JP7383793B2 - 見本色と目標色とのスペクトル類似性を数値化するための方法およびシステム - Google Patents

見本色と目標色とのスペクトル類似性を数値化するための方法およびシステム Download PDF

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Description

本開示は、少なくとも1個の見本コーティングと目標コーティングとのスペクトル類似性を数値化するためのマッチメトリックを提供するための方法およびシステムを参照する。
一般に、着色ベースの仕様は、CIELab色空間(CIEL色空間としても知られる)内で定義/表現される基本色を使用することによって、決定される。CIELab色空間は、3個の値L、aおよびbとして色を表現する1976年に国際照明委員会(CIE:International Commission on Illumination)によって定義された色空間である。実際には、空間は、通常、デジタル表現の3次元整数空間へとマップされ、したがって、L、aおよびb値は通常は、所定の範囲を有して、絶対値である。Lは、明るさを表し、そこで、L軸は、L=0において黒およびL=100において白を表し、a軸は、緑(負の軸)から赤(正の軸)に及び、b軸は、青(負の軸)から黄色(正の軸)に及ぶ。
見本色を目標色と比較および/または調節するために、CIELab色空間内の色差dEが、使用され得、色差dEは、以下によって定義される:
Figure 0007383793000001
しかしながら、小さな色差dEを有する公式、公式(1)を参照、は、染色、すなわち、目標色において使用される顔料組合せ、が正確に調節され得ることを保証することができない。目標色の染色を再現するために、スペクトル分析を用いた着色ベースの詳細な特徴付けが、必要とされる。したがって、スペクトル曲線は、異なる波長値、たとえば、400nmから700nmの範囲内、で測定される反射率値に基づいて、決定される。さらに、スペクトル曲線は、異なる測定ジオメトリについて、すなわち、異なる視野角でおよび/または異なる照明角度で、捕捉される。しかしながら、そのようなスペクトル曲線の単なる視覚的概観は、目標色と見本色との類似性および差を識別するのに十分ではない。これまで、目標色の染色の識別には時間と費用がかかり、そのプロセスは、多くの場合、CIELab色空間内の色座標の単なる近似にとどまっている。
したがって、以下で見本コーティングとも称される、見本色と、以下で目標コーティングとも称される、目標色とのスペクトル類似性を数値化する可能性を提供することが、本開示の目的である。
本開示は、独立クレームの特徴を有するシステムおよび方法を提供する。実施形態は、従属クレームおよび本明細書および図面の主題である。
今日、色マッチングおよび調節プロセスは、マルチアングル分光計、たとえば、Byk-Mac(登録商標)IまたはXRite MA(登録商標)-Tファミリの分光計、で行われるデジタル色測定に基づく。色コーティングの反射率は、いくつかのジオメトリ(照明および観測方向/角度)から測定される。通常のメジャージオメトリは、コーティングの面法線に対して測定される45°における固定照明角度と、反射角、すなわち、正反射方向、に対してそれぞれ測定される-15°、15°、25°、45°、75°、110°の視野角とであり、正反射方向は、それぞれの光線の到来方向と色コーティング面の法線に対して同じ角度を成す出射方向として定義される。視野角を一定に保つことおよび照明角度を変更することもまた可能である。
色マッチングおよび調節プロセスの知られている基本構造は、以下の工程を含む:
1.目標色のスペクトル(反射率)曲線、すなわち、目標コーティング(スペクトル曲線)、を測定する。
2.見本色のスペクトル(反射率)曲線、すなわち、見本コーティング(スペクトル曲線)、を測定する。
3.それぞれのコーティングがCIELab色空間(LabまたはLCh値)において記述される、目標色および見本色の、すなわち、目標コーティングおよび見本コーティングの、色値を計算する。
4.「コスト関数」のメトリック、たとえば、目標色と見本色との間の累積色差メトリック、すなわち、すべてのジオメトリの目標および見本コーティング、たとえば、CIEdE、公式(1)を参照、を決定する。
5.色差メトリック(「コスト関数」)が最小化される(色マッチングアルゴリズムによって通常は行われる)ように、見本コーティングの配合組成を修正する。
しかしながら、前述のように、見本コーティングの染色は、許容できない様式で目標コーティングの染色をさらに逸脱し得るので、色差のみに基づいて、すなわち、色差メトリックのみを使用して、マッチングプロセスを実行することは、十分ではないことが多い。したがって、目標コーティングの染色を十分に説明するために、色差メトリックなどの既存のメトリックを補う更なるメトリックを提供することが望ましいことになる。
本開示は、目標コーティングおよび少なくとも1個の見本コーティングのスペクトル曲線の類似性を数値化するためのマッチメトリックを提供するためのコンピュータ実施方法を、請求項1に従って、提供し、本方法は、以下の工程を少なくとも含む:
a)目標コーティングの反射率値は、1個または複数の測定ジオメトリにおいて決定され、具体的には1個または複数の測定ジオメトリにおいて測定され、見本コーティングの反射率値は、1個または複数の測定ジオメトリにおいて決定され、具体的には1個または複数の測定ジオメトリにおいて測定される、目標コーティングの反射率値および見本コーティングの反射率値を、いくつかの波長値について、通信インターフェースを介して、取得する工程と、
少なくとも1個のプロセッサによって:
b)スケーリング関数、具体的には非線形スケーリング関数、を使用することによって、1個または複数の測定ジオメトリのそれぞれにおいて決定された、たとえば、1個または複数の測定ジオメトリのそれぞれにおいて測定された、目標コーティングの反射率値と1個または複数の測定ジオメトリのそれぞれにおいて決定された、たとえば、1個または複数の測定ジオメトリのそれぞれにおいて測定された、見本コーティングの反射率値とのそれぞれを正規化する工程と、
c)各波長値の目標コーティングの正規化された反射率値に基づく目標コーティングの正規化された反射率曲線、および各波長値の見本コーティングの正規化された反射率値に基づく見本コーティングの正規化された反射率曲線を生成する工程と、
d)波長に関する目標コーティングの正規化された反射率曲線の正規化された第1の微分値および波長に関する見本コーティングの正規化された反射率曲線の正規化された第1の微分値を、いくつかの波長値について、生み出す工程と、
e)目標コーティングの正規化された反射率曲線の正規化された第1の微分値と見本コーティングの正規化された反射率曲線の正規化された第1の微分値との差値を、いくつかの波長値の各波長値について、生み出す工程と、
f)いくつかの波長値のすべてについての差値に基づいて目標コーティングと見本コーティングとの正規化された反射率曲線の類似性についてのマッチメトリックを生み出す工程と、
g)ユーザについての生み出されたマッチメトリックを、出力デバイスを使用して、出力する工程。
本開示のさらなる一態様によれば、本方法はさらに、以下の工程を含む:
h)(現存する色差メトリックと比べて)制約としての目標コーティングと見本コーティングとの間のスペクトル曲線の類似性のマッチメトリックを最小化するように見本コーティングの最初の配合組成を修正する工程。
さらなる態様によれば、見本コーティングの最初の配合組成は、L、a、b値などのコーティング配合組成および相関色特徴と任意のきらめき値または粗さ値などのテクスチャ特徴とを含むデータベースから1個または複数の予備的マッチング配合組成のうちの1つとして取得される。それは、目標コーティングから開始して、色および任意にテクスチャデータが目標コーティングのそれらと等しいまたは少なくとも類似している1個または複数の予備的マッチング配合組成についてデータベースにおいて先ず検索される、すなわち、色および任意にテクスチャマッチングアルゴリズムを使用して1個または複数の予備的マッチング配合組成と目標コーティングとの間の色差および任意にテクスチャ差が最小である、ことを意味する。
それは、見本コーティングの最初の配合組成/処方は、事前に与えられ得る、あるいはコーティング合成物の配合組成および相関外観データを含む配合組成データベースから選択され得る、ということを意味する。本明細書では、「外観」は、それによってコーティングが見られるまたは認識される視覚的経験/知覚を指す。したがって、外観は、色、形状、テクスチャ、きらめき、輝き、光沢、透明性、不透明性およびコーティングの他の視覚的効果、あるいはその組合せを含み得る。「修正すること」は、1個または複数の構成要素を最初の処方に混ぜることおよび/または最初の処方から1個または複数の構成要素を省くことおよび/または最初の処方の1個または複数の構成要素のそれぞれの濃度/量を変更すること、それにより、色差メトリックおよび本明細書で開示されるようなマッチメトリックによって表現されるスペクトル類似性などの、異なるメトリックによって表現され得るその外観に関する目標色とよりよくマッチする修正された処方を取得することを含む。
見本コーティングと目標コーティングとの「スペクトル類似性」という用語は、見本コーティングのスペクトル(反射率)曲線の形状と目標コーティングのスペクトル(反射率)曲線の形状との類似性として理解されるべきである。
提案されている方法は、2個の反射率曲線の間のスペクトル類似性の特徴を述べるためにマッチメトリックを提供する。マッチメトリックの値は、目標コーティングの染色と見本コーティングの染色との類似性を数値化するための手段として機能する。さらに、マッチメトリックのすべての可能な値は、色マッチングプロセスにおいて使用される他のメトリック、たとえば、CIELab色空間において定義される既に述べた色差メトリックdE、のために使用されるそれらのスケールに対応するまたはそのようなスケールと少なくとも比較可能なスケールの範囲内に存在する。マッチメトリックのより小さい値は、より良いスペクトル類似性を表し、マッチメトリックのより高い値は、2個の考慮される反射率曲線の間のより粗悪なスペクトル類似性を表す。
低いスペクトル類似性メトリックは、見本コーティングの配合組成の染色が、目標コーティングのために使用された染色と同じではない、ということを示す。それは、見本コーティングの染色は、目標コーティングとマッチするために最適ではない、ということを意味する。
反射率曲線、以下スペクトル曲線とも称される、は、異なる波長値におけるおよび特定のメジャージオメトリにおけるコーティングの反射率挙動を本開示の範囲内で説明する。各メジャージオメトリについて、別個の反射率曲線が、決定、たとえば測定、されることになる。本開示の範囲において、「メジャージオメトリ」および「測定ジオメトリ」という用語は、同義的に使用される。
本開示の範囲において、「見本コーティング」という用語は、色、すなわち、見本処方に従って製造されたおよび表面にコーティングされた塗料層、を指す。「目標コーティング」という用語は、色、すなわち、基礎となる処方が知られていないおよび可能な限り最もよく複製されるべき表面にコーティングされる塗料層、を指す。
提案されている方法の1個の可能な実施形態によれば、工程d)はさらに、以下を含む:
d2)波長に関する、それぞれに、目標コーティングのおよび見本コーティングの正規化された反射率曲線の正規化された第1の微分値を角度表現へと変換する工程。
提案されている方法の1個の実施形態によれば、目標コーティングのおよび見本コーティングの正規化された反射率曲線の正規化された第1の微分値は、それぞれに、以下の公式による2次元ベクトルとして各波長値について、表される:
Figure 0007383793000002
尚、
Figure 0007383793000003
そこで、
Figure 0007383793000004
は、波長値λにおける目標コーティングの正規化された反射率値を示し、
Figure 0007383793000005
は、波長値λi+1における目標コーティングの正規化された反射率値を示し、
Figure 0007383793000006
は、波長値λにおける見本コーティングの正規化された反射率値を示し、
Figure 0007383793000007
は、波長値λi+1における見本コーティングの正規化された反射率値を示し、kは、たとえば、k=0005を有する、非線形減衰パラメータであり、そして
Figure 0007383793000008
は2個の正規化されたベクトル
Figure 0007383793000009
との間の角度を示し、ベクトル
Figure 0007383793000010
はλにおける目標コーティングの反射率曲線の正規化された勾配を示し、ベクトル
Figure 0007383793000011
はλにおける見本コーティングの反射率曲線の正規化された勾配を示す。したがって、
Figure 0007383793000012
は、波長値λにおける両方のスペクトル曲線の間の一種の正規化された差値/角度を示す。
1個の態様によれば、いくつかの波長値の波長値が、最小波長値から最大波長値までの間隔から選択され、最小波長値は約420nmであり、最大波長値は約680nmであり、すなわち:
λ=λmin,...,λmax
λmin≒420nm
λmax≒680nm
そこで、λminとλmaxとの間の測定反射率値の数は、nであり、それぞれの反射率値のインデックスi∈[0,...,(n-1)]である。
人間の目は、具体的には、400nmから700nmの範囲内で動作するので、波長値のこの範囲は、高度に関連する。420nmより低いスペクトル範囲は、たとえばUVブロッカのようなコーティング内の添加物によって引き起こされる測定不確実性のため、分析から除外され得る。680nmより高いスペクトル範囲は、隠蔽力および基板色との結果的干渉に関する塗料層の制限のため、分析から除外され得る。
目標コーティングに関連する色および見本コーティングに関連する色が、同じ点上またはCIELab空間内の隣接する点上に存在する場合でも、提案されるマッチメトリックは、目標コーティングと見本コーティングとの差を識別することを可能にする。したがって、結果として生じるメタメリズム効果を有する非最適な染色が、考慮および識別され得る。
目標コーティングの正規化されたスペクトル反射率曲線は、正規化された反射率値
Figure 0007383793000013
によって与えられる/定義される。
見本コーティングの正規化されたスペクトル反射率曲線は、正規化された反射率値
Figure 0007383793000014
によって与えられる/定義される。
比較を目的として、反射率値は、具体的には以下のような、非線形スケーリング関数fref,smpとして選択されるスケーリング関数によって正規化される:
Figure 0007383793000015
尚、
Figure 0007383793000016
尚、
Figure 0007383793000017
そこで、Rref/smp,centerは、以下によって与えられる:
Figure 0007383793000018
尚、
Figure 0007383793000019
そこで、
Figure 0007383793000020
は、
Figure 0007383793000021
の両方を示し、
Figure 0007383793000022
は、波長値λにおける目標コーティングの反射率値であり、
Figure 0007383793000023
は、波長値λにおける見本コーティングの反射率値である。
非線形スケーリング関数fref,smpは、XYZ色空間からCIELab色空間への色の変換のための輝度(L)アルゴリズムを指す。Lメトリックは、人間の目の明るさの対数応答を模倣することを意図されている。スケーリング関数は、明るさの知覚可能性を線形化することを試みる。
提案されている方法の1個の態様によれば、以下でdShapeと称されるマッチメトリックは、以下のように選択される:
Figure 0007383793000024
そこで、nは整数であり、kは、たとえば、k=065を有する、線形倍率である。
提案されている方法のさらなる態様によれば、マッチメトリックは、以下のように選択される:
Figure 0007383793000025
そこで、nは整数であり、
Figure 0007383793000026
は、たとえば、
Figure 0007383793000027
を有する、線形倍率である。
パラメータkおよびパラメータk
Figure 0007383793000028
は、第1のマッチメトリック値dShape、dShapeのスケールをともに定義する(前述の公式を参照)ように自由に選択可能である。
提案されている方法は、スケール、すなわち、CIELab色空間のおよび、たとえば、明るさ差メトリックdLおよび色差メトリックdEのような、CIELab色空間において定義される色距離メトリックのスケール空間と比較可能なスケール空間、において値を生み出すマッチメトリックを提供する。したがって、全体図における比色分析データの解釈が、容易にされるように、この標準色空間において定義される、および色マッチング、調節および検索プロセスにおいて使用可能なすべての比色分析データが、比較可能なスケールにおいて提供され得る。スケーリング関数のため、マッチメトリックの取得された値は、目標コーティングの絶対色座標にかかわらず、特にその明るさLにかかわらず、解釈され得る。
一般に、その色差dE、任意にまたそのテクスチャ差、そのきらめき差dSおよびその粒状性差dG、および、すべてのメトリックが個別に、すなわち、そのままで、考慮されるときにその新しく計算されたマッチメトリックdShapeが最小である、データベースから取得される処方を決定することが意図されている。
ベストマッチング処方のさらなる訂正/修正は、たとえば、すべての考慮されるメトリックをともに加えること:dE(or dL+da+db)+dShape(任意に:+dS+dG+...)、恐らくは各被加数が適切に重み付けされること、および適宜にそのようなコスト関数を最小化することによって、すべてのそれらの考慮されるメトリックを結合するコスト関数を使用して実行される。
別法として、データベースから予備的マッチング処方を事前に選択しないが、異なるメトリックを結合するそのようなコスト関数を使用してベストマッチング処方を直接に計算すること、すなわち、ベストマッチング処方を最初から計算することもまた可能である。
提案されている方法のさらなる実施形態によれば、少なくとも1個の測定ジオメトリが、反射角に対してそれぞれ測定される、-15°、15°、25°、45°、75°および110°を含むグループから選択される。
具体的には、それぞれに、塗料における、すなわち、目標コーティングおよび見本コーティングにおける、染色に関する特徴情報は、測定されたスペクトル曲線の、具体的には測定された反射率曲線の、それぞれの形状において含まれる。本開示の範囲において、「スペクトル曲線」、「スペクトル反射率曲線」および「反射率曲線」という用語は、同義的に使用される。顔料は、通常は、スペクトル曲線において特徴的な指紋を生み出す典型的な吸収および散乱特性を有する。目標色の必要とされる/最適な染色の分析のために、反射率値の絶対強度は、正規化されたスペクトル曲線の第1の微分値によってエンコードされ得る、反射率/スペクトル曲線の形状よりも重要ではない。
本開示によれば、有用なメトリックは、目標コーティングおよび見本コーティングのそれぞれの正規化されたスペクトル曲線の正規化された第1の微分(値)の差、すなわち、差値、である。このマッチメトリックは、スペクトル曲線の形状に関する情報を含み、反射率値の絶対強度に関する情報を含まない。
マッチメトリックとしてそれぞれの正規化されたスペクトル曲線の正規化された第1の微分(値)を使用するための戦略はまた、色検索、マッチングおよび調節の分野における他のメトリックと、たとえば、色差メトリックおよび任意にテクスチャ差メトリックと、前述のように、結合され得る。
本開示はさらに、目標コーティングおよび少なくとも1個の見本コーティングのスペクトル曲線の類似性を数値化するためのマッチメトリックを提供するためのシステムを参照し、システムは、以下を備える:
A)計算デバイス、
B)コンピュータプログラム製品であって、コンピュータプログラム製品は、計算デバイスに機能的に結合されたコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータ実行可能コードを含み、動作中に計算デバイスに計算プロセスを実行させ、計算プロセスは、以下の工程を含む:
B1)目標コーティングの反射率値が、1個または複数の測定ジオメトリにおいて決定され、具体的には測定され、見本コーティングの反射率値が、1個または複数の測定ジオメトリにおいて決定される、具体的には測定される、目標コーティングの反射率値および見本コーティングの反射率値を、いくつかの波長値について、通信インターフェースを介して、受信する工程と、
B2)非線形スケーリング関数を使用することによってそれぞれの1個または複数の測定ジオメトリにおいて決定された目標コーティングの反射率値およびそれぞれの1個または複数の測定ジオメトリにおいて決定された見本コーティングの反射率値のそれぞれを正規化する工程と、
B3)各波長値の目標コーティングの正規化された反射率値に基づく目標コーティングの正規化された反射率曲線、および各波長値についての見本コーティングの正規化された反射率値に基づく見本コーティングの正規化された反射率曲線を生成する工程と、
B4)波長に関する目標コーティングの正規化された反射率曲線の正規化された第1の微分値および波長に関する見本コーティングの正規化された反射率曲線の正規化された第1の微分値を、いくつかの波長値について、生み出す工程と、
B5)目標コーティングの正規化された反射率曲線の正規化された第1の微分値と見本コーティングの正規化された反射率曲線の正規化された第1の微分値との差値を、いくつかの波長値の各波長値について、生み出す工程と、
B6)いくつかの波長値のすべてについての差値に少なくとも基づいて目標コーティングと見本コーティングとの正規化された反射率曲線の類似性のマッチメトリックを生み出す工程と、
B7)生み出されたマッチメトリックをユーザに、出力デバイスを使用して、出力する工程。
提案されるシステムの可能な実施形態によれば、システムはさらに、以下を含む:
C)色測定デバイス、
D)コーティング合成物の処方および相関比色分析データを含む配合組成データベース、
そこで、計算デバイスは、色測定デバイスおよび配合組成データベースに機能的に結合されている。
一般に、色測定デバイスは、分光計、具体的には、マルチアングル分光計、たとえば、Byk-Mac(登録商標)IまたはXRite-MA(登録商標)Tファミリの分光計、である。
出力デバイスはまた、システムの構成要素であり得る。
システムの別の実施形態によれば、計算プロセスはさらに、目標コーティングおよび少なくとも1個の見本コーティングの色のマッチングのための色取得プロセスを含み、マッチングプロセスは、以下の工程を少なくとも含む:
B8)見本比色分析データに基づいて配合組成データベースから1個または複数の予備的マッチング処方を取得する工程、
B9)色差(色差メトリック)およびテクスチャ差(テクスチャ差メトリック)のような他の比色分析メトリックと比べてマッチメトリックを最小化するように1個または複数の予備的マッチング処方から少なくとも1個を選択する工程。
請求項に係るシステムのさらに別の実施形態によれば、計算プロセスはさらに、以下の工程を含む
B10)色差および任意にテクスチャ差のような他の比色分析メトリックと比べてマッチメトリックを最小化するように見本コーティングの最初の処方、具体的には選択された少なくとも1個の予備的マッチング処方、を修正する工程。
一般に、少なくとも色測定デバイス、計算デバイスおよび配合組成データベースは、それぞれの通信接続を介して互いにネットワーク化される。システムの異なる構成要素の間の通信接続のそれぞれは、それぞれに、直接接続または間接接続でもよい。各通信接続は、有線またはワイヤレス接続でもよい。それぞれの適切な通信技術が、使用され得る。配合組成データベース、色測定デバイス、計算デバイスは、それぞれ、互いと通信するための1個または複数の通信インターフェースを含み得る。そのような通信は、有線データ送信プロトコル、たとえば、ファイバ分散データインターフェース(FDDI:fiber distributed data interface)、デジタル加入者線(DSL:digital subscriber line)、イーサネット、非同期転送モード(ATM:asynchronous transfer mode)、または任意の他の有線送信プロトコルを使用して、実行され得る。別法として、通信は、様々なプロトコル、たとえば、汎用パケット無線サービス(GPRS:General Packet Radio Service)、ユニバーサル移動通信システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunications System)、符号分割多元アクセス(CDMA:Code Division Multiple Access)、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、ワイヤレスユニバーサルシリアルバス(USB:Universal Serial Bus)、および/または任意の他のワイヤレスプロトコル、のいずれかを使用するワイヤレス通信ネットワークを介してワイヤレスでもよい。それぞれの通信は、ワイヤレスおよび有線通信の組合せでもよい。
計算デバイスは、1個または複数の入力デバイス、たとえば、タッチスクリーン、オーディオ入力、移動入力、マウス、キーパッド入力および/または同類のもの、を含み得るまたはそれらと通信し得る。さらに、計算デバイスは、1個または複数の出力デバイス、たとえば、オーディオ出力、ビデオ出力、画面/ディスプレイ出力、および/または同類のもの、を含み得るまたはそれらと通信し得る。
本発明の実施形態は、スタンドアロンユニットでもよくあるいは、ネットワーク、たとえば、インターネットまたはイントラネットなど、を介して、たとえば、クラウド内に位置付けられた、中央コンピュータと通信する1個または複数のリモート端末またはデバイスを含み得るコンピュータシステムで使用され得るあるいはそれに組み込まれ得る。したがって、本明細書に記載の計算デバイスおよび関連構成要素は、ローカルコンピュータシステムまたはリモートコンピュータもしくはオンラインシステムの一部分またはその組合せでもよい。本明細書に記載の配合組成データベースおよびソフトウェアは、コンピュータ内部メモリにまたは非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され得る。
本開示の範囲内で、データベースは、データ記憶ユニットの一部でもよい、またはデータ記憶ユニット自体を表し得る。「データベース」および「データ記憶ユニット」という用語は、同義的に使用される。
本開示は、色検索、マッチングおよび調節の分野における他のメトリック、たとえば、色差、きらめき差、フロップ差など、と結合され得るメトリックとしてマッチメトリックを説明する。すべてのそのような異なるメトリックの値範囲は、比較可能なスケール空間内に存在するので、マッチメトリックの解釈は、他のメトリックでの概観において容易にされる。
提案されている方法およびシステムは、色マッチングおよび調節プロセスのよりよい収束を可能にする。さらに、それぞれの研究室において必要とされる努力は、色開発についておよび顧客サービスのマッチングについて低減され得る。全体としての色マッチングプロセスは、より信頼性が高く、より速い。
本発明はさらに、以下の例において定義される。これらの例は、本発明の好ましい実施形態を示すことによって、単に例示として与えられている、ということを理解されたい。前述の論考および例から、当業者は、本発明の本質的特徴を確認することができ、その趣旨および範囲を逸脱せずに、本発明の様々な変更および改良を行ってそれを様々な使用および条件に適合させることができる。
目標コーティングおよび見本コーティングのスペクトル反射率曲線の図表を示す。 図1の目標コーティングのスペクトル反射率曲線および、各スペクトル反射率曲線についての、目標コーティングの平均反射率値の図表を示す。 特定の領域が囲まれた、図1のスペクトル反射率曲線の図表を示す 拡大表示された、図3aの囲まれた領域を示す。 図3bの囲まれた領域における目標コーティングの反射率曲線の勾配を示すベクトルを示す。 図3bの囲まれた領域における見本コーティングの反射率曲線の勾配を示すベクトルを示す。 図3cのベクトルと図3dのベクトルとの間の角度を示す。 提案されている方法の一実施形態によって提供されるものとしてのマッチメトリックの値の例を図4aから4kにおいて示す。 提案されるシステムの一実施形態を概略的に示す。
図1は、正規化されたスペクトル測定値、すなわち、異なる視野角における目標コーティングおよび見本コーティングの正規化されたスペクトル反射率曲線、を示す。金属着色見本コーティングの内面双方向反射率は、マルチアングル分光計、たとえば、Byk-Mac(登録商標)IまたはXRite MA(登録商標)-Tファミリの分光計、を使用して、測定された。見本コーティングの反射率は、いくつかのジオメトリから、すなわち、コーティングの面法線に対して測定された45°の所与の照明角度および、反射角に対してそれぞれ測定された、-15°、15°、25°、45°、75°、110°の視野角で、測定される。
入射光束の波長は、水平軸110に沿ってプロットされる。見本コーティングのおよび目標コーティングの正規化された反射率は、垂直軸120に沿ってプロットされる。測定された反射率値は、スケーリング関数fref/smpを使用して、正規化される:
Figure 0007383793000029
尚、
Figure 0007383793000030
尚、
Figure 0007383793000031
そこで、Rref,/smp,centerは、以下によって与えられる:
Figure 0007383793000032
尚、
Figure 0007383793000033
曲線130は、-15°の視野角において測定された目標コーティングの反射率を示し、曲線135は、-15°の視野角において測定された見本コーティングの反射率を示す。それぞれに15°の視野角において測定された、曲線140は、目標コーティングの反射率を示し、曲線145は、見本コーティングの反射率を示す。それぞれに25°の視野角において測定された、曲線150は、目標コーティングの反射率を示し、曲線155は、見本コーティングの反射率を示す。それぞれに45°の視野角において測定された、曲線160は、目標コーティングの反射率を示し、曲線165は、見本コーティングの反射率を示す。それぞれに75°の視野角において測定された、曲線170は、目標コーティングの反射率を示し、曲線175は、見本コーティングの反射率を示す。それぞれに110°の視野角において測定された、目標コーティングの反射率曲線および見本コーティングの反射率曲線は、フロップ角度45°、75°および110°では、それぞれ、小さい反射率値しか測定されないので、ここでの表現においては、反射率曲線170、175から区別され得ない。さらに、波長に依存するそれぞれの曲線の形状の小さなばらつきのみが、観測される。
反射率が分析されるいくつかの波長値の波長値が、最小波長値から最大波長値までの間隔から選択され、最小波長値は約420nmであり、最大波長値は約680nmである、すなわち:
λ=λmin,...,λmax
λmin≒420nm
λmax≒680nm
そこで、λminとλmaxとの間の分析される反射率値の数は、nであり、それぞれの反射率値のインデックスi∈[0,...,(n-1)]である。
図2は、図1の目標コーティングのスペクトル反射率曲線の図表および、各スペクトル反射率曲線についての、それぞれ破線で示された、目標コーティングの平均反射率値131、141、151、161、171を示す。
図3aは、特定の領域133が囲まれた、図1の正規化されたスペクトル反射率曲線の図表を示す。
図3bは、拡大表示された、図3aの囲まれた領域133を示す。2個の反射率曲線130および135の交点134は、以下において考察される。
図3cは、図3bの囲まれた領域133における、具体的には交点134における、目標コーティングの反射率曲線の正規化された勾配(=正規化された微分値)を示すベクトルを示す。したがって、λ≒605mからλ+Δλに達する、水平軸110の拡大されたセクション110’のみが示されており、
Figure 0007383793000034
の反射率値を包含する、垂直軸120の拡大されたセクション120’のみが、示されている。それぞれに、目標コーティングの反射率曲線の正規化された第1の微分値および見本コーティングの反射率曲線の正規化された第1の微分値のベクトル表現を用いて、目標コーティングの反射率曲線の正規化された第1の微分値と見本コーティングの反射率曲線の正規化された第1の微分値との差値は、角度
Figure 0007383793000035
として示され得る(図3eを参照)。
図3cに示すように、交点134における目標コーティングの反射率曲線の正規化された第1の微分値は、以下の公式による2次元ベクトル
Figure 0007383793000036
としてλ≒605mについて表される:
Figure 0007383793000037
尚、
Figure 0007383793000038
そこで、
Figure 0007383793000039
は、波長値λにおける目標コーティングの正規化された反射率値を示し、
Figure 0007383793000040
は、波長値λi+1=λ+Δλにおける目標コーティングの正規化された反射率値を示す。kは、k=0005を有する非線形減衰パラメータである。
図3dは、図3bの囲まれた領域における、具体的には交点134における、見本コーティングの反射率曲線の勾配を示す正規化されたベクトルを示す。再び、λ ≒605.mからλ+Δλに達する、水平軸110’の拡大されたセクションのみが、示されている。さらに、反射率値
Figure 0007383793000041
を包含する、垂直軸120の拡大されたセクション120’のみが、示されている。
図3dに示すように、交点134における見本コーティングの反射率曲線の正規化された第1の微分値は、以下の公式による2次元ベクトルとしてλ≒605mについて表される:
Figure 0007383793000042
Figure 0007383793000043
Figure 0007383793000044
は、波長値λにおける見本コーティングの正規化された反射率値を示し、
Figure 0007383793000045
は、波長値λi+1=λ+Δλにおける見本コーティングの正規化された反射率値を示す。kは、非線形減衰パラメータである。
図3eは、図3cのベクトル
Figure 0007383793000046
と図3dのベクトル
Figure 0007383793000047
との間の角度
Figure 0007383793000048
を示し、したがって、この交点134における、すなわち、波長値λ≒605mにおける、目標コーティングの反射率曲線130の勾配(=正規化された微分値)および見本コーティングの反射率曲線135の勾配(=正規化された微分値)の差値を示す。
Figure 0007383793000049
は、2個の正規化されたベクトル
Figure 0007383793000050
Figure 0007383793000051
との間の角度を示し、ベクトル
Figure 0007383793000052
は、λにおける目標コーティングの反射率曲線の勾配を示し、ベクトル
Figure 0007383793000053
は、λにおける見本コーティングの反射率曲線の勾配を示す。したがって、
Figure 0007383793000054
は、一種の差角度/値を示し、以下の公式によって決定される(その余弦):
Figure 0007383793000055
図4は、提案されている方法の一実施形態によって提供されるものとしてのマッチメトリックdShapeの値の例を図4aから4kにおいて示す。
図4aから4kは、それぞれ、目標コーティングの正規化されたスペクトル曲線および見本コーティングの正規化されたスペクトル曲線の図表を示す。波長値は、水平軸410に沿ってプロットされ、最小波長値から最大波長値までの間隔から選択され、最小波長値は420nmであり、最大波長値は680nmである。目標コーティングおよび見本コー沿ってプロットされる。
各図表上で、マッチメトリックdShapeのそれぞれの値、最小波長値wlmin、最大波長値wlmax、非線形減衰パラメータkおよび線形倍率kが、述べられている。
図5は、提案されるシステムの一実施形態を図式的に示す。ここで示されたシステム500は、計算デバイス510、配合組成データベース520、色測定デバイス530、出力デバイス540、入力デバイス550およびコンピュータ可読記憶媒体560を含む。システムはさらに、コンピュータ可読記憶媒体560に記憶されたコンピュータ実行可能コードを含むコンピュータプログラム製品を含む。ここに示された例では、コンピュータ可読記憶媒体560は、計算デバイス510の内部メモリにロードされる。したがって、コンピュータ可読記憶媒体560は、計算デバイス510に機能的に結合される。コンピュータ可読記憶媒体560および計算デバイス510の任意の他の機能的結合が、可能である。コンピュータ可読記憶媒体560は、動作中に計算プロセスを計算デバイス510に実行させ、その計算プロセスは、以下の工程を含む:
B1)目標コーティングの反射率値が、1個または複数の測定ジオメトリにおいて決定され、具体的には測定され、見本コーティングの反射率値が、1個または複数の測定ジオメトリにおいて決定される、具体的には測定される、目標コーティングの反射率値および見本コーティングの反射率値を、いくつかの波長値について、通信インターフェースを介して、受信する工程と、
B2)非線形スケーリング関数を使用することによって、それぞれの1個または複数の測定ジオメトリにおいて決定された目標コーティングの反射率値およびそれぞれの1個または複数の測定ジオメトリにおいて決定された見本コーティングの反射率値のそれぞれを正規化する工程と、
B3)各波長値の目標コーティングの正規化された反射率値に基づく目標コーティングの正規化された反射率曲線、および各波長値の見本コーティングの正規化された反射率値に基づく見本コーティングの正規化された反射率曲線を生成する工程と、
B4)波長に関する目標コーティングの正規化された反射率曲線の正規化された第1の微分値および波長に関する見本コーティングの正規化された反射率曲線の正規化された第1の微分値を、いくつかの波長値について、生み出す工程と、
B5)目標コーティングの正規化された反射率曲線の正規化された第1の微分値と見本コーティングの正規化された反射率曲線の正規化された第1の微分値との差値を、いくつかの波長値の各波長値について、生み出す工程と、
B6)いくつかの波長値のすべてについての差値に少なくとも基づいて目標コーティングと見本コーティングとの正規化された反射率曲線の類似性のマッチメトリックを生み出す工程と、
B7)生み出されたマッチメトリックをユーザに、出力デバイス540を使用して、出力する工程。
配合組成データベース520は、コーティング合成物の処方および相関比色分析データを含み、計算デバイス510に機能的に結合される。
一般に、計算デバイス510に同様に機能的に結合された、色測定デバイス530は、分光計、具体的にはマルチアングル分光計、たとえば、Byk-Mac(登録商標)IまたはXRite-MA(登録商標)-Tファミリの分光計、である。
計算プロセスは、目標コーティングおよび少なくとも1個の見本コーティングの色のマッチングのための色取得プロセスをさらに含むことができ、マッチングプロセスは、以下の工程を少なくとも含む:
B8)見本比色分析データに基づいて1個または複数の予備的マッチング処方を配合組成データベース520から取得する工程と、
B9)色差(色差メトリック)およびテクスチャ差(テクスチャ差メトリック)のような他の比色分析メトリックと比べてマッチメトリックを最小化するように1個または複数の予備的マッチング処方から少なくとも1個を選択する工程。
加えて、計算プロセスは、以下の工程をさらに含み得る
B10)色差および任意にテクスチャ差のような他の比色分析メトリックと比べてマッチメトリックを最小化するように見本コーティングの最初の処方、具体的には選択された少なくとも1個の予備的マッチング処方、を修正する工程。
一般に、少なくとも色測定デバイス530、計算デバイス510および配合組成データベース520は、それぞれの通信接続を介して互いにネットワーク化される。さらに、入力デバイス550および出力デバイス540は、計算デバイス510の一部である、または少なくとも計算デバイス510と機能的に結合される。視覚的比較を「即座に」、すなわち、マッチングプロセスの動作中、可能にするように、目標コーティング、すなわち、目標コーティングのスペクトル曲線、と見本コーティング、すなわち、見本コーティングのスペクトル曲線、との両方を同時に出力デバイス540で示すことが可能である。
110 水平軸
120 垂直軸
130 -15°における反射率曲線
135 -15°における反射率曲線
140 15°における反射率曲線
145 15°における反射率曲線
150 25°における反射率曲線
155 25°における反射率曲線
160 45°における反射率曲線
165 45°における反射率曲線
170 75°における反射率曲線
175 75°における反射率曲線
131 -15°における平均反射率値
141 15°における平均反射率値
151 25°における平均反射率値
161 45°における平均反射率値
171 75°における平均反射率値
133 特定の領域
134 交点
110’ 水平軸110の拡大されたセクション
120’ 垂直軸120の拡大されたセクション
410 水平軸
420 垂直軸
500 システム
510 計算デバイス
520 配合組成データベース
530 色測定デバイス
540 出力デバイス
550 入力デバイス
560 コンピュータ可読記憶媒体

Claims (12)

  1. 目標コーティングと少なくとも1個の見本コーティングとのスペクトル類似性を数値化するためのマッチメトリックを提供するためのコンピュータ実施方法であって、
    a)前記目標コーティングの反射率値が、1個または複数の測定ジオメトリにおいて決定され、前記見本コーティングの反射率値が、1個または複数の測定ジオメトリにおいて決定される、前記目標コーティングの前記反射率値および前記見本コーティングの前記反射率値を、いくつかの波長値について、取得する工程と、
    1個または複数のプロセッサを使用することによって、
    b)スケーリング関数を使用することによって前記1個または複数の測定ジオメトリのそれぞれにおいて決定された前記目標コーティングの前記反射率値および前記1個または複数の測定ジオメトリの前記それぞれにおいて決定された前記見本コーティングの前記反射率値のそれぞれを正規化する工程と、
    c)各波長値の前記目標コーティングの前記正規化された反射率値に基づく前記目標コーティングの正規化された反射率曲線、および各波長値の前記見本コーティングの前記正規化された反射率値に基づく前記見本コーティングの正規化された反射率曲線を生成する工程と、
    d)前記波長に関する前記目標コーティングの前記正規化された反射率曲線の正規化された第1の微分値および前記波長に関する前記見本コーティングの前記正規化された反射率曲線の正規化された第1の微分値を、前記いくつかの波長値について、生み出す工程と、
    e)前記目標コーティングの前記正規化された反射率曲線の前記正規化された第1の微分値と前記見本コーティングの前記正規化された反射率曲線の前記正規化された第1の微分値との差値を、前記いくつかの波長値の各波長値について、生み出す工程と、
    f)前記いくつかの波長値のすべてについての前記差値に少なくとも基づいて前記目標コーティングと前記見本コーティングとの前記正規化された反射率曲線の類似性のマッチメトリックを生み出す工程と、
    g)ユーザのために前記生み出されたマッチメトリックを、出力デバイスを使用して、出力する工程と
    を含み、
    前記目標コーティングの前記正規化された反射率曲線の前記正規化された第1の微分値および前記見本コーティングの前記正規化された反射率曲線の前記正規化された第1の微分値が、それぞれに、以下の公式
    Figure 0007383793000056
    による2次元ベクトルとして各波長値について、表され、
    そこで、
    Figure 0007383793000057

    は、前記波長値λにおける前記目標コーティングの正規化された反射率値を示し、
    Figure 0007383793000058

    は、前記波長値λi+1における前記目標コーティングの正規化された反射率値を示し、
    Figure 0007383793000059

    は、前記波長値λにおける前記見本コーティングの正規化された反射率値を示し、
    Figure 0007383793000060

    は、前記波長値λi+1における前記見本コーティングの正規化された反射率値を示し、kは、k=0.005を有する非線形減衰パラメータであり、
    Figure 0007383793000061

    は、前記2個の正規化されたベクトル
    Figure 0007383793000062


    Figure 0007383793000063

    との間の角度を示し、前記ベクトル
    Figure 0007383793000064

    は、λにおける前記目標コーティングの前記反射率曲線の正規化された勾配を示し、前記ベクトル
    Figure 0007383793000065

    は、λにおける前記見本コーティングの前記反射率曲線の正規化された勾配を示す、
    コンピュータ実施方法。
  2. h)前記見本コーティングの反射率値および/または前記見本コーティングのさらなる事前に決定された色特徴あるいはその組合せに基づいて、1個または複数の予備的マッチング処方をコーティング合成物の処方および相関比色分析特徴を含む配合組成データベースから取得する工程
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. i)現存する色差メトリックと比べて追加の制約として前記目標コーティングと前記見本コーティングとの前記正規化された反射率曲線の前記類似性の前記マッチメトリックを最小化するように、前記見本コーティングの最初の配合組成を修正する工程
    をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 請求項2に記載の前記配合組成データベースから取得された前記1個または複数の予備的マッチング処方のうちの1個を修正する、請求項2に記載の方法。
  5. 前記いくつかの波長値の前記波長値が、最小波長値から最大波長値までの間隔から選択され、前記最小波長値は420nmであり、前記最大波長値は680nmである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記スケーリング関数が、非線形スケーリング関数fref、smpが、
    Figure 0007383793000066

    のように選択され、尚、
    Figure 0007383793000067

    そこで、Rref,/smp,centerは、
    Figure 0007383793000068

    によって与えられ、尚、
    Figure 0007383793000069

    である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記マッチメトリックが、
    Figure 0007383793000070
    のように選択され、
    そこで、nは、整数であり、kは、k=0.65を有する線形倍率である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記マッチメトリックが、
    Figure 0007383793000071
    のように選択され、
    そこで、nは整数であり、
    Figure 0007383793000072
    は、
    Figure 0007383793000073
    を有する線形倍率である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 目標コーティングと少なくとも1個の見本コーティングとのスペクトル類似性を数値化するためのマッチメトリックを提供するためのシステム(500)であって、
    A)計算デバイス(510)と、
    B)コンピュータプログラム製品と
    を含み、前記コンピュータプログラム製品が、前記計算デバイス(510)と機能的に結合されたコンピュータ可読記憶媒体(560)に記憶されたコンピュータ実行可能コードを含み、動作中のときに前記計算デバイス(510)に計算プロセスを実行させ、前記計算プロセスが、
    B1)前記目標コーティングの反射率値が、1個または複数の測定ジオメトリにおいて決定され、前記見本コーティングの反射率値が、前記1個または複数の測定ジオメトリにおいて決定される、前記目標コーティングの前記反射率値および前記見本コーティングの前記反射率値を、いくつかの波長値について、受信する工程と、
    B2)非線形スケーリング関数を使用することによって前記1個または複数の測定ジオメトリのそれぞれにおいて決定された前記目標コーティングの前記反射率値および前記1個または複数の測定ジオメトリの前記それぞれにおいて決定された前記見本コーティングの前記反射率値のそれぞれを正規化する工程と、
    B3)各波長値の前記目標コーティングの前記正規化された反射率値に基づく前記目標コーティングの正規化された反射率曲線、および各波長値についての前記見本コーティングの前記正規化された反射率値に基づく前記見本コーティングの正規化された反射率曲線を生成する工程と、
    B4)前記波長に関する前記目標コーティングの前記正規化された反射率曲線の正規化された第1の微分値および前記波長に関する前記見本コーティングの前記正規化された反射率曲線の正規化された第1の微分値を、前記いくつかの波長値について、生み出す工程と、
    B5)前記目標コーティングの前記正規化された反射率曲線の前記正規化された第1の微分値との差値を、前記いくつかの波長値の各波長値について、生み出す工程と、
    B6)前記いくつかの波長値のすべてについての前記差値に少なくとも基づいて、前記目標コーティングと前記見本コーティングとの前記正規化された反射率曲線の類似性のマッチメトリックを生み出す工程と
    を含み、
    前記目標コーティングの前記正規化された反射率曲線の前記正規化された第1の微分値および前記見本コーティングの前記正規化された反射率曲線の前記正規化された第1の微分値が、それぞれに、以下の公式
    Figure 0007383793000074
    による2次元ベクトルとして各波長値について、表され、
    そこで、
    Figure 0007383793000075

    は、前記波長値λにおける前記目標コーティングの正規化された反射率値を示し、
    Figure 0007383793000076

    は、前記波長値λi+1における前記目標コーティングの正規化された反射率値を示し、
    Figure 0007383793000077

    は、前記波長値λにおける前記見本コーティングの正規化された反射率値を示し、
    Figure 0007383793000078

    は、前記波長値λi+1における前記見本コーティングの正規化された反射率値を示し、kは、k=0.005を有する非線形減衰パラメータであり、
    Figure 0007383793000079

    は、前記2個の正規化されたベクトル
    Figure 0007383793000080


    Figure 0007383793000081

    との間の角度を示し、前記ベクトル
    Figure 0007383793000082

    は、λにおける前記目標コーティングの前記反射率曲線の正規化された勾配を示し、前記ベクトル
    Figure 0007383793000083

    は、λにおける前記見本コーティングの前記反射率曲線の正規化された勾配を示す、システム。
  10. C)色測定デバイス(530)と、
    D)コーティング合成物の処方および相関比色分析データを含む配合組成データベース(520)と
    をさらに備え、前記計算デバイス(510)が、前記色測定デバイス(530)および前記配合組成データベース(520)に機能的に結合された、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記計算プロセスがさらに、前記目標コーティングおよび前記少なくとも1個の見本コーティングの色のマッチングのためのマッチングプロセスを含み、前記マッチングプロセスが、
    B7)前記見本コーティングの相関比色分析データに基づいて1個または複数の予備的マッチング処方を前記配合組成データベース(520)から取得する工程と、
    B8)他の比色分析メトリックと比べて前記マッチメトリックを最小化するように前記1個または複数の予備的マッチング処方から少なくとも1個を選択する工程と
    を少なくとも含む、請求項10に記載のシステム。
  12. 前記計算プロセスがさらに、
    B9)他の比色分析メトリックと比べて前記マッチメトリックを最小化するように前記見本コーティングの処方を修正する工程
    を含む、請求項9から11のいずれか一項に記載のシステム。
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