JP3898378B2 - 合わせガラス用中間膜 - Google Patents

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    • B32B17/10577Surface roughness
    • B32B17/10587Surface roughness created by embossing

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  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面に多数の微細な凹凸が形成された合わせガラス用中間膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス板の間に、可塑化ポリビニルブチラール樹脂等の熱可塑性樹脂からなる中間膜が挟着されてなる合わせガラスは、自動車、航空機、建築物などの窓ガラスに広く使用されている。
【0003】
この種の合わせガラスは、通常、ガラス板の間に中間膜を挟み、この積層体をニップロールに通して扱くか(扱きロール法)或いはゴムバックに入れて減圧吸引し(減圧バッグ法)、ガラス板と中間膜との間に残留する空気を脱気しながら予備圧着し、次いでオートクレーブ内で加熱加圧して本圧着を行うことにより製造される。
【0004】
上記合わせガラスの中間膜には、接着性、耐候性、耐貫通性、透明性等の基本性能が良好であることのほかに、保管中に中間膜同士がブロッキング(密着)しないこと、ガラス板の間に中間膜を挟む際の取扱い作業性が良好であること、さらに空気の巻き込みを無くすために、予備圧着工程での脱気性が良好であること等が要求される。
【0005】
特に、予備圧着工程での脱気性は、合わせガラスの品質を左右する。脱気が不十分であると、得られる合わせガラスの透明性が悪くなったり、過酷な条件下で使用される場合に発泡(気泡)が生じることがある。
【0006】
このような要求を満たすために、通常、合わせガラス用中間膜には、その表面に多数の微細な凹凸(エンボス)が形成されている。多数の微細な凹凸の形態としては、多数の凸部とこれ等の凸部に対する多数の凹部とからなる各種の凹凸模様が提案されている。
【0007】
上記凹凸模様は、これ等の凸部(突起)の配列が規則的である場合と不規則である場合とがあり、また凸部(突起)の高さが揃っている場合と不揃いである場合とがあるが、いずれにしても、その凹凸模様は、全体としてほぼ均等に分散するように形成されている(例えば、特開昭60−204643号公報及び特公平1−32776号公報参照)。
【0008】
特に、特公平1−32776号公報には、多数の独立した突出部(凸部又は突起)を有し、且つ該突出部に対する凹部の全てを同一水準で連続せしめられた表面形状(凹凸模様)で、凹部が格子状に連通する突出部を配列してなる中間膜が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の合わせガラス用中間膜にあっては、予備圧着工程での脱気性がまだ十分でなく、特に面積が広い合わせガラスや曲率が大きい合わせガラスを製造する場合、合わせガラスの生産性を上げる場合、合わせガラスを高温で使用する場合などの過酷な条件下で使用される場合に発泡が生じることがある。
【0010】
例えば、合わせガラスの生産性を上げる場合、扱きロール法で予備圧着すると、扱きロールの速度が速くなるためエンボスの潰れが十分に行えなくなり、シール不良による発泡が生じやすくなる。また、減圧バッグ法で予備圧着すると、ゴムバックの温度が十分に下がらない状態で積層体をゴムバックに入れることがあり、脱気開始時にエンボスが早く潰れて脱気不良になり、発泡が生じることがある。
【0011】
したがって、扱きロール法及び減圧バッグ法のいずれを採用するかで、最適なエンボスの潰れ性及び脱気性を得るために、エンボスの凹凸を適正範囲に設定せねばならず、中間膜の製造が面倒で、それだけ作業能率が低下する。
【0012】
特に、上記提案の凹部が格子状に連通する突出部を配列してなる中間膜にあっては、凸部が規則的に配列され、凹部が同一水準で連続せしめられているので、凹部を空気が通りやすい構造となっているが、凹凸模様が中間膜の両面に規則的に配列されている場合は、両面の凹凸が互いに干渉してモアレ現象と称される干渉縞が出現する。
【0013】
このようなモアレ現象が出現すると、中間膜の裁断時や合わせ作業の際に、きらきらして目につく干渉縞の変化により、作業者の目を疲れさせ、そのため作業能率が低下する。なお、モアレ現象は、凹凸模様が中間膜の両面に規則的に配列されている場合だけでなく、片面に配列されている場合でも、このような中間膜を複数枚重ねて合わせ加工の作業を行う際も同様に発生する。
【0014】
さらに、特に、上記提案の凹部が格子状に連通する突出部を配列してなる中間膜にあっては、予備圧着の際に中間膜とガラス板とを重ねて積層体とすると、中間膜とガラス板との接触部分が極端に少なくなり、この積層体の移送中にガラス板がずれやすくなり、ずれの修正に手間がかかり、作業能率は低下する。
【0015】
本発明の目的は、保管中の耐ブロッキング性やガラス板の間に中間膜を挟む際の取扱い作業性が良いことはもとより、扱きロール法及び減圧バッグ法のいずれを採用する場合でも、予備圧着工程での脱気性に優れ、能率よく予備圧着が可能な合わせガラス用中間膜を提供することにある。
【0016】
また、本発明の他の目的は、保管中の耐ブロッキング性やガラス板の間に中間膜を挟む際の取扱い作業性が良いことはもとより、扱きロール法及び減圧バッグ法のいずれを採用する場合でも、予備圧着工程での脱気性に優れ、しかもガラス板のずれを防止し、さらにモアレ現象の出現を防止し、能率よく予備圧着が可能な合わせガラス用中間膜を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明では、少なくとも片面に多数の微細な凹凸が形成された合わせガラス用中間膜において、凹凸模様は、全体として粗な部分と密な部分とに分散して形成されており、粗な部分と密な部分とが全体にわたって規則的に分散されていることを特徴とする合わせガラス用中間膜が提供される。
【0019】
さらに、請求項記載の発明では、凹凸模様が凸条と凹溝とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の合わせガラス用中間膜が提供される。
【0020】
本発明において、中間膜を構成する樹脂としては、従来の合わせガラス用中間膜に用いられている熱可塑性樹脂が使用される。例えば、可塑化ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、エチレン−エチルアクリレート系樹脂、可塑化塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。これ等の熱可塑性樹脂は、接着性、耐候性、耐貫通性、透明性等の合わせガラスに要求される基本性能が優れている。
【0021】
その中でも、可塑化ポリビニルアセタール樹脂が好適であり、特に可塑化ポリビニルブチラール樹脂は、上記基本性能に優れており最適である。可塑化ポリビニルブチラール樹脂は、ポリビニルブチラール樹脂に可塑剤を含有させて得られる。
【0022】
ポリビニルブチラール樹脂に含有される可塑剤としては、例えば、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘプトエート、テトラエチレングリコールジカプリレート等が好適である。その中でも、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートを含有するポリビニルブチラール樹脂からなる中間膜は、低温柔軟性がよく、優れた予備圧着性が得られ、しかも作業環境や合わせ加工の際のトリムカット性に優れている。
【0023】
中間膜の膜厚は、合わせガラスとして必要な耐貫通性等を考慮して決められ、従来の中間膜と同程度で、特に0.2〜3mm(微細な凹凸を含む)とするのが好ましい。なお、これ等の中間膜には、紫外線吸収剤、酸化防止剤、接着力調整剤などの種々の公知の添加剤が含有されていてもよい。このような中間膜は、従来と同様に、溶融押出法やカレンダーロール法等により成形される。
【0024】
このような中間膜の少なくとも片面に多数の微細な凹凸(エンボス)が形成される。そして、上記凹凸模様は、これ等の凸部(突起)の配列が規則的であってもよく、不規則であってもよい。これ等の凸部(突起)は、例えば図1に例示するように点状に形成されていてもよく、例えば図3に例示するように条線状に形成されていてもよい。また、凸部(突起)の高さが揃っていてもよく、不揃いであってもよい。いずれの場合であっても、これ等の凹凸模様は、全体として粗な部分と密な部分とに分散して形成されている。
【0025】
このようなエンボスを形成するには、エンボスロール法が好適に採用される。この場合、中間膜の少なくとも片面が上記のような特定の凹凸模様(粗な部分と密な部分との両方)となっていればよく、その片面は従来の凹凸模様、すなわち全体としてほぼ均等(粗な部分のみ)に分散するように形成されていてもよい。特に、中間膜の両面が上記のような特定の凹凸模様となっているものが好ましい。
【0026】
微細な凹凸の形状は、特に限定されない。粗な部分、密な部分のいずれの凹凸においても、凸部(突起)が点状に形成される場合は、一般に、三角錐、四角錐、円錐等の錐体、截頭三角錐、截頭四角錐、截頭円錐等の截頭錐体、頭部が山型や半球状となった擬錐体からなる多数の凸部と、これ等の凸部に対する多数の凹部とから構成され、特に山型や半球状の擬錐体からなる多数の微細な凸部(突起)を有するものが好ましい。
【0027】
また、凸部(突起)が条線状に形成される場合は、一般に、その横断面が三角形状、台形状、半円状、山型状の多数の凸条と、これ等の凸条に対する多数の凹溝とから構成された微細な凹凸が好ましい。そして、凸部(突起)の条線は、直線状のみならず、折れ線状、蛇行状、木目状、ループ状等の曲線状であってもよい。また、連続的に形成されていてもよく、断続的に形成されていてもよい。
【0028】
また、これ等の微細な凹凸の寸法も、特に限定されない。粗な部分、密な部分のいずれの凹凸においても、一般に、凸部の間隔は、おおむね10〜2000μmの範囲、特に200〜1000μmの範囲のものが好ましい。また、凸部の高さは、おおむね5〜500μmの範囲、特に20〜100μmの範囲のものが好ましい。また、凸部の底辺長さ(底面が円の場合は直径)は、おおむね30〜900μmの範囲、特に100〜400μmのものが好ましい。
【0029】
また、粗な部分と密な部分との分散状態は、規則的であってもよく、また不規則であってもよい。特に、粗な部分と密な部分とが交互に分散されているような凹凸模様のもの、例えば図1に例示するように、縦縞模様状(実施例1)、市松模様状(実施例2)、海島模様状(実施例3)に分散して形成されているものが好ましい。また、例えば図3に例示するように、縦縞模様状(実施例4)や格子縞模様状(実施例5)に分散して形成されているものも好ましい。
【0030】
さらに、粗な部分、密な部分のいずれの凹凸においても、JIS B 0601で定義される十点平均粗さ(Rz )が20〜50μmのものが好ましい。また、粗な部分の凹凸の平均間隔が、密な部分の凹凸の平均間隔に対して1.5倍以上であるものが、本発明の効果を得る点で好適である。ここで、凹凸の平均間隔は、JIS B 0601で定義される凹凸の平均間隔(Sm )を意味するものである。
【0031】
上記十点平均粗さ(Rz )及び凹凸の平均間隔(Sm )を測定するには、まず、凹凸模様の粗な部分と密な部分とを目視により確認する。粗な部分と密な部分とでは膜表面の光沢に差があり、粗な部分は透明性が高く光沢が良く、密な部分は透明性が低く光沢が悪いので、これを目視により容易に確認することができる。つぎに、適当な表面粗さ測定器を用いて、凹凸模様の粗な部分と密な部分との十点平均粗さ(Rz )及び凹凸の平均間隔(Sm )を、それぞれ各別に測定する。
【0032】
表面粗さ測定器としては、例えば、ドイツ国のFeinpuf Perthen GmbH社製の表面粗さ計(商品名:Perthometer S3P)及びこのPerthometer S3P仕様の表面形状解析装置(商品名:SAS−2010、明伸工機社製)を用いる。この場合は、十点平均粗さ(Rz )及び凹凸の平均間隔(Sm )の値が、他の表面粗さの各種パラメーターとともに、自動的に図表でプリントアウトされるので非常に便利である。
【0033】
こうして、本発明の合わせガラス用中間膜が得られる。本発明の中間膜を用いて合わせガラスを製造するには、通常の合わせガラスの製法と同様に、予備圧着と本圧着とを行う。例えば、可塑化ポリビニルブチラール樹脂からなる中間膜を用いる場合は、具体的には、次のように予備圧着と本圧着とが行われる。
【0034】
すなわち、予備圧着は、二枚の透明なガラス板の間に中間膜を挟み、この積層体をニップロールに通し、例えば、圧力約2〜10kg/cm2 、温度約50〜100℃の条件で扱いて脱気しながら予備圧着する方法(扱きロール法)、或いは上記積層体をゴムバックに入れ、ゴムバッグを排気系に接続して約−400〜−750mmHgの真空(絶対圧力360〜10mmHg)に吸引減圧しながら温度を上げ、約60〜100℃で予備圧着する方法(減圧バッグ法)等が採用される。
【0035】
次いで、予備圧着された積層体は、常法によりオートクレーブを用いるか或いはプレスを用いて、約120〜150℃の温度、約2〜15kg/cm2 の圧力で本圧着される。こうして、合わせガラスが得られる。
【0036】
なお、上記ガラス板としては、無機ガラス板のみならず、ポリカーボネート板、ポリメチルメタクリレート板などの有機ガラス板も使用することができる。また、合わせガラスの積層構成は、ガラス板/中間膜/ガラス板の三層構成のみならず、例えば、ガラス板/中間膜/ガラス板/中間膜/ガラス板のような多層構成とすることができる。
【0037】
(作用)
本発明において、中間膜表面の脱気については、主に上記凹凸模様の粗な部分が受け持つ、すなわち、凹凸模様の粗な部分は空気の流れを阻害することなく容易に脱気を行うことができる。しかし、粗な部分は凹凸が少ないため、合わせ加工時にガラスの自重によるシール先行などの不具合が発生しやすくなる。
【0038】
そこで、上記凹凸模様に密な部分を分散させておくと、脱気しやすい粗な部分を補って、シール先行などの不具合が防止される。なお、密な部分は脱気性が劣っていても、すぐ近くに粗な部分が隣接して分散されているため、脱気距離が従来のものより短くなって脱気しやすくなり、たとえこの密な部分に空気が閉じ込められても、このような空気は中間膜中に溶解する量以下であり、過酷な条件下(ベークテスト)での使用による気泡発生などの問題は生じない。
【0039】
また、凹凸模様が、全体として粗な部分と密な部分とに分散して形成されていると、この粗密構成により両面の模様が干渉しにくくなり、モアレ現象と称される干渉縞が出現しにくくなる。また、この粗密構成の粗な部分により中間膜とガラス板との接触部分が適度に確保され、積層体の移送中にガラス板がずれにくくなる。
【0040】
特に、凹凸模様が凸条と凹溝とから構成されていると、各凹溝を同一水準に形成しなくても、凹溝を空気が通りやくなる。また、モアレ現象も確実に防止され、さらにガラス板のずれも確実に防止される。
【0041】
なお、中間膜同士のブロッキング(密着)は、保管中に重ねられる中間膜の枚数にもよるが、通常、中間膜は200〜1000枚の自重を考慮すればよく、そのような状態の荷重では、中間膜が上述の特定の凹凸模様(粗な部分と密な部分)を有するものであれば、耐ブロッキング性が良好であるとともに、保管中やガラス板に中間膜を挟む際の取扱い作業性が容易である。特に、凹凸模様の突起同士の接触面積が大きい場合は、耐ブロッキング性が低下するが、本発明においては密な部分が分散していることにより自着力が制御されるため、ブロッキングの問題は生じない。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例及び比較例を示す。
(実施例1〜3、比較例1、2)
<合わせガラス用中間膜の作製>
金属ロールの表面に、粗な部分形成用の彫刻ミル(マザーミル)を押し付け、金属ロールと彫刻ミルとを回転させることにより、彫刻ミルの凹凸模様を金属ロールに転写し、その後密な部分形成用の彫刻ミル(マザーミル)を凹凸模様の配列単位で金属ロールの軸方向に順にずらし、以後上記と同様な操作で、各彫刻ミルの凹凸模様を金属ロールに転写して、エンボスロール(ネガ型ロール)を作製した。
【0043】
なお、上記彫刻ミルは、凹凸模様の凸部が半球状で規則的に配列されたものであって、凹凸模様の異なるものを各種用意し、全体として粗な部分と密な部分とが分散して形成された3種類(実施例1〜3)のエンボスロール(ネガ型ロール)を作製した。また、全体として粗な部分のみが形成された2種類(比較例1、2)のエンボスロール(ネガ型ロール)を作製した。
【0044】
一方、ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度1700、残存アセチル基1モル%、ブチラール化度65モル%)100重量部に、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート40重量部と、接着力調整剤として酢酸マグネシウム0.2重量部とを混合し、この混合物を押出機により溶融混練し押出金型よりシート状に押出して、厚さ0.76mmの可塑化ポリビニルブチラールシートを成形した。
【0045】
上記各種エンボスロール及び可塑化ポリビニルブチラールシートを用いて、ロールエンボス法により可塑化ポリビニルブチラールシートの両面に、多数の微細な半球状の凹凸が形成された5種類(実施例3種類、比較例2種類)の合わせガラス用中間膜を作製した。
【0046】
ここで、実施例1〜3の凹凸模様は、図1に示すように、点状の凸部から構成され、全体として密な部分1と粗な部分2とが7mm間隔に分散して形成されている。実施例1は縦縞模様状で、実施例2は市松模様状で、実施例3は海島模様状である。また、比較例1、2の凹凸模様は、図2に示すように、点状の凸部から構成され、全体として粗な部分のみで形成されており、比較例1はランダムで不規則に形成され、比較例2は等間隔で規則的に形成されている。なお、図1及び図2において、黒点部分が凸部(突起)であり、その間の空白部分が凹部である。
【0047】
上記各実施例で得られた合わせガラス用中間膜について、下記の方法で粗な部分の凹凸及び密な部分の凹凸の十点平均粗さ(Rz )、凹凸の平均間隔(Sm )を測定した。また、各比較例で得られた合わせガラス用中間膜について、同様にして粗な部分の凹凸の十点平均粗さ(Rz )、凹凸の平均間隔(Sm )を測定した。さらに、これ等の中間膜を用いて合わせガラスを作製し、これ等の合わせガラスについて、下記の方法でベークテスト(促進試験)を行い、予備圧着工程での脱気性を評価した。その結果をまとめて表1に示す。
【0048】
(1)中間膜の十点平均粗さ(Rz )及び凹凸の平均間隔(Sm )の測定
ドイツ国のFeinpuf Perthen GmbH社製の表面粗さ計(商品名:Perthometer S3P)及びこのPerthometer S3P仕様の表面形状解析装置(商品名:SAS−2010、明伸工機社製)を用いて、JIS B 0601で規定される十点平均粗さ(Rz )を測定した。
【0049】
(2)ベークテスト(促進試験)
次の方法(扱きロール法及び真空バッグ法)により予備圧着を行い、その後本圧着を行って、合わせガラスを作製した。
【0050】
(a)扱きロール法
中間膜を二枚の透明なフロートガラス板(縦30cm×横30cm×厚さ3mm)の間に挟み、はみ出た部分を切り取り、こうして得られた積層体を加熱オーブン内で、積層体の温度(予備圧着温度)がそれぞれ60、70、80℃になるように加熱し、その後ニップロール(エアーシリンダー圧力5kg/cm2 、線速度10m/分)に通すことにより予備圧着を行った。
【0051】
(b)減圧バッグ法
中間膜を二枚の透明なフロートガラス板(縦30cm×横30cm×厚さ3mm)の間に挟み、はみ出た部分を切り取り、こうして得られた積層体をゴムバッグ内に移し、ゴムバッグを吸引減圧系に接続し、外気加熱温度で加熱すると同時に−600mmHg(絶対圧力160mmHg)の減圧下で10分間保持し、積層体の温度(予備圧着温度)がそれぞれ70、80、100℃になるように加熱し、その後、大気圧に戻して予備圧着を終了した。
【0052】
こうして得られた積層体を、オートクレーブ内で、温度135℃、圧力12kg/cm2 の条件下に20分間保持した後、50℃まで温度を下げ大気圧に戻すことにより本圧着を終了して、合わせガラスを作製した。
【0053】
この合わせガラスを、過酷な条件を想定して、145℃のオーブンで2時間加熱し、オーブンから取り出して3時間冷却し、合わせガラスに発泡(気泡)が生じた枚数を調べて脱気性を評価した。試験枚数は100枚とし、各予備圧着温度において発泡が生じた枚数(発泡枚数/100枚中)を示した。
【0054】
【表1】
Figure 0003898378
【0055】
(実施例4、5、比較例3)
図3及び図4に示すように、可塑化ポリビニルブチラールシートの両面に、横断面が台形状の凸条と凹溝とからなる凹凸模様が形成された3種類(実施例2種類、比較例1種類)の合わせガラス用中間膜を作製した。
【0056】
ここで、実施例4の凹凸模様は、図3に示すように、全体として密な部分1と粗な部分2とが縦縞模様状に分散して形成されている。実施例5の凹凸模様は、図3に示すように、全体として密な部分1と粗な部分2とが格子縞模様状に分散して形成されている。また、比較例3の凹凸模様は、図4に示すように、全体として粗な部分のみで縦縞模様状に規則的に形成されている。なお、図3及び図4において、黒条線部分が凸条であり、その間の空白部分が凹溝である。
【0057】
上記各実施例で得られた合わせガラス用中間膜について、前記と同様な方法で、粗な部分の凹凸及び密な部分の凹凸の十点平均粗さ(Rz )、凹凸の平均間隔(Sm )を測定した。また、比較例で得られた合わせガラス用中間膜について、同様にして粗な部分の凹凸の十点平均粗さ(Rz )、凹凸の平均間隔(Sm )を測定した。さらに、これ等の中間膜を用いて合わせガラスを作製し、これ等の合わせガラスについて、ベークテスト(促進試験)を行い、予備圧着工程での脱気性を評価した。
【0058】
さらに、各実施例及び比較例で得られた合わせガラス用中間膜について、中間膜の裁断時や合わせ作業の際のモアレ現象の有無及び中間膜とガラス板との積層体の移送中でのガラス板のずれの有無を目視により評価した。これ等の結果をまとめて表2に示す。
【0059】
【表2】
Figure 0003898378
【0060】
【発明の効果】
上述の通り、本発明によれば、保管中の耐ブロッキング性やガラス板の間に中間膜を挟む際の取扱い作業性が良好であることはもとより、扱きロール法及び減圧バッグ法のいずれを採用する場合でも、予備圧着工程での脱気性に優れ、能率よく予備圧着が可能な合わせガラス用中間膜が得られる。
【0061】
また、本発明によれば、保管中の耐ブロッキング性やガラス板の間に中間膜を挟む際の取扱い作業性が良いことはもとより、扱きロール法及び減圧バッグ法のいずれを採用する場合でも、予備圧着工程での脱気性に優れ、しかもガラス板のずれを防止し、さらにモアレ現象の出現を防止し、能率よく予備圧着が可能な合わせガラス用中間膜が得られる。
【0062】
したがって、本発明の中間膜を用いて合わせガラスを製造すると、特に面積が広い合わせガラスや曲率が大きい合わせガラスを製造する場合や合わせガラスの生産性を上げる場合であっても、脱気が十分に行われ、中間膜の層がガラス板の面に沿って良好に平滑化され、特に透明性が優れ、過酷な条件で使用される場合でも発泡が生じることがなく、ガラス板と中間膜との接着性が良好で透明性に優れ、品質の良好な合わせガラスを能率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1、2及び3で得られた中間膜の表面の凹凸模様を示す平面図である。
【図2】比較例1及び2で得られた中間膜の表面の凹凸模様を示す平面図である。
【図3】本発明の実施例4及び5で得られた中間膜の表面の凹凸模様を示す平面図である。
【図4】比較例3で得られた中間膜の表面の凹凸模様を示す平面図である。
【符号の説明】
1 密な部分
2 粗な部分

Claims (2)

  1. 少なくとも片面に多数の微細な凹凸が形成された合わせガラス用中間膜において、凹凸模様は、全体として粗な部分と密な部分とに分散して形成されており、粗な部分と密な部分とが全体にわたって規則的に分散されていることを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  2. 凹凸模様が凸条と凹溝とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の合わせガラス用中間膜。
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