JPH11349665A - 水性樹脂組成物 - Google Patents

水性樹脂組成物

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JPH11349665A
JPH11349665A JP10175395A JP17539598A JPH11349665A JP H11349665 A JPH11349665 A JP H11349665A JP 10175395 A JP10175395 A JP 10175395A JP 17539598 A JP17539598 A JP 17539598A JP H11349665 A JPH11349665 A JP H11349665A
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JP
Japan
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meth
macromonomer
aqueous
epoxy group
acrylate
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JP10175395A
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English (en)
Inventor
Kazuko Nakanishi
和子 中西
Shiro Kojima
史郎 児島
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 造膜時のフロー性が良く、得られる塗膜の
光沢が高く、しかも常温での硬化性が良い水性の硬化性
組成物を提供することを目的とする。 【解決手段】エポキシ基含有単量体単位を有するラジカ
ル重合性マクロモノマー及びその他のラジカル重合性単
量体からなる重合体を、水性媒体中に分散させてなる重
合体エマルション並びにエポキシ基と反応性の官能基を
有する化合物からなる水性硬化剤を併用することによ
り、上記課題を達成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ基を有し
且つ片末端に不飽和二重結合を有するマクロモノマーを
用いて得られる、グラフトポリマーを含有する水性の樹
脂組成物に関するものである。本発明の組成物は常温で
硬化させることができ、水性の塗料、コーティング剤、
プライマー、接着剤、シーリング剤等の用途に使用する
ことができる。
【0002】
【従来の技術】溶剤系塗料の造膜時には溶剤が揮発し、
その溶剤は環境汚染、健康障害等の問題を引き起こすた
め、近年溶剤型塗料から水性塗料への移行が目立ってい
る。しかし、従来の水性塗料は造膜時のフロー性が悪
く、高い光沢の塗膜が得にくいという欠点がある。特開
平5−302037号公報には、水性樹脂分散体、カル
ボニル基含有樹脂及びヒドラジン誘導体からなる架橋性
水性顔料分散液が開示されている。しかしこの技術によ
る塗料は、フロー性については改善されるものの、光沢
について満足できるものではない。特開平9−2544
9号公報には、酸成分を有する水溶性共重合体、エポキ
シ基を有する樹脂水性分散体及び顔料とからなる常温硬
化型塗料組成物が開示されている。この技術による塗料
は、フロー性及び光沢については改善されるものの、硬
化性が悪く、塗膜が所望の物性を発揮するために要する
養生時間が長いという欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、造膜
時のフロー性が良く、得られる塗膜の光沢が高く、しか
も常温での硬化性が良い水性の硬化性組成物を提供する
ことである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、エポキシ基含有単量体単位を有するラジカル重合
性マクロモノマー及びその他のラジカル重合性単量体か
らなる重合体を、水性媒体中に分散させてなる重合体エ
マルション並びにエポキシ基と反応性の官能基を有する
化合物を含有する水性硬化剤からなることを特徴とする
水性樹脂組成物が、造膜時のフロー性が良く、得られる
塗膜の光沢が高く、しかも常温での硬化性が良いもので
あることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。マクロモノマーとは、片末端に重合性基を有する
ポリマーを言い、ラジカル重合性マクロモノマーとは、
その重合性基がラジカル重合性であるものを指す。その
製造方法は山下雄也編「マクロモノマーの化学と工業」
(平成元年9月20日、(株)アイピーシー発行)に詳
しく示されている。エポキシ基含有単量体単位を構成単
量体として含有するラジカル重合性マクロモノマー(以
下エポキシ基含有マクロモノマーという)は、例えば、
特願平8−326003号公報に示されている方法によ
り合成できる。本発明に使用する、エポキシ基含有マク
ロモノマーの製法は、上記の方法に限定されない。
【0006】A成分を構成する重合体の構成マクロモノ
マーであるエポキシ基含有マクロモノマーが、構成単量
体として含有するエポキシ基含有ラジカル重合性単量体
は、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−
エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、ジアル
キレングリコールグリシジルエーテル(メタ)アクリレ
ート、4−ヒドロキシブチルグリシジルエーテル(メ
タ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシルグリシジル
エーテル(メタ)アクリレート等である。((メタ)ア
クリレートとはアクリレート又はメタクリレートのこと
をいう。以下同じ。)エポキシ基含有マクロモノマー
が、構成単量体としてエポキシ基含有ラジカル重合性単
量体単位5〜50%を含有するものである場合は、得ら
れる塗膜の硬化性と光沢のバランスが良好なものとなる
ので好ましい。
【0007】エポキシ基含有マクロモノマーが含有する
その他の構成単量体は、例えばメチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート
等のアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレ
ート、ベンジル(メタ)アクリレート等の脂肪族環又は
芳香族環含有(メタ)アクリレート、トリフルオロエチ
ル(メタ)アクリレート、パーフルオロアルキルエチル
(メタ)アクリレート等のフッ素含有(メタ)アクリレ
ート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の3級アミ
ノ基含有(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変
性モノマー、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロ
ニトリル、アセトアセトキシエチルメタクリレート、下
記化1で表される単量体等である。これらの単量体は単
独で用いられても、2種以上が併用されても良い。
【0008】
【化1】 CH2 =C(R1 )COO(Cn 2nO)m−OR2 (上記化1において、R1 は水素原子又はメチル基、n
は2又は3、mは2〜50の整数、R2 は炭素数7以下
のアルキル基を表す)
【0009】エポキシ基含有マクロモノマーが構成単量
体として、上記化1で表される単量体単位30〜95重
量%を含有するものである場合には、親水性基であるポ
リオキシアルキレン基を有する該マクロモノマー鎖が、
Aの構成成分である重合体粒子の表面に存在しやすくな
るために、該重合体粒子の分散安定性が良好なものとな
るので好ましい。又、該マクロモノマー中のエポキシ基
が、Aの構成成分である重合体粒子の表面に存在しやす
くなるために、エポキシ基の反応性が良好な組成物とな
るので好ましい。
【0010】Aの構成成分である重合体の構成単量体で
あるその他のラジカル重合性単量体は、例えばメチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート
等の脂肪族環又は芳香族環含有(メタ)アクリレート、
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオ
ロアルキルエチル(メタ)アクリレート等のフッ素含有
(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート等の3級アミノ基含有(メタ)アクリレート、ε−
カプロラクトン変性モノマー、スチレン、α−メチルス
チレン、アクリロニトリル、アセトアセトキシエチルメ
タクリレート、上記化1で表される単量体、ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート等のヒドロキシル基含有(メタ)アク
リレート、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキ
シ基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、
t−ブチルアクリルアミドスルホン酸等の酸性基を有す
るラジカル重合性単量体、スチレンパラスルホン酸ナト
リウム等の酸性基の塩を有するラジカル重合性単量体で
ある。これらは単独で用いられても、2種以上が併用さ
れても良い。
【0011】Aの構成成分である重合体は、例えば以下
のような方法により得ることができる。すなわち水性媒
体及び乳化剤からなる混合物に、エポキシ基含有マクロ
モノマー、その他のラジカル重合性単量体、ラジカル重
合開始剤、水、乳化剤からなる乳化液を添加して重合さ
せるという方法である。
【0012】上記乳化剤は、例えばアニオン性乳化剤、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン性乳
化剤、非イオン性の反応性乳化剤等である。また、エポ
キシ基含有マクロモノマーがポリオキシアルキレン基を
有する単量体単位30〜95重量%を構成単位として含
有するものである場合には、マクロモノマーが分散剤の
役割を果たすので、乳化剤の量を減らすか又はゼロにす
ることもできる。この場合、得られる塗膜の、乳化剤に
起因する耐水性の悪さが低減されたものとなるので好ま
しい。また上記乳化剤以外に、例えばポリビニルアルコ
ール等の分散安定剤は、A成分である水性分散体の分散
安定性を増す目的で使用することができる。
【0013】ラジカル重合開始剤は、例えば過硫酸カリ
ウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶
性ラジカル重合開始剤、2,2’−アゾビスイソブチロ
ニトリル等のアゾ系の油溶性ラジカル重合開始剤、トル
オイルパーオキサイド等の過酸化物系の油溶性ラジカル
重合開始剤である。油溶性ラジカル重合性開始剤を用い
てする重合は、その重合機構から、乳化重合ではなくマ
イクロサスペンション重合と呼ばれることがある。
【0014】Aの構成成分である重合体の重量平均分子
量は2万〜30万であることが好ましく、5万〜20万
であることが更に好ましい。2万未満では硬化塗膜の耐
水性が悪いものとなることがあり、30万を越えると硬
化塗膜の光沢が低いものとなることがある。また該重合
体は構成マクロモノマーとしてエポキシ基含有マクロモ
ノマー単位3〜60重量%を含有することが好ましい。
3重量%未満では硬化塗膜の光沢が低いものとなること
があり、60重量%を超えると硬化塗膜の耐水性が悪い
ものとなることがある。
【0015】Bの構成成分である化合物が有するエポキ
シ基との反応性を有する官能基は、例えばメラミン化合
物の窒素原子に結合したアルコキシメチル基、アミノ
基、カルボキシル基、フェノール性水酸基等である。該
水性硬化剤は、例えば三井サイアナミッド社製サイメル
シリーズ、住友化学社製スミマールシリーズ等の水溶性
のアルコキシメチル基を有するメラミン化合物、フェノ
ール性水酸基を有するレゾール樹脂、3級アミノ基を有
する水溶性又は水分散性のアクリル樹脂又はウレタン樹
脂、カルボキシル基を有する水溶性又は水分散性のアク
リル樹脂、ウレタン樹脂又はポリエステル樹脂等であ
る。これらの3級アミノ基、カルボキシル基は一部又は
全量が中和されているものであることが好ましい。
【0016】3級アミノ基を有する水溶性又は水分散性
のアクリル樹脂は、例えばN,N−ジアルキルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキルアミノ
プロピル(メタ)アクリレート等の3級アミノ基を有す
る(メタ)アクリート、N,Nージアルキルアミノエチ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキルアミノ
プロピル(メタ)アクリルアミド等の3級アミノ基を有
する(メタ)アクリルアミド等をその他のラジカル重合
性単量体と共重合する事によって得られる。((メタ)
アクリルアミドとはアクリルアミド又はメタクリルアミ
ドをいう。以下同じ。)3級アミノ基を有する水溶性又
は水分散性のアクリル樹脂を得る方法は、例えば水性媒
体中で行われるエマルション重合又は水とアルコールの
混合溶媒中で行われる水溶液重合による方法、有機溶剤
中で行われる溶液重合で得たポリマーを中和、水性化す
る方法である。
【0017】カルボキシル基を有する水溶性又は水分散
性のアクリル樹脂は、例えば(メタ)アクリル酸等の共
重合による方法又は無水マレイン酸等の酸無水物基を有
する単量体の共重合体を加水分解する方法で得られる。
【0018】水溶性又は水分散性のウレタン樹脂は、例
えばカルボキシル基又は3級アミノ基を有するジオール
を原料として得ることができる。例えばジメチロールプ
ロピオン酸を原料としてカルボキシル基を有するウレタ
ン樹脂を得ることができる。
【0019】Bの構成成分である化合物が有するエポキ
シ基との反応性を有する官能基の濃度は0.2〜2.0
meq/gであるものが好ましい。0.2meq/g未
満であると組成物の硬化性が悪いものとなることがあ
り、2.0meq/gを超えると得られる塗膜の光沢が
低くなることがある。
【0020】A及びBからなる組成物から得られる塗膜
中の、エポキシ基と反応性の官能基と、エポキシ基との
硬化反応は常温でも進行するが、加熱により反応を促進
することもできる。
【0021】本発明のA成分である重合体エマルション
とB成分である水性硬化剤とからなる組成物は、成膜助
剤や他の添加剤を含んでいてもよい。成膜助剤は、例え
ばイソプロピルアルコール、sec−ブタノール、n−
ブタノール、2−エチルヘキサノール、2−プロポキシ
エタノール、2−n−ブトキシプロパノール、2−n−
ブトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル、N−メチルピロリドン、フタル酸ジブ
チルエステル等である。その他の添加剤は、例えば各種
の金属顔料、レベリング剤、pH調整剤、増粘剤、撥水
剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、皮張り防止
剤、分散剤等である。
【0022】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本説明を
更に具体的に説明する。部と記載してあるのは重量部を
意味する。 (参考例1)(エポキシ基含有マクロモノマーの合成) ポリエチレングリコールモノメタクリレート(新中村化
学製M−90G)70部、メチルメタクリレート(以後
MMAという)10部、及びグリシルメタクリレート
(以後GMAという)20部を、トルエン105部中
へ、重合温度90℃にて窒素気流下に滴下しながら、ア
ゾビスイソブチロニトリル(以後AIBNという)0.
7部、メルカプトエタノール1.5部を用いてラジカル
連鎖移動重合を行った。得られた末端ヒドロキシル基型
プレポリマー溶液をモレキュラーシーブで脱水し、含水
量200ppm以下にした。そこに、3−プロペニル−
α,α−ジメチルベンジルイソシアネート(三井サイテ
ック製TMI)3.5部(メルカプトエタノールの1.
1倍モル)、ジブチルスズジラウレート0.1部を加え
て、90℃で6時間反応させ、末端にラジカル重合性二
重結合を導入したマクロモノマーを得た。プレポリマー
にTMIが導入されたことは、GPC分析(UV検出)
でポリマーにベンゼン環の吸収が現れたことから確認し
た。得られたマクロモノマー溶液を減圧下加熱して、脱
溶剤した。得られたマクロモノマーのポリスチレン換算
数平均分子量は5200であった。
【0023】(参考例2)(A成分である重合体エマル
ションの合成) 参考例1で製造したマクロモノマー20部、ブチルメタ
クリレート(以下BMAという)22部、スチレン(以
下Stという)30部、エチルアクリレート(以下EA
という)20部、ヒドロキシエチルメタクリレート(以
下HEMAという)8部及びイオン交換水30部をホモ
ミキサーで混合してプレエマルションを調製した。冷却
管、攪拌機、滴下ロート、窒素ガス導入管及び温度計を
装着したガラスフラスコに、イオン交換水120部、過
硫酸カリウム0.4部、炭酸アンモニウム0.7部を入
れ攪拌しながら、窒素置換後、80℃に保ち前記プレエ
マルションを2時間かけて滴下した。滴下終了後さらに
1時間同温度を維持して、重合を終了した。 200メ
ッシュのネットで濾過、乾燥して凝集物を測定した結
果、0.1部のグリットがあった。濾液は、固形分40
%であった。
【0024】(参考例3)(カルボキシル基を含有する
アクリル系水性硬化剤の合成) 滴下ロートにMMA35部、EA10部、ブチルアクリ
レート(以下BAという)18部、St30部、メタク
リル酸(以下MAAという)7部、AIBN1.0部、
ブチルセルソルブ20部の混合液を用意した。冷却管、
攪拌機、滴下ロート、窒素ガス導入管及び温度計を装着
したガラスフラスコに、ブチルセルソルブ50部を仕込
み、攪拌しながら90℃に昇温してから滴下ロート中の
液を4時間かけて滴下した。滴下終了後さらに2時間同
温度を維持して重合を終了した。重合終了後、25%ア
ンモニア水6部、水69部を加えてカルボキシル基含有
水性液を得た。固形分40%、ポリスチレン換算数平均
分子量は13,000、固形分当たりの酸価は45mg
KOH/gを有する透明な溶液であった。
【0025】(参考例4)(カルボキシル基を含有する
ウレタン系水性硬化剤の合成) 冷却管、攪拌機、滴下ロート、窒素ガス導入管及び温度
計を装着したガラスフラスコに、メチルエチルケトン
(以下MEKという)200部、数平均分子量約2,0
00(水酸基価56mgKOH/g)のポリプロピレン
グリコール113部、ジメチロールプロピオン酸19.
1部を仕込み、60℃に昇温した。撹拌しながらジフェ
ニルメタンジイソシアネート59.8部、ジブチルスズ
ジラウレート0.1部を加え、80℃まで昇温し、4時
間加熱してウレタンプレポリマーを得た。測定の結果N
CO含有率は1.8重量%、ポリスチレン換算数平均分
子量は5,000であった。該プレポリマーを30℃ま
で冷却し、撹拌しながら、トリエチルアミン14.4
部、蒸留水350部を加え、ウレタンプレポリマーの水
性分散体を得た。その後温度を30℃に保ったまま、ア
ジピン酸ジヒドラジド8.2部、蒸留水50部からなる
溶液を30分かけて滴下し、鎖伸長反応を行った。更に
1時間鎖伸長反応を続行した後、MEKを除去すること
によりポリウレタン水性分散液を得た。得られた分散液
に蒸留水を加え固形分を40%に調整した。
【0026】(参考例5)(エポキシ基を含有するアク
リルエマルションの合成(比較例)) 14部の新中村化学製M−90G、MMA2部、GMA
4部、BMA22部、St30部、EA20部、HEM
A8部、イオン交換水30部、乳化剤として3部の花王
製のエマルゲン950をホモミキサーで混合してプレエ
マルションを調製した。冷却管、攪拌機、滴下ロート、
窒素ガス導入管及び温度計を装着したガラスフラスコ
に、イオン交換水120部、過硫酸カリウム0.4部、
0.5部のエマルゲン950を入れ、攪拌しながら窒素
置換後、80℃に保ち前記プレエマルションを2時間か
けて滴下した。滴下終了後さらに1時間同温度を維持し
て、重合を終了した。200メッシュのネットで濾過、
乾燥して凝集物を測定した結果、0.1部のグリットが
あった。濾液は、固形分50%であった。
【0027】(実施例1〜3及び比較例1〜3)表1に
示す配合物に必要に応じて蒸留水を加えて、組成物の固
形分を40%に調整した。これを中塗り板(中塗り板と
は、アルキッド樹脂とメラミン樹脂とからなるプライマ
ー塗料を塗布・焼き付け乾燥した鋼板をいう。)及びテ
フロン板に塗布し、常温で1週間静置後、得られた塗膜
の物性をそれぞれ以下のように評価した。その評価結果
を表2に示した。フロー性は、実施例、比較例とも良好
であった。 (中塗り板塗布物の評価)中塗り板上に実施例1〜3の
液を、乾燥後の膜厚が80μmになるようにバーコータ
ーで塗布した。常温で1週間静置した後、得られた塗膜
を以下のように評価した。 鉛筆硬度:JIS K−5400.8.4に従って評価
した。 光沢保持率:QUV1000時間後の60゜光沢保持率
を評価した。(QUVとは、東洋精機製作所製のATL
AS−UVCONなる試験機に試験片をセットし、60
℃において紫外線照射の環境、40℃において飽和湿度
の環境という2条件を4時間毎に交互に繰り返す試験を
いう。) 耐溶剤性:MEKをしみこませたフェルトに500gの
荷重をかけて100回ラビング後、塗膜外観を目視で評
価した。耐溶剤性の評価基準は以下のとおりとした。 ◎:変化がなかった ○:僅かな傷跡が認められた △:光沢が低下した ×:塗膜が溶解して消失した
【0028】(テフロン板塗布物の評価)テフロン板上
に実施例1〜3の液を、乾燥後の膜厚が0.2〜0.3
mmになるように、常温で1週間静置後、塗膜を基材か
ら剥離し、得られたフィルムの耐水性を以下のように評
価した。試験フィルムを20mm角に切り取り秤量した
(この時の重量をW0 とする)。フィルムを脱イオン水
に浸漬し、3日後に取り出してフィルム表面の水分を軽
く拭き取ったあと秤量した(この時の重量をW1 とす
る)。更にそのフィルムを100℃で1時間乾燥し、放
冷後秤量した(この時の重量をW2 とする)。吸水率及
び溶出率:下記計算式により求めた。 吸水率(%)=(W1 −W2 )×100/W2 溶出率(%)=(W0 −W2 )×100/W0 フィルムの外観:3日間脱イオン水に浸漬したフィルム
の透明性を目視で評価した。評価の基準は以下のとおり
とした。 ○:透明のまま変化なかった △:青白くなった ×:ほぼ溶解した
【0029】
【表1】 メラミン硬化剤:メトキシメチル基及びイソプロポキシ
メチル基を有するメラミン化合物(三井サイテック製、
サイメル238)
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、粒子表面に効果的にエ
ポキシ基を配した水分散性高分子を使用することによ
り、フロー性を保持したまま、硬化性が優れ、しかも硬
化後の塗膜の光沢が高い常温硬化可能な、水性の硬化性
組成物が得られる。また硬化性が優れているので、得ら
れる塗膜の耐水性や耐溶剤性が良好である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 3/10 C09K 3/10 L // C08F 290/06 C08F 290/06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記A及びBからなることを特徴とする水
    性樹脂組成物。 A:エポキシ基含有単量体単位を有するラジカル重合性
    マクロモノマー及びその他のラジカル重合性単量体から
    なる重合体を、水性媒体中に分散させてなる重合体エマ
    ルション。 B:エポキシ基と反応性の官能基を有する化合物からな
    る水性硬化剤。
  2. 【請求項2】上記ラジカル重合性マクロモノマーとその
    他のラジカル重合性単量体の共重合割合が、3〜60重
    量%対40〜97重量%である、請求項1に記載の水性
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】上記ラジカル重合性マクロモノマーにおけ
    る、エポキシ基含有単量体単位の割合が、該マクロモノ
    マーの全構成単位を基準として5〜50重量%である、
    請求項1又は2に記載の水性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】上記ラジカル重合性マクロモノマーが、そ
    の他の構成単量体単位としてポリオキシアルキレン構造
    を有するラジカル重合性単量体単位30〜95重量%を
    含有するものである、請求項1〜3に記載の水性樹脂組
    成物。
  5. 【請求項5】Bが水溶性ポリウレタン又はポリウレタン
    エマルションである、請求項1〜4に記載の水性樹脂組
    成物。
JP10175395A 1998-06-08 1998-06-08 水性樹脂組成物 Pending JPH11349665A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019218531A (ja) * 2017-09-06 2019-12-26 三菱ケミカル株式会社 エポキシ樹脂組成物、接着剤、成形材料及び硬化物

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