JPH11349879A - 印刷インキ組成物及びそれを用いた被覆方法 - Google Patents

印刷インキ組成物及びそれを用いた被覆方法

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JPH11349879A
JPH11349879A JP15745198A JP15745198A JPH11349879A JP H11349879 A JPH11349879 A JP H11349879A JP 15745198 A JP15745198 A JP 15745198A JP 15745198 A JP15745198 A JP 15745198A JP H11349879 A JPH11349879 A JP H11349879A
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弘之 武衛
Tadashi Fujii
正 藤井
Masatoshi Totsuka
昌利 戸塚
Sumio Otsuki
澄雄 大槻
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷時のミスチングが防止でき、インキを印
刷後ウェットの状態で水性タイプのオーバープリント用
ワニスを塗装・加熱乾燥する印刷塗装方式において優れ
た適性を有し、更にはレトルト殺菌処理に対して良好な
性能を有する印刷用インキ組成物を得る。 【解決手段】 顔料、樹脂、及び溶剤より主として構成
される印刷インキ組成物において、該樹脂成分として、
油長20〜50%、水酸基価50〜250であるアルキ
ッド樹脂(A)を含有することを特徴とする印刷用イン
キ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷インキの分
野、特に金属印刷インキに関して、優れた印刷適性、及
び塗膜物性を有する印刷用インキ組成物及びそれを用い
た被覆方法を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】金属缶は、果汁飲料・清涼飲料・炭酸飲
料・ビール等のアルコール飲料・食品等の包装容器とし
て広く使用されている。金属缶の外面は、腐食防止、美
装等の目的で印刷・塗装が施されている。この印刷・塗
装方法としてはアルミ、鉄、又はこれらに熱可塑性樹脂
被覆された金属素材上に、あるいはベースコートを施し
た上に印刷し、この上に表面保護や外観向上のためにオ
ーバープリント用ワニスを塗装し焼付乾燥させる方法が
一般的に行われる。しかし、近年、有機溶剤による大気
汚染、作業環境での安全衛生面から金属印刷の分野にお
いても水性型オーバープリント用ワニスが使用されつつ
ある。
【0003】水性型オーバープリント用ワニスに対して
適性を有する金属印刷インキとしては、希釈剤成分によ
って、対水性ニス適性を得る例として、例えば、特開昭
62−295974、特開昭62−295975、特開
昭62−295976、特開昭64−60670、特開
平3−273068、特開平4−106166等が挙げ
られ、特開平4−106166には溶剤として、(ポ
リ)グリセリンのエチレンオキサイド/プロピレンオキ
サイド付加物、樹脂として脂肪酸変性アルキッド樹脂を
含有するインキが示されている。樹脂成分によって対水
性ニス適性を得る例として、例えば、特開平2−127
484、特開平2−127485、特開平6−2558
3等が挙げられ、特開平6−25583には、樹脂とし
て、特定の化合物のアルキレンオキシド付加物をポリオ
ールとしたポリエステルを、溶剤としてジエチレングリ
コールモノブチルエーテルを含有するインキが提案され
ている。
【0004】しかし、希釈剤成分によるものでは、溶剤
の極性が高いために、印刷時のミスチング発生という問
題に対しては十分ではなく、また、樹脂成分によるもの
では樹脂の親水性が高いために、塗膜の耐水性、とりわ
け内容物のレトルト殺菌処理に対する適性が十分である
とはいえない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ミス
チングの発生の少ない優れた印刷適性を有し、塗膜の耐
水性、特に耐レトルト性に優れた印刷インキ組成物及び
それを用いた被覆方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討の結果、以下の発明に至った。すな
わち、顔料、樹脂、及び溶剤より主として構成される印
刷インキ組成物において、該樹脂成分として、油長20
〜50%、水酸基価50〜250であるアルキッド樹脂
(A)を含有する印刷用インキ組成物、さらには、アル
キッド樹脂(A)を構成するアルコール成分中に特定の
化合物を含有する印刷用インキ組成物が所期の目的を有
利に達成できることを見いだし本発明を完成させるに至
った。
【0007】すなわち、本発明は、顔料、樹脂、及び溶
剤より主として構成される印刷インキ組成物において、
該樹脂成分として、油長20〜50%、水酸基価50〜
250であるアルキッド樹脂(A)を含有することを特
徴とする印刷用インキ組成物に関する。
【0008】さらに、本発明はアルキッド樹脂(A)を
構成するアルコール成分中に一般式(I)で表される化
合物から選ばれた1種もしくは2種以上を含有すること
を特徴とする印刷用インキ組成物に関する。
【0009】
【化2】一般式(I)
【0010】(式中R1、R2、R3 は水素またはアルキ
ル基を示し、かつ、R1、R2、R3 の炭素数の合計は3
以上)
【0011】また、本発明は一般式(I)で表される化
合物の含有量が、アルキッド樹脂(A)を構成するアル
コール成分中3〜80モル%であることを特徴とする印
刷用インキ組成物であり、印刷された本発明の印刷イン
キ組成物上に熱硬化性を有するオーバープリント用ワニ
スを塗布し、加熱硬化させることを特徴とする被覆方法
に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で使用するアルキッド樹脂
の製造方法は、特に制限はなく、油を原料とするエステ
ル交換法、脂肪酸を原料とする脂肪酸法など公知の方法
が利用できる。また、各々の方法を組み合わせてもよ
い。
【0013】本発明で使用するアルキッド樹脂の油成分
としては、あまに油、桐油、大豆油、サフラワー油、ひ
まわり油、米ぬか油、(脱水)ひまし油、トール油、椰
子油、パーム核油等がある。これらの油は単独または、
2種以上併用して使用される。又、本発明で使用するア
ルキッド樹脂の脂肪酸成分としては、上述の油成分の脂
肪酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシ
ノール酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン
酸等がある。これらの脂肪酸は単独または、2種以上併
用して使用される。更に、これらの脂肪酸のメチルエス
テル化物も使用できる。他の一塩基酸としては、安息香
酸、p−t−ブチル安息香酸、アビエチン酸、水素添加
アビエチン酸等も使用可能である。
【0014】多塩基酸としては、(無水)フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族
二塩基酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸、ヘキサヒド
ロ(無水)フタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸等の脂環族二塩基酸、(無水)コハク酸、アルケニ
ル(無水)コハク酸、フマル酸、(無水)マレイン酸、
イタコン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、
(無水)ハイミック酸等の脂肪族二塩基酸、(無水)ト
リメリット酸、(無水)ピロメリット酸、(無水)メチ
ルシクロヘキセントリカルボン酸、ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸等が挙げられる。これらの多塩基酸は単独
または、2種以上併用して使用される。
【0015】一般式(I)で表される化合物としては、
2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオー
ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−
ジエチル−1,3−プロパンジオール等があり、これら
は単独または、2種以上併用して使用される。一般式
(I)で表される化合物以外の多価アルコールとして
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,
9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、(ポリ)テトラメチレ
ングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノ
ールA等の二価アルコール、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン、トリメチロールエタン等の三価アルコー
ル、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチ
ロールプロパン、ジトリメチロールエタン等の四価アル
コールがある。これらは単独または、2種以上併用して
使用される。
【0016】本発明のアルキッド樹脂(A)の油長は2
0〜50%、好ましくは20〜45%である。20%未
満ではインキ流動性が低下し、50%を超えると塗膜硬
度の低下を生じる。
【0017】本発明のアルキッド樹脂(A)の水酸基価
は50〜250、好ましくは100〜200である。5
0未満では水性型オーバープリント用ワニスに対する適
性が不十分でハジキを生じる。250を超えるとインキ
の流動性が低下する。
【0018】本発明のアルキッド樹脂(A)を構成する
アルコール成分中、一般式(I)で表される化合物の含
有量は3〜80モル%、好ましくは5〜70モル%であ
る。3モル%未満ではインキの流動性が低下し、80モ
ル%を超えると塗膜硬度の低下を生じる。
【0019】本発明のアルキッド樹脂(A)の重量平均
分子量は、通常1,000〜30,000の範囲で、好
ましくは2,000〜20,000である。1,000
未満では耐レトルト性が低下し、30,000を超える
とインキの流動性が低下する。
【0020】本発明のアルキッド樹脂(A)の酸価は、
通常0.1〜80範囲で、好ましくは0.1〜60であ
る。80を超えるとインキの流動性が低下し好ましくな
い。
【0021】本発明の印刷インキ組成物は、本発明のア
ルキッド樹脂(A)と顔料、溶剤を主成分として構成さ
れる。顔料としては、何ら制限がなく通常の無機顔料、
有機顔料が使用できる。
【0022】溶剤としては、特に制限はなく、通常のイ
ンキ溶剤(たとえば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素、
ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール
のアルキルエーテル等)が使用できるが、本発明のアル
キッド樹脂を溶解し、水性オーバープリント用ワニスの
塗装性を向上するためには、溶剤組成中に比較的表面張
力が高く、溶解性良好な芳香族炭化水素を含んでいるこ
とが望ましい。芳香族炭化水素としては、芳香環を1個
含有し、直鎖又は枝分かれしたアルキル基を有するアル
キルベンゼン、フェニルキシリルエタン、水素化トリフ
ェニル等を例示でき単独又は複数を混合して使用でき
る。本発明に用いられる炭化水素系溶剤の添加量は、通
常印刷が行われるインキのT.Vが2〜20の範囲に調
整できれば良く特に制限はないが、通常5〜60重量%
の範囲である。
【0023】本発明のその他の成分としては、必要に応
じて公知の顔料分散剤、ドライヤー、酸触媒、補助樹脂
等を添加することが可能である。
【0024】補助樹脂としては、印刷適性、物性等に応
じて任意の樹脂が単独又は複数を混合して使用できる。
ロジン変性フェノール樹脂、オイルフリーポリエステル
樹脂、石油樹脂、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、ロジン変
性マレイン酸樹脂、尿素樹脂、アミノ樹脂、ベンゾグア
ナミン樹脂等を例示できる。
【0025】本発明の印刷インキ組成物は、オフセット
方式、ドライオフセット方式など通常の印刷方式によっ
て容易に印刷する事が出来る。インキ膜厚は任意である
が、例えば0.3〜6ミクロンの範囲で行えばよい。
【0026】本発明の印刷インキ組成物と組み合わせる
オーバープリント用ワニスは、加熱によって硬化する通
常の金属印刷塗装に使われる任意の水性型又は溶剤型の
オーバープリント用ワニスが使用でき特に制限はない。
【0027】本発明の印刷インキ組成物と組み合わされ
るオーバープリント用ワニスは、基本的に金属板上に印
刷された未乾燥のインキ上にロールコーター塗装された
後、150〜230℃で5秒〜15分間加熱乾燥される
ことにより、外観、硬度、加工性、耐レトルト性に優れ
る塗膜を形成することができる。
【0028】本発明の印刷インキ組成物と組み合わせる
オーバープリント用ワニスの塗装方法は、通常のコータ
ー方式で行うことができる。オーバープリント用ワニス
の膜厚は任意であるが、例えば 3〜10ミクロンの範
囲で行えばよい。
【0029】
【実施例】以下本発明の理解を容易にするため、実施例
によって本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例
のみに限定されるものではない。なお、各例中の部及び
%は重量基準によるものである。
【0030】(合成例1)撹拌機、精留塔、水分離器、
コンデンサー、窒素導入管、温度計を具備した反応装置
に、脱水ひまし油脂肪酸 336部、無水フタル酸 2
07部、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパ
ンジオール 96部、ペンタエリスリトール177部を
仕込み、窒素ガス存在化で230℃で4時間反応し、淡
黄色透明樹脂「樹脂(1)」を得た。本樹脂の酸価は9
であった。
【0031】(合成例2)合成例1と同様の反応装置
に、脱水ひまし油脂肪酸 336部、イソフタル酸23
2部、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール
79部、ペンタエリスリトール 177部を仕込み、窒
素ガス存在化で230℃で4時間反応し、淡黄色透明樹
脂「樹脂(2)」を得た。本樹脂の酸価は11であっ
た。
【0032】(合成例3)合成例1と同様の反応装置
に、大豆油脂肪酸 302部、無水フタル酸 256
部、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 89部、
トリメチロールプロパン252部を仕込み、窒素ガス存
在化で230℃で5時間反応し、淡黄色透明樹脂「樹脂
(3)」を得た。本樹脂の酸価は7であった。
【0033】(合成例4)合成例1と同様の反応装置
に、大豆油脂肪酸 302部、無水フタル酸 256
部、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオー
ル 73部、トリメチロールプロパン 252部を仕込
み、窒素ガス存在化で230℃で4時間反応し、淡黄色
透明樹脂「樹脂(4)」を得た。本樹脂の酸価は8であ
った。
【0034】(合成例5)合成例1と同様の反応装置
に、あまに油脂肪酸 302部、無水フタル酸 256
部、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジ
オール 40部、ネオペンチルグリコール 26部、ト
リメチロールプロパン 252部を仕込み、窒素ガス存
在化で220℃で4時間反応し、淡黄色透明樹脂「樹脂
(5)」を得た。本樹脂の酸価は6であった。
【0035】(合成例6)合成例1と同様の反応装置
に、あまに油脂肪酸 207部、無水フタル酸 340
部、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジ
オール 301部、グリセリン 107部を仕込み、窒
素ガス存在化で230℃で5時間反応し、淡黄色透明樹
脂「樹脂(6)」を得た。本樹脂の酸価は13であっ
た。
【0036】(合成例7)合成例1と同様の反応装置
に、脱水ひまし油脂肪酸 84部、イソフタル酸 39
8部、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパン
ジオール 320部、トリメチロールプロパン 121
部を仕込み、窒素ガス存在化で230℃で5時間反応
し、淡黄色透明樹脂「樹脂(7)」を得た。本樹脂の酸
価は9であった。
【0037】(合成例8)合成例1と同様の反応装置
に、大豆油脂肪酸 616部、無水フタル酸 148
部、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジ
オール 112部、ペンタエリスリトール 134部を
仕込み、窒素ガス存在化で230℃で4時間反応し、淡
黄色透明樹脂「樹脂(8)」を得た。本樹脂の酸価は1
3であった。
【0038】(合成例9)合成例1と同様の反応装置
に、あまに油脂肪酸 420部、イソフタル酸 249
部、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 161
部、トリメチロールプロパン 141部を仕込み、窒素
ガス存在化で230℃で6時間反応し、淡黄色透明樹脂
「樹脂(9)」を得た。本樹脂の酸価は15であった。
【0039】(合成例10)合成例1と同様の反応装置
に、あまに油脂肪酸 378部、イソフタル酸 261
部、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 41部、
ペンタエリスリトール278部を仕込み、窒素ガス存在
化で230℃で3時間反応し、淡黄色透明樹脂「樹脂
(10)」を得た。本樹脂の酸価は8であった。
【0040】(合成例11)合成例1と同様の反応装置
に、脱水ひまし油脂肪酸 336部、やし油脂肪酸63
部、イソフタル酸 261部、2,2−ジエチル−1,
3−プロパンジオール 3部、ペンタエリスリトール
245部を仕込み、窒素ガス存在化で230℃で4時間
反応し、淡黄色透明樹脂「樹脂(11)」を得た。本樹
脂の酸価は10であった。
【0041】(合成例12)合成例1と同様の反応装置
に、脱水ひまし油脂肪酸 280部、無水フタル酸34
0部、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール
354部、ジペンタエリスリトール 91部を仕込み、
窒素ガス存在化で230℃で5時間反応し、淡黄色透明
樹脂「樹脂(12)」を得た。本樹脂の酸価は16であ
った。得られた樹脂(1)〜(12)の性状値を表1、
2に示す。
【0042】
【表1】
【0043】(*1)は一般式(I)で表される化合物
の多価アルコール中のモル%である。
【0044】
【表2】
【0045】(*1)は一般式(I)で表される化合物
の多価アルコール中のモル%である。
【0046】(実施例1)合成例1で得られた樹脂
(1) 40部、顔料として、ファーストゲンブルーT
GR−L(大日本インキ化学工業製)30部、溶剤とし
て、アルキルベンゼン系溶剤、アルケン56N(日石化
学製)30部を3本ロールミルを用いて練肉して、イン
キ(1)を得た。
【0047】(実施例2〜6)表3に示した組成にて、
実施例1と同様の顔料及び溶剤を用いて、実施例1と同
様にしてインキ(2)〜(6)を得た。
【0048】(比較例7〜12)表4に示した組成に
て、実施例1と同様にしてインキ(7)〜(12)を得
た。
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】〔試験方法〕 (1)ミスチング試験 「実施例」インキ(1)〜(6)、「比較例」インキ
(7)〜(12)を各々2.64CC採取し、インコメ
ーターのローラー上に均一に塗布した後、1600rp
mで5分間回転させた。ローラー下部に置いた白紙上へ
のインキの飛散の程度を目視判定した。良好なものを
○、不良なものを×として評価した。
【0052】(2)流動性 「実施例」インキ(1)〜(6)、「比較例」インキ
(7)〜(12)について、スプレッドメーターにて、
フロー値を測定し、フロー傾斜(スロープ)値にて評価
した。フロー傾斜値が2以上のものを○、2未満のもの
を×として評価した。
【0053】(3)塗装性(水性型オーバープリント用
ワニス適性;ハジキ・光沢) 「実施例」インキ(1)〜(6)、「比較例」インキ
(7)〜(12)を各々インキ皮膜厚が1.5μmとな
るようにアルミ板にRIテスターで印刷した。印刷に引
き続きインキをウェット状態のままで、水性オーバープ
リント用ワニスである2W−131(大日本インキ化学
工業製)を45mg/100cm2(焼き付け後固形
分)の塗膜量となるように塗装した。上記の条件で印刷
塗装した印刷塗装板を200℃ 45秒+200℃ 9
0秒(ピーク温度)の条件で焼き付け乾燥する。塗膜を
目視して、良好なものを○、不良なものを×として評価
した。
【0054】(4)塗膜密着性 JIS K 5400に準じて、塗膜面にカッターナイフ
で1mm間隔で100個の碁盤目を作り、セロハンテー
プによる剥離状態を調べ、剥離していないマス目の個数
で示した。
【0055】(5)塗膜硬度 塗膜面の硬度を、鉛筆引っ掻き試験(JIS K 540
0)を行い鉛筆硬度で示した。
【0056】(6)耐レトルト性 試験片を加圧容器中で加湿下にて、125℃30分間処
理した後、(4)塗膜密着性、および(5)塗膜硬度の
試験を行った。
【0057】以上の評価結果を表5、表6にまとめた。
【0058】
【表5】
【0059】
【表6】
【0060】
【発明の効果】以上、実施例等で示した通り、本発明で
特定するアルキッド樹脂を含有する印刷用インキ組成物
は、印刷時のミスチングが防止でき、インキを印刷後ウ
ェットの状態で水性タイプのオーバープリント用ワニス
を塗装・加熱乾燥する印刷塗装方式において優れた適
性、更にはレトルト殺菌処理に対して良好な性能を有し
ている。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料、樹脂、及び溶剤より主として構成
    される印刷インキ組成物において、該樹脂成分として、
    油長20〜50%、水酸基価50〜250であるアルキ
    ッド樹脂(A)を含有することを特徴とする印刷用イン
    キ組成物。
  2. 【請求項2】 アルキッド樹脂(A)を構成するアルコ
    ール成分中に一般式(I)で表される化合物から選ばれ
    た1種以上の化合物を含有する請求項1に記載の印刷用
    インキ組成物。 【化1】一般式(I) (式中R1、R2、R3 は水素またはアルキル基を示し、
    かつ、R1、R2、R3 の炭素数の合計は3以上)
  3. 【請求項3】 一般式(I)で表される化合物のR1
    2、R3 が水素または炭素数1〜4のアルキル基であ
    り、かつ、R1、R2、R3 炭素数の合計が3以上である
    請求項1又は2に記載の印刷用インキ組成物。
  4. 【請求項4】 一般式(I)で表される化合物の含有量
    が、アルキッド樹脂(A)を構成するアルコール成分中
    3〜80モル%である請求項1〜3の何れかに記載の印
    刷用インキ組成物。
  5. 【請求項5】 印刷された請求項1〜4記載の印刷用イ
    ンキ組成物上に熱硬化性を有するオーバープリント用ワ
    ニスを塗布し、加熱硬化させることを特徴とする被覆方
    法。
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