JP2010274341A - 砥石選別方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】実際にワークを研削することなく、ビトリファイドボンド砥石チップのまま簡便に実施可能であり、砥石磨耗量が異常増加したり、安定研削ができないなどといった不良の砥石の選別を行うことができる砥石選別方法を提供することを目的とする。
【解決手段】円環状台金の外周にビトリファイドボンド砥石チップを複数配置した平面研削用砥石の研削性を評価して該平面研削用砥石の良否を選別する砥石選別方法において、前記平面研削用砥石のビトリファイドボンド砥石チップのナノインデンテーション測定によって得られる荷重―押し込み深さ曲線のデータにおける所定領域の荷重のばらつきに基づいて、前記平面研削用砥石の良否を選別することを特徴とする砥石選別方法。
【選択図】 図3

Description

本発明は、シリコンウェーハ等のワークの片面研削加工又は両面からの同時研削加工をするための平面研削用砥石の良否を選別する砥石選別方法に関し、特に、砥石チップのままでも選別可能な砥石選別方法に関する。
従来から半導体ウェーハや石英基板等の板状のワークの精密加工において、平面研削が用いられている。この平面研削には片面研削又は両面研削などがあり、両面研削でも、片面を研削した後、反転させてもう一方の面を研削する方法や、同時に両面を研削する両面同時研削あるいは両頭研削といわれる研削方法がある。
このようなワークの両面を同時に研削する両頭研削方法にも幾つかの方式があるが、2つの対になる円筒砥石の間にワークを通すことによって研削するクリープフィード研削や、一対のカップ型砥石を用いて砥石がワーク中心を通過するようにカップ型砥石とワークとを共に回転させながら研削するインフィード研削方式が主流である。
このワークを研削するための平面研削用砥石は、結合材の種類により、レジンボンド(樹脂)系やビトリファイド(ガラス又はセラミック)系などがある。特に、レジンボンド系は結合材が軟らかく、ワークへの当たりがソフトで、また自生発刃作用も大きいため、ワークに傷を発生させにくく、低ダメージ研削が可能である。このことから、レジンボンド系砥石が半導体ウェーハの研削において主流となっていた。
しかし、この反面、砥粒径が小さくなると(例えば2μm以下)、研削中に砥粒がレジンボンドの内部に押し込まれることで、研削能力が低下し、研削焼けが発生してしまう傾向にある。
近年、より低ダメージ研削を目的として、砥粒径の小さい砥石開発が進められており、レジンボンド系の砥石から、より砥粒を強固に保持可能なビトリファイド系の砥石が多く用いられるようになってきている。このビトリファイド系の砥石は、例えば、円環状の台金の外周にビトリファイドボンド砥石チップを複数配置した平面研削用砥石として用いられている。
このビトリファイド系の砥石は、結合材が硬いために自生発刃作用が弱い傾向にある。そのため、気孔を形成させてこれを補う方法が一般的であるが、同時に強度を維持させることが重要な要素の1つとなる。例えば、特許文献1において、独立気孔を持った、多気孔高強度ビトリファイド系砥石の製法が開示されている。また、特許文献2には、骨材を加えた高強度ビトリファイド系砥石の製法が開示されている。
このように、強度は砥石を規定する重要な指標の1つであり、通常は抗折力や硬さという数値で表現されている。例えば、特許文献3や特許文献4において、硬さ又は抗折力を規定した砥石が開示されている。
なお、抗折力とは、曲げに対する強度を示す物性値の一種で、JISにより試験法が規定されている。また、硬度についても、同様にJISにおいて種々の方法が規定されており、砥石の場合はビッカース(HV)硬度やロックウェル(HRC)硬度などが多く用いられる。
特開2006−1007号公報 特許第2678288号 特開平11−58192号公報 特開2005−22010号公報
しかしながら、ビトリファイド系の砥石の開発を進める中で、同一の方法で製作した砥石であって、この抗折力や硬度が同じであっても、研削性やライフに差が生じるケースが多々あることがわかってきた。例えば、砥石磨耗量が異常増加するケースや、安定研削ができないケースがこれに当たる。
すなわち、従来の上記したような指標を用いて平面研削用砥石の研削性やライフを評価しても、正しく評価することができなかった。そのため、平面研削用砥石の砥石チップを評価用装置に合わせた形態にして、実際にワークを研削し、そのワークの品質を評価するなどして平面研削用砥石の評価を行っていた。このように従来では、平面研削用砥石の評価において、多くの工程と原料ワークを必要としていた。しかも、このような評価では砥石磨耗量が異常増加するなどしてライフが低下する不良の平面研削用砥石を選別することは困難であった。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、実際にワークを研削することなく、ビトリファイドボンド砥石チップのまま簡便に実施可能であり、砥石磨耗量が異常増加したり、安定研削ができないなどといった不良の平面研削用砥石の選別を行うことができる砥石選別方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、円環状台金の外周にビトリファイドボンド砥石チップを複数配置した平面研削用砥石の研削性を評価して該平面研削用砥石の良否を選別する砥石選別方法において、前記平面研削用砥石のビトリファイドボンド砥石チップのナノインデンテーション測定によって得られる荷重―押し込み深さ曲線のデータにおける所定領域の荷重のばらつきに基づいて、前記平面研削用砥石の良否を選別することを特徴とする砥石選別方法が提供される。
このように、前記平面研削用砥石のビトリファイドボンド砥石チップのナノインデンテーション測定によって得られる荷重―押し込み深さ曲線のデータにおける所定領域の荷重のばらつきに基づいて、前記平面研削用砥石の良否を選別すれば、実際にワークを研削することなく、ビトリファイドボンド砥石チップのまま簡便に平面研削用砥石の良否を選別することができ、砥石磨耗量が異常増加する又は安定研削ができないなどの不良の平面研削用砥石を選別することができる。
このとき、前記荷重―押し込み深さ曲線のデータにおいて押し込み深さに対する荷重の標準偏差σを前記荷重のばらつきとして定義し、前記押し込み深さが前記平面研削用砥石の平均砥粒径の1/2の値となる付近を前記所定領域とし、該領域における前記標準偏差σの平均値Xを求め、該平均値Xが所定の値以上の場合に前記平面研削用砥石を不良と選別することができる。
このように、前記荷重―押し込み深さ曲線のデータにおいて押し込み深さに対する荷重の標準偏差σを前記荷重のばらつきとして定義し、前記押し込み深さが前記平面研削用砥石の平均砥粒径の1/2の値となる付近を前記所定領域とし、該領域における前記標準偏差σの平均値Xを求め、該平均値Xが所定の値以上の場合に前記平面研削用砥石を不良と選別すれば、砥石磨耗量が異常増加する又は安定研削ができないなどの不良の平面研削用砥石をより精度良く選別することができる。
またこのとき、前記平均値Xの所定の値を、標準的なライフを有する前記平面研削用砥石のビトリファイドボンド砥石チップに対して求めた前記標準偏差σの平均値Xの1.5倍の値とすることができる。
このように、前記平均値Xの所定の値を、標準的なライフを有する前記平面研削用砥石のビトリファイドボンド砥石チップに対して求めた前記標準偏差σの平均値Xの1.5倍の値とすれば、砥石磨耗量の異常増加などによりライフが低下する平面研削用砥石や、安定研削ができない平面研削用砥石の選別をより精度よく行うことができる。
またこのとき、前記平面研削用砥石は、ワークの片面研削又は両面の同時研削を行うものとすることができる。
このように、ワークの片面研削又は両面の同時研削を行うもののどちらの平面研削用砥石に対しても本発明の砥石選別方法を適用することができ、ビトリファイドボンド砥石チップのまま簡便に平面研削用砥石の良否を選別することができる。
本発明では、平面研削用砥石の良否を選別する砥石選別方法において、平面研削用砥石のビトリファイドボンド砥石チップのナノインデンテーション測定によって得られる荷重―押し込み深さ曲線のデータにおける所定領域の荷重のばらつきに基づいて、前記平面研削用砥石の良否を選別するので、ビトリファイドボンド砥石チップのまま簡便に平面研削用砥石の良否を選別することができ、砥石磨耗量が異常増加する又は安定研削ができないなどの不良の平面研削用砥石を選別することができる。
本発明の砥石選別方法において用いるナノインデンテーション測定を説明する説明図である。 ナノインデンテーション測定によって得られる荷重―押し込み深さ曲線の一例を示す模式図である。 実施例の標準偏差σの平均値Xの結果を示すグラフである。 比較例の抗折力の結果を示すグラフである。 本発明の砥石選別方法において選別対象とすることができる平面研削用砥石の一例を示す概略図である。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
従来、砥石を規定する指標として強度が用いられており、通常は抗折力や硬さという数値で表現されていた。しかし、このような指標を用いて平面研削用砥石の研削性やライフを評価しても、正しく評価することができなかった。そのため、平面研削用砥石の砥石チップを評価用装置に合わせた形態にして実際にワークを研削し、そのワークの研削面の品質を評価するなどして平面研削用砥石の評価を行っていた。このように従来では平面研削用砥石の評価において、多くの工程と原料ワークを必要としていた。
そこで、本発明者等はこのような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、抗折力や硬度が同じ平面研削用砥石であっても、その研削性やライフに差が生じるケースが多々あることがわかってきた。そして、本発明者等は、この理由を測定領域の違いにあると推測した。すなわち、研削中は砥石の砥粒(切れ刃)の磨耗や破砕、及び周囲の結合材を含んだ脱落(新しい切れ刃の生成)が、非常に微小な領域で連続的に発生しており、そのため、研削性やライフを評価するためには、前述の抗折力や硬度といった数μm〜数100μm程度の領域のマクロ的指標では表現できず、実際に1回の研削で結合材が消耗している砥粒径以下レベルの極浅い領域での評価が必要と考えた。
そこで、この極浅い領域での評価法として、薄膜の評価などに利用されている「微小領域の硬さ試験(ナノインデンテーション)」を、平面研削用砥石の評価に適用する方法を思いつくに至った。そして、種々の実験及び考察を行っていく中で、ナノインデンテーション測定によって得られる荷重―押し込み深さ曲線のデータにおける所定領域での荷重のばらつきが研削性に大きく関連していることを見出し、その荷重のばらつきに基づいて平面研削用砥石の良否を選別することが可能なことに想到し、本発明を完成させた。
図1に、本発明の砥石選別方法において用いるナノインデンテーション測定を説明する説明図を示す。
ナノインデンテーション法とは、圧子を被測定物の表面に押し込み、負荷及び除荷時の押し込み深さを測定し、得られた荷重―押し込み深さ曲線を利用することにより、圧痕を直接観察することなく硬さや弾性率を求める方法である。図1には圧子に荷重Pをかけて被測定物表面に押し込み(負荷時)、元に戻す動作を行った場合の(除荷時)、被測定物の弾性/塑性変形の様子が示されている。
また、図1のhは圧子の最大押し込み深さを、hは圧子と被測定物との接触点における押し込み深さ(接触深さ)を示している。
図2は、ナノインデンテーション測定によって得られる荷重―押し込み深さ曲線の一例を示す模式図である。図2には、圧子の押し込み過程の負荷曲線と、押し込み後の除荷時の除荷曲線が示されている。また、図2中のSは、除荷曲線の勾配である接触剛性を示している。
本発明の砥石選別方法においては、このナノインデンテーション測定によって得られる荷重―押し込み深さ曲線のデータを用いて平面研削用砥石の良否を選別する。
図5は、本発明の砥石選別方法における選別対象である平面研削用砥石の一例を示す概略図である。図5に示すように、平面研削用砥石1は円環状台金2の外周にビトリファイドボンド砥石チップ3を複数配置することによって構成されている。
このように構成された平面研削用砥石の良否を以下のようにして選別する。
まず、図1に示すように、先端形状がダイヤモンドチップから成る正三角錐(バーコビッチ型)の圧子をビトリファイドボンド砥石チップ(被測定物)の表面に押し込み、負荷及び除荷時の押し込み深さを測定し、図2に示すような荷重―押し込み深さ曲線を得る。そして、この得られた荷重―押し込み深さ曲線のデータにおける所定領域の荷重のばらつきに基づいて、平面研削用砥石の良否を選別する。
この際、同一のビトリファイドボンド砥石チップに対して異なる位置で複数の荷重―押し込み深さ曲線のデータを取得し、その複数のデータ間における所定領域での押し込み深さに対する荷重の値のばらつきに基づいて、平面研削用砥石の良否を選別することができる。
そして、所定領域の荷重のばらつきが大きいものを砥石磨耗量が異常増加する又は安定研削ができない不良の平面研削用砥石として選別することができる。
またこれらを複数のビトリファイドボンド砥石チップに対して行って、より精度の高い選別を行うようにすることもできる。
このようにして選別すれば、実際にワークを研削することなく、すなわち、工程の増加や原料ワークの消費などを抑制でき、平面研削用砥石の砥石チップを評価用装置に合わせた形態にする必要もなく、ビトリファイドボンド砥石チップのまま簡便に選別を行うことができる。また、ビトリファイドボンド砥石チップ単体で選別を行うこともできる。また、例えば、不良と選別したビトリファイドボンド砥石チップのみを除去して別のビトリファイドボンド砥石チップを配置し直すなど、選別結果のフィードバックを迅速に行うことが可能であり、また、選別後の平面研削用砥石を用いて研削した製品の評価指標としても利用することができる。このように本発明の砥石選別方法は、平面研削用砥石の開発を実施していく上でも非常に有用な方法と言える。
このとき、上記したように、荷重―押し込み深さ曲線のデータを同一のビトリファイドボンド砥石チップ上の異なる位置において複数回ナノインデンテーション測定して、複数の荷重―押し込み深さ曲線のデータを取得し、それらの荷重―押し込み深さ曲線のデータにおいて押し込み深さに対する荷重の標準偏差σを上記した荷重のばらつきとして定義することができる。ここで、測定回数は10回以上、より正確な選別をするために15〜30回以上とするのが望ましい。
そして、押し込み深さが平面研削用砥石の平均砥粒径の1/2の値となる付近を上記した所定領域とし、該領域における標準偏差σの平均値Xを求め、該平均値Xが所定の値以上の場合に平面研削用砥石を不良と選別することができる。ここで、平均砥粒径の1/2の値となる付近を、平均砥粒径の1/2の値とするのが最も良いが、平均砥粒径の1/2の値の±15%の範囲とすることもできる。すなわち、押し込み深さが平均砥粒径の1/2の値となる場合の標準偏差σの平均値Xを求めるか、もしくは押し込み深さが平均砥粒径の1/2の値の±15%の範囲の領域における標準偏差σの平均値Xを求めれば良い。
このように、平均値Xが所定の値以上の場合に平面研削用砥石を不良と選別すれば、砥石磨耗量が異常増加する又は安定研削ができないというような不良の平面研削用砥石をより精度よく選別することができる。
また、平均値Xが所定の値以上の場合に平面研削用砥石を不良と選別する際、この平均値Xの所定の値を、標準的なライフを有する平面研削用砥石のビトリファイドボンド砥石チップに対して求めた標準偏差σの平均値Xの1.5倍の値とすることができる。
このようにすれば、砥石磨耗量の異常増加などによりライフが低下する平面研削用砥石や、安定研削ができない平面研削用砥石の選別をより精度よく行うことができる。
ライフが低下する平面研削用砥石に関して、押し込み深さが平均砥粒径の1/2の値となる付近の領域における標準偏差σの平均値Xが大きくなる理由については、以下のようなものと推測することができる。すなわち、上述のように、ビトリファイド系砥石は、自生発刃作用を補うため気孔を形成させるなどして、砥石自体を脆くさせる必要がある。また、その自生発刃は砥粒径サイズの微小な領域で連続的に発生する必要があることから、非常に微細で均一な構造が求められる。しかし、これが不均一な構造である場合は、部分的な強度の低下を招き、砥石のライフの低下や安定研削不可に至ると考えられる。
このような微小な領域での強度の均一性は、荷重のばらつきである上記の標準偏差σによって判断できるものと推測され、特に研削状況を強く反映している砥粒径サイズの1/2付近の領域で顕著に差が出ていると考えられる。すなわち、押し込み深さが平均砥粒径の1/2の値となる付近の領域における荷重の標準偏差σの平均値Xが大きくなるということは、微小な領域での強度が不均一な状態となっており、ライフが低下することを意味するものと考えられる。
また、本発明の砥石選別方法においては、ビトリファイドボンド砥石チップのまま平面研削用砥石の選別を行うことができるので、選別対象の平面研削用砥石はワークの片面研削を行うものであっても、両面の同時研削を行うものであっても良く、両方のタイプの平面研削用砥石に対して本発明の砥石選別方法を適用して、平面研削用砥石の良否を選別することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
本発明の砥石選別方法を用いてA−Fの6つの異なる平面研削用砥石の良否を選別した。使用した平面研削用砥石は、#8000相当のビトリファイド系ダイヤモンド砥石の砥石チップを配置したものとし、その平均砥粒径が約0.9μmのものとした。また、ナノインデンテーション法による測定装置として、ナノインデンター(MTSシステムズ社の商標)を用いて行った。この装置は、ナノインデンテーション測定時に力を微小振動させ、荷重振幅、変位応答振幅、位相を時間に対し測定し、各押し込み深さにおける接触剛性を連続的に測定することが可能となっている。
そして、平面研削用砥石の同一の砥石チップに対して、ナノインデンテーション測定を30回行い、30個の荷重―押し込み深さ曲線のデータを取得した。これらの荷重―押し込み深さ曲線のデータから押し込み深さ200〜800nmの範囲を100nm区間毎に区切って、各範囲の荷重の標準偏差σを計算し、この計算した各範囲の荷重の標準偏差σの平均値Xを計算した。
また、6つの平面研削用砥石でワークの研削を行い、それぞれの平面研削用砥石のライフを測定した。その結果、平面研削用砥石Aが標準的なライフを有しているものであることが分かり、このAのライフを1とした時の他の平面研削用砥石のライフのAに対する倍率は、表1に示すように、B、CがAとほぼ同等のライフで、D、Eはライフが著しく低下していた。また、Fでは安定研削ができなかった。
標準偏差σの平均値Xの結果を図3に示す。図3に示すように、切り込み深さが平均砥粒径0.9μmの1/2の値の付近(±15%以内)である400〜500nmの領域の標準偏差σの平均値Xは、ほぼ標準的なライフを有しているA−Cの砥石に比べ、ライフが著しく低下してるD、Eと、安定研削ができないFの平均値Xが高くなっていることが分かる。
また、切り込み深さが400〜500nmの領域のそれぞれの平面研削用砥石の標準偏差σの平均値Xと、その平均値XのAの値に対する倍率を表1に示す。
表1に示すように、D、E、Fの平均値XのAの値に対する倍率は1.5倍以上になっていることが分かる。
このように、標準的なライフを有する平面研削用砥石のビトリファイドボンド砥石チップに対して求めた標準偏差σの平均値Xの1.5倍の値となっている平面研削用砥石をライフが低下してる、又は安定研削ができない不良のものとして選別することができた。
以上のようにして、本発明の砥石選別方法は、実際にワークを研削することなく、ビトリファイドボンド砥石チップのまま簡便に平面研削用砥石の良否を選別することができることが確認できた。
(比較例)
実施例1で使用したA−Fそれぞれの平面研削用砥石の砥石チップの抗折力を3点曲げ試験によって測定し、その結果を評価した。
図4に測定した抗折力の結果を示す。図4に示すように、全ての砥石における抗折力はほぼ同程度であった。
このように、従来の指標である抗折力では、上記の実施例のようなライフの低下したものや、安定研削ができないものの選別を行うことができないことが確認できた。このことは、抗折力は平均的な強度を評価しているため、砥粒径以下レベルの極浅い領域での評価ができないためと考えられる。
Figure 2010274341
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…平面研削用砥石、2…円環状台金、3…ビトリファイドボンド砥石チップ。

Claims (4)

  1. 円環状台金の外周にビトリファイドボンド砥石チップを複数配置した平面研削用砥石の研削性を評価して該平面研削用砥石の良否を選別する砥石選別方法において、
    前記平面研削用砥石のビトリファイドボンド砥石チップのナノインデンテーション測定によって得られる荷重―押し込み深さ曲線のデータにおける所定領域の荷重のばらつきに基づいて、前記平面研削用砥石の良否を選別することを特徴とする砥石選別方法。
  2. 前記荷重―押し込み深さ曲線のデータにおいて押し込み深さに対する荷重の標準偏差σを前記荷重のばらつきとして定義し、前記押し込み深さが前記平面研削用砥石の平均砥粒径の1/2の値となる付近を前記所定領域とし、該領域における前記標準偏差σの平均値Xを求め、該平均値Xが所定の値以上の場合に前記平面研削用砥石を不良と選別することを特徴とする請求項1に記載の砥石選別方法。
  3. 前記平均値Xの所定の値を、標準的なライフを有する前記平面研削用砥石のビトリファイドボンド砥石チップに対して求めた前記標準偏差σの平均値Xの1.5倍の値とすることを特徴とする請求項2に記載の砥石選別方法。
  4. 前記平面研削用砥石は、ワークの片面研削又は両面の同時研削を行うものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の砥石選別方法。
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