JPH11351964A - メタリック−パール系塗色の変角分光反射率分布を予測する方法 - Google Patents

メタリック−パール系塗色の変角分光反射率分布を予測する方法

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JPH11351964A
JPH11351964A JP15747298A JP15747298A JPH11351964A JP H11351964 A JPH11351964 A JP H11351964A JP 15747298 A JP15747298 A JP 15747298A JP 15747298 A JP15747298 A JP 15747298A JP H11351964 A JPH11351964 A JP H11351964A
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Eizo Niimi
英造 新美
Hisao Asaba
尚郎 浅場
Koichi Kuwano
浩一 桑野
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 混合塗色についても正確に再現可能なメタリ
ック−パール系塗色の変角分光反射率分布を、光輝材及
び着色顔料の配合比率に依存するメタリック−パール系
塗色の反射率データを用いて予測する方法及び該方法を
用いたメタリック−パール系塗色の混合塗色のコンピュ
ータグラフィックスによる再現方法を提供する。 【解決手段】 光輝材及び着色顔料の配合比率に依存す
るメタリック−パール系塗色の反射率データから、所定
の配合比率におけるメタリックパール系塗色の変角分光
反射率分布を予測する方法であって、前記反射率データ
から、光輝材及び着色顔料の配合比率に依存する反射率
変化を表す係数を波長ごとに導出し、前記係数を用いて
所定の配合比率におけるメタリックパール系塗色の変角
ごとの反射率を波長ごとに算出することを特徴とするメ
タリック−パール系塗色の変角分光反射率分布を予測す
る方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタリック−パー
ル系塗色の変角分光反射率分布を、光輝材及び着色顔料
の配合比率に依存するメタリック−パール系塗色の反射
率データから予測する方法及び該方法を用いたメタリッ
ク−パール系塗色の混合塗色のコンピュータグラフィッ
クスによる再現方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光学理論に基づいて、光が物体表
面や物体内部において反射、透過、散乱、干渉される過
程を再現する3次元コンピュータグラフィックス(以下
「3次元CG」という)手法が開発されつつある。これ
により、高精細かつ現実感のある画像を、測色用の塗板
を測色して得た変角分光反射率データに基づいて描画す
る技術が進展しつつあり、例えば、塗料を被塗物に塗装
した場合の色彩的効果をCRT画面上に再現することが
可能である。また、コンピュータ上で変角分光反射率を
操作すれば、仮想的画像を描画することも可能である。
【0003】このような技術には、特定の解析的モデル
に依拠して変角分光反射率を再現するものがある。例え
ば、特開平8−123981号公報には、変角分光反射
率の計測手段を使用して変角ごとの分光反射率として得
た変角分光反射率を用いて、分光波長に依存する第1の
特徴量と、変角に依存する第2の特徴量とを演算し、こ
れらの特徴量を用いてもとの変角分光反射率を再現し、
又は、得られた特徴量を変更することにより外板色の質
感の変更や色の変更を行い、その変角分光反射率を再構
成する技術が開示されている。
【0004】また、特開平8−221560号公報に
は、外板色塗板の変角分光反射率を実測して得た変角分
光反射率から、分光波長に依存する第1の特徴量と、変
角に依存する第2の特徴量とを演算して、上記変角に関
する特徴量に光輝材粒子の輝度に関する特徴量を付加し
て、これらの特徴量を用いてもとの変角分光反射率を再
現し、又は、これらの特徴量を変更することによりメタ
リック系外板色の質感や色を変更し、その変角分光反射
率を再構成する技術が開示されている。
【0005】一方、コンピュータ能力の向上により、変
角分光反射率分布を非関数的手段で表し、これをコンピ
ュータで処理することにより3次元画像をコンピュータ
グラフィックス表示装置に再現することが可能となりつ
つあり、光輝材−着色顔料系塗色を高い自由度で取り扱
うことができると期待される。この手法によれば、例え
ば、変角分光反射率分布を他の変角分光反射率分布と線
形結合し、新たな変角分光反射率分布をコンピュータで
求めることができる。
【0006】上記手法は、例えば、2つの異なる変角分
光反射率分布P及びQを、下記のように、混合比率に応
じて適当な重み付け値を与え、比例配分に基づいて線型
結合することにより混合塗色の変角分光反射率を算出す
るものである。 A(L)=z・P(L)+(1−z)・Q(L) 式中、Aは、塗色Pと塗色Qとの混合塗色の変角分光反
射率分布を表し、Lは、波長を表す。zは、Lに依存し
ない重み因子を表す。
【0007】この手法が真に有効に活用されるために
は、複数の異なる塗色を混合した混合塗色、特に、複数
のメタリック−パール系塗色を任意の比率で混合した塗
色を、正確に再現する必要がある。しかしながら、上記
技術によっても、塗色の混合色を正確に再現すること
は、特に、光輝材−着色顔料系の塗色の場合に、困難で
あることが多い。
【0008】このような事態については、例えば、光輝
性顔料との相互作用によって生じる着色顔料の正確な色
彩効果を効率的に反映することができる測色用塗板を使
用し、光輝性顔料との相互作用によって生じる着色顔料
の正確な色彩効果を効率的に反映する測色データを調製
する技術を本発明者は提案した(特願平9−6723
7)。
【0009】複数の光輝材を混合した場合の混合色の予
測については、例えば、「塗料の研究」、No.12
7、33頁、10月、1996年には、青と緑の干渉マ
イカの比率を変えて黒と混合した干渉マイカ混色のシミ
ュレーション結果が報告されている。この場合、無彩色
顔料中の干渉マイカの発色強度は、干渉光の加法混合性
により、マイカの配合比率と反射率強度が比例するの
で、青と緑の干渉マイカをそれぞれ単独で配合した場合
のデータのみから、青と緑の干渉マイカのそれぞれを混
合比率を変えて配合した場合の干渉マイカの発色強度
を、簡単な線型式で予想可能である。
【0010】しかしながら、従来、光輝材−着色顔料系
の塗色を混合した場合の反射率変化の現象が必ずしも充
分に把握されていたわけではない。特に、メタリック−
パール系光輝材と有彩色顔料との混合系においては、変
角分光反射率分布を比例配分等により結合した結果と実
際とはかけ離れることが多かった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の現状
に鑑み、混合塗色についても正確に再現可能なメタリッ
ク−パール系塗色の変角分光反射率分布を、光輝材及び
着色顔料の配合比率に依存するメタリック−パール系塗
色の反射率データを用いて予測する方法及び該方法を用
いたメタリック−パール系塗色の混合塗色のコンピュー
タグラフィックスによる再現方法を提供することを目的
とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者による詳細な検
討の結果、一般に、光輝材−着色顔料系塗色にあって
は、光輝材の配合比率が高く光輝材が卓越的に外観を支
配する場合から、着色顔料の配合比率が高く着色顔料が
支配的に外観に影響を及ぼす場合まで、その反射率の波
長による変化のプロファイルは色材の配合比率によって
異なる。図5に示すグラフは、光輝材;中粒径アルミフ
レーク顔料(平均粒径13μm)と着色顔料;シャニン
ブルーG−314との配合比率を0.0001〜100
00に変化させた場合の反射率プロファイルを表すが、
これから明らかであるように、光輝材と着色顔料との配
合比率によって反射率の波長による変化の様相には明瞭
な違いがある。また、図6に示すグラフは、中粒径アル
ミフレーク顔料光輝材を使用した場合に、特定波長にお
ける配合比率の変化による反射率変化のプロファイルを
着色顔料を変えて表すが、これから明らかであるよう
に、着色顔料によって異なる変化の様相を呈している。
【0013】更に、正反射方向からの偏角で表した受光
角による反射率変化プロファイルは、図22〜24に示
すように、配合比率による変化の様相が波長ごとに異な
る。この反射率変化プロファイルは、光輝材含有塗色の
フリップフロップ性を反映する。
【0014】本発明者が見いだしたこれらの事実は、上
述の困難を一般的に解決するために必要な原因究明に寄
与するものであり、かかる事実を考慮することにより本
発明が完成された。
【0015】すなわち、本発明は、光輝材及び着色顔料
の配合比率に依存するメタリック−パール系塗色の反射
率データから、所定の配合比率におけるメタリックパー
ル系塗色の変角分光反射率分布を予測する方法であっ
て、上記反射率データから、光輝材及び着色顔料の配合
比率に依存する反射率変化を表す係数を波長ごとに導出
し、上記係数を用いて所望の配合比率におけるメタリッ
クパール系塗色の変角ごとの反射率を波長ごとに算出す
るメタリック−パール系塗色の変角分光反射率分布を予
測する方法である。
【0016】上記光輝材及び着色顔料の配合比率に依存
するメタリック−パール系塗色の反射率データは、メタ
リック−パール系光輝材と着色顔料との配合比率を変化
させた、変角ごとの塗色の反射率の、波長ごとの変化を
表すデータであるか、又は、複数のメタリック−パール
系塗色を混合する比率を変化させた、変角ごとの塗色の
反射率の、波長ごとの変化を表すデータでありうる。上
記データから導出した配合比率に依存する波長ごとの係
数を用いて、所定の配合比率におけるメタリック−パー
ル系塗色の変角分光反射率を波長ごとに算出してメタリ
ック−パール系塗色の変角分光反射率分布を予測するこ
とがてきる。
【0017】また、本発明は、複数のメタリック−パー
ル系塗色を3次元コンピュータグラフィックスにより表
示装置に表示し、コンピュータ上のグラフィックユーザ
ーインターフェイスを用いて上記メタリック−パール系
塗色の混合比率を任意に指定し、上記指定の混合比率に
対応するメタリック−パール系光輝材と着色顔料との配
合比率における塗色の予測変角分光反射率分布を上述の
方法により求め、かくして求めた予測変角分光反射率分
布に基づいて上記混合塗色を上記表示装置に表示するメ
タリック−パール系塗色の混合塗色の再現方法でもあ
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、典型的には、図1に示
すように、図示しないコンピュータに予め格納しておい
たメタリック−パール系光輝材及び着色顔料の配合比率
の変化による変角ごとのメタリック−パール系塗色の反
射率変化を波長ごとに表すデータ(1)から、上記配合
比率に依存する反射率変化を表す係数を分光波長ごとに
導出し(2)、上記係数を用いて所望の配合比率におけ
るメタリックパール系塗色の変角ごとの反射率を波長ご
とに上記コンピュータを利用して算出する(3)。
【0019】上記データ(1)は、メタリック−パール
系光輝材と着色顔料との配合比率の変化による変角ごと
のメタリック−パール系塗色の反射率の、波長ごとの変
化を表す適当な情報であって、コンピュータに利用可能
な形式で表現されたものであればよい。従って、例え
ば、メタリック−パール系光輝材と着色顔料との配合比
率=(メタリック−パール系光輝材/着色顔料)を変化
させて得た反射率データ、複数のメタリック−パール系
塗色を、混合比率を変化させて混合した複数の塗色につ
いて得た反射率データ、又は、これらのデータを特定の
形式に従って記載したもの若しくはこれらのデータから
得られる特定の関数等であってよい。
【0020】上記メタリック−パール系光輝材及び着色
顔料の配合比率は、通常は、着色顔料と光輝材との重量
比が100/0.01〜100/500000であるこ
とが好ましい。光輝材の配合割合が0.01未満である
と光輝感を生じることがなく、500000を超えると
色感を生じることがなくなるので好ましくない。しかし
ながら、上記範囲外の使用を妨げるものではなく、例え
ば、着色顔料のみ、又は、光輝材のみの配合データを含
むことができる。複数のメタリック−パール系塗色を、
混合比率を変化させて混合する場合も、着色顔料と光輝
材との重量比が上記範囲内であるように配慮することが
好ましい。
【0021】上記メタリック−パール系光輝材及び着色
顔料の配合比率は、重量比でメタリック−パール系光輝
材/着色顔料=1/100、2/100及び5/100
を一組とし、この一組の配合比率の10-2倍、10
-1倍、100 倍、10倍、102 倍、103 倍、104
倍及び105 倍からなる系列の全部又は一部であること
が好ましい。すなわち、上記各組ごとの光輝材の配合比
率は、対数比をなすように設定することができ、このよ
うな系列の全部を使用するか、又は、その内の一部を省
略し、しかし、実質的にこれらの系列からなる配合比率
を使用することにより、広い配合比率をカバーすること
ができるとともに、比較的少数の配合比率のデータで、
着色顔料と光輝材との相互作用によって生じる着色顔料
の正確な色彩効果を効率的に反映させることができる。
このような配合比率の具体例は、実施例において示され
る。また、このような配合比率を採用することにより、
得られる分光反射率データと着色顔料配合比率との関係
は、着色顔料の配合比率の広い範囲において、大域的
に、又は、局所的に、線型性を示すものとなる。
【0022】上記メタリック−パール系光輝材としては
特に限定されず、例えば、アルミフレーク、チタンフレ
ーク、ステンレスフレーク等の金属フレーク顔料;グラ
ファイト;ホワイトマイカ、干渉マイカ、着色マイカ等
のマイカ系光輝材;板状酸化鉄顔料(MIO);金属メ
ッキ又は二酸化チタン被覆を施したガラスフレーク顔
料;薄片状二酸化チタン;多彩色発色顔料等を挙げるこ
とができる。
【0023】上記着色顔料としては特に限定されず、例
えば、アゾ系又はアゾレーキ系顔料、フタロシアニン系
顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔
料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナク
リドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体系顔
料、アントラキノン系顔料、インダンスロン系顔料、フ
ラバンスロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ベ
ンズイミダゾロン系顔料等の有機顔料;黄鉛、黄色酸化
鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタンや微粒
子酸化チタン等の無機顔料等を挙げることができる。
【0024】メタリック−パール系光輝材と着色顔料と
の配合比率の変化による変角ごとのメタリック−パール
系塗色の反射率変化を波長ごとに表すデータは、図3に
構成を例示する変角分光光度計により測色して、入射光
及び反射光の幾何学的条件である変角ごとの反射率とし
て得ることができる。上記変角は、座標系によって表現
が異なることがあるが、例えば、図4に示すように、照
射面に対する照射光の方向を規定する入射角、正反射方
向からの偏角として受光方向を規定する受光角、及び、
あおり角で表すことができる。従って、本明細書中、変
角というときは、入射光及び反射光の幾何学的条件をい
い、また、本明細書中、入射角、受光角及びあおり角
は、上記条件を規定する表現の一例として、上記意味で
用いる。変角分光光度計は、上記変角を変化させて測色
することができる。
【0025】メタリック−パール系光輝材及び着色顔料
の配合は、それぞれ1種類を配合して複数の光輝材と着
色顔料との組み合わせについて、反射率データを測色す
るか、又は、メタリック−パール系光輝材及び着色顔料
の少なくとも一方を複数使用して、例えば、光輝材と着
色顔料との配合を一定比率にしつつ、複数の光輝材又は
複数の着色顔料の配合比率を変化させた組み合わせにつ
いて測色する。
【0026】上記の場合、反射率は、変角分光光度計が
許す範囲内で、図4に示す入射角、受光角、あおり角ご
とに実測されたものであってよい。
【0027】上記反射率のデータは、配合比率と反射率
との関係を特徴づけるものである。上記特徴の把握が可
能であるかぎり、データの表示形式は問わない。例え
ば、配合比率の対数値に対して反射率の対数値を対応づ
けてもよく、配合比率の対数値に対して反射率の値を対
応づけてもよい。値の変化範囲が広い場合には対数値を
使用することが好ましく、一方、小さい変化を精度よく
把握するために便宜である場合には、対数値を使用しな
いことも可能である。上記反射率は、波長にも依存する
ので、配合比率と反射率との関係を把握することができ
るように、波長ごとに配合比率と反射率との関係を特徴
づけることが好ましい。なお、一般には、反射率は、変
角によっても異なる。従って、反射率Rは、波長L、配
合比率p、変角θに関係づけられ、R(L,p,θ)で
表される。これを波長ごとに表した反射率データ:RLi
(p,θ)(ただし、Li は、適当な間隔ごとの各波長
を表す)から配合比率pと波長Li における反射率RLi
との関係を把握することができる。このRLi(p,θ)
で表されるデータは、離散的データであってもよく、又
は、離散的データから内外挿して導かれる連続関数で表
される連続的データであってもよい。
【0028】上記反射率のデータが示す配合比率と反射
率との関係について、具体例をもってその特徴の幾つか
を説明する。図15は、光輝材中粒径アルミフレークと
着色顔料デグサカーボンFW−200とシャニンブルー
G−314とを、着色顔料/光輝材=1/1に保ちつ
つ、デグサカーボンFW−200/シャニンブルーG−
314の配合比率を変化させて反射率を測色したもので
ある。測色条件は、入射角45°、受光角(正反射から
の偏角で表して)15°である。この図は、デグサカー
ボンFW−200/シャニンブルーG−314の配合比
率によって反射率の波長依存性がどのように変化するか
を示す。図から判るように、反射率の変化は、着色顔料
の配合比率によって複雑に変化する。まず、i)配合比
率と反射率変化とは比例関係にない。また、ii)デグ
サカーボンFW−200のみを配合した場合に比べてシ
ャニンブルーG−314を1〜3割配合した場合の方が
反射率が低下する傾向がある。この反射率の低下は、減
法混色による濁りによるものであると考えられる。更
に、iii)上記図は、反射率と配合比率との関係を両
対数目盛りで示したものであるが、図から判るように、
配合比率が1に近い範囲では波長ごとによる反射率変化
の様相が大きく異なる。一方、配合比率が小さいか又は
大きい場合は、波長ごとによる反射率変化の様相は実質
的に等しいと見なすことができる。
【0029】次に、上記データ(1)から、上記配合比
率に依存する反射率変化を表す係数K Li(p,θ)(た
だし、Li は、適当な間隔ごとの各波長を表す)を波長
ごとに導出する(2)。上記係数KLiは、例えば、それ
を被乗数Ai に乗じることによって、又は、被加数A
i ′に加えることによって、変角分光反射率を算出する
ことができる。上記係数KLiは、例えば、RLi(p,
θ)を適当に正規化した値であってもよく、適当な基準
に対して相対化した値であってもよく、適当な基準との
差であってもよく、又は、RLi(p,θ)そのものであ
ってもよい。この選択は、被乗数Ai 又は被加数Ai
に依存する。例えば、被乗数Ai が配合既知の出発塗色
の変角分光反射率分布であれば、上記係数KLiは、例え
ば、目的配合比率との配合比率差による反射率の変化比
率であってもよく、又は、被加数Ai ′であれば目的配
合比率との配合比率差による反射率差であってもよい。
【0030】上記係数KLiの導出は、上記データ(1)
が、例えば、連続関数で表される連続的データである場
合、所定の配合比率の値p0 における上記連続関数の値
を求めることであってよい。上記データ(1)が離散的
データである場合には、所定の配合比率p0 における値
を内挿又は外挿によって求めることであってよい。
【0031】上記被乗数Ai 又は被加数Ai ′は、例え
ば、着色顔料のみを配合した塗色の反射率分布、着色顔
料と光輝材とを配合した塗色等の特定配合の塗色の変角
分光反射率分布、又は、波長ごとに所定の値が指定され
ている適当な分布であってよい。
【0032】このように、係数KLiと被乗数Ai や被加
数Ai ′との組み合わせにより反射率を求める方法を採
用することにより、係数KLiや被乗数Ai 、被加数A
i ′の幅広い選択が可能となる。
【0033】この方法を具体的に例示するならば、以下
のとおりである。例えば、上記光輝材及び着色顔料の配
合比率に依存するメタリック−パール系塗色の反射率変
化から導かれる、メタリック−パール系塗色の反射率と
その塗色の光輝材及び着色顔料の配合比率との、波長ご
との制御可能な関数を求め、この関数から所定配合比率
0 における上記係数KLi(p0 ,θ)を導出すること
ができる。
【0034】上記関数は、光輝材と着色顔料との配合比
率に対する、所定の入射角、受光角及びあおり角におけ
る塗色の反射率を、波長ごとに1対1に対応づける関数
であってよい。上記関数は、好ましくは、メタリック−
パール系塗色の反射率の対数値と、その塗色のメタリッ
ク−パール系光輝材と着色顔料との配合比率の対数値と
の、例えば、1〜4次の代数関数、1〜4次の分数関
数、指数関数、対数関数等の初等関数である。上記関数
は、上記メタリック−パール系塗色の反射率の対数値
と、その塗色のメタリック−パール系光輝材と着色顔料
との配合比率の対数値との組み合わせからなる上記関数
を充たす通過点の2〜5個程度で規定可能であることが
好ましい。
【0035】このような関数の一つをRL =F(p)と
する。但し、RL は、特定の波長Lでの、特定変角θに
おける、配合比率pにおける反射率である。但し、変角
θは省略した。この関数Fは、特定の配合比率pn にお
ける反射率の値を(RLn (n=2〜5)とすれば、
これらの2〜5個の組〔pn ,(RLn 〕(n=2〜
5)によって決定可能な一価関数である。例えば、メタ
リック−パール系光輝材と着色顔料とを各1種類配合す
る場合に、光輝材/着色顔料配合比率により反射率は一
般的に累積的変化を示し、反射率変化のグラフはS字曲
線で表される場合がある。この場合、関数Fとして、例
えば、下記式(1) F(p)=(Rmax ×p)/(A+p) (1) が適用できる。式中、Rmax は、光輝材/着色顔料配合
比率pが充分大きい場合の反射率の値である。Aは、定
数である。この場合、関数Fは二つの未知パラメーター
max 及びAを含む。従って、少なくとも2組の点〔p
1 ,(RL1 〕、〔p2 ,(RL2 〕によりFは決
定され得る。より多くの点を使用すればより精度が向上
する。
【0036】上記関数に、所定の配合比率p0 を代入す
ることにより、RL =F(p0 )として反射率を求める
ことができる。上記係数KLiは、この反射率の値を適当
に正規化し、例えば、基準となる波長における反射率に
対する相対値を求めることにより、得ることができる。
【0037】なお、被乗数Ai が波長ごとに所定の定数
が指定されている適当な分布である場合、この所定の定
数を1に設定するならば、上記係数KLiは、反射率の値
自体であってよい。すなわち、上記配合比率に依存する
反射率変化を表す係数KLiは、波長ごとの反射率RLi
値そのものであってもよい。
【0038】ところで、反射率のデータの示すところに
よれば、着色顔料が同一である場合に、メタリック−パ
ール系光輝材の種類を異にしても、上記関数は、ほぼ同
一である場合がある。すなわち、例えば、図19〜21
に示すように、中粒径アルミフレーク系及び高輝度アル
ミフレーク系にあっては、ある範囲内において、特定の
一つの関数又はこの関数を平行移動させた関数(以下、
本明細書中、これらの関数を、「同一種類の関数」と称
する)により、異なる光輝材に対しても、近似可能な場
合がある。この場合には、適用可能な範囲内において、
同一種類の関数を適用してもよい。
【0039】また、配合比率の対数値の変化に対する反
射率の対数値の変化の割合が波長ごとに異なる範囲と、
配合比率の対数値の変化に対する反射率の対数値の変化
の割合が波長ごとに実質的に異ならない範囲がある場合
にあっては、配合比率の対数値の変化に対する反射率の
対数値の変化の割合が波長ごとに実質的に異ならない範
囲内において、各波長について同一種類の関数を適用
し、配合比率の対数値の変化に対する反射率の対数値の
変化の割合が波長ごとに異なる範囲内において、各波長
ごとに、上記種類の関数とは異なる他の種類の関数を適
用することができる。
【0040】上記配合比率に依存する反射率変化を表す
係数KLiは、メタリック−パール系塗色の反射率を含む
欄とその塗色の光輝材及び着色顔料の配合比率を含む欄
とからなるテーブル形式に配列されたものであってもよ
い。上記テーブル形式は、例えば、少なくとも1種のメ
タリック−パール系光輝材を使用して、少なくとも1種
の着色顔料を異なる比率で配合した場合に対して、波長
ごとに予め定められた係数からなるマトリックスであっ
てよい。
【0041】上記マトリックスは、波長Lにおける配合
比率pで特定される反射率RL,P 、これを適当に正規化
した値、適当な基準値に対して相対化した値等からな
り、例えば、L個の縦ベクトル又はp個の横ベクトルと
して表され、
【0042】
【数1】
【0043】等と表記できる。
【0044】本発明においては、次に、上記係数を用い
て所望の配合比率におけるメタリックパール系塗色の変
角ごとの反射率を波長ごとにコンピュータを利用して算
出する(3)。この計算方法を例示するならば、例え
ば、被乗数Ai が着色顔料のみを配合した塗色の反射率
分布である場合、所定の配合比率p0 における上記係数
Li(p0 ,θ)を乗じることにより所望の配合比率に
おける反射率RLi(p0 ,θ)を波長Li ごとに計算す
ることができる。
【0045】従って、本発明においては、一般的に、所
定の配合比率p0 における変角分光反射率分布R(L,
0 ,θ)は、L個の反射率からなる一組の値として A1L1(p0 ,θ),・・・,AiLi(p0
θ),・・・,ALLL(p 0 ,θ) のように求まる。但し、Ai は、適当な定数である。L
i は、適当な間隔ごとの各波長である。添字iは、1か
ら、適当な数Lまでの整数である。
【0046】なお、この場合、通常、上記R(L,p
0 ,θ)は、特定の変角θにおける値であるから、例え
ば、受光角φごとの反射率RLi(p0 ,φ)は、受光角
による反射率変化を考慮して求めることができる。受光
角φによる反射率変化のプロファイルは、波長により大
きく異なることがある。図22〜24により具体的にこ
れを示すならば、中粒径アルミフレーク顔料/シャニン
ブルーG−314を配合比率0.0001〜10000
範囲に変えて480nm、560nm、680nmにお
いて示したものである。受光角φによる反射率の変化
は、配合比率が大きくない場合には略同一の変化をしめ
すが、光輝材比率が大きくなると、特に、受光角(正反
射からの偏角で表して)15〜30°付近で配合比率ご
とに大きく異なる変化を示す。そこで、例えば、受光角
φ(正反射からの偏角で表して)が15°、45°及び
110°における反射率の値から、内挿又は外挿により
受光角φごとの反射率RLi(p0 ,φ)を算出すること
ができる(図2)。すなわち、例えば、受光角φ(正反
射からの偏角で表して)が15〜45°、45〜60
°、60〜110°及び110〜120°の範囲につい
て、それぞれ、上記反射率の値を用いて内挿又は外挿す
ればよい。
【0047】上記メタリック−パール系塗色の変角分光
反射率分布が、例えば、特定の受光角φ及び/又はあお
り角ψ及び/又は入射角ごとの反射率を波長ごとにテー
ブルに表したものである場合、波長ごとに上記マトリッ
クスを乗じて、所定配合における反射率を算出すること
ができる。例えば、波長L1 についてのテーブル形式の
変角分光反射率分布を、
【0048】
【数2】
【0049】で表し、これを更に、AL1( φ,ψ) と略
記すると、
【0050】
【数3】
【0051】により、配合比率p1 における変角分光反
射率分布R(L,p1 ,θ)を求めることができる。た
だし、
【0052】
【数4】
【0053】を表すものとする。
【0054】本発明においては、この波長ごとに求める
反射率は、分光波長390〜730nmの範囲につい
て、波長5〜20nmごとに、より好ましくは、5〜1
0nmごとに計算することが好ましい。
【0055】本発明においては、上述の方法により、所
定の入射角と受光角との組について、メタリック−パー
ル系光輝材と着色顔料との配合比率の変化による変角ご
とのメタリック−パール系塗色の、波長ごとの反射率変
化から、上記配合比率に依存する反射率変化を表す係数
を波長ごとに導出し、上記係数を用いて所定の配合比率
におけるメタリック−パール系塗色の受光角ごとの反射
率を、波長ごとにコンピュータを利用して算出した後、
更に、予め求めた複数の波長についてのあおり角による
反射率の変化を用いて、所定のあおり角における各波長
の反射率を求める。かくして、変角ごとに、分光反射率
を計算することができ、メタリック−パール系塗色の変
角分光反射率分布を算出することができる。
【0056】こうして求めた予測変角分光反射率を使用
して3次元コンピュータグラフィックスにより塗色を表
示装置に表示することができる。この際、本発明によ
り、表示装置に表示された、配合比率が既知の、又は、
知ることができる、複数のメタリック−パール系塗色を
コンピュータグラフィックスにより表示装置に表示し、
コンピュータ上のグラフィックユーザーインターフェイ
スを用いて、上記メタリック−パール系塗色の混合比率
を任意に定め、上述の方法により上記混合比率により定
められる配合比率における予測変角分光反射率分布を求
め、かくして求めた予測変角分光反射率分布に基づいて
3次元コンピュータグラフィックスにより上記表示装置
に表示することによりメタリック−パール系塗色の混合
色を再現することができる。
【0057】また、こうして求めた予測変角分光反射率
を使用するならば、これを目標色とするコンピュータカ
ラーマッチングの技法を用いて該当する塗料配合を求め
ることも可能である。
【0058】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0059】実施例1 (1)変角分光反射率分布の測定 以下に示す配合について、配合比率を変化させて分光波
長390〜730nmの範囲で20nmごとに反射率を
測定した。測定条件は、入射角45°、受光角(正反射
からの偏角で表して)15°、45°、115°とし
た。測定は、変角分光光度計(GCMS−4型、村上色
彩技術研究所社製)を使用した。 1.光輝材/着色顔料 中粒系アルミフレーク/シャニンブルーG−314 配合比率 0.0001、0.0005、0.001、0.00
5、0.01、0.02、0.05、0.1、0.2、
0.5、1、2、5、10、20、50、100、10
000
【0060】2.光輝材/着色顔料 シルバーパールマイカ/シャニンブルーG−314 配合比率 0.0001、0.0005、0.001、0.00
5、0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、
5、10、10000 3.光輝材/着色顔料 高輝度アルミフレーク/ペリンドマルーンR−6436 配合比率 0.0001、0.0005、0.001、0.00
5、0.01、0.05、0.1、0.5、1、5、1
0、10000
【0061】4.光輝材/着色顔料 中粒径アルミフレーク/デグサカーボンFW−200 配合比率 0.01、0.02、0.05、0.1、0.2、0.
5、1、2、5、10、20、50、100、1000
0 5.光輝材/着色顔料 シンカシャレッドYRT−759D/中粒径アルミフレ
ーク 配合比率 0.0001、0.005、0.01、0.02、0.
05、0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、2
0、50、100、10000
【0062】6.光輝材/着色顔料 高輝度アルミフレーク/シャニンブルーG−314 配合比率 0.0001、0.0005、0.005、0.01、
0.05、0.1、0.5、1、2、5、10、100
00 7.光輝材/着色顔料 中粒径アルミフレーク/ペリンドマルーンR−6436 配合比率 0.0001、0.0005、0.001、0.00
5、0.01、0.02、0.05、0.1、0.2、
0.5、1、2、5、10、20、50、100、10
000
【0063】8.〔デグサカーボンFW−200/シャ
ニンブルーG−314〕/中粒径アルミフレーク(着色
顔料/光輝材=1/1) 配合比率(デグサカーボンFW−200/シャニンブル
ーG−314)0.0001、0.11、0.43、
1、2.33、9、10000 9.〔パリオトロールエロー2140HD/シャニンブ
ルーG−314〕/中粒径アルミフレーク(着色顔料/
光輝材=1/1) 配合比率(パリオトロールエロー2140HD/シャニ
ンブルーG−314)0.0001、0.11、0.4
3、1、2.33、9、10000
【0064】10.〔ヒルトンデービス30−1005
/シャニンブルーG−314〕/中粒径アルミフレーク
(着色顔料/光輝材=1/1) 配合比率(ヒルトンデービス30−1005/シャニン
ブルーG−314)0.0001、0.11、0.4
3、1、2.33、9、10000 11.光輝材/着色顔料 中粒径アルミフレーク/パリオトールエロー2140D 配合比率 0.0001、0.01、0.05、0.02、0.
1、0.2、0.5、1、2、10、20、50、10
000 12.光輝材/着色顔料 シャニンブルーG−314/中粒径アルミフレーク 配合比率 0.0001、0.0005、0.001、0.00
5、0.01、0.02、0.05、0.1、0.2、
0.5、1、2、5、10、20、50、10000
【0065】(2)反射率の配合比率依存性 上記の各配合について、反射率の配合比率依存性を求め
た。入射角45°、受光角(正反射からの偏角で表し
て)15°、あおり角0°の結果を図7〜17に、入射
角45°、受光角(正反射からの偏角で表して)45
°、あおり角15°の結果を図18に示した。
【0066】(3)光輝材による配合比率依存性 下記の配合について、反射率の配合比率依存性を求め
た。入射角45°、受光角(正反射からの偏角で表し
て)15°、あおり角0°について、波長460nm、
500nm、590nmの結果を図19〜21に示し
た。 1.光輝材/着色顔料 中粒径アルミフレーク/シャニンブルーG−314 高輝度アルミフレーク/シャニンブルーG−314 ゴールド干渉マイカ/シャニンブルーG−314 シルバーパールマイカ/シャニンブルーG−314 配合比率 0.0001、0.005、0.01、0.02、0.
05、0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、2
0、50、10000
【0067】(4)受光角依存性 下記の配合について、反射率の受光角依存性を求めた。
条件は、波長:480、560、680nm:入射角:
45°、受光角:正反射からの偏角0°、15°、30
°、45°、60°、110°、115°、120°で
あった。シャニンブルーG−314/中粒径アルミの結
果を図22〜24に示した。 1.光輝材/着色顔料 中粒径アルミフレーク/シャニンブルーG−314 配合比率 0.0001、0.0005、0.001、0.00
5、0.01、0.02、0.05、0.1、0.2、
0.5、1、2、5、10、20、50、100、10
000
【0068】(5)あおり角依存性 下記の配合について、反射率のあおり角依存性を求め
た。シャニンブルーG−314/高輝度アルミフレーク
の結果を図25〜27に示した。条件は以下のとおりで
ある。 入射角、45° 受光角:正反射からの偏角15°、45°、115° あおり角、−45°、−30°、−15°、−10°、
−5°、−3°、−1°、0°、1°、3°、5°、1
0°、15°、30°、45° 波長、390〜730nm(20nmおき) 1.着色顔料/光輝材 シャニンブルーG−314/高輝度アルミフレーク 配合比率 着色顔料/光輝材=1/0.1
【0069】なお、上述の測定に使用した光輝材及び着
色顔料の詳細は、以下のとおりである。 中粒径アルミフレーク;平均粒径D50=13μm、東洋
アルミニウム社製 高輝度アルミフレーク;平均粒径D50=20μm、東洋
アルミニウム社製 シルバーパールマイカ;平均粒径D50=18μm、メル
ク社製 ゴールド干渉マイカ;平均粒径D50=18μm、メルク
社製 シャニンブルーG−314;山陽色素社製 ペリンドマルーンR6436;マイルス社製 デグサカーボンFW−200;デグサ社製 シンカシャレッドY RT−759D;チバスペシャル
ティケミカルズ社製 パリオトールエロー2140HD;BASF社製 ヒルトンデービス30−1005;ヒルトンデービス社
【0070】(6)変角分光反射率の計算−1 シャニンブルー/中粒径アルミフレーク系塗色の変角分
光反射率を、下記の条件でコンピュータにより計算し
た。 目標配合 シャニンブルーSG−314/中粒径アルミフレーク=
100/80 なお、変角分光反射率分布は、受光角及び入射角を含む
表形式で記述した。また、あおり角依存性から、各あお
り角における反射率を計算した。予測変角分光反射率を
求めた後、3次元CGによりCRTに表示した。別に、
目標配合の塗色を調製し、塗板に塗布したものとCRT
上の表示画像を目視により比較したところ、殆ど差異を
認めなかった。
【0071】(7)変角分光反射率の計算−2 CRT上に表示された二つの塗色の3次元CG画像を、
コンピュータのグラフィックユーザーインターフェイス
を用いてを混合比率を指定し、予測変角分光反射率を計
算し、CRT上に表示した。使用条件は以下のとおりで
ある。 出発塗色 配合1.シャニンブルーG−314/中粒径アルミフレ
ーク=100/100 配合2.パリオトロールエロー2140D/中粒径アル
ミフレーク=100/50 指定混合比率 配合1/配合2=1.5/1 3次元CGソフトウエアは、PEARL(インテグラ社
製)を使用した。
【0072】CRT上に表示された混合塗色のCG画像
は、別に、指定混合比率の塗色を調製し、塗板に塗布し
たものと目視により比較したところ、殆ど差異を認めな
かった。また、上記塗色とCRT上の表示画像のもとと
なった予測変角分光反射率から計算された色差を求めた
ところ、入射角45°、正反射からの偏角として表した
受光角15°、25°、45°、75°及び115°の
条件で、あおり角0°、15°の場合について、ΔE*
の値は約2.4〜4.3、ΔL*の値は約1.3〜2.
5、Δa*の値は約1.5〜2.0、及び、Δb*の値
は約1.4〜2.8の範囲内であり、両者はよく一致し
ていることが判った。
【0073】(8)変角分光反射率の計算−3 CRT上に表示された二つの塗色の3次元CG画像を、
コンピュータのグラフィックユーザーインターフェイス
を用いてを混合比率を指定し、予測変角分光反射率を計
算し、CRT上に表示した。使用条件は以下のとおりで
ある。 出発塗色 配合1.シャニンブルーG−314/中粒径アルミフレ
ーク=100/50配合 2.シャニンブルーG−314/ゴールド干渉マイカ=
100/20 指定混合比率 配合1/配合2=1.5/1
【0074】CRT上に表示された混合塗色のCG画像
は、別に、指定混合比率の塗色を調製し、塗板に塗布し
たものと目視により比較したところ、殆ど差異を認めな
かった。
【0075】
【発明の効果】本発明により、所定の光輝材及び着色顔
料の配合比率における反射率を上記データからコンピュ
ータを利用して波長ごとに計算することができる。本発
明においては、このような反射率のデータが表す配合比
率に依存する反射率変化を考慮して混合塗色の変角分光
反射率を正確に予測することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を表すブロック図
【図2】本発明の方法を表すブロック図
【図3】変角分光光度計の概念図
【図4】入射角、受光角、あおり角を表す概念図
【図5】配合比率の変化による波長ごとの反射率変化の
プロファイルを表す図
【図6】着色顔料の種類による反射率変化のプロファイ
ルを表す図
【図7】シャニンブルーG−314/中粒系アルミフレ
ーク系塗色の反射率の配合比率依存性を表す図
【図8】シャニンブルーG−314/シルバーパールマ
イカ系塗色の反射率の配合比率依存性を表す図
【図9】ペリンドマルーンR−6436/高輝度アルミ
フレーク系塗色の反射率の配合比率依存性を表す図
【図10】デグサカーボンFW−200/中粒径アルミ
フレーク系塗色の反射率の配合比率依存性を表す図
【図11】シンカシャレッドYRT−759D/中粒径
アルミフレーク系塗色の反射率の配合比率依存性を表す
【図12】シャニンブルーG−314/高輝度アルミフ
レーク系塗色の反射率の配合比率依存性を表す図
【図13】ペリンドマルーンR−6436/中粒径アル
ミフレーク系塗色の反射率の配合比率依存性を表す図
【図14】〔デグサカーボンFW−200/シャニンブ
ルーG−314〕/中粒径アルミフレーク(着色顔料/
光輝材=1/1)系塗色の反射率の配合比率依存性を表
す図
【図15】〔パリオトロールエロー2140HD/シャ
ニンブルーG−314〕/中粒径アルミフレーク(着色
顔料/光輝材=1/1)系塗色の反射率の配合比率依存
性を表す図
【図16】ヒルトンデービス30−1005/シャニン
ブルーG−314/中粒径アルミフレーク(着色顔料/
光輝材=1/1)系塗色の反射率の配合比率依存性を表
す図
【図17】パリオトールエロー2140HD/中粒径ア
ルミフレーク系塗色の反射率の配合比率依存性を表す図
【図18】シャニンブルーG−314/中粒径アルミフ
レーク系塗色の反射率の配合比率依存性を表す図(但
し、入射角45°、受光角(正反射からの偏角で表し
て)45°、あおり角15°)
【図19】シャニンブルーG−314と光輝材との組み
合わせによる波長460nmにおける反射率の配合比率
依存性を表す図
【図20】シャニンブルーG−314と光輝材との組み
合わせによる波長500nmにおける反射率の配合比率
依存性を表す図
【図21】シャニンブルーG−314と光輝材との組み
合わせによる波長590nmにおける反射率の配合比率
依存性を表す図
【図22】シャニンブルーG−314/中粒径アルミフ
レーク系塗色の波長480nmにおける反射率の反射率
の受光角依存性を表す図
【図23】シャニンブルーG−314/中粒径アルミフ
レーク系塗色の波長560nmにおける反射率の反射率
の受光角依存性を表す図
【図24】シャニンブルーG−314/中粒径アルミフ
レーク系塗色の波長680nmにおける反射率の反射率
の受光角依存性を表す図
【図25】シャニンブルーG−314/高輝度アルミフ
レーク系塗色の反射率の受光角(正反射からの偏角で表
して)15°におけるあおり角依存性を表す図
【図26】シャニンブルーG−314/高輝度アルミフ
レーク系塗色の反射率の受光角(正反射からの偏角で表
して)45°におけるあおり角依存性を表す図
【図27】シャニンブルーG−314/高輝度アルミフ
レーク系塗色の反射率の受光角(正反射からの偏角で表
して)115°におけるあおり角依存性を表す図
【符合の説明】
R1 試料照射光 R2 白色拡散板照明光 B1 試料反射光 B2 白色拡散板反射光 1 変角分光測色装置 2 照光器 3 試料回転台 4 分光器 5 ハロゲンランプ 6、8、13、20 反射鏡 7、9、15 集光レンズ 10 試料 11 白色拡散板 12、19 減光板 14 セクター 16 スリット 17 回折格子 18 受光素子

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光輝材及び着色顔料の配合比率に依存す
    るメタリック−パール系塗色の反射率データから、所定
    の配合比率におけるメタリックパール系塗色の変角分光
    反射率分布を予測する方法であって、前記反射率データ
    から、光輝材及び着色顔料の配合比率に依存する反射率
    変化を表す係数を波長ごとに導出し、前記係数を用いて
    所定の配合比率におけるメタリックパール系塗色の変角
    ごとの反射率を波長ごとに算出することを特徴とするメ
    タリック−パール系塗色の変角分光反射率分布を予測す
    る方法。
  2. 【請求項2】 光輝材及び着色顔料の配合比率に依存す
    るメタリック−パール系塗色の反射率データは、メタリ
    ック−パール系光輝材と着色顔料との配合比率を変化さ
    せた、変角ごとの塗色の反射率の、波長ごとの変化を表
    すデータである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 メタリック−パール系光輝材と着色顔料
    との配合比率は、重量比でメタリック−パール系光輝材
    /着色顔料=1/100、2/100及び5/100を
    一組とし、この一組の配合比率の10-2倍、10-1倍、
    100 倍、10倍、102 倍、103 倍、104 倍及び
    105 倍からなる系列の全部又は一部である請求項2記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 光輝材及び着色顔料の配合比率に依存す
    るメタリック−パール系塗色の反射率データは、複数の
    メタリック−パール系塗色を混合する比率を変化させ
    た、変角ごとの塗色の反射率の、波長ごとの変化を表す
    データであり、前記データから導出した前記配合比率に
    依存する波長ごとの係数を用いて、複数のメタリック−
    パール系塗色を所定の混合比率で混合した場合の変角分
    光反射率を導出する請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 配合比率に依存する反射率変化を表す係
    数は、前記反射率データから導かれたメタリック−パー
    ル系光輝材及び着色顔料の配合比率に対する所定の入射
    角、受光角及びあおり角における塗色の反射率を、波長
    ごとに規定する関数から導出されるものである請求項1
    〜4記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記関数は、反射率の対数値と配合比率
    の対数値との初等関数である請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 着色顔料が同一である塗色にあっては、
    メタリック−パール系光輝材の種類によらず同一種類の
    関数を適用する請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 配合比率の対数値の変化に対する反射率
    の対数値の変化の割合が波長ごとに異なる範囲と、配合
    比率の対数値の変化に対する反射率の対数値の変化の割
    合が波長ごとに実質的に異ならない範囲において、それ
    ぞれ異なる初等関数を適用し、かつ、前記初等関数は、
    2〜5組の反射率と配合比率とで規定されるものである
    請求項6又は7記載の方法。
  9. 【請求項9】 配合比率に依存する反射率変化を表す係
    数は、メタリック−パール系塗色の反射率を含む欄とそ
    の塗色の光輝材及び着色顔料の配合比率を含む欄とから
    なるテーブル形式に配列されるものである請求項1〜4
    記載の方法。
  10. 【請求項10】 分光波長390〜730nmの範囲に
    ついて、波長5〜10nmごとに反射率を計算する請求
    項1〜9記載の方法。
  11. 【請求項11】 所定の入射角と受光角との組につい
    て、メタリック−パール系光輝材と着色顔料との配合比
    率の変化による変角ごとのメタリック−パール系塗色
    の、波長ごとの反射率変化から、前記配合比率に依存す
    る反射率変化を表す係数を分光波長ごとに導出し、前記
    係数を用いて複数のメタリック−パール系塗色を所定の
    混合比率で混合した塗色の受光角ごとの反射率を、波長
    ごとにコンピュータを利用して算出した後、更に、予め
    求めたあおり角による反射率の波長ごとの関係を用い
    て、所定のあおり角における各波長の反射率を求める請
    求項1〜10記載の方法。
  12. 【請求項12】 複数のメタリック−パール系塗色を3
    次元コンピュータグラフィックスを用いて表示装置に表
    示し、コンピュータ上のグラフィックユーザーインター
    フェイスにより前記メタリック−パール系塗色の混合比
    率を任意に指定し、前記指定の混合比率に対応するメタ
    リック−パール系光輝材と着色顔料との配合比率におけ
    る塗色の予測変角分光反射率分布を請求項1〜11記載
    の方法により求め、かくして求めた予測変角分光反射率
    分布に基づいて前記混合塗色を前記表示装置に表示する
    ことを特徴とするメタリック−パール系塗色の混合塗色
    の再現方法。
JP15747298A 1998-06-05 1998-06-05 メタリック−パール系塗色の変角分光反射率分布を予測する方法 Pending JPH11351964A (ja)

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