポリウレタンを用いると、紡糸巻き取り性
が良好になり、且つ繊維同志の膠着も少なくなる。また
そのような高分子量の熱可塑性ポリウレタンを用いて繊
維を製造することによって、引張強度、弾性回復性、耐
熱性などに優れるポリウレタン弾性繊維を得ることがで
きる。その際のスズ系ウレタン化触媒としては、例え
ば、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレ
ート、ジブチルスズビス(3−メルカプトプロピオン酸
エトキシブチルエステル)塩などを挙げることができ
る。ただし、スズ系ウレタン化触媒をスズ原子に換算し
て5ppmを越えると、得られるポリウレタン弾性繊維
の耐熱水性、耐熱性、耐湿熱性などの性能が低下したも
のとなりやすい。
【0027】熱可塑性ポリウレタンの重合度は特に制限
されないが、得られるポリウレタン弾性繊維の耐乾熱
性、耐熱水性、耐湿熱性などの熱特性や弾性回復性など
の強伸度特性の点から、n−ブチルアミンを1重量%含
有するN,N−ジメチルホルムアミドに0.5g/dl
の濃度になるような割合でポリウレタンを溶解させて、
30℃で測定したときの対数粘度が、0.5dl/g以
上になるような重合度であるのが好ましい。また、ポリ
ウレタンを該N,N−ジメチルホルムアミドに溶解させ
る際に、全く溶解しないか、または一部だけが溶解する
ような高い重合度を有していてもよい。
【0028】本発明では、数平均分子量100,000
〜5,000,000の(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル系重合体を使用する。数平均分子量が100,0
00未満であると、溶融紡糸をする際の紡糸安定性や、
得られるポリウレタン弾性繊維の耐熱性、耐湿熱性、耐
熱水性が劣る傾向がある。一方、数平均分子量が5,0
00,000を超えると、得られるポリウレタン弾性繊
維の均質性が劣る傾向がある。
【0029】本発明では、数平均分子量が100,00
0〜5,000,000である(メタ)アクリル酸アル
キルエステル系重合体であれば、いずれでも使用可能で
あるが、数平均分子量が好ましくは200,000以上
であって、且つ(メタ)アクリル酸アルキルエステルの
エステルを形成しているアルキル基の炭素数が1〜10
であるアクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸
アルキルエステルから主としてなるものが好ましく用い
られる。
【0030】本発明で用いられる(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル系重合体を構成する(メタ)アクリル酸
アルキルエステルの好ましい例としては、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、ア
クリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
ヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシルなどのアク
リル酸アルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル
酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シ
クロヘキシルなどのメタクリル酸アルキルエステルなど
を挙げることができ、(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル系重合体は前記した(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルの1種または2種以上から形成される。これらの
なかでも、特にメタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル
を用いるのが好ましい。
【0031】また、本発明で用いる(メタ)アクリル酸
アルキルエステル系重合体は、上記した(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル単位と共に、必要に応じて少量
(一般に25モル%以下)の他の共重合性不飽和モノマ
ーから誘導される単位を有していてもよい。そのような
共重合性不飽和モノマーとしては、例えば、エチレン、
ブタジエン、イソプレン、スチレン、α−メチルスチレ
ン、アクリロニトリルなどを挙げることができ、これら
のうち1種または2種以上を用いることができる。
【0032】本発明のポリウレタン組成物は、熱可塑性
ポリウレタン100重量部に対して、上記の(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル系重合体を1〜20重量部の
割合で配合していることが必要である。(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル系重合体の配合量が1重量部未満
の場合には、溶融紡糸をする際の紡糸安定性や、得られ
るポリウレタン弾性繊維の耐熱性、耐湿熱性、耐熱水性
が劣る。配合量が20重量部を超える場合には、得られ
るポリウレタン弾性繊維は均質性に劣る。溶融紡糸安定
性、耐熱性、耐湿熱性、耐熱水性、糸の均質性がより優
れたものとなることから、(メタ)アクリル酸アルキル
エステル系重合体の配合量は、1〜15重量部であるの
が好ましい。
【0033】本発明のポリウレタン組成物は、必要に応
じて、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、加水分解防止剤、防カビ剤、着色剤、難燃剤、耐候
性改良剤などの添加剤の1種または2種以上を含有して
もよい。
【0034】熱可塑性ポリウレタンに、(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル系重合体および必要に応じて添加
剤を配合したポリウレタン組成物を製造する方法は、特
に制限されず、通常のポリマーブレンドの手法により製
造することができる。具体的には、樹脂の混合に通常用
いられるような一軸押出機、二軸押出機、ブラベンダ
ー、ニーダー、バンバリーミキサーなどの溶融混練機を
用いて溶融混練してもよいし、ヘンシェルミキサー、リ
ボンブレンダー、タンブラーミキサーなどでドライブレ
ンドしてもよい。また、上記の方法以外にも、熱可塑性
ポリウレタンを製造する任意の段階で、(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル系重合体および必要に応じて添加
剤を配合し、熱可塑性ポリウレタンを製造すると同時に
ポリウレタン組成物を製造することもできる。
【0035】本発明のポリウレタン組成物を用いて、ポ
リウレタン弾性繊維を製造するに当たっては、溶融紡糸
法、乾式紡糸法、湿式紡糸法などを採用することがで
き、そのうちでも、特に溶融紡糸法が、得られるポリウ
レタン弾性繊維の諸物性、製造の簡便性、生産性、紡糸
安定性などの点から好ましく用いられる。溶融紡糸によ
ってポリウレタン弾性繊維を製造する方法としては、例
えば、熱可塑性ポリウレタンおよび(メタ)アクリル酸
アルキルエステル系重合体からなる組成物を予め調製し
た後、該ポリウレタン組成物を用いて溶融紡糸を行う方
法;高分子ポリオール、有機ジイソシアネートおよび鎖
伸長剤を溶融重合させて熱可塑性ポリウレタンを形成す
る任意の段階で(メタ)アクリル酸アルキルエステル系
重合体を配合し、熱可塑性ポリウレタンを形成させると
同時に溶融紡糸を行う方法などが挙げられる。
【0036】溶融紡糸温度は、得られるポリウレタン弾
性繊維の物性および溶融紡糸作業の容易性などの観点か
ら、250℃以下であるのが好ましく、200〜240
℃であるのがより好ましい。そして、溶融紡糸後に、得
られたポリウレタン弾性繊維を50〜100℃で熱熟成
処理すると、その性能が一層向上するので好ましい。溶
融紡糸を行う場合の紡糸装置の種類や形式などは特に制
限されず、ポリウレタン弾性繊維の製造に従来から用い
られている溶融紡糸装置を使用することができる。
【0037】本発明のポリウレタン弾性繊維の単繊維繊
度は特に制限されず、その用途などに応じて適宜決める
ことができるが、一般に、単繊維繊度が10〜100デ
ニール程度のものが好ましい。また、本発明のポリウレ
タン弾性繊維は、モノフィラメントの形態であっても、
マルチフィラメントの形態であってもよく、マルチフィ
ラメントの場合は、そのフィラメント数、総デニール数
などは特に制限されず、適宜、その用途などによって決
めることができる。更に、本発明のポリウレタン弾性繊
維の横断面形状も特に制限されず、丸型、方形、中空
形、三角形、楕円形、偏平形、多葉形、V字形、アレイ
形やその他の任意の異形断面にすることができる。ま
た、本発明のポリウレタン弾性繊維を用いて各種の製品
を製造するに当たっては、本発明のポリウレタン弾性繊
維を単独で使用しても、他の繊維と適当な形態で組み合
わせて使用してもよい。
【0038】本発明のポリウレタン弾性繊維は、種々の
用途に使用可能であるが、その弾性特性を活かして、例
えば、水着、スキーウエア、サイクリングウエア、レオ
タードなどのスポーツ用品;ランジェリー、ファンデー
ション、肌着などの衣料品;パンティストッキング、靴
下、サポーター、帽子、手袋などの装着品;パワーネッ
ト,包帯、人工血管などの衣料用品;テニスラケットの
ガット、一体成形加工用車両シート地糸、ロボットアー
ム用の金属被覆糸などの非衣料製品などに有効に使用す
ることができる。そのうちでも、本発明のポリウレタン
弾性繊維は、その優れた耐熱性、耐熱水性、耐湿熱性、
糸の均質性を活かして、スポーツ用品、衣料品などの用
途に極めて有効に使用することができる。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではな
い。なお、以下の例において、溶融紡糸安定性、ポリウ
レタン弾性繊維の対数粘度、耐熱性、耐熱水性、耐湿熱
性および弾性回復率は、下記のようにして測定または評
価した。
【0040】〔溶融紡糸安定性〕下記の実施例または比
較例に記載されているように、単軸押出機を用いて、紡
糸温度200〜240℃で、1週間連続して溶融紡糸
し、紡糸中の断糸回数を下記の表1の基準に従って評価
した。
【0041】
【表1】
【0042】〔対数粘度〕ポリウレタン弾性繊維を、n
−ブチルアミンを1重量%含有するN,N−ジメチルホ
ルムアミドに、濃度0.5g/dlとなるように溶解
し、20℃で24時間撹拌した後、ウベローデ粘度計
で、その溶液の30℃における落下時間を測定し、下記
の式によりポリウレタンの対数粘度を算出した。
【0043】対数粘度={ln(t/t0 )}/c (式中、tは試料溶液の落下時間(秒)を、t0はn−
ブチルアミンを1重量%含有するN,N−ジメチルホル
ムアミド(ブランク液)の落下時間(秒)を、cは試料
溶液の濃度(dl/g)を表す。)
【0044】〔耐熱性〕ポリウレタン弾性繊維を100
%伸長した状態で3℃/分の速度で昇温していき、ポリ
ウレタン弾性繊維が切断したときの温度を求めて、耐熱
性の指標とした。
【0045】〔耐熱水性〕ポリウレタン弾性繊維を木枠
を使用して200%伸長した状態で固定し、熱風乾燥機
を用いて140℃で2分間乾熱処理した後、オートクレ
ーブを用いて温度130℃の熱水中に30分間浸漬し、
ついでオートクレーブより取り出して、200%伸長の
ままの状態でその応力をインストロン引張試験機(イン
ストロン社製「インストロン4501」)を使用して測
定し、そのときの応力(R)(g/80d)を求めて耐
熱水性の指標とした。
【0046】〔耐湿熱性〕ポリウレタン弾性繊維を70
℃、95%RHの相対湿度下に5週間放置し、放置前後
の破断強度をJIS−L−1013に従って測定し、放
置前の破断強度に対する放置後の破断強度の保持率を下
記の数式により算出し、耐湿熱性の指標とした。
【0047】 破断強度の保持率(%)=T/T0 ×100 (式中、Tは放置後の試料の破断強度(g/d)、T0
は放置前の試料の破断強度(g/d)を表す。)
【0048】〔弾性回復率〕ポリウレタン弾性繊維を3
00%伸長した状態で室温下に2分間保持した後、張力
を除いて2分間放置した時の弾性回復率を下記の数式に
より算出した。
【0049】 弾性回復率={1−(L−L0)/L0}×100 (式中、Lは張力除去後2分間放置した後の試料の長さ
を、L0は伸長前の試料の長さを表す。)
【0050】また、下記の例では化合物を略号を用いて
表記している場合があるが、略号と化合物との関係は下
記の表2に示すとおりである。
【0051】
【表2】
【0052】参考例1(PMSbAdの製造) (1) 3−メチル−1,5−ペンタンジオール(MP
D)3000g、セバシン酸(Sb)3234gおよび
アジピン酸(Ad)780gを反応機に仕込み、常圧
下、200℃で生成する水を系外に留去しながらエステ
ル化反応を行った。反応物の酸価が30以下になった時
点で、チタン系エステル化触媒としてテトライソプロピ
ルチタネート90mgを加え、200mmHgから10
0mmHgまで徐々に減圧しながら反応を続けて重縮合
させた。酸価が1.0以下になった時点で真空ポンプに
より徐々に真空度を上げて反応を完結させた。その結
果、数平均分子量2000のポリエステルジオール(P
MSbAd)5812gを得た。このPMSbAdのう
ち1000gを100℃に加熱し、これに水30g(3
重量%)を加えて撹拌しながら2時間加熱してチタン系
エステル化触媒を失活させた後、減圧下で水を留去し
て、チタン系エステル化触媒失活のPMSbAdを得た
(以下、PMSbAd−Aと称する) (2) 上記の(1)で得られたPMSbAd−Aを1
00℃に加熱し、これにスズ系ウレタン化触媒としてジ
ブチルスズジアセテートを6ppm(スズ金属として2
ppm)を加えて1時間撹拌した。その結果、スズ系ウ
レタン化触媒を含有し、且つチタンエステル化系触媒を
失活されたPMSbAdを得た(以下これをPMSbA
d−Bという)。
【0053】参考例2(PMAdの製造) 3−メチル−1,5−ペンタンジオール(MPD)30
00gおよびアジピン酸(Ad)3177gを反応機に
仕込み、常圧下、200℃で生成する水を系外に留去し
ながらエステル化反応を行った。反応物の酸価が30以
下になった時点で、チタン系エステル化触媒としてテト
ライソプロピルチタネート90mgを加え、200mm
Hgから100mmHgまで徐々に減圧しながら反応を
続けて重縮合を行った。酸価が1.0以下になった時点
で真空ポンプにより徐々に真空度を上げて反応を完結さ
せた。その結果、数平均分子量2000のポリエステル
ジオール(PMAd)5004gを得た。このPMAd
のうち1000gを100℃に加熱し、これに水30g
(3重量%)を加えて撹拌しながら2時間加熱してチタ
ン系エステル化触媒を失活させた後、減圧下で水を留去
してチタン系エステル化触媒失活のPMAdを得た。
【0054】参考例3(PMSbの製造) 3−メチル−1,5−ペンタンジオール(MPD)30
00gおよびセバシン酸(Sb)4283gを反応機に
仕込み、常圧下、200℃で生成する水を系外に留去し
ながらエステル化反応を行った。反応物の酸価が30以
下になった時点で、チタン系エステル化触媒としてテト
ライソプロピルチタネート90mgを加え、200mm
Hgから100mmHgまで徐々に減圧しながら反応を
続けて重縮合を行った。酸価が1.0以下になった時点
で真空ポンプにより徐々に真空度を上げて反応を完結さ
せた。その結果、数平均分子量2000のポリエステル
ジオール(PMSb)5735gを得た。このPMSb
のうち1000gを100℃に加熱し、これに水30g
(3重量%)を加えて撹拌しながら2時間加熱してチタ
ン系エステル化触媒を失活させた後、減圧下で水を留去
してチタン系エステル化触媒失活のPMAdを得た。
【0055】上記の参考例1〜3で得られたポリエステ
ルジオールの組成、エステル基濃度、結晶化エンタルピ
ー(ΔH)、数平均分子量は下記の表3に示すとおりで
あった。
【0056】
【表3】
【0057】実施例1 (1) 直径(φ)30mm、L/D=36の同軸方向
に回転する二軸型押出機押出機に、80℃に加熱した参
考例1(1)で得られたPMSbAd−A、80℃に加
熱した1,4−ブタンジオール(BD)および50℃に
加熱溶融した4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート(MDI)を、表4に示す割合(モル比)で定量ポ
ンプで連続的に供給して、押出機のシリンダー温度を2
60℃に保って連続溶融重合させポリウレタンを生成さ
せながら、メタクリル酸メチル/アクリル酸ブチル共重
合体(メタクリル酸メチル/アクリル酸ブチルの重量比
=75/25、数平均分子量3,100,000、三菱
レイヨン株式会社製「メタプレンP530」)をポリウ
レタン100重量部に対して5重量部の割合で直接フィ
ードして、メタクリル酸メチル/アクリル酸ブチル共重
合体を含有したポリウレタンペレットを生成し、ダイか
らストランド状に水中に押し出し、切断してポリウレタ
ン組成物のペレットを製造し、このペレットを80℃で
20時間真空乾燥した。 (2) 上記(1)で製造したポリウレタン組成物のペ
レットを、通常の単軸押出機付きの紡糸装置に供給し
て、紡糸温度200〜240℃、冷却風露点温度10
℃、紡糸速度500m/分の条件下にモノフィラメント
状に溶融紡糸し、これをボビンに巻き取って、ポリウレ
タン弾性繊維(モノフィラメント)(40d/1f)を
製造した。この時の溶融紡糸安定性を前記した方法によ
って評価した。 (3) 上記(2)で得られたポリウレタン弾性繊維を
ボビンに巻き取ったままの状態で、低湿下(露点:約−
30℃)、80℃で20時間熟成し、さらに、60%の
相対湿度下、室温で10日間の熟成を行った。このポリ
ウレタン弾性繊維の対数粘度、耐熱性、耐熱水性、耐湿
熱性、弾性回復率を、前記した方法で測定または評価し
た。得られた結果を下記の表4に示す。
【0058】実施例2〜8 (1) 下記の表4に示した種類の熱可塑性ポリウレタ
ン原料および(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重
合体を、下記の表4に示した割合で使用する以外は、実
施例1の(1)同様にして(メタ)アクリル酸アルキル
エステル系重合体を含有したポリウレタン組成物のペレ
ットを製造した。 (2) 上記の(1)で得られたポリウレタン組成物の
ペレットを用いて、実施例1の(2)と同様にして溶融
紡糸を行ってポリウレタン弾性繊維(モノフィラメン
ト)を製造し、この時の溶融紡糸安定性を前記した方法
によって評価した。 (3) 上記(2)で得られたポリウレタン弾性繊維を
実施例1の(3)と同様に熟成処理した後、その対数粘
度、耐熱性、耐熱水性、耐湿熱性および弾性回復率を前
記した方法で測定または評価した。得られた結果を下記
の表4に示す。
【0059】比較例1〜7 (1) 下記の表4に示した種類の熱可塑性ポリウレタ
ン原料および(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重
合体を、下記の表4に示した割合で使用する以外は、実
施例1の(1)同様にしてペレットを製造した。 (2) 上記の(1)で得られたペレットを用いて、実
施例1の(2)と同様にして溶融紡糸を行ってポリウレ
タン弾性繊維(モノフィラメント)を製造し、この時の
溶融紡糸安定性を前記した方法によって評価した。 (3) 上記(2)で得られたポリウレタン弾性繊維を
実施例1の(3)と同様に熟成処理した後、その対数粘
度、耐熱性、耐熱水性、耐湿熱性および弾性回復率を前
記した方法で測定または評価した。得られた結果を下記
の表4に示す。
【0060】
【表4】
【0061】
【発明の効果】本発明のポリウレタン組成物は、溶融紡
糸安定性に非常に優れており、該ポリウレタン組成物を
用いると、耐熱性、耐湿熱性、耐熱水性、弾性回復率な
どの諸特性に優れたポリウレタン弾性繊維を、極めて円
滑に製造することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリウレタン100重量部に対
    して、数平均分子量100,000〜5,000,00
    0の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体を1
    〜20重量部配合してなるポリウレタン組成物。
  2. 【請求項2】 数平均分子量が1,000〜5,000
    の高分子ポリオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸
    長剤を反応させて得られる熱可塑性ポリウレタンである
    請求項1記載のポリウレタン組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のポリウレタン組
    成物からなるポリウレタン弾性繊維。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載のポリウレタン組
    成物を用いて溶融紡糸することを特徴とするポリウレタ
    ン弾性繊維の製造方法。
JP9191086A 1997-07-16 1997-07-16 ポリウレタン組成物および弾性繊維 Pending JPH1135818A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9191086A JPH1135818A (ja) 1997-07-16 1997-07-16 ポリウレタン組成物および弾性繊維

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9191086A JPH1135818A (ja) 1997-07-16 1997-07-16 ポリウレタン組成物および弾性繊維

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1135818A true JPH1135818A (ja) 1999-02-09

Family

ID=16268634

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9191086A Pending JPH1135818A (ja) 1997-07-16 1997-07-16 ポリウレタン組成物および弾性繊維

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1135818A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110251061A (zh) * 2019-06-26 2019-09-20 浙江大学 用于医用内窥镜防护钬激光破坏的中空纤维套管及其应用

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110251061A (zh) * 2019-06-26 2019-09-20 浙江大学 用于医用内窥镜防护钬激光破坏的中空纤维套管及其应用
CN110251061B (zh) * 2019-06-26 2020-06-23 浙江大学 用于医用内窥镜防护钬激光破坏的中空纤维套管及其应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4132244B2 (ja) 熱可塑性ポリウレタンからなるポリウレタン弾性繊維およびその製造方法
US5290905A (en) Polyurethane, elastic polyurethane fiber and polyesterpolycarbonatediol used for the same
JPH03220311A (ja) ポリウレタンの弾性繊維
JPH1135818A (ja) ポリウレタン組成物および弾性繊維
JP2003026755A (ja) 熱可塑性ポリウレタン樹脂およびその製造方法
JP3712092B2 (ja) ポリウレタン弾性繊維およびその製造方法
JPH0770278A (ja) 不粘着性、高弾性モノ−およびマルチ−フィラメントポリエステル/ポリウレタンエラストマー糸、その溶融紡糸製造法およびその使用方法
JP2001323156A (ja) 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物およびそれからなるポリウレタン弾性繊維
JP3217160B2 (ja) ポリウレタン、その製造方法およびポリウレタン繊維
JP3142089B2 (ja) ポリウレタン弾性繊維
JP2002069163A (ja) ラクトンポリエステルジオール、それから得られるポリウレタン及びそのスパンデックスフィラメント
JP3602668B2 (ja) ポリウレタン弾性繊維およびその製造方法
JP4481328B2 (ja) 熱可塑性ポリウレタン
JPH0376811A (ja) ポリウレタン弾性繊維
CN114127345B (zh) 双组分热塑性聚氨酯纤维和由其制成的织物
JP2653711B2 (ja) ポリウレタン
JP3366481B2 (ja) ポリウレタン繊維
JP2000327760A (ja) ポリエステルジオール、それから得られるポリウレタン及びそのスパンデックス(登録商標)フィラメント
JPH06294012A (ja) 不粘着性、高弾性ポリウレタンエラストマーモノフィラメントおよびマルチフィラメント、その製造法、その使用方法、およびこの目的のための一部架橋熱可塑性ポリウレタン
JP2000327759A (ja) ポリエステルジオール、それから得られるポリウレタン及びそのスパンデックス(登録商標)フィラメント
JPH0949120A (ja) ポリウレタン弾性繊維
JP3324890B2 (ja) ポリウレタンおよびそれに用いるポリエステルジオール
JP2653717B2 (ja) ポリウレタンおよびポリウレタン弾性繊維とそれに用いるポリエステルポリカーボネートジオール
JPH06123008A (ja) ポリウレタン弾性繊維
JP2653718B2 (ja) ポリウレタンおよびポリウレタン弾性繊維

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees