JPH11350257A - 気相成長炭素繊維製造装置 - Google Patents

気相成長炭素繊維製造装置

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JPH11350257A
JPH11350257A JP15790898A JP15790898A JPH11350257A JP H11350257 A JPH11350257 A JP H11350257A JP 15790898 A JP15790898 A JP 15790898A JP 15790898 A JP15790898 A JP 15790898A JP H11350257 A JPH11350257 A JP H11350257A
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JP
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carbon fiber
furnace
reaction tube
vapor
cylindrical container
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JP15790898A
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Takashi Osaki
孝 大崎
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Nikkiso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭素繊維生成炉と炭素繊維成長炉とを有する
気相成長炭素繊維製造装置において、炉内に発生した炭
素を容易に除去でき、漏電が生じることなく、長期間安
定に運転できる気相成長炭素繊維製造装置、及び前記そ
れぞれの炉を拡大したときにも安定に気相成長炭素繊維
を製造できる気相成長炭素繊維製造装置を提供する。 【解決手段】炭素繊維を生成させる反応管及び反応管加
熱手段を備える炭素繊維生成炉と、炭素繊維を成長させ
る成長用反応管及び成長用反応管加熱手段を備える炭素
繊維成長炉と、炭素繊維生成炉内を酸化性雰囲気下で加
熱処理する第1加熱処理手段と、炭素繊維成長炉の内部
を酸化性雰囲気下で加熱処理する第2加熱処理手段とを
有する気相成長炭素繊維製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気相成長炭素繊維
製造装置に関し、具体的には、気相成長炭素繊維を製造
する際に反応容器外で発生し、又は反応容器から漏出し
た炭素繊維、炭素粒子及びタール等の炭素質物を簡易に
除去することのできる気相成長炭素繊維製造装置、気相
成長炭素繊維を製造する際の反応空間内で大規模な対流
を発生させず、しかも気相成長炭素繊維の大量生産を可
能にする気相成長炭素繊維製造装置、反応炉内の加熱手
段に使用される電気系統において漏電事故が発生せず、
長期間に亘る装置の運転を可能にする気相成長炭素繊維
製造装置、炭素繊維を製造する際に反応容器外で発生
し、又は反応容器から漏出した炭素繊維、炭素粒子及び
タール等の炭素質物で反応管の出口が閉塞する事故の生
じない気相成長炭素繊維製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
気相成長法による炭素繊維すなわち気相成長炭素繊維を
製造する気相成長炭素繊維製造装置としては、例えば、
水平方向に延びる、角形の断面形状を有するセラミック
製の反応管を備える炭素繊維生成炉の内部において、還
元性雰囲気下で、炭化水素ガス等の炭素源と触媒金属化
合物等の触媒金属源とを反応させて気相成長炭素繊維を
製造する気相成長炭素繊維製造装置が知られていた。
【0003】前記気相成長炭素繊維製造装置において
は、例えば、上方と前記反応管の軸線方向に直交する方
向における両端部(換言すると、先端部と後端部)とに
開口を有し、前記反応管の内壁を殆ど覆うようにして移
動することのできる筒状容器を前記炭素繊維生成炉の一
端から内部に搬入し、前記炭素繊維生成炉の他端から炭
素繊維生成炉外に搬出する手段を更に設けた気相成長炭
素繊維製造装置が知られていた(特開平5−33220
号公報、特開平5−222618号公報、特開平5−2
22619号公報等参照)。
【0004】前記気相成長炭素繊維製造装置において
は、炭化水素等の炭素源とフェロセン化合物等の触媒金
属源とを含有する反応ガスを、水素ガス等の還元雰囲気
下において1,000〜1,300℃程度の高温で反応
させているので、反応管としては、前記高温においても
水素化物及び炭化物のいずれをも形成しにくい、アルミ
ナ、ムライト、炭化珪素、及び窒化珪素等のセラミック
スから形成された反応管が広く用いられてきた。
【0005】ところで、セラミックスを塑性変形して1
本の筒体を形成してこれを焼成することにより直径の小
さなセラミックス製の炉心管を形成することは簡単な技
術であろうが、炭素繊維を大量生産するのに直径の充分
に大きなセラミックス製の炉心管を前記方法と同様にし
て一体物として製造することは極めて困難である。よっ
て、セラミックス製の反応管の場合においては、反応管
を複数の部材に分けて形成し、これをセラミックス系接
着剤等によって繋ぎ合わせて一本の炉心管を製造するこ
とが一般的に行われている。例えば、高さ1m、幅1
m、長さ5mの角形断面を有する反応管の場合において
は、前記反応管を二つ割りにした、コの字形の断面を有
する長さ1m程度の2つの部材を、セラミックス系接着
剤等によって繋ぎ合わせてロの字型の断面を有する筒形
の部材を形成し、この筒形の部材を、セラミックス接着
剤等によって直列に5個繋ぎ合わせて反応管を形成す
る。
【0006】前記反応管においては、各部材をセラミッ
クス系接着剤で接合しただけでは、昇温時及び降温時に
おける熱膨張と熱収縮との繰り返しによって、接着部分
にクラックが入る。そこで、前記反応管における接着部
分の周囲を、セラミック布及びセラミックフェルト等で
覆うことが一般的に行われてきた。
【0007】しかし、接着部をセラミック布及びセラミ
ックフェルト等で覆った反応管においても、昇温と降温
とを繰り返すと、反応管の接着部分にクラックが入っ
て、反応ガスが前記クラックから反応管外に漏れ、例え
ば、前記反応管の周囲、特に前記反応管を加熱するヒー
タの近傍において、繊維状又は粒子状の炭素が生成す
る。
【0008】前記ヒータは、通常高純度アルミナ管等の
耐熱性絶縁物管に封入されているので、反応管から漏れ
た反応ガスは、反応管の周囲におけるアルミナ管の近傍
において反応して、前記アルミナ管の周囲に繊維状又は
粒子状の炭素が付着する。しかも、前記ヒータは、20
0V程度の電圧が印加される高電圧加熱用ヒータである
ので、生成した炭素繊維が、ヒータに通電中にヒータの
周囲に発生した強い電場によって、前記アルミナ管の周
囲及びヒータ端子等に引き寄せられて蓄積し、これが絶
縁不良の原因となる。
【0009】アルミナは、常温では絶縁体であるが、1
000〜1300℃程度の高温下においては、電気抵抗
が大きく低下する。しかも、前記炭素繊維生成炉及び炭
素繊維成長炉の最も外側は、鉄板製の炉殻で覆われてい
る。更にヒータには前述のように200V程度の高電圧
が印加されている。したがって、ヒータ中を通電する電
流が、ヒータからアルミナ管及び前記アルミナ管の周囲
に付着した炭素を通って表面の炉殻に流れる。したがっ
て、ヒータに供給された200Vの電流が、前記経路を
通って炉殻に流れて漏電が起きるという問題があった。
漏電が起きた場合には、通常は漏電遮断器が作動して電
源が切れるが、電圧が200Vであることから、感電事
故の危険性を含んでいる。
【0010】更に、前記気相成長炭素繊維製造装置にお
いては、反応ガス中の炭素源と触媒金属源との反応、及
び気相成長炭素繊維と炭素源との反応における炭素質物
としてタール状物が生成し、これと容器からこぼれた気
相成長炭素繊維とが混合した混合物が、炭素繊維生成炉
における低温の部分、例えば反応管の出口に蓄積すると
いう問題があった。前記混合物は、冷却されて固化する
とアスファルト様の極めて硬い固形物になる。したがっ
て、前記混合物が反応管の出口等に蓄積すると、前記筒
状容器の移動ができなくなり、それ以上の運転の継続は
不可能であった。
【0011】加えて、前記気相成長炭素繊維製造装置に
おける炭素繊維生成炉及び炭素繊維成長炉を大型化する
ときにおいて、前記容器の断面積を単に相似形に拡大し
た場合には、前記容器の内部において激しい対流が発生
するので、気相成長炭素繊維が安定に成長しなくなると
いう問題があった。更に、容器の中心部と側壁部近傍と
の間の温度差が大きくなるので、この点からも、気相成
長炭素繊維を安定して製造できなくなるという問題もあ
った。
【0012】本発明の目的は、反応管と、反応管の外側
に配置され、かつ反応管内を加熱する加熱手段とを備え
る反応炉を有し、前記反応管内で気相成長炭素繊維を製
造する気相成長炭素繊維製造装置において、反応管から
漏出した炭素繊維及びタール状物、並びに反応管から漏
出した炭素源ガスから生成した炭素繊維及びタール状物
等の炭素質物を容易に除去することのできる気相成長炭
素繊維製造装置を提供することにある。
【0013】本発明の目的は、炭化水素ガス等の炭素源
と触媒金属化合物等の触媒金属源とを気相で反応させて
気相成長炭素繊維を生成させる、筒体形成用の2以上の
部材から形成された反応管(以下において、この反応管
を生成用反応管と称することがある。)を備える炭素繊
維生成炉と、前記炭素繊維生成炉において生成した気相
成長炭素繊維に前記炭素源を接触させて気相成長炭素繊
維を半径方向に成長させる、筒体形成用の2以上の部材
から形成された壁面を有する反応管(以下において、こ
の反応管を成長用反応管と称することがある。)を備え
る炭素繊維成長炉とを有する気相成長炭素繊維製造装置
において、前記炭素繊維生成炉及び炭素繊維成長炉内に
生じる炭素質物を容易に除去することのできる気相成長
炭素繊維製造装置を提供することにある。
【0014】本発明の目的は、漏電事故の恐れのない気
相成長炭素繊維製造装置を提供することにある。
【0015】本発明の目的は、反応管と、反応管の外側
に配置され、かつ反応管内を加熱する加熱手段とを備え
る反応炉を有し、前記反応管内で気相成長炭素繊維を製
造する気相成長炭素繊維製造装置において、漏電事故の
恐れがなく、また反応炉内に炭素質物の蓄積を生じるこ
とのない気相成長炭素繊維製造装置を提供することにあ
る。
【0016】本発明の目的は、反応管内での対流発生が
少なくて、気相成長炭素繊維を発生させる反応領域が均
一に加熱され、大量の気相成長炭素繊維を安定に製造す
ることのできる気相成長炭素繊維製造装置を提供するこ
とにある。
【0017】本発明は、又、前記生成用反応管及び成長
用反応管の周囲に炭素が付着した場合等においても漏電
が生じることが殆どなく、たとえ漏電が生じた場合にお
いても感電の危険性がない気相成長炭素繊維製造装置を
提供することを目的とする。本発明は、更に、長時間の
運転時においても、反応副生物であるタール状物、及び
前記タール状物と炭素繊維との混合物等の炭素質物が、
前記生成用反応管及び成長用反応管の出口等に蓄積する
ことのない気相成長炭素繊維製造装置を提供することを
目的とする。
【0018】これに加えて、本発明は、炭素繊維生成炉
及び炭素繊維成長炉を大型化した場合においても、前記
生成用反応管及び成長用反応管の内部において過大な対
流が生じることがなく、且つ前記生成用反応管及び成長
用反応管の中心部と周辺部との間に過大な温度差が生じ
ることの無い気相成長炭素繊維製造装置を提供すること
を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決すること
を目的とする炭素繊維成長装置は、(1) 気相成長炭素繊
維を製造する、筒体形成用の2以上の部材から形成され
た筒状の反応管及びこの反応管内を通電により加熱する
加熱手段を備えた反応炉と、(2) 前記反応管の内部に酸
化性ガスを供給する酸化性ガス供給手段と、を有してな
ることを特徴とする気相成長炭素繊維製造装置であり、
この気相成長炭素繊維製造装置における好適な態様にお
いては、前記反応炉が、(1) 還元性雰囲気下に炭素源と
触媒金属源とを反応させて気相成長炭素繊維を生成させ
る、筒体形成用の2以上の部材から形成された筒状の、
炭素繊維生成用の反応管、及び前記炭素繊維生成用の反
応管の内部を通電により加熱する加熱手段を備える炭素
繊維生成炉、及び、(2) 前記炭素繊維生成炉において生
成した気相成長炭素繊維に炭素源を接触させて前記気相
成長炭素繊維を太さ成長させる、筒体形成用の2以上の
部材から形成された筒状の、太さ成長用の反応管、及び
前記太さ成長用の反応管の内部を通電により加熱する加
熱手段を備える炭素繊維成長炉を有してなり、前記酸化
性ガス供給手段が、(1) 前記炭素繊維生成炉の内部に酸
化性ガスを供給する第1酸化性ガス供給手段、及び、
(2) 前記炭素繊維成長炉の内部に酸化性ガスを供給する
第2酸化性ガス供給手段を有してなる。
【0020】本発明は、(1) 気相成長炭素繊維を製造す
る、筒体形成用の2以上の部材から形成された筒状の反
応管、及び、(2) 前記反応管に近接して配置された耐熱
性絶縁ケースと、前記耐熱性絶縁ケース内に収容され
た、100V以下の電圧が印加される低電圧ヒータと、
前記耐熱性絶縁ケース内に不活性ガスを流通させる不活
性ガス供給手段とを有し、前記反応管内を加熱する加熱
手段、を備えた反応炉を備えてなることを特徴とする気
相成長炭素繊維製造装置であり、前記いずれの気相成長
炭素繊維製造装置においても、好適な態様としては、前
記加熱手段が、耐熱性絶縁ケースと、前記耐熱性絶縁ケ
ース内に収容された、100V以下の電圧が印加される
低電圧ヒータと、前記耐熱性絶縁ケース内に不活性ガス
を流通させる不活性ガス供給手段とを有してなり、好適
な態様においては、前記低電圧ヒータは、黒鉛ヒータで
あり、前記いずれの気相成長炭素繊維製造装置において
も、好適な態様としては、前記加熱手段は、前記低電圧
ヒータを前記耐熱性絶縁ケース内から外部に退避させる
退避手段を備えてなり、本発明はまた、(1) 気相成長炭
素繊維を製造する筒状の反応管及びこの反応管を加熱す
る加熱手段を備えた反応炉と、(2) 複数の容器と、(3)
気相成長炭素繊維製造用ガスを供給するガス供給手段と
を備え、(1) 前記反応管は、その軸線方向に直交する断
面が1以上の容器の断面で分画されてなり、分画した各
容器はその軸線方向に直交する方向での断面積が、4m
2 以下に設定されてなり、分画した容器それぞれは軸線
方向に配列された他の容器に相互に当接して筒状の内部
空間を形成してなり(3) 前記ガス供給手段は、前記内部
空間それぞれに臨むように、配置されてなることを特徴
とする気相成長炭素繊維製造装置である。
【0021】本発明は、気相成長炭素繊維を製造する筒
状の反応管及びこの反応管を加熱する加熱手段を備えた
反応炉と、前記反応管の出口に設けられ、前記反応管内
で生成した炭素質物を除去する炭素質物排出手段とを備
えてなることを特徴とする気相成長炭素繊維製造装置で
ある。
【0022】本発明は、(1) 還元性雰囲気下に炭素源と
触媒金属源とを反応させて気相成長炭素繊維を生成させ
る、筒体形成用の2以上の部材から形成された繊維生成
用の反応管、及び前記繊維生成用の反応管内を通電によ
り加熱する加熱手段を備える炭素繊維生成炉と、(2) 前
記炭素繊維生成炉において生成した気相成長炭素繊維に
炭素源を接触させて前記気相成長炭素繊維を太さ成長さ
せる、筒体形成用の2以上の部材から形成された太さ成
長用の反応管、及び前記太さ成長用の反応管内を加熱す
る加熱手段を備える炭素繊維成長炉と(3) 前記炭素繊維
生成炉及び/又は前記炭素繊維成長炉において生成した
炭素質物を炉外に除去する炭素質物排出手段とを備えて
なることを特徴とする気相成長炭素繊維製造装置であ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】1.本発明に係る気相成長炭素繊
維製造装置の一例 以下、本発明に係る気相成長炭素繊維製造装置の一例に
ついて、図面を用いて説明する。
【0024】1.1 前記気相成長炭素繊維製造装置の
構成 図1は、本発明に係る気相成長炭素繊維製造装置の一例
を示す平面図である。
【0025】図1に示された気相成長炭素繊維製造装置
は、気相成長炭素繊維を生成させる(あるいは、発生さ
せる)炭素繊維生成炉Aと、前記炭素繊維生成炉Aにお
いて生成した気相成長炭素繊維を半径方向に成長させる
炭素繊維成長炉Bとを備える。
【0026】図1における平面X−Xに沿って炭素繊維
生成炉Aを切断した縦断面を図2に示し、図1における
平面Y−Yに沿って前記炭素繊維生成炉Aを切断した横
断面を図3に示す。そして、図1における平面Z−Zに
沿って炭素繊維成長炉Bを切断した縦断面を図4に示
す。
【0027】この例においては、この発明における反応
炉が、還元雰囲気下に炭素源と触媒金属源とを反応させ
て気相成長炭素繊維を生成させる炭素繊維生成炉Aと、
この炭素繊維生成炉Aにおいて生成した気相成長炭素繊
維に炭素源を接触させて気相成長炭素繊維を太さ成長さ
せる炭素繊維成長炉Bとで形成される。
【0028】図2及び図3に示されるように、炭素繊維
生成炉Aは、水平方向に延びる、略正方形の断面を有す
る炉芯管1を備える。この炉芯管1の内部には、前記炉
芯管1の底面をスライドしながら移動することができ、
炉心管1の側壁内面に対して僅かな間隙を有する側壁外
面を有し、略正方形状の断面を有する黒鉛製の5個の筒
状容器2を装填している。この筒状容器2は、本発明に
おける容器に相当する。
【0029】本発明における反応管である前記炉芯管1
は、筒体形成用の2以上の部材から形成された1本の筒
体である。具体的には、この炉芯管1は、炭化珪素から
なり、ロの字型の断面(筒状容器2の軸線に直交する断
面)を有し、且つ長さの短い管状の部材であるセグメン
トを、7個直列に、セラミックス系接着剤で接合して形
成された1本の管体である。また、前記セグメントは、
これを二つ割りしたものから、セラミックス系接着剤で
接合することにより形成されることができる。
【0030】一方、炭素繊維成長炉Bは、前記炭素繊維
生成炉Aと同様、水平方向に延び、略正方形の断面を有
する炉芯管11を備え、この炉芯管11の内部には前記
炉芯管11の内壁に接触して移動することができ、略正
方形状の断面を有する6個の筒状容器2を装填してい
る。この筒状容器2は、本発明における容器に相当す
る。
【0031】なお、前記炉芯管11は、筒体形成用の2
以上の部材から形成された1本の筒体である。具体的に
は、この炉芯管11は、前記炉芯管1を構成するセグメ
ントと同様の炭化珪素製のセグメントを8個直列にセラ
ミックス系接着剤で接合して形成された1本の管体であ
る。また、前記セグメントは、これを二つ割りしたもの
から、セラミックス系接着剤で接合することにより形成
されることができる。
【0032】炭素繊維成長炉Bにおける炉芯管11に装
填される筒状容器2は、炭素繊維生成炉Aにおける炉芯
管1の内部を通過して来た筒状容器2である。又、炭素
繊維成長炉Bは、図3に示される炭素繊維生成炉Aの横
断面とほぼ同様の横断面を有するから、本明細書におい
ては、炭素繊維成長炉Bの横断面図を省略した。
【0033】前記筒状容器2が前記炉芯管1及び11に
装填される方向に対して直角で水平の方向から前記筒状
容器2を見た側面図、及び前記筒状容器2が前記炉芯管
1及び11に装填される方向(軸線方向)から見た正面
図を図5に示す。図5において(A)は、前記筒状容器
2の側面図であり、(B)は、前記筒状容器2の正面図
である。
【0034】図5に示されるように、筒状容器2は、そ
の軸線方向に対して略正方形の断面を有する、両端が開
口した管状の容器であり、且つ横長の長方形の側面形状
を有する。そして、一端には、前記筒状容器2における
天井面及び床面に平行に、即ち水平方向に3本の桟21
が設けられている。この桟21は、生成する気相成長炭
素繊維を付着させる機能を有する。したがって、この桟
21は、気相成長炭素繊維付着集積手段の一例である。
【0035】この筒状容器2は、前記3本の桟21が設
けられた一端を先端にして、前記炭素繊維生成炉A及び
炭素繊維成長炉Bに装填される。
【0036】前記筒状容器2は、前記図2及び図4に示
すように、その軸線方向において隣接する筒状容器2に
おける開口した端部同士が互いに当接するように、前記
炭素繊維生成炉Aの炉心管1、及び炭素繊維成長炉Bの
炉芯管11の内部に一列に装填され、1本のダクト状の
管を形成する。
【0037】更に言うと、三本の桟21を有する先端部
を他の筒状容器2における三本の桟21の設けられてい
ない後端部に接するように、筒状容器2と他の筒状容器
2とを当接して、1本のダクト状の管体ないし管状体を
形成する。炭素繊維生成炉Aにおいては、このようにし
て複数の筒状容器2が相互に当接した状態で炉芯管1内
に配列されることにより、1本の管体が形成され、その
管体の内部空間が気相成長炭素繊維を形成する反応空間
となる。また、炭素繊維成長炉Bにおいては、このよう
にして複数の筒状容器2を相互に当接した状態で炉芯管
11内に配列されることにより、1本の管体が形成さ
れ、その管体の内部空間が気相成長炭素繊維の太さ成長
を行う反応空間となる。
【0038】炭素繊維生成炉Aにおいては、後述する反
応ガス及び炭素源ガスは、いずれも複数の前記筒状容器
2が相互に当接するように配列されることによって形成
されるダクト状の管ないし管体の一端から供給され、前
記ダクト状の管の他端に向かって流通する。また炭素繊
維成長炉Bにおいては、後述する炭素源ガスが、複数の
前記筒状容器2が相互に当接するように配列されること
によって形成されるダクト状の管の一端から供給され、
前記ダクト状の管の他端(先端)に向かって流通する。
炉芯管1及び11のいずれにおいても、前記筒状容器2
は、桟21が設けられた側の端部が炉芯管1及び11の
出口側を向くように装填される。
【0039】図1に示された気相成長炭素繊維製造装置
においては、炭素繊維生成炉Aにおける炉芯管1の一端
から前記炉芯管1内に前記筒状容器2が1個づつ挿入さ
れ、同時に、前記炉芯管1の他端から前記筒状容器2が
1個づつ取り出される。別に言うと、この炉芯管1内に
は5個の筒状容器2が装填されていて、新たな1個の筒
状容器2がこの炉芯管1内に挿入されると、この炉芯管
1の先端から1個の筒状容器2が押し出されてくるよう
になっている。
【0040】同様にして、前記炉芯管1から取り出され
た筒状容器2は、前記炭素繊維成長炉Bにおける炉芯管
11の一端から前記炉芯管11内に1個づつ挿入され、
同時に前記炉芯管11の他端から前記筒状容器2が1個
づつ取り出される。
【0041】この炉芯管1及び炉芯管11のいずれにお
いても、その軸線方向から見ると、筒状容器2の底面が
炉芯管1又は炉芯管11の底面に接し、筒状容器2の外
側面及び上外面は炉芯管1又は炉芯管11の内側壁面及
び天井下面に対し、例えば数mmの間隔を隔てて対向し
た状態にある。筒状容器2の外側面が炉芯管1又は炉芯
管11の内側面に対して上記した僅かのクリアランスを
有し、また筒状容器2の上外面と炉芯管1又は炉芯管1
1の天井下面との間に僅かのクリアランスを有するの
は、筒状容器2の移動に際する接触抵抗を減らすこと、
および熱膨張による体積変化を見積もったこと、に基づ
く。そして、この炉芯管1及び炉芯管11のいずれにお
いても、その軸線方向に直交する方向での断面が、1個
の筒状容器2の断面で1個に分画されている。ここで、
分画するというのは、反応管の軸線方向に直交する方向
での断面を、筒状容器の断面で区切るという言う意味で
ある。
【0042】炭素繊維生成炉Aは、炭素繊維成長炉Bに
対してその軸線が平行になるように、しかも前記炭素繊
維成長炉Bと同一の平面上に位置するように(見方を変
えて言うと、前記炭素繊維生成炉Aの軸線と炭素繊維成
長炉Bの軸線とが同じ高さにあるように)配置されてい
る。
【0043】前記炭素繊維生成炉Aの炉芯管1におけ
る、筒状容器2が搬入される入口からは、前記炉芯管1
に筒状容器2を搬入する気密な管路である筒状容器搬入
管路Cが設けられる。
【0044】この筒状容器搬入管路Cは、前記炉芯管1
の軸線に対して直角であり、且つ炭素繊維成長炉Bから
遠ざかる方向に水平に延びる水平部と、この水平部にお
ける炭素繊維成長炉Bより遠い位置にある端部で、真っ
直ぐに下降する垂直下降部とを有する。この垂直下降部
にはエレベータELV1(リフト)が取り付けられる。
この筒状容器搬入管路Cにおける前記水平部は、筒状容
器2が水平に搬送されることのできる、横長の長方形状
の断面を有する水平な管路であり、前記垂直下降部は、
筒状容器2を載置するエレベータELV1の床が昇降可
能な水平断面を有する縦型の管路である。
【0045】前記筒状容器搬入管路Cの水平部におけ
る、前記炉芯管1の入口近傍には、炭素源及び触媒金属
源を筒状容器2の中心部に供給する、炉心管1の中心線
(軸線)に沿って前進後進の可能な反応ガス供給管61
が設けられている。この反応ガス供給管61は、本発明
における、気相成長炭素繊維製造用ガスを供給するガス
供給手段の一要素である。気相成長炭素繊維製造用ガス
としては、気相成長炭素繊維を生成させ、或いは発生さ
せるガス、及び生成した気相成長炭素繊維を太さ成長さ
せるガスを挙げることができる。
【0046】ここで、炭素源は、気相成長炭素繊維を形
成する炭素を供給する化合物であり、例えばベンゼン等
の炭化水素を挙げることができる。なお、炭素源の具体
例については後に詳述する。
【0047】前記触媒金属源は、気相成長炭素繊維の形
成における触媒となる遷移金属原子を供給する化合物で
あり、例えばフェロセン等のメタロセン等を挙げること
ができる。なお、触媒金属源の具体例については後に詳
述する。
【0048】前記反応ガス供給管61からは、実際に
は、前記炭素源及び触媒金属源の混合ガスである反応ガ
スと、キャリヤーガスである水素ガスとの混合ガスが供
給される。
【0049】前記反応ガス供給管61の先端には、前記
混合ガスを噴射する反応ガス噴射ノズル(図示せず。)
が設けられている。この反応ガス供給管61及び反応ガ
ス噴射ノズルは、ガス供給手段の一要素である。更に言
うと、このガス供給手段は、例えば、反応ガス噴射ノズ
ルと、反応ガス噴射ノズルを接続してこれを支持し、ガ
スを反応ガス噴射ノズルに案内する反応ガス供給管と、
この反応ガス供給管に炭素源ガス、触媒金属源ガス及び
キャリヤーガスを送り込む配管と前記反応ガス供給管を
前進後進させる駆動手段とを備える。
【0050】なお、前記炭素繊維生成炉Aの内部を酸化
性雰囲気下で加熱処理する際には、反応ガス供給管61
及び反応ガス噴射ノズルを通じて、前記反応ガスと水素
ガスとの混合ガスに代えて空気が導出される。したがっ
て、反応ガス噴射ノズルは酸化性ガス噴射ノズルでもあ
り、また、この反応ガス供給管61は、酸化性ガス供給
管でもある。
【0051】更に言うと、この反応性ガス供給管61及
び反応ガス噴射ノズルは、酸化性ガス供給手段の一要素
である。この酸化性ガス供給手段は、例えば、酸化性ガ
スを噴射するノズルともなる反応ガス噴射ノズルと、反
応ガス噴射ノズルを接続してこれを支持するとともに酸
化性ガスを反応ガス噴射ノズルに案内する反応性ガス供
給管61と、この反応性ガス供給管61に空気を送り込
む配管と前記反応性ガス供給管61を前進後進させる駆
動手段とを備える。要するに、反応性ガス供給管61は
酸化性ガスを送り込む管体であり、また気相成長炭素繊
維を生成するための原料ガスを送り込む管体であり、反
応ガス噴射ノズルは酸化性ガスを噴射するノズルでもあ
り、また気相成長炭素繊維を生成するための原料ガスを
噴射するノズルでもある。
【0052】駆動手段により前進した反応ガス供給管6
1における反応ガス噴射ノズルは、図1及び図2に示す
ように、前記反応ガス供給管61が最も前進した時にお
いては、前記炉芯管1の内部における、列状に装填され
た5個の筒状容器2の内、最も上流側の筒状容器2にお
ける上流側の端部に位置する。
【0053】なお、前記反応ガス供給管61が最も後退
した時においては、炉芯管1内に搬入される筒状容器2
の移動を妨げないように、先端部の反応ガス噴射ノズル
は、前記筒状容器搬入管路Cの壁面近傍に位置する。
【0054】前記筒状容器搬入管路Cにおける、前記炉
芯管1の入口近傍には、更に、前記筒状容器2を前記炉
芯管1の内部に押し込むことができるように、前記反応
ガス供給管61と平行に延びる押し棒(プッシャー)7
1が設けられている。この押し棒71は、前記筒状容器
搬入管路Cから炉芯管1内に筒状容器2を押し込む第1
の筒状容器押動手段の一例である。
【0055】前記押し棒71は、前記反応ガス供給管6
1の下方に位置し、押し棒駆動手段例えば空気シリンダ
(図示せず。)によって往復動可能な棒(ロッド)であ
る。前記押し棒71の、筒状容器2に当接する側の端部
には、筒状容器2の端面に当接する板状の部材である当
接板71aが設けられている。
【0056】筒状容器搬入管路C内を筒状容器2が移動
して炉芯管1の入口開口部に臨む位置にまで達する際、
及び前記反応ガス供給管61から反応ガス及び水素ガス
が供給される際には、前記押し棒71は、図2において
点線で示すように、当接板71aが筒状容器搬入管路C
の壁面近傍に引き込められている。
【0057】一方、筒状容器2を炉芯管1内部に搬入す
る際には、炉芯管1の入口開口部に臨む筒状容器2を前
記押し棒71が押して行く。これによって、前記筒状容
器2が、前記炉芯管1の内部における床面に沿って押し
込まれて行く。
【0058】図1に示されるように、前記筒状容器搬入
管路Cの垂直下降部における、エレベータELV1が下
降しきった位置に、前記炭素繊維生成炉Aから遠ざかる
方向に水平に延在するように配置された入口側エアロッ
クC1が設けられている。
【0059】後述するローラコンベアFによって搬入さ
れた筒状容器2が前記入口側エアロックC1の内部に収
納されると、前記エアロックC1内部の雰囲気が、それ
までの空気雰囲気から窒素雰囲気に置換され、次いで窒
素雰囲気から水素雰囲気に置換される。このエアロック
C1により、高温状態に維持されている炉芯管1に空気
が混入することによる事故の防止が図られる。
【0060】このエアロックC1の末端には、前記入口
側エアロックC1の一端開口部を覆蓋する、往復動可能
な気密扉C11が設けられている。前記気密扉C11の
入口側エアロックC1の内部に臨む面には、前記ローラ
コンベアFによって搬入された筒状容器2を載置する載
置台C12が設けられている。
【0061】気密扉C11の外側には、前記気密扉C1
1を往復動させる気密扉駆動手段が取り付けられる。こ
の気密扉駆動手段は、基本的には、第1の筒状容器押動
手段と同様の構成を有する。すなわち、この気密扉駆動
手段は、ロッド駆動手段例えば空気シリンダ(図示せ
ず。)によって往復動可能なロッドC10を有する。こ
の気密扉駆動手段により前進するロッドC10により気
密扉C11と載置台C12とが前進し、前記載置台C1
2上に配置された筒状容器2を入口側エアロックC1に
押し進める。気密扉駆動手段によりロッドC10が前進
し切ると、気密扉C11が入口側エアロックC1を気密
に閉鎖し、入口側エアロックC1の内部に筒状容器2が
配置される。その後に、筒状容器2を受け入れた入口側
エアロックC1内の雰囲気が水素雰囲気に置換される。
入口側エアロックC1内が完全に水素雰囲気に置換され
ると、図示しない筒状容器移送手段により、エレベータ
ELV1に筒状容器2が移送され、収容される。
【0062】前記入口側エアロックC1と筒状容器搬入
管路Cとの間には、ゲート弁C2が設けられている。前
記ゲート弁C2は、長方形の弁体が上下に昇降すること
によって前記筒状容器搬入管路Cと前記入口側エアロッ
クC1との間を開閉する弁であり、閉時には、このゲー
ト弁C2の下端が床面に当接して前記筒状容器搬入管路
Cと前記入口側エアロックC1との間が気密に閉塞され
る。また、このゲート弁C2の開閉動作によって、この
ゲート弁C2を装着する部位を通じて外部から筒状容器
搬入管路C及び入口側エアロックC1のいずれにも外気
が侵入することがないように、気密にゲート弁C2が装
着される。
【0063】前記筒状容器搬入管路Cにおける入口側エ
アロックC1側の端面には、筒状容器2を筒状容器搬入
管路C内で押し動かし、移動させる第2の筒状容器押動
手段が設けられる。この第2の筒状容器押動手段は、前
記筒状容器搬入管路Cが延在する方向(延在方向。換言
すると、炉芯管1の軸線に対して直交する水平方向)に
沿って図示しない駆動手段により往復動する押し棒72
を有する。
【0064】押し棒72は、筒状容器搬入管路Cの内部
において、上昇し切ったエレベータELV1の床面に載
置される筒状容器2を前記炉芯管1の入口に向かって前
記筒状容器2を押して移動させる機能を有する。前記押
し棒72の先端には、筒状容器2の側面に当接する当接
板72aが設けられている。
【0065】前記炭素繊維生成炉Aの炉芯管1におけ
る、筒状容器2が搬出される出口と、炭素繊維成長炉B
の炉芯管11における筒状容器2が搬入される入口と
は、横長の長方形の断面を有する気密な管路である連絡
管路Dで結合されている。
【0066】前記連絡管路Dは、前記炭素繊維生成炉A
の炉芯管1及び炭素繊維成長炉Bの炉芯管11に対し
て、直角で水平の方向に延在する管路である。更に言う
と、この連絡管路Dは、前記炉芯管1の出口から排出さ
れた筒状容器2を、前記炉芯管11の入口へと案内する
通路である。効率良く筒状容器2を炉芯管1から炉芯管
11へと案内するために、炉芯管1における筒状容器2
の搬送面と、連絡管路Dにおける搬送面と、炉芯管11
における筒状容器2の搬送面とが同一平面となるように
設計される。
【0067】前記炭素繊維生成炉Aの炉芯管1における
出口から搬出された筒状容器2は、その向きを変えるこ
となく前記連絡管路Dを移動する。前記連絡管路Dを通
過した筒状容器2は、前記炉芯管1における出口から搬
出されたときと同じ向きで、炭素繊維成長炉Bの炉芯管
11における入口から前記炉芯管11の内部に搬入され
る。
【0068】前記連絡管路Dには、前記ゲート弁C2と
同様の2つのゲート弁D1及びD2が設けられている。
ゲート弁D1は、前記連絡管路Dにおける炭素繊維生成
炉A寄りに設けられたゲート弁であり、ゲート弁D2
は、前記連絡管路Dにおける炭素繊維成長炉B寄りに設
けられたゲート弁である。前記ゲート弁D1及びD2
は、いずれも、ゲート弁C2と同様に、閉時には前記連
絡管路Dを気密に閉塞し、開時においても、前記連絡管
路Dの内部に外気が侵入することがないように仕組まれ
た弁である。
【0069】更に言うと、前記ゲート弁D1とゲート弁
D2との開閉動作を制御することによって、炉芯管1側
のガスがこの連絡管路Dを通じて炉芯管11側に混入す
ることができないようになっている。
【0070】例えば、ゲート弁D1を閉鎖状態にしてお
いてから、炉芯管1側の出口を開閉する出口側シャッタ
82を開状態にし、炉芯管1から筒状容器2を連絡管路
D内に引っぱり出し、或いは押し出す。次いで出口側シ
ャッタ82を閉鎖し、ゲート弁D1を開状態にする。こ
のとき、ゲート弁D2は閉状態にしておく。ゲート弁D
1を通じて筒状容器2をゲート弁D1とゲート弁D2と
の間に移送する。ゲート弁D1とゲート弁D2との間に
筒状容器2が配置されると、ゲート弁D2を閉鎖状態に
する。ゲート弁D1とゲート弁D2とが閉鎖された状態
のまま、この空間内の雰囲気を、水素ガス雰囲気から窒
素ガス雰囲気に変える。次いで、ゲート弁D1を閉鎖状
態にしたまま、ゲートD2を開放状態にし、その状態の
まま、筒状容器をゲート弁D1とゲート弁D2との間か
ら炉芯管11の入口に臨む位置に移送する。移送された
筒状容器2が炉芯管11の入口に臨む位置に至ると、ゲ
ート弁D2が閉鎖状態になる。
【0071】このようにゲート弁D1とゲート弁D2と
が協働することにより、炉芯管1内に存在する水素ガス
含有の還元性雰囲気が炉芯管11に混入するのが防止さ
れる。このゲート弁D1とゲート弁D2との組み合わせ
は、ガス混入防止手段の一例である。更に言うと、この
ゲート弁D1とゲート弁D2とを有する連絡管路Dは、
炉芯管1の雰囲気と炉芯管11との雰囲気を緩衝する雰
囲気緩衝手段でもある。
【0072】前記連絡管路Dにおける炉芯管1側の端部
には、筒状容器2を移送する第3の筒状容器押動手段と
第1の筒状容器取出手段とが設けられる。この例におい
ては、この第3の筒状容器押動手段は、前記連絡管路D
が延在する方向、即ち前記炭素繊維生成炉Aにおける炉
芯管1が延在する方向に対して直角で水平の方向に沿っ
て往復動する押し棒74を有する。また、第1の筒状容
器取出手段は、前記炉芯管1が延びる方向に沿って往復
動する、炉芯管1における出口近傍に挿入される筒状容
器取出フォーク75を有する。
【0073】前記押し棒74は、筒状容器搬入管路Cに
設けられた押し棒72と同様の押し棒である。前記筒状
容器取出フォーク75は、前記炉芯管1内に嵌装された
筒状容器2の内、最も出口寄りに位置する筒状容器2を
連絡管路D内に搬出する機能(この場合、筒状容器2を
引っ張り出す機能)を有する。前記筒状容器取出フォー
ク75は、筒状容器2を載置する、水平に延在する板状
の部材であるフォーク75bと、前記フォーク75bの
一端において、前記フォーク75bに対して垂直に延在
する板状の部材である垂直板75aとを備える。この筒
状容器取出フォーク75は、前記押し棒71と共働して
前記筒状容器2を移送する。
【0074】前記連絡管路Dにおける、炉芯管11の入
口近傍の端部には、連絡管路Dにおけるゲート弁D1と
ゲート弁D2との間に配置された筒状容器2を、炉芯管
11の入口に臨む位置に移送する筒状容器引き取り手段
が設けられる。この筒状容器引き取り手段は、例えば筒
状容器2を引っかけてこれを引き出す係止部を備える。
【0075】前記連絡管路Dにおける、炭素繊維成長炉
Bが備える炉芯管11の入口近傍には、前記炭素源を、
前記炉芯管11の内部に嵌装ないし装填された筒状容器
2の中心部又は中心より上又は下の部分に供給する炭素
源供給管62が設けられている。この炭素源供給管62
は、炭素繊維成長炉Bが備える炉芯管11の内部に炭素
源ガスを供給する炭素源ガス供給手段の一例である。
【0076】前記炭素源ガス供給管62は、前記炭素源
が気化した炭素源ガスとキャリヤーガスである窒素ガス
との混合ガスを前記筒状容器2の中心部に噴射する。炭
素源ガス供給管62は、前記炉心管11の中心線に沿っ
て駆動手段により前進後進の可能な管であり、先端に
は、前記混合ガスを噴射する炭素源ガス噴射ノズルが設
けられている。つまり、炭素源ガス供給管62は、炭素
源ガス噴射ノズルと、この炭素源ガス噴射ノズルを接続
し、この炭素源ガス噴射ノズルを炉芯管11内の筒状容
器2の内部に挿入することができるように前進し、ま
た、炭素源ガス噴射ノズルが連絡管路Dにおける炉芯管
11に臨む壁面まで退避するように後退する配管部と、
炭素源ガス噴射ノズルに炭素源ガスを供給する炭素源ガ
ス供給系統及び炭素源ガス噴射ノズルに窒素ガスを供給
するキャリヤーガス供給系統とを有する。
【0077】なお、前記炭素繊維成長炉Bの内部を酸化
性雰囲気下で加熱処理する場合には、前記炭素源ガス供
給管62からは、前記炭素源ガスと窒素ガスとの混合ガ
スに代えて、空気が供給される。つまり、酸化性ガス供
給手段が、この炭素源ガス噴射ノズルと、駆動手段によ
って前進後進可能な前記配管部と、炭素源ガス噴射ノズ
ルに酸化性ガス例えば空気を送り込む、例えば配管及び
コンプレッサーからなる空気供給系とで形成される。
【0078】前記炭素源ガス供給管62における炭素源
ガス噴射ノズルは、図1及び図4に示すように、前記炭
素源ガス供給管62が最も前進した時においては、前記
炉芯管11の内部で列状に装填ないし嵌装された6個の
筒状容器2が形成するダクト状の管路における、炉芯管
11の入口寄りの端部に位置する。なお、前記炭素源ガ
ス供給管62が最も後退した時においては、炉芯管11
内に搬入される筒状容器2の移動を妨げないように、先
端部の炭素源ガス噴射ノズルは、前記連絡管路Dの壁面
近傍に引き込められる。
【0079】前記連絡管路Dにおける、前記炉芯管11
の入口近傍には、更に、第4の筒状容器押動手段が設け
られる。この第4の筒状容器押動手段は、前記筒状容器
2を前記炉芯管11の内部に押し込む押し棒73を有す
る。
【0080】前記押し棒73は、前記炭素繊維生成炉A
における炉芯管1の入口近傍に設けられた押し棒71と
同様に、炭素源ガス供給管62の下方において、図示し
ない駆動手段によって前記炭素源ガス供給管62に対し
て平行に伸び(前進し)、且つ後退する棒、換言すると
往復動可能な棒であり、筒状容器2に当接する側の端部
には当接板73aが設けられている。
【0081】連絡管路D内を筒状容器2が移動する際、
及び前記炭素源ガス供給管62から炭素源ガス及び窒素
ガスが供給される際には、図2において点線で示すよう
に、当接板73aが連絡管路Dの壁面近傍に位置するよ
うに前記押し棒73が引き込められて待機する。一方、
筒状容器2を炉芯管11内部に搬入する際には、前記押
し棒73は、前記炉芯管11内部に向かって押し出さ
れ、前進する。
【0082】前記炭素繊維成長炉Bの炉芯管11におけ
る、筒状容器2が搬出される出口からは、前記炉芯管1
1から搬出された筒状容器2を気相成長炭素繊維製造装
置の外部に搬出する気密な筒状容器搬出管路Eが、前記
連絡管路Dに向かい合うように延在している。
【0083】前記筒状容器搬出管路Eは、横長の長方形
の断面形状を有する水平部と、この水平部の端部におい
て垂直に下降する、水平断面が長方形である垂直下降部
とを有する管路である。この垂直下降部には、エレベー
タEVL2が設けられ、このエレベータEVL2によっ
て前記水平部から下方へと筒状容器2を下ろすことがで
きる。
【0084】前記筒状容器搬出管路Eにおける水平部の
炉芯管11側の端部には、炉芯管11の内部から取り出
された筒状容器2を第5の筒状容器押動手段と、炉芯管
11の内部にある筒状容器2を筒状容器搬出管路Eに取
り出す第2の筒状容器取出手段とが設けられる。
【0085】この第2の筒状容器取出手段は、炉芯管1
1の内部にある筒状容器2を筒状容器搬出管路Eに取り
出す手段であり、前記炉芯管11の先端開口部に向かっ
て前進し、前記炉芯管11の先端開口部内から後退する
ことのできる、つまり図示しない駆動手段により往復動
可能な筒状容器取出フォーク77と、前記筒状容器取出
フォ−ク77において水平に伸びる板状のフォ−ク77
bと、前記フォーク77bの一端において、前記フォー
ク77bに対して垂直に延在する板状の部材である垂直
板77aとを備える。前記筒状容器取出フォーク77
は、前記筒状容器取出フォーク75と同様に、炉芯管1
1内に嵌装された筒状容器2の内、最も出口寄りに位置
する筒状容器2を炉芯管11外に取り出す機能を有す
る。この筒状容器取出フォーク77の先端部は、前記炉
芯管11の床面と筒状容器2の底面との間に挿入するこ
とができるようになっている。
【0086】この第5の筒状容器押動手段は、前記容器
搬出管路Eが延在する方向に沿って往復動する押し棒7
6を有する。この押し棒76は、前記押し棒74と同様
の構成を有している。
【0087】筒状容器搬出管路Eにおける、炉芯管11
の出口近傍には、図4に示すように、炉芯管11内にお
いて生成し、出口付近に凝縮するたタール等の炭素質
物、及び前記筒状容器2からこぼれた気相成長炭素繊維
等の炭素質物を貯留し、下方に向かって延在する炭素質
物貯留室E3が設けられている。前記炭素質物貯留室E
3の側壁の1つは、前記炉芯管1の床面に連続し、下方
に傾斜したスロープE33を形成している。よって、前
記筒状容器2内で生成した炭素質物は、前記スロープE
33上を流下して炭素質物貯留室E3の底部に貯留され
る。炭素質物貯留室E3の底部には開閉可能な蓋E31
及び窒素ガス配管E32が設けられている。更に、前記
炭素質物貯留室E3の側壁にはヒータ(図示せず。)が
設けられ、前記炭素質物貯留室E3内部に貯留された前
記炭素質物が固化しないように、前記ヒータによって側
壁が加熱されている。この側壁は、前記ヒータにより炭
素質物を流動状態にして炭素質物を流下させる炭素質物
流下手段の一例である。この例においては、本発明にお
ける炭素質物排出手段が、前記炭素質物貯留室E3、お
よびヒータを有して形成されている。
【0088】前記筒状容器搬出管路Eにおける垂直下降
部には、図1に示すように、前記筒状容器搬出管路Eに
対して直角であり、前記炭素繊維成長炉Bから遠ざかる
方向に延在する出口側エアロックE1が設けられてい
る。
【0089】前記出口側エアロックE1は、前記筒状容
器搬出管路EにおけるエレベータELV2により搬出さ
れて来た筒状容器2の周囲の雰囲気を窒素雰囲気から外
気に置換する機能を有する。出口側エアロックE1の末
端には、気密扉C11と同様の構成を有する気密扉E1
1が設けられている。前記出口側エアロックE1と筒状
容器搬出管路Eとの間には、ゲート弁E2が設けられて
いる。前記ゲート弁E2は、前記筒状容器搬入管路Cに
設けられたゲート弁C2と同様のゲート弁である。
【0090】図1及び図2に示されるように、炭素繊維
生成炉Aにおける、筒状容器搬入管路Cと炉芯管1の入
口との間、及び前記炉芯管1の出口と連絡管路Dとの間
には、それぞれ入口側シャッタ81及び出口側シャッタ
82が設けられている。
【0091】前記入口側シャッタ81及び出口側シャッ
タ82は、いずれもアルミナ繊維を固めた2枚のアルミ
ナ繊維板から形成された、水平方向に左右に開く引き戸
である。よって、前記入口側シャッタ81及び出口側シ
ャッタ82は、いずれも、高い断熱性を有しているが、
完全な気密性を有していない。この入口側シャッタ81
と出口側シャッタ82とは、炉芯管1の入口について
の、断熱性開閉手段の一例である。
【0092】前記入口側シャッタ81の閉時において前
記反応ガス供給管61が貫通し得るように、前記入口側
シャッター81を構成する2枚のアルミナ繊維板におけ
る、互いに対向する辺の略中央部に半円状の凹陥部が設
けられている。この2枚のアルミナ繊維板が互いに当接
して入口側シャッタ81が閉鎖状態になると、この一対
の凹陥部により円形の貫通穴が形成される。この貫通穴
に、反応ガス挿入管61が挿入される。
【0093】なお、前記筒状容器搬入管路Cと炉芯管1
との間、及び炉芯管1と連絡管路Dとの間には、それぞ
れ、前記炉芯管1の延在する方向に対して直角で水平の
方向に延在する気密な退避部81a及び82aが設けら
れている。前記入口側シャッタ81及び出口側シャッタ
82は、開時には、前記退避部81a及び退避部82a
内にそれぞれ収納される。
【0094】図1及び図4に示されるように、炭素繊維
成長炉Bにおいても同様に、連絡管路Dと炉芯管11の
入口との間、及び前記炉芯管11の出口と筒状容器搬出
管路Eとの間には、それぞれ入口側シャッタ83及び出
口側シャッタ84が設けられている。前記入口側シャッ
タ83及び出口側シャッタ84は、前記入口側シャッタ
81及び出口側シャッタ82と同様の引き戸である。こ
の入口側シャッタ83と出口側シャッタ84とは、炉芯
管11の入口についての、断熱性開閉手段の一例であ
る。
【0095】前記入口側シャッタ83の閉時において炭
素源ガス供給管62が貫通し得るように、前記入口側シ
ャッター83を構成する2枚のアルミナ繊維板におけ
る、互いに対向する辺の略中央部に凹陥部が設けられて
いる。2枚のアルミナ繊維板が互いに当接した状態にな
ると、一対の凹陥部により円形の貫通穴が形成される。
この貫通穴に、原料ガス供給管が挿入される。
【0096】なお、前記連絡管路Dと炉芯管11との
間、及び前記炉芯管11と筒状容器搬出管路Eとの間に
は、それぞれ、前記炉芯管1の延在する方向に対して直
角の方向に延在する気密な退避部83a及び84aが設
けられている。前記入口側シャッタ83及び出口側シャ
ッタ84は、それぞれ、開時には前記退避部83a及び
84a内に収納される。
【0097】図1に示されるように、入口側エアロック
C1の入口と出口側エアロックE1の出口とは、コの字
型の上面形状を有するローラコンベアFによって結合さ
れている。ローラコンベアFは、出口側エアロックE1
から入口側エアロックC1に向かう方向、即ち図1にお
いて矢印で示された方向に筒状容器2を搬送するローラ
コンベアFである。
【0098】ローラコンベアF上には、前記筒状容器2
の搬送方向に沿って、筒状容器2から気相成長炭素繊維
を取り出す炭素繊維取出装置G、及び気相成長炭素繊維
の取り出された筒状容器2を洗浄して気相成長炭素繊維
の残滓及び付着物等を除去する容器洗浄装置Hが設けら
れている。
【0099】前記炭素繊維取出装置Gは、筒状容器2の
入口G11と出口G12とを有する、筒形容器2を収容
する炭素繊維取出室G1と、前記炭素繊維取出室G1に
おける入口G11の壁面を貫通して、前記筒状容器2の
搬送方向に沿って前記炭素繊維取出室G1の内部に向か
って伸縮可能な空気ノズルG2と、炭素繊維取出室G1
内部の空気を吸引する、炭素繊維取出室G1の天井面に
設けられた吸引管G3を備える。なお、図1において、
G11は、筒形容器2が炭素繊維取出室G1内に搬入さ
れる入口であり、G12は、前記筒形容器2が前記炭素
繊維取出室G1から搬出される出口である。入口G11
及び出口G12は、それぞれ扉G11a及び扉G12a
によって密閉される。
【0100】入口G11から炭素繊維取出室G1内にロ
ーラコンベアFによって筒状容器2が搬入されると、炭
素繊維取出室G1は密閉される。次いで空気ノズルG2
が筒状容器2の内部に伸び、前記空気ノズルG2を通じ
て前記筒状容器2の内部に空気が噴射される。前記筒状
容器2の内部に空気が噴射されると、前記筒状容器2の
内部に生成した気相成長炭素繊維は、炭素繊維取出室G
1内部に浮遊する。炭素繊維取出室G1内部に浮遊した
気相成長炭素繊維は、炭素繊維取出室G1内の空気と共
に吸引管G3によって外部に吸引され、吸引管G3の途
中に設けられたバッグフィルタ(図示せず。)によって
回収される。
【0101】容器洗浄装置Hも、前記炭素繊維取出装置
Gと同様に、密閉可能な入口と出口とを有する、筒状容
器2を収容する容器洗浄室と、前記容器洗浄室の内部に
収容された筒状容器2の内部に空気を噴射する空気ノズ
ルと、前記容器洗浄室の内部の空気を吸引する吸引管
と、筒状容器2の内部に固着した炭素質物を除去すると
ころの、金属ブラシ、切削工具、及びサンドブラスト装
置等の機械的洗浄装置とを備える。なお、図1において
は、容器洗浄装置Hの細かな構成については省略されて
いる。
【0102】容器洗浄装置Hにおいても、内部に筒状容
器2が搬入されると、容器洗浄室の入口と出口とが密閉
され、空気ノズルから筒状容器2の内部に空気が噴射さ
れる。これによって、筒状容器2内に残存する気相成長
炭素繊維の残滓及び付着物は、容器洗浄室内に浮遊す
る。容器洗浄室内に浮遊した残滓及び付着物は、容器洗
浄室内の空気と共に吸引管によって吸引され、吸引管の
途中に設けられたバッグフィルタによって回収される。
尚、前記容器洗浄装置Hにおいては、前記筒状容器2内
部への空気噴射に加えて、前記金属ブラシ等の機械的洗
浄装置による機械的浄化を併用することにより、筒状容
器2の完全な浄化が行われる。又、筒状容器2としてセ
ラミック系材料のように高温酸化に強い材料からなる筒
状容器2を用いる場合には、付着物等を高温空気で燃焼
除去することも行われる。
【0103】図1に示された気相成長炭素繊維製造装置
の備える炭素繊維生成炉Aにおいては、前記炉芯管1
は、アルミナ繊維から形成された断熱層3に囲まれ、し
かもその中心線(軸線)に直交する方向において縦長の
長方形の断面を有する反応管収容室32内に収容されて
いる(図2)。前述のように、図2及び図3は、それぞ
れ炭素繊維生成炉Aの側断面及び正面断面を示す概略図
である。
【0104】前記反応管収容室32の、前記炉芯管1に
面する内壁31は、前記反応管収容室32の天井面を形
成する天井部31a、前記反応管収容室32の側面を形
成する側壁部31b、及び前記反応管収容室32の床面
を形成する床面部31cの4つの部分からなり、前記天
井部、側壁部、及び床面部は、いずれも、アルミナ繊維
を板状に固めたアルミナ繊維板によって形成され、且
つ、印籠型嵌合によって互いに嵌合している。前記内壁
31における床面部と炉芯管1の底面との間には、略U
字型の断面を有する底板33が嵌装されている。
【0105】なお、前記断熱層3の上面、外側面、底
面、及び端面は、炉殻34によって覆われている。炉殻
34における上面、底面、及び端面は、金属板たとえば
鉄板によって形成されている。そして、炉殻34におけ
る外側面の内、後述する端子室5が設けられた部分は、
耐熱性、絶縁性、及び熱膨張性が要求される故にセラミ
ックボードによって形成され、他の部分は、前記断熱槽
3の上面、底面、及び端面と同様に鉄板によって形成さ
れている。
【0106】図3に示されるように、前記反応管収容室
32における天井面と炉芯管1の上面との間、及び前記
反応管収容室32における床面の近傍には、前記反応管
収容室32の天井面及び床面に対して平行に、即ち水平
に、高純度アルミナ製の絶縁管41が設けられている。
絶縁管41は、炉芯管1の幅方向に延在する。なお、前
記底板33には、炉芯管1の幅方向に貫通孔が設けら
れ、反応管収容室32の床面近傍に設けられた絶縁管4
1は、前記底板33における貫通孔の内部を貫通してい
る。前記絶縁管41は、断熱層3の内部を貫通し、両端
部は、一端にフランジが形成された円筒形の支持具35
の内部に挿入され、前記支持具35を介して炉殻34に
よって支持されている。なお、前記支持具35は、フラ
ンジ部が炉殻34の裏側に位置するように前記炉殻34
に取り付けられている。前記支持具35と絶縁管41
と、及び前記支持具35と炉殻34とは、セラミックス
接着剤で相互に固定ないし結合されている。
【0107】前記絶縁管41の内部には、丸棒状の黒鉛
ヒータ4が挿入されている。黒鉛ヒータ4の両端は、前
記絶縁管41の両端から突出している。
【0108】図3に示されるように、炉殻34における
両側の外側面には、前記黒鉛ヒータ4の突出部を覆う気
密な端子室5が設けられている。
【0109】前記黒鉛ヒータ4における前記絶縁管41
から突出した両端部には、前記黒鉛ヒータ4に通電する
端子42が固定されている。前記端子42には、導線4
3を介して電源(図示せず。)が接続されている。前記
黒鉛ヒータは低電圧加熱ヒータであり、前記導線43及
び端子42を介して30V程度の電圧が印加される。図
4に示すように、炭素繊維成長炉Bも、炭素繊維生成炉
Aとほぼ同一の構造を有している。
【0110】但し、炭素繊維生成炉Aにおいては、図3
に示されるように、端子室5に、窒素ガスを導入する窒
素ガスライン51と水素ガスを導入する水素ガスライン
52と端子室内に導入されたガスを排出するガス排出ラ
イン53とが設けられている。これに対して、炭素繊維
成長炉Bにおける端子室5には、窒素ガスを導入する窒
素ガスライン51とガス排出ライン53のみが設けられ
ている。
【0111】なおここで説明するに、炭素繊維生成炉A
内は、空気雰囲気を窒素雰囲気に変換した後、窒素雰囲
気を水素雰囲気に更に変換されて、その水素雰囲気下で
炭素繊維の生成反応が行われる。一方、炭素繊維成長炉
B内では、通常、窒素雰囲気下で炭素繊維の太さ成長が
行われる。もっとも、炭素繊維成長炉Bでは、水素雰囲
気で炭素繊維の太さ成長を行うこともできるが、窒素雰
囲気下で炭素繊維の太さ成長を、窒素雰囲気下での太さ
成長と同じ速度で行うには、窒素雰囲気下での温度より
も更に約100℃も高い加熱温度にしなければならな
い。また、水素ガスは高価格であり、水素ガスの爆発事
故を防止するために更に種々の装置を組み合わせて安全
確保を図らねばならないので、今までのところ、この炭
素繊維成長炉Bにおいては、窒素雰囲気下で炭素繊維の
太さ成長が行われる。とは言っても、この炭素繊維成長
炉B内での太さ成長を水素雰囲気下に行うことには、以
下のような利点がある。すなわち、水素雰囲気下で太さ
成長を行う場合、炭素源ガスの熱分解で生じる水素ガス
について考慮する必要がないと言うことである。窒素雰
囲気下で太さ成長を行うときに、キャリヤガスをリサイ
クルする場合に、窒素ガス中に混入する水素ガスを除去
するか、あるいは一定の水素混合量となるようにバラン
スを考慮しなければならない。水素雰囲気下での太さ成
長においては、このような不利不便がない。
【0112】図1に示された気相成長炭素繊維製造装置
において、炭素繊維生成炉Aは、本発明に係る気相成長
炭素繊維製造装置における炭素繊維生成炉に相当し、前
記炭素繊維生成炉Aの備える炉芯管1は、前記炭素繊維
生成炉の備える炭素繊維生成用の反応管に相当する。そ
して、断熱層3は、前記炭素繊維生成炉の備える断熱層
に相当する。
【0113】炭素繊維成長炉Bは、本発明に係る気相成
長炭素繊維製造装置における炭素繊維成長炉に相当し、
前記炭素繊維成長炉Bの備える炉芯管11は、前記炭素
繊維成長炉の備える太さ成長用の反応管に相当する。そ
して、断熱槽3は、前記炭素繊維成長炉の備える断熱層
に相当する。
【0114】前記図3に示された気相成長炭素繊維製造
装置における炭素繊維生成炉Aに設けられた絶縁管4
1、黒鉛ヒータ4、端子室5、窒素ガスライン51、水
素ガスライン52、及びガス排出ライン53は、本発明
に係る気相成長炭素繊維製造装置の有する炭素繊維生成
炉における繊維生成用の反応管を加熱する加熱手段に相
当する。一方、炭素繊維成長炉Bに設けられた絶縁管4
1、黒鉛ヒータ4、端子室5、窒素ガスライン51、及
びガス排出ライン53は、本発明に係る気相成長炭素繊
維製造装置の有する炭素繊維成長炉における太さ成長用
の反応管を加熱する加熱手段に相当する。
【0115】なお、前記絶縁管41は本発明における耐
熱性絶縁ケースに相当し、また黒鉛ヒータ4は本発明に
おける低電圧ヒータに相当する。
【0116】筒状容器2は、本発明における容器に相当
する。
【0117】1.2 気相成長炭素繊維製造装置の動作 以下、図1に示された気相成長炭素繊維製造装置の動作
について説明する。
【0118】1.2.1 気相成長炭素繊維の製造時に
おける動作 気相成長炭素繊維の製造時においては、ゲート弁C2、
D1、D2、及びE2は、いずれも閉じた状態にある。
そして、筒状容器搬入管路Cの内部、炭素繊維生成炉A
における炉芯管1の内部、及び連絡管路Dにおける炉芯
管1の出口とゲート弁D1との間の部分は、いずれも水
素ガス雰囲気下に保持されている。一方、炭素繊維成長
炉Bにおける炉芯管11の内部、連絡管路Dにおけるゲ
ート弁D2と前記反応管の入口との間、及び筒形容器搬
出管路Eの内部は、いずれも窒素ガス雰囲気下に保持さ
れている。なお、炭素繊維生成炉A及び炭素繊維成長炉
Bの内部は、いずれも前記黒鉛ヒータ4によって約10
00℃程度の高温に保持されている。
【0119】ここで、容器洗浄装置Hによって気相成長
炭素繊維の残滓及び付着物を除去して清浄にされた筒状
容器2が、ローラコンベアFによって、入口側エアロッ
クC1近傍に搬送されると、ロッドC10が後退するこ
とにより入口側エアロックC1における気密扉C11が
開き、前記気密扉C11に付随する載置板C12が入口
側エアロックC1内から引き出される。次いで、その載
置板C12上に前記筒状容器2が載置される。なお、前
記筒状容器2は、開口した端部が入口側エアロックC1
の開口末端に向くように載置板C12上に載置される。
前記載置板C12上に筒上容器2が載置されると、気密
扉C11は、前進するロッドC1により入口側エアロッ
クC1の開口末端に向かって移動し、前記開口末端を気
密に閉鎖する。これによって、前記筒状容器2は入口側
エアロックC1内部に搬入される。
【0120】筒状容器2が入口側エアロックC1内に搬
入されたら、入口側エアロックC1内の雰囲気は空気か
ら窒素ガスに置換され、次いで水素ガスに置換される。
入口側エアロックC1内の雰囲気が水素ガスに置換され
たら、ゲート弁C2が開き、筒状容器2は、図示しない
筒状容器移送手段によりエレベータELV1の床面上に
移送される。エレベータELV1の床面に筒状容器2が
移動すると、前記エレベータELV1によって、筒状容
器2は筒状容器搬入管路C内に搬入される。
【0121】前記筒状容器2は、次いで、前記押し棒7
2によって、筒状容器搬入管路Cにおける炭素繊維生成
炉A寄りの端部に向かって平行移動する。
【0122】前記筒状容器2が、筒状容器搬入管路Cに
おける前記端部に移動すると、入口側シャッター81が
左右に開く。前記筒状容器2が、筒状容器搬入管路Cに
おける、炭素繊維生成炉A側の端部に設けられた押し棒
71によって、炭素繊維生成炉Aにおける炉芯管1内部
に押し込まれ、これによって筒状容器2が炉芯管1内に
搬入される。筒状容器2が炉芯管1内に搬入されている
間、入口側シャッタ81及び出口側シャッタ82はいず
れも開いた状態にあり、反応ガス供給管61は最も後退
した状態にある。
【0123】前述の動作を繰り返して、炉芯管1内に5
個の筒状容器2が押し込まれる。
【0124】筒状容器2が前記炉芯管1における入口近
傍に搬入されると、入口側シャッタ81及び出口側シャ
ッタ82が閉じる。入口側シャッタ81及び出口側シャ
ッタ82が完全に閉鎖すると、入口側シャッタ81と出
口側シャッタ82との合わせ部分に円形の貫通穴が形成
される。この貫通穴に向かって、反応ガス供給管61が
前進して、反応ガス供給管61の先端部にある反応ガス
噴射ノズルが貫通穴に挿入され、炉芯管1における筒状
容器2の列の内部に反応ガス噴射ノズルが配置される。
この反応ガス噴射ノズルから反応ガスと水素ガスとの混
合ガスが供給される。前記筒状容器2の列の内部におい
て前記反応ガスが反応し、微細な気相成長炭素繊維が生
成する。
【0125】反応ガス噴射ノズルから前記混合ガスが噴
出するので、5個の筒状容器2により形成される管体内
で、炉心管1の入口側から出口側に向かって気流が形成
される。この気流とともに筒状容器2の管体内で気相成
長炭素繊維が生成し、生成した気相成長炭素繊維は、筒
状容器2における桟21に付着すると同時に、前記筒状
容器2の内部全体に綿菓子状に堆積する。
【0126】所定時間、例えば22分間前記混合ガスを
供給したのち、前記反応ガス供給管61からの反応ガス
の供給を停止し、入口側シャッタ81と出口側シャッタ
82が開かれる。
【0127】前述したのと同様の動作を繰り返して前記
炉芯管1の中に1個の新たな筒状容器2が押し込めら
れ、同時に、前記炉芯管1内における最も出口寄りに位
置する1個の筒状容器2が、筒状容器取出フォーク75
によって前記炉芯管1から連絡管路D内に搬出される。
前記連絡管路D内に搬出された筒状容器2の内部には、
生成した微細な気相成長炭素繊維が堆積している。
【0128】連絡通路D内に筒状容器2が搬出される
と、先ずゲート弁D1が開く。そして、前記筒状容器2
は、前記連絡通路Dにおける炭素繊維生成炉A寄りの端
部に設けられた押し棒74によって押され、ゲート弁D
2に向かって平行移動する。筒状容器2がゲート弁D2
の近傍に移動すると、ゲート弁D1が閉じる。そして、
前記ゲート弁D1とゲート弁D2との間の空間内は、水
素ガス雰囲気から窒素ガス雰囲気に置換される。前記空
間内が窒素ガス雰囲気に置換されたら、ゲート弁D2が
開き、筒状容器2は、前記筒状容器取り出しフォーク7
5と同様の構成を有する、前記押し棒74に対向して設
けられた筒状容器引取フォーク(図示せず。)によっ
て、前記連絡管路Dにおける、炭素繊維成長炉B寄りの
端部に向かって搬送される。
【0129】前記連絡管路Dにおける、炭素繊維成長炉
B寄りの端部に搬送された筒状容器2は、前記連絡管路
Dにおける、炭素繊維成長炉B側の端部に設けられた押
し棒73によって、炭素繊維成長炉Bにおける炉芯管1
1内部に押し込まれる。筒状容器2が炉芯管11内に搬
入されている間、前記炉芯管11における入口側シャッ
タ83及び出口側シャッタ84はいずれも開いた状態に
あり、炭素源ガス供給管62は最も後退した状態にあ
る。
【0130】筒状容器2が前記炉芯管11における入口
近傍に搬入されると、入口側シャッタ83及び出口側シ
ャッタ84が閉じ、炭素源ガス供給管62が前進して、
炭素源ガス供給管62の先端部が、入口側シャッタ83
を通して炉芯管11における入口近傍に挿入され、前記
炉芯管11における筒状容器2の列の内部に炭素源ガス
と窒素ガスとの混合ガスが供給される。これによって、
前記筒状容器2の内部に生成した微細な気相成長炭素繊
維の周囲に気相成長炭素が成長し、前記気相成長炭素繊
維が半径方向に太さ成長する。
【0131】所定時間、例えば1時間炭素源ガスを供給
したのち、前記炭素源ガス供給管62からの前記混合ガ
スの供給が停止され、入口側シャッタ83と出口側シャ
ッタ84が開かれる。そして、前記炉芯管1から搬出さ
れた筒状容器2が1個前記炉芯管11内に搬入され、同
時に、前記炉芯管11内における最も出口寄りに位置す
る1個の筒状容器2が、筒状容器取出フォーク77によ
って前記炉芯管11から筒状容器搬出管路E内に搬出さ
れる。
【0132】筒状容器搬出管路E内に搬出された筒状容
器2は、押し棒76によって押されてゲート弁E2の近
傍に平行移動する。次いでゲート弁E2が開き、前記筒
状容器2は出口側エアロックE1内に搬送される。出口
側エアロックE1内に筒状容器2が搬送されるとゲート
弁E2は閉じ、出口側エアロックE1内部において筒状
容器2が放冷される。筒状容器2が冷めたら気密扉E1
1が開き、前記筒状容器2は、ローラコンベアF上に取
り出される。前記筒状容器2がローラコンベアF上に取
り出されたら前記気密扉E11は閉じ、出口側エアロッ
クE1の内部は窒素ガスで置換される。
【0133】筒状容器2は、ローラコンベアFによっ
て、図1における矢印の方向に搬送される。炭素繊維取
出装置Gにおいて筒状容器2内において生成した気相成
長炭素繊維の大部分が回収された後に、容器洗浄装置H
によって、前記筒状容器2内における気相成長炭素繊維
の残滓及び付着物が除去される。容器洗浄装置Hによっ
て気相成長炭素繊維の残滓及び付着物が除去された筒状
容器2は、再び、入口側エアロックC1近傍に搬送され
る。
【0134】なお、図1に示された気相成長炭素繊維製
造装置においては、気相成長炭素繊維の生成反応及び成
長反応に随伴して、タール状物等の炭素質物が生成す
る。前記炭素質物の生成は、炭素繊維成長炉Bにおいて
特に顕著に見られる。しかし、前記のように、筒状容器
搬出管路Eにおける炭素繊維成長炉B寄りの末端には炭
素質物貯留室E3が設けられているから、前記炭素繊維
成長炉B内で生成したタール状物等は前記炭素質物貯留
室E3内に流下する。
【0135】1.2.2 加熱酸化処理時の動作 図1に示された気相成長炭素繊維製造装置における炭素
繊維生成炉Aの備える炉芯管1及び炭素繊維成長炉Bの
備える炉芯管11は、前述のように、いずれも、ロの字
型の断面を有する長さの短い炭化珪素製の管を、複数個
直列に、セラミックス接着剤で接合して形成された管状
の部材である。したがって、前記気相成長炭素繊維製造
装置において気相成長炭素繊維の製造を長時間継続する
と、前記炉芯管1の継ぎ目から反応ガスが漏洩し、炭素
繊維生成炉Aにおける炉芯管1の周辺において繊維状又
は微粒子状の炭素が生成する。同様に前記炉芯管11の
継ぎ目から炭素源ガスが漏洩し、炭素繊維成長炉Bにお
ける炉芯管11の周辺において微粒子状の炭素が生成す
る。
【0136】したがって、前記気相成長炭素繊維製造装
置においては、一定時間毎に、前記炭素繊維生成炉A及
び炭素繊維成長炉Bの内部を酸化性雰囲気下で加熱処理
(以下「加熱酸化処理」と称することもある。)する。
【0137】前記加熱酸化処理の際には、反応ガス供給
管61からの反応ガスと水素ガスとの混合ガスの供給、
及び炭素源ガス供給管62からの炭素源ガスと窒素ガス
との供給を停止し、前記反応ガス供給管61及び炭素源
ガス供給管62から窒素ガスを流し、炉内全体を窒素雰
囲気にする。そして、黒鉛ヒータ4を通電状態に保った
まま、窒素ガスライン51から端子室5を通して絶縁管
41の内部に窒素ガスを流通させる。この状態におい
て、前記反応ガス供給管61及び炭素源ガス供給管62
から炉芯管1及び炉芯管11のそれぞれの内部に空気を
送り込むと、炉芯管1及び炉芯管11における継ぎ目か
ら炭素繊維生成炉Aの内部及び炭素繊維成長炉Bの内部
に空気が拡散するから、前記炭素繊維生成炉Aの内部及
び炭素繊維成長炉Bの内部において生成した炭素は酸化
されて除去される。
【0138】このように図1に示された気相成長炭素繊
維製造装置においては、炭素繊維生成炉及び炭素繊維成
長炉内に反応ガス及び炭素源ガスが漏れて、例えば、前
記炉内の絶縁管周辺及び断熱層内部に繊維状炭素及び微
細粒子状炭素等が生成した場合には、黒鉛ヒータ4に通
電した状態で前記炉内に空気を送り込むことによって、
前記繊維状炭素及び微細粒子状炭素等を容易に除去し得
る。そして、前記黒鉛ヒータ4は、加熱処理中において
も窒素雰囲気下に保持されるから、炉芯管1及び炉芯管
11の内部に送り込まれた空気によって酸化されて損耗
することが無い。
【0139】更に、前記黒鉛ヒータ4は、30Vの低電
圧で用いられる低電圧ヒータであるから、絶縁管41の
周囲に炭素が付着しても漏電が生じ難く、たとえ漏電が
生じても感電の危険は殆ど無い。
【0140】2.本発明に係る気相成長炭素繊維製造装
置における一般的説明 2.0 反応管 本発明における反応管は、気相成長炭素繊維を生成し、
生成した気相成長炭素繊維の太さを成長させる機能を有
する。この気相成長炭素繊維の生成及びその太さ成長は
一本の反応管内で実現することができるが、工業的な規
模で工業的な生産量をもって気相成長炭素繊維を製造し
ようとするのであれば、気相成長炭素繊維生成用の反応
管と太さ成長用の反応管とを特に用意するのが好まし
い。なお、気相成長炭素繊維の生成においても、気相成
長炭素繊維の太さが成長している。したがって、気相成
長炭素生成用の反応管においては、気相成長炭素繊維の
生成が行われるのであるが、気相成長炭素繊維の太さ成
長を進行させないと言うことではない。一方、太さ成長
用の反応管においては、気相成長炭素繊維の太さを大き
くすることに主眼が置かれている。
【0141】本発明においては、気相成長炭素繊維生成
用の反応管を有する炉を炭素繊維生成炉と称し、気相成
長炭素の太さ成長用の反応管を有する炉を炭素繊維成長
炉と称する。
【0142】2.1 炭素繊維生成炉 本発明に係る気相成長炭素繊維製造装置において、炭素
繊維生成炉は、筒状体を形成するための2以上の部材か
ら形成された反応管と、前記反応管を加熱する加熱手段
とを備える。
【0143】(反応管)前記反応管の内部においては、
前述のように、還元性雰囲気下に、気相成長炭素繊維を
形成する炭素原子を供給する炭素源と、高温で分解して
触媒となる遷移金属原子を発生する触媒金属源とを反応
させて気相成長炭素繊維を生成させる。炭素源として
は、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、及びトリメ
チルベンゼン等の沸点が80℃〜170℃程度である芳
香族炭化水素、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペ
ンタン、オクタン、及びデカン等の沸点が−160℃〜
170℃程度である脂肪族炭化水素、並びに石油エーテ
ル、ガソリン、ケロシン、軽油、及び重油等の炭化水素
油等を挙げることができる。
【0144】触媒金属源としては、周期律表第IIIA族、
第IVA 族、第VA族、第VIA 族、第VIIA族、及び第VIII族
のいずれかに属する遷移金属を含有する金属化合物を挙
げることができ、具体的には、スカンジウム、チタン、
バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、及びコ
バルトから選択される遷移金属の化合物、例えば前記遷
移金属のメタロセン化合物等の有機金属化合物を挙げる
ことができる。前記有機金属化合物の好ましい例とし
て、鉄、ニッケル、及びコバルトから選択される遷移金
属を含有する有機金属化合物を挙げることができ、特に
好ましい例としては、鉄、ニッケル、及びコバルトから
選択される遷移金属のメタロセン化合物を挙げることが
できる。
【0145】触媒金属源としては、前記有機金属化合物
の他、前記炭素源化合物の分解温度以下で蒸発し、40
0〜1200℃で分解して前記遷移金属の粒子を形成す
るような無機金属化合物、例えば塩化第2鉄等も用いる
ことができる。
【0146】なお、触媒金属源として有機金属化合物を
用いる場合において、有機金属化合物が、気相成長炭素
繊維を生成するのに十分な量の炭素原子を含有するとき
には、前記有機金属化合物は、触媒金属源としての機能
だけでなく炭素源としての機能も果たし得る場合があ
る。このような場合には、炭素源として前記炭化水素化
合物を用いる必要は必ずしもない。
【0147】前記反応管には、前記炭素源及び触媒金属
源の他に、助触媒として各種の硫黄化合物を供給するこ
ともできる。このような硫黄化合物としては、例えばチ
オフェン類、多環チオフェン類、メルカプタン類、スル
フィド類、及びジスルフィド類等を挙げることができ
る。なお、重油には前記硫黄化合物が含まれていること
が多いので、炭素源として重油を用いる場合には、特に
前記助触媒を用いる必要が無い場合がある。
【0148】炭素源、触媒金属源、及び助触媒について
は、代表的な例を列記したが、炭素源、触媒金属源、及
び助触媒としては、特開昭60−54998号公報、特
開昭60−181319号公報、特開昭60−1858
18号公報、特開昭60−215816号公報、特開昭
60−224815号公報、特開昭60−224816
号公報、特開昭61−34221号公報、特開昭61−
70014号公報、及び特開昭62−282021号公
報等に記載されたものも使用できる。
【0149】前記反応管の内部において、前記炭素源と
触媒金属源とは、還元性雰囲気下で反応させる。反応管
内を還元性雰囲気に保持するには、例えば、水素ガス、
水素ガスと窒素ガスとの混合ガス、水素ガスと一酸化炭
素ガスとの混合ガス、及び水素ガスとアルゴンガスとの
混合ガス等の還元性ガスを反応管内に導入すればよい。
【0150】前記炭素繊維生成炉においては、反応管の
数は1本のみであってもよく、又2本以上であってもよ
い。
【0151】2以上の部材から形成された壁面を有する
反応管としては、例えば、壁面に継ぎ目を有する反応管
を挙げることができ、具体的には、2以上の部材から構
成された、両端が開口した管ないし筒状体により形成さ
れる反応管を挙げることができる。
【0152】前記反応管としては、例えば、セラミック
ス製の、長さの短い管状の部材であるセグメントを、セ
ラミック系接着剤等の耐熱性接着剤によって、複数個直
列に接合することにより形成された管を挙げることがで
きる。又、前記反応管としては、他に、前記セグメント
を2つ割りにした形状の部材を、セラミック系接着剤等
の耐熱性接着剤によって接合してセグメントを形成し、
このセグメントを複数個直列に接合することにより形成
された管も挙げることができる。前記反応管としては、
更に、前記セグメントを4つ割りにした形状の部材を、
セラミック系接着剤等の耐熱性接着剤によって接合して
セグメントを形成し、このセグメントを複数個直列に接
合することにより形成された管も挙げることができる。
なお、前記反応管においては、接合部分をセラミックス
布帛及びセラミックスフェルト等の補強材で覆ってもよ
く、又反応管全体を前記補強剤で覆ってもよい。
【0153】前記反応管の断面形状には特に制限はな
く、例えば、横長の長方形、縦長の長方形、正方形、台
形、五角形、六角形、円形、縦長の楕円形、横長の楕円
形、卵形、及び馬蹄形等の各種の断面形状を挙げること
ができる。
【0154】前記反応管の材質としては、アルミナ、ア
ルミナシリカ、サイアロン、ジルコニア、チタニア、シ
リカ、及び窒化硼素等のセラミック系材料、並びにアル
ミナシリカ繊維強化ムライト及びアルミナ繊維強化ムラ
イト等のセラミック繊維強化セラミック系材料等を挙げ
ることができる。前記材質の内では、高温空気によく耐
え、且つ熱衝撃にも強い点から、アルミナ、アルミナシ
リカ、シリカ、サイアロン、炭化珪素、窒化珪素、及び
セラミック繊維強化セラミック系材料が好ましい。但
し、本発明において使用し得る反応管の材質は、前記セ
ラミック系材料及びセラミック繊維強化セラミック系材
料に限定される訳ではなく、1000℃程度の高温にお
ける、空気雰囲気、水素雰囲気、及び炭化水素雰囲気で
使用可能な耐熱性金属材料が存在するなら、このような
耐熱性金属材料も好ましく用いることができる。
【0155】前記反応管の周囲には、耐熱性断熱材によ
り形成される断熱層を設けることができる。前記耐熱性
断熱材としては、例えば、セラミック繊維で形成された
断熱材、セラミック発泡体で形成された断熱材、及びシ
リカエアロゲルで形成された断熱材等を挙げることがで
きる。前記セラミック繊維及びセラミック発泡体の材質
として、アルミナ、アルミナシリカ、シリカ、及びサイ
アロン等を挙げることができる。前記反応管によって形
成される反応管を備える炭素繊維生成炉においては、前
記断熱層は、前記反応管の側壁に当接した状態で設けら
れてもよく、又、前記反応管の側壁から隔たった状態で
設けられてもよい。
【0156】(筒状容器)前記反応管においては、前記
反応管の内部に対して摺動し得る、耐熱性を有する複数
個の筒状容器を、直列に配列された状態で、前記反応管
のほぼ全長に亘って嵌装することができる。前記反応管
の内部においては、隣接する筒状容器の開口末端同士が
当接するように前記筒状容器が嵌装されていることが好
ましい。
【0157】前記筒状容器としては、前記反応管の断面
と形状が実質的に同一であり、大きさが僅かに小さい筒
状の容器を挙げることができる。したがって、例えば、
長方形及び正方形等の角形の断面を有する反応管の場合
には、角形の断面を有する筒状容器を用いることができ
る。なお、前記筒状容器においては、一方の開口末端に
水平方向に延びる桟、及び網等の炭素繊維捕捉部材を設
けてもよい。図5に示された筒状容器は、角形断面を有
し、且つ一端に炭素繊維補足部材を備える筒状容器の一
例である。
【0158】図5において例示される筒状容器において
も、底部に橇状の突出部、又は半球状若しくは丸棒状の
突出部を設けて反応管との間の接触抵抗を小さくするこ
とができ、又、前記筒状容器の両側の外側面又は上面に
半球状又は丸棒状の突出部を設けて、反応管内部におけ
る筒状容器の位置を安定させる案内ガイドとすることが
できる。
【0159】前記筒状容器の材質としては、例えば黒鉛
等の炭素系材料、炭化珪素、窒化珪素、アルミナシリ
カ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ、及び窒
化硼素等のセラミック系材料、並びにアルミナ繊維強化
ムライト及びアルミナシリカ繊維強化ムライト等のセラ
ミック繊維強化セラミック系材料等を挙げることができ
る。前記材質の内では、熱衝撃に強く、加工が容易であ
る点から、炭素系材料、炭化珪素、窒化珪素、及びセラ
ミック繊維強化セラミック系材料が好ましく、特に炭素
系材料、中でも黒鉛が好ましい。
【0160】前記筒状容器の搬送方向に対して垂直な平
面に沿った断面積は4m2 以下の範囲が好ましく、特に
1m2 以下の範囲が好ましく、0.5m2 以下の範囲が
最も好ましい。前記筒状容器が水平方向に搬送される場
合には、筒状容器の断面積が前記範囲内であることに加
えて、筒状容器の内側の高さは、2m以下であることが
好ましく、1m以下であることが特に好ましく、0.5
m以下であることが特に好ましい。筒状容器における前
記断面積が前記の範囲であれば、前記筒状容器の内部に
激しい対流が発生して気相成長炭素繊維を安定して製造
できなくなるという問題は殆ど生じることがない。前記
筒状容器が水平方向に搬送される場合には、筒状容器の
断面積及び内側の高さが前記範囲内であれば、筒状容器
内部において激しい対流が生じることが特に効果的に防
止される。
【0161】前記筒状容器は、反応管内に1列に配列さ
れた状態で嵌装されてもよく、又、2列以上に配列され
た状態で嵌装されてもよい。特に、例えば生産量が1ト
ン/月程度以上の規模を有する気相成長炭素繊維製造装
置においては、反応管内に筒状容器が2列以上に配列さ
れていることが好ましい。
【0162】(第1容器移送手段)前記反応炉を有する
炭素繊維生成炉においては、更に、前記筒状容器を、反
応管の一端に位置する入口から前記反応管内に搬入し、
前記反応管の他端に位置する出口から搬出する第1容器
移送手段を設けることができる。
【0163】前記炭素繊維生成炉に設けられる第1容器
移送手段としては、例えば、反応管の入口近傍に設けら
れた、筒状容器を反応管内に移送する第1の筒状容器押
動手段と、前記反応管の出口近傍に設けられた、前記筒
状容器を反応管内から取り出す第1の筒状容器取出手段
とを備える第1の容器移動装置を挙げることができる。
【0164】前記第1の筒状容器押動装置としては、炭
素繊維生成炉における反応管の入口開口部内に筒状容器
を移送することができる限り様々の装置構成を採用する
ことができ、例えば反応管の入口開口部に向かって前進
し、入口開口部から後進することができるように形成さ
れた押し棒、及びこの押し棒を前進及び後進させる駆動
手段を備えた装置を挙げることができる。なお、筒状容
器を移送する際に、筒状容器全体に押圧力を均一にかけ
て筒状容器が正しく直進することができるように、前記
押し棒の先端部に垂直板を設けておくのも好ましい。
【0165】前記第1の筒状容器取出手段としては、炭
素繊維生成炉における反応管の出口から筒状容器を取り
出すことができる限り様々の装置構成を採用することが
でき、図1を用いて説明した例に示される筒状容器取出
フォークと押し棒とを有する装置の外に、例えば反応管
の出口開口部に向かって前進し、また出口開口から後進
することができるロッドとこのロッドの先端部に設けら
れ、高温に維持されている反応管内にある筒状容器を係
止する係止手段とを有する装置構成を挙げることもでき
る。
【0166】(ガス供給手段)前記炭素繊維生成炉にお
いては、炭素源、触媒金属源、及び必要に応じて助触媒
を含有する反応ガスを前記筒状容器の列の内部に供給す
るガス供給手段を、前記反応管の入口近傍に設けること
ができる。水素ガス等の還元性ガスは、前記ガス供給手
段とは別に設けられた還元性ガス供給手段により反応管
内に供給してもよく、前記反応ガスと一緒にガス供給手
段から供給してもよい。
【0167】ガス供給手段としては、例えば、前記反応
ガスを、反応管内、具体的には前記反応管に嵌装された
筒状容器の内部に吹き込む反応ガス供給管を備える装置
構成を挙げることができる。
【0168】前記反応ガス供給管としては、前記反応ガ
スを噴射する反応ガス噴射ノズルを有する反応ガス供給
管を挙げることができる。前記反応ガス噴射ノズルを設
ける位置としては、反応管における筒状容器が搬入され
る一端の近傍等を挙げることができる。前記反応ガス供
給管の向きとしては、例えば、反応管の入口から出口に
向かう方向を挙げることができる。なお、前記反応ガス
供給管を伸縮又は往復動可能に構成し、筒状容器を移動
する際には、反応ガス噴射ノズルを反応管外に引き出し
得るように構成することができる。
【0169】炭素繊維生成炉及び炭素繊維成長炉の何れ
においても、反応管と炉殻との間にキャリアガスを流通
させて炉内の圧力を正圧に維持することができる。
【0170】(ガス排出手段)更に、前記炭素繊維生成
路及び炭素繊維成長炉の何れにも、前記反応管における
ガス供給手段を設けた位置と反対側の位置に、ガス排出
管等のガス排出手段を設けることができる。したがっ
て、例えばガス供給手段を反応管の入口に設けた場合に
は、ガス排出手段を反応管の出口近傍に設けることがで
きる。
【0171】反応後の反応ガスは、キャリアガスと共に
前記ガス排出手段から外部に排出することができる。排
出された反応ガスは、炭素質物その他の副生物を除去し
た後、組成を調整してキャリアガスとしてリサイクルし
てもよく、又、燃焼等によって無害化した後に大気中に
放出してもよい。
【0172】(加熱手段)前記炭素繊維生成炉の備える
反応管の加熱手段としては、例えば、電気ヒータ等の発
熱源を備える加熱装置を挙げることができる。前記電気
ヒータとしては、低電圧を印加する低電圧加熱用ヒータ
を挙げることができ、具体的には、低電圧加熱用の、棒
状ヒータ及び面状ヒータを挙げることができる。
【0173】前記低電圧加熱用ヒータは、800〜13
00℃、好ましくは1000〜1300℃の還元性雰囲
気下で使用されるので、材質としては、例えば、黒鉛及
び炭素質材料等のカーボン系材料、並びに炭化珪素等が
好ましい。前記低電圧加熱用ヒータの内では、製造が容
易な点、及び電気抵抗が小さいのでヒータを太くする必
要が無い点で、カーボン系材料から形成された棒状ヒー
タ及びパイプ状ヒータが好ましく、特に黒鉛製棒状ヒー
タ及び黒鉛製パイプ状ヒータが好ましい。なお、前記低
電圧加熱用ヒータに印加する電圧は、微細繊維状又は微
細粒子状の炭素が引きつけられることが少ない点、及び
前記反応管から漏れた反応ガスによって生成した炭素
が、前記炭素繊維生成炉の内部に蓄積しても、漏電が生
じることが殆どなく、又、たとえ漏電が生じても人身事
故を起こす危険が殆ど無い点で、100V以下の範囲が
好ましく、特に50V以下の範囲が好ましく、30V以
下の範囲が最も好ましい。
【0174】前記加熱装置は、前記反応管の外部に前記
反応管に沿って配置することができる。反応管より形成
された反応管と、前記反応管の周囲に設けられた断熱層
を有する炭素繊維生成炉においては、前記加熱装置を、
断熱層の内部に配置してもよく、前記断熱層と反応管と
の間に配置してもよい。前記加熱装置は、又、反応管の
幅方向に延在するように配置しても良く、反応管の長手
方向に延びるように配置してもよい。加熱装置の数にも
制限はなく、例えば、前記反応管を構成する反応管の外
壁に沿って等間隔に前記加熱装置を配列することができ
る。
【0175】前記発熱源は、耐熱性ケースの内部に収納
されていることが好ましい。発熱源として棒状ヒータを
用いる場合には、耐熱性ケースとしては、例えば前記棒
状ヒータをその全長に亘って覆う耐熱性絶縁外筒を用い
ることができる。一方、発熱源として面状ヒータを用い
る場合には、耐熱性ケースとしては、例えば前記面状ヒ
ータを収納する耐熱性絶縁筺を用いることができる。
【0176】耐熱性ケースの材質としては、アルミナ、
アルミナシリカ、サイアロン、ジルコニア、チタニア、
シリカ、及び窒化硼素等のセラミック系材料、並びにア
ルミナ繊維強化ムライト及びアルミナシリカ繊維強化ム
ライト等のセラミック繊維強化セラミック系材料等を挙
げることができる。特に高温において高い電気抵抗を示
す点、及び化学的安定性に優れる点から、高純度アルミ
ナ、ムライト、並びに前記高純度アルミナ及びムライト
の繊維強化物が特に好ましい。
【0177】前記加熱手段においては、前記耐熱性ケー
スと前記発熱源との間に不活性ガスを導入する不活性ガ
ス供給手段を備えることができる。
【0178】不活性ガス供給手段としては、それぞれの
耐熱性ケースにおける端部の一方又は両方に接続された
不活性ガス導入配管を挙げることができる。又、前記図
1〜3に示された炭素繊維生成炉Aのように、耐熱性ケ
ースを備えた加熱装置を複数有する炭素繊維生成炉にお
いては、図3に示された端子室5のような、前記複数の
耐熱性ケースの端部を覆う気密な不活性ガス導入室を炭
素繊維生成炉の一方又は両方の側面に設け、前記不活性
ガス導入室に前記不活性ガス導入配管を接続することが
できる。
【0179】前記不活性ガス供給手段によって供給し得
る不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、アルゴンガ
ス、及び炭酸ガス等を挙げることができる。なお、反応
管に反応ガスを導入して反応を行う間は、前記耐熱性ケ
ースに、前記不活性ガスを導入する代わりに、反応管の
内部を還元性雰囲気に保持する水素ガス等の還元性ガス
を導入してもよい。
【0180】前記加熱手段には、更に、炭素繊維生成炉
内を酸化性雰囲気下に加熱処理するに際し、前記反応管
加熱手段が備える発熱源を炭素繊維生成炉内から退避さ
せる退避手段を備えるのが良い。
【0181】前記退避手段としては、例えば、棒状ヒー
タ及び面ヒータ等の発熱源を耐熱性ケースに着脱する発
熱源抜出装置と、耐熱性ケースから抜き出された発熱源
を炭素繊維生成炉外において保持する発熱源保持装置と
を備える加熱手段退避装置を挙げることができる。
【0182】(酸化性ガス供給手段)本発明における酸
化性ガス供給手段は、反応管内に酸化性ガスを供給する
ことができる限り様々の装置構成を採用することがで
き、例えば、炭素繊維生成炉における反応管内、特に反
応管の入口内に酸化性ガスを供給することができる限り
様々の装置構成を採用することができる。例えば、前述
したような、筒状容器列の内部に反応ガスを供給するガ
ス供給手段の構成の一部を利用しても良く、またこのガ
ス供給手段とは別立ての装置構成を採用しても良い。な
お、この炭素繊維生成炉における酸化性ガス供給手段を
第1の酸化性ガス供給手段と称し、次に述べる炭素繊維
成長炉における酸化性ガス供給手段を第2の酸化性ガス
供給手段と称することがある。
【0183】酸化性ガスとしては、空気を好適な酸化性
ガスの例として挙げることができる。また、酸素ガスに
窒素ガス等の不活性ガスを適宜の割合で混合してなる混
合ガスを酸化性ガスとして採用することもできる。
【0184】2.2 炭素繊維成長炉 本発明に係る気相成長炭素繊維製造装置において、炭素
繊維成長炉は、前記炭素繊維生成炉において生成した気
相成長炭素繊維を炭素源と接触させて、前記気相成長炭
素繊維を半径方向に成長させる機能を有する。前記炭素
繊維成長炉においては、例えば前記炭素繊維生成炉にお
いて生成した炭素繊維の直径が10〜20倍程度に増大
する。よって、例えば、前記炭素繊維生成炉において筒
状容器1個当たり5gの気相成長炭素繊維を生成させた
場合に、前記炭素繊維成長炉内において炭素繊維の直径
を20倍に増大させたときには、気相成長炭素繊維の量
は400倍に増大し、筒状容器1個当たり2kgにな
る。尚、前記炭素繊維成長炉において炭素繊維の直径を
どの程度増大させるかは、炭素繊維生成炉において生成
する炭素繊維の太さ、及び炭素繊維の用途に応じて決定
することができる。
【0185】炭素繊維成長反応は、炭素繊維生成反応に
比較して遅いので、炭素繊維生成炉1基に対して炭素繊
維成長炉を2基以上設けることにより生産性を向上させ
ることができる。
【0186】前記炭素繊維成長炉は、筒体を形成する2
以上の部材から形成された反応管(以下において、成長
用反応管と称することがある。)と、前記成長用反応管
を加熱する成長用反応管の加熱手段を備える。
【0187】(成長用反応管)前記成長用反応管の入口
は、気密な管路である連絡管路を介して、前記炭素繊維
生成炉における反応管の出口に結合されていることが好
ましい。なお、前記連絡管路にエアロックを設けること
により、前記反応管内の雰囲気と成長用反応管内の雰囲
気とが混合しないようにすることができる。
【0188】前記成長用反応管の内部においては、前述
のように、還元性雰囲気下又は不活性ガス雰囲気下に、
炭素繊維生成炉において生成した気相成長炭素繊維と、
炭素源とが接触し、気相成長炭素繊維の直径が増大す
る。
【0189】炭素源としては、前記炭素繊維生成炉にお
ける反応管の説明のところで述べた炭素源と同様の、脂
肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、及び炭化水素油類
等を用いることができる。なお、成長用反応管において
用いられる炭素源の種類は、前記反応管において用いら
れる炭素源の種類と同一であっても異なっていてもよ
い。但し、前述のように、炭素繊維成長炉においては、
気相成長炭素繊維が半径方向に成長し、したがって重量
は直径の自乗に比例して増大するのであるから、炭素繊
維生成炉への炭素源の供給量よりも遙かに多くの量の炭
素源を供給する必要がある。
【0190】前記成長用反応管の内部において、前記気
相成長炭素繊維と前記炭素源とは、不活性雰囲気下又は
還元性雰囲気下で接触させる。成長用反応管内を不活性
雰囲気に保持するには、例えば、窒素ガス及びアルゴン
ガス等の不活性ガスを成長用反応管内に導入すればよ
い。なお、前記不活性ガスには必要に応じて水素ガス等
の還元性ガスを混入することができるが、炭化水素を高
温で分解すると水素ガスが発生するから、不活性ガスを
リサイクルしてキャリアガスとして使用する場合には、
不活性ガス中の水素濃度を適宜の範囲に設定し、水素濃
度が設定された範囲になるように制御することが好まし
い。又、回収されたキャリアガスから水素、並びにメタ
ン、エタン、及びエチレン等の副生ガスを吸着等により
除去してからリサイクルしてもよい。水素ガスをキャリ
アガスとした場合には、リサイクル時にタール状物を除
去するだけでよく、不活性ガスをキャリアガスとして使
用する場合のような煩雑さはないが、一般に反応温度を
高めに設定する必要がある。
【0191】前記炭素繊維成長炉においては、成長用反
応管の数は1本のみであってもよく、又2本以上であっ
てもよい。
【0192】2以上の部材から形成される壁面を有する
成長用反応管としては、前記した気相成長炭素繊維生成
用の反応管と同様、2以上の部材から構成された、両端
が開口した反応管により形成される成長用反応管を挙げ
ることができる。前記反応管としては、気相成長炭素繊
維生成用の反応管のところで述べた反応管と同様の反応
管を挙げることができる。
【0193】前記成長用反応管の周囲には、前記気相成
長炭素繊維生成用の反応管と同様に、耐熱性断熱材によ
り形成される断熱層を設けることができる。前記耐熱性
断熱材としては、前記炭素繊維生成炉における反応管の
説明のところで述べた断熱材を挙げることができる。前
記反応管によって形成される成長用反応管を備える炭素
繊維成長炉においては、前記炭素繊維生成炉と同様に、
断熱層が、前記反応管の側壁に当接した状態で設けられ
てもよく、又、前記反応管の側壁から隔たった状態で設
けられてもよい。
【0194】前記炭素繊維生成炉が、内部に筒状容器が
嵌装された気相成長炭素繊維生成用の反応管を備える場
合には、前記気相成長炭素繊維生成用の反応管から搬出
された筒状容器を前記成長用反応管に挿入することがで
きる。前記筒状容器を成長用反応管に挿入する場合に
は、前記気相成長炭素繊維生成用の反応管の場合と同
様、前記筒状容器を、直列に配列された状態で、隣接す
る筒状容器の開口末端同士が当接するように、且つ前記
成長用反応管のほぼ全長に亘って嵌装することが好まし
い。
【0195】前記炭素繊維生成炉における反応管におい
て筒状容器が1列に配列された状態で嵌装されている場
合には、前記成長用反応管内においても、筒状容器は1
列に配列されていることが好ましい。一方、前記気相成
長炭素生成用の反応管において筒状容器が2列以上に配
列された状態、すなわち前記反応管の、その軸線方向に
直交する断面が、2以上の筒状容器の断面で、分画され
るように筒状容器が配列された状態で、筒状容器が反応
管内に嵌装されている場合には、前記成長用反応管内に
おいても、筒状容器は2列以上に配列されていることが
好ましい。特に、例えば生産量が1トン/月程度以上の
規模を有する気相成長炭素繊維製造装置においては、成
長用反応管内に筒状容器が2列以上に配列されているこ
とが好ましい。
【0196】(第2容器移送手段)前記成長用反応管を
備える炭素繊維成長炉においては、炭素繊維生成炉にお
ける反応管すなわち気相成長炭素繊維生成用の反応管か
ら搬出された筒状容器を、成長用反応管の一端から前記
成長用反応管内に搬入し、前記成長用反応管の他端から
搬出する第2容器移送手段を設けることができる。
【0197】前記第2容器移送手段としては、例えば、
反応炉内から搬出された筒状容器を、炭素繊維生成炉に
おける反応管と炭素繊維成長炉における成長用反応管と
の間に設けられた連絡管路を通して、前記成長用反応管
の入口近傍に搬送する第2の筒状容器押動手段と、前記
第2の筒状容器押動手段によって成長用反応管の入口近
傍に搬送された筒状容器を成長用反応管の内部に搬入す
る第3の筒状容器押動手段と、成長用反応管の出口開口
部から筒状容器を取り出す第2の筒状容器取出手段とを
備える容器移動装置を挙げることができる。
【0198】前記第2の筒状容器押動手段及び第3の筒
状容器押動手段としては、前記炭素繊維生成炉における
反応管のところで述べた第1の筒状容器押動手段と同様
の装置構成を挙げることができる。前記第2の筒状容器
取出手段としては、前記炭素繊維生成炉における反応管
のところで述べた第1の筒状容器取出手段と同様の装置
構成を挙げることができる。
【0199】(炭素源ガス供給手段)前記炭素繊維成長
炉においては、炭素源を含有する炭素源ガスを前記筒状
容器の列の内部に供給する炭素源ガス供給手段を、前記
成長用反応管における、前記筒状容器が搬入される一端
の近傍に設けることができる。前記炭素源ガスとして
は、気化した炭素源、前記気化した炭素源と不活性ガス
との混合ガス、前記気化した炭素源と水素等の還元性ガ
スとの混合ガス、及び前記気化した炭素源と不活性ガス
との混合ガスに水素ガス等の還元性ガスを混合した混合
ガス等を用いることができる。
【0200】炭素源ガス供給手段としては、例えば、前
記反応ガスを供給するガス供給管と同様の構成を有する
炭素源ガス供給管を備える炭素源ガス供給装置を挙げる
ことができる。炭素源ガス供給管の先端部に、前記炭素
源ガスを噴射する炭素源ガス噴射ノズルを設けることが
できるが、前述のように、前記炭素源ガス供給管から
は、前記反応ガス供給管から供給される炭素源よりも遙
かに大量の炭素源が供給されるから、前記炭素源ノズル
の孔径は、前記反応ガス供給管における反応ガス噴射ノ
ズルの孔径よりも大きくすることが好ましい。炭素源ガ
ス噴射ノズルの位置としては、成長用反応管における入
口近傍等を挙げることができる。前記炭素源ガス供給管
の向きとしては、例えば、成長用反応管の入口から出口
に向かう方向を挙げることができる。なお、筒状容器を
移動する際に炭素源ガス噴射ノズルを成長用反応管外に
引き出し得るように構成することができる点も、前記反
応ガス供給管と同様である。
【0201】(加熱手段)前記炭素繊維成長炉の備える
成長用反応管の加熱手段としては、前記気相成長炭素繊
維生成用の反応管を加熱する加熱手段と同様、耐熱性絶
縁ケースと、前記耐熱性絶縁ケース内に収容された低電
圧ヒータと、前記耐熱性絶縁ケース内に不活性ガスを流
通させる不活性ガス供給手段とを有する加熱手段(第1
の加熱手段)が好ましく用いられる。又、加熱手段の配
置についても前記気相成長炭素繊維生成用の反応管を加
熱する加熱手段のところで述べた通りである。
【0202】前記気相成長炭素繊維生成用の反応管を加
熱する加熱手段と同様に、成長用反応管を加熱する加熱
手段にも、後述する加熱手段によって炭素繊維成長炉内
を酸化性雰囲気下に加熱処理するに際し、前記成長用反
応管の加熱手段が備える低電圧ヒータを反応管内から退
避させる退避手段を設けることができる。
【0203】前記退避手段としては、例えば、棒状ヒー
タ及び面ヒータ等の低電圧ヒータを耐熱性ケースに着脱
するヒータ抜出装置と、耐熱性ケースから抜き出された
低電圧ヒータを成長用反応管外において保持するヒータ
保持装置とを備える退避装置を挙げることができる。
【0204】尚、前記炭素繊維成長炉において、キャリ
アガスとして、窒素ガス等の不活性ガス、又は前記不活
性ガスを主体とする混合ガスを用いる場合には、前記加
熱手段の他に、加熱された窒素ガス又はアルゴンガス等
の不活性ガスを耐熱性の金属からなるチューブ内に循環
させてヒータの役目をさせる、いわゆるヒートチューブ
を加熱手段として使用することができる。
【0205】2.3 炭素質物排出手段 本発明に係る気相成長炭素繊維製造装置においては、反
応管内で気相成長炭素繊維を製造する際に、反応管内で
生じる炭素質物を反応管害に排出する炭素質物排出手段
を設けるのが好ましい。
【0206】反応管が炭素繊維生成炉における生成用の
反応管と炭素繊維成長炉における成長用の反応管とから
なるときには、炭素質物排出手段は、生成用の反応管及
び成長用の反応管の両方又はいずれか片方に設けても良
い。
【0207】ここで、前記炭素質物としては、反応ガス
及び炭素源ガス中の炭素源が重合等して生成すると考え
られるタール状物等を挙げることができる。
【0208】炭素繊維成長炉に供給される炭素源の量
は、炭素繊維生成炉に供給される炭素源の量よりも遙か
に多いから、前記タール状物等の炭素質物は、大部分が
炭素繊維成長炉において生成すると考えられる。したが
って、前記炭素質物排出手段は、炭素繊維成長炉にのみ
設けることができる。もっとも、前述したように、炭素
質物排出手段は、炭素繊維生成炉及び炭素繊維成長炉の
いずれにも設けることができる。
【0209】前記炭素質物排出手段としては、例えば、
成長用反応管における出口側端部に隣接して設けられた
炭素質物貯留槽を挙げることができる。前記炭素質物貯
留槽の上端は、前期生長室の床面とほぼ同一か又は前記
床面よりも若干低くすることができる。前記炭素質物貯
留槽は、垂直方向に延びる内側面を有する貯留槽、及
び、成長用反応管における出口から下方に向かって傾斜
する炭素質物排出斜面を有する貯留槽であってもよい。
【0210】前記炭素質物貯留槽の底面には、常時は閉
じた状態にある蓋を設けることができる。前記蓋を有す
る炭素質物貯留槽においては、前記蓋の近傍に、窒素ガ
ス等の不活性ガスのラインを設けることができる。
【0211】前記炭素質物排出手段を備える炭素繊維成
長炉においては、成長用反応管内に蓄積したタール状物
などの炭素質物、及び前記筒状容器からこぼれた気相成
長炭素繊維等は、前記炭素質物貯留槽の内側面に沿って
流下し、炭素質物貯留槽の内部に貯留され、適宜取り出
される。
【0212】3.その他の気相成長炭素繊維製造装置の
例 図1の気相成長炭素繊維製造装置において、筒状容器を
2列に配列した例を図6に示す。図6中、図1と同一の
符号は、特に断らない限り図1における同一物を示す。
【0213】図6に示された気相成長炭素繊維製造装置
の備える炭素繊維生成炉Aを図6における平面U−Uに
沿って切断した横断面を図7に示す。なお、炭素繊維成
長炉Bを図6における平面V−Vに沿って切断した横断
面は、図7に示される炭素繊維生成炉Aの横断面と殆ど
同一である。
【0214】図6及び図7に示されるように、炭素繊維
生成炉Aにおける炉芯管1は、横長の長方形の断面形状
を有している。これは、炭素繊維成長炉Bにおける炉芯
管11についても同様である。
【0215】なお、炭素繊維生成炉Aにおいては、図7
に示されるように、端子室5に、窒素ガスを導入する窒
素ガスライン51と水素ガスを導入する水素ガスライン
52と端子室内に導入されたガスを排出するガス排出ラ
イン53とが設けられている。これに対して、炭素繊維
成長炉Bにおける端子室5には、窒素ガスを導入する窒
素ガスライン51とガス排出ライン53のみが設けられ
ている。
【0216】前記炉芯管1及び炉芯管11の内部には、
図5に示される形状を有する角形の筒状容器2が、2列
に並んだ状態で嵌装されている。なお、前記2列の筒状
容器2は、対向する側面同士が当接した状態で前記炉芯
管1及び炉芯管11の内部に嵌装されている。更に言う
と、炉芯管1及び11の、軸線方向に直交する方向での
断面が、2個の筒状容器2の断面により、2個に分画さ
れるように、炉芯管1及び11に筒状容器2が配置され
る。
【0217】図6に示された気相成長炭素繊維製造装置
においては、炭素繊維生成炉Aにおける炉芯管1の一端
から前記炉芯管1内に前記筒状容器2が2個並列に並ん
だ状態、即ち前記2個の筒状容器2における対向する側
面が当接するように並んだ状態で挿入され、同時に、前
記炉芯管1の他端から前記筒状容器2が2個並列に並ん
だ状態で搬出される。前記炉芯管1から搬出された2個
の筒状容器2は、前記炭素繊維成長炉Bにおける炉芯管
11の一端から前記炉芯管11内に、前記搬出されたと
きの配列状態で挿入され、同時に前記炉芯管11の他端
から前記筒状容器2が、2個並列に並んだ状態で取り出
される。
【0218】前記炭素繊維生成炉Aの炉芯管1における
入口近傍からは、図1の気相成長炭素繊維製造装置の場
合と同様、筒状容器搬入管路Cが、前記炉芯管1に対し
て直角の方向に伸びている。なお、エアロックC1は、
前記筒状容器2を、炉芯管1に搬入されるときの2個並
列に並んだ状態で収容し得る大きさを有している。
【0219】前記筒状容器搬入管路Cにおける、前記炉
芯管1の入口近傍には、2本の反応ガス供給管61a及
び61bが、炉芯管1における筒状容器2のそれぞれの
列に対応して設けられている。
【0220】図6に示された気相成長炭素繊維製造装置
において、炭素繊維生成炉Aと炭素繊維成長炉Bとは、
図1に示された気相成長炭素繊維製造装置の場合と同
様、横長の長方形状の断面を有する気密な連絡管路Dに
よって接続されている。但し、図6の気相成長炭素繊維
製造装置における連絡管路Dに設けられたゲート弁D1
とゲート弁D2との間に形成される空間は、筒状容器2
を、炉芯管1の出口から搬出されたときの2個並列に並
んだ状態で収容し得る大きさを有している。又、前記連
絡通路Dにおける、炉芯管1の出口近傍に設けられた筒
状容器取出フォーク75が備えるフォ−ク75bも、筒
状容器2を2個並列に並んだ状態で載置し得る幅を有し
ている。
【0221】前記連絡管路Dにおける、炭素繊維成長炉
Bが備える炉芯管11の入口近傍には、前記図1の気相
成長炭素繊維製造装置と同様、伸縮可能な炭素源ガス供
給管62a及び62bが設けられている。但し、前記炭
素源ガス供給管62a及び62bは、炉芯管11におけ
る筒状容器2のそれぞれの列に対応して設けられてい
る。
【0222】前記炭素繊維成長炉Bの炉芯管11におけ
る、筒状容器2が搬出される出口からは、図1の気相成
長炭素繊維製造装置と同様、筒状容器搬出管路Eが、前
記連絡管路Dに向かい合うように伸びている。但し、前
記筒状容器搬出管路Eにおける炉芯管11側の端部に設
けられた筒状容器取出フォーク77におけるフォ−ク7
7bは、前記炉芯管11から搬出された2個の筒状容器
を、並列に並んだ状態で載置し得る大きさを有してい
る。
【0223】図6に示された気相成長炭素繊維製造装置
においては、前述のように炉芯管1及び11の内部が筒
状容器2によって2つに仕切られている。しかも、筒状
容器の断面積が4m2 以下に設計されている。よって、
気相成長炭素繊維製造時に反応管の内部において激烈な
対流が発生することが防止されるので、気相成長炭素繊
維を安定に製造することができる。
【0224】図1に示された気相成長炭素繊維製造装置
において、炭素繊維生成炉炉及び炭素繊維成長炉に退避
手段を設けた例について図8を用いて説明する。
【0225】前記気相成長炭素繊維製造装置の備える炭
素繊維生成炉を筒状容器の搬送方向に直角な平面に沿っ
て切断した横断面を図8に示す。図8において、図1〜
図7と同一の符号は、特に断らない限り図1〜図7にお
ける同一物を示す。なお炭素繊維成長炉Bも図7に示さ
れた構造と同様の構造を有する。
【0226】図8に示される炭素繊維生成炉Aにおいて
は、端子42は、着脱式の端子である。炉殻34のう
ち、前記炭素繊維生成炉Aの側面を形成する2枚の炉殻
34には、それぞれ端子室5a及び5bが設けられてい
る。図8における右側の端子室5bには、絶縁管41か
ら黒鉛ヒータ4を着脱するヒータ着脱治具9が設けられ
ている。端子室5bは、黒鉛ヒータ4を着脱する方向に
おける幅が黒鉛ヒータ4の全長よりも大きくなるように
形成されている。ヒータ着脱治具9は、黒鉛ヒータ4の
一端が挿入されるソケット状部材91と、前記ソケット
状部材91を支持すると同時に絶縁管41の中心軸に沿
って案内する支持台92とを備える。図8においては、
炉芯管1の上方に位置する黒鉛ヒータ4は、前記反応管
収容室32における天井部31aと炉芯管1の上面との
間に設けられた絶縁管41から引き抜かれた状態にあ
り、炉芯管1の下方に設けられた黒鉛ヒータ4は、底板
33を貫通する絶縁管41の内部に押し込まれた状態に
ある。
【0227】図8に示された炭素繊維生成炉において、
ヒータ着脱治具9、ソケット状部材91、及び支持台9
2は、本発明に係る気相成長炭素繊維製造装置のうち、
退避手段を備える炭素繊維生成炉及び炭素繊維成長炉を
有する気相成長炭素繊維製造装置における退避手段に相
当する。
【0228】図8に示された炭素繊維生成炉Aにおいて
は、炉芯管1の内部に高温空気を導入する際には、先
ず、黒鉛ヒータ4から端子42を外す。そして、絶縁管
41から遠ざかる方向にソケット状部材91を移動さ
せ、黒鉛ヒータ4を絶縁管41から引き抜く。次いで、
窒素ガスライン51から端子室5a及び5bの内部に窒
素ガスを導入し、導入した窒素ガスをガス排出ライン5
3から外部に排出し、端子室5a及び5bの内部に窒素
ガスを流通させる。この状態で、炉芯管1の内部に高温
空気を導入し、炭素繊維生成炉Aの内部に堆積した炭素
繊維及びタール状物を燃焼させ除去するが、端子室5a
及び5bの内部はほぼ常温の窒素雰囲気であるから、万
が一絶縁管41が破損した場合においても、黒鉛ヒータ
4は、高温空気に曝されることがなく、したがって焼損
することはない。
【0229】最後に、図1に示された気相成長炭素繊維
製造装置の備える炭素繊維生成炉及び炭素繊維成長炉に
おいて、筒状容器を水平方向に2列、垂直方向に2列、
計4列に配列した例について説明する。
【0230】前記気相成長炭素繊維製造装置の備える炭
素繊維生成炉を筒状容器の搬送方向に直角な平面に沿っ
て切断した横断面を図9に示す。図9において、図1〜
図7と同一の符号は、特に断らない限り図1〜図7にお
ける同一物を示す。
【0231】図9に示された反応炉においては、前記反
応管収容室32における天井部31aと炉芯管1の上面
との間、及び前記炉芯管1の下方における底板33を貫
通する位置に、絶縁管41が設けられている。そして、
前記節煙管41の内部には棒状の黒鉛ヒータ4が挿入さ
れている。
【0232】前記炉芯管1の内部には、図5に示される
筒状容器2が、横方向に2列、上下方向にも2列に配列
された状態で嵌装されている。
【0233】前記炭素繊維生成炉Aにおいては、図1の
気相成長炭素繊維製造装置における炭素繊維生成炉Aの
備える反応ガス供給管61と同様の反応ガス供給管61
が、図9において点線で示すように、前記筒状容器2の
それぞれの列に対応して4個設けられている。前記反応
ガス供給管61は、それぞれ前記筒状容器2の中心部に
位置するように設けられている。
【0234】前記気相成長炭素繊維製造装置の有する炭
素繊維成長炉も、前記図9に示された構造と同一の構造
を有する。
【0235】図9に示された炭素繊維生成炉を備える気
相成長炭素繊維製造装置においては、前述のように炉芯
管1及び11の内部が筒状容器2によって4つに仕切ら
れている。よって、前記気相成長炭素繊維製造装置にお
いては、反応管の断面積が、図1の気相成長炭素繊維製
造装置における反応管の断面積の4倍に拡大されたにも
かかわらず、反応管の内部において激烈な対流が発生す
ることがなく、気相成長炭素繊維を安定に製造すること
ができる。
【0236】
【発明の効果】本発明によると、反応管と、反応管の外
側に配置され、かつ反応管内を加熱する加熱手段とを備
える反応炉を有し、前記反応管内で気相成長炭素繊維を
製造する気相成長炭素繊維製造装置であって、反応管か
ら漏出した炭素繊維及びタール状物、並びに反応管から
漏出した炭素源ガスから生成した炭素繊維及びタール状
物等の炭素質物を容易に除去することのできる気相成長
炭素繊維製造装置を提供することができる。
【0237】本発明によると、炭化水素ガス等の炭素源
と触媒金属化合物等の触媒金属源とを気相で反応させて
気相成長炭素繊維を生成させる、筒体形成用の2以上の
部材から形成された壁面を有する反応管を備える炭素繊
維生成炉と、前記炭素繊維生成炉において生成した気相
成長炭素繊維に前記炭素源を接触させて気相成長炭素繊
維を半径方向に成長させる、筒体形成用の2以上の部材
から形成された壁面を有する反応管を備える炭素繊維成
長炉とを有する気相成長炭素繊維製造装置であって、前
記炭素繊維生成炉及び炭素繊維成長炉内に生じる炭素質
物を容易に除去することのできる気相成長炭素繊維製造
装置を提供することができる。
【0238】本発明によると、漏電事故の恐れのない気
相成長炭素繊維製造装置を提供することができる。
【0239】本発明によると、反応管と、反応管の外側
に配置され、かつ反応管内を加熱する加熱手段とを備え
る反応炉を有し、前記反応管内で気相成長炭素繊維を製
造する気相成長炭素繊維製造装置であって、漏電事故の
恐れがなく、また反応炉内に炭素質物の蓄積を生じるこ
とのない気相成長炭素繊維製造装置を提供することがで
きる。
【0240】本発明によると、反応管内での対流発生が
少なくて、気相成長炭素繊維を発生させる反応領域が均
一に加熱され、大量の気相成長炭素繊維を安定に製造す
ることのできる気相成長炭素繊維製造装置を提供するこ
とができる。
【0241】本発明によると、前記生成用反応管及び成
長用反応管の周囲に炭素が付着した場合等においても漏
電が生じることが殆どなく、たとえ漏電が生じた場合に
おいても感電の危険性がない気相成長炭素繊維製造装置
を提供することができる。
【0242】本発明によると、更に、長時間の運転時に
おいても、反応副生物であるタール状物、及び前記ター
ル状物と炭素繊維との混合物等の炭素質物が、前記気相
成長炭素繊維生成用の反応管及び成長用反応管の出口等
に蓄積することのない気相成長炭素繊維製造装置を提供
することができる。
【0243】本発明によると、炭素繊維生成炉及び炭素
繊維成長炉を大型化した場合においても、前記反応管及
び成長用反応管の内部において過大な対流が生じること
がなく、且つ前記反応管及び成長用反応管の中心部と周
辺部との間に過大な温度差が生じることの無い気相成長
炭素繊維製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る気相成長炭素繊維製造装
置の一例を示す平面図である。
【図2】図2は、図1に示された気相成長炭素繊維製造
装置の備える炭素繊維生成炉を、図1における平面X−
Xに沿って切断した縦断面を示す断面図である。
【図3】図3は、図1に示された気相成長炭素繊維製造
装置の備える炭素繊維生成炉を、図1における平面Y−
Yに沿って切断した横断面を示す断面図である。
【図4】図4は、図1に示された気相成長炭素繊維製造
装置の備える炭素繊維成長炉を、図1における平面Z−
Zに沿って切断した縦断面を示す断面図である。
【図5】図5は、図1に示された炭素繊維生成炉及び炭
素繊維成長炉の備える反応管に嵌装される筒状容器の側
面図及び正面図である。
【図6】図6は、図1の気相成長炭素繊維製造装置にお
いて、筒状容器を2列に配列した例を示す平面図であ
る。
【図7】図7は、図6に示された気相成長炭素繊維製造
装置の備える炭素繊維生成炉Aを図6における平面U−
Uに沿って切断した横断面を示す断面図である。
【図8】図8は、退避手段を設けた炭素繊維生成炉を筒
状容器の搬送方向に直角な平面に沿って切断した横断面
を示す断面図である。
【図9】図9は、図1に示された気相成長炭素繊維製造
装置の備える炭素繊維生成炉及び炭素繊維成長炉におい
て、筒状容器を水平方向に2列、垂直方向に2列、計4
列に配列した例を示す断面図である。
【符号の説明】
1、11…反応管、2…筒状容器、21…桟、3…断熱
層、31…内壁、32…反応管収容室、33…底板、3
4…炉殻、35…支持具、4…黒鉛ヒータ、41…絶縁
管、42…端子、43…導線、5…端子室、51…水素
ガスライン、52…窒素ライン、53…ガス排出ライ
ン、61、61a、61b…反応ガス供給管、62、6
2a、62b…炭素源ガス供給手段、71、72、7
3、74、76…押し棒、75、77…筒状容器取出フ
ォーク、A…炭素繊維生成炉、B…炭素繊維成長炉、C
…筒状容器搬入管路、C1…入口側エアロック、C11
…気密扉、C2…ゲート弁、D…連絡管路、D1、D2
…ゲート弁、E…筒状容器搬出管路、E1…出口側エア
ロック、E2…ゲート弁、E11…気密扉

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1) 気相成長炭素繊維を製造する、筒体
    形成用の2以上の部材から形成された筒状の反応管及び
    この反応管内を通電により加熱する加熱手段を備えた反
    応炉と、 (2) 前記反応管の内部に酸化性ガスを供給する酸化性ガ
    ス供給手段と、を有してなることを特徴とする気相成長
    炭素繊維製造装置。
  2. 【請求項2】 前記反応炉が、(1) 還元性雰囲気下に
    炭素源と触媒金属源とを反応させて気相成長炭素繊維を
    生成させる、筒体形成用の2以上の部材から形成された
    筒状の、炭素繊維生成用の反応管、及び前記炭素繊維生
    成用の反応管の内部を通電により加熱する加熱手段を備
    える炭素繊維生成炉、及び、(2) 前記炭素繊維生成炉
    において生成した気相成長炭素繊維に炭素源を接触させ
    て前記気相成長炭素繊維を太さ成長させる、筒体形成用
    の2以上の部材から形成された筒状の、太さ成長用の反
    応管、及び前記太さ成長用の反応管の内部を通電により
    加熱する加熱手段を備える炭素繊維成長炉を有してな
    り、 前記酸化性ガス供給手段が、 (1) 前記炭素繊維生成炉の内部に酸化性ガスを供給する
    第1酸化性ガス供給手段、及び、 (2) 前記炭素繊維成長炉の内部に酸化性ガスを供給する
    第2酸化性ガス供給手段を有してなる前記請求項1に記
    載の気相成長炭素繊維製造装置。
  3. 【請求項3】 (1) 気相成長炭素繊維を製造する、筒体
    形成用の2以上の部材から形成された筒状の反応管、及
    び、(2) 前記反応管に近接して配置された耐熱性絶縁ケ
    ースと、前記耐熱性絶縁ケース内に収容された、100
    V以下の電圧が印加される低電圧ヒータと、前記耐熱性
    絶縁ケース内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手
    段とを有し、前記反応管内を加熱する加熱手段、を備え
    た反応炉を有してなることを特徴とする気相成長炭素繊
    維製造装置。
  4. 【請求項4】 前記請求項1又は請求項2における加熱
    手段が、耐熱性絶縁ケースと、前記耐熱性絶縁ケース内
    に収容された、100V以下の電圧が印加される低電圧
    ヒータと、前記耐熱性絶縁ケース内に不活性ガスを流通
    させる不活性ガス供給手段とを有してなる請求項1又は
    2に記載の気相成長炭素繊維製造装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項3又は4における低電圧ヒー
    タは、黒鉛ヒータである請求項3に記載の気相成長炭素
    繊維製造装置。
  6. 【請求項6】 前記請求項3〜5における加熱手段は、
    前記低電圧ヒータを前記耐熱性絶縁ケース内から外部に
    退避させる退避手段を備えてなる前記請求項3〜5のい
    ずれか1項に記載の気相成長炭素繊維製造装置。
  7. 【請求項7】 (1) 気相成長炭素繊維を製造する筒状の
    反応管及びこの反応管内を加熱する加熱手段を備えた反
    応炉と、(2) 複数の容器と、(3) 気相成長炭素繊維製造
    用ガスを供給するガス供給手段とを備え、 (1) 前記反応管は、その軸線方向に直交する断面が1以
    上の容器の断面で分画されてなり、分画した各容器はそ
    の軸線方向に直交する方向での断面積が、4m2 以下に
    設定されてなり、分画した容器それぞれは軸線方向に配
    列された他の容器に相互に当接して筒状の内部空間を形
    成してなり (3) 前記ガス供給手段は、前記内部空間それぞれに臨む
    ように、配置されてなることを特徴とする気相成長炭素
    繊維製造装置。
  8. 【請求項8】 気相成長炭素繊維を製造する筒状の反応
    管及びこの反応管内を加熱する加熱手段を備えた反応炉
    と、前記反応管の出口に設けられ、前記反応炉内で生成
    した炭素質物を除去する炭素質物排出手段とを備えてな
    ることを特徴とする気相成長炭素繊維製造装置。
  9. 【請求項9】 (1) 還元性雰囲気下に炭素源と触媒金属
    源とを反応させて気相成長炭素繊維を生成させる、筒体
    形成用の2以上の部材で形成された筒状の、繊維生成用
    の反応管、及び前記繊維生成用の反応管内を通電により
    加熱する加熱手段を備える炭素繊維生成炉と、 (2) 前記炭素繊維生成炉において生成した気相成長炭素
    繊維を太さ成長させる、筒体形成用の2以上の部材で形
    成された筒状の、太さ成長用の反応管、及び前記太さ成
    長用の反応管内を通電により加熱する加熱手段を備える
    炭素繊維成長炉と (3) 前記炭素繊維生成炉及び/又は前記炭素繊維成長炉
    において生成した炭素質物を炉外に除去する炭素質物排
    出手段とを備えてなることを特徴とする気相成長炭素繊
    維製造装置。
  10. 【請求項10】 前記請求項8における炭素質物排出手
    段を備えてなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の気
    相成長炭素繊維製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002211909A (ja) * 2001-01-12 2002-07-31 Mitsubishi Chemicals Corp 炭素製造装置およびそれを用いた製造方法
WO2005075718A1 (ja) * 2004-02-09 2005-08-18 Bussan Nanotech Research Institute Inc. 炭素繊維の加熱処理装置

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