JPH11350382A - 食品用ヒートシール包装材 - Google Patents

食品用ヒートシール包装材

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JPH11350382A
JPH11350382A JP10167757A JP16775798A JPH11350382A JP H11350382 A JPH11350382 A JP H11350382A JP 10167757 A JP10167757 A JP 10167757A JP 16775798 A JP16775798 A JP 16775798A JP H11350382 A JPH11350382 A JP H11350382A
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JP
Japan
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heat
paper
resin
packaging material
coating
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JP10167757A
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Naoichi Wakatsuki
槻 直 一 若
Kenichi Hara
研 一 原
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TAIKO SEISHI KK
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TAIKO SEISHI KK
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    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D81/00Containers, packaging elements, or packages, for contents presenting particular transport or storage problems, or adapted to be used for non-packaging purposes after removal of contents
    • B65D81/34Containers, packaging elements, or packages, for contents presenting particular transport or storage problems, or adapted to be used for non-packaging purposes after removal of contents for packaging foodstuffs or other articles intended to be cooked or heated within the package
    • B65D81/3446Containers, packaging elements, or packages, for contents presenting particular transport or storage problems, or adapted to be used for non-packaging purposes after removal of contents for packaging foodstuffs or other articles intended to be cooked or heated within the package specially adapted to be heated by microwaves
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食品を容易にヒートシールバックできること
はもちろん、内容物が外に漏れ出すことのない撥水性、
耐油性を保持しかつ電子レンジでの加熱のときには、内
圧により袋が破裂しないような十分な通気性、水蒸気透
過性を確保しうる包装材を提供する。 【解決手段】 耐油性かつ撥水性を有する紙の表面を被
覆するヒートシール性樹脂をグラビアロール版を用いて
塗工量3〜7g/m2 となるように塗工し、透気度が6
0〜120秒となるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子レンジ対応の
個別包装材料や、例えば、てんぷら等のお惣菜の持ち帰
り用包装材料の素材として用いられる食品用ヒートシー
ル包装材に係り、特に、内容物が内圧によって爆発飛散
することなく、電子レンジにて再加熱することができる
ヒートシールパック包装に用いられる素材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年は、店頭で購入したお惣菜などの食
品をその場でヒートシールパックの袋詰めにしてくれる
ところが増えている。このヒートシールパックの袋詰め
では、食品を埃などの異物からまもりながら、自宅に持
ち帰って袋の封をあけずにそのまま電子レンジで再加熱
することができる。このため、従来は、食品を電子レン
ジで再加熱する場合、食品を皿ごとPVDCラップフィ
ルムで包んで加熱するのが一般的であったが、最近で
は、食品をヒートシールパックしたまま電子レンジで加
熱する傾向が増えている。また、冷凍食品は、ヒートシ
ールパック包装されるものが一般的である。
【0003】従来、この種のヒートシールパック用の包
装材料には、次のようなものがある。
【0004】(1)ヒートシール層を確保するために、
紙にポリエチレンの押し出しラミネートを施し、薄膜の
ヒートシール層を形成した化成品フィルムラミネート系
の包装材料。 (2)ヒートシール層を形成する材料に、もともと透湿
性のある樹脂を選び、この透湿性樹脂の押し出しラミネ
ート加工を施した化成品フィルムラミネート系の包装材
料。 (3)ヒートシール性のある不織布を紙に貼り合わせて
なる包装材料。 (4)紙自体の抄紙段階にて天然パルプにポリオレフィ
ン系の化成品樹脂を抄き合わせてなる包装材料。 (5)透湿性のない積層フィルムの一部に、水蒸気透過
の逃げ道として働く圧力弁を設けた包装材料。
【0005】例えば、コロッケやてんぷらというような
食品を包む材料にはある程度高めの撥水性と耐油性が必
要とされるが、これらの食品は電子レンジで加熱する
と、食品の中身及びころもに含まれている水分と油分が
混然一体となった水蒸気が吹き出してくるので、電子レ
ンジでの加熱を前提する食品の包装材料には、ヒートシ
ール性と透湿性の両立が求められる。前記の従来技術の
なかでも、ポリオレフィン樹脂を主体とした素材は、主
として水と油のバリアー層とヒートシール層としての2
つの機能を満たすため広く普及してきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
(1)の包装材料では、ヒートシール層であるポリエチ
レンラミネートは紙の全面に形成されており、もともと
透湿性がないことから、透湿性を付与するためにポリエ
チレン層のみに微細な孔をあけている。しかし、孔の大
きさを適切にコントロールしてこの孔空け加工を行わな
いと、電子レンジで加熱した際にややもすると、水分が
出すぎてしまったり、ブロックすべき油分が水分といっ
しょに抜けてしまうという問題があった。しかも、水分
は適度に通し、油分について出るのをブロックするよう
な適切な大きさの微細な孔を無数にポリエチレン層のみ
にあける加工が非常に難しい。
【0007】前記(2)の包装材料では、もともと透湿
性のある化成品樹脂素材を選んで、ヒートシール層とし
ての透湿性フィルム層を形成している。しかし、この透
湿性フィルム層は、分子レベルのせいぜい1〜10μ程
度の小さな孔で水蒸気を通すため、水蒸気の抜けが悪
く、電子レンジ内で加熱すると30秒ともたずに、内圧
のために袋が破裂してしまうという欠点があった。な
お、ここでいう、包装袋が破裂するとは、激しい勢いで
袋が破れ裂ける狭義の意味の他、袋のヒートシール部分
が内圧で剥がれてしまう状態という広義の意味をも含
む。
【0008】他方、前記(3)の包装材料は、本来的に
ヒートシール性のある不織布素材と、透湿性を有する紙
との積層なので、ヒートシール性と透湿性の両立が比較
的容易であるが、不織布素材と紙との積層に、押し出し
ラミネート全面接着を採用した方式が一般的であり、接
着層が紙の繊維の目を塞ぎがちで、電子レンジで加熱し
すぎると内圧のために袋が破裂していまう欠点を克服で
きない。
【0009】前記(4)の包装材料は、抄紙段階で天然
パルプにポリオレフィン系の化成品樹脂素材を抄き合わ
せするので、電子レンジで加熱したときの水蒸気の抜け
の良好な条件を予め設定できる利点はあるものの、化成
品樹脂素材が主体ゆえにその素材の性質が顕著に出やす
く、これが吸水性や、熱の断熱性、放熱性の低下という
かたちで現れ、電子レンジ加熱終了後に食品を取り出す
とに水蒸気の熱い結露水が表面に出てしまうといった問
題がある。
【0010】前記(5)の包装材料は、圧力弁で水蒸気
を逃がすために、電子レンジで加熱しても袋が破裂する
ということはなく、現状では、実用レベルでもっとも普
及しているものであるが、圧力弁を取り付けるためにコ
スト高になり、また、廃棄処理に圧力弁がネックとなる
欠点がある。
【0011】そこで、本発明の目的は、前記従来技術の
有する問題点を解消し、食品を容易にヒートシールパッ
クできることはもちろん、内容物が外に漏れ出すことの
ない撥水性、耐油性を保持しかつ電子レンジでの加熱の
ときには、内圧により袋が破裂しないような十分な通気
性、水蒸気透過性を有する食品用包装材料を提供するこ
とにある。また、本発明の他の目的は、使用済みの包装
の廃棄処理が容易な食品包装材料を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、耐油性かつ撥水性を有する紙の表面を
被覆するヒートシール性樹脂がグラビアロール版を用い
て塗工量3〜7g/m2 となるように塗布されていると
ともに、透気度が60〜120秒であることを特徴とす
るものである。
【0013】素材の紙は、天然植物繊維を絡み合わせて
膠着したもので、その選択にあたっては、紙の性質とし
て、好ましくは、フッ素系樹脂エマルジョンにて処理さ
れることにより、耐油性と若干の撥水性を有することが
必要である。紙に処理されたフッ素樹脂は、本来、水、
油の反発性を有しており、全面コーティングすることな
く、必要な耐油性、撥水性を付与することができる。
【0014】油をブロックするために、素材の紙の耐油
性については、3Mキット法に基づいて試験を行い、少
なくとも8以上のキット(より望ましくは10以上)を
確保することが必要であり、これにより、しつこい油に
対して紙からの滲みだしの問題をなくすことができる。
【0015】
【表1】 ここで、表1は、80℃加熱油について素材の紙の油浸
透性テストの結果を示す。耐油度が8以上では油の滲み
出しがなかったが、耐油度が7以下では滲み出しが見ら
れた。
【0016】撥水性については、JIS紙および板紙の
撥水度試験方法P8138に基づく試験値R10程度の
撥水性を有していることが好ましい。試験値R2〜6の
レベルでは、内容物の保護に不十分で、ヒートシールパ
ックしたのち、内容物の水分が紙を通して滲みでてきて
しまう虞がある。また、ヒートシール性樹脂の有する高
い撥水性を利用して紙を補強できる利点も得られる。
【0017】
【表2】 ここで、表2は、ヒートシール性樹脂の選択についてそ
の組成を変えた各試料の吸水性、撥水性、接着性、ブロ
ッキング性の総合評価表を示す。なお、ここでブロッキ
ング性とは、紙と紙とを重ねて(室温で)おくとくっつ
いてしまう現象をいう。
【0018】ヒートシール性樹脂は、電子レンジでの使
用に耐え得る耐熱タイプの樹脂のため、主成分をアクリ
ル樹脂に求め、前述したような高い撥水性を兼ね備えて
いる樹脂が用いられる。高い撥水性とヒートシール接着
性を高めるため、石油系WAXエマルジョンを固形分1
0〜25%、ポリオレフィンWAXディスパーションを
固形分10〜25%、樹脂の耐熱性能を増すために、残
りの成分をアクリル系樹脂エマルジョンの固形分50〜
70%としたブレンド比率のものが好ましい。このよう
なヒートシール性樹脂の各成分は、ともに熱融着を確保
する方向にあるものの、ポリオレフィンWAXは、ディ
スパージョンによる樹脂の隙間を確保する目的で、石油
系WAXは紙の撥水性との相性でエマルジョンが水をは
じく性質を利用するために選ばれている。
【0019】ヒートシール樹脂の紙へのコーティング
は、グラビアロール版を用いて行われる。グラビアロー
ル版は、メタルロールの表面に凹版の彫刻加工を施した
もので、その凸部に付着した塗工液をドクターブレード
でかき落とし、凹部で塗工液を計量して紙に転移させる
ことができる。このグラビアロール版による塗工は、ヒ
ートシール性樹脂の塗工量の安定性、再現性、制御性に
おいて優れている。
【0020】ヒートシール性樹脂の塗工量は、ヒートシ
ール強度と、通気性との相関関係にある。必要十分なヒ
ートシール強度と、電子レンジでの加熱後に少なくとも
30秒は包装が破裂しないように水蒸気の抜けを確保で
きる性能(以下、電子レンジ加熱適性という)とを同時
に確保するためには、ヒートシール樹脂の塗工量が重要
なファクターとなる。
【0021】
【表3】 表3は、本発明品の機能的な特徴を明らかにするため
に、在来品のポリエチレンと本発明品とを透湿度、通気
度、電子レンジ特性について比較したものである。
【0022】ヒートシール性樹脂の塗工量を増やせば、
ヒートシール強度は増大するが、その反対に通気孔の大
きさと数は減少する傾向を示し、ヒートシール性樹脂が
紙の繊維の目を塞さぐ結果、水蒸気の抜け(通気性)を
悪くする。
【0023】これとは逆に、ヒートシール性樹脂の塗工
量を減らすと、通気孔の大きさは大きくなり水蒸気の抜
け(通気性)は良好なものの、紙の表面は孔だらけとな
って、接着不良の状況が発生して簡単にシール部分が剥
がれ、内容物を密封するに必要なシール強度が得られな
い。
【0024】本発明者は、実験に実験を重ねた結果、必
要なヒートシール強度と適切な電子レンジ加熱特性とが
両立するヒートシール性樹脂の塗工量の条件を見いだし
た。それによれば、ヒートシール性樹脂の塗工量は、塗
工量5g/m2 を中心に±2g/m2 の範囲が最適であ
る。これよりも塗工量が少なすぎると、ヒートシール強
度は、テンシロン試験において200g/15mm以下と
なる。この値以下では、輸送中の一般的な圧力で破裂が
起こる虞がある上に、初期接着不良のために、電子レン
ジでの加熱を始めるとすぐにシール部分が剥がれてしま
うことが判明している。
【0025】逆に、塗工量が前記の範囲を越えて多すぎ
る場合には、通気孔の形成が不十分となって適正な電子
レンジ加熱適性を確保することができず、破裂し易い。
【0026】ヒートシール性樹脂の塗工量が前記した適
正範囲内にあれば、要求されるシール強度を確保しなが
ら、紙の表面を被覆するヒートシール樹脂層が通気孔と
して働くランダムな孔を連続的に形成せしめることがで
きる。この通気孔の大きさは、直径100〜200μm
程度のものが特に好ましいが、実際に形成される通気孔
の大きさにはばらつきがあり、小さいものでは50μ
m、大きいものでは350μm程度の通気孔が形成され
るが、通気孔としての機能を十分に果たす。
【0027】電子レンジ加熱適性についての最終的な評
価は、水蒸気の抜けが良いか悪いか(通気性)の評価で
あり、ヒートシール性樹脂の塗工量が5g/m2 の時
は、JIS透気度試験に基づき90秒であり、塗工量±
2g/m2 の範囲では、透気度±30秒つまり60〜1
20秒の範囲が最もヒートシール性と通気性という相反
する性質をバランス良く発揮するという結果が得られ
た。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明による食品用ヒート
シール包装材の一実施形態について、添付の図面を参照
して説明する。
【0029】図7は、ヒートシール性樹脂を素材の紙に
コーティングするためのグラビアコータを示す。1がグ
ラビアロールで、2がヒートシール樹脂からなる塗工
液、3がバックアップロールである。グラビアロール1
は、ヒートシール樹脂の塗工液2に浸され、紙4をバッ
クアップロール3とで挟みながら塗工液を紙4に転移し
ていく。グラビアロール1は、メタルロールの表面に凹
版の彫刻加工を施したもので、その凸部に付着した塗工
液を均一にするためにドクターブレード5でかき落と
し、凹部で塗工液を計量して紙に転移させることができ
る。このグラビアロール1には、その凹凸部を形成する
グラビアセルの形状からピラミッド版、格子版、斜線版
などの種類があるが、いずれのグラビア版でも本発明に
適用可能であるが、特に、斜線板が好ましい。
【0030】図8は、グラビアロールを用いて所定の塗
工量でヒートシール性樹脂がコーティングされた包装材
の断面構造を模式的に示す図である。
【0031】包装材の表面は、グラビアロール1から転
移されたヒートシール樹脂によって被覆層が形成される
が、紙の表面が全面にわたって被覆されるのではなく、
ところどころに通気孔を散在的に意図的に残しているよ
うになる。水蒸気は、通気孔から紙を抜けることができ
る。しかし、紙は撥水性および耐油性があるため、水、
油ははじかれてしまい、外部に水、油が漏れるのが防止
される。
【0032】図9乃至図11は、ヒートシール包装材の
種々の形態を示す。図9(a)は、ピロー包装袋と称す
る包装材の展開図で、図9(b)は、ヒートシール接着
したピロー包装袋である。図10(a)は、平袋と称す
る包装材の展開図で、図10(b)はヒートシールパッ
クした平袋である。図11は、包装容器10のトップシ
ール材(蓋材)11として用いる包装材を示す。いずれ
の包装材の場合も、食品工場で、斜線を付した部分を自
動シール装置で加熱しながら加圧することで、食品を簡
便に自動機械充填ヒートシールパックすることができ
る。
【0033】食品をパックした後は、図8で示したよう
に、そのまま冷凍冷蔵されたり、輸送されたり、店頭で
陳列される。この間、食品は、紙並びに樹脂のもつ撥水
性、耐油性によって保護される。
【0034】消費者は、購入後、包装のまま電子レンジ
に入れて加熱調理をすることができる。その加熱の際に
は、水や油分の余分な蒸気は、通気孔から蒸散させるこ
とができ、調理の間蒸気の圧力で包装が破裂することを
防止することができる。その加熱の際には、容器内の水
蒸気によって食品が適度に蒸され、また、加熱後も適度
な蒸らし環境が得られるので、食味の向上にも役立つ。
【0035】
【発明の実施例】次に、いくつかの実施例を挙げて、本
発明をより具体的に説明する。
【0036】実施例で使用した紙は、大興製紙株式会社
製の「晒耐油紙」(55g/m2 )である。ヒートシー
ル性樹脂としては、日本化工塗料株式会社製のヒートシ
ール剤「PW−412」を使用した。
【0037】塗工条件 ヒートシール性樹脂は、古木製作所製のテスト用グラビ
アコーターを使用し、次の条件にて各実施例についてコ
ーティングした。
【0038】 実施例1 : グラビア斜線版175セン、版の深さ38μm 実施例2 : グラビア斜線版175セン、版の深さ38μm 実施例3 : グラビア斜線版150セン、版の深さ60μm 実施例4 : グラビア斜線版 85セン、版の深さ99μm 実施例5 : グラビア斜線版 85セン、版の深さ99μm なお、いずれの実施例においても、乾燥時間は120
℃、コータスピードは60cm/min である。
【0039】試験方法 上記各実施例について、塗工量、耐油度、撥水度、透気
度、シール強度、電子レンジ加熱適性について試験を行
った。試験方法は以下のとおりである。
【0040】 1.塗工量 : 塗工前と塗工後の重量の差を測定した。 2.耐油度 : 3Mキット法による。 3.撥水度 : 紙および板紙の撥水度試験方法JIS P8137による。 4.透気度 : 紙および板紙の透気度試験方法JIS P8117による。 5.シール強度 : 15ミリ幅テンシロン抵抗値として測定した。 6.電子レンジ加熱適性試験
【0041】各実施例の紙を2つ折りにし、2ヶ所ヒー
トシール(フジシーラーISO品目盛り6設定)を行う
ことで袋状にした。各実施例の袋に水15ミリリットル
と、ラー油5ミリリットルを入れ、袋上部の口をヒート
シールパックした。電子レンジによる加熱は、出力50
0Wでレンジ強に設定し90秒間加熱した。その加熱の
間、水とラー油が沸騰して袋が破裂したり、ヒートシー
ル部分が圧力で剥がれて、中の水や油がしみ出てこない
かどうかをを目視観察した。
【0042】
【表4】 以上の各実施例の試験結果をまとめたものが表2であ
る。
【0043】また、各実施例の電子顕微鏡写真を図1乃
至6に示す。このうち、図6は、比較例として塗工量ゼ
ロの素材の耐油性かつ撥水性を有する紙そのものの表面
を示す。
【0044】樹脂塗工量2g/m2 の実施例1では、図
1に示されるように樹脂による被覆が少なく、表面に広
く紙の繊維が露出している。つまり、紙の表面は通気孔
の孔だらけのため、水蒸気は良く通すものの、シール強
度が弱い。したがって、電子レンジで加熱後30秒しか
もちこたえられずに、シール部分が剥がれてしまった。
また、撥水性もR6と低かった。
【0045】樹脂塗工量8g/m2 の実施例5では、図
5に示されるように、紙の表面はほとんど全面が厚い樹
脂層によって被覆されており、紙の通気孔の目が樹脂に
よって詰まっている。このため、シール強度は高いもの
の、透気度が不良で、電子レンジで加熱後50秒で袋が
破裂してしまった。
【0046】これに対して、樹脂塗工量5g/m2 の実
施例3では、紙表面を覆う樹脂被覆層と、繊維の露出し
通気孔となる部分が適度に混じり合って分布している。
実際の試験結果においても、シール強度は、最低ライン
の200g/15mmを大幅にクリアし、必要十分なシー
ル強度が得られ、しかも、紙の表面には平均直径100
〜200μmの通気孔が形成され(図3で繊維の出てい
る部分)、透気度90秒と高い値が得られ、シール強度
と、通気性蒸散性とを両立させることができた。実際に
電子レンジで加熱して結果も、中身が飛散することな
く、90秒以上の加熱を問題なく行うことができた。
【0047】また、樹脂塗工量3g/m2 の実施例2、
樹脂塗工量7g/m2 の実施例4でも、樹脂被覆層に通
気孔がバランスの良く分布した状態となっており、20
0g/15mmを超えるシール強度と、良好な通気性を得
られる好結果が得られ、実際の電子レンジでの加熱でも
ほぼ90秒以上の加熱してもシール部分の剥離、破裂な
どが生ぜず、良好な電子レンジ加熱適性が得られた。
【0048】以上の実施例の結果をまとめると、図12
に示すようになる。すなわち、ヒートシール強度と通気
度の特性をバランス良く両立できる樹脂塗工量の範囲は
3〜7g/m2 である。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、食品の水分や油に対する撥水性や、耐油性を
確保することはもちろん、ヒートシール強度と通気性と
を両立させることができるので、内圧で包装が破裂する
こなく電子レンジで加熱することができる。そして、本
発明による包装材料は紙を主体として、紙本来の持つ耐
油性、撥水性をはじめとして、印刷適性、製袋特性、食
品衛生性などをそのまま生しながら、必要なヒートシー
ル性と適度の通気性とを付加することを実現できる。
【0050】また、紙すなわち天然パルプ原料が主体で
あることは、従来の化成品のヒートシール包装材料に較
べて耐熱性や廃棄段階でのリサイクル性においてすぐれ
るという利点がある。
【0051】さらに、天然パルプ原料主体となっている
ため、断熱性の点では、従来の化成品のどのタイプより
も、火傷問題について有利な条件を有しており、耐熱性
の点においても、化成品主体のフィルム系、不織布系、
化成品抄き合わせの物より耐熱温度が高く、例えば、発
熱シートなどの対応においても溶け出さない特徴を有
し、一般的なフィルムにはない利点を挙げることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例において紙表面の通気孔の
形成状況を示す電子顕微鏡写真。
【図2】本発明の第2実施例において紙表面の通気孔の
形成状況を示す電子顕微鏡写真。
【図3】本発明の第3実施例において紙表面の通気孔の
形成状況を示す電子顕微鏡写真。
【図4】本発明の第4実施例において紙表面の通気孔の
形成状況を示す電子顕微鏡写真。
【図5】本発明の第5実施例において紙表面の通気孔の
形成状況を示す電子顕微鏡写真。
【図6】ヒートシール性樹脂を塗工しない紙表面の通気
孔の形成状況を示す電子顕微鏡写真。
【図7】ヒートシール性樹脂を紙表面にコーティングす
るのに用いられるグラビアコータを示す図。
【図8】本発明によるヒートシール包装材の機能を説明
する図。
【図9】本発明をピロー包装袋に適用した実施形態を示
す図。
【図10】本発明を平袋に適用した実施形態を示す図。
【図11】本発明を容器のトップシールに適用した実施
の形態を示す図。
【図12】樹脂塗工量とシール強度、透気度の関係を示
すグラフ。
【符号の説明】
1 グラビアロール 2 塗工液 3 バックアップロール 4 紙 5 ドクターブレード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D21H 1/34 G

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐油性かつ撥水性を有する紙の表面を被覆
    するヒートシール性樹脂がグラビアロール版を用いて塗
    工量3〜7g/m2 となるように塗工されているととも
    に、透気度が60〜120秒であることを特徴とする食
    品用ヒートシール包装材。
  2. 【請求項2】前記ヒートシール性樹脂は、ポリオレフィ
    ンワックスが10〜25%、石油系ワックスが10〜2
    5%、残部がアクリル系樹脂の樹脂固形分比率の水系デ
    ィスパーションまたはエマルジョンからなることを特徴
    とする請求項1に記載の食品用ヒートシール包装材。
  3. 【請求項3】耐油性かつ撥水性を有する紙は、フッ素系
    樹脂エマルジョンにて塗工処理した耐油度8以上でかつ
    撥水度2〜6の紙であることを特徴とする請求項1に記
    載の食品用ヒートシール包装材。
  4. 【請求項4】前記ヒートシール性樹脂の被覆層に散在す
    る通気孔の直径が50〜350μmであることを特徴と
    する請求項1に記載の食品用ヒートシール包装材。
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