JPH1135804A - 透明エポキシ樹脂組成物およびそれで封止した半導体装置 - Google Patents

透明エポキシ樹脂組成物およびそれで封止した半導体装置

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JPH1135804A
JPH1135804A JP19528597A JP19528597A JPH1135804A JP H1135804 A JPH1135804 A JP H1135804A JP 19528597 A JP19528597 A JP 19528597A JP 19528597 A JP19528597 A JP 19528597A JP H1135804 A JPH1135804 A JP H1135804A
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JP
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epoxy resin
resin composition
thiophosphites
epoxy
components
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JP19528597A
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Satoru Tsuchida
悟 土田
Masahiko Kosaka
正彦 小坂
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】封止用素子への応力が小さく、且つ透明性、耐
熱衝撃性、耐湿性に優れた透明エポキシ樹脂組成物およ
びこの透明エポキシ樹脂組成物を用いた信頼性の高い光
半導体装置をていきょうすること。 【解決手段】下記の(A)〜(E)を必須成分として含
有してなる透明エポキシ樹脂組成物で半導体素子を封止
する。 (A)エポキシ樹脂 (B)酸無水物 (C)硬化促進剤 (D)フェノキシ樹脂 (E)チオホスファイト類

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発光素子および受光
素子の封止用として適したエポキシ樹脂組成物及びそれ
で封止した半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】発光素子および受光素子などの光半導体
の封止材料として、電気特性、耐熱性、耐湿性、透明性
などに優れるという観点から、一般に酸無水物硬化系エ
ポキシ樹脂が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来か
ら用いられているエポキシ樹脂組成物は、硬化時および
冷却時に発生する内部応力が大きいため、発光素子の輝
度が通電によって著しく低下するという問題があった。
この内部応力を低減するために一般的には、可とう性エ
ポキシ樹脂、硬化剤等を併用して、エポキシ樹脂硬化物
のガラス転移温度(Tg)を下げ、低応力化を図る手法
が採用されている。しかしながらこの場合には、耐熱性
が低下するため耐熱衝撃性が著しく低下する。また、内
部応力による輝度の低下を改善するにも一定の限界があ
り、全ての素子に適用できるものではなかった。さら
に、エポキシ硬化物のTgを下げると吸水量が増大し、
硬化物が白濁するため、発光素子の輝度が低下するとい
う問題もあった。上記課題に対して、特開昭62−12
8161号公報、あるいは特開昭63−62363号公
報に開示されているようなポリブタジエン樹脂やシリコ
ーン樹脂による変性によれば、一応の低応力効果が認め
られる。これらの手法は、低分子量エポキシ樹脂を用い
た液状透明エポキシ樹脂組成物には有効であるが、電気
特性、あるいは素子との接着性に課題を残している。ま
た、高分子量エポキシ樹脂と組み合わせた場合には、吸
湿による白濁を防止することや光学的均一性を確保する
ことが困難であったため、トランスファモールド用途の
材料には適用できなかった。本発明は、封止用素子への
応力が小さく、且つ透明性、耐熱衝撃性、耐湿性に優れ
た透明エポキシ樹脂組成物の提供を目的とし、この透明
エポキシ樹脂組成物を用いて光半導体素子を封止するこ
とにより、信頼性の高い光半導体装置を製造することが
可能となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために成されたもので、本発明のエポキシ樹脂組
成物は、下記の(A)〜(E)を必須成分として含有し
てなる構成をとる。 (A)エポキシ樹脂 (B)酸無水物 (C)硬化促進剤 (D)フェノキシ樹脂 (E)チオホスファイト類 すなわち、本発明者らは上記の目的を達成するため鋭意
研究を重ねる中で、硬化時および冷却時に生じる内部応
力を緩和するには、エポキシ樹脂硬化物の架橋密度を小
さくすることが有効であり、また耐熱衝撃性を向上する
ためには分子量が十分大きく、なお且つエポキシ樹脂と
共重合し、高接着性を示す樹脂が有利であるという着想
のもと、種々の高分子量樹脂について検討を重ねた。こ
の結果、特定のフェノキシ樹脂が低分子量〜高分子量エ
ポキシ樹脂との組合せにおいて光学的均一性を確保で
き、効果的に架橋密度を低下し、低応力化が図られ、且
つ耐熱衝撃性に優れることを見出した。さらに、エポキ
シ樹脂硬化物の吸湿による白濁現象を防止するための研
究を進める中で、白濁は樹脂組成物と水分が非相溶であ
るため、屈折率差を生じて起こる現象であることを確認
した。このため、樹脂中の吸湿水分と反応する化合物を
予め樹脂組成物に添加することにより、吸湿による樹脂
白濁を防止できるのではないかと想起し、種々の添加物
について検討を加えた。その結果、チオホスファイト類
が吸湿により、容易にチオアルコールと亜りん酸エステ
ルに加水分解され、この過程で樹脂の白濁を防止できる
ことを突き止め、本発明に到達したのである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるエポキシ樹脂
としては、一分子中に2個以上のエポキシ基を有するも
ので、エポキシ樹脂成形材料として使用されるものであ
れば制限はなく、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を代表
とするフェノール類とアルデヒド類のノボラック樹脂を
エポキシ化した物、ビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールS、水添ビスフェノールAなどのジ
グリシジルエーテル、フタル酸、ダイマー酸などの多塩
基酸とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシ
ジルエステル型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタ
ン、イソシアヌル酸などのポリアミンとエピクロルヒド
リンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ
樹脂、オレフィン結合を過酢酸などの過酸により酸化し
て得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、および脂環族エポ
キシ樹脂などがあり、これらを単独であるいは適宜何種
類でも併用することができる。これらのエポキシ樹脂は
十分に精製された物で、液化時の外観ができる限り無色
透明な物を使用するのが好ましい。
【0006】上記エポキシ樹脂と共に用いられる酸無水
物は、エポキシ樹脂の硬化剤として作用するもので、光
学特性を確保するために脂環式酸無水物を主成分とする
ものが好ましい。例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、
ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フ
タル酸などが挙げられ、単独であるいは併せて用いられ
る。酸無水物の使用量は、エポキシ樹脂に対して0.6
〜1.5当量、好ましくは0.8〜1.2当量となるよ
うに配合する必要がある。この範囲を超えた場合、反応
が不十分となり硬化物の特性が低下したり、硬化物が変
色(黄変)する場合があるためである。
【0007】上記エポキシ樹脂、硬化剤と共に用いられ
る硬化促進剤としては、例えば1,8−ジアザ−ビシク
ロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミ
ン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、
トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級
アミン、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダ
ゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−
ベンジル−2−フェニルイミダゾールなどのイミダゾー
ル類、トリブチルフォスフィン、トリフェニルフォスフ
ィン、ジフェニルフォスフィン等の有機フォスフィン
類、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレー
ト、トリフェニルフォスフィンテトラフェニルボレー
ト、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニ
ルボレートなどのテトラフェニルボロン塩などが挙げら
れる。これらの硬化促進剤は、単独で使用してもよい
し、2種類以上併用してもよい。硬化促進剤の配合量は
エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂および硬化剤の合計量に
対して0.1〜5重量%にすればよい。
【0008】本発明で用いられるフェノキシ樹脂は、ビ
スフェノールAおよび/またはビスフェノールFとエピ
クロルヒドリンから合成される高分子量ポリヒドロキシ
ポリエーテルであり、分子構造内にエポキシ基を含有す
るものである。本発明のフェノキシ樹脂は、重量平均分
子量10,000〜50,000の範囲のものが使用さ
れる。分子量がこの範囲を下回ると低応力効果が乏しく
なり、逆に上回るとエポキシ樹脂組成物との相溶性が低
下し、光学ムラや光透過率の低下を招くからである。こ
のフェノキシ樹脂の配合量は、エポキシ樹脂、酸無水物
硬化剤、硬化促進剤およびフェノキシ樹脂の合計量に対
して3〜40重量%(以下「%」と略す)の範囲に設定
する必要がある。すなわち、フェノキシ樹脂量が3%を
下回ると得られる硬化物に生じる応力を低減する効果が
少なく、逆に40%を越えるとエポキシ樹脂組成物との
相溶性が低下し光透過率が低下したり、光学ムラを発生
しやすくなると共に成形性が悪化するからである。
【0009】本発明で用いるチオホスファイト類として
は、トリメチルトリチオホスファイト、トリノリルトリ
チオホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイ
ト、トリフェノキシトリチオホスファイト、トリオクチ
ルトリチオホスファイト等が例示される。これらのチオ
ホスファイト類は単独で、あるいは併せて使用できる。
上記のチオホスファイト類の配合量は、エポキシ樹脂、
酸無水物、硬化促進剤、フェノキシ樹脂およびチオホス
ファイト類の合計量に対して0.1〜5%の範囲に設定
する必要がある。配合量が0.1%を下回ると白濁防止
が困難となり、逆に5%を超えると硬化物の耐湿性が低
下する恐れがあるためである。また、本発明のエポキシ
樹脂組成物には、上記各成分以外に必要に応じて、酸化
防止剤、着色剤、カップリング剤、変性剤、光線(紫外
線、可視光線、赤外線)吸収剤、低応力化剤、充填剤、
離型剤等の従来公知の添加剤が用いられる。酸化防止剤
としては、ホスファイト系、フェノール系、チオエーテ
ル系の酸化防止剤が用いられる。カップリング剤として
は、エポキシ基含有、アミノ基含有、メルカプト基含有
シランカップリング剤が用いられる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例によっ
て、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれ
らの実施例に限定されるものではない。実施例および比
較例において、行った特性試験の試験方法を、以下にま
とめて示す。 (1)光透過率 分光光度計(株式会社日立製作所、U−2000型)を
使用し、初期状態およびPCT(121℃、2atm)
に24h放置して吸湿させた後の厚さ1mmの試料につ
いて、波長600nmの光透過率を測定した。 (2)架橋密度、ヤング率 動的粘弾性装置(レオロジ株式会社、DVE−V4型)
を使用し、底辺1×4mm、高さ20mmの試料につい
て昇温速度3℃/min、周波数10Hzでの動的粘弾
性を測定し、測定値より架橋密度およびヤング率を算出
した。 (3)内部応力 幅12.5mm×長さ127mm×厚み0.2mmのり
ん青銅板の片面に厚み1mmの試料を成形し、試験片を
作製した。試験片の反り(変位量、曲率半径)を測定
し、測定値およびヤング率より内部応力を算出した。 (4)耐熱衝撃性 エポキシ樹脂組成物で封止された評価用IC(外形寸
法:20×6.3×2.3mm、ピン数:16本)をヒ
ートサイクル(−40℃〜120℃、各30分)処理
し、導通試験を行い断線したものを不良品とした。
【0011】実施例1〜6 比較例1〜6 表1、2にしたがって各原材料を配合し、ニーダー(バ
レル温度90℃)にて混練後、冷却粉砕し目的とする粉
末状のエポキシ樹脂組成物を得た。次に、これらのエポ
キシ樹脂組成物を各種試験用金型を用いて、成形温度1
50℃でトランスファ成形(圧力40kgf/cm2
時間2分)し、更に150℃で4時間アフタキュアし
た。光透過率、架橋密度、ヤング率、内部応力の評価結
果を表3に示し、耐熱衝撃性の評価結果を図1、2に示
した。
【0012】
【表1】 *1:エポキシ当量800、軟化点95℃ *2:エポキシ当量3,500、分子量30,000 *3:エポキシ当量2,000、分子量10,000 *4:トリラウリルトリチオホスファイト *5:1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール
【0013】
【表2】 *1:エポキシ当量800、軟化点95℃ *2:エポキシ当量3,500、分子量30,000 *3:エポキシ当量10,800、分子量65,000 *4:トリラウリルトリチオホスファイト *5:1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール
【0014】
【表3】
【0015】上記の結果から、実施例1〜6のエポキシ
樹脂組成物は初期状態、吸湿状態の透明性に優れ、なお
且つ低架橋密度により内部応力が小さく、耐熱衝撃性に
優れていることが分かる。一方、比較例1、2のエポキ
シ樹脂組成物は、本発明のフェノキシ樹脂、チオホスフ
ァイトを含まないため、内部応力が大きく耐熱衝撃性も
悪い。さらに吸湿後に白濁し、光透過率が著しく低下す
る。比較例3は、フェノキシ樹脂を含まないため、架橋
密度および内部応力が大きく耐熱衝撃性に劣る。また、
チオホスファイトの配合量が本発明の範囲を下回るた
め、吸湿後に白濁し透過性が悪化する。比較例4は、フ
ェノキシ樹脂の配合量が本発明の範囲を超えるため、エ
ポキシ樹脂との相溶性が低下し、初期状態の光透過率が
低下する。また、チオホスファイトを含有してないの
で、吸湿状態では白濁して光透過率が悪化する。比較例
5は、フェノキシ樹脂の配合量が本発明の範囲を下回る
ため、内部応力が大きく、耐熱衝撃性も低下する。比較
例6は、フェノキシ樹脂の分子量が本発明の範囲を超え
ており、なお且つエポキシ基濃度が非常に低いため、内
部応力が小さくなるがエポキシ樹脂との相溶性、共重合
性に乏しく、光透過率、耐熱衝撃性に問題があり、実用
に供せないことが分かる。
【0016】
【発明の効果】本発明による透明エポキシ樹脂組成物
は、吸湿後においても十分光透過率が高く、且つ内部応
力が小さく、耐熱衝撃性に優れ、この樹脂組成物により
封止された半導体装置は高い信頼性を有するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における耐熱衝撃性を示す線
図。
【図2】比較例における耐熱衝撃性を示す線図。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の(A)〜(E)を必須成分として含
    有してなることを特徴とする透明エポキシ樹脂組成物。 (A)エポキシ樹脂 (B)酸無水物 (C)硬化促進剤 (D)フェノキシ樹脂 (E)チオホスファイト類
  2. 【請求項2】フェノキシ樹脂の重量平均分子量が10,
    000〜50,000の範囲にあり、フェノキシ樹脂の
    配合量が(A)〜(D)成分の合計量の3〜40重量%
    の範囲である請求項1記載の透明エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】チオホスファイト類の配合量が(A)〜
    (E)成分全体のの0.1〜5重量%の範囲である請求
    項1又は2記載の透明エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3記載のエポキシ樹脂組
    成物により封止してなる半導体装置。
JP19528597A 1997-07-22 1997-07-22 透明エポキシ樹脂組成物およびそれで封止した半導体装置 Pending JPH1135804A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014157132A1 (ja) * 2013-03-28 2014-10-02 新日鉄住金化学株式会社 フェノキシ樹脂組成物及びその硬化物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014157132A1 (ja) * 2013-03-28 2014-10-02 新日鉄住金化学株式会社 フェノキシ樹脂組成物及びその硬化物
JPWO2014157132A1 (ja) * 2013-03-28 2017-02-16 新日鉄住金化学株式会社 フェノキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2018204035A (ja) * 2013-03-28 2018-12-27 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 フェノキシ樹脂組成物及びその硬化物

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