JPH11354468A - バリア膜の成膜方法 - Google Patents
バリア膜の成膜方法Info
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- JPH11354468A JPH11354468A JP10160329A JP16032998A JPH11354468A JP H11354468 A JPH11354468 A JP H11354468A JP 10160329 A JP10160329 A JP 10160329A JP 16032998 A JP16032998 A JP 16032998A JP H11354468 A JPH11354468 A JP H11354468A
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- Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高アスペクト比の穴あるいは溝のボトムとサ
イドにバリア膜を成膜できる成膜方法を提供すること。 【解決手段】 真空容器11と、プラズマビーム発生器
13と、真空容器内に配置され、蒸発物質としてTiま
たはTaあるいはTiNもしくはTaN、あるいはS
i、W、Nbのうちの少なくとも1種を微量含んだTi
またはTaあるいはTiNもしくはTaNを収容してい
る陽極としての主ハース30と、該主ハースの周囲に環
状の永久磁石35とコイル36とから成る補助陽極31
とを備え、前記主ハースに対向して配置した基板41に
TiNあるいはTaNによるバリア膜を成膜する。
イドにバリア膜を成膜できる成膜方法を提供すること。 【解決手段】 真空容器11と、プラズマビーム発生器
13と、真空容器内に配置され、蒸発物質としてTiま
たはTaあるいはTiNもしくはTaN、あるいはS
i、W、Nbのうちの少なくとも1種を微量含んだTi
またはTaあるいはTiNもしくはTaNを収容してい
る陽極としての主ハース30と、該主ハースの周囲に環
状の永久磁石35とコイル36とから成る補助陽極31
とを備え、前記主ハースに対向して配置した基板41に
TiNあるいはTaNによるバリア膜を成膜する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ処理方法
に関し、特にTiNあるいはTaN薄膜を形成するのに
適した成膜方法に関する。この種の薄膜は、半導体基板
または絶縁体との間に形成され、これによってCuなど
の配線材とのマイグレーションを防止したり、密着性を
高めるのに有効であり、バリア膜として使用される。
に関し、特にTiNあるいはTaN薄膜を形成するのに
適した成膜方法に関する。この種の薄膜は、半導体基板
または絶縁体との間に形成され、これによってCuなど
の配線材とのマイグレーションを防止したり、密着性を
高めるのに有効であり、バリア膜として使用される。
【0002】
【従来の技術】現在のVLSIは高集積化が進み、配線
幅は狭く、高アスペクト化が進んでいる。それにともな
い、配線材の成膜に関する要求が変化して来ている。現
行のAl−Cu合金での配線材については、スパッタリ
ングを用いて成膜を行い、その後、高温工程によるリフ
ローでホールヘ流し込む方法が知られている。しかし、
Al−Cu合金は抵抗率が高いという問題点がある。こ
のため、スパッタリング法を改良してCuの成膜が試み
られている。しかし、Cu配線材は、Si基板と良く反
応することが知られている。そのため、CuメタルとS
i基板との間には、反応(マイグレーション)を抑制す
る目的でバリア膜が必要となり、そのバリア膜として
は、一般的にTiNやTaNが使用される。このバリア
膜の製造方法としては、ロングスロースパッタリングと
CVDが一般的に知られている。
幅は狭く、高アスペクト化が進んでいる。それにともな
い、配線材の成膜に関する要求が変化して来ている。現
行のAl−Cu合金での配線材については、スパッタリ
ングを用いて成膜を行い、その後、高温工程によるリフ
ローでホールヘ流し込む方法が知られている。しかし、
Al−Cu合金は抵抗率が高いという問題点がある。こ
のため、スパッタリング法を改良してCuの成膜が試み
られている。しかし、Cu配線材は、Si基板と良く反
応することが知られている。そのため、CuメタルとS
i基板との間には、反応(マイグレーション)を抑制す
る目的でバリア膜が必要となり、そのバリア膜として
は、一般的にTiNやTaNが使用される。このバリア
膜の製造方法としては、ロングスロースパッタリングと
CVDが一般的に知られている。
【0003】ロングスロースパッタリングとは、スパッ
タリングのT−S間距離を大きく取る手法である。本
来、スパッタリングは、T−S間距離を極力短くし、タ
ーゲットからの転写により膜厚分布・成膜速度を高くと
ることが望ましい。しかし、キャリア原子による叩き出
しを利用しているため、スパッタされた物質の飛行方向
はターゲットに対して垂直ではなく、斜め上方に飛行す
る。このことは、スパッタリングではT−S間距離が短
いとボトムとサイドよりトップ部付近への成膜速度の方
が遥かに高速になるということである。そのため、ホー
ルの入口部が先に塞がり、ボトムへの成膜が途中より止
まる。このために、T−S間距離を大きくとり、低速で
均一に成膜する方法により、ボトムカバレージの良い成
膜を行うことが必要となる。従って、ロングスロースパ
ッタリング法は成膜速度が低いとう問題点がある。
タリングのT−S間距離を大きく取る手法である。本
来、スパッタリングは、T−S間距離を極力短くし、タ
ーゲットからの転写により膜厚分布・成膜速度を高くと
ることが望ましい。しかし、キャリア原子による叩き出
しを利用しているため、スパッタされた物質の飛行方向
はターゲットに対して垂直ではなく、斜め上方に飛行す
る。このことは、スパッタリングではT−S間距離が短
いとボトムとサイドよりトップ部付近への成膜速度の方
が遥かに高速になるということである。そのため、ホー
ルの入口部が先に塞がり、ボトムへの成膜が途中より止
まる。このために、T−S間距離を大きくとり、低速で
均一に成膜する方法により、ボトムカバレージの良い成
膜を行うことが必要となる。従って、ロングスロースパ
ッタリング法は成膜速度が低いとう問題点がある。
【0004】IMP(Ionization Mate
rial Plasma:PVD)は、スパッタリング
の成膜空間のプラズマにRFを重畳させて飛行物質のイ
オン化を促進し、バイアス電源からの電界でイオン化さ
れた粒子を引込み、ボトムカバレージを良くする方法で
ある。IMPは、ロングスロースパッタリングに比べて
短いT−S間距離で優れたボトムとサイドへのカバレー
ジ特性を有する。
rial Plasma:PVD)は、スパッタリング
の成膜空間のプラズマにRFを重畳させて飛行物質のイ
オン化を促進し、バイアス電源からの電界でイオン化さ
れた粒子を引込み、ボトムカバレージを良くする方法で
ある。IMPは、ロングスロースパッタリングに比べて
短いT−S間距離で優れたボトムとサイドへのカバレー
ジ特性を有する。
【0005】CVDは、ボトム、ステップの両方に付き
回り性が極めて良いとされている。しかし、基板を高温
(600℃以上)とする必要性がある。これは、将来、
LSIの遅延対策としてストッパー(キャパシター)の
材料に有機材が用いられた場合に問題となると考えられ
る。また、プロセスに使用されるガスは人体に有害であ
り、その処理のコストや管理が問題となる。
回り性が極めて良いとされている。しかし、基板を高温
(600℃以上)とする必要性がある。これは、将来、
LSIの遅延対策としてストッパー(キャパシター)の
材料に有機材が用いられた場合に問題となると考えられ
る。また、プロセスに使用されるガスは人体に有害であ
り、その処理のコストや管理が問題となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】半導体基板上へ直接C
u膜を形成した場合、マイグレーションにより基板が浸
食されるという、大きな問題点がある。そこで、基板表
面へCu膜を形成する前に、マイグレーションを防止す
る膜を形成し、この膜の上にCu膜を成膜する。
u膜を形成した場合、マイグレーションにより基板が浸
食されるという、大きな問題点がある。そこで、基板表
面へCu膜を形成する前に、マイグレーションを防止す
る膜を形成し、この膜の上にCu膜を成膜する。
【0007】本発明の課題は、基板とCuとの間のバリ
ア膜としては、TiNやTaNが適していることを確認
したことにより、TiNまたはTaNによる薄膜を均一
に成膜でき、しかもサイドカバレージに優れたバリア膜
の成膜方法を提供することにある。
ア膜としては、TiNやTaNが適していることを確認
したことにより、TiNまたはTaNによる薄膜を均一
に成膜でき、しかもサイドカバレージに優れたバリア膜
の成膜方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、成膜室を規定
する真空容器と、該真空容器に取り付けられたプラズマ
源と、前記真空容器内に配置され、蒸発物質Cuを収容
している陽極と、該陽極の周囲に環状の永久磁石と電磁
石コイルとから成る磁場発生機構とを備え、前記蒸発物
質としてTiまたはTaあるいはTiNもしくはTa
N、あるいはSi、W、Nbの少なくとも1種を微量含
んだTiまたはTaあるいはTiNもしくはTaNを用
い、反応性ガスとしてN2 を全ガス流量の1%以上導入
することにより、前記陽極に対向して配置した基板にT
iNまたはTaNをバリア膜として成膜することを特徴
とするバリア膜の成膜方法である。
する真空容器と、該真空容器に取り付けられたプラズマ
源と、前記真空容器内に配置され、蒸発物質Cuを収容
している陽極と、該陽極の周囲に環状の永久磁石と電磁
石コイルとから成る磁場発生機構とを備え、前記蒸発物
質としてTiまたはTaあるいはTiNもしくはTa
N、あるいはSi、W、Nbの少なくとも1種を微量含
んだTiまたはTaあるいはTiNもしくはTaNを用
い、反応性ガスとしてN2 を全ガス流量の1%以上導入
することにより、前記陽極に対向して配置した基板にT
iNまたはTaNをバリア膜として成膜することを特徴
とするバリア膜の成膜方法である。
【0009】成膜の条件としては、成膜時の真空容器内
の成膜圧力範囲が10-4〜10-2Torrであることを
特徴とする。
の成膜圧力範囲が10-4〜10-2Torrであることを
特徴とする。
【0010】また、成膜中の電子温度が2eV以上であ
ることを特徴とする。
ることを特徴とする。
【0011】更に、成膜中の真空容器中の最大の電子密
度が1010個/cm3 以上であることを特徴とする。
度が1010個/cm3 以上であることを特徴とする。
【0012】更に、前記プラズマ源における放電を維持
するためのガスとして、不活性ガスあるいは水素ガスを
導入することを特徴とする。
するためのガスとして、不活性ガスあるいは水素ガスを
導入することを特徴とする。
【0013】更に、成膜時の放電電流が10(A)以上
であることを特徴とする。
であることを特徴とする。
【0014】また、成膜時の放電電流、電圧値をそれぞ
れ、10(A)、30(V)以上としても良い。
れ、10(A)、30(V)以上としても良い。
【0015】更に、ハース上面から前記基板までの距離
が100(mm)〜1000(mm)であることを特徴
とする。
が100(mm)〜1000(mm)であることを特徴
とする。
【0016】
【発明の実施の形態】図1を参照して、本発明を実施す
るのに適した成膜装置について説明する。図1におい
て、真空容器11の側壁に設けられた筒状部12には圧
力勾配型のプラズマビーム発生器13が装着されてい
る。プラズマビーム発生器13は、陰極14により一端
が閉塞されたガラス管15を備えている。このガラス管
15内では、LaB6 による円盤16、タンタルTaに
よるパイプ17を内蔵したモリブデンMoによる円筒1
8が陰極14に固定されている。パイプ17は、アルゴ
ン等の不活性ガスによるキャリアガス10をプラズマビ
ーム発生器13内に導入するためのものである。
るのに適した成膜装置について説明する。図1におい
て、真空容器11の側壁に設けられた筒状部12には圧
力勾配型のプラズマビーム発生器13が装着されてい
る。プラズマビーム発生器13は、陰極14により一端
が閉塞されたガラス管15を備えている。このガラス管
15内では、LaB6 による円盤16、タンタルTaに
よるパイプ17を内蔵したモリブデンMoによる円筒1
8が陰極14に固定されている。パイプ17は、アルゴ
ン等の不活性ガスによるキャリアガス10をプラズマビ
ーム発生器13内に導入するためのものである。
【0017】ガラス管15の陰極14と反対側の端部と
筒状部12との間には、第1、第2の中間電極19、2
0が同心的に配置されている。第1の中間電極(第1の
グリッド)19内にはプラズマビームを収束するための
環状永久磁石21が内蔵されている。第2の中間電極2
0(第2のグリッド)内にもプラズマビームを収束する
ための電磁石コイル22が内蔵されている。この電磁石
コイル22は電源23から給電される。
筒状部12との間には、第1、第2の中間電極19、2
0が同心的に配置されている。第1の中間電極(第1の
グリッド)19内にはプラズマビームを収束するための
環状永久磁石21が内蔵されている。第2の中間電極2
0(第2のグリッド)内にもプラズマビームを収束する
ための電磁石コイル22が内蔵されている。この電磁石
コイル22は電源23から給電される。
【0018】プラズマビーム発生器13が装着された筒
状部12の周囲には、プラズマビームを真空容器11内
に導くステアリングコイル24が設けられている。この
ステアリングコイル24はステアリングコイル用の電源
25により励磁される。陰極14と第1、第2の中間電
極19、20との間にはそれぞれ、垂下抵抗器26、2
7を介して、可変電圧型の主電源28が接続されてい
る。
状部12の周囲には、プラズマビームを真空容器11内
に導くステアリングコイル24が設けられている。この
ステアリングコイル24はステアリングコイル用の電源
25により励磁される。陰極14と第1、第2の中間電
極19、20との間にはそれぞれ、垂下抵抗器26、2
7を介して、可変電圧型の主電源28が接続されてい
る。
【0019】真空容器11の内側の底部に、主ハース3
0とその周囲に配置された環状の補助陽極31が設置さ
れている。主ハース30は、筒状のハース本体により構
成され、プラズマビーム発生器13からのプラズマビー
ムが入射する凹部を有している。ハース本体の貫通孔に
は蒸発物質を収納している。補助陽極31は、環状の容
器により構成されている。環状の容器内には、フェライ
ト等による環状の永久磁石35と、これと同心的に積層
されたコイル36が収納されている。主ハース30及び
補助陽極31はいずれも熱伝導率の良い導電性材料、例
えば、銅が使用される。主ハース30に対して補助陽極
31は、絶縁物を介して取り付けられている。また、主
ハース30と補助陽極31は、抵抗48を介して接続さ
れている。主ハース30は、主電源28の正側に接続さ
れている。従って、主ハース30は、プラズマビーム発
生器13に対してそのプラズマビームが吸引される陽極
を構成している。
0とその周囲に配置された環状の補助陽極31が設置さ
れている。主ハース30は、筒状のハース本体により構
成され、プラズマビーム発生器13からのプラズマビー
ムが入射する凹部を有している。ハース本体の貫通孔に
は蒸発物質を収納している。補助陽極31は、環状の容
器により構成されている。環状の容器内には、フェライ
ト等による環状の永久磁石35と、これと同心的に積層
されたコイル36が収納されている。主ハース30及び
補助陽極31はいずれも熱伝導率の良い導電性材料、例
えば、銅が使用される。主ハース30に対して補助陽極
31は、絶縁物を介して取り付けられている。また、主
ハース30と補助陽極31は、抵抗48を介して接続さ
れている。主ハース30は、主電源28の正側に接続さ
れている。従って、主ハース30は、プラズマビーム発
生器13に対してそのプラズマビームが吸引される陽極
を構成している。
【0020】補助陽極31内のコイル36は電磁石を構
成し、コイル電源38から給電される。この場合、励磁
されたコイル36における中心側の磁界の向きは、永久
磁石35により発生する中心側の磁界と同じ向きになる
ように構成される。コイル電源38は可変電源であり、
電圧を変化させることにより、コイル36に供給する電
流を変化できる。
成し、コイル電源38から給電される。この場合、励磁
されたコイル36における中心側の磁界の向きは、永久
磁石35により発生する中心側の磁界と同じ向きになる
ように構成される。コイル電源38は可変電源であり、
電圧を変化させることにより、コイル36に供給する電
流を変化できる。
【0021】真空容器11の内部にはまた、主ハース3
0の上部に基板41を保持するための基板ホルダ42が
設けられている。基板ホルダ42にはヒータ43が設け
られている。ヒータ43はヒータ電源44から給電され
ている。基板ホルダ42は、真空容器11に対しては電
気的に絶縁支持されている。真空容器11と基板ホルダ
42との間にはバイアス電源45が接続されている。こ
のことにより、基板ホルダ42はゼロ電位に接続された
真空容器11に対して負電位にバイアスされている。補
助陽極31はハース切り替えスイッチ46を介して主電
源28の正側に接続されている。主電源28には、これ
と並列に垂下抵抗器29と補助放電電源47とがスイッ
チS1を介して接続されている。
0の上部に基板41を保持するための基板ホルダ42が
設けられている。基板ホルダ42にはヒータ43が設け
られている。ヒータ43はヒータ電源44から給電され
ている。基板ホルダ42は、真空容器11に対しては電
気的に絶縁支持されている。真空容器11と基板ホルダ
42との間にはバイアス電源45が接続されている。こ
のことにより、基板ホルダ42はゼロ電位に接続された
真空容器11に対して負電位にバイアスされている。補
助陽極31はハース切り替えスイッチ46を介して主電
源28の正側に接続されている。主電源28には、これ
と並列に垂下抵抗器29と補助放電電源47とがスイッ
チS1を介して接続されている。
【0022】この成膜装置においては、プラズマビーム
発生器13の陰極と真空容器11内の主ハース30との
間で放電が生じ、これによりプラズマビーム(図示せ
ず)が生成される。このプラズマビームはステアリング
コイル24と補助陽極31内の永久磁石35により決定
される磁界に案内されて主ハース30に到達する。主ハ
ース30に収納された蒸発物質はプラズマビームにより
加熱されて蒸発する。この蒸発粒子はプラズマビームに
よりイオン化され、負電圧が印加された基板41の表面
に付着し、被膜が形成される。
発生器13の陰極と真空容器11内の主ハース30との
間で放電が生じ、これによりプラズマビーム(図示せ
ず)が生成される。このプラズマビームはステアリング
コイル24と補助陽極31内の永久磁石35により決定
される磁界に案内されて主ハース30に到達する。主ハ
ース30に収納された蒸発物質はプラズマビームにより
加熱されて蒸発する。この蒸発粒子はプラズマビームに
よりイオン化され、負電圧が印加された基板41の表面
に付着し、被膜が形成される。
【0023】この成膜装置自体は、特開平8−2320
60号に開示されており、補助陽極31における永久磁
石35とコイル36の極性の様々な態様、蒸発粒子の飛
行分布について検討がなされている。
60号に開示されており、補助陽極31における永久磁
石35とコイル36の極性の様々な態様、蒸発粒子の飛
行分布について検討がなされている。
【0024】本発明は、この成膜装置を使用してSi基
板にTiNまたはTaNによる半導体用のバリア膜の成
膜を可能にしたものであり、以下に、その手法の特徴に
ついて説明する。
板にTiNまたはTaNによる半導体用のバリア膜の成
膜を可能にしたものであり、以下に、その手法の特徴に
ついて説明する。
【0025】蒸発物質としてTiまたはTaあるいは
TiNもしくはTaN、あるいはSi、W、Nbの少な
くとも1種を微量含んだTiまたはTaあるいはTiN
もしくはTaNを用いること。 反応性ガスとしてN2 を全ガス流量の1%以上導入す
ること。 成膜時の真空容器11内の成膜圧力範囲を10-4〜1
0-2Torrとすること。 成膜中の電子温度が2eV以上であること。 成膜中の真空容器11内の最大の電子密度が1010個
/cm3 以上であること。 プラズマビーム発生器13における放電を維持するた
めのキャリアガス10として、アルゴンArやネオンN
e等の不活性ガス、または水素ガスを導入すること。 成膜時の放電電流が10(A)以上であること。 成膜時の電圧値が30(V)以上であること。 ハース上面から基板41までの距離が100(mm)
〜1000(mm)であること。
TiNもしくはTaN、あるいはSi、W、Nbの少な
くとも1種を微量含んだTiまたはTaあるいはTiN
もしくはTaNを用いること。 反応性ガスとしてN2 を全ガス流量の1%以上導入す
ること。 成膜時の真空容器11内の成膜圧力範囲を10-4〜1
0-2Torrとすること。 成膜中の電子温度が2eV以上であること。 成膜中の真空容器11内の最大の電子密度が1010個
/cm3 以上であること。 プラズマビーム発生器13における放電を維持するた
めのキャリアガス10として、アルゴンArやネオンN
e等の不活性ガス、または水素ガスを導入すること。 成膜時の放電電流が10(A)以上であること。 成膜時の電圧値が30(V)以上であること。 ハース上面から基板41までの距離が100(mm)
〜1000(mm)であること。
【0026】以上のような条件によるアーク放電プラズ
マを利用した成膜方法により、以下の結果が確認されて
いる。
マを利用した成膜方法により、以下の結果が確認されて
いる。
【0027】一般に、アーク放電プラズマを利用した成
膜方式は、高い電子温度Te(2〜100eV)と電子
密度Ne(1010〜1013個/cm3 )を発生させるこ
とが可能なプロセスであることが知られている。このこ
とは、同時に真空(10-4〜10-2Torr程度)の成
膜空間において高イオン化率の蒸発物質を得ることが可
能であることを意味し、またバイアス電源を用いること
により、先述のIMP同様の効果を得ることが出来る。
膜方式は、高い電子温度Te(2〜100eV)と電子
密度Ne(1010〜1013個/cm3 )を発生させるこ
とが可能なプロセスであることが知られている。このこ
とは、同時に真空(10-4〜10-2Torr程度)の成
膜空間において高イオン化率の蒸発物質を得ることが可
能であることを意味し、またバイアス電源を用いること
により、先述のIMP同様の効果を得ることが出来る。
【0028】本方式の蒸発方向性は、スパッタリングと
違いcos4乗則あるいはcos5乗則に近く、T−S
間距離の値によっては直線的に成膜を行うことが出来
る。従って、本方式でのメリットは無バイアスでも穴の
ボトムとサイドに対しての成膜速度は、トップ部と同じ
であり、高アスペクトの深穴や溝に対しても均一にバリ
ア膜を成膜できる。
違いcos4乗則あるいはcos5乗則に近く、T−S
間距離の値によっては直線的に成膜を行うことが出来
る。従って、本方式でのメリットは無バイアスでも穴の
ボトムとサイドに対しての成膜速度は、トップ部と同じ
であり、高アスペクトの深穴や溝に対しても均一にバリ
ア膜を成膜できる。
【0029】また、成膜速度は他のプロセスに比べ高速
である。
である。
【0030】尚、主ハース30の凹部に直接、蒸発物質
を収容するのではなく、ライナーを介して収容するのが
好ましい。そして、このライナーの材料としては、Ti
N、TaN、あるいはカーボン材の表面にTiNまたは
TaNによる膜を形成したものが最も好ましい。あるい
は、ライナーをあらかじめ付けず、最初の成膜の際にエ
ージングを行い、その後、一度冷却して、ライナー材料
に相当するTiNまたはTaN膜を形成しても良い。
を収容するのではなく、ライナーを介して収容するのが
好ましい。そして、このライナーの材料としては、Ti
N、TaN、あるいはカーボン材の表面にTiNまたは
TaNによる膜を形成したものが最も好ましい。あるい
は、ライナーをあらかじめ付けず、最初の成膜の際にエ
ージングを行い、その後、一度冷却して、ライナー材料
に相当するTiNまたはTaN膜を形成しても良い。
【0031】また、CVDと違い有害なガスを用いる必
要性が全く無く、環境にやさしい方式であり、人体にあ
まり害が無く、排ガス処理を必要としない。更に、材料
形状は、粉末からピレット状のものまで、ハースに入れ
ればどの様な形状のものでも良い。
要性が全く無く、環境にやさしい方式であり、人体にあ
まり害が無く、排ガス処理を必要としない。更に、材料
形状は、粉末からピレット状のものまで、ハースに入れ
ればどの様な形状のものでも良い。
【0032】以上の点から、本発明による成膜方法は、
次世代半導体装置の多層配線材料として注目されている
Cu膜に対するバリア膜の新しい成膜方法であり、VL
SIの高集積化に伴う配線の微細化、低抵抗化に適して
いる。すなわち、高いアスペクト比の穴や溝へ均一に成
膜を行うことができる。
次世代半導体装置の多層配線材料として注目されている
Cu膜に対するバリア膜の新しい成膜方法であり、VL
SIの高集積化に伴う配線の微細化、低抵抗化に適して
いる。すなわち、高いアスペクト比の穴や溝へ均一に成
膜を行うことができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明による
アーク放電プラズマを利用したバリア膜の成膜方法は、
高アスペクト比の穴や溝のボトムとサイドに成膜可能で
あり、環境にやさしく、材料コストが安価である等のメ
リットが得られる。
アーク放電プラズマを利用したバリア膜の成膜方法は、
高アスペクト比の穴や溝のボトムとサイドに成膜可能で
あり、環境にやさしく、材料コストが安価である等のメ
リットが得られる。
【図1】本発明が適用される成膜装置の構成を概略的に
示す断面図である。
示す断面図である。
10 キャリアガス 11 真空容器 13 プラズマビーム発生器 14 陰極 15 ガラス管 19 第1の中間電極 20 第2の中間電極 21 環状永久磁石 22 電磁石コイル 23、25 電源 24 ステアリングコイル 26、27 垂下抵抗器 28 主電源 30 主ハース 31 補助陽極
Claims (8)
- 【請求項1】 成膜室を規定する真空容器と、該真空容
器に取り付けられたプラズマ源と、前記真空容器内に配
置され、蒸発物質を収容している陽極と、該陽極の周囲
に環状の永久磁石と電磁石コイルとから成る磁場発生機
構とを備え、前記蒸発物質としてTiまたはTaあるい
はTiNもしくはTaN、あるいはSi、W、Nbのう
ちの少なくとも1種を微量含んだTiまたはTaあるい
はTiNもしくはTaNを用い、反応性ガスとしてN2
を全ガス流量の1%以上導入することにより、前記陽極
に対向して配置した基板にTiNまたはTaNをバリア
膜として成膜することを特徴とするバリア膜の成膜方
法。 - 【請求項2】 請求項1記載の成膜方法において、成膜
時の真空容器内の成膜圧力範囲が10-4〜10-2Tor
rであることを特徴とするバリア膜の成膜方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の成膜方法において、成膜
中の電子温度が2eV以上であることを特徴とするバリ
ア膜の成膜方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の成膜方法において、成膜
中の真空容器中の最大の電子密度が1010個/cm3 以
上であることを特徴とするバリア膜の成膜方法。 - 【請求項5】 請求項1記載の成膜方法において、前記
プラズマ源における放電を維持するためのガスとして、
不活性ガスあるいは水素ガスを導入することを特徴とす
るバリア膜の成膜方法。 - 【請求項6】 請求項1記載の成膜方法において、成膜
時の放電電流が10(A)以上であることを特徴とする
バリア膜の成膜方法。 - 【請求項7】 請求項1記載の成膜方法において、成膜
時の放電電流、電圧値がそれぞれ、10(A)、30
(V)以上であることを特徴とするバリア膜の成膜方
法。 - 【請求項8】 請求項1記載の成膜方法において、ハー
ス上面から前記基板までの距離が100(mm)〜10
00(mm)であることを特徴とするバリア膜の成膜方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10160329A JPH11354468A (ja) | 1998-06-09 | 1998-06-09 | バリア膜の成膜方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10160329A JPH11354468A (ja) | 1998-06-09 | 1998-06-09 | バリア膜の成膜方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11354468A true JPH11354468A (ja) | 1999-12-24 |
Family
ID=15712618
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10160329A Pending JPH11354468A (ja) | 1998-06-09 | 1998-06-09 | バリア膜の成膜方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11354468A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104178735A (zh) * | 2013-05-27 | 2014-12-03 | 住友重机械工业株式会社 | 成膜装置 |
-
1998
- 1998-06-09 JP JP10160329A patent/JPH11354468A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104178735A (zh) * | 2013-05-27 | 2014-12-03 | 住友重机械工业株式会社 | 成膜装置 |
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050525 |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061002 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080820 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081217 |