JPH11352684A - 感光性樹脂組成物及び印刷用原版 - Google Patents

感光性樹脂組成物及び印刷用原版

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Publication number
JPH11352684A
JPH11352684A JP15570498A JP15570498A JPH11352684A JP H11352684 A JPH11352684 A JP H11352684A JP 15570498 A JP15570498 A JP 15570498A JP 15570498 A JP15570498 A JP 15570498A JP H11352684 A JPH11352684 A JP H11352684A
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JP
Japan
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photosensitive resin
resin composition
bond
polymer
printing plate
Prior art date
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Pending
Application number
JP15570498A
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English (en)
Inventor
Keizo Kawahara
恵造 河原
Yasunari Hotta
泰業 堀田
Satoshi Imahashi
聡 今橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP15570498A priority Critical patent/JPH11352684A/ja
Publication of JPH11352684A publication Critical patent/JPH11352684A/ja
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光性樹脂組成物の形態安定性を改良し、架
橋反応前に時間の経過と共に当初の形状から流れて変形
してゆく、いわゆるコールドフローを低減させ、感光性
樹脂組成物を含有する印刷用原版の取り扱い作業性及び
保存安定性を向上させ、特に、フレキソ印刷版として感
度、解像度、弾性を向上させた印刷用原版を提供するこ
と。 【解決手段】 共役ジエン鎖を有するオリゴマー及び/
又はポリマーを含有する感光性樹脂組成物中に、分子量
が1000以下の、ウレタン結合、ウレア結合及びアミ
ド結合から選ばれた少なくとも1つ以上の結合を有する
化合物を含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共役ジエン鎖を有
するオリゴマー及び/又はポリマーを含有する感光性樹
脂組成物に関し、特に、フレキソ印刷用感光性樹脂組成
物として有用な感光性樹脂組成物及びそれを用いた印刷
用原版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フレキソ印刷用の感光性樹脂組成
物としては、ゴム弾性を発現するために、その構成材料
として共役ジエン鎖を有するオリゴマー又は/及びポリ
マーを有するものが知られている。また、これらのもの
で、毒性、引火性、人体及び環境安全のために水系現像
液で現像可能のものが提案されている。
【0003】このような感光性樹脂組成物として、例え
ば特開昭52−134655号公報、特開昭53−10
648号公報、特開昭61−22339号公報、特開昭
60−211451号公報、特開昭60−173055
号公報、特開平2−175702号公報、特開平3−2
28060号公報、特開平4−293907号公報、特
開平4−293909号公報、特開平4−294353
号公報、特開平4−340968号公報、特開平5−3
2743号公報、特開平5−150451号公報、特開
平5−204139号公報等に記載されているものがあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の感光
性樹脂組成物は、露光により光反応をおこなう前は主成
分が架橋したポリマーで構成されていないため、感光性
樹脂組成物の粘度が小さく軟らかいため感光性樹脂組成
物が経時と共に流れて変形する、いわゆるコールドフロ
ーが発生したり、また、露光前の取り扱い作業時に印刷
用原版が変形したりするという問題点があった。
【0005】さらに、前記した感光性樹脂組成物の主成
分である共役ジエン鎖を有するオリゴマー又はポリマー
は、日本ゴム協会誌,32(1959)P175、Rubb
er Chem.Technol.,28(1955)P746、Rubber
Chem.Technol.,41(1968)P182、Ind.Eng.Ch
em.Prod.Res.Develop.,(1963)P273、日本
ゴム協会誌,40(1967)P881等に記載されて
いる通り、酸素や過酸化物、オゾン、ラジカル成分等に
より劣化することが知られている。このため、共役ジエ
ン鎖を有するオリゴマー及び/又はポリマーを含有する
感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物製造時に加えら
れる熱、光による劣化、感光性樹脂組成物及び感光性樹
脂印刷用原版の保存中における前記要因による劣化をお
こしやすく、感光性樹脂組成物及び印刷用原版としてク
ラックの発生、ゴム弾性の低下、強度低下により十分な
品質を維持することができない等の問題が生じる。
【0006】本発明は、上記従来の共役ジエン鎖を有す
るオリゴマー及び/又はポリマーを含有する感光性樹脂
組成物の有する問題点を解決し、感光性樹脂組成物の形
態安定性を改良し、架橋反応前に時間の経過と共に当初
の形状から流れて変形してゆく、いわゆるコールドフロ
ーを低減させ、感光性樹脂組成物を含有する印刷用原版
の取り扱い作業性及び保存安定性を向上させ、特に、フ
レキソ印刷版として感度、解像度、弾性を向上させた印
刷用原版を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の感光性樹脂組成物は、共役ジエン鎖を有す
るオリゴマー及び/又はポリマーを含有する感光性樹脂
組成物中に、分子量が1000以下の、ウレタン結合、
ウレア結合及びアミド結合から選ばれた少なくとも1つ
以上の結合を有する化合物を含有することを特徴とす
る。
【0008】上記の構成からなる感光性樹脂組成物は、
形態安定性に優れ、光照射による架橋反応前に時間の経
過と共に当初の形状から流れて変形してゆく、いわゆる
コールドフローを防止することができる。
【0009】また、本発明の印刷用原版は、上記の感光
性樹脂組成物からなる感光層を支持体に積層してなるこ
とを特徴とする。
【0010】上記の構成からなる印刷用原版は、その取
り扱い作業性及び保存時の形状安定性が優れており、特
に、フレキソ印刷用原版としたときに感度、解像度、弾
性が優れている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の感光性樹脂組成物
及び印刷用原版の実施の形態を説明する。
【0012】本発明の感光性樹脂組成物は、共役ジエン
鎖を有するオリゴマー及び/又はポリマーを含有する感
光性樹脂組成物中に、分子量が1000以下の、ウレタ
ン結合、ウレア結合及びアミド結合から選ばれた少なく
とも1つ以上の結合を有する化合物を含有する。
【0013】この場合、共役ジエン鎖を有するオリゴマ
ー及び/又はポリマーは、感光性樹脂組成物の構成成分
として含有される疎水性ポリマー、親水性ポリマー又は
光重合性エチレン系不飽和化合物の形で含有されてもよ
く、ゴム弾性を有する感光性樹脂印刷板として有用なも
のである。
【0014】上記において、本発明で用いる、共役ジエ
ン鎖を有するオリゴマー及び/又はポリマーとは、分子
量が500以上の共役ジエン鎖を有するオリゴマー及び
/又はポリマーであるのが通常であるが、共役ジエン系
炭化水素を主成分とするモノマーを重合させて得られた
重合体又は共役ジエン系炭化水素とモノオレフィン系不
飽和化合物を主成分とするモノマーを重合させて得られ
た重合体であることができる。そして、重合体がランダ
ム共重合体又はブロック共重合体である場合、共役ジエ
ン鎖はオリゴマー、ポリマーの一部分として主鎖に共重
合していても側鎖に共重合していてもよいものである。
また、その含有量は、親水性ポリマー、疎水性ポリマー
又は光重合性エチレン系不飽和化合物として用いられる
ものを含めて感光性樹脂組成物中の固形分重量として1
0〜70重量%であることが好ましい。
【0015】上記の共役ジエン系炭化水素としては、具
体的には、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、
クロロプレン等が挙げられる。これらの化合物は単独、
あるいは二種類以上組み合わせて用いられる。
【0016】上記の、モノオレフィン系不飽和化合物と
しては、具体的には、例えば、スチレン、α−メチルス
チレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタアクリロニ
トリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミ
ド、メタアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリル酸エス
テル、メタアクリル酸エステル等が挙げられる。
【0017】また、共役ジエン系炭化水素を主成分とす
るモノマーを重合させて得られた重合体又は共役ジエン
系炭化水素とモノオレフィン系不飽和化合物を主成分と
するモノマーとを重合させて得られた重合体としては、
具体的には、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、ク
ロロプレン重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ス
チレン−イソプレン共重合体、スチレン−クロロプレン
共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ア
クリロニトリル−イソプレン共重合体、アクリロニトリ
ル−クロロプレン共重合体、アクリル酸エステル−ブタ
ジエン共重合体、メタアクリル酸エステル−ブタジエン
共重合体、アクリル酸エステル−イソプレン共重合体、
メタアクリル酸エステル−イソプレン共重合体、アクリ
ル酸エステル−クロロプレン共重合体、メタアクリル酸
エステル−クロロプレン共重合体、アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−イ
ソプレン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−クロ
ロプレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−
スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−ス
チレンブロック共重合体等が挙げられる。
【0018】本発明で用いる、分子量が1000以下で
あり、ウレタン結合、ウレア結合及びアミド結合から選
ばれた少なくとも1つ以上の結合を有する化合物の典型
的な構造は、下記式1〜3で示すことができるがこれに
限定されるものではない。
【0019】
【式1】
【0020】
【式2】
【0021】
【式3】
【0022】式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6はそ
れぞれ同一又は異なる基であって、水素又は有機基を示
す。有機基としては、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水
素基、芳香族炭化水素基、不飽和炭化水素基、炭素、水
素と酸素を含有する基、炭素、水素と硫黄を含有する基
などを例示することができる。また、Xは酸素又は硫黄
より選ばれた原子を示す。
【0023】このような化合物の具体的例として、尿
素、ジメチル尿素、ジエチル尿素、ジプロピル尿素等の
ジアルキル尿素、ジフェニル尿素、パラバン酸(オキサ
リル尿素)、エチリデン尿素、アリル尿素、タルトロニ
ル尿素、チオ尿素、アリルチオ尿素、sym−ジフェニ
ルチオ尿素等尿素誘導体、ジメチルウレタン、ジエチル
ウレタン、ジプロピルウレタン、ジフェニルウレタン等
のウレタン誘導体、アシルアミド、アクリルアミド、ア
セチルアミド等のアミド誘導体等を挙げることができる
がこれに限定されるものではない。
【0024】本発明において、分子量1000以下であ
り、ウレタン結合、ウレア結合及びアミド結合から選ば
れた少なくとも1つ以上有する化合物の含有量は、感光
性樹脂組成物中の固形分重量として0.001〜5重量
%含有することが好ましい。
【0025】本発明における感光性樹脂組成物は、ウレ
タン結合、ウレア結合及びアミド結合から選ばれた少な
くとも1つの結合を有する化合物を含有するため、これ
らの化合物が形成する水素結合により擬似架橋すなわち
擬似三次元化構造を形成し、光重合前の感光性樹脂組成
物に対して補強剤的な機能を発現する。
【0026】この結果、感光性樹脂組成物は、光重合前
の取り扱い作業性が良好かつ、保管中の樹脂の塑性変
性、いわゆるコールドフローの発生をおさえることがで
きる。
【0027】本発明において、ウレタン結合、ウレア結
合及びアミド結合から選ばれた少なくとも1つの結合を
有する分子量が1000以下である化合物は、その含有
量が前記範囲内であれば、共役ジエン鎖を有するオリゴ
マー及び/又はポリマーと相溶し、感光波長域の光の透
過性を損なうことがなく、かつ高感光度を維持し、かつ
作業性及び保存性が良好に維持される。
【0028】本発明において用いる、ウレタン結合、ウ
レア結合及びアミド結合から選ばれた少なくとも1つ以
上の結合を有する化合物は、単独で用いることも2種以
上組み合わせてもよく、2種以上組み合わせて用いる場
合、その配合比は任意である。
【0029】本発明の感光性樹脂組成物には、光重合性
エチレン系不飽和化合物が含有される。光重合性エチレ
ン系不飽和化合物としては、共役ジエン鎖を有するエチ
レン性不飽和化合物及び共役ジエン鎖を含有しないエチ
レン性不飽和化合物を挙げることができる。光重合性エ
チレン系不飽和化合物は、感光性樹脂組成物の固形分重
量に基づき1〜60重量%程度、好ましくは2〜50重
量%程度であるのが一般的である。以下各々について説
明する。
【0030】本発明において用いる、共役ジエン鎖を有
する光重合性エチレン系不飽和化合物としては、共役ジ
エン鎖を主鎖及び/又は側鎖に有するポリオール類の不
飽和エステルが挙げられる。このようなものとしては、
例えばポリブタジエンポリオール(ジ)(メタ)(ウレ
タン)アクリレート、ポリアクリロニトリルブタジエン
ポリオール(ジ)(メタ)(ウレタン)アクリレート、
ポリイソプレンポリオール(ジ)(メタ)(ウレタン)
アクリレート、ポリスチレンブタジエンポリオール
(ジ)(メタ)(ウレタン)アクリレート等のポリ共役
ジエン系ポリオール(ジ)(メタ)(ウレタン)アクリ
レート等が挙げられる。これらには共役ジエン鎖の一部
を還元したものや上記ポリオールのマレイン酸エステル
等も含まれるがこれに限定されない。これらの化合物は
単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることができ
る。
【0031】本発明において用いる、共役ジエン鎖を含
有しない光重合性エチレン系不飽和化合物としては、主
鎖にも側鎖にも共役ジエン鎖を有しない構造の、アルコ
ールに不飽和エステルを導入したものが挙げられる。こ
のようなものとして、セチルアルコール、ステアリルア
ルコール等の脂肪族アルコールの不飽和エステル等が挙
げられる。その他、ポリオール類の不飽和エステルが挙
げられる。例えば、エチレングリコール(ジ)(メタ)
アクリレート、ジエチレングリコール(ジ)(メタ)ア
クリレート、グリセロール(ジ)(メタ)アクリレー
ト、1,3−プロパンジオール(ジ)(メタ)アクリレ
ート、1,4−ブタンジオール(ジ)(メタ)アクリレ
ート、1,2,4−ブタントリオール(ジ)(メタ)ア
クリレート、1,2,4−ブタントリオール(トリ)
(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオー
ル(ジ)(メタ)アクリレート、1,6−シクロヘキサ
ンジオール(ジ)(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパン(ジ)(メタ)アクリレート、ジアリルフタ
レート、トリメチロールプロパン(トリ)(メタ)アク
リレート、ジアリルフタレート、フマル酸ジエチル、マ
レイン酸ジブチル、1,9−ノナンジオール(ジ)(メ
タ)アクリレート、N置換マレアミド化合物(例えば、
N−メチルマレアミド、N−エチルマレアミド、N−ラ
ウリルマレアミド等)、さらには、ポリエチレングリコ
ール(ジ)(メタ)(ウレタン)アクリレート、ポリプ
ロピレングリコール(ジ)(メタ)(ウレタン)アクリ
レート、ポリテトラメチレングリコール(ジ)(メタ)
(ウレタン)アクリレート等のポリエーテルポリオール
(ジ)(メタ)(ウレタン)アクリレート;ポリエチレ
ングリコール等のポリオールとテレフタル酸、アジピン
酸等のポリカルボン酸を縮合反応して得られるポリエス
テルポリオールに、不飽和エステルを導入したポリエス
テルポリオール(ジ)(メタ)(ウレタン)アクリレー
ト、ポリエチレンポリオール(ジ)(メタ)(ウレタ
ン)アクリレート、ポリプロピレンポリオール(ジ)
(メタ)(ウレタン)アクリレート、ポリエチレンプロ
ピレンポリオール(ジ)(メタ)(ウレタン)アクリレ
ート等のポリオレフィンポリオール(ジ)(メタ)(ウ
レタン)アクリレート;上記の高分子量ポリオールのマ
レイン酸エステル等が挙げられるが、これに限定されな
い。これらの化合物は、単独あるいは2種類以上組み合
わせて用いることができる。
【0032】上記した、ポリオールに不飽和エステルを
導入する方法は、ポリオールと不飽和カルボン酸の脱水
化反応による直接エステル化反応、ポリオールと不飽和
カルボン酸エステルとの脱アルコール反応によるエステ
ル交換反応等の通常のエステル化方法が挙げられる。こ
れらの反応のうち、ポリオールと不飽和カルボン酸の脱
水化反応による直接エステル化反応では、予め、ポリオ
ール同士の脱水化反応による生成する多量体化したポリ
オールと不飽和カルボン酸との脱水化反応によりエチレ
ン性不飽和化合物を得る方法も含まれる。
【0033】本発明において用いる光重合開始剤として
は、ベンゾフェノン類、ベンゾイン類、アセトフェノン
類、ベンジル類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベン
ジルアルキルケタール類、アントラキノン類、チオキサ
ントン類等が挙げられ、具体的には、ベンゾフェノン、
クロロベンゾフェノン、ベンゾイン、アセトフェノン、
ベンジルベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチル
エーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイ
ンイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベ
ンジルジエチルケタール、ベンジルジイソプロピルケタ
ール、アントラキノン、2−クロロアントラキノン、2
−エチルアントラキノン、チオキサントン、2−クロロ
チオキサントン、メチルナフトキノン等が例示され、中
でも、ベンジルジメチルケタール、メチルナフトキノ
ン、および2−エチルアントラキノンが好ましい。
【0034】このような光重合開始剤は、感光性樹脂組
成物の固形分重量に基づき、好ましくは0.01〜10
重量%、より好ましくは、0.1〜5重量%の割合で配
合される。0.01重量%を下回ると光重合開始能が不
十分となる傾向があり、10重量%を超えると自らの遮
光により感光性樹脂層内部が硬化しなくなり、現像によ
り画像が欠けやすくなる傾向がある。
【0035】本発明の感光性樹脂組成物は、支持体上に
感光層として積層して得た印刷用原版とし、画像を有す
るネガフィルムと光反応及び現像液又は剥離による現像
工程を通して、光反応前後の現像液に対する溶解性の差
又は粘度変化を利用して画像を得ることができる。
【0036】現像液として用いられるものは、通常用い
られる有機溶剤例えばヘキサン、ヘプタン、オレンジオ
イル、オリーブオイル、ガソリン、ケロシン、トルエ
ン、キシレンをはじめとする炭化水素系溶剤、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、エチルエーテルをはじめとす
るエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル等をはじ
めとするエステル系溶剤、メチルエチルケトン、メチル
ブチルケトン、アセトンをはじめとするケトン系有機溶
剤、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブをはじめとす
るセロソルブ系有機溶剤、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、プロパノール、ブタノールをはじめと
するアルコール系有機溶剤、トリクロロエタン、トリク
ロロエチレン、クロロホルムをはじめとするハロゲン系
有機溶剤等を挙げることができる。
【0037】また、作業環境に対する安定性、人体健康
保護、及び地球環境保護の観点などから、現像液として
入手し易い水系の現像液を用いることもできる。
【0038】水系の現像液で現像をおこなう場合、本発
明の感光性樹脂組成物の組成として、親水性ポリマーを
選定することができる。
【0039】本発明において用いる親水性ポリマーは、
水又は水を主成分として含有する現像液に可溶ないしは
膨潤性を有するポリマーである。このような親水性ポリ
マーとしては、例えば、−COOM基、−SO3M基、
−CONH2基、−NH2基、−OH基、−PO3M基等
の親水性基を有するポリマーが挙げられ、架橋ポリマー
および架橋していない鎖状のポリマーも含有される。
【0040】前記のMは、水素イオン、1価の金属イオ
ン(例えば、Li+、Na+、K+等)、2価の金属イオ
ン(例えば、Ca2+、Mg2+等)、3価の金属イオン
(例えば、Al3+等)または置換または無置換のアンモ
ニウムイオンのいずれかをいう。
【0041】具体的には、ポリビニルアルコール(PV
A)、カルボキシメチルセルロース等の汎用樹脂、(メ
タ)アクリル酸とジエン化合物とを共重合させたジエン
系ゴム、無水マレイン酸で変性した液状ポリブタジエ
ン、液状ポリアクリロニトリル、ブタジエンとリン酸基
を有するビニル系モノマーを反応させて得られるジエン
系ゴム、あるいはブタジエンとリン酸基を有するビニル
化合物とその他ビニル化合物を反応させて得られるジエ
ン系ゴムが挙げられ、前記した親水性基を50〜500
00当量/106g有する親水性ポリマーを用いること
が好ましい。これらの基が50当量/106g未満で
は、水に対する親和性が劣り、中性水で現像することが
困難となる場合があり、逆に50000当量/106
を超えると耐インキ性が劣る場合がある。
【0042】−COOM基を有する代表的なポリマーと
しては、−COOM基を有するポリウレタン、−COO
M基を有するポリウレアウレタン、−COOM基を有す
るポリエステル、−COOM基を有するエポキシ化合
物、−COOM基を有するポリアミド酸、−COOM基
を有するアクリロニトリル−ブタジエンコポリマー、−
COOM基を有するスチレン−ブタジエンコポリマー、
−COOM基を有するポリブタジエン、−COOM基を
有するポリイソプレン、−COOM基を有するポリクロ
ロプレン、−COOM基を有するポリオレフィン、ポリ
アクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、ポリビニ
ルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロース
(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、
およびこれらの誘導体等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。
【0043】上記の−COOM基は酸または塩の形態と
なる。−COOM基が塩の形態となったポリマーは、−
COOH基を有するポリマーを中和することにより得ら
れる。中和の際に使用される化合物としては、水酸化リ
チウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカ
リ金属の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸
ナトリウムなどの炭酸アルカリ金属塩;カリウム−t−
ブトキシド、ナトリウムメトキシドなどのアルカリ金属
のアルコキシド;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウムなどの多価金属の水酸化物;ア
ルミニウムイソプロポキシドなどの多価金属アルコキシ
ド;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミンなど
の第3級アミン;ジエチルアミン、ジn−プロピルアミ
ンなどの第2級アミン;モルホリンなどの環状アミン;
N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートな
どのアミノ基含有(メタ)アクリレート;炭酸アンモニ
ウム塩などのアンモニウム塩;酢酸マグネシウム、酢酸
カルシウム、酢酸アルミニウムなどの酢酸金属塩などが
挙げられる。これらは、単独で、あるいは2種以上組み
合わせて使用することができる。
【0044】上記の親水性ポリマーは、親水性基とし
て、さらにポリオキシアルキレン部分を有してもよく、
また架橋剤として作用するようにエチレン性不飽和基を
分子末端または分子内側鎖に有してもよい。
【0045】親水性ポリマーは、疎水性ポリマー100
重量部に対し、好ましくは3〜100重量部、より好ま
しくは10〜70重量部の割合で配合される。この配合
量が3重量部未満の場合、得られる感光性樹脂組成物か
ら作成される感光性樹脂印刷版の水現像性が不充分とな
る場合があり、逆に100重量部を超える場合、感光性
樹脂印刷版に耐水性が不充分となる場合があり、好まし
くない。
【0046】上記した親水性ポリマーを含有する感光性
樹脂組成物を現像する水系の現像液としては、純水、水
道水以外に界面活性剤を添加することもできる。
【0047】上記の界面活性剤としては、アニオン系界
面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン性界面活性
剤、両性界面活性剤等を幅広く使用することができる。
界面活性剤の添加量は、現像液中、0.01〜10重量
%が好ましい。また、最適な現像を行えるように上記の
界面活性剤を複数組み合わせて使用してもよい。
【0048】現像液は、作業者の安全性、環境への配慮
から水系の現像液が好ましく、必要に応じてエタノー
ル、イソプロパノール、セロソルブ、グリセリン、ポリ
エチレングリコール、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、アセトン等の水と混合し得る有機溶媒を
混合してもよい。
【0049】また、現像液には、炭酸ソーダ、トリポリ
リン酸ソーダ、ピロリン酸カリウム、ケイ酸ソーダ、硫
酸ソーダ、ホウ酸ソーダ、酢酸ソーダ、酢酸マグネシウ
ム、クエン酸ソーダ、コハク酸ソーダ等の中性、酸性ま
たはアルカリ性の無機または有機の塩類;カルボキシメ
チルセルロース、メチルセルロース等の高分子系添加
剤;pH調整のための硫酸、塩酸、リン酸等の酸、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の
アルカリ;その他、粘度調整剤、分散安定剤、凝集剤、
ゼオライド等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよ
い。
【0050】なお、現像は感光性樹脂印刷用原版を現像
液に浸漬し、必要ならばブラシで感光性樹脂層を擦り、
未硬化部分を除去して行う。現像時の温度は、特に限定
するものではないが、20〜50℃が好ましい。
【0051】本発明において用いる疎水性ポリマーとし
ては、汎用エラストマーとして使用される疎水性ポリマ
ーが挙げられ、具体的には非共役ジエン系エラストマー
又は共役ジエン系エラストマーが挙げられる。
【0052】また、本発明の感光性樹脂組成物は、高弾
性、高解像度、高感度の性能を発現するために、エチレ
ン性不飽和基を含有しないエラストマーを含有すること
ができる。
【0053】非共役ジエン系エラストマーとしては、塩
素原子を有するポリオレフィン系エラストマー、および
塩素原子を有しないポリオレフィン系エラストマーが挙
げられ、これらのいずれも好適に使用される。塩素原子
を有するポリオレフィン系エラストマーとしては、ポリ
オレフィン系エラストマーを塩素化することにより得ら
れるエラストマー;塩素原子を有する単量体の重合によ
り得られるエラストマー;塩素原子を含有する単量体と
塩素原子を有しない単量体との共重合により得られるエ
ラストマー;あるいは塩素又は塩素原子を有する活性物
質と塩素原子を有しない重合体との反応により得られる
エラストマー等が挙げられる。このような塩素原子を有
するポリオレフィン系エラストマーの具体例としては、
例えば、塩素化ポリエチレン(昭和電工社製エラスレ
ン、ダイソー社製ダイソラック、ヘキスト社製HOLT
ALIZ、ダウケミカル社製DOW−CPE)、塩素化
エチレン−プロピレンゴム(昭和電工社製エラスレ
ン)、塩化ブチルゴム、塩素化ポリプロピレン、塩化ビ
ニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、エピクロロヒドリ
ンゴム、エピクロロヒドリンとエチレンオキシドとの共
重合体、エピクロロヒドリンとプロピレンオキシドとの
共重合体、エピクロロヒドリンとアリルグリシジルエー
テルとの共重合体(ダイソー社製エピクロマー、グッド
リッチ社製HYDRIN、日本ゼオン社製ゼオスパン、
Hercules社製HERCLOR)等が例示され、
中でも塩素化ポリエチレン、塩素化エチレンプロピレン
ゴムが好ましい。これらのポリマーは、単独であるいは
2種以上を組み合わせて使用される。
【0054】上記の塩素原子を有するポリオレフィン系
エラストマーの塩素含有率は、好ましくは5〜60重量
%、より好ましくは10〜50重量%であり、塩素含有
率がこの範囲を外れるとその柔軟性が損なわれたり熱安
定性が悪くなり、感光性樹脂組成物が硬くなったり着色
が生じやすくなる場合がある。
【0055】塩素原子を有しないポリオレフィン系エラ
ストマーとしては、エチレン−プロピレンゴム、イソブ
チレンゴム、エチレン−プロピレン−ブタジエン三元共
重合体、アクリルゴム、エチレン−アクリルゴム、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、ブチルゴム、ヨウ化ブチル
ゴム、水素還元型スチレン−イソプレンゴム等が挙げら
れる。これらのポリマーの粘度は、後述するようなエチ
レン性不飽和化合物との相分離の点を考慮すると、例え
ば、エチレン−プロピレンゴムのムーニー粘度はML
1+4(100℃)として20〜150であることが好ま
しい。
【0056】本発明では、組成として前記したもの以外
に可塑剤を配合することができる。本発明に使用される
可塑剤としては、例えば、液状ポリブタジエンゴム、液
状ポリアクリロニトリルブタジエンゴム、液状ポリスチ
レンブタジエンゴム、液状イソプレンゴム等の液状ゴム
等、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレートを初
めとする脂肪族炭化水素のフタル酸エステル、トリメリ
ット酸トリオクチルを初めとするトリメリット酸エステ
ル、アジピン酸−2−エチルヘキシルをはじめとするア
ジピン酸エステル等の可塑剤、分子量が400〜300
0付近のアジピン酸系ポリエステルまたはポリエーテル
等の可塑剤等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以
上併用することができる。
【0057】本発明の感光性樹脂組成物は、少なくと
も、共役ジエン鎖を有するオリゴマー又は/及びポリマ
ーとエチレン性不飽和化合物を含有するため、製造時及
び保管時における熱重合や酸化劣化、オゾン劣化等の副
反応を、光重合を抑制することなく防止しなくてはなら
ない。
【0058】このために、熱重合禁止剤や酸化防止剤と
して一般に用いられているハイドロキノン、ハイドロキ
ノンモノメチルエーテル、カテコール、p−t−ブチル
カテコール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール
等が挙げられ、中でもハドロキノンモノメチルエーテ
ル、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを添加す
ることが好ましい。
【0059】この他の酸化劣化やオゾン劣化と光重合性
エチレン系不飽和化合物の熱重合を同時に抑制する化合
物として、フェノール構造を有する化合物とリン、イオ
ウ、窒素、ホウ素を少なくとも1つ含有する化合物の組
み合わせや少なくとも分子内にフェノール構造を有し、
かつフェノール構造に結合した部位にリン、イオウ、窒
素、ホウ素を少なくとも1つ含有する化合物を添加する
化合物を挙げることができる。
【0060】このようなフェノール構造を有する化合物
としては、フェノール骨格を有する化合物すべてが含ま
れ、代表的な化合物としては、フェノール、o−クレゾ
ール、2,6−キシリノール、2,4,6−トリメチル
フェノール、β−ナフトール、o−t−ブチルフェノー
ル、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−
t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレ
ンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、ハイドロキノン、カテコール、p−t−ブチ
ルカテコール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル等炭素、酸素、水素、元素から構成される非ヘテロ化
合物や2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4
−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−
1,3,5−トリアジン等の窒素や硫黄を含有するヘテ
ロ化合物やその他リン、ホウ素等の元素が結合されたヘ
テロ化合物等を挙げることができる。
【0061】前記した、リン、イオウ、窒素、ホウ素を
少なくとも1つ含有する化合物としては、トリフェニル
フォスフィン、トリフェニルフォスファイト、トリスノ
ニルフェニルフォスファイト、トリラウリルトリチオフ
ォスファイト、トリメチルフォスフェイト、ヘキサメチ
ルフォスフォアミド、トリフェニルボラート、2,6−
ジ−t−ブチル−4−メチルフェニルジブチルボラー
ト、ジブチルジチオカルバメート亜鉛錯体、ジステアリ
ルジブチルジオカルバメート、2−メルカプトベンジイ
ミドゾール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6
−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリ
ノ)−1,3,5−トリアジン等を挙げることができ
る。
【0062】前記した、少なくとも分子内にフェノール
構造を有し、かつフェノール構造に結合した部位にリ
ン、イオウ、窒素、ホウ素を少なくとも1つ含有する化
合物とは、前記したフェノール構造を有する化合物とリ
ン、イオウ、窒素、ホウ素を少なくとも1つ含有する化
合物が共有結合で結合した化合物であって、2,4−ビ
ス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリ
アジン、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、トリス−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
−イソシアヌレイト、2,4−ビス(オクチルチオメチ
ル)−o−クレゾール等を挙げることができる。
【0063】このような安定剤は、感光性樹脂組成物の
固形分重量に基づき、好ましくは0.01〜10重量
%、より好ましくは、0.001〜5重量%の割合で配
合される。
【0064】本発明の感光性樹脂組成物の調整方法の例
としては、上記各成分を任意の順序で混合または一括し
て混合する方法、任意の溶剤に各成分を膨潤および分散
させて均一にした後、溶剤を除去する方法が挙げられ
る。このようにして得られた感光性樹脂組成物は、通
常、所望の形状に成形される。
【0065】本発明の印刷用原版は、好ましくは、支持
体上に接着層、上述の感光性樹脂組成物からなる感光
層、粘着防止層およびカバーフィルムから構成される。
その製造方法としては、接着層を形成した支持体と、粘
着防止層を形成したカバーフィルムとの間に、感光性樹
脂組成物をサンドイッチ状に挟み(接着層と粘着防止層
をともに内側にして)、加熱圧着することにより、感光
性樹脂版が製造される。上記の粘着防止層はポリビニル
アルコール、ポリアクリルアミド、セルロース、ポリア
ミドなどを含有する。支持体としては、ポリエステルフ
ィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィル
ムなどが使用され、好ましくはポリエステルフィルムが
用いることができる。
【0066】このような印刷用原版は紫外線照射するこ
とにより、少なくとも光重合性エチレン系不飽和化合物
は重合して硬化する。硬化の際に照射する紫外線は、1
50〜500nm、特に300〜450nmの波長を有
するものが好ましく、そのような紫外線の光源として
は、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、カーボンアーク
灯、紫外線蛍光灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、
ジルコニウムランプ等が望ましい。
【0067】
【実施例】以下の実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお実
施例中、部は重量部を意味する。
【0068】1.光重合性エチレン系不飽和化合物のM
nおよびMw/Mnの測定条件 使用機器:島津製作所社製 GPC LC−4A 使用サンプル:1重量%THF溶液 流量:1cc/分 カラム:shodexKF−805L 測定温度:20℃ UV波長:220nm
【0069】2.光重合性エチレン系不飽和化合物の粘
度の測定方法 ローター式ブルックフィールド型粘度計により、JIS
−K−6726に準じて20℃で測定した。
【0070】3.形状安定性 円筒型検出端子(検出端子直径:10mm、荷重10g
重)付き厚み計(小野測器社製DG−911)の検出端
子を、感光性樹脂組成物からなる感光層が形成された支
持体(全厚み2800mm)の感光層側に60秒間の
せ、その変化量(amm)を読みとり、(a/280
0)×100%を表示値とした。
【0071】4.レリーフ深度 印刷用原版について、現像後の画像部と非画像部の高さ
の差をONO測定器社製OG−911により測定した。
【0072】5.A硬度 印刷用原版について、JIS−K−6301に準ずるス
プリング式硬さ試験(A法)により20℃で測定した。
【0073】6.反発弾性率 印刷用原版について、計10mm(重さ4.16g)の
鋼製ボールを高さ20cmより落とし、跳び返る高さ
(a)を読みとり、(a/20)×100%を表示値と
した。
【0074】7.水膨潤率 感光性樹脂組成物を厚み1mm、縦20mm、横50m
mのシートに成形し、照射量4000mJ/cm2の露
光を行った。このシートを真空乾燥器60℃において2
4時間乾燥を行った。この重量を秤量した(a
(g))。これを20℃のイオン交換水に24時間浸漬
し、秤量した(b(g))。水膨潤率として(b−a)
/a×100%を表示値とした。
【0075】「光重合性エチレン系不飽和化合物No.
1の合成」水酸基末端ポリブタジエン(出光石油化学社
製:poly−bu R45HT、数平均分子量280
0)とアクリル酸を、2,4−ビス−(n−オクチルチ
オ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル
アニリノ−1,3,5−トリアジン存在下で脱水化反応
させ光重合性エチレン系不飽和化合物No.1を得た。
得られた特性を表1に示す。
【0076】「光重合性エチレン系不飽和化合物No.
2の合成」水酸基末端ポリブタジエン(出光石油化学社
製:poly−bu R45HT、数平均分子量280
0)とアクリル酸メチルを、エステル交換反応させ光重
合性エチレン系不飽和化合物No.2を得た。得られた
特性を表1に示す。
【0077】「光重合性エチレン系不飽和化合物No.
3の合成」水酸基末端ポリイソプレン(出光石油化学社
製:PIP、数平均分子量2800)とアクリル酸を、
2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリ)−1,3,5
−トリアジン存在下で脱水化反応させ、光重合性エチレ
ン系不飽和化合物No.3を得た。得られた特性を表1
に示す。
【0078】「親水性ポリマーNo.1の合成」ヘキサ
メチレンジイソシアレート276部、ジメチロールプロ
ピオン酸145部、ポリオキシテトラメチレングリコー
ル(PTMG−850:保士谷化学社製)175部、ヒ
ドロキシエチルメタアクリレート60部、末端にアミノ
基を有するアクリロニトリルブタジエンオリゴマー(H
YCAR−ATBN1300×16:宇部興産社製)3
43部を反応させ、親水性ポリマーを得た。このポリマ
ーの数平均分子量(Mn)1500であり、数平均分子
量(Mn)、重量平均分子量(Mw)との比率Mw/M
nは4.5であった。このポリマーの中の−COOH基
に対して2分の1等量の水酸化リチウム及び2分の1等
量の酢酸マグネシウムを中和させ親水性ポリマーNo.
1を得た。
【0079】「親水性ポリマーNo.2の合成」2−エ
チルヘキシルアクリレート98部、1,4−ブタンジオ
ールジアクリレート1部、1,4−ブタンジオールジア
クリレート1部、アリルメタアクリレート1部、n−ブ
チルアクリレート80部、メタアクリル酸20部をエマ
ルジョン重合することにより親水性ポリマーNo.2を
得た。
【0080】「親水性ポリマーNo.3の合成」ブタジ
エン60部、メチルアクリレート15部、リン酸エチレ
ンメタクリレートスチレン10部、ジビニルベンゼン1
部をエマルジョン重合することにより親水性ポリマーN
o.3を得た。
【0081】(実施例1〜15)少なくとも共役ジエン
鎖を有するオリゴマー及び/又はポリマー、分子量が1
000以下の、ウレタン結合、ウレア結合及びアミド結
合から選ばれた少なくとも1つ以上の基を有する化合
物、光重合性エチレン系不飽和化合物、必要に応じて親
水性ポリマー、その他ポリマー及び光重合開始剤(ベン
ジルジメチルケタールを感光性樹脂組成物全重量中1重
量%)を混合、均一化後、ポリエステルフィルム(厚み
120μm)からなる支持体上に厚さ3mmにシート状
に成形し、感光性樹脂組成物からなる印刷用原版を得
た。得られた感光性樹脂印刷用原版の特性を表2に示
す。
【0082】(比較例1〜15)比較例1〜5として、
実施例1〜5において、ウレタン結合、ウレア結合及び
アミド結合から選ばれた少なくとも1つ以上の結合を有
する化合物を添加しない場合の形状安定性の数値を表3
に示す。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】表中、各実施例の( )内の数字は配合
量(重量部)を示す。 (注1)現像液 実施例1〜3、6〜15:脂肪酸石けん1重量%含有水
40℃ 実施例4、5:トリクロルエチレン/イソプロパノール
=80/20 20℃ (成分1)共役ジエン鎖を有するオリゴマー及び/又は
ポリマー NBR:アクリロニトリルブタジエンゴム IR:イソプレンゴム BR:ブタジエンゴム SIS:スチレンイソプレンスチレンブロックポリマー PIP:イソプレンオリゴマー SBS:スチレンブタジエンスチレンブロックポリマー (成分2)光重合性エチレン系不飽和化合物 No.1:本文中で合成した光重合性エチレン系不飽和
化合物No.1 No.2:本文中で合成した光重合性エチレン系不飽和
化合物No.2 No.3:本文中で合成した光重合性エチレン系不飽和
化合物No.3 STA:ステアリルメタアクリレート 1.6HX:1,6−ヘキサンジオールジメタアクリレ
ート (成分3)分子量が1000以下の、ウレタン結合、ウ
レア結合及びアミド結合から選ばれた少なくとも1つ以
上の結合を有する化合物 UR:尿素 TU:チオ尿素 MU:メチル尿素 AM:アクリルアミド (成分4)親水性ポリマー No.1:本文中で合成した親水性ポリマーNo.1 No.2:本文中で合成した親水性ポリマーNo.2 No.3:本文中で合成した親水性ポリマーNo.3 N1072:カルボキシル基含有ニトリルブタジエンゴ
ム PVA:95%ケン化ポリビニルアルコール (成分5)添加剤他 CPE:塩素化ポリエチレン Irg.565:2,4-ビス-(nオクチルチオ)-6-(4-ヒ
ドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジ
ン EPDM:エチレンプロピレンノルボナジエンゴム AR:アクリルゴム
【0086】
【表3】
【0087】
【発明の効果】本発明の感光性樹脂組成物によれば、分
子量が1000以下であるウレタン結合、ウレア結合及
びアミド結合から選ばれた少なくとも1つ以上の結合を
有する化合物を、共役ジエン鎖を有するオリゴマー及び
/又はポリマーを含有する感光性樹脂組成物中に含有さ
せることにより、形態安定性に優れ、架橋反応前に時間
の経過と共に当初の形状から流れて変形してゆく、いわ
ゆるコールドフローを低減させることができる。
【0088】また、本発明の印刷用原版によれば、その
取り扱い性及び保存安定性が優れ、特にフレキソ印刷用
原版としたときに感度、解像度、弾性が優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03F 7/033 G03F 7/033

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役ジエン鎖を有するオリゴマー及び/
    又はポリマーを含有する感光性樹脂組成物中に、分子量
    が1000以下の、ウレタン結合、ウレア結合及びアミ
    ド結合から選ばれた少なくとも1つ以上の結合を有する
    化合物を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の感光性樹脂組成物からな
    る感光層を支持体に積層してなることを特徴とする印刷
    用原版。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004204148A (ja) * 2002-12-26 2004-07-22 Nippon A & L Kk 化粧パフ用共重合体ラテックス組成物
JP4634002B2 (ja) * 2002-12-26 2011-02-16 日本エイアンドエル株式会社 化粧パフ用共重合体ラテックス組成物

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