JPH1135375A - 掘削ビット用焼結体およびその製造方法 - Google Patents

掘削ビット用焼結体およびその製造方法

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JPH1135375A
JPH1135375A JP9188359A JP18835997A JPH1135375A JP H1135375 A JPH1135375 A JP H1135375A JP 9188359 A JP9188359 A JP 9188359A JP 18835997 A JP18835997 A JP 18835997A JP H1135375 A JPH1135375 A JP H1135375A
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JP
Japan
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diamond
oxide
sintered body
yttrium
group metal
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JP9188359A
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English (en)
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Hitoshi Sumiya
均 角谷
Shuichi Sato
周一 佐藤
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SEKIYU KODAN
SEKYU KODAN
Original Assignee
SEKIYU KODAN
SEKYU KODAN
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度で、優れた耐欠損性と、耐熱性、耐酸
性、耐摩耗性とを有する掘削用ダイヤモンド焼結体を提
供することを主要目的とする。 【解決手段】 イットリウムと鉄族金属と酸素を含有す
る化合物からなる物質を1〜20体積%含み、残部が平
均粒径20μm以上200μm以下のダイヤモンドから
なる掘削ビット用焼結体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、一般に掘削ビッ
ト用焼結体に関するものであり、より特定的には、石油
掘削等のドリルビットの刃先素材として用いられるダイ
ヤモンド焼結体に関する。この発明は、また、そのよう
な掘削ビット用焼結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の掘削ビット用ダイヤモンド焼結体
としては、焼結助剤あるいは結合剤としてCo、Ni、
Feなどの鉄族金属を用いたものや、SiCなどのセラ
ミックスを用いたものが知られており、工業的に利用さ
れている。
【0003】また、ダイヤモンド焼結体として焼結助剤
として炭酸塩を用いたものも知られている(特開平4−
74766号公報、特開平4−114966号公報)
が、今のところ、掘削ビットとしては用いられていな
い。
【0004】その他、天然のダイヤモンド焼結体(カー
ボナード)があるが、材質のばらつきが大きく、また産
出量も極小量であるため、あまり掘削ビットとしては使
用されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】Coなどの鉄族金属を
焼結助剤としたダイヤモンド焼結体は、Coなどの鉄族
金属がダイヤモンドの黒鉛化を促す触媒として作用する
ため、耐熱性に劣る。すなわち、不活性ガス雰囲気中
で、700℃程度で黒鉛化してしまう。また、ダイヤモ
ンド粒の粒界にCoなどの金属が連続相として存在する
ために焼結体の強度はあまり高くない。さらに、この金
属とダイヤモンドの熱膨張性のため熱劣化が起こりやす
くなる。このため、このようなダイヤモンド焼結体を掘
削ビットとして用いた場合、刃先が欠損、摩耗しやすい
という問題がある。
【0006】耐熱性を上げるために上記の粒界の金属を
酸処理により除去されたものも知られている。これによ
り、耐熱温度は約1200℃と向上するが、焼結体が多
孔質となるため強度がさらに大幅(30%程度)に低下
する。
【0007】SiCを結合剤としたダイヤモンド焼結体
は耐熱性には優れるが、ダイヤモンド粒同士は結合がな
いため、強度は低い。
【0008】一方、焼結助剤として炭酸塩を用いたダイ
ヤモンド焼結体は、Co結合剤による焼結体に比べると
耐熱性に優れるが、1000℃程度より、炭酸塩の分解
が始まり、焼結体の強度は低下する。また、炭酸塩は酸
に溶けるため、掘削ビットの用途には問題が生じる。ま
た、この場合、ダイヤモンド焼結体の製造に7.7GP
a、2000℃以上と大変厳しい圧力、温度条件を要す
るため、コストがかなり高くなり、工業生産は難しい。
【0009】本発明は、以上の問題点を解決するために
なされたもので、高強度で、優れた耐欠損性、耐熱性、
耐酸性、耐摩耗性を有する掘削用ダイヤモンド焼結体を
提供することを目的とする。
【0010】本発明の他の目的は、そのような掘削用ダ
イヤモンド焼結体を、工業生産可能な条件で、低コスト
で製造する方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る掘削ビッ
ト用焼結体は、イットリウムと鉄族金属と酸素を含有す
る化合物からなる物質を1〜20体積%含み、残部が平
均粒径20μm以上200μm以下のダイヤモンドから
なる。
【0012】請求項2に係る掘削ビット用焼結体におい
ては、上記イットリウムと鉄族金属と酸素を含有する化
合物が、イットリウムの酸化物と鉄族金属の酸化物から
なる複酸化物または固溶体である。
【0013】請求項3に係る掘削ビット用焼結体の製造
方法は、焼結助剤として酸化イットリウムと鉄族金属の
酸化物の混合物、または複酸化物を用い、この粉末と、
平均粒径20μm以上200μm以下のダイヤモンド粉
末もしくは、平均粒径20μm以上200μm以下のダ
イヤモンドと非ダイヤモンド炭素の混合粉末を混合し、
これをダイヤモンドの熱力学的安定領域の圧力、温度条
件で保持し、焼結することを特徴とする。
【0014】請求項4に係る掘削ビット用焼結体の製造
方法は、焼結助剤として酸化イットリウムと鉄族金属の
酸化物の混合物、または複酸化物を用い、この粉末の成
形体と、平均粒径20μm以上200μm以下のダイヤ
モンド粉末の成形体または、平均粒径20μm以上20
0μm以下のダイヤモンドと非ダイヤモンド炭素の混合
粉末の成形体とを積層し、これをダイヤモンドの熱力学
的安定領域の圧力、温度条件で保持し、焼結することを
特徴とする。
【0015】請求項5に係る掘削ビット用焼結体の製造
方法は、平均粒径20μm以上200μm以下のダイヤ
モンド粉末の表面に酸化イットリウムと鉄族金属の複酸
化物を形成し、これをダイヤモンドの熱力学的安定領域
の圧力、温度条件で保持し、焼結することを特徴とす
る。
【0016】請求項6に係る掘削ビット用焼結体の製造
方法は、平均粒径20μm以上200μm以下のダイヤ
モンド粉末の表面に酸化イットリウムを形成したダイヤ
モンド粉末の成形体と、鉄族金属の酸化物の成形体とを
積層し、これをダイヤモンドの熱力学的安定領域の圧
力、温度条件で保持し、焼結することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】従来、酸化イットリウムと鉄族金
属の酸化物の複酸化物や、これらの混合物がダイヤモン
ド焼結体の有効な焼結助剤として用いられた例はない。
この度、本発明者らにより、これらの複酸化物や混合物
を焼結助剤とすることで、従来にない高強度で、かつ耐
欠損性、耐熱性、耐食性に優れたダイヤモンド焼結体
が、従来の非金属触媒を焼結助剤とした場合よりも低い
温度条件で得られ、掘削ビットとして有効であることが
新たに見出され、本発明に至った。
【0018】すなわち、本発明の特徴は、ダイヤモンド
焼結体の焼結助剤として酸化イットリウム(Y2 3
と鉄族金属の酸化物(FeO、Fe2 3 、CoFe2
4など)の複酸化物や、混合物を用いた点にある。
【0019】これらの酸化イットリウムと鉄族金属の酸
化物の複酸化物あるいは混合物は、ダイヤモンドに対
し、強い触媒作用を示し、これらを焼結助剤とするとダ
イヤモンド粒子が極めて強固に結合したマトリックスが
形成される。また、異常粒成長が起こり難く、均質な組
織の焼結体が得られる。
【0020】さらに、これらの複酸化物や混合物の触媒
作用は、炭酸塩触媒に比べ約500℃低い温度で起こ
る。このため、これらの複酸化物や混合物を焼結助剤と
した場合、6.5GPa、1700℃といったマイルド
な条件で、上記のような強固な焼結体が得られる。
【0021】すなわち、従来にない高強度で耐欠損性や
耐摩耗性に優れたダイヤモンド焼結体が、工業生産が容
易な条件で得られる。
【0022】こうして得られるダイヤモンド焼結体は、
イットリウムと鉄族金属および酸素を含有する化合物か
らなる物質を含むのが特徴で、このような物質としては
イットリウムと鉄族金属の酸化物の複酸化物(たとえ
ば、Fe2 2 6 、Y3 Fe 5 12など)が挙げられ
る。
【0023】このような物質は1000℃を超える高温
下でも安定で、また、酸やアルカリに対しても安定であ
る。このため、本発明のダイヤモンド焼結体は、高強度
で耐欠損性や耐摩耗性に優れる他、耐熱性や耐食性にも
優れた特性を示し、掘削ビット用途として非常に有効で
ある。
【0024】本発明のダイヤモンド焼結体において、イ
ットリウムと鉄族金属および酸素を含有する化合物から
なる物質の含有量は1〜20体積%が好ましいが、この
理由は1体積%未満ではダイヤモンド粒子間の結合性、
すなわち焼結性が低下し、20体積%を超えると過剰の
化合物の影響で、強度、耐摩耗性が低下するからであ
る。
【0025】原料としては平均粒径20〜200μmの
合成ダイヤモンド粉末、天然ダイヤモンド粉末、多結晶
ダイヤモンド粉末などを用いる。平均粒径が20μmよ
り小さいと、焼結体の耐衝撃性や破壊靱性が低くなり、
200μmを超えると耐摩耗性が低下して、いずれも掘
削ビット用としては使用できない。なお、場合によって
は、ダイヤモンド粒子の空隙を少なくするため、20μ
m以下の微細なダイヤモンド粒子を小量添加してもよい
が、全体の平均粒径は20μm以上である必要がある。
【0026】また、これらのダイヤモンドに、成形性、
焼結性を向上させるために、適量の黒鉛、グラッシィカ
ーボン、熱分解黒鉛などの非ダイヤモンドを添加しても
よい。
【0027】本発明のダイヤモンド焼結体の製造方法と
しては、ダイヤモンド粉末や非ダイヤモンド粉末を含む
ダイヤモンド粉末と、イットリウムと鉄族金属の酸化物
の複酸化物および混合物とを、ダイヤモンドが熱力学的
に安定な圧力、温度条件下で保持する方法と、ダイヤモ
ンド粉末や非ダイヤモンド黒鉛を含むダイヤモンド粉末
の成形体と、イットリウムと鉄族金属の酸化物の複酸化
物あるいは混合物の成形体を積層したものを原料とし
て、上記の圧力、温度条件下で保持する方法がある。
【0028】また、イットリウムと鉄族金属の酸化物の
複酸化物あるいは混合物を予め原料のダイヤモンド粉末
の表面に形成させておき、これを上記の圧力、温度条件
で焼結すると、より均質な焼結体が得られる。
【0029】また、イットリウム酸化物を原料のダイヤ
モンド粉末の表面に形成しておき、この粉末の成形体と
鉄族金属の酸化物の成形体を積層したものを上記の圧
力、温度条件で焼結してもよい。
【0030】
【実施例】実施例1 焼結助剤として、粒径1μmのY3 Fe5 12を用い
た。粒径20から40μm(平均粒径30μm)の天然
ダイヤモンド粉末と、Y3 Fe5 12粉末をそれぞれ9
0体積%、10体積%の割合で十分に混合し、この混合
物をMoカプセルに入れ、ベルト型の超高圧高温発生装
置を用いて、6.5GPa、1750℃の圧力温度条件
で15分間保持し、焼結させた。得られたダイヤモンド
焼結体について、X線解析により組成を同定したとこ
ろ、ダイヤモンドの他、約10体積%のイットリウムと
鉄の複酸化物が検出された。この焼結体の硬度をヌープ
圧子により評価したところ、8700Kg/mm2 と高
硬度であった。また、破壊靱性をインデンテーション法
により従来の市販のCoバインダ焼結体に対し相対比較
したところ、従来焼結体の約1.5倍の相対靱性であっ
た。また、得られた焼結体を真空中で1200℃に加熱
処理したところ、硬度、靱性を測定したが、処理前とほ
とんど変化がなかった。また、酸処理による焼結体の劣
化は認められなかった。また、得られた焼結体で切削工
具を作製し、花崗岩を切削して耐摩耗性を評価すると、
この焼結体の耐摩耗性は従来のCoバインダの掘削ビッ
ト用焼結体の10倍以上であった。
【0031】実施例2 焼結助剤にY2 Fe2 6 を用いた他は、実施例1と同
様にしてダイヤモンド焼結体を作製した。得られた焼結
体にはイットリウムと鉄の複酸化物が含まれており、硬
度、靱性、耐熱性、耐摩耗性とも実施例1と同様であっ
た。
【0032】実施例3 焼結助剤として、Y2 3 とFe2 3 をモル比で1:
1で混合したものを焼結助剤とした他は、実施例1と同
様にしてダイヤモンド焼結体を作製した。得られた焼結
体にはイットリウムと鉄の複酸化物が含まれており、硬
度、靱性、耐熱性、耐摩耗性とも実施例1と同様であっ
た。
【0033】実施例4 焼結助剤として、Y2 3 とFe2 3 をモル比で3:
5で混合したものを焼結助剤とした他は、引用例1と同
様にしてダイヤモンド焼結体を作製した。得られた焼結
体には、イットリウムと鉄の複酸化物が含まれており、
硬度、靱性、耐熱性、耐摩耗性とも実施例1と同様であ
った。
【0034】実施例5 焼結助剤として、Y2 3 とCoOをモル比で1:1で
混合したものを焼結助剤とした他は、実施例1と同様に
してダイヤモンド焼結体を作製した。得られた焼結体に
は、イットリウムとコバルトの複酸化物が含まれてお
り、硬度、靱性、耐熱性、耐摩耗性とも実施例1と同様
であった。
【0035】実施例6 焼結助剤として、Y2 3 とCoFe2 4 をモル比で
1:1で混合したものを焼結助剤とした他は、実施例1
と同様にしてダイヤモンド焼結体を作製した。得られた
焼結体には、イットリウムと鉄およびコバルトの複酸化
物が含まれており、硬度、靱性、耐熱性、耐摩耗性とも
実施例1と同様であった。
【0036】実施例7 焼結助剤として粒径1μmのY3 Fe5 12を用いた。
粒径40〜80μmの合成ダイヤモンド粉末と、Y3
5 12粉末をそれぞれ厚み2mm、1mmに成形した
ものを交互に積層してMoカプセルに入れ、ベルト型の
超高圧高温発生装置を用いて、6.5GPa、1700
℃の圧力温度条件で15分間保持し焼結した。得られた
ダイヤモンド焼結体についてX線解析により組成を同定
したところ、ダイヤモンドの他、約2体積%のイットリ
ウムと鉄の複酸化物が検出された。この焼結体の硬度を
ヌープ圧子により評価したところ、約8800Kg/c
2 と高硬度であった。また、破壊靱性をインデンテー
ション法により従来の市販のCoバインダ焼結体に対し
相対比較したところ、従来焼結体の約1.5倍の相対靱
性であった。また、得られた焼結体を真空中で1200
℃に加熱処理した後、硬度、靱性を測定したが、処理前
とほとんど変化はなかった。また、酸処理による焼結体
の劣化は認められなかった。
【0037】実施例8 焼結助剤として、Y2 3 とFe2 3 をモル比で1:
1で混合したものを焼結助剤とした他は、実施例7と同
様にしてダイヤモンド焼結体を作製した。得られた焼結
体には、イットリウムと鉄の複酸化物が含まれており、
硬度、靱性、耐熱性とも実施例7と同様であった。
【0038】実施例9 粒径20〜40μmのダイヤモンド粉末の表面に約10
体積%のY3 Fe5 12をコーティングし、これをMo
カプセルに入れ、ベルト型の超高圧高温発生装置を用い
て、6.5GPa、1700℃の圧力温度条件で15分
間保持し、焼結させた。得られたダイヤモンド焼結体に
ついてX線解析により組成を同定したところ、ダイヤモ
ンドの他、約10体積%のイットリウムと鉄の複酸化物
が検出された。この焼結体の硬度をヌープ圧子により評
価したところ、約9300Kg/cm2 と高硬度であっ
た。また、破壊靱性をインデンテーション法により従来
の市販のCoバインダ焼結体に対し相対比較したとこ
ろ、従来焼結体の約1.5倍の相対靱性であった。ま
た、得られた焼結体を真空中で1200℃に加熱処理し
た後、硬度、靱性を測定したが、処理前とほとんど変化
はなかった。また、酸処理による焼結体の劣化は認めら
れなかった。また、得られた焼結体で切削工具を作製
し、花崗岩を切削して耐摩耗性を評価すると、この焼結
体の耐摩耗性は従来のCoバインダの掘削ビット用焼結
体の10倍以上であった。
【0039】実施例10 粒径20〜40μmのダイヤモンド粉末の表面に約3体
積%のY2 3 をコーティングした粉末と、FeOの粉
末をそれぞれ厚み2mm、1mmに成形したものを交互
に積層してMoカプセルに入れ、ベルト型の超高圧高温
発生装置を用いて、6.5GPa、1700℃の圧力温
度条件で15分間保持し、焼結した。得られたダイヤモ
ンド焼結体についてX線解析により組成を同定したとこ
ろ、ダイヤモンドの他、約6体積%のイットリウムと鉄
の複酸化物が検出された。この焼結体の硬度をヌープ圧
子により評価したところ、約9100Kg/cm2 と高
硬度であった。また、破壊靱性をインデンテーション法
により従来の市販のCoバインダ焼結体に対し相対比較
したところ、従来焼結体の約1.4倍の相対靱性であっ
た。また、得られた焼結体を真空中で1200℃に加熱
処理した後、硬度、靱性を測定したが、処理前とほとん
ど変化はなかった。また、酸処理による焼結体の劣化は
認められなかった。また、得られた焼結体で切削工具を
作製し、花崗岩を切削して耐摩耗性を評価すると、この
焼結体の耐摩耗性は従来のCoバインダの掘削ビット用
焼結体の10倍以上であった。
【0040】比較例1 焼結助剤としてY3 Fe5 12を用いた。粒径20〜4
0μmの合成ダイヤモンド粉末に、微量の上記混合物の
粉末(約0.1体積%)を添加し、十分に混合したもの
を原料にした他は、実施例1と同様にダイヤモンド焼結
体の製造を試みた。しかし、得られた焼結体には、未焼
結部が多く残留していた。
【0041】比較例2 焼結助剤としてY3 Fe5 12を用いた。粒径40〜8
0μmの合成ダイヤモンド粉末60体積%と、上記混合
物の粉末30体積%を添加し、十分に混合したものを原
料にした他は、実施例1と同様にダイヤモンド焼結体の
製造を試みた。しかし、得られた焼結体は、粒子同士の
結合が十分でなく、硬度は3700Kg/mm2 程度と
低かった。
【0042】比較例3 焼結助剤としてY3 Fe5 12を用いた。平均粒径3μ
mの合成ダイヤモンド粉末95体積%と、上記混合物の
粉末5体積%を添加し、十分に混合したものを原料にし
た他は、実施例1と同様にダイヤモンド焼結体の製造を
試みた。しかし、得られた焼結体は、破壊靱性値が従来
のCoバインダのものと同程度で、大幅な向上は認めら
れなかった。
【0043】比較例4 焼結助剤としてY3 Fe5 12を用いた。平均粒径27
0μmの合成ダイヤモンド粉末95体積%と、上記混合
物の粉末5体積%を添加し、十分に混合したものを原料
にした他は、実施例1と同様にダイヤモンド焼結体の製
造を試みた。しかし、得られた焼結体で切削工具を作製
し、花崗岩を切削して耐摩耗性を評価すると、この焼結
体の耐摩耗性は従来のCoバインダの掘削ビット用焼結
体と同程度か数倍程度で、大幅な向上はみられなかっ
た。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のダイヤモ
ンド焼結体は、従来にない高強度で、耐熱性、耐欠損
性、耐食性、耐摩耗性を有するので、石油掘削用途等の
ドリルビットの刃先素材として有効に使用できる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イットリウムと鉄族金属と酸素を含有す
    る化合物からなる物質を1〜20体積%含み、残部が平
    均粒径20μm以上200μm以下のダイヤモンドから
    なる掘削ビット用焼結体。
  2. 【請求項2】 前記イットリウムと鉄族金属と酸素を含
    有する化合物が、イットリウムの酸化物と鉄族金属の酸
    化物からなる複酸化物または固溶体である、請求項1に
    記載の掘削ビット用焼結体。
  3. 【請求項3】 焼結助剤として酸化イットリウムと鉄族
    金属の酸化物の混合物、または複酸化物を用い、この粉
    末と、平均粒径20μm以上200μm以下のダイヤモ
    ンド粉末もしくは、平均粒径20μm以上200μm以
    下のダイヤモンドと非ダイヤモンド炭素の混合粉末を混
    合し、これをダイヤモンドの熱力学的安定領域の圧力、
    温度条件で保持し、焼結することを特徴とする、掘削ビ
    ット用焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】 焼結助剤として酸化イットリウムと鉄族
    金属の酸化物の混合物、または複酸化物を用い、この粉
    末の成形体と平均粒径20μm以上200μm以下のダ
    イヤモンド粉末の成形体または、平均粒径20μm以上
    200μm以下のダイヤモンドと非ダイヤモンド炭素の
    混合粉末の成形体とを積層し、これをダイヤモンドの熱
    力学的安定領域の圧力、温度条件で保持し、焼結するこ
    とを特徴とする、掘削ビット用焼結体の製造方法。
  5. 【請求項5】 平均粒径20μm以上200μm以下の
    ダイヤモンド粉末の表面に酸化イットリウムと鉄族金属
    の複酸化物を形成し、これをダイヤモンドの熱力学的安
    定領域の圧力、温度条件で保持し、焼結することを特徴
    とする、掘削ビット用焼結体の製造方法。
  6. 【請求項6】 平均粒径20μm以上200μm以下の
    ダイヤモンド粉末の表面に酸化イットリウムを形成した
    ダイヤモンド粉末の成形体と、鉄族金属の酸化物の成形
    体とを積層し、これをダイヤモンドの熱力学的安定領域
    の圧力、温度条件で保持し、焼結することを特徴とす
    る、掘削ビット用焼結体の製造方法。
JP9188359A 1997-07-14 1997-07-14 掘削ビット用焼結体およびその製造方法 Pending JPH1135375A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010274341A (ja) * 2009-05-26 2010-12-09 Shin Etsu Handotai Co Ltd 砥石選別方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010274341A (ja) * 2009-05-26 2010-12-09 Shin Etsu Handotai Co Ltd 砥石選別方法

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