JPH11353868A - 磁性薄膜メモリ素子およびその製造方法および製造装置 - Google Patents
磁性薄膜メモリ素子およびその製造方法および製造装置Info
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- JPH11353868A JPH11353868A JP10160892A JP16089298A JPH11353868A JP H11353868 A JPH11353868 A JP H11353868A JP 10160892 A JP10160892 A JP 10160892A JP 16089298 A JP16089298 A JP 16089298A JP H11353868 A JPH11353868 A JP H11353868A
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Abstract
拡大およびデータ保持の信頼性の良好な磁性薄膜メモリ
素子の製造方法を提供すること。 【解決手段】 低い保磁力を有する第1磁性層と、高い
保磁力を有する第2磁性層が、非磁性層を介して積層さ
れ、該第1磁性層の磁化の向きと該第2磁性層の磁化の
向きの相対角度によって異なる抵抗値を示す磁気抵抗膜
を有する磁性薄膜メモリ素子を、180(Oe)以上で
450(Oe)以下の磁界を基板面内方向に印加しなが
ら成膜して作成することを特徴とする磁性薄膜メモリ素
子の製造方法の提供。
Description
の製造方法に関し、さらに詳細には、SN比を向上させ
るとともに動作マージンの拡大およびデータ保持の信頼
性の良好な磁性薄膜メモリ素子の製造方法に関する。
稼働部のない固体メモリであるが、電源が断たれても情
報を失わない、繰り返し書換回数が無限回、放射線が入
射しても記録内容が消失する危険性がない等、半導体メ
モリと比較して有利な点がある。特に近年、巨大磁気抵
抗(GMR)効果を利用した薄膜磁気メモリは、従来か
ら提案されている異方性磁気抵抗効果を用いた磁性薄膜
メモリと比較して大きな出力が得られるため注目されて
いる。
(1996)22には、図14に示し たように硬質磁
性膜HM/非磁性膜NM/軟磁性膜SM/非磁性膜NM
なる構成要素を複数向積層してメモリー素子とした固体
メモリーが提案されている。このメモリー素子には金属
導体と接合されてセンス線Sが、また、絶縁膜Iによっ
て上記センス線Sと絶縁されたワード線Wが、各々設け
られており、このワード線電流及びセンス線電流によっ
て発生する磁界により情報を書き込みを行う。具体的に
は図15に示したように、ワード線Wに電流Iを流し電
流の向きIDによって異なる方向の磁界を発生させて硬
質磁性膜HMの磁化反転を行いメモリー状態“0”、
“1”の記録を行う。
流して右向きの磁界を発生させて同図(b)の様に硬質
磁性膜HMに“1”の記録を行い、同図(c)に示すよ
うに負の電流を流して左向きの磁界を発生させて同図
(d)の様に硬質磁性膜HMに“0”の記録を行う。
ド線Wに記録電流より小さい電流Iを流して軟磁性膜S
Mの磁化反転のみを起こし、その際の抵抗変化を測定す
る。巨大磁気抵抗効果を利用すれば軟磁性膜SMと硬質
磁性膜HMの磁化が平行の場合と反平行の場合で抵抗値
が異なるので、その時生ずる抵抗変化により“1”、
“0”のメモリー状態を判別することができる。
ルスを印加すると、軟磁性膜は右向きから左向きにな
り、メモリー状態“1”に対しては、同図(b)の様に
小さい抵抗値から同図(c)の様に大きい抵抗値に変化
し、メモリー状態“0”に対しては、同図(d)の様に
大きい抵抗値から同図(e)の様に小さい抵抗値に変化
する。このようにして抵抗の変化を読みとれば、記録後
の軟磁性膜SMの磁化状態に関わらず硬質磁性膜HMに
記録した情報の読み出しが可能であり、非破壊読み出し
が可能である。
一例として図13(a)の磁気抵抗曲線(MRカーブ)
を示す膜を用いる。すなわち、硬質磁性膜と軟質磁性膜
の磁化が平行の状態から、a点の磁界で軟質磁性膜の磁
化が反転して、抵抗が大きくなり(b点)、さらに磁界
を大きくすると、c点で硬質磁性膜の磁化が反転して抵
抗値は小さくなる(d点)。逆に磁界を印加するとe→
f→g→hの順に変化する。ここでメモリー状態
“0”、“1”をそれぞれ、例えば硬質磁性膜の磁化方
向が右向き、左向きに対応させれば、dもしくはhの磁
界を印加すれば記録動作が行われ、bより大きくcより
小さい磁界、もしくはfより大きくgより小さい磁界を
印加すれば、再生動作を行うことができる。
抗膜に磁気異方性を発生させるために成膜時に面内方向
に磁界を印加することが行われている。例えば、J.A
ppl.Phys.79(1996)6639において
は、NiFe/Cu/Coを主構成とした磁性薄膜メモ
リ素子を15.5(Oe)の磁界を印加しながら成膜す
ることが記述されている。
膜メモリ素子の作成時においては、成膜時に印加する磁
界が不十分であるため、磁化転移を急峻に生じさせるこ
とができず、再生磁界マージンが狭く、動作不良によっ
て十分な機能を果たすことができないという欠点を有し
ていた。
79(1996)6639の論文のFig1(a)にM
Rループが記載されているが、カーブの急峻性が乏し
く、図13(b)の様な形をしている。メモリ素子にお
いては、図13(a)に示したようにMRループは急峻
に変化することが必要である。
化率が小さい場合には、必要なSN比が得られないこと
及び再生磁界の磁界マージンが狭くなって再生時に誤記
録するためである。本発明はこの点に鑑み、抵抗変化を
急峻に起こさせることで、SN比を向上させるとともに
動作マージンの拡大およびデータ保持の信頼性を確保す
ることを目的とする。
素子の製造方法は、低い保磁力を有する第1磁性層と、
高い保磁力を有する第2磁性層が、非磁性層を介して積
層され、該第1磁性層の磁化の向きと該第2磁性層の磁
化の向きの相対角度によって異なる抵抗値を示す磁気抵
抗膜を有する磁性薄膜メモリ素子を、180(Oe)以
上で450(Oe)以下の磁界を基板面内方向に印加し
ながら成膜して作成する。
永久磁石によって発生させることを特徴する製造方法お
よび、それに用いる装置を提供する。
ヘルムホルツコイルもしくは電磁石によって発生させる
ことを特徴とする製造方法およびそれに用いる装置を提
供する。
い保磁力を有する第1磁性層と、高い保磁力を有する第
2磁性層が、非磁性層を介して積層され、該第1磁性層
の磁化の向きと該第2磁性層の磁化の向きの相対角度に
よって異なる抵抗値を示す磁気抵抗膜を有する磁性薄膜
メモリ素子であって、該磁気抵抗値の測定磁界Hに対す
る傾き(式1)(数2)
膜メモリ素子。(式1)で、Rは磁気抵抗膜の抵抗値
で、Rminは最低の抵抗値、Rmaxは最大の抵抗値
である。
気抵抗膜の該第1磁性層がNiFeを含む磁性膜で、該
第2磁性層がCoを含む磁性膜で、該非磁性層がCuを
含む非磁性膜であることを特徴とする。
磁性薄膜メモリ素子の該第1磁性層がFeCoを含む磁
性膜で、該第2磁性層がCoを含む磁性膜で、該非磁性
層が絶縁膜であることを特徴とする。
用いられる磁気抵抗膜の各層の特徴を述べる。
Coの少なくとも一種を主成分として用いられるか、C
oFeを主成分とするアモルファス合金として用いられ
ることが望ましい。例えば、NiFe,NiFeCo,
Fe,FeCo,Co,CoFeBなどの磁性膜からな
る。
磁性膜よりも低い保持力を有する。このため、第1磁性
層には、Niを含む軟磁性膜が好ましく、具体的には、
特にNiFe、NiFeCoを主成分として用いられて
なることが望ましい。またFeCoでFe組成の多い磁
性膜、CoFeBなどの保磁力の低いアモルファス磁性
膜でも良い。
yCozとした場合、xは40以上95以下、yは0以
上40以下、zは0以上50以下、好ましくはxは50
以上90以下、yは0以上30以下、zは0以上40以
下、更に好ましくはxは60以上85以下、yは10以
上25以下、zは0以上30以下が良い。
100−xとした場合、xは50以上100以下、好まし
くは、xは60以上90以下が良い。
Fe100-x)100-yByとした場合、xは80以上96
以下、yは5以上30以下が良い。好ましくはxは86
以上93以下、yは10以上25以下が良い。例えば、
Co84Fe9B7、Co72Fe8B20等のアモル
ファス磁性膜が挙げられる。
性層よりも高い保磁力を有する。例として第1磁性層と
比較してCoを多く含む磁性層が望ましい。
比で、xは0以上40以下、yは0以上50以下、zは
20以上95以下、好ましくはxは0以上30以下、y
は5以上40以下、zは40以上90以下、更に好まし
くはxは5以上20以下、yは10以上30以下、zは
50以上80以下が良い。
0以上50以下が良い。
向上などの目的でPt等の添加元素を加えても良い。
ると保磁力は小さくなり、Ptを添加すると保磁力は大
きくなるので、第2磁性層を例えばCo100−x−y
FexPtyとして元素組成xおよびyを調節して保磁
力を制御すればよい。また成膜時の基板温度高くするこ
とによっても保磁力を高めることができるので別の保磁
力の制御方法として成膜時の基板温度を調節することも
よい。この方法と前述した強磁性薄膜の組成を調節する
方法とを組合せてもよい。また第1磁性層の保磁力の調
節も上述と同様に、膜組成と成膜時の基板温度で調節す
ることができる。
力を小さくすることができる。
層は、第2磁性層よりも低い保磁力を有しているが、層
構成のタイプとして、以下の2種類のタイプがある。
/非磁性層/ピン層(第2磁性層)」とする構成であ
る。これは、第1磁性層を磁化情報が保持されるメモリ
層、第2磁性層をその磁化方向を磁化情報に依存せず保
存時、記録時、再生時、のいずれの状態でも常に一定に
保たれているピン層とする場合で、記録電流によって第
1磁性層を反転させる。後述するように、再生は、磁性
層の磁化反転を行わずに絶対値検出を行う。
/非磁性層/メモリ層(第2磁性層)」とする構成であ
る。これは第1磁性層を読みだした時に相対検出させる
ために反転させる検出層、第2磁性層を磁化情報が保持
されるメモリ層とする場合で、記録電流によって第2磁
性層を反転させる。
上20(Oe)以下、より好ましくは5(Oe)以上1
0(Oe)以下が良い。また、検出層の保磁力はメモリ
層の保磁力の半分程度にすることが望ましい。メモリ層
では、5(Oe)以上50(Oe)以下、好ましくは1
0(Oe)以上25(Oe)以下が良い。ピン層では、
20(Oe)以上10k(Oe)以下、好ましくは50
(Oe)以上、100(Oe)以下が良い。
は、散乱型の巨大磁気抵抗効果が効率よく発生するよう
に設定する。具体的には、第1磁性層の膜厚が電子の平
均自由行程より大幅に大きくなると、フォノン散乱を受
けてその効果が薄れるため、少なくとも200A以下で
あることが望ましい。さらに好ましくは150A以下が
良い。しかし、薄すぎるとセルの低抗値が小さくなり再
生信号出力が減少してしまい、また磁化を保持できなく
なるので、20A以上が望ましく、さらには80A以上
が望ましい。
第1磁性層の場合と同様に、散乱型の巨大磁気抵抗効果
が効率よく発生するように、少なくとも200A以下で
あることが望ましい。さらに好ましくは150A以下が
良い。しかしあまり薄すぎるとメモリ保持性能が劣化
し、また再生信号出力が減少するため、また、セル抵抗
値が小さくなり、また磁化を保持できなくなるので、2
0A以上が望ましく、さらには80A以上が望ましい。
体からなり、好ましくはCuを主成分として用いられる
ことが、磁性層とフェルミエネルギー準位が近く、密着
性もよいため、磁化方向が変わるときに界面で抵抗が生
じ易く大きな磁気抵抗比を得るのに好都合である。ま
た、非磁性層の膜厚は5A以上60A以下であることが
望ましい。
間、もしくは第2磁性層と非磁性層の間、もしくは第1
磁性層と非磁性層の間および第2磁性層と前記非磁性層
の間にCoを主成分とする磁性層が設けられると、磁気
抵抗比が高くなるため、より高いS/N比が得られるた
め望ましい。この場合のCoを主成分とする層の厚みは
20A以下が好ましく、また、十分な効果を発揮させる
ために5A以上が好ましい。
性層/非磁性層/第2磁性層/非磁性層}を1つのユニ
ットとして、このユニットを積層しても良い。
好ましいが、余り多くするとMR磁性層が厚くなり電流
を多く必要とする。このため、積層の回数は40組以
下、さらに好ましくは3〜20組程度に設けられるのが
好ましい。
い保磁力を有する第1磁性層と、高い保磁力を有する第
2磁性層が、非磁性層を介して積層され、該第1磁性層
の磁化と該第2磁性層の磁化が平行の時は低い抵抗値を
示し、反平行の時は高い抵抗値を示す磁気抵抗膿を有す
る磁性薄膜メモリ素子であって、該磁気抵抗値の測定磁
界Hに対する傾き(式1)(数3)
は磁気抵抗膜の抵抗値でRminは最低の抵抗値、Rm
axは最大の抵抗値である。
気抵抗膜の該第1磁性層がNiFeを含む磁性膜で、該
第2磁性層がCoを含む磁性膜で、該非磁性層がCuを
含む非磁性膜であることを特徴とする。
いては、磁気抵抗膜の成膜時に大きな磁界を印加してい
るため、磁界が印加された際に急峻に磁気抵抗値が変化
する。このためSN比が向上し、動作マージンの拡大お
よびデータ保持の信頼性を確保することが可能となる。
説明する。
示した成膜装置である。本発明の装置では、基板ホルダ
ーに70×10×6mmの大きさで6mmの方向に磁化
されたSmCoマグネットを2個、N極とS極が互いに
向き合うように基板ホルダーに装着して、成膜中に基板
面に平行に一方向の磁界が印加されるようにした。
地層としてSiN膜を20nm成膜した後、NiFe膜
(低保磁力層、検出層)(Niの原子組成比80%)を
10nm、Cu膜を5nm、Co膜(高保磁力層、メモ
リ層)を10nmの順でマグネトロンスパックにより成
膜して磁気抵抗膜を作成した。
o、Cuを用いてNiFeはNi,Feの各ターゲット
のパワーを調節して同時スパッタリングにより作成し
た。ターゲットと基板間の距離は150mmとした。基
板にかかる磁界は磁石の距離を変えることで調節し、距
離を40mmとして296(Oe)の磁界が印加される
ようにした。
切断して、磁気抵抗曲線(MRカーブ)を測定した。M
Rカーブは、基板の面内方向に最大±50(Oe)の磁
界を印加しながら4端子法により測定した。図9はその
結果を示したものである。縦軸のMR比は(測定抵抗値
R−最低抵抗値Rmin)/最低抵抗値Rminとして
あらわした。
ながら磁気抵抗膜を作成すると、約10(Oe)におい
てNiFe層が、また約28(Oe)においてCo層
が、それそれ急峻に磁化反転しており、急峻な抵抗変化
が得られる。
時の磁界を185(Oe)に設定し、同様に磁気抵抗膜
を作成してMRカーブを測定した。図8にその結果を示
したが、185(Oe)の成膜磁界の場合も、296
(Oe)の成膜磁界と同様に急峻な抵抗変化が得られる
ことがわかる。
磁性層、第2磁性層、非磁性層の材質や膜厚等は前記し
たものが用いられる。
た場合、およびSmCo磁石の幅を120mm、78m
m、60mmとして、各々33(Oe),86(O
e),150(Oe)の磁界を発生させて、同様に磁気
抵抗膜を作成して、MRカーブを測定した。磁気抵抗膜
の作成手順及びMRカーブの測定手順は、成膜時の磁界
の大きさを除けば、実験例1と同じである。
e),33(Oe),86(Oe),150(Oe)の
成膜磁界のMRカーブを示した。図より、成膜磁界の大
きさを変えるに従い、MRカーブはやや良好なものにな
ったが十分ではなかった。
界を印加した場合、および比較例である0(Oe),3
3(Oe),86(Oe),150(Oe)の成膜磁界
を印加した場合のMRカーブを部分的に拡大して示した
のが図10である。図10では比較のために各々のカー
ブのMR比を最低抵抗値Rminが0、最大抵抗値Rm
axが1となるようにを規格化して示した。図で、本発
明の磁気抵抗膜は2(Oe)以内の磁界範囲で磁化反転
のほとんどを終了しているのに対して、比較例では反転
に4(Oe)以上の範囲の磁界を必要とすることがわか
る。(数4)
のMRカーブの測定磁界Hに対する傾き
発明の180(Oe)以上の成膜磁界ではMRカーブの
傾きは0.8以上であり、比較例である150(Oe)
以下の成膜磁界では約0.3以下と十分な変化率が得ら
れていないことがわかる。
80(Oe)以上とすることで磁気抵抗変化を急峻にす
ることが可能となる。MRカーブの測定磁界Hに対する
傾きの絶対値を0.6以上にすると、SN比の高い再生
を行うことができる。より望ましくは0.7以上、さら
に望ましくは0.8以上とするのが良い。
ば磁気抵抗変化が、あまり大きすぎると、成膜プロセス
自体に悪影響を及ぼす。すなわち、磁性膜の成膜で一般
に使用されるマグネトロンスパッタリングは、ターゲッ
ト直上に磁界を収束させてArガスをイオン化させてそ
のイオン化したArをターゲットに衝突させて成膜をお
こなう。このため、基板にかかる磁界が大きくなると、
成膜チャンバー内のプラズマがターゲットだけでなく基
板側にも広がるので、基板温度が上昇する、成膜速度が
遅くなる、磁性膜がプラズマの影響を受けて変質する、
等の悪影響が発生する。また大面積の基板に磁界を印加
して成膜する場合、大規模の磁界発生装置が必要で製造
装置のコストが増加する。
大きさは、少なくとも450(Oe)以内、望ましくは
400(Oe)以内、さらに望ましくは300(Oe)
以内とするのが良い。
12である。HR比は、(最大抵抗値Rnax−最低抵
抗値Rmin)/最低抵抗値Rminとして定義した。
図12からMR比は成膜磁界を大きくするに伴っておお
きくなり185(Oe)以上で飽和することがわかる。
界にどのように影響するかを調べた。まず、実施例1及
び比較例1に示された磁気抵抗膜を5×5μmに加工し
て両側に磁気抵抗測定用のCuからなる電極版(パッ
ド)を作成した後、磁気抵抗膜上に0.1μmの厚みの
絶縁膜を介して0.5μmの厚みのAlからなる書込み
線を設けて図2に示した磁性薄膜メモリ素子を作成し
た。図で、記号2は書込み線、記号11はNiFe検出
層、記号12はCoメモリ層、記号13はCu非磁性層
を示す。(a),(b)はそれぞれ平行、反平行の磁化
状態を示したものである。 次にその書込み線に電流パ
ルスを印加して磁界を発生させ、その際に現れた磁気抵
抗値を微分検出して、メモリ層に保持された磁化記録情
報を読みだした。その際に、記録された情報が正しく再
生されるかどうか調べたところ、成膜磁界が33(O
e)、86(Oe)、150(Oe)、185(O
e)、296(Oe)の各100個中の磁気抵抗膜で、
正しく再生されなかった膜は、それぞれ20個、15
個、12個、0個、0個であった。成膜磁界が0の場合
は再生信号は小さすぎて測定不可能であった。
性を得るためには、少なくとも10%未満が必要であ
り、本発明の成膜方法で作成された磁性薄膜メモリにお
いては、十分な信頼性が得られることがわかる。また誤
り率が低ければ、より微細化して高集積化することが可
能で、例えば、図3に示したように磁気抵抗膜上に複数
の書込み線2を設けて、より高い集積度の磁性薄膜メモ
リを実現することも可能である。
e,Coからなる磁性膜の例を示したが、他にもFeC
o,CoFeB等の磁性膜を用いた場合でも本発明の効
果が得られる。また、上述の実施例では、磁性膜間の非
磁性膜はCuからなる良導体を用いたが、他の良導体、
もしくは酸化アルミニウムなどの絶縁膜として、スピン
トンネル型の磁気抵抗膜を用いたメモリ素子としてもよ
い。
Fe層を膜厚15nmのFeCo層に、非磁性層Cuを
膜厚2nmのAl2O3に変え、さらに磁気抵抗膜の膜厚
方向の上下にCuからなる電極線を取り付けて、スピン
トンネル型の磁気抵抗膜を作成した。実施例1と同様に
磁性膜の成膜時の印加磁界を変えて、MRカーブを測定
したところ、実施例1及び比較例1と同様に180(O
e)以上の磁界を印加することによって、150(O
e)以下の成膜磁界の場合と比較して、2倍以上のMR
カーブの傾きが得られるようになり、本発明の磁性薄膜
の作成方法は、スピントンネル型のメモリ素子にも適用
できることが分かった。
い、代わりに直径30cmのヘルムホルツコイルを成膜
チャンバーの内部に取り付けて、実施例1及び比較例1
と同じ大きさの磁界を成膜時に発生させて磁気抵抗膜を
作成して、同様にMRカーブの測定を行ったところ、実
施例1及び比較例1とほぼ同様の結果が得られ、本発明
の効果は、ヘルムホルツコイルで磁界を発生させても達
成できることがわかった。
大きさの電磁石を用いて同様に磁界を発生させて磁気抵
抗膜を作成してMRカーブを測定したところ、実施例1
及び比較例1とほぼ同様の結果が得られ、本発明の効果
は電磁石で磁界を発生させても達成できることがわかっ
た。
散乱により磁気抵抗効果が生じることを特徴とする。こ
のスピン依存散乱による磁気抵抗効果は、第1磁性層/
非磁性層/第2磁性層の構造をなすが、非磁性層には良
導体からなる金属層を用いる。このスピン依存散乱によ
り磁気抵抗効果は、伝導電子の散乱がスピンによって大
きく異なることに由来している。即ち、非磁性層を介し
た各種磁性層が同じ磁化方向をもつ場合は、磁化と同じ
向きのスピンを持つ伝導電子はあまり散乱されないため
抵抗が小さくなる。一方、前記の非磁性層を介した各磁
性層が反強磁性配列となって反平行の磁化配列となる場
合は、いずれ方向のスピンを持つ伝導電子も反対方向の
スピンを持った磁性原子によって同等に散乱されるため
に前記の磁性層が同一の磁化をもつ場合の抵抗値よりも
大きくなる。再生電流は膜面に平行もしくは垂直に流す
2つの方式のどちらでもよい。再生時に電流を膜面に対
して垂直に流すCPP(Current Perpendicular to the
film Plane)−MR(Magneto-Resistance)効果は膜
面 に平行に電流を流すCIP(Current Inplane to th
e film Plane)−MR効果よりも伝導電子が界面を横切
る確率が増えるため大きな抵抗変化率が得られる信号検
出感度を高くすることができる。
型により磁気抵抗効果が生じることを特徴とする。この
スピントンネリングによる磁気抵抗効果は、第1磁性層
/非磁性層/第2磁性層の構造をなすが、非磁性層には
薄い絶縁層を用いる。そして、再生時に電流を膜面に対
して垂直に流した際に第1磁性層から第2磁性層へ電子
のトンネル現象がおきるようにする。
リ素子は、強磁性体金属において伝導電子がスピン偏極
を起こしているため、フェルミ面における上向きスピン
と下向きスピンの電子状態が異なっており、このような
強磁性体金属を用いて、強磁性体と絶縁体と強磁性体か
らなる強磁性トンネル接合を作ると、伝導電子はそのス
ピンを保ったままトンネルするため、両磁性層の磁化状
態によってトンネル確率が変化し、それがトンネル抵抗
の変化となって現れる。これにより、第1磁性層と第2
磁性層の磁化が平行の場合は抵抗が小さく第1磁性層と
第2磁性層の磁化が反平行の場合は抵抗が大きくなる。
上向きスピンと下向きスピンの状態密度の差が大きい方
がこの抵抗値は大きくなりより大きな再生信号が得られ
るので、第1磁性層と第2磁性層はスピン分極率の高い
磁性材料を用いることが望ましい。具体的には第1磁性
層と第2磁性層は、フェルミ面における上下スピンの偏
極量が大きいFeを選定し、Coを第2成分として選定
してなる。具体的にはFe,Co,Niを主成分とした
材料から選択して用いられてなることが望ましい。好ま
しくは、Fe,Co,FeCo,NiFe、NiFeC
o等が良い。具体的には、Fe,Co、Ni80Fe2
0、Ni72Fe28,Ni51Fe49、Ni42F
e58、Ni25Fe75,Ni9Fe91等が挙げら
れる。
ために、NiFe、NiFeCo、Fe等がより望まし
いまた、第2磁性層は、保持カを大きくするために、C
oを主成分とする材料が望ましい。
を向上させて高い集積度を実現でき、動作マージンの拡
大およびデータ保持の信頼性が確保できるという効果を
有する。
に用いる成膜装置を示す図面である。
リの図である。
す。
す。
す。
示す。
示す。
示す。
膜磁界に対してプロットしたの図11である。
示した図である。
一例である。 (b)メモリ素子でのMRループの図の一例である。
軟磁性膜SM/非磁性膜NMなる構成要素を複数向積層
してメモリー素子とした固体メモリーの図である。
電流の向きIDによって異なる方向の磁界を発生させて
硬質磁性膜HMの磁化反転を行いメモリー状態“0”、
“1”の記録を行う方法を説明する図である。
して右向きの磁界を発生させて同図(b)の様に硬質磁
性膜HMに“1”の記録を行い、同図(c)に示すよう
に負の電流を流して左向きの磁界を発生させて同図
(d)の様に硬質磁性膜HMに“0”の記録を行った説
明の図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 低い保磁力を有する第1磁性層と、高い
保磁力を有する第2磁性層が、非磁性層を介して積層さ
れ、該第1磁性層の磁化の向きと該第2磁性層の磁化の
向きの相対角度によって異なる抵抗値を示す磁気抵抗膜
を有する磁性薄膜メモリ素子を、180(Oe)以上で
450(Oe)以下の磁界を基板面内方向に印加しなが
ら成膜して作成することを特徴とする磁性薄膜メモリ素
子の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の製造方法において用いる
装置であって、磁界を永久磁石によって発生させること
を特徴とする磁性薄膜メモリ素子の製造装置。 - 【請求項3】 請求項1記載の製造方法において用いる
装置であって、磁界をヘルムホルツコイルもしくは電磁
石によって発生させることを特徴とする磁性薄膜メモリ
素子の製造装置。 - 【請求項4】 低い保磁力を有する第1磁性層と、高い
保磁力を有する第2磁性層が、非磁性層を介して積層さ
れ、該第1磁性層の磁化の向きと該第2磁性層の磁化の
向きの相対角度によって異なる抵抗値を示す磁気抵抗膜
を有する磁性薄膜メモリ素子であって、該磁気抵抗値の
測定磁界Hに対する傾き(式1)(数1) 【数1】 の絶対値が、0.8以上であることを特徴とする磁性薄
膜メモリ素子。(式1)で、Rは磁気抵抗膜の抵抗値
で、Rminは最低の抵抗値、Rmaxは最大の抵抗値
である。 - 【請求項5】 請求項4記載の磁性薄膜メモリ素子であ
って、該磁性薄膜メモリ素子の磁気抵抗膜の該第1磁性
層がNiFeを含む磁性膜であり、該第2磁性層がCo
を含む磁性膜で、該非磁性層がCuを含む非磁性膜であ
ることを特徴とする磁性薄膜メモリ素子。 - 【請求項6】 請求項4記載の磁性薄膜メモリ素子であ
って、該磁性薄膜メモリ素子の該第1磁性層がFeCo
を含む磁性膜で、該第2磁性層がCoを含む磁性膜で、
該非磁性層が絶縁膜であることを特徴とする磁性薄膜メ
モリ素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10160892A JPH11353868A (ja) | 1998-06-09 | 1998-06-09 | 磁性薄膜メモリ素子およびその製造方法および製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10160892A JPH11353868A (ja) | 1998-06-09 | 1998-06-09 | 磁性薄膜メモリ素子およびその製造方法および製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11353868A true JPH11353868A (ja) | 1999-12-24 |
Family
ID=15724629
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10160892A Pending JPH11353868A (ja) | 1998-06-09 | 1998-06-09 | 磁性薄膜メモリ素子およびその製造方法および製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11353868A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005539376A (ja) * | 2002-08-30 | 2005-12-22 | フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド | 磁気デバイス用アモルファス合金 |
JP2009158975A (ja) * | 2009-04-08 | 2009-07-16 | Canon Anelva Corp | 磁気媒体の製造法及びmramの製造法 |
JP2009283963A (ja) * | 2001-10-12 | 2009-12-03 | Sony Corp | 磁気抵抗効果素子、磁気メモリ素子、磁気メモリ装置 |
-
1998
- 1998-06-09 JP JP10160892A patent/JPH11353868A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009283963A (ja) * | 2001-10-12 | 2009-12-03 | Sony Corp | 磁気抵抗効果素子、磁気メモリ素子、磁気メモリ装置 |
JP2005539376A (ja) * | 2002-08-30 | 2005-12-22 | フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド | 磁気デバイス用アモルファス合金 |
JP2009158975A (ja) * | 2009-04-08 | 2009-07-16 | Canon Anelva Corp | 磁気媒体の製造法及びmramの製造法 |
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