JPH11351876A - 角速度センサ及びその製造方法 - Google Patents

角速度センサ及びその製造方法

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JPH11351876A
JPH11351876A JP10160895A JP16089598A JPH11351876A JP H11351876 A JPH11351876 A JP H11351876A JP 10160895 A JP10160895 A JP 10160895A JP 16089598 A JP16089598 A JP 16089598A JP H11351876 A JPH11351876 A JP H11351876A
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Japan
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vibrator
angular velocity
detection electrode
velocity sensor
vacuum chamber
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JP10160895A
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Tsukasa Matsuura
司 松浦
Kazuhiko Tsutsumi
和彦 堤
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明はアライメント精度を良好に保った
まま真空排気を行い、歩留まり良く製造できる小型の角
速度センサを得る。 【解決手段】 センサを構成するいずれか一方の基板
1,5に真空排気用の排気穴8と排気溝9を設け、基板
1,5を陽極接合した後、排気穴8と排気溝9とを通し
てセンサ内部の空気を排気し、真空排気後に排気穴8と
排気溝9を金属膜,絶縁膜等の薄膜10、低融点のガラ
ス材12、ハンダ等の金属材13、シリコンウェハ15
等で閉じて、センサを真空封止するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は自動車などに搭載
される回転角速度を検知する角速度センサおよびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図12及び図13は、例えば特開平5-32
2579号公報に示されている従来の角速度センサを示して
いる。図12は概略構成を示す要部の斜視図、図13は
その断面図である。従来の角速度センサは、絶縁材料か
らなる第1の基板1と、この第1の基板1上に一部を支
持固定され上下左右に振動可能な梁形状を有する振動子
2と、この振動子2の下面と対向する第1の基板1上の
凹部1aに形成されるコリオリ力方向の第2の検出電極
3と、振動子2の梁部の両方の側面と平行に対向するよ
うに配置された1個以上の駆動方向の第1の検出電極4
とで構成される。振動子2の厚みと幅は200〜400
μm、長さは10mm〜20mmで、振動子1とコリオリ力
方向の第2の検出電極3のギャップは数μm、振動子1
と駆動方向の第1の検出電極4のギャップは10〜数1
0μm程度に設定される。また、センサチップの幅は2m
m〜4mmで、長さは10数mm〜20数mm程度に設定され
ている。
【0003】次に、上記従来の角速度センサの製造プロ
セスについて簡単に説明する。第1の基板1はたとえば
直径3インチ〜6インチのパイレックスガラス等の絶縁
材料によって成形される。この表面にリソグラフィ技術
を用いて凹部1aに対応する溝パターンを形成し、エッ
チングにより数μm深さの凹部1aを形成する。凹部1
aの表面には金属薄膜からなるコリオリ力方向の第2の
検出電極3を形成する。次いで、上記第1の基板1と同
じ寸法の、熱酸化膜付きのシリコンウエハを陽極接合等
の方法により第1の基板1上に接合する。その後、シリ
コンウエハの表面の熱酸化膜をパターニングし、それを
マスクとしてシリコンウエハをエッチングする。エッチ
ングにより、振動子2と、駆動方向の第1の検出電極4
との構造体が形成される。最後にダイシングマシンで1
個づつのセンサチップに分割する。
【0004】次に、上記従来の角速度センサの動作につ
いて簡単に説明する。まず、振動子2の側面と駆動方向
の第1の検出電極4の側面からなるギャップ方向、すな
わち図13においては左右方向に振動子2を駆動励振さ
せる。この駆動力は外部より圧電素子等で与える。この
時、振動子2の長手方向軸回りに角速度Ω[deg/s]が加
わると、駆動励振方向と直交する方向にコリオリ力なる
力 F[N]が発生し、図13において上下方向に振動子2
は振動する。この振動によって、振動子2と第2の検出
電極3からなるギャップの静電容量が変化する。ギャッ
プの静電容量の変化△Cは後段に接続されるC-V変換
回路により電圧Vの変化△Vに置き換えられることで、
振動振幅の大きさを計測する。一方、振動子2と駆動方
向の第1の検出電極4のギャップの静電容量の変化は、
駆動励振による振動子2の振幅を知るために測定され
る。
【0005】コリオリ力Fの大きさは次の式で表すこと
ができる。 F=2mΩv ここで、mは振動子の質量、Ωは測定したい角速度、v
は駆動励振による振動子の振動速度である。従って、同
じ回転角速度Ωが印加されたときに、大きなコリオリ力
Fを発生させ、測定の感度を向上させるためには、大き
な振動速度vが必要である。そのためには、大きな振動
振幅で振動子を励振させる必要がある。効率よく大きな
振動振幅を得るためには、一般的に次の手段が取られて
いる。1つは、励振駆動周波数を振動子の共振周波数に
あわせること、もう1つは振動子の振動雰囲気を真空に
することである。励振駆動周波数を振動子の共振周波数
に合わせると、振動子の振動振幅は、外部から与えた駆
動振幅の数十倍程度に拡大する。この振動振幅の拡大率
は一般にQ値と呼ばれている。また、小形の角速度セン
サは空気の粘性の影響を大きく受けて励振のエネルギー
を失うため、振動雰囲気を真空にすることでQ値が大幅
に増大する。図13に示すセンサの振動子も真空中で共
振させるとQ値は1000〜10000となる。従って、本従来
例で示すような、シリコンを用いた小形のセンサは、通
常真空封止を行っている。
【0006】真空封止を行った一般的な角速度センサの
従来例を図14、図15に示す。図14は概略構成を示
す主要部の平面図、図15は断面図である。図14、図
15の角速度センサが上記の図12、図13の角速度セ
ンサと異なる点は、内部を封止するために、第1の基板
1上にパイレックスガラスなどの絶縁材料からなる第2
の基板5と、振動子2の一端が固定されると共に振動子
2を取り囲む封止枠6を追加した点にある。第2の基板
5には、第1の検出電極4,封止枠6および第2の検出
電極31に電気的に接続されるランド部32に対してワ
イヤを固定するためのワイヤボンド用穴7が設けられて
いる。第2の絶縁基板5は、真空中で陽極接合等の方法
で接合され、センサ内部を真空に保持する。
【0007】図16の(a),(b),(c)は、第2の絶縁基板
5を接合する一般的なプロセスを模式的に示した図であ
る。この図ではワイヤボンド用穴7は省略している。シ
リコンのエッチングが終了して、振動子2,駆動方向の
第1の検出電極4、封止枠6等の構造体が載った第1の
基板1は、陽極接合装置の陽極23に保持される。顕微
鏡を備えたアライメント装置により、第2の基板5は第
1の基板1上の所定の位置にアライメントされる。その
際、図16(a)に示すように、くさび21を複数個挟み
込むことにより、振動子2と駆動方向の第1の検出電極
4と封止枠6より数十〜数百μmの隙間を形成させ、そ
の状態で第2の基板5上に陰極22を押しつけ、第1の
基板1と第2の基板5の位置関係を固定させる。その
後、図16(b)に示すように、真空槽内で2つの基板間
を真空に引いた後、くさび21を抜き、2つの第1及び
第2の基板1,5を接触させる。次に、陽極23をヒー
ター24で約400℃に加熱し、陰極22と陽極23の
間に約1kVの電圧を約10〜20分間印加することによ
り、陽極接合が完了する。接合により第1の基板1と第
2の基板5間の空間は真空に保持される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一般に行われている上
記図16に示した方法では、くさび21を外すときにわ
ずかであるが、必ず第1の基板1が水平方向に動くた
め、始めにアライメントを行った位置からずれが生じ
る。このずれは、数μmから数十μmであるが、第1の基
板1の溝の幅が振動子2の幅より数μmから数十μmしか
広くないため、位置ずれによって、第1の基板1と振動
子2が接触し、振動子2が自由に振動しない問題が生じ
ることがあった。一方、位置ずれを小さくするために、
くさび21の厚みを小さくし、第1,第2の基板1,5
間の隙間を小さくすると、隙間が小さいため第1および
第2の基板1,5の中央部分の真空が十分に引けないと
いう問題点があった。
【0009】この発明は、上記のような問題点を解決す
ることを課題とするものであって、一対の基板のアライ
メントを保ち、かつ基板間を高真空に保つ構造の角速度
センサおよびその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の角速度センサ
は、少なくとも一端を固定され第1および第2の方向に
自由に振動可能な振動子と、この振動子の第1の方向の
少なくともいずれか一方に所定隙間を隔てて配置され上
記振動子の第1の方向の振動を検出する第1の検出電極
と、前記振動子と前記第1検出電極を囲んで配置される
封止枠と、この封止枠の両面に接合され前記振動子およ
び第1の検出電極を密閉する真空室を構成する一対の基
板と、この一対の基板の少なくとも一方に前記振動子と
所定隙間を隔てて配置され前記振動子の第2の方向の振
動を検出する第2の検出電極と、前記一対の基板の少な
くとも一方に設けられ前記真空室内部と外部空間とを連
通する真空排気用通路と、この真空排気用通路を密閉す
るシール部とを備えたものである。
【0011】また、真空排気用通路は、基板を貫通しそ
の真空室側の開口端部が一対の基板間に介挿される構造
部材と対向する排気穴と、絶縁基板と前記構造部材との
当接面に設けられ真空室内部と貫通穴とを連通する排気
溝とを備えている。
【0012】また、構造部材は、第1の検出電極,振動
子の固定部および第2の検出電極に電気的に接続される
ランド部の少なくともいずれか一つである。
【0013】また、振動子の固定部は封止枠と一体であ
ることが好適である。
【0014】また、一方の基板には、第1の検出電極,
振動子の固定部および第2の検出電極に電気的に接続さ
れるランド部にワイヤを固定するためのワイヤボンド用
穴が設けられており、該ワイヤボンド用穴を前記真空排
気用通路の排気穴と兼用している。
【0015】また、排気溝は真空室内部から排気穴に向
かってその断面積が小さくなるように構成される。
【0016】また、シール部は、たとえば薄膜によって
構成される。
【0017】また、薄膜は金属薄膜であってもよい。
【0018】また、シール部はガラス材を溶融して固化
させることによって構成してもよい。
【0019】また、シール部は金属材を溶融して固化さ
せることによって構成してもよい。
【0020】さらに、シール部はシリコンウェハとする
こともできる。
【0021】また、本発明の角速度センサの製造方法
は、真空排気用通路をシールしない状態で封止枠の両面
に一対の基板を接合して真空室内に振動子および第1の
検出電極を密閉し、その後で真空排気用通路から真空室
内の空気を排気し、排気後に真空排気用通路をシール部
にてシールする。
【0022】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1ないし図3は
本発明の実施の形態1に係る角速度センサの平面図と断
面図を示す。すなわち、この角速度センサは、一端が固
定され上下左右に自由に振動可能な片持ち梁状に成形さ
れるシリコンで形成された振動子2と、この振動子2の
図中左側に所定隙間を隔てて配置され上記振動子2の第
1の方向である左右方向(駆動方向)の振動を検出する
ためのシリコンで形成された第1の検出電極4と、振動
子2と前記第1検出電極4を囲んで配置されるシリコン
で形成された封止枠6と、封止枠6の上下面に接合され
前記振動子2および第1の検出電極4を密閉する真空室
Vを構成する一対の耐熱ガラス等の絶縁材料によって形
成される第1および第2の基板1,5と、このうち下側
に位置する第1の基板1に前記振動子2と所定隙間を隔
てて配置され前記振動子2の上下方向(コリオリ方向)
の振動を検出する第2の検出電極31と、第1の基板1
に設けられ前記真空室V内部と外部空間とを連通する真
空排気用通路11と、真空排気用通路11を密閉するシ
ール部を構成する封止用の薄膜10とを備えている。
【0023】真空排気用通路11は、第1の基板1を貫
通しその真空室V側の開口端部が一対の第1,第2の基
板1,5間に介挿される構造部材としての第1の検出電
極4と対向する排気穴8と、第1の基板1と第1の検出
電極4との当接面に設けられ真空室V内部と排気穴8と
を連通する排気溝9とを備えている。封止用の薄膜10
は、この例では第1の基板1の下面に全面的に被覆され
るもので、排気穴8の内周面と、排気穴8の底面に対応
する第1の検出電極4の下面に均一に被覆され、排気穴
8の底部において開口する排気溝9の出口付近が完全に
埋められている。
【0024】上記振動子2の固定端部2aは封止枠6と
一体となっている。すなわち、封止枠6は長方形状の枠
体によって構成され、一方の短辺に振動子2の一端が一
体的に固定されている。真空排気用の排気穴8と排気溝
9は予め第1の基板1にエッチングにより形成されてお
り、その後第2の基板5が接合される。排気穴8の直径
は約200〜800μm、真空排気用の溝9の深さは約
0.1μm〜数μm程度が好適である。
【0025】また、第2の基板5には、第1の検出電極
4,振動子2と一体成形される封止枠6、および第2の
検出電極31に電気的に接続されるランド部32に対し
てワイヤを固定するためのワイヤボンド用穴7が設けら
れている。
【0026】図1、図2のように形成されたセンサは、
図3に示すように、真空排気用通路11をシールしない
状態で前記封止枠6の上下面に第1,第2の基板1,5
を接合して真空室V内に振動子2および第1の検出電極
4を密閉し、その後で真空槽20内に配置され、真空室
V内部を真空に排気した後、第1の基板1の表面に薄膜
10を成膜し、排気穴8と排気溝9を埋めてセンサ内部
を真空に封止する。薄膜8は、クロム、アルミ、金、白
金、チタン等の金属薄膜、あるいは、酸化シリコン、窒
化シリコン等の絶縁薄膜とすることができる。薄膜8の
厚さは排気溝9の深さより厚く成膜し、約0.2μm〜
数μmとすることが好ましい。また、成膜方法は、スパ
ッタ、蒸着、CVD等いずれの方法を用いてもよい。な
お、この実施の形態では、真空排気用通路11を第1の
基板1に形成したが、第2の基板5に形成しても同様の
効果が得られる。次に、本発明の他の実施の形態につい
て説明する。以下の説明では、上記実施の形態1との相
違点のみを説明するものとし、同一の構成部分について
は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0027】実施の形態2.図4〜6には、本発明の実
施の形態2に係る角速度センサの平面図と断面図を示
す。この実施の形態では、真空排気用通路11を構成す
る排気穴8を第2の基板5上のワイヤボンド用穴7の一
つと兼用したものである。この場合には、図5に示すよ
うに、封止用の薄膜10には金属薄膜を適用し、排気穴
8の部分だけに金属薄膜を成膜している。このように排
気穴8とワイヤボンド用穴7とを兼用すると、第2の基
板5上にしめる穴の数が減り、穴が占める面積が減少す
るので、センサの小形化の際に有利である。
【0028】実施の形態3.図7(a)(b)には本発
明の実施の形態3に係る角速度センサの断面図を示す。
この実施の形態において、封止前の構造は図1、2に示
すものと同じである。本実施の形態では、図7(a)に
示すように、シール部を構成する封止用の材料に低融点
のガラス材12を用いたものである。すなわち、排気穴
8上に低融点ガラスの固まりを乗せ、真空槽20内に配
置し、センサ内の真空室Vを真空に排気する。その後、
図7(b)のごとく、真空槽20内の温度を上げると低
融点ガラス材12が融け、溶融ガラスによって排気穴8
と排気溝9が埋まり、センサ内部が真空に封止される。
なお、図7(a)(b)では、排気穴8と排気溝9を第
1の基板1に形成したが、第2の基板5に形成しても同
様の効果が得られる。
【0029】実施の形態4.図8(a)(b)に本発明
の実施の形態4に係る角速度センサの断面図を示してい
る。本実施の形態においても、封止前の構造は図1、2
に示すものと同じである。本実施の形態では、図8
(a)に示すように、封止用の材料にハンダ等の金属材
13を用いる。まず、センサの排気穴8上に金属薄膜1
4を成膜する。これは、基板と金属材13の密着力を良
くするための措置である。金属薄膜14は、クロム、
金、ニッケル、白金、アルミなどの金属であり、スパッ
タ、蒸着等の方法で成膜する。金属薄膜14の厚みは、
排気溝9の深さより薄く成膜し、真空排気時に溝を塞い
でしまわないようにする。その後、排気穴8上にハンダ
等の金属材の固まりを乗せ、真空槽20内に配置し、セ
ンサ内部の真空室Vを真空に排気する。さらに、その
後、図8(b)の状態で真空槽20内の温度を上げると
金属材13が融け、排気穴8と排気溝9が埋まり、真空
室Vが真空に封止される。なお、図8(a)(b)で
は、真空排気用の排気穴8と排気溝9を第1の基板1に
形成したが、第2の基板5に形成しても同様の効果が得
られる。
【0030】実施の形態5.図9に本発明の実施の形態
5に係る角速度センサの断面図を示す。この実施の形態
は、上記実施の形態4のシール部を金属材13で構成す
る場合に、真空排気用通路11を構成する排気穴8を第
2の基板5上のワイヤボンド用穴7の一つと兼用したも
のである。つまり、図9に示すように、排気穴8上にハ
ンダ等の金属材13の固まりを載せて真空槽20内に配
置し、センサ内部の真空室Vを真空に排気し、その後、
温度を上げることにより金属材13を溶融し、排気穴8
と排気溝9を埋めて、センサ内部を真空に封止する。こ
のように排気穴8をワイヤボンド用穴7と兼用すること
により、と第2の基板5上に占める穴の数が減り、穴が
占める面積が減少するので、センサの小形化の際に有利
である。また、ハンダバンプをそのまま利用してフリッ
プチップ等の応用ができるため有利である。
【0031】実施の形態6.図10(a)(b)には本
発明の実施の形態6に係る角速度センサの断面図を示し
ている。この実施の形態では、シール部を第1の基板1
全面に被覆されるシリコンウェハ15によって構成した
ものである。本実施の形態においては、まず、第1の基
板1上にくさび21を介してシリコンウエハ15を配置
する。この際、第1の基板1とシリコンウエハ15の間
隔Lは数mm程度に十分に大きくとり、真空排気をしやす
くする。真空槽20内でセンサの内部の真空室Vを真空
に排気した後、図10(b)のように、くさび21を抜
き取り、センサを400℃程度に加熱した後、第1の基
板1とシリコンウエハ15の間に1kV程度の電圧を印可
して、第1の基板1とシリコンウエハ15を陽極接合す
る。これによりセンサ内部は真空に封止される。第1の
基板1の表面全面を厚いシリコンウエハ15で覆うた
め、真空封止の信頼性が高くなる効果がある。
【0032】実施の形態7.図11(a)(b)には本
発明の実施の形態7に係る角速度センサの排気穴8と排
気溝9付近の拡大図を示している。本実施の形態におい
ては、図11(a)に示すように、排気溝9の幅を矢印A
の排気方向に向かって小さくなるようにテーパーを付け
ている。また、図11(b)は排気溝9の深さを矢印B
の排気方向に向かって小さくなるようにテーパーを付け
ている。図11(a)または図11(b)の少なくとも
一方の方法を用いることにより、排気溝9の断面積を排
気方向に向かって小さくなり、真空排気時の抵抗が小さ
くなって、真空排気に要する時間を短くする効果があ
る。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、少なくとも一端を固定され第1および第2の方
向に自由に振動可能な振動子と、この振動子の第1の方
向の少なくともいずれか一方に所定隙間を隔てて配置さ
れ上記振動子の第1の方向の振動を検出する第1の検出
電極と、前記振動子と前記第1検出電極を囲んで配置さ
れる封止枠と、封止枠の両面に接合され前記振動子およ
び第1の検出電極を密閉する真空室を構成する一対の基
板と、一対の基板の少なくとも一方に前記振動子と所定
隙間を隔てて配置され前記振動子の第2の方向の振動を
検出する第2の検出電極と、前記一対の基板の少なくと
も一方に設けられ前記真空室内部と外部空間とを連通す
る真空排気用通路と、真空排気用通路を密閉するシール
部とを備えているので、従来のようにくさびを用いずに
一対の基板を接合した後、真空排気用通路を通じて真空
室内部の空気を排気し、排気後にシール部によって真空
封止することができ、真空封止時に振動子と第1検出電
極等との間のアライメントがずれることが無くなった。
したがって、小型の角速度センサを歩留りよく製造する
ことができる。
【0034】また、請求項2の発明によれば、真空排気
用通路は、基板を貫通しその真空室側の開口端部が一対
の基板間に介挿される構造部材と対向する排気穴と、絶
縁基板と前記構造部材との当接面に設けられ真空室内部
と貫通穴とを連通する排気溝と、を備えているので、シ
ール部を構成するシール材は、外気圧と真空室内部と差
圧によって排気穴の穴底に当たる構造部材の平面部に押
圧され、その側方に開口する排気溝を確実にシールする
ことができる。
【0035】また、請求項3の発明によれば、構造部材
は、第1の検出電極,振動子の固定部および第2の検出
電極に電気的に接続されるランド部の少なくともいずれ
か一つとしたので、新たに構造部材を設ける必要がな
く、構造の簡素化が図れる。
【0036】また、請求項4の発明によれば、振動子の
固定部は封止枠と一体となっているので、構造の簡素化
が図れる。
【0037】また、請求項5の発明によれば、一方の基
板には、第1の検出電極,振動子の固定部および第2の
検出電極に電気的に接続されるランド部にワイヤを固定
するためのワイヤボンド用穴が設けられており、該ワイ
ヤボンド用穴を前記真空排気用通路の排気穴と兼用した
ので、基板に形成される穴の数が減り、穴が占める面積
が減少し、センサの小型化の際に有利である。
【0038】また、請求項6の発明によれば、排気溝は
真空室内部から排気穴に向かってその断面積が小さくな
るように構成されるので、排気が容易となり、短時間で
真空排気ができることから、製造時間の短縮化が図れ
る。
【0039】また、請求項7の発明によれば、シール部
は薄膜によって構成されるので、センサの小型化が図れ
る。
【0040】また、請求項8の発明によれば、薄膜は金
属薄膜としたので、薄膜を導電材として利用可能であ
る。
【0041】また、請求項9の発明によれば、シール部
はガラス材を溶融して固化させることによって構成され
るので、温度制御のみでシール部を封止でき、シールが
容易である。また、基板がガラスの絶縁基板の場合に相
性がよい。
【0042】また、請求項10の発明によれば、シール
部は金属材を溶融して固化させることによって構成され
るので、やはり温度制御のみで溶融固化させることがで
き、成形が容易である。
【0043】また、請求項11の発明によれば、シール
部はシリコンウェハとしたので、基板の表面が広く厚い
シリコンウェハによって覆われるため、真空封止の信頼
性が高くなる。
【0044】また、請求項12の発明によれば、真空排
気用通路をシールしない状態で封止枠の両面に一対の基
板を接合して真空室内に振動子および第1の検出電極を
密閉し、その後で真空排気用通路から真空室内の空気を
排気し、排気後に真空排気用通路をシール部にてシール
するので、一対の基板のアライメントを保ちつつ、かつ
高真空に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の角速度センサの概
略構成を示す平面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1の角速度センサの概
略構成を示す断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1の角速度センサの概
略構成を示す断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態2の角速度センサの概
略構成を示す平面図である。
【図5】 この発明の実施の形態2の角速度センサの概
略構成を示す断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態2の角速度センサの概
略構成を示す断面図である。
【図7】 (a)、(b)はこの発明の実施の形態3の
角速度センサの概略構成を示す断面図である。
【図8】 (a)、(b)はこの発明の実施の形態4の
角速度センサの概略構成を示す断面図である。
【図9】 この発明の実施の形態5の角速度センサの概
略構成を示す断面図である。
【図10】 (a)、(b)はこの発明の実施の形態6
の角速度センサの概略構成を示す断面図である。
【図11】 (a)、(b)はこの発明の実施の形態7
の角速度センサの概略構成を示す平面図と断面図であ
る。
【図12】 従来の角速度センサの概略構成を示す要部
斜視図である。
【図13】 従来の角速度センサの概略構成を示す要部
断面図である。
【図14】 従来の角速度センサの概略構成を示す要部
平面図である。
【図15】 従来の角速度センサの概略構成を示す要部
断面図である。
【図16】 (a)、(b)、(c)は従来の角速度セ
ンサの製造方法を示す要部断面図である。
【符号の説明】 1 第1の基板、2 振動子、31 第2の検出電極
(コリオリ方向)、32第2の検出電極のランド部、4
第1の検出電極(駆動方向)、5 第2の基板、6
封止枠、7 ワイヤボンド用穴、8 排気穴、9 排気
溝、10 薄膜(シール部)、11 真空排気用通路、
12 ガラス材(シール部)、13 金属材(シール
部)、14 金属薄膜(シール部)、15 シリコンウ
エハ(シール部)。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一端を固定され第1の方向お
    よびこの第1の方向に対して垂直の第2の方向に自由に
    振動可能な振動子と、 該振動子の前記第1の方向の少なくともいずれか一方に
    所定隙間を隔てて配置され上記振動子の第1の方向の振
    動を検出する第1の検出電極と、 前記振動子と前記第1検出電極を囲んで配置される封止
    枠と、 該封止枠の両面に接合され前記振動子および第1の検出
    電極を密閉する真空室を構成する一対の基板と、 該一対の基板の少なくとも一方に前記振動子と所定隙間
    を隔てて配置され前記振動子の前記第2の方向の振動を
    検出する第2の検出電極と、 前記一対の基板の少なくとも一方に設けられ前記真空室
    内部と外部空間とを連通する真空排気用通路と、 該真空排気用通路を密閉するシール部と、 を備えた角速度センサ。
  2. 【請求項2】 真空排気用通路は、基板を貫通しその真
    空室側の開口端部が一対の基板間に介挿される構造部材
    と対向する排気穴と、絶縁基板と前記構造部材との当接
    面に設けられ真空室内部と貫通穴とを連通する排気溝と
    を備えている請求項1に記載の角速度センサ。
  3. 【請求項3】 構造部材は、第1の検出電極,振動子の
    固定部および第2の検出電極に電気的に接続されるラン
    ド部の少なくともいずれか一つである請求項2に記載の
    角速度センサ。
  4. 【請求項4】 振動子の固定部は封止枠と一体である請
    求項3に記載の角速度センサ。
  5. 【請求項5】 一方の基板には、第1の検出電極,振動
    子の固定部および第2の検出電極に電気的に接続される
    ランド部にワイヤを固定するためのワイヤボンド用穴が
    設けられており、該ワイヤボンド用穴を前記真空排気用
    通路の排気穴と兼用した請求項3または4に記載の角速
    度センサ。
  6. 【請求項6】 排気溝は真空室内部から排気穴に向かっ
    てその断面積が小さくなるように構成される請求項2,
    3,4または5に記載の角速度センサ。
  7. 【請求項7】 シール部は薄膜によって構成される請求
    項1ないし6の何れかに記載の角速度センサ。
  8. 【請求項8】 薄膜は金属薄膜である請求項7に記載の
    角速度センサ。
  9. 【請求項9】 シール部はガラス材を溶融して固化させ
    ることによって構成される請求項1ないし6の何れかに
    記載の角速度センサ。
  10. 【請求項10】 シール部は金属材を溶融して固化させ
    ることによって構成される請求項1ないし6の何れかに
    記載の角速度センサ。
  11. 【請求項11】 シール部はシリコンウェハである請求
    項1ないし6の何れかに記載の角速度センサ。
  12. 【請求項12】 少なくとも一端を固定され第1の方向
    およびこの第1の方向に対して垂直の第2の方向に自由
    に振動可能な振動子と、 該振動子の第1の方向の少なくともいずれか一方に所定
    隙間を隔てて配置され上記振動子の第1の方向の振動を
    検出する第1の検出電極と、 前記振動子と前記第1検出電極を囲んで配置される封止
    枠と、 該封止枠の両面に接合され前記振動子および第1の検出
    電極を密閉する真空室を構成する一対の基板と、 該一対の基板の少なくとも一方に前記振動子と所定隙間
    を隔てて設けられ前記振動子の第2の方向の振動を検出
    する第2の検出電極と、 前記一対の基板の少なくとも一方に設けられ前記真空室
    内部と外部空間とを連通する真空排気用通路と、 該真空排気用通路を密閉するシール部とを備えた角速度
    センサの製造方法であって、 前記真空排気用通路をシールしない状態で前記封止枠の
    両面に一対の基板を接合して真空室内に振動子および第
    1の検出電極を密閉し、その後で真空排気用通路から真
    空室内の空気を排気し、排気後に真空排気用通路をシー
    ル部にてシールすることを特徴とする角速度センサの製
    造方法。
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