JPH11351189A - 小型真空ポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】軸方向の寸法が小さく、構造が非常に簡単な真
空ポンプを提供する。 【解決手段】真空ポンプ（１１）は、本体（１）と、本
体（１）と一体的な複数のステータリングにそれぞれ連
結された複数のロータディスク（１２）を有するロータ
部材（９）とを含む。ロータ部材は、鐘状軸空洞部（１
３）を有する。鐘状軸空洞部（１３）内には回転シャフ
ト（１５）と電動モータ（７，６）が配置されている。
回転シャフト（１５）は、回転支持手段（５ａ，５ｂ）
により支持されている。電動モータは、真空ポンプ（１
１）の本体（１）と一体的なステータ（７）と、ロータ
部材（９）の鐘状軸空洞（１３）の内面に連結されたロ
ータ（８）とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【関連出願の相互参照】本出願は、１９９８年５月２７
日出願のイタリア出願Ｎｏ．ＴＯ９８Ａ０００４５３の
優先権を主張しており、この出願は参照によりここに組
み込まれる。

【０００２】

【発明の分野】本発明は、真空ポンプに関し、特に、電
動モータにより駆動されるターボモレキュラ型の真空ポ
ンプに関する。

【０００３】

【発明の背景】ターボ型真空ポンプは、複数のガスポン
ピングステージを内蔵した外装ハウジングを有すること
がよく知られている。ガスポンピングステージは、通
常、ポンプ本体と一体のステータリングと、ポンプのモ
ータにより駆動される回転シャフトと一体のロータディ
スクとを有する構造体で構成されている。

【０００４】ロータディスクは、フラットディスクであ
る場合もあり、また傾斜フィン付きのものである場合も
ある。フラットディスクおよびフィン付ディスクの両方
を備えた真空ポンプ、通称、ターボモレキュラ型のもの
がある。この様なポンプは、１００，０００回転／分に
達する超高速回転速度でもって約１０−８Ｐａの気圧を
得ることができる。

【０００５】ポンプロータのシャフトとモータのシャフ
トとは、通常、単一の回転シャフトとして同軸とされ、
適切な回転支持手段によって支持されている。一般的
に、シャフトはベアリングで支持されており、これはボ
ールまたはロールを有するローラベアリング、または磁
気ベアリングとすることができる。ベアリングにより、
シャフトの自由回転と精密なバランス保持が可能とな
る。

【０００６】あるタイプの従来の真空ポンプは、電動モ
ータとポンピング部との間において回転シャフト上に配
置された一対のローラベアリングを備えている。この様
な構成は、構造が簡単でありメンテナンスも容易である
が、モータ、ベアリングおよびポンピング部が互いに完
全に分離されており、寸法、特に軸方向の寸法の小さな
ポンプの製造ができない。

【０００７】上述のものよりも軸方向の寸法の小さな別
のタイプのターボモレキュラ型真空ポンプが、米国特許
Ｎｏ．５，１６５，８７２に開示されている。この’８
７２特許には、ポンピングロータの回転シャフトに加え
て、電動モータおよびベアリングを内蔵した円筒形空洞
部を有する鐘形状の一体的なポンピングロータを有する
真空ポンプが示されている。この真空ポンプのモータ
は、ベアリング間に配置され、そのシャフトは、ポンプ
の回転シャフトと同軸とされている。

【０００８】この第２のタイプのターボモレキュラ型ポ
ンプは、第１のタイプのものよりもコンパクトである。
しかし、ベアリング間の距離をモータの長さよりも小さ
くすることはできない。

【０００９】

【発明の要旨】したがって、本発明の目的は、軸方向の
寸法が小さく、構造が非常に簡単な真空ポンプを提供す
ることである。本発明に係る真空ポンプは、性能を損な
うことなく、ポンプの寸法を極力小さくする必要のある
全用途に好適に使用することができる。

【００１０】本発明における上記およびその他の目的お
よび効果は、図面を参照した、好適な実施形態の詳細な
説明により明らかにされる。この詳細な説明は、本発明
を説明するために提示されたものであり、本発明を限定
する意図はない。

【００１１】

【発明の実施の形態の詳細な説明】図１を参照して、真
空ポンプ１１は通常金属製のポンプ本体１を含み、この
ポンプ本体１はベース部および中空円筒部１４を有し、
このポンプの他の要素の支持部および基部の役割を果た
す。ロータ部材９は、図１には示されていないが、ポン
プ本体１と一体の複数のステータリングにそれぞれ結合
(coupled)された複数のロータディスク１２を有する。
ステータリングとフラットロータディスク１２との協働
により、様々な種類のガスポンピングステージを形成す
ることができる。真空ポンプに要求される特性に応じ
て、いくつかのステージをフラットロータディスクで構
成し、他のステージを傾斜フィンを有するロータディス
クで構成してもよい。鐘状軸空洞部１３が、ロータ部材
９の内部に形成されている。この鐘状軸空洞部１３の中
央に、回転シャフト１５が配置されている。

【００１２】本体１の一部、すなわち、中空円筒部１４
が、ロータ部材９の鐘状軸空洞部１３を貫通し、その内
部に回転シャフト１５用の回転支持手段５ａ、５ｂを収
納している。通常、この回転支持手段は、ボールもしく
はロールを有するローラベアリング、または、ポンプ自
体の破損を回避するために磁気ベアリングの突然の機能
不良の場合に介入する安全ボールベアリングに結合され
た磁気ベアリングとすることができる。図１に示す好適
な実施形態においては、特に、第１および第２のローラ
ベアリング５ａ、５ｂは、中空円筒部１４内に位置して
いる。

【００１３】各ベアリングは、中空円筒部１４の内壁に
固定された外側リングと、ロータ部材９の回転シャフト
１５に連結された内側リングとを有する。複数の転動ボ
ールまたはロールが、これらの２つのリングの間に配置
されている。ボールベアリングと中空円筒部１４の内壁
との間には、２つのゴムリング４が配置されている。好
適には、両ベアリング５ａ、５ｂは、中空円筒部１４に
対応させてポンプのベース部内に配置される。これによ
って、ポンプ構造がさらに単純化され、精度が良くな
り、結果的に、ポンプシャフトを正確に回転させるため
に必要とされる、煩雑なベアリングのバランシングおよ
びセンタリング操作を回避できる。

【００１４】上記２つの転動ベアリングの間に、間隔保
持バー６が配置されている。間隔保持バー６は、ベアリ
ング間を一定距離に保持するために略円柱形状を有す
る。ベアリング５ａ、５ｂは、中空円筒部１４上に固定
された軸格納リング２ｂと、本体１のベースに固定され
たカバー２ａと、カバー２ａとベアリング５ｂとの間に
配置された予備負荷バネ（preloading spring）３とに
よって、定位置に保持されている。

【００１５】鐘状軸空洞部１３内に位置する電動モータ
７、８は、ポンプ本体１と一体のステータ７と、ロータ
部材９の鐘状軸空洞部１３の内面に結合されたロータ８
とを含む。このモータのロータ８は、周上に交互に配置
されたＮ極とＳ極とを有する環状永久磁石で構成され、
ロータ部材９の鐘状軸空洞部１３内にキー係合してい
る。あるいは、ロータ部材９の鐘状軸空洞部１３の内面
に連結された複数の永久磁石を、全体として周面に沿っ
て交互に配置された磁極を有する磁気リングを形成する
ように配置することによって、ロータ８を構成すること
もできる。

【００１６】ロータ部材９の鐘状軸空洞部１３内に設け
られた凹部内に磁石を配置し、鐘部の内面と同一平面と
することもできる。この様な構成により、モータのロー
タ／ステータ組立体が占める空間をさらに低減すること
ができる。環状のステータ７は、本体１の中空円筒部１
４の外面に固定され、ポンプ本体１と一体化される。永
久磁石をロータ部材９内に組み込んだ直流電動モータの
使用によって、ベアリング収容領域におけるポンプ本体
の形状をかなり単純化することができる。したがって、
モータの物理的な長さによる制約を受けることなく、支
持ベアリング間の距離を、シャフトの正確なバランシン
グを確立するために必要な最低限まで狭めることができ
る。

【００１７】モータロータは、ロータ部材９の空洞部１
３にキー係合されている。回転シャフト１５に沿った転
動ベアリング５ａ、５ｂ間の距離は、モータ７、８の軸
方向の長さよりも小さくなる。本発明のポンプ設計によ
って、構成が実質的に単純化され、特に軸方向に小型化
され、また、屈曲剛性が良くなり、回転部材のバランシ
ング操作が簡単になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の原理に従って構成された真空ポンプの
好適な実施形態の概略軸方向断面図を示す。

【符号の説明】

１１ 真空ポンプ １ ポンプ本体 ２ａ カバー ２ｂ 軸格納リング ３ 予備負荷バネ ４ ゴムリング ５ａ，５ｂ ローラベアリング ６ 間隔保持バー ７ ステータ ８ ロータ ９ ロータ部材 １２ ロータディスク １３ 鐘状軸空洞部 １４ 中空円筒部 １５ 回転シャフト

Claims (14)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ベース部と、内面および外面を有し前記ベ
   ース部と一体的な中空円筒部（１４）とを有する本体
   （１）と、 前記本体（１）の前記中空円筒部（１４）を部分的に取
   り囲む鐘状軸空洞部（１３）を有するロータ部材（９）
   と、 前記鐘状軸空洞部（１３）内に配置され、前記中空円筒
   部（１４）と同軸の回転シャフト（１５）と、 間隔を開けて設けられた少なくとも１対の支持手段（５
   ａ，５ｂ）であって、それぞれ、前記中空円筒部（１
   ４）の内面と一体的な固定部と前記回転シャフト（１
   ５）に結合された回転部とを有する支持手段と、 前記支持手段（５ａ，５ｂ）の位置に対応させて前記中
   空円筒部（１４）の外面に結合された電動モータ（７，
   ８）であって、前記中空円筒部（１４）の外面と一体的
   なステータ（７）と前記鐘状軸空洞部（１３）の内面に
   結合されたロータ（８）とを含む電動モータとを含む真
   空ポンプ（１１）。
2. 【請求項２】前記回転シャフト（１５）に沿った前記支
   持手段（５ａ，５ｂ）間の距離が、前記電動モータ
   （７，８）の軸方向の長さよりも短い請求項１の真空ポ
   ンプ。
3. 【請求項３】前記電動モータが直流電動モータである請
   求項１の真空ポンプ。
4. 【請求項４】前記電動モータの前記ロータ（８）が、そ
   の周上に交互に配置されたＮ極とＳ極とを有する環状永
   久磁石を含み、前記ロータ部材（９）の前記鐘状軸空洞
   部（１３）内に固定されている請求項３の真空ポンプ。
5. 【請求項５】前記電動モータの前記ロータ（８）が、前
   記ロータ部材（９）の前記鐘状軸空洞部（１３）内に形
   成された凹部内に配置されている請求項４の真空ポン
   プ。
6. 【請求項６】前記電動モータの前記ステータ（７）が、
   環状であり、前記電動モータの前記ロータ（８）に対応
   させて、前記本体（１）の前記中空円筒部（１４）の外
   面に固定されている請求項４の真空ポンプ。
7. 【請求項７】前記電動モータの前記ロータ（８）が、前
   記ロータ部材（９）の鐘状軸空洞部（１３）の内面に結
   合された複数の永久磁石で形成されている請求項３の真
   空ポンプ。
8. 【請求項８】前記電動モータの前記ロータ（８）が、前
   記ロータ部材（９）の前記鐘状軸空洞部（１３）内に形
   成された凹部内に配置されている請求項７の真空ポン
   プ。
9. 【請求項９】前記電動モータの前記ステータ（７）が、
   環状であり、前記電動モータの前記ロータ（８）に対応
   させて前記本体（１）の前記中空円筒部（１４）の外面
   に固定されている請求項８の真空ポンプ。
10. 【請求項１０】前記支持手段（５ａ，５ｂ）が、それぞ
    れ、ボールまたはロールを有するローラベアリングを含
    み、前記本体（１）の前記中空円筒部（１４）の内面と
    一体的な外側リングと、前記ロータ部材（９）の前記回
    転シャフト（１５）と一体的な内側リングとを有する請
    求項１の真空ポンプ。
11. 【請求項１１】前記ローラベアリングの前記外側リング
    と本体（１）の前記中空円筒部（１４）の内面との間に
    配置されたゴムリング（４）をさらに含む請求項１０の
    真空ポンプ。
12. 【請求項１２】１対のローラベアリングの間に略円柱形
    の間隔保持バー（６）をさらに含む請求項１１の真空ポ
    ンプ。
13. 【請求項１３】前記支持手段（５ａ，５ｂ）が、前記中
    空円筒部（１４）上に固定された軸格納リング（２ｂ）
    と、本体（１）のベース部に固定されたカバー（２ａ）
    と、予備負荷バネ（３）とによって、定位置に保持され
    ている請求項１２の真空ポンプ。
14. 【請求項１４】前記支持手段（５ａ，５ｂ）が磁気ベア
    リングを含む請求項１の真空ポンプ。