JPH1135347A - 合わせガラス用中間膜 - Google Patents

合わせガラス用中間膜

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JPH1135347A
JPH1135347A JP19246997A JP19246997A JPH1135347A JP H1135347 A JPH1135347 A JP H1135347A JP 19246997 A JP19246997 A JP 19246997A JP 19246997 A JP19246997 A JP 19246997A JP H1135347 A JPH1135347 A JP H1135347A
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JP
Japan
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intermediate film
total volume
laminated glass
glass
emboss
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JP19246997A
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English (en)
Inventor
Minoru Nakajima
稔 中嶋
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C27/00Joining pieces of glass to pieces of other inorganic material; Joining glass to glass other than by fusing
    • C03C27/06Joining glass to glass by processes other than fusing
    • C03C27/10Joining glass to glass by processes other than fusing with the aid of adhesive specially adapted for that purpose

Abstract

(57)【要約】 【課題】 予備圧着工程での脱気性に優れた合わせガラ
ス用中間膜を得る。 【解決手段】 ガラス板と中間膜との間に残留する空気
を真空バッグ法又は扱きロール法により脱気しながら予
備圧着し、次いで加熱加圧して本圧着を行う合わせガラ
スの製造に用いる中間膜であって、中間膜の表面には微
細な凹凸からなるエンボスが形成されており、このエン
ボスは、DIN 4762及び4776に規定するアボット負荷曲線
から得られるMr2に相当する切断レベルを切断面とし、
この切断面から上の凸部の全体積及び切断面から下の凹
部の全体積が次の条件を満足する。 真空バッグ法の場合:上記凸部の全体積が11×10-3〜17
×10-3mm3/mm2 で且つ凹部の全体積が1.0 ×10-3mm3/mm
2 以下。扱きロール法の場合:凸部の全体積が10×10-3
〜14×10-3mm3/mm2 で且つ凹部の全体積が0.5 ×10-3mm
3/mm2 以下。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細な凹凸からな
るエンボスが形成された合わせガラス用中間膜に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ガラス板の間に、可塑化ポリビニルブチ
ラール等の熱可塑性樹脂シートからなる中間膜を挟み互
いに接着させて得られる合わせガラスは、自動車、航空
機、建築物などの窓ガラスに広く使用されている。
【0003】この種の合わせガラスは、通常、ガラス板
の間に中間膜を挟み、これを減圧下で脱気する方法、例
えばラバーバッグに入れラバーバッグ内を排気して減圧
する方法(真空バッグ法)、或いは一対の押圧ロールの
間隙に通して扱く方法(扱きロール法)により、ガラス
板と中間膜との間に残留する空気を脱気しながら予備圧
着し、次いでオートクレーブ内で加熱加圧して本圧着を
行うことにより製造される。
【0004】上記合わせガラスの中間膜には、接着性、
耐候性、耐貫通性、透明性等の基本性能が良好であるこ
とのほかに、保管中に中間膜同士がブロッキングしない
こと、ガラス板の間に中間膜を挟む際の取扱い作業性が
良好であること、さらに空気の巻き込みを無くすため
に、予備圧着工程での脱気性が良好であることが要求さ
れる。
【0005】このような要求を満たすために、通常、中
間膜には、その両面に微細な凹凸からなるエンボスが形
成されている。微細な凹凸の形態としては、多数の凸起
とこの凸起に対する凹部とからなる各種の凹凸模様が開
示されている(例えば、特公平1−32776号公報参
照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
中間膜にあっては、保管中の耐ブロッキング性、取扱い
作業性とともに、予備圧着工程での脱気性が相当に改善
されるが、例えば、面積が広い合わせガラスや曲率が大
きい合わせガラスを製造する場合、或いは合わせガラス
の生産性を上げる場合には、特に、脱気性の点で十分に
満足のいくものではなく、まだ改善の余地がある。
【0007】すなわち、従来の中間膜において、凹凸の
形状や凹凸深さや高さを全体にわたって均一に形成する
ことは困難で、多かれ少なかれ不均一に形成されてお
り、脱気性が不十分となる。このように脱気性が不十分
であると、圧着後にガラス板と中間膜との間に気泡が残
り、接着性が不十分となって、完全に透明な合わせガラ
スを得ることができず、また過酷な条件で使用される場
合(高温での促進試験)で発泡が生じる。
【0008】本発明は、上記の問題を解決するもので、
その目的とするところは、保管中の耐ブロッキング性や
ガラス板の間に中間膜を挟む際の取扱い作業性が良いこ
とはもとより、特に、予備圧着工程での脱気性に優れた
合わせガラス用中間膜を提供をすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、次に述べ
る合わせガラス用中間膜によって、達成することができ
る。すなわち、請求項1に係る発明は、ガラス板の間に
中間膜を挟み、減圧下でガラス板と中間膜との間に残留
する空気を脱気しながら予備圧着し、次いで加熱加圧し
て本圧着を行う合わせガラスの製造に用いる中間膜であ
って、上記中間膜の表面には微細な凹凸からなるエンボ
スが形成されており、このエンボスは、DIN 476
2及び4776に規定するアボット負荷曲線から得られ
るMr2に相当する切断レベルを切断面とし、この切断面
から上の凸部の全体積が11×10-3〜17×10-3
3 /mm2 で且つ上記切断面から下の凹部の全体積が
1.0×10-3mm3 /mm2 以下であることを特徴と
する合わせガラス用中間膜である。
【0010】請求項2に係る発明は、ガラス板の間に中
間膜を挟み、これを一対の押圧ロールの間隙に通して扱
くことにより、ガラス板と中間膜との間に残留する空気
を脱気しながら予備圧着し、次いで加熱加圧して本圧着
を行う合わせガラスの製造に用いる中間膜であって、上
記中間膜の表面には微細な凹凸からなるエンボスが形成
されており、このエンボスは、DIN 4762及び4
776に規定するアボット負荷曲線から得られるMr2に
相当する切断レベルを切断面とし、この切断面から上の
凸部の全体積が10×10-3〜14×10-3mm3 /m
2 で且つ上記切断面から下の凹部の全体積が0.5×
10-3mm3 /mm2 以下であることを特徴とする合わ
せガラス用中間膜である。
【0011】請求項3に係る発明は、中間膜が可塑化ポ
リビニルアセタール樹脂からなり、この中間膜のクリー
プ弾性率が40℃で30〜40g/cm2 、60℃で7
〜14g/cm2 、80℃で2〜5g/cm2 のうち、
いずれか一つ以上を満足することを特徴とする請求項1
又は2に記載の合わせガラス用中間膜である。
【0012】本発明に用いる中間膜としては、従来の合
わせガラスの中間膜に用いられている熱可塑性樹脂シー
トが使用される。例えば、可塑化ポリビニルアセタール
樹脂シート、ポリウレタン系樹脂シート、エチレン−酢
酸ビニル系樹脂シート、エチレン−エチルアクリレート
系樹脂シート、可塑化塩化ビニル系樹脂シート等が挙げ
られる。これ等のシートは、接着性、耐候性、耐貫通
性、透明性等の合わせガラスに要求される基本性能が優
れている。
【0013】特に、可塑化ポリビニルブチラール樹脂で
代表される可塑化ポリビニルアセタール樹脂からなるシ
ートが好適である。これ等の中間膜の膜厚は、合わせガ
ラスとして必要な耐貫通性等を考慮して決められ、従来
の中間膜と同程度で、特に0.2〜2mmとするのが好
ましい。
【0014】そして、上記中間膜の表面に、特定の条件
を満たす微細な凹凸からなるエンボスが形成される。こ
のようなエンボスを形成するには、定量的に一定の微細
な凹凸からなるエンボスを得るために、エンボスロール
を用いるエンボスロール法が好適である。エンボスロー
ルとしては、例えば、彫刻ミル(マザーミル)を用い、
この凹凸模様を金属ロールに転写することにより作製さ
れたエンボスロールが好適に使用される。
【0015】エンボスの凹凸模様は、上記特定の条件を
満たすものであればよく、特に限定されず、整然と規則
的に分布していてもよく、雑然と不規則的に分布してい
てもよい。また、各凸部の高さは、全て同じ高さであっ
ても異なる高さであってもよく、この凸部に対する各凹
部の深さも、全て同じ深さであっても異なる深さであっ
てもよい。
【0016】また、上記凸部の形状も、上記特定の条件
を満たすものであればよく、特に限定されない。一般
に、三角錐、四角錐、円錐等の錐体、截頭三角錐、截頭
四角錐、截頭円錐等の截頭錐体、頭部が山型や半球状と
なった擬錐体からなる多数の凸起と、これ等の凸部に対
する多数の凹部とから構成された凹凸模様とされ、特
に、錐体、山型や半球状の擬錐体からなる多数の凸部を
有する凹凸模様が好ましい。
【0017】また、これ等のエンボスの凹凸模様の寸法
も、上記特定の条件を満たすものであればよく、特に限
定されない。一般に、凸部の間隔は、おおむね10〜2
000μmの範囲、特に200〜1000μmの範囲の
ものが好ましい。また、凸部の高さは、おおむね5〜5
00μmの範囲、特に20〜100μmの範囲のものが
好ましい。また、凸部の基底面の最大差渡し長さは、お
おむね30〜900μmの範囲のものが好ましい。特
に、表面粗さは、DIN 4768に規定される十点平
均粗さ(Rz)で20〜70μmであるものが最適であ
る。
【0018】本発明において、アボット負荷曲線は、表
面粗さ計を用いてエンボスシートの表面粗さを測定する
ことにより、例えば、図1に示すような粗さ曲線を得
て、この粗さ曲線から負荷長さ比〔(bearing
ratio tp =material compone
nt(material ratio) Mr 〕を求
め、例えば、図2に示すように、この負荷長さ比を横軸
に表し、切断レベルを縦軸に表すことにより得られる曲
線であって、内容的には表面粗さの累積確率分布であ
る。
【0019】ここで、負荷長さ比は、粗さ曲線からその
平均線の方向に評価長さ(lm)だけ抜取り、この抜取り
部分の粗さ曲線を山頂線に対して平行な切断レベル(p
rofile section level)で切断し
たときに得られる切断長さの和(負荷長さ)(b1 +b
2 +bi ・・・bn )の評価長さ(lm)に対する比を百
分率で表したものである。なお、上記切断レベルは、粗
さ曲線の山頂線を切断レベル0%、粗さ曲線の谷底線を
切断レベル100%とする(DIN 4762及び47
76参照)。
【0020】また、アボット負荷曲線は、エンボスの平
均形状を二次元的に表すもので、図3に示すように、切
断線の位置(profile section lin
eposition)の関数として材料成分(mate
rial component Mr )で示され、三つ
の領域(Rk 、Rpk、Rvk)に分けられる。ここで、R
k (μm)は粗さの中心領域、Rpk(μm)は換算山高
さ(中心領域から突き出ている山部分の平均高さ)、R
vk(μm)は換算谷深さ(中心領域から落ち込んでいる
谷部分の平均深さ)を表し、Mr1(%)は材料成分(山
部分の割合)、Mr2(%)は材料成分(谷部分を除く部
分の割合)を表すものである。
【0021】上記エンボスの表面粗さのパラメーター
(Rz 、Rk 、Rpk、Rvk、Mr1及びMr2など)を測定
するには、例えば、ドイツ国のFeinpuf Per
then GmbH社製の表面粗さ計(商品名:Per
thometer S3P)及びこのPerthome
ter S3P仕様の表面形状解析装置(商品名:SA
S−2010、明伸工機社製)を用いれば、各種の表面
粗さのパラメーターが自動的に図表でプリントアウトさ
れ、簡単に測定することができる。
【0022】このようなアボット負荷曲線において、R
vk(換算谷深さ、すなわち中心領域から落ち込んでいる
谷部分の平均深さ)は、ガラス板と中間膜との予備圧着
工程で空気の通路となるもので、脱気の際の空気の抜け
易さと密接な関係がある。また、Mr2(材料成分、すな
わち谷部分を除く部分の割合)は、空気の移動に対する
抵抗となるとともに、合わせ加工時のエンボスの潰れ易
さと密接な関係がある。
【0023】さらに、上記のような表面形状解析装置
(商品名:SAS−2010、明伸工機社製)を用いれ
ば、各切断レベル(切断線の位置)でのエンボスの平均
形状を三次元的に解析することができる。この場合、ガ
ラス板と中間膜との予備圧着工程での脱気の際の空気の
抜け易さは、エンボスの凹部の体積と密接な関係があ
る。また、合わせ加工時のエンボスの潰れ易さは、エン
ボスの凸部の体積と密接な関係がある。
【0024】そこで、種々検討の結果、減圧下で脱気す
る場合、例えばラバーバッグ内を排気して減圧すること
により脱気する方法(真空バッグ法)の場合は、アボッ
ト負荷曲線から得られるMr2の値に対応する凸部の体積
が11×10-3〜17×10 -3mm3 /mm2 で且つM
r2の値に対応する凹部の体積が1.0×10-3mm3
mm2 以下とすれば、予備圧着の際の脱気性に優れるこ
とを見出した。
【0025】また、押圧ロールの間隙に通して扱くこと
により脱気する方法(扱きロール法)の場合は、アボッ
ト負荷曲線のMr2に相当する切断レベルを切断面とし、
この切断面から上の凸部の全体積が10×10-3〜14
×10-3mm3 /mm2 で且つ上記切断面から下の凹部
の全体積が0.5×10-3mm3 /mm2 以下であるエ
ンボスを形成すれば、予備圧着の際の脱気性に優れるこ
とを見出した。
【0026】ここで、上記凸部の全体積及び凹部の全体
積は、具体的には、上記表面粗さのパラメーターの図表
からアボット負荷曲線におけるMr2の値を読み取り、こ
のMr2を基準とし、上記表面形状解析装置(商品名:S
AS−2010、明伸工機社製)により、自動的にプリ
ントアウトされる振幅確率分布リストの数表において、
分割レベルでの接触面積割合の累積値(Mr2に相当す
る)に対応する分割レベルでの形状部分の体積の累計
(凸部の全体積に相当する)及び空気部分の体積の累計
(凹部の全体積に相当する)を内挿法により読み取り、
これを測定範囲(解析面積X×Y)で除することによ
り、簡単に測定される。
【0027】上記減圧下で脱気する場合(例えば真空バ
ッグ法で脱気する場合)、扱きロール法で脱気する場合
のいずれの場合でも、Mr2の値に相当する凸部の全体積
が、上記の特定値を下回ると、予備加熱の時点でガラス
の自重によりエンボスが局部的に潰れやすくなり、シー
ル先行による局部的な空気の偏在を起こす。逆に、Mr2
の値に対応する凸部の全体積が上記の特定値を上回る
と、エンボスが所定の予備圧着条件で潰れずにシール不
良を起こし、いずれにしても予備圧着工程での脱気性が
不十分となる。
【0028】また、上記減圧下で脱気する場合(例えば
真空バッグ法で脱気する場合)、扱きロール法で脱気す
る場合のいずれの場合でも、Mr2の値に相当する凹部の
全体積が上記の特定値を上回ると、凹部に空気が閉じ込
められ空気が溜まり易くなり、予備圧着工程での脱気性
が不十分となる。
【0029】特に、可塑化ポリビニルブチラール樹脂で
代表される可塑化ポリビニルアセタール樹脂からなる中
間膜を使用する場合は、上記の各特定値の条件に加え
て、この中間膜のクリープ弾性率が40℃で30〜40
g/cm2 、60℃で7〜14g/cm2 、80℃で2
〜5g/cm2 のうち、いずれか一つ以上を満足するも
のが好ましい。その理由は次の通りである。
【0030】すなわち、可塑化ポリビニルアセタール樹
脂からなる中間膜を使用する場合、真空バッグ法では、
一般に、二枚の透明な無機ガラス板の間に中間膜を挟
み、この積層体をゴムバッグに入れ、このゴムバッグを
排気系に接続して約−400〜−750mmHgの真空
(絶対圧力360〜10mmHg)に吸引減圧しながら
温度を上げ、約50〜100℃で予備圧着する方法が採
用される。また、扱きロール法では、一般に、二枚の透
明な無機ガラス板の間に中間膜を挟み、この積層体をニ
ップロールに通し、例えば、圧力約2〜10kg/cm
2 、温度約50〜80℃の条件で扱いて脱気しながら予
備圧着する方法が採用される。
【0031】この場合、予備圧着工程での脱気の際の空
気の抜け易さは、エンボスの凹部の体積と密接な関係が
あり、また合わせ加工時のエンボスの潰れ易さは、エン
ボスの凸部の体積と密接な関係があり、さらに予備加熱
時の温度(約40〜100℃)における中間膜のクリー
プ弾性率などの熱的物性と密接な関係がある。
【0032】そこで、種々検討の結果、減圧下で脱気す
る場合(例えば真空バッグ法で脱気する場合)、扱きロ
ール法で脱気する場合のいずれの場合でも、中間膜のク
リープ弾性率が40℃で30〜40g/cm2 、60℃
で7〜14g/cm2 、80℃で2〜5g/cm2 のう
ち、いずれか一つ以上を満足するものが好適で、三つ全
てのクリープ弾性率を満足するものが予備圧着の際の脱
気性の点で最適であることを見出した。
【0033】ここで、中間膜のクリープ弾性率は、JI
S K 7115(プラスチックの引張クリープ試験方
法)に準じて測定される。但し、試験片:2号形試験
片、試験荷重:40℃の場合154g、60℃の場合8
0g、80℃の場合20gとする。
【0034】なお、中間膜同士のブロッキングは保管中
に重ねられる中間膜の枚数にもよるが、通常、中間膜は
500〜1000枚の自重を考慮すればよく、そのよう
な状態での荷重では、中間膜が上述の特定の条件(凸部
の全体積及び凹部の全体積)を満足すれば、耐ブロッキ
ング性が良好であるとともに、保管中やガラス板の間に
中間膜を挟む際の取扱い作業が容易であることがわかっ
た。
【0035】この発明の中間膜においては、その両面が
上記特定の表面粗さになっているものが好ましいが、一
方の面のみが上記特定の表面粗さになっていて、他方の
面は従来の微細な凹凸からなるエンボスが形成されたも
のであってもよい。こうして、この発明の合わせガラス
用中間膜が得られる。
【0036】この発明の中間膜を用いて合わせガラスを
製造するには、通常の合わせガラスの製法と同様に、予
備圧着と本圧着とを行う。例えば、可塑化ポリビニルブ
チラール樹脂シートからなる中間膜を用いる場合は、具
体的には、次のように予備圧着と本圧着とが行われる。
【0037】すなわち、予備圧着は、二枚の透明な無機
ガラス板の間に中間膜を挟み、この積層体を、例えばゴ
ムバッグに入れ、ゴムバッグを排気系に接続して約−4
00〜−750mmHgの真空(絶対圧力360〜10
mmHg)に吸引減圧しながら温度を上げ、約50〜1
00℃で予備圧着する方法(真空バッグ法)、或いは上
記積層体をニップロールに通し、例えば、圧力約2〜1
0kg/cm2 、温度約50〜80℃の条件で扱いて脱
気しながら予備圧着する方法(扱きロール法)が採用さ
れる。
【0038】次いで、予備圧着された積層体は、常法に
よりオートクレーブを用いるか或いはプレスを用いて、
約120〜150℃の温度、約10〜15kg/cm2
の圧力で本圧着される。こうして、合わせガラスが製造
される。
【0039】なお、上記ガラス板としては、無機ガラス
板のみならず、ポリカーボネート板、ポリメチルメタク
リレート板などの有機ガラス板も使用することができ
る。また、合わせガラスの積層構成は、ガラス板/中間
膜/ガラス板の三層構成のみならず、例えば、ガラス板
/中間膜/ガラス板/中間膜/ガラス板のような多層構
成とすることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例及び比較
例を示す。 (実施例1〜9、比較例1〜10)金属ロールの表面に
エンボス形成用の彫刻ミル(マザーミル)を押し付け、
金属ロールと彫刻ミルを回転させることにより、彫刻ミ
ルの凹凸模様を金属ロールに転写し、その後彫刻ミルを
その凹凸模様の配列単位で金属ロールの軸方向に順にず
らし、上記と同様な操作で、彫刻ミルの凹凸模様を金属
ロールに転写してエンボスロールを作製した。なお、上
記彫刻ミル(マザーミル)は、凹凸模様の凸部が半球状
で規則的に配列されたものであって、凹凸模様の異なる
ものを各種使用した。
【0041】可塑化ポリビニルブチラール樹脂シート
(厚さ0.76mm)であって、ポリビニルブチラール
樹脂を製造する際にブチラール反応後の熟成温度とその
時間を変更して得られたポリビニルブチラール樹脂を用
いて、クリープ弾性率の異なるものを各種用意した。
【0042】上記エンボスロール及び可塑化ポリビニル
ブチラール樹脂シート(厚さ0.76mm)を用いて、
可塑化ポリビニルブチラール樹脂シートの両面に山型の
凹凸が不規則に形成され、表1〜表3に示す表面粗さの
パラメーター及びクリープ弾性率を有する微細な凹凸か
らなるエンボスが形成された合わせガラス用中間膜(実
施例9種類、比較例10種類)を製造した。
【0043】上記各実施例及び各比較例で得られた合わ
せガラス用中間膜について、下記の方法で、エンボスの
表面粗さのパラメーター(Rz 、Mr2、Mr2に対応する
凸部の全体積、Mr2に対応する凹部の全体積)及び40
℃、60℃、80℃におけるクリープ弾性率を測定し
た。さらに、これ等の中間膜を用いた各合わせガラスに
ついて、下記の方法で、ベークテストを行い、予備圧着
工程での脱気性を評価した。その結果をまとめて表1〜
表3に示す。
【0044】(1)エンボスの表面粗さのパラメーター
の測定 ドイツ国のFeinpuf Perthen GmbH
社製の表面粗さ計(商品名:Perthometer
S3P)及びこのPerthometer S3P仕様
の表面形状解析装置(商品名:SAS−2010、明伸
工機社製)を用い、DIN 4768、DIN 476
2及びDIN 4776に基づく、中間膜のRz (μm
)、Rvk(μm )、Mr2(%))を測定した。これ等
の値は、自動的に図表でプリントアウトされる。
【0045】また、アボット負荷曲線から得られるMr2
に相当する切断レベルを切断面とし、この切断面から上
の凸部の全体積及び上記切断面から下の凹部の全体積を
測定した。これ等の値は、上記表面形状解析装置(商品
名:SAS−2010、明伸工機社製)により、自動的
にプリントアウトされる振幅確率分布リストの数表にお
いて、分割レベルでの接触面積割合の累積値(Mr2に相
当する)に対応する分割レベルでの形状部分の体積の累
計(凸部の全体積に相当する)及び空気部分の体積の累
計(凹部の全体積に相当する)を内挿法により読み取
り、これを測定範囲(解析面積2.5mm×1.5m
m)で除することにより算出した。
【0046】(2)クリープ弾性率の測定 JIS K 7115に準じ、2号形試験片を用い、試
験荷重は、40℃の場合は154g、60℃の場合は8
0g、80℃の場合は20gとした。
【0047】(3)ベークテスト 次の方法(真空バッグ法及び扱きロール法)により予備
圧着を行い、その後本圧着を行って、合わせガラスを作
製した。
【0048】(a)真空バッグ法 中間膜を二枚の透明なフロートガラス板(縦30cm×
横30cm×厚さ3mm)の間に挟み、はみ出た部分を
切り取り、こうして得られた積層体をゴムバッグ内に移
し、ゴムバッグを吸引減圧系に接続し、外気加熱温度で
加熱すると同時に−600mmHg(絶対圧力160m
mHg)の減圧下で10分間保持し、積層体の温度(予
備圧着温度)がそれぞれ60℃、80℃、100℃にな
るように加熱し、その後、大気圧に戻して予備圧着を終
了した。
【0049】(b)扱きロール法 中間膜を二枚の透明なフロートガラス板(縦30cm×
横30cm×厚さ3mm)の間に挟み、はみ出た部分を
切り取り、こうして得られた積層体を加熱オーブン内
で、積層体の温度(予備圧着温度)がそれぞれ60℃、
70℃、80℃になるように加熱し、その後ニップロー
ル(エアーシリンダー圧力3.5kg/cm2 、線速度
10m/分)に通すことにより予備圧着を行った。
【0050】こうして得られた積層体を、オートクレー
ブ内で、温度140℃、圧力13kg/cm2 の条件下
に10分間保持した後、50℃まで温度を下げ大気圧に
戻すことにより本圧着を終了して、合わせガラスを作製
した。
【0051】この合わせガラスを140℃のオーブンで
2時間加熱し、オーブンから取り出し3時間冷却し、合
わせガラスに発泡(気泡)が生じた枚数を調べて、脱気
性を評価した。試験枚数は各100枚とした。100枚
中に発泡が全く発生しないものを○、100枚中に発泡
が1〜5枚発生したものを△、100枚中に発泡が6枚
以上発生したものを×とした。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【発明の効果】上述の通り、本発明の合わせガラス用中
間膜は、表面に微細な凹凸からなるエンボスが形成され
ており、このエンボスは、DIN 4762及び477
6に規定するアボット負荷曲線から得られるMr2に相当
する切断レベルを切断面とし、この切断面から上の凸部
の全体積及び切断面から下の凹部の全体積が、減圧下
(例えば真空バッグ法)で予備圧着する場合と扱きロー
ル法で予備圧着する場合とで、それぞれ本文に説明した
ような特定の範囲にあり、それにより、保管中のブロッ
キング性やガラス板の間に中間膜を挟む際の取扱い作業
性が良好であることはもとより、予備圧着工程でガラス
板と中間膜との間に介在する空気がスムーズに排出さ
れ、十分に脱気することができる。そのため、ガラス板
と中間膜との接着性が良好で、透明性に優れた合わせガ
ラスを得ることができる。
【0057】このような合わせガラス用中間膜におい
て、特に、中間膜が可塑化ポリビニルアセタール樹脂か
らなり、この中間膜のクリープ弾性率を本文に説明した
ような特定の範囲とすることにより、予備圧着工程で広
範囲の予備圧着温度で脱気性に一層優れた合わせガラス
用中間膜を得ることができる。
【0058】したがって、本発明の中間膜を用いて合わ
せガラスを製造すると、特に面積が広い合わせガラスや
曲率が大きい合わせガラスを製造する場合や合わせガラ
スの生産性を上げる場合であっても、脱気が十分に行わ
れ、中間膜の層がガラス板の面に沿って良好に平滑化さ
れ、特に透明性が優れ、過酷な条件で使用される場合で
発泡が生じることがなく、品質の良好な合わせガラスを
作業性よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンボスシートからなる中間膜の粗さ曲線の一
例を示す。
【図2】エンボスシートからなる中間膜のアボット負荷
曲線の一例を示し、切断レベルと負荷長さ比との関係を
表す。
【図3】エンボスシートからなる中間膜のアボット負荷
曲線の一例を示し、切断線の位置と材料成分との関係を
表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 7:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス板の間に中間膜を挟み、減圧下で
    ガラス板と中間膜との間に残留する空気を脱気しながら
    予備圧着し、次いで加熱加圧して本圧着を行う合わせガ
    ラスの製造に用いる中間膜であって、 上記中間膜の表面には微細な凹凸からなるエンボスが形
    成されており、このエンボスは、DIN 4762及び
    4776に規定するアボット負荷曲線から得られるMr2
    に相当する切断レベルを切断面とし、この切断面から上
    の凸部の全体積が11×10-3〜17×10-3mm3
    mm2 で且つ上記切断面から下の凹部の全体積が1.0
    ×10-3mm3 /mm2 以下であることを特徴とする合
    わせガラス用中間膜。
  2. 【請求項2】 ガラス板の間に中間膜を挟み、これを一
    対の押圧ロールの間隙に通して扱くことにより、ガラス
    板と中間膜との間に残留する空気を脱気しながら予備圧
    着し、次いで加熱加圧して本圧着を行う合わせガラスの
    製造に用いる中間膜であって、 上記中間膜の表面には微細な凹凸からなるエンボスが形
    成されており、このエンボスは、DIN 4762及び
    4776に規定するアボット負荷曲線から得られるMr2
    に相当する切断レベルを切断面とし、この切断面から上
    の凸部の全体積が10×10-3〜14×10-3mm3
    mm2 で且つ上記切断面から下の凹部の全体積が0.5
    ×10-3mm3 /mm2 以下であることを特徴とする合
    わせガラス用中間膜。
  3. 【請求項3】 中間膜が可塑化ポリビニルアセタール樹
    脂からなり、この中間膜のクリープ弾性率が40℃で3
    0〜40g/cm2 、60℃で7〜14g/cm2 、8
    0℃で2〜5g/cm2 のうち、いずれか一つ以上を満
    足することを特徴とする請求項1又は2に記載の合わせ
    ガラス用中間膜。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040033211A (ko) * 2002-10-11 2004-04-21 연원중 조명용 안전유리 제조방법
KR100806514B1 (ko) 2006-09-14 2008-02-21 최칠식 연성 소재의 단면 유리 접합 방법
WO2018097146A1 (ja) 2016-11-24 2018-05-31 日本ゼオン株式会社 接着剤シート及び合わせガラス
US20230117573A1 (en) * 2021-10-18 2023-04-20 Chang Chun Petrochemical Co., Ltd. Polymer film and uses of the same

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