JPH11354369A - 保安装置内蔵コンデンサ - Google Patents

保安装置内蔵コンデンサ

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JPH11354369A
JPH11354369A JP16485598A JP16485598A JPH11354369A JP H11354369 A JPH11354369 A JP H11354369A JP 16485598 A JP16485598 A JP 16485598A JP 16485598 A JP16485598 A JP 16485598A JP H11354369 A JPH11354369 A JP H11354369A
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JP
Japan
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capacitor
substrate
protective substrate
sealed case
protective
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JP16485598A
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Kiyoshi Unami
潔 宇波
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケース変形を検出して作動する保安装置にお
いて、保護基板の切断により導電部の絶縁を確保する。 【解決手段】 密閉ケース4と、密閉ケース4の内壁面
の対向位置に取付けられた一対の取付金具5,6と、絶
縁基板1の弱点部2が形成された中間部にコンデンサ素
子及び外部接続端子に接続される導電部3が設けられ少
なくとも一方の取付金具6に対して移動可能な状態で一
対の取付金具5,6に両端が支持された保護基板24
と、この保護基板24と相対的に移動可能な取付金具6
との間に設けられ密閉ケース4の変位によって保護基板
24が取付金具6に対して移動した状態で弱点部2より
切断されたときに取付金具6に対して移動した保護基板
24の部分を取付金具6側に引っ張るように張力を持た
せた弾性体9とを備えた。これにより、分離した保護基
板24どうしの導電部3間の絶縁距離を確保できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電力用コンデン
サ、電気機器コンデンサなどに使用する、コンデンサ素
子を収容した密閉ケース内に取付けられ、かつ密閉ケー
スの圧力変形による変位を利用して作動して、密閉ケー
ス内のコンデンサ素子と外部との電気的接続を断つ保安
装置内蔵コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種のコンデンサの保安装置は実
用新案出願公告、実公昭63−14432号、実公昭6
3−22666号、特許出願公告、特公平7−3231
3号などに提案されている。すなわち、図24および図
25に示すように紙エポキシ、紙フェノール、ガラスエ
ポキシなどの絶縁基板1の中間部に切り込みや穴あけな
どによって機械的弱点部2を設け、その弱点部2を含め
て絶縁基板1の上に導電部3を形成してなる保護基板を
備え、その両端に取付金具5,6をリベットもしくは、
ビス7、ナット8にて固定し、少なくとも一方の取付金
具6が保護基板と平行にスライドするとともに、金属ケ
ース4の内壁面に取付金具5,6を溶接あるいはハンダ
付けによって取付けている。この保安装置は図27
(a),(b)に示すような場合に使用される。密閉ケ
ース4に収納したコンデンサ素子20から導電部3を介
して外部接続端子21に電気的接続が行われる構造であ
る。このコンデンサ素子20が破壊した場合のガス発生
によって密閉ケース4が発生ガスGの圧力によって膨れ
ることによって弱点部2において保護基板を切断し同時
に導電部3も切断される。したがってコンデンサ素子2
0は外部引出端子21と電気的に絶縁され、コンデンサ
素子20への給電が停止されコンデンサ素子20の破壊
が停止しコンデンサ密閉ケース4の破壊を防止するもの
である。
【0003】また、少なくとも一方の取付金具6が保護
基板と平行にスライドする構造であるのは、内圧の変化
やケース寸法のばらつき、製造工程中での誤動作を防止
するためで、コンデンサ密閉ケース4内の圧力がコンデ
ンサを通常使用している時の温度変化などによって変位
した場合に誤動作しない様、変位に対して余裕を持たせ
るものである。
【0004】さらに、これらの作動状態を図26
(a),(b)にて説明する。図26(a),(b)は
図24の動作状態を横方向から見た図である。図25は
初期の状態を示している。すなわちコンデンサ密閉ケー
ス4の初期状態の内寸は、Aである。この状態からコン
デンサ素子20が破壊した場合のガス発生によって密閉
ケース4が発生ガスの圧力αによって膨れ、まず図26
(a)の位置まで変位し内寸はBとなる。この時少なく
とも一方の取付金具6が保護基板と平行にスライドする
ので内寸がAよりBに変位しても保護基板には機械的ス
トレスは加わらない。すなわち、この間の寸法がコンデ
ンサ密閉ケース4の変位に対する余裕となる。更にガス
発生が続きコンデンサ密閉ケース4の変位が内寸Bを越
えると保護基板には機械的ストレスが加わり保護基板は
図26(b)の様に切断される。
【0005】この時の内寸はB1であり、保護基板が切
断された間の寸法はCである。この寸法CはBlよりB
を引いた値である。この図26(b)の状態において導
電部3は切断されるのでコンデンサ素子20への給電が
停止されコンデンサ素子20の破壊が停止しコンデンサ
密閉ケース4の破壊を防止するものである。また一方、
これらの保護装置はコンデンサの主回路を切断するもの
であり外部にコンデンサが破壊したことを知らせる信号
が必要な場合、保護装置とは別に圧力を感知する圧力接
点を取付けたり、コンデンサ密閉ケース4の変位を外的
にリミットスイッチ等によって検出する方法等がとられ
ている。またその他の提案例としては、実用新案出願公
開、実開平6−77222号などがあげられる。
【0006】コンデンサが破壊した時の信号は上記方法
によって配電盤等に出力されるが、コンデンサ本体にお
いて目視可能とする提案としては、特許出願公告、特公
平7−24250号の保安装置を備えたコンデンサがあ
る。これは、保安装置を備えたコンデンサが何らかの原
因で内部故障を生じてケース内圧が上昇すると、ケース
が膨れて変形して保安装置を形成するリード板が切断し
て保安装置が2分割され、保安装置に取付た連結棒が移
動して可動子より抜け出し、該可動子はスプリングの復
元力によってケースに設けた覗き窓に突入するようにし
て、外部より目視可能とするものである。またその他の
提案としては、特許出願公告、特公平7−70408号
等がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の提案においては、次に述べるような問題点がある。ま
ず、実用新案出願公告、実公昭63−14432号、実
公昭63−22666号、特許出願公告、特公平7−3
2313号などに提案されている例では図26(b)、
図27(b)に示される様に保安装置が動作した段階に
おいて、コンデンサ素子20は外部引出端子21と電気
的に絶縁され、コンデンサ素子20への給電が停止され
コンデンサ素子20の破壊が停止する為、2分割された
保護基板が切断された間の寸法Cが十分に確保されない
場合がある。その場合2分割に切断された導電部3どう
しの間の絶縁が不十分となり、導通が再開する危険性が
ある。導電部3どうしの導通が再開されると、コンデン
サ内部で再点弧、すなわちアークを発生する危険な状態
となる場合がある。この場合コンデンサ密閉ケース4内
部に急激なガスの発生が起こり、最悪の場合コンデンサ
密閉ケース4の破壊につながる場合もある。したがっ
て、2分割に切断された導電部3どうしの間の絶縁をい
かにして確保するかということが課題となる。
【0008】つぎに、外部にコンデンサが破壊したこと
を知らせる信号が必要な場合、保護装置とは別に圧力を
感知する圧力接点を取付けたり、コンデンサ密閉ケース
の変位を外的にリミットスイッチ等によって検出する方
法等の場合、保安装置の動作圧力とこれらの外部出力の
動作圧力のポイントを希望するタイミングに設定するこ
とは極めて困難である。すなわち、各々の動作タイミン
グがずれると、保安装置が動作したのに外部出力しない
場合、または、外部出力され故障信号が出ているのにコ
ンデンサは遮断されない場合など、コンデンサの保守・
点検を行う上で判断を誤る危険性がある。
【0009】また、保護基板にコンデンサ回路導通路の
他に保護基板の切断により分離される補助導通路を設
け、2つの同期をとる方法もあるが、その場合主回路に
高電圧が印可されると回路間の絶縁が十分に取れず誤動
作する場合がある。またこの方法の場合動作ポイントが
完全に一致する場合があり、フェールセィフの観点から
望ましくない。すなわちコンデンサ回路導通路と補助導
通路の動作ポイントを希望するタイミングにいかにして
設定するかが課題となる。
【0010】つぎに、コンデンサ本体において目視可能
とする提案の場合、特許出願公告、特公平7−2425
0号の保安装置を備えたコンデンサにおいては、保安装
置に取付た連結棒が移動して可動子より抜け出し、該可
動子はスプリングの復元力によってケースに設けた覗き
窓に突入するようにして、外部より目視可能とする構造
であるため、その構造は複雑であり、またケースに覗き
窓を設ける必要があるためコンデンサ密閉ケースとして
の強度に問題がある。そのため製造工程が複雑となり結
果としてコストの高いものとなる。
【0011】したがって、この発明の目的は、ケース変
形を検出して作動する保安装置において、保護基板の切
断により導電部の絶縁を確保できる保安装置内蔵コンデ
ンサを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
にこの発明の請求項1記載の保安装置内蔵コンデンサ
は、コンデンサ素子を収納し外部接続端子を設けた密閉
ケースと、この密閉ケースの内壁面の対向位置に取付け
られた一対の取付金具と、絶縁基板の弱点部が形成され
た中間部にコンデンサ素子及び外部接続端子に接続され
る導電部が設けられ少なくとも一方の取付金具に対して
移動可能な状態で一対の取付金具に両端が支持された保
護基板と、この保護基板と相対的に移動可能な取付金具
との間に設けられ密閉ケースの変位によって保護基板が
取付金具に対して移動した状態で弱点部より切断された
ときに取付金具に対して移動した保護基板の部分を取付
金具側に引っ張るように張力を持たせた弾性体とを備え
た。
【0013】このように、保護基板と相対的に移動可能
な取付金具との間に設けられ密閉ケースの変位によって
保護基板が取付金具に対して移動した状態で弱点部より
切断されたときに取付金具に対して移動した保護基板の
部分を取付金具側に引っ張るように張力を持たせた弾性
体を備えているので、分離した保護基板どうしの導電部
間の絶縁距離を確保でき、保護基板どうしの距離を従来
例に比べて倍以上に確保することが可能となり、導電部
間の絶縁が確実なものとなる。したがって、導通が再開
する危険性がなく、コンデンサ内部で再点弧、すなわち
アークを発生する危険な状態になることがなく、コンデ
ンサ密閉ケース内部の急激なガスの発生を未然に防止
し、コンデンサ密閉ケースの破壊などを完全に防止し、
信頼性の高い、より安全な保安装置内蔵コンデンサを提
供することができる。
【0014】請求項2記載の保安装置内蔵コンデンサ
は、コンデンサ素子を収納し外部接続端子を設けた密閉
ケースと、この密閉ケースの内壁面の対向位置に取付け
られた一対の取付金具と、絶縁基板の弱点部が形成され
た中間部にコンデンサ素子及び外部接続端子に接続され
る導電部が形成され一対の取付金具に両端が支持された
保護基板と、この保護基板に設けられ密閉ケースの変位
によって保護基板が弱点部より切断されたときに分離さ
れた保護基板の間に入るように付勢された弾性を有する
絶縁体とを備えた。
【0015】このように、保護基板に設けられ密閉ケー
スの変位によって保護基板が弱点部より切断されたとき
に分離された保護基板の間に入るように付勢された弾性
を有する絶縁体を備えているので、分離した保護基板ど
うしの距離が従来例と同じくらいであっても、保護基板
の間に弾性を有する絶縁体が入ることによって導電部間
の絶縁が確実なものとなる。したがって、導通が再開す
る危険性がなく、コンデンサ内部で再点孤、すなわちア
ークを発生する危険な状態になることがなく、コンデン
サ密閉ケース内部の急激なガスの発生を未然に防止し、
コンデンサ密閉ケースの破壊などを完全に防止し、信頼
性の高い、より安全な保安装置内蔵コンデンサを提供す
ることができる。
【0016】請求項3記載の保安装置内蔵コンデンサ
は、請求項2において、弾性を有する絶縁体が、保護基
板の上部に配置され、くの字状に折り曲げられ下方に張
力を持たせた。このように、弾性を有する絶縁体が、保
護基板の上部に配置され、くの字状に折り曲げられ下方
に張力を持たせたので、分離した保護基板どうしの距離
が従来例と同じくらいであっても、保護基板の間に上記
絶縁体が入ることによって導電部間の絶縁が確実なもの
となる。すなわち、絶縁体が下方に張力を持たせた構造
となっているため従来例よりわずかに分離した保護基板
どうしの距離であっても絶縁体が確実に入り込み、導通
が再開する危険性がない。このため、信頼性および安全
性がさらに向上する。
【0017】請求項4記載の保安装置内蔵コンデンサ
は、請求項3において、絶縁基板の中間部の弱点部が開
口部であり、この開口部に弾性を有する絶縁体の突出し
た一部が挿入されている。このように、絶縁基板の中間
部の弱点部が開口部であり、この開口部に弾性を有する
絶縁体の突出した一部が挿入されているので、分離した
保護基板どうしの距離が従来例と同じくらいであって
も、上記絶縁体の突出した一部が開口部に挿入されてい
ることによって導電部間の絶縁が確実なものとなる。す
なわち、下方に張力を持たせた絶縁体の突出した一部
が、開口部に挿入されている構造となっているため従来
例よりわずかに分離した保護基板どうしの距離であって
も絶縁体が確実に入り込み、導通が再開する危険性がな
い。このため、信頼性および安全性がさらに向上する。
【0018】請求項5記載の保安装置内蔵コンデンサ
は、コンデンサ素子を収納し外部接続端子を設けた密閉
ケースと、この密閉ケースの内壁面の対向位置に取付け
られた一対の取付金具と、絶縁基板の弱点部が形成され
た中間部にコンデンサ素子及び外部接続端子に接続され
るコンデンサ回路導通路と外部出力用の補助導通路とが
設けられ一対の取付金具に両端が支持された保護基板と
を備え、密閉ケースの変位によって保護基板が弱点部よ
り切断される保安装置内蔵コンデンサであって、コンデ
ンサ回路導通路と補助導通路の間に、補助導通路と同等
以上の長さに開口した開口部を設け、かつこの開口部か
ら補助導通路を囲むように導電部を設けたことを特徴と
する。
【0019】このように、コンデンサ回路導通路と補助
導通路の間に、補助導通路と同等以上の長さに開口した
開口部を設け、かつこの開口部から補助導通路を囲むよ
うに導電部を設けたので、コンデンサ回路導通路と補助
導通路の間の絶縁を行うことができ、主回路であるコン
デンサ回路導通路に高電圧が印加された場合においても
回路間の絶縁が十分に取れ、誤動作を発生させない。す
なわち、保安装置が動作したのに外部出力しない場合、
または外部出力され故障信号が出ているのにコンデンサ
は遮断されない場合などの発生がなく、コンデンサの保
守・点検を行う上で判断を誤る危険性も少なくなり、信
頼性の高い、より安全な保安装置内蔵コンデンサを提供
することができる。
【0020】請求項6記載の保安装置内蔵コンデンサ
は、請求項5において、保護基板上のコンデンサ回路導
通路および補助導通路が各々切断される設定動作ポイン
トを任意に設定可能とした。このように、保護基板上の
コンデンサ回路導通路および補助導通路が各々切断され
る設定動作ポイントを任意に設定することを可能にした
ので、保安装置の動作ポイントと外部出力の動作ポイン
トを希望するタイミングに設定できる。
【0021】請求項7記載の保安装置内蔵コンデンサ
は、請求項6において、補助導通路の設定動作ポイント
を、コンデンサ回路導通路の設定動作ポイントより5〜
10%低く設定する。このように、補助導通路の設定動
作ポイントを、コンデンサ回路導通路の設定動作ポイン
トより5〜10%低く設定するので、コンデンサ密閉ケ
ース内部の圧力が所定の圧力になったときに補助導通路
が作動して外部出力し、それから5〜10%圧力が上昇
したときにコンデンサ回路導通路が作動するというよう
に保安装置が動作する前にコンデンサの故障を知ること
ができる。
【0022】請求項8記載の保安装置内蔵コンデンサ
は、請求項5または6において、補助導通路の接点を外
部引出端子により取り出し、この外部引出端子に直列に
発光素子を接続し、外部回路の給電により前記発光素子
が発光し、保護基板が切断されたときに前記補助導通路
が遮断されて発光を停止させた。このように、補助導通
路の接点を外部引出端子により取り出し、この外部引出
端子に直列に発光素子を接続し、外部回路の給電により
前記発光素子が発光し、保護基板が切断されたときに前
記補助導通路が遮断されて発光を停止させたので、コン
デンサ本体の故障を目視することが可能となり、コンデ
ンサの保守・点検を行う上で判断の助けとなり、信頼性
および安全性がさらに向上する。また、従来のようにケ
ースに覗き窓を設ける必要がないためコンデンサ密閉ケ
ースとしての強度は問題なく、また製造工程が簡単とな
り結果としてコストの低いものとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】この発明の請求項1に関する第1
の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。図1は
この発明の第1の実施の形態の保安装置内蔵コンデンサ
の保安装置を示す平面図、図2はその正面図である。図
1および図2に示すように、この保安装置は、コンデン
サ素子を収納し外部接続端子を設けた密閉ケース(金属
ケース)4と、コンデンサ密閉ケース4の内壁面の対向
位置に取付けた一対の取付金具5,6と、コンデンサ密
閉ケース4の内壁面に架設される保護基板24とを備え
ている。保護基板24は、紙エポキシ、紙フェノール、
ガラスエポキシなどの絶縁基板1の中間部に切り込みや
穴あけなどによって機械的弱点部2を設け、その弱点部
2を含めて絶縁基板1の上に導電部3(斜線部で示す部
分)を形成したもので、両端が一対の取付金具5,6に
て支持される。この場合、保護基板24の両端に取付金
具5,6の一端をリベットもしくはビス7、ナット8に
て取付け、コンデンサ密閉ケース4の変位によって保護
基板24が少なくとも一方の取付金具6に対して移動可
能である。また、取付金具5,6の他端はコンデンサ密
閉ケース4の内壁面に半田付けによって取付けている。
そして、保護基板24が弱点部2で切断されることによ
り、コンデンサ素子と外部接続端子との電気的接続を断
つことができる。
【0024】また、保護基板24と相対的に移動可能な
取付金具6との間に張力を持った弾性体9を設けてあ
る。すなわち、密閉ケース4の変位によって保護基板2
4が取付金具6に対して移動した状態で弱点部2より切
断されたときに、取付金具6に対して移動した保護基板
24の部分が、弾性体9により引っ張られることにより
取付金具6側に移動し、分離した保護基板24どうしの
導電部3間の絶縁距離を確保している。この場合、弾性
体9はスプリング状のばねで、一端をリベットもしくは
ビス7に止着し、他端を取付金具6側に固定してある。
25a,25b,25cはコンデンサの一端とリードを
介して接続される接続部である。
【0025】次に上記構成の保安装置内蔵コンデンサの
動作について説明する。図3はこの発明の第1の実施の
形態の動作説明図で、図2は初期状態を示している。す
なわち、コンデンサ密閉ケース4の初期状態の内寸は、
Aである。この状態からコンデンサ素子20(図27参
照)が破壊した場合のガス発生の圧力αによってコンデ
ンサ密閉ケース4が膨れ、まず図3(a)の位置まで変
位し内寸はBとなる。このとき少なくとも一方の取付金
具6が保護基板24と平行に移動するので内寸がAより
Bに変位しても保護基板24には機械的ストレスは加わ
らない。すなわち、この間の寸法がコンデンサ密閉ケー
ス4の変位に対する余裕となる。また、このとき保護基
板24と少なくとも一方の取付金具6の間の張力を持っ
た弾性体9はコンデンサ密閉ケース4の変位によって図
3(a)のように引っ張られる。
【0026】更にガス発生が続きコンデンサ密閉ケース
4の変位が内寸Bを越えると保護基板24には機械的ス
トレスが加わり保護基板24は図3(b)のように切断
される。このときの内寸はB1であり、保護基板24が
切断された間の寸法はCである。この寸法CはBlより
Bを引いた値である。この図3(b)の状態において導
電部3は切断されるのでコンデンサ素子20への給電が
停止されコンデンサ素子の破壊が停止しコンデンサ密閉
ケース4の破壊を防止する。
【0027】この保護基板24および導電部3が切断さ
れた時、前記張力を持った弾性体9が分離した保護基板
24および導電部3を引っ張るので保護基板24および
導電部3は瞬時のうちに図3(c)の位置に移動する。
このときの内寸はBlのままであるが、保護基板24が
切断された間の寸法はClなる。したがって、分離した
保護基板24どうしの距離を従来例に比べて倍以上に確
保することが可能となり、導電部3間の絶縁を確実なも
のとなる。すなわち導通が再開する危険性がなく、コン
デンサ内部で再点弧、すなわちアークを発生する危険な
状態になることがなく、コンデンサ密閉ケース4内部の
急激なガスの発生を未然に防ぎ、コンデンサ密閉ケース
4の破壊などを完全に防ぎ、信頼性の高い、より安全な
保安装置内蔵コンデンサを提供することができる。
【0028】この発明の請求項1に関する第2の実施の
形態を図4ないし図6に基づいて説明する。図4はこの
発明の第2の実施の形態の保安装置内蔵コンデンサの保
安装置を示す平面図、図5はその正面図、図6は動作説
明図である。図4および図5に示すように、保護基板2
4およびこれを支持する取付金具5,6の構成は第1の
実施の形態と同様であるが、保護基板24と少なくとも
一方の取付金具6の間の張力を持った弾性体の形状が異
なる。すなわち、この弾性体10は線ばねを凸状に加工
したもので、両端をリベットもしくはビス7に止着し、
中間部を取付金具6側に固定してある。
【0029】この実施の形態でも、図6に示すように、
ガス発生の圧力αによってコンデンサ密閉ケース4が膨
れ内寸はBとなり、一方の取付金具6が保護基板24と
平行に移動するので内寸がAよりBに変位しても保護基
板24には機械的ストレスは加わらない。さらにコンデ
ンサ密閉ケース4が変位すると保護基板24が切断さ
れ、張力を持った弾性体10が分離した保護基板24お
よび導電部3を引っ張り、第1の実施の形態と同様に導
電部3間の絶縁を確実なものとする。その他の構成効果
は、第1の実施の形態と同様であるが、そのスペースフ
ァクターが良く保護基板24を作成するとき邪魔になら
ないし、コスト的にも安価となる。
【0030】この発明の請求項1に関する第3の実施の
形態を図7〜図9に基づいて説明する。図7はこの発明
の第3の実施の形態の保安装置内蔵コンデンサの保安装
置を示す平面図、図8はその正面図、図9は動作説明図
である。図7および図8に示すように、保護基板24お
よびこれを支持する取付金具5,6の構成は第1,2の
実施の形態と同様であるが、保護基板24と少なくとも
一方の取付金具6の間の張力を持った弾性体の形状が異
なる。すなわち、この弾性体11は線ばねを楕円状に加
工したもので、リベットまたはビス7に係止するととも
に取付金具6側に固定してある。
【0031】この実施の形態でも、図9に示すように、
ガス発生の圧力αによってコンデンサ密閉ケース4が膨
れ内寸はBとなり、一方の取付金具6が保護基板24と
平行に移動するので内寸がAよりBに変位しても保護基
板24には機械的ストレスは加わらない。さらにコンデ
ンサ密閉ケース4が変位すると保護基板24が切断さ
れ、張力を持った弾性体10が分離した保護基板24お
よび導電部3を引っ張り、第1の実施の形態と同様に導
電部3間の絶縁を確実なものとする。その他の構成効果
は、第1,2の実施の形態と同様であるが、さらにその
スペースファクターが良く保護基板24を作成するとき
邪魔にならないし、さらに加工がしやすくコスト的にも
安価となる。
【0032】これら請求項1の実施の形態を第1,2,
3の実施の形態で表らわしたが、その形態はこれらに止
まらず他の形態でも同様の効果が得られる。この発明の
請求項2に関する第4の実施の形態を図10〜図12に
基づいて説明する。図10はこの発明の第4の実施の形
態で保安装置をコンデンサ密閉ケース内に取付ける場合
の位置関係を示す説明図、図11は第4の実施の形態の
保安装置内蔵コンデンサの保安装置の正面図である。図
10の符号Hで示すように、保安装置はコンデンサ密閉
ケース4の上部に配置されている。図11に示すよう
に、この保安装置は、コンデンサ素子を収納し外部接続
端子を設けた密閉ケース(金属ケース)4と、コンデン
サ密閉ケース4の内壁面の対向位置に取付けた一対の取
付金具5,5と、コンデンサ密閉ケース4の内壁面に架
設される保護基板24とを備えている。保護基板24
は、紙エポキシ、紙フェノール、ガラスエポキシなどの
絶縁基板1の中間部に切り込みや穴あけなどによって機
械的弱点部2を設け、その弱点部2を含めて絶縁基板1
の上に導電部3を形成したもので、両端が一対の取付金
具5,5にて支持される。この場合、保護基板24の両
端に取付金具5,5の一端をリベットもしくはビス7、
ナット8にて固定し、かつ他端をコンデンサ密閉ケース
4の内壁面に溶接あるいは半田付けによって取付けてい
る。そして、保護基板24が弱点部2で切断されること
により、コンデンサ素子と外部接続端子との電気的接続
を断つことができる。
【0033】また、保護基板24の上下に弾性を有する
絶縁体12を配置し、絶縁体12、押え基板13ととも
に取付金具5,5を保護基板24の両端に固定してあ
る。すなわち、密閉ケース4の変位によって保護基板2
4が弱点部2より切断されたときに分離された保護基板
24の間に付勢された絶縁体12が入り、保護基板24
間の絶縁を行うようにしている。
【0034】次に上記構成の保安装置内蔵コンデンサの
動作について説明する。図12はこの発明の第4の実施
の形態の動作説明図で、図11は初期状態を示してい
る。すなわち、この状態からコンデンサ素子20が破壊
した場合のガス発生によって図12のように密閉ケース
4が発生ガスの圧力αによって膨れ、保護基板24はβ
方向に変位する。この変位によって保護基板24は切断
され、保護基板24が切断された時に分離された保護基
板24の間に前記弾性を有する絶縁体12が入り保護基
板24間の絶縁を行う。したがって、分離した保護基板
24どうしの距離が従来例と同じくらいであっても、分
離された保護基板24の間に弾性を有する絶縁体12が
入ることによって導電部3間の絶縁を確実なものとな
る。すなわち導通が再開する危険性がなく、コンデンサ
内部で再点弧、すなわちアークを発生する危険な状態に
なることがなく、コンデンサ密閉ケース4内部の急激な
ガスの発生を未然に防ぎ、コンデンサ密閉ケース4の破
壊などを完全に防ぎ、信頼性の高い、より安全な保安装
置内蔵コンデンサを提供することができる。なお、一対
の取付金具5,5はいずれも保護基板24に固定される
ものであるが、図1等と同様に一方の取付金具を保護基
板24に対して移動するようにしてもよい。
【0035】この発明の請求項3に関する第5の実施の
形態を図13〜図15に基づいて説明する。図13はこ
の発明の第5の実施の形態の保安装置内蔵コンデンサの
保安装置の正面図である。図10の符号Lで示すよう
に、保安装置はコンデンサ密閉ケース4の中央部に配置
されている。図13に示すように、保護基板24および
これを支持する取付金具5,6の構成は第4の実施の形
態と同様であるが、弾性を有する絶縁体の構成が異な
る。すなわち、保護基板24の上部に配置した弾性を有
する絶縁体12はくの字状に折り曲げられ下方に張力を
持たせた構造であり、絶縁体12、押え基板13ととも
に取付金具5,6を保護基板24の両端に固定し、保護
基板24が切断されたときに分離された保護基板24の
間に絶縁体12が入り、保護基板24間の絶縁を行うよ
うにしている。その他の構成は、第4の実施の形態と同
様である。
【0036】上記構成の保安装置内蔵コンデンサの動作
について説明する。図14はこの発明の第5の実施の形
態の動作説明図、図15はその動作を示した斜視図で、
図13は初期状態を示す。この状態からコンデンサ素子
20が破壊した場合のガス発生によって図14のように
密閉ケース4が発生ガスの圧力αによって膨れ変位す
る。この変位によって保護基板24は切断される。分離
した保護基板24どうしの距離が従来例と同じくらいで
あっても、分離された保護基板24の間に弾性を有する
くの字状に折り曲げられ下方に張力を持たせた絶縁体1
2が入ることによって導電部3間の絶縁を確実なものと
する。すなわち下方に張力を持たせた構造となっている
ため従来例よりわずかに分離した保護基板24どうしの
距離であっても絶縁体12が確実に入り込み、すなわち
導通が再開する危険性がなく、コンデンサ内部で再点
弧、すなわちアークを発生する危険な状態になることが
なく、コンデンサ密閉ケース内部の急激なガスの発生を
未然に防ぎ、コンデンサ密閉ケース4の破壊などを完全
に防ぎ、信頼性の高い、より安全な保安装置内蔵コンデ
ンサを提供することができる。
【0037】この発明の請求項4に関する第6の実施の
形態を図16および図17に基づいて説明する。図16
はこの発明の第6の実施の形態の保安装置内蔵コンデン
サの保安装置の斜視図、図17はその保安装置の正面図
である。図16に示すように、保護基板24およびこれ
を支持する取付金具5,6の構成は第4の実施の形態と
同様であるが、弾性を有する絶縁体の構成が異なる。す
なわち、保護基板24の上部に配置した弾性を有する絶
縁体12はくの字状に折り曲げられ下方に張力を持たせ
た構造であり、第5の実施の形態と同様に絶縁体12、
押え基板13とともに取付金具5,6を保護基板24の
両端に固定し、保護基板24が切断されたときに分離さ
れた保護基板24の間に絶縁体12が入り、保護基板2
4間の絶縁を行うようにしている。さらに、絶縁体12
の突出した一部(突出部)12a,12b,12cが、
絶縁基板1の中間部の弱点部2である開口部に挿入され
ている。また、動作説明は第5の実施の形態と同様であ
る。
【0038】この実施の形態では、分離した保護基板2
4どうしの距離が従来例と同じくらいであっても、絶縁
体12の突出部12a,12b,12cが絶縁基板1の
中間部の弱点部2である開口部に挿入されていることに
よって、より確実に絶縁体12が分離された保護基板2
4の間に入り、導電部3の絶縁を確実なものとなる。す
なわち絶縁体12の突出部12a,12b,12cが、
弱点部2である開口部に挿入されている構造となってい
るため、従来例よりわずかに分離した保護基板24どう
しの距離であっても絶縁体12が確実に入り込む。した
がって、導通が再開する危険性がなく、コンデンサ内部
で再点弧、すなわちアークを発生する危険な状態になる
ことがなく、コンデンサ密閉ケース4内部の急激なガス
の発生を未然に防ぎ、コンデンサ密閉ケース4の破壊な
どを完全に防ぎ、信頼性の高い、より安全な保安装置内
蔵コンデンサを提供することができる。
【0039】この発明の請求項5に関する第7の実施の
形態を図18〜図21に基づいて説明する。図18はこ
の発明の第7の実施の形態の保安装置内蔵コンデンサの
保安装置の平面図である。図18に示すように、この保
安装置は、コンデンサ素子を収納し外部接続端子を設け
た密閉ケース4と、この密閉ケース4の内壁面の対向位
置に取付けられた一対の取付金具5,6と、絶縁基板1
の弱点部2が形成された中間部にコンデンサ素子及び外
部接続端子に接続されるコンデンサ回路導通路3と外部
出力用の補助導通路14とが設けられ一対の取付金具
5,6に両端が支持された保護基板24とを備え、密閉
ケース4の変位によって保護基板24が弱点部2より切
断される。なお、絶縁基板1は第1の実施の形態と同様
に紙エポキシ、紙フェノール、ガラスエポキシなどで形
成され、弱点部2は切込みや穴あけなどによって機械的
に設けてある。
【0040】また、コンデンサ回路導通路3と補助導通
路14の間に、補助導通路14と同等以上の長さに開口
した開口部2aを設け、かつこの開口部2aから補助導
通路14を囲むように導電部15を設け、コンデンサ回
路導通路3と補助導通路14の間の絶縁を行うようにし
ている。図19は比較例で従来考えられている構成の平
面図である。すなわち、補助導通路14とコンデンサ回
路導通路3の間Dにおいてその絶縁が不十分であり、特
にコンデンサ回路導通路3に高電圧が印可された場合に
おいて補助導通路14の電位が印可され誤動作が発生し
やすい構造である。
【0041】この発明の図18の構成では、コンデンサ
回路導通路3に高電圧が印可された場合においても回路
間の絶縁が十分に取れ、誤動作を発生させない。すなわ
ち、保安装置が動作したのに外部出力しない場合、また
は、外部出力され故障信号が出ているのにコンデンサは
遮断されない場合などの発生がなく、コンデンサの保守
・点検を行う上で判断を誤る危険性も少なくなり、信頼
性の高い、より安全な保安装置内蔵コンデンサを提供す
ることができる。
【0042】図20は図18の実施の形態と図19の比
較例の誤動作発生率を示したグラフである。横軸はコン
デンサ回路導通路3に印可される電圧、縦軸は誤動作の
発生率である。図20を見れば解るようにこの実施の形
態では2000V印可されても誤動作の発生していな
い。一方、比較例では950Vより誤動作が発生してお
り、この実施の形態の信頼性の高さが明瞭である。
【0043】また、請求項6および請求項7に関して、
保護基板24上のコンデンサ回路導通路3および補助導
通路14が各々切断される設定動作ポイントを任意に設
定してもよい。例えば、補助導通路14の設定動作ポイ
ントを、コンデンサ回路導通路3の設定動作ポイントよ
り5〜10%低く設定する。図21はコンデンサ回路導
通路と補助導通路の動作ポイントを希望するタイミング
に設定する場合の動作状況を示すグラフである。横軸は
コンデンサ密閉ケース内部の圧力変化、縦軸はコンデン
サ密閉ケースの寸法変位である。
【0044】コンデンサ密閉ケース内部の圧力が1kg
f/cm2 になった時にまず補助導通路14が作動し若
干のケース変位がある。これに伴い外部出力され故障信
号が出る。それから5〜15%圧力が上昇したときにコ
ンデンサ回路導通路3が作動し更に大きな変位が発生す
る。このように保安装置が動作することによって更に信
頼性が向上する。すなわち、外部出力され故障信号が出
た後に保安装置が動作するため、コンデンサの保守・点
検を行う上で判断を誤る危険性も少なくなり、信頼性の
高い、より安全な保安装置内蔵コンデンサを提供するこ
とができる。
【0045】この発明の請求項8に関する第8の実施の
形態を図22および図23に基づいて説明する。図22
はこの発明の第8の実施の形態の保安装置内蔵コンデン
サの保安装置を示す平面図、図23はその外部引出端子
保護箱周辺の斜視図である。図22に示すように、保護
基板24および取付金具5,6を備えた保安装置の構成
は第7の実施の形態と同様である。すなわち、コンデン
サ回路導通路3、補助導通路14および開口部2aを設
け、開口部2aから補助導通路14を囲むように導電部
15を設けてコンデンサ回路導通路3と補助導通路14
の間の絶縁を行っている。また、補助導通路14の接点
を外部引出端子17により取り出す構造において、外部
引出端子17に直列に発光素子16を接続し、外部回路
の給電により発光素子16が発光する。そして、保護基
板24が切断されたときに同時に補助導通路14が遮断
されて発光が停止する構成である。また、図23に示す
ように、発光素子16、外部引出端子17および補助端
子18は外部引出端子保護箱19に設けられている。こ
の場合、補助導通路14の両端の接点と2つの外部引出
端子17がそれぞれ接続され、一方の外部引出端子17
と補助端子18の間に発光素子16を接続し、補助端子
18と他方の外部引出端子17より引き出された配線が
外部回路26に送られる。
【0046】この実施の形態では、コンデンサ本体の故
障を目視することが可能となり、コンデンサの保守・点
検を行う上で判断の助けとなり、信頼性の高い、より安
全な保安装置内蔵コンデンサを提供することができる。
また、従来の提案のように、ケースに覗き窓を設ける必
要がないためコンデンサ密閉ケースとしての強度は問題
なく。そのため製造工程が簡単となり結果としてコスト
の低いものとなる。
【0047】なお、第5〜第8の実施の形態において、
第4の実施の形態と同様に保護基板に対して一対の取付
金具が固定される構成にしてもよい。
【0048】
【発明の効果】この発明の請求項1記載の保安装置内蔵
コンデンサによれば、保護基板と相対的に移動可能な取
付金具との間に設けられ密閉ケースの変位によって保護
基板が取付金具に対して移動した状態で弱点部より切断
されたときに取付金具に対して移動した保護基板の部分
を取付金具側に引っ張るように張力を持たせた弾性体を
備えているので、分離した保護基板どうしの導電部間の
絶縁距離を確保でき、保護基板どうしの距離を従来例に
比べて倍以上に確保することが可能となり、導電部間の
絶縁が確実なものとなる。したがって、導通が再開する
危険性がなく、コンデンサ内部で再点弧、すなわちアー
クを発生する危険な状態になることがなく、コンデンサ
密閉ケース内部の急激なガスの発生を未然に防止し、コ
ンデンサ密閉ケースの破壊などを完全に防止し、信頼性
の高い、より安全な保安装置内蔵コンデンサを提供する
ことができる。この発明の請求項2記載の保安装置内蔵
コンデンサによれば、保護基板に設けられ密閉ケースの
変位によって保護基板が弱点部より切断されたときに分
離された保護基板の間に入るように付勢された弾性を有
する絶縁体を備えているので、分離した保護基板どうし
の距離が従来例と同じくらいであっても、保護基板の間
に弾性を有する絶縁体が入ることによって導電部間の絶
縁が確実なものとなる。したがって、導通が再開する危
険性がなく、コンデンサ内部で再点孤、すなわちアーク
を発生する危険な状態になることがなく、コンデンサ密
閉ケース内部の急激なガスの発生を未然に防止し、コン
デンサ密閉ケースの破壊などを完全に防止し、信頼性の
高い、より安全な保安装置内蔵コンデンサを提供するこ
とができる。
【0049】請求項3では、弾性を有する絶縁体が、保
護基板の上部に配置され、くの字状に折り曲げられ下方
に張力を持たせたので、分離した保護基板どうしの距離
が従来例と同じくらいであっても、保護基板の間に上記
絶縁体が入ることによって導電部間の絶縁が確実なもの
となる。すなわち、絶縁体が下方に張力を持たせた構造
となっているため従来例よりわずかに分離した保護基板
どうしの距離であっても絶縁体が確実に入り込み、導通
が再開する危険性がない。このため、信頼性および安全
性がさらに向上する。
【0050】請求項4では、絶縁基板の中間部の弱点部
が開口部であり、この開口部に弾性を有する絶縁体の突
出した一部が挿入されているので、分離した保護基板ど
うしの距離が従来例と同じくらいであっても、上記絶縁
体の突出した一部が開口部に挿入されていることによっ
て導電部間の絶縁が確実なものとなる。すなわち、下方
に張力を持たせた絶縁体の突出した一部が、開口部に挿
入されている構造となっているため従来例よりわずかに
分離した保護基板どうしの距離であっても絶縁体が確実
に入り込み、導通が再開する危険性がない。このため、
信頼性および安全性がさらに向上する。
【0051】この発明の請求項5記載の保安装置内蔵コ
ンデンサによれば、コンデンサ回路導通路と補助導通路
の間に、補助導通路と同等以上の長さに開口した開口部
を設け、かつこの開口部から補助導通路を囲むように導
電部を設けたので、コンデンサ回路導通路と補助導通路
の間の絶縁を行うことができ、主回路であるコンデンサ
回路導通路に高電圧が印加された場合においても回路間
の絶縁が十分に取れ、誤動作を発生させない。すなわ
ち、保安装置が動作したのに外部出力しない場合、また
は外部出力され故障信号が出ているのにコンデンサは遮
断されない場合などの発生がなく、コンデンサの保守・
点検を行う上で判断を誤る危険性も少なくなり、信頼性
の高い、より安全な保安装置内蔵コンデンサを提供する
ことができる。
【0052】請求項6では、保護基板上のコンデンサ回
路導通路および補助導通路が各々切断される設定動作ポ
イントを任意に設定することを可能にしたので、保安装
置の動作ポイントと外部出力の動作ポイントを希望する
タイミングに設定できる。請求項7では、補助導通路の
設定動作ポイントを、コンデンサ回路導通路の設定動作
ポイントより5〜10%低く設定するので、コンデンサ
密閉ケース内部の圧力が所定の圧力になったときに補助
導通路が作動して外部出力し、それから5〜10%圧力
が上昇したときにコンデンサ回路導通路が作動するとい
うように保安装置が動作する前にコンデンサの故障を知
ることができる。
【0053】請求項8では、補助導通路の接点を外部引
出端子により取り出し、この外部引出端子に直列に発光
素子を接続し、外部回路の給電により前記発光素子が発
光し、保護基板が切断されたときに前記補助導通路が遮
断されて発光を停止させたので、コンデンサ本体の故障
を目視することが可能となり、コンデンサの保守・点検
を行う上で判断の助けとなり、信頼性および安全性がさ
らに向上する。また、従来のようにケースに覗き窓を設
ける必要がないためコンデンサ密閉ケースとしての強度
は問題なく、また製造工程が簡単となり結果としてコス
トの低いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態の保安装置内蔵コ
ンデンサの保安装置の平面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】この発明の第1の実施の形態の動作説明図であ
る。
【図4】この発明の第2の実施の形態の保安装置内蔵コ
ンデンサの保安装置の平面図である。
【図5】図4の正面図である。
【図6】この発明の第2の実施の形態の動作説明図であ
る。
【図7】この発明の第3の実施の形態の保安装置内蔵コ
ンデンサの保安装置の平面図である。
【図8】図7の正面図である。
【図9】この発明の第3の実施の形態の動作説明図であ
る。
【図10】保護基板の取付位置を示す説明図である。
【図11】この発明の第4の実施の形態の保安装置内蔵
コンデンサの保安装置の平面図である。
【図12】この発明の第4の実施の形態の動作説明図で
ある。
【図13】この発明の第5の実施の形態の保安装置内蔵
コンデンサの保安装置の平面図である。
【図14】この発明の第5の実施の形態の動作説明図で
ある。
【図15】図14の斜視図である。
【図16】この発明の第6の実施の形態の保安装置内蔵
コンデンサの保安装置の斜視図である。
【図17】図16の正面図である。
【図18】この発明の第7の実施の形態の保安装置内蔵
コンデンサの保安装置の平面図である。
【図19】第7の実施の形態を説明するための比較例の
平面図である。
【図20】この発明の第7の実施の形態と比較例の誤動
作発生率を示すグラフである。
【図21】この発明の第7の実施の形態の動作を示すグ
ラフである。
【図22】この発明の第8の実施の形態の保安装置内蔵
コンデンサの保安装置の平面図である。
【図23】図22の要部斜視図である。
【図24】従来例の平面図である。
【図25】図24の正面図である。
【図26】従来例の動作説明図である。
【図27】コンデンサの保安装置の動作説明図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板 2 機械的弱点部 3 導電部 4 金属ケース 5 取付金具 6 移動可能な取付金具 7 ビス 8 ナット 9,10,11 張力を持った弾性体 12 弾性を有する絶縁体 13 押さえ基板 14 補助導通路 15 導電部 16 発光素子 17 外部引出端子 18 補助端子 19 外部引出端子保護箱 20 コンデンサ素子 24 保護基板 A 初期状態の内寸 B,B1 動作段階の内寸 C,C1 絶縁基板の隙間の寸法 D 絶縁距離 α ガス発生による力 β 保護基板の変位方向 γ 弾性力を持つ絶縁体の力

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンデンサ素子を収納し外部接続端子を
    設けた密閉ケースと、この密閉ケースの内壁面の対向位
    置に取付けられた一対の取付金具と、絶縁基板の弱点部
    が形成された中間部に前記コンデンサ素子及び前記外部
    接続端子に接続される導電部が設けられ少なくとも一方
    の前記取付金具に対して移動可能な状態で前記一対の取
    付金具に両端が支持された保護基板と、この保護基板と
    相対的に移動可能な取付金具との間に設けられ前記密閉
    ケースの変位によって前記保護基板が前記取付金具に対
    して移動した状態で前記弱点部より切断されたときに取
    付金具に対して移動した保護基板の部分を前記取付金具
    側に引っ張るように張力を持たせた弾性体とを備えた保
    安装置内蔵コンデンサ。
  2. 【請求項2】 コンデンサ素子を収納し外部接続端子を
    設けた密閉ケースと、この密閉ケースの内壁面の対向位
    置に取付けられた一対の取付金具と、絶縁基板の弱点部
    が形成された中間部に前記コンデンサ素子及び前記外部
    接続端子に接続される導電部が設けられ前記一対の取付
    金具に両端が支持された保護基板と、この保護基板に設
    けられ前記密閉ケースの変位によって前記保護基板が前
    記弱点部より切断されたときに分離された保護基板の間
    に入るように付勢された弾性を有する絶縁体とを備えた
    保安装置内蔵コンデンサ。
  3. 【請求項3】 弾性を有する絶縁体が、保護基板の上部
    に配置され、くの字状に折り曲げられ下方に張力を持た
    せた請求項2記載の保安装置内蔵コンデンサ。
  4. 【請求項4】 絶縁基板の中間部の弱点部が開口部であ
    り、この開口部に弾性を有する絶縁体の突出した一部が
    挿入されている請求項3記載の保安装置内蔵コンデン
    サ。
  5. 【請求項5】 コンデンサ素子を収納し外部接続端子を
    設けた密閉ケースと、この密閉ケースの内壁面の対向位
    置に取付けられた一対の取付金具と、絶縁基板の弱点部
    が形成された中間部に前記コンデンサ素子及び前記外部
    接続端子に接続されるコンデンサ回路導通路と外部出力
    用の補助導通路とが設けられ前記一対の取付金具に両端
    が支持された保護基板とを備え、前記密閉ケースの変位
    によって前記保護基板が弱点部より切断される保安装置
    内蔵コンデンサであって、前記コンデンサ回路導通路と
    前記補助導通路の間に、補助導通路と同等以上の長さに
    開口した開口部を設け、かつこの開口部から前記補助導
    通路を囲むように導電部を設けたことを特徴とする保安
    装置内蔵コンデンサ。
  6. 【請求項6】 保護基板上のコンデンサ回路導通路およ
    び補助導通路が各々切断される設定動作ポイントを任意
    に設定可能とした請求項5記載の保安装置内蔵コンデン
    サ。
  7. 【請求項7】 補助導通路の設定動作ポイントを、コン
    デンサ回路導通路の設定動作ポイントより5〜10%低
    く設定した請求項6記載の保安装置内蔵コンデンサ。
  8. 【請求項8】 補助導通路の接点を外部引出端子により
    取り出し、この外部引出端子に直列に発光素子を接続
    し、外部回路の給電により前記発光素子が発光し、保護
    基板が切断されたときに前記補助導通路が遮断されて発
    光を停止させた請求項5または6記載の保安装置内蔵コ
    ンデンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014183148A (ja) * 2013-03-19 2014-09-29 Nissin Electric Co Ltd コンデンサ装置
CN109243824A (zh) * 2018-08-31 2019-01-18 德力西电气有限公司 一种装有防爆装置的电力电容器

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