JPH11349605A - 光重合装置及びそれを用いた重合体の製造方法 - Google Patents

光重合装置及びそれを用いた重合体の製造方法

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JPH11349605A
JPH11349605A JP17809698A JP17809698A JPH11349605A JP H11349605 A JPH11349605 A JP H11349605A JP 17809698 A JP17809698 A JP 17809698A JP 17809698 A JP17809698 A JP 17809698A JP H11349605 A JPH11349605 A JP H11349605A
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barrel
polymer
vibration
photopolymerizable composition
photopolymerization
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JP17809698A
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Takashi Sugiki
孝至 杉木
Yuichi Nishida
雄一 西田
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Nichiban Co Ltd
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Nichiban Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光重合法により、均質で所望の分子量を有す
る重合体を連続的かつ効率的に製造することができる光
重合装置、及び該光重合装置を用いた重合体の製造方法
を提供すること。 【解決手段】 光透過性の材質で構成されたバレルと加
振部とを備え、バレル内に圧入した光重合性組成物を、
加振部で発生させた振動により混合しながらバレル内を
通過させることが可能な振動混合装置からなる光重合装
置、及び該光重合装置を用いた光重合により重合体の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光重合装置及びそ
れを用いた重合体の製造方法に関し、さらに詳しくは、
振動混合装置からなる光重合装置、及び該光重合装置を
用いて、均質で所望の分子量を有する重合体を連続的か
つ効率的に製造する方法に関する。本発明の光重合装置
及びそれを用いた重合体の製造方法は、特に、アクリル
系モノマーと光重合開始剤とを含有する光重合性組成物
を用いて、アクリル系粘着剤やアクリルフォームの原料
として有用なアクリル系重合体またはアクリル系光重合
性プレポリマーを製造するのに好適である。
【0002】
【従来の技術】従来、アクリル系重合体などのビニル系
重合体の製造方法として、例えば、溶液重合法、懸濁重
合法、エマルション重合法、塊状重合法などが知られて
いる。これらの重合法には、それぞれ一長一短があっ
て、例えば、感圧性粘着剤などの用途に適した重合体を
得る方法としては、必ずしも適しているということはで
きない。
【0003】溶液重合法は、モノマーを溶媒に溶かし、
重合触媒を入れて、攪拌・加熱して重合を行う方法であ
る。溶液重合法は、塊状重合法に比べて、重合熱の蓄積
を避けることができるものの、反応温度を精密に制御す
ることが困難であり、所望の分子量の重合体を得ること
が難しい。また、ラジカル重合では、溶媒への連鎖移動
反応が起こるため、生成重合体の平均分子量は低く、反
応速度も遅くなる。さらに、溶液重合法は、高熱による
分岐反応が進行するため、ゲル化しやすく、直鎖状で一
定品質の重合体を得ることが難しい。
【0004】懸濁重合法は、モノマーと生成重合体が不
溶性の分散媒体中に、モノマーを攪拌分散させながら加
熱して、ラジカル重合を行う重合法である。懸濁重合法
は、一般に分散媒体として水を用いるため、反応温度の
制御が比較的容易で、所望の分子量を有する重合体を得
やすいが、反応後に水の除去が必要であり、そのために
多くのエネルギーや時間が必要となる。
【0005】エマルション重合法は、一般に水を分散媒
体として、水に溶解しないモノマーと界面活性剤を加え
て乳濁液とし、水溶性重合開始剤を用いて加熱し、ラジ
カル重合を行う方法である。エマルション重合は、懸濁
重合法と同様に、比較的反応温度の制御はしやすいが、
反応後に水の除去が必要であり、しかも、残存乳化剤が
生成重合体の品質に悪影響を及ぼす場合が多い。
【0006】塊状重合法は、溶媒や分散媒体を用いず
に、モノマーに重合触媒を入れ、加熱して重合する方法
である。塊状重合法によれば、比較的高純度の重合体を
得ることができるものの、重合熱の除去が困難であり、
最も反応の制御が難しい重合法である。また、塊状重合
法により、所望の分子量を有する一定品質の重合体を得
ることは困難である。
【0007】これらの重合法では、いずれも熱重合が行
われている。熱重合では、熱によって重合開始剤からラ
ジカルが発生することにより重合反応が開始され、反応
熱が発生する。そして、その反応熱によって再び反応開
始剤が活性化され、反応が促進されるというように、連
鎖反応的に反応が進行するため、反応の制御が困難であ
る。それに加えて、これらの重合法は、重合時間が長
く、通常、数時間から数十時間を要する。
【0008】前記の重合法に伴う欠点を克服する方法と
して、光重合法が知られている。光重合では、モノマー
が光を吸収してラジカルに分解し、重合を開始する。光
重合は、光(一般に紫外線または可視光線)の照射によ
ってのみ重合反応が開始するため、反応熱によって反応
速度は上昇するものの、連鎖的な反応は起こらず、反応
の制御が容易であるという大きな利点を有する。また、
光重合反応は、極めて短時間に進行させることができる
利点もある。しかしながら、前記の熱重合法で使用され
ている反応槽を光透過性の材質で置き換えて、光重合法
に適用しても、モノマーを含有する反応液の光吸収によ
って、光の照射強度が反応槽内の壁面周辺と中心部分と
で異なってしまうため、場所によるモノマーの反応性に
違いが生じ、分子量分布の小さな重合体を得ることが困
難である。しかも、反応の進行と共に、反応槽内の壁面
に凝集物が付着する現象が生じる。反応槽が大きくなる
ほど、反応槽内での光の照射強度の不均一が生じやすく
なる。反応槽内の反応液を通常の攪拌装置で攪拌して
も、反応液の逆流や滞留、不均一混合が生じるため、こ
れらの問題点を克服することは極めて困難である。した
がって、光重合法は、反応槽での大量生産には不適当な
重合法であると考えられていた。
【0009】従来、光重合法により、アクリル系重合体
を大量に生産する方法として、紫外線を透過する材質か
らなるバレルと、該バレル内で光重合性組成物を攪拌か
つ圧送可能なスクリューとからなる押出機を光重合装置
として使用する方法が提案されている(特許第2557
539号公報)。この方法では、アクリル系モノマーと
開始剤を含む光重合性組成物を押出機に供給し、バレル
の外側から光重合性組成物に紫外線を照射し、アクリル
系モノマーを重合させながら、スクリューにより攪拌
し、かつ圧送することにより、連続的にアクリル系重合
体を製造することができる。押出機内では、バレルとス
クリューとの比較的薄い隙間を混合物が通過するため、
均質な重合体を連続的に合成することができる。
【0010】しかしながら、この方法は、スクリューに
よる圧送を採用しているため、押出機内での光重合性組
成物の僅かな逆流・滞留・不均一混合の発生は避けられ
ず、数時間以上の長時間の連続運転を行うと、ゲル状の
凝集物が発生し、ついには押出機が閉塞してしまう危険
性が大きい。また、スクリュー形状の改良によって、逆
流・滞留・不均一混合の発生を極限まで抑え、長時間の
運転が可能になったとしても、光重合性組成物の送液量
は、スクリューの回転数のみで制御しているため、送液
量を減らすと攪拌効率も同時に低くなってしまう。その
ため、反応速度の異なる複数の光重合性組成物を同じ反
応転化率で重合しようと試みた場合、反応速度の低い光
重合性組成物は、送液量を減らして押出機内での滞留時
間を長くする必要があるため、攪拌効率が低下して、不
均一な重合となり、その結果、分子量の制御が著しく困
難になったり、ゲル状の凝集物が発生しやすくなったり
する。一方、攪拌効率を同じにして重合しようとした場
合、反応速度の低い光重合性組成物では、押出機を長く
して滞留時間を伸ばす必要が生じるため、それぞれの光
重合性組成物の反応速度に応じて、異なるスクリュー長
さの押出機を用意しなければならない。攪拌効率を同じ
ように設定して、光の照射強度や光重合開始剤の添加量
により反応を制御しようとすると、当然、分子量が違っ
た重合体が生成し、所望の分子量を有する重合体が得ら
れないという問題が発生する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光重
合法により、均質で所望の分子量を有する重合体を連続
的かつ効率的に製造することができる光重合装置、及び
該光重合装置を用いた重合体の製造方法を提供すること
にある。本発明者らは、従来技術の前記の欠点を解決し
ようと鋭意研究した結果、光透過性の材質で構成された
バレルと加振部とを備えた振動混合装置が、光重合法に
よる連続的な重合体の製造方法に適した光重合装置とな
り得ることを見出した。そして、この振動混合装置に、
光重合性組成物を送液ポンプを用いて圧入し、バレルの
外側から光重合性組成物に光を照射して光重合を行いつ
つ、加振部で発生させた振動により混合しながらバレル
内を通過させることにより、長時間にわたって運転して
も、ゲル状物の発生による装置の閉塞を生じることな
く、しかも、反応速度の異なる光重合性組成物であって
も、反応転化率を所望の範囲に制御することができるた
め、一定品質の重合体を容易に得ることができる。本発
明の光重合装置、及び該光重合装置を用いた重合体の製
造方法によれば、効率よく所望の分子量を有する重合体
を安定的に製造することが可能である。本発明は、これ
らの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、光透過
性の材質で構成されたバレルと加振部とを備え、バレル
内に圧入した光重合性組成物を、加振部で発生させた振
動により混合しながらバレル内を通過させることが可能
な振動混合装置からなる光重合装置が提供される。ま
た、本発明によれば、光透過性の材質で構成されたバレ
ルと加振部とを備え、バレル内に圧入した光重合性組成
物を、加振部で発生させた振動により混合しながらバレ
ル内を通過させることが可能な振動混合装置に、光重合
性組成物を圧入し、バレルの外側から光重合性組成物に
光を照射して光重合を行いつつ、加振部で発生させた振
動により混合しながらバレル内を通過させる重合体の製
造方法が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明で光重合装置として使用す
る振動混合装置は、少なくとも、光透過性の材質で構成
されたバレルと加振部とを備え、該バレル中で振動によ
り内容物が混合・攪拌される構造をもった装置である。
光重合装置のバレルを構成する光透過性の材質として
は、通常、400nm以下の波長の光を透過するもので
あり、例えば、石英ガラス、パイレックスガラスなどの
ホウケイ酸ガラス;ソーダ石英ガラスなどのケイ酸塩ガ
ラス;等を挙げることができる。これらの材質から構成
されたバレルは、紫外線透過性である。バレルの形状
は、通常、円筒状であるが、所望により、四角形、五角
形、六角形、八角形などのその他の形状であってもよ
い。また、バレルの光を照射する部分のみを光透過性の
材質で形成してもよい。加振部としては、一般のバイブ
レーターを使用することができる。
【0014】振動混合装置としては、例えば、加振部で
発生させた振動により、バレル自体を振動させて、内容
物を混合するようにした構造のものが挙げられる。この
ような構造の場合、バレルの内壁に多数の突起物を設け
て、混合効率を高めることが好ましい。また、振動混合
装置としては、加振部に直結するシャフトに取り付けた
振動エレメントをバレル内で振動させる構造のものが挙
げられる。振動エレメントとしては、例えば、突起、螺
旋形のスクリュー、螺旋形のスクリュー状パドルなどを
挙げることができる。したがって、多数の突起を設けた
シャフト、螺旋形のスクリューを一体的に取り付けたシ
ャフト、螺旋形のスクリュー状パドルの貫通孔にシャフ
トを通して固定したものなどが好適に使用される。突起
や螺旋形のスクリュー、または螺旋形のスクリュー状パ
ドルなどの具体的な形状は、特に限定されず、フィン状
物やスクリューにスリットを切り込んだものなど任意で
ある。また、螺旋形のスクリューなどは、連続螺旋形で
あっても、不連続螺旋形であってもよい。振動混合装置
の加振部による振動の方向は、流体の流れ方向に対して
垂直方向であっても、水平方向であっても、両方向であ
ってもよい。
【0015】このような振動混合装置の中でも、円筒状
の透明なバレルの中に、螺旋形のスクリューまたは螺旋
形のスクリュー状パドルを取り付けたシャフトを内蔵さ
せ、該シャフトを加振部(バイブレーター)に直結した
構造のものが特に好ましい。加振部は、モーターにより
上下振動を発生させるものが好ましい。そして、加振部
の振動は、加振部に直結したシャフトに上下振動を与
え、振動エレメントをダイナミックに上下振動させて、
渦流を生じさせると共に、振動エレメントに接触する流
体を瞬時に混合することができる。このような振動混合
装置としては、市販の冷化工業株式会社製のバイブロミ
キサー(VIBRO MIXER)が適している。この
バイブロミキサーは、現在、ミキサー口径が15〜15
0mmφのものが市販されており、垂直に立てたバレル
内で、バイブレーターによりシャフトを軸方向に上下振
動させることにより、シャフトに取り付けたスクリュー
状パドルを振動させて、内部の流体を混合するように構
成されている。流体は、外部の送液ポンプにより、バレ
ルの下部の導入口からバレル内に圧送され、振動により
均一に混合されながら、バレル内壁とパドルとの隙間を
通過して、バレル上部の排出口から排出される。振動エ
レメントは、流体の混合を行う機能を有するだけであ
り、押出機のスクリューのように、流体を圧送する機能
は持っていない。流体の圧送は、もっぱら外部の送液ポ
ンプを利用して行う。従来、このような構造の振動混合
装置は、一般に2種以上の流体の混合に使用されてお
り、本発明のように、光重合に使用されたことはなかっ
た。ただし、本発明の光重合装置は、前記のバイブロミ
キサーに限定されるものではない。また、本発明の光重
合装置は、バレルの長さや内径なども限定されない。さ
らに、光重合装置として、バレルの外部やシャフト内部
に、水、オイルなどを通して、バレル内の温度調節がで
きるように構成したものを好ましく使用することができ
る。
【0016】振動エレメントの螺旋形のスクリューまた
は螺旋形のスクリュー状パドルの材質、ピッチ、長さ、
数は、特に限定されるものではなく、重合する組成によ
って適宜選択される。また、攪拌効率を上げたり、吐出
圧を低くしたりするために、スクリューにスリットを切
り込んだ構造としてもよい。スクリューまたはスクリュ
ー状パドルを取り付けたシャフトの軸方向での振動にお
いて、その振幅は、バレル内径の1/100から1/1
の範囲内が好ましく、1/20から1/2の範囲内がよ
り好ましい。振動数は、1Hz以上が好ましく、5Hz
以上がより好ましい。
【0017】図1に、本発明の光重合装置とそれを用い
た重合体の製造方法の一例を示す。光重合装置Aは、光
透過性の材質で構成されたバレル1、加振部3、加振部
に直結したシャフト4、シャフトに取り付けられた振動
エレメント2からなり、振動エレメント2を取り付けた
シャフト4は、バレル1内に内蔵されている。加振部3
は、上下振動が可能なバイブレーターからなり、モータ
ーにより駆動される。振動エレメント2は、螺旋形のス
クリュー状パドルからなり、シャフト2に取り付けられ
ている。バイブレーターによりシャフト2が上下振動す
ると、螺旋形のスクリュー状パドルのフィンが上限振動
して、内部の流体に渦流を生じさせると共に、接触する
流体を瞬時に混合する。
【0018】バレル1の外側には、紫外線照射装置5,
5が配置され、光透過性のバレル1を通して、紫外線を
バレル内部の流体に照射するように構成されている。混
合槽6内に光重合性組成物7を仕込み、攪拌して均一に
混合すると共に、窒素ボンベ8により、光重合性組成物
中の酸素を置換して除去する。混合槽6内の光重合性組
成物7は、送液ポンプ9により振動混合装置のバレル内
に圧送され、そこで紫外線を照射されて光重合されると
共に、同時に、スクリュー状パドル2の振動により均一
に混合されながらバレル内を通過して排出される。送液
ポンプとしては、光重合性組成物を定量的に送液できる
定量ポンプが好ましい。定量ポンプとしては、特に限定
されないが、定量性、低脈動性、送液力などの観点か
ら、ギヤポンプ、ダイヤフラムポンプなどが好ましい。
【0019】本発明で用いる光源としては、紫外線(U
V)または可視光線を発生する装置を用いるが、多くの
場合、紫外線を発生する装置を使用する。紫外線発生装
置としては、例えば、超高圧水銀灯、キセノンランプ、
水銀キセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドラン
プ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、ケミカルランプ、殺菌
灯、健康線用蛍光ランプ、ブラックランプ、エキシマレ
ーザーなどを挙げることができる。これらの一つあるい
は二つ以上の光源を組み合わせてもよい。紫外線の照射
強度は、光重合性組成物の種類、バレルの材質、振動混
合装置の運転条件等により適宜決定することができる
が、通常、0.1〜300mW/cm2、好ましくは1
〜200mW/cm2程度である。
【0020】本発明で使用する光重合性組成物は、通
常、ラジカル重合可能なビニル系モノマーの少なくとも
一種と光重合開始剤とを含有する液状の組成物、あるい
は、ラジカル重合可能なビニル系モノマーの少なくとも
一種と光重合開始剤と溶媒とを含有する液状の組成物あ
る。光重合性組成物は、必要に応じて、連鎖移動剤、二
重結合を2つ以上有する多官能モノマー、各種添加剤な
どを加えてもよい。添加剤としては、ロジン系樹脂、水
添ロジン系樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂などの粘着付
与樹脂;シリカ、タルク等の充填剤;フタル酸エステル
等の可塑剤;炭酸アンモニウム系化合物、アジド化合
物、アゾ化合物、ニトロ化合物などの発泡剤;ステアリ
ン酸亜鉛などの滑剤;ガラスビーズ、有機ビーズなどの
微小球;などを挙げることができる。例えば、光重合に
より得られる重合体または光重合性プレポリマーを感圧
粘着剤の用途に使用する場合には、粘着付与樹脂を添加
しておくことが好ましい。発泡体を製造する場合には、
発泡剤を添加しておくことが好ましい。また、光重合性
組成物に水と分散安定剤を添加したり、あるいは、光重
合性組成物に水と乳化剤を添加することにより、懸濁重
合またはエマルション重合への応用の可能性も考えられ
る。
【0021】ビニル系モノマーとしては、例えば、(メ
タ)アクリル酸エステル、ビニルエステル類、ビニルエ
ーテル類、スチレン類、(メタ)アクリル酸、(メタ)
アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−置換
マレイミドなどのラジカル重合可能なモノマーを挙げる
ことができ、目的にあったものが選択される。これらの
中でも、(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、具体
的には、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート、シクロヘキシルアクリレート、イソオクチル
アクリレート、イソノニルアクリレート、イソボルニル
アクリレートなどの炭素数が1〜12のアルキルアルコ
ールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステルを挙
げることができる。(メタ)アクリル酸エステルは、
(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシプロピルアクリレ
ート、アクリロニトリル、マレイン酸などの共重合可能
な各種モノマーと併用してもよい。ビニル系モノマーと
しては、特に、(メタ)アクリル酸エステル60〜10
0重量%とその他のビニル系モノマー0〜40重量%と
を含有するものが好ましい。
【0022】光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイ
ンアルキルエーテル類、アセトフェノン類、アシルホス
フィンオキサイド類、アシルホスホナート類、ベンゾフ
ェノン類、チオキサンソン類、α−アシロキシムエステ
ル類、フェニルグリオキシレート類、ベンジル類などが
挙げられ、これらの中でも、ベンゾインアルキルエーテ
ル類、アセトフェノン類、アシルホスフィンオキサイド
類などの開裂型開始剤は、重合が速く、黄変が少なく、
貯蔵安定性が良いなどの点で好ましい。光重合開始剤
は、ビニル系モノマー100重量部に対して、通常、
0.01〜10重量部の範囲で使用される。
【0023】連鎖移動剤を添加すると、反応速度をほと
んど変えることなく、分子量を調節したり、分子量分布
の狭い重合体を合成することができる。このような連鎖
移動剤としては、例えば、アルキルメルカプタン類やス
ルフィド類が代表的なものであるが、α−フェニルプロ
ピオン酸エステル類、α−フェニル酢酸エステル類、α
−フェニルプロピオニトリル類、アルキルアルミニウム
などの金属化合物なども使用することができる。
【0024】光重合性組成物の重合反応後の粘度が高く
なりすぎる場合や、固体状となってしまう場合、あるい
は、必要な分子量分布の重合体を必要量得たいような場
合には、完全に重合する前に、重合反応混合物を光重合
装置のバレル内を通過させてしまうように、送液ポンプ
の流量を調節するなどして、部分重合を行うことができ
る。部分重合により得られた反応混合物は、光重合性プ
レポリマーと未反応のビニル系モノマーを含有するの
で、その後の工程(例えば、感圧性粘着剤の製造工程)
で、必要ならば光重合開始剤等を添加し後、所望の形状
(例えば、シート上の塗布層)に形成し、光照射するこ
とにより完全に硬化させることができる。この部分重合
の反応転化率は、特に制限されるものではなく、粘度や
使用目的にあった反応転化率とすることができるが、粘
度が高すぎるとバレル内での閉塞が起こりやすくなるの
で、50%以下とすることがが好ましく、1〜30%が
より好ましい。
【0025】同様に、光重合性組成物の重合反応後の粘
度が高くなりすぎる場合や、固体状となってしまう場
合、あるいは、重合体溶液を得たい場合などには、溶媒
を使用することができる。この時の重合も、部分重合で
あってもよい。溶媒としては、例えば、トルエン、ベン
ゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;酢酸エチル、酢
酸ブチルなどのエステル類;石油エーテル、テトラヒド
ロフランなどのエーテル類;ケトン類など一般の有機溶
媒を使用することができる。溶媒の使用量は、特に制限
されるものではなく、粘度や使用目的にあった使用量と
することができる。
【0026】本発明の光重合性組成物は、ラジカル重合
により重合するため、酸素の除去を行うことが好まし
い。酸素を除去するには、常法に従って、例えば、光重
合性組成物に窒素などの不活性ガスを吹き込み、溶解し
ている酸素を追い出す方法や、超音波をかけながら減圧
することで脱気する方法などが挙げられる。本発明の製
造方法により得られた重合体または部分重合物を含有す
る反応混合物は、常法に従って、粘着シート(感圧性粘
着剤)、発泡体、その他の製品に使用することができ
る。
【0027】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明するが、本発明は、これらの実
施例のみに限定されるものではない。 <光重合装置>以下の実施例では、図1に示す光重合装
置を用いて光重合を行った。バレル1は、パイレックス
ガラス製である。バレル1内には、シャフト4に固定さ
れたスクリュー状パドル2が垂下されている。シャフト
4は、バイブレーター3に直結されており、モーターに
よってバイブレーター3の上下振動がシャフト4に伝わ
り、さらには、スクリュー状パドルの上下振動となる。
紫外線照射装置5,5には、ケミカルランプが装着され
ており、透明なバレル1を通して内部の光重合性組成物
に光(紫外線)を照射して光重合させるようになってい
る。混合槽6は、光重合性組成物7を攪拌しながら、窒
素ボンベ8から供給される窒素を吹き込むことができる
構造になっている。ギヤポンプ9により、低酸素濃度と
された光重合性組成物を定量的にバレル1内に送液す
る。
【0028】[実施例1] 2−エチルヘキシルアクリレート 85重量部 シクロヘキシルアクリレート 10重量部 アクリル酸 5重量部 ジエトキシアセトフェノン 0.3重量部 疎水化シリカ(アエロジルR972) 5重量部 上記の成分を混合槽に仕込み、攪拌しながら窒素を吹き
込んで十分に窒素置換した。このようにして調製した光
重合性組成物を、20℃の低温下で、内径35mm、長
さ260mm、内容積200mlのバレルを備えた前述
の振動混合装置に、ギヤポンプにより送り込んだ。バレ
ルの外部からケミカルランプをバレルの表面の照射強度
が10mW/cm2となるように照射し、バイブレータ
ーの振動数50Hzで重合を行った。この時、ギヤポン
プにより送り込む流量を変化させることで、平均分子量
がほとんど同じで、かつ、任意の転化率で部分重合する
ことができた。すなわち、流量が100ml/min以
下では粘度が高くなったが、(1)流量を150ml/
minとすると、粘度は20.6Pa・s、ポリマーへ
の転化率は13.6%、重量平均分子量は150万とな
り、(2)流量を200ml/minとすると、粘度は
8.6Pa・s、ポリマーへの転化率は9.9%、重量
平均分子量は160万となり、(3)流量を300ml
/minとすると、粘度は3.6Pa・s、ポリマーへ
の転化率は4.3%、重量平均分子量は160万とな
り、(4)流量を400ml/minとすると、粘度は
1.4Pa・s、ポリマーへの転化率は2.4%、重量
平均分子量は170万となった。これらの部分重合を、
それぞれ一定の流量で連続5時間行ったが、その間に、
粘度、転化率、重量平均分子量などの変化はなく、ゲル
状物の発生のない均質な直鎖状のポリマーが得られた。
ポリマーへの転化率が2.4%の部分重合物を含む反応
混合物を利用して粘着シートを作成した。具体的には、
反応混合物100重量部に対し、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート0.05重量部とジエトキシアセト
フェノン0.2重量部を添加し、これを厚さ38μmの
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に厚
さ30μmとなるように塗布し、この上に厚さ60μm
の二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)
をラミネートし、次いで、OPPフィルム側を上にして
3kW高圧水銀灯の下を5m/minで通過させ、完全
に重合させた。このようにして得られた粘着シートの粘
着力は、5.0N/cm(対#280研磨SUS、18
oピール、引き剥がし速度300mm/min)であ
り、保持力(対ガラス、貼付け面積25×25mm2
荷重1kg、80℃雰囲気下)は、7日以上落下しなか
った。
【0029】[実施例2] 2−エチルヘキシルアクリレート 85重量部 シクロヘキシルアクリレート 10重量部 アクリル酸 5重量部 ジエトキシアセトフェノン 0.3重量部 疎水化シリカ(アエロジルR972) 5重量部 ラウリルメルカプタン 0.005重量部 上記の成分を混合槽に入れ、攪拌しながら窒素を吹き込
んで十分に窒素置換した。このようにして調製した光重
合性組成物を20℃の低温下で、実施例1と同様にして
重合を行った。この時、ギヤポンプにより送り込む流量
を変化させることで、平均分子量がほとんど同じで、か
つ、任意のポリマー転化率で部分重合をすることができ
た。すなわち、流量が30ml/min以下では粘度が
高くなったが、(1)流量を50ml/minとする
と、粘度は20.5Pa・s、ポリマーへの転化率は3
2.5%、重量平均分子量は75万となり、(2)流量
を100ml/minとすると、粘度は8.4Pa・
s、ポリマーへの転化率は21.2%、重量平均分子量
は80万となり、(3)流量を150ml/minとす
ると、粘度は3.2Pa・s、ポリマーへの転化率は1
3.5%、重量平均分子量は80万となり、(4)流量
を200ml/minとすると、粘度は1.2Pa・
s、ポリマーへの転化率は9.8%、重量平均分子量は
85万となった。これらの部分重合を、それぞれ一定流
量で連続5時間行ったが、その間に、粘度、転化率、重
量平均分子量などの変化はなく、ゲル状物の発生のない
均質な直鎖状のポリマーが得られた。ポリマーへの転化
率が9.8%の部分重合物を含有する反応混合物を利用
して粘着シートを作成した。具体的には、反応混合物1
00重量部に対し、ヘキサンジオールアクリレート0.
2重量部とジエトキシアセトフェノン0.2重量部を添
加し、これを厚さ38μmのPETフィルム上に厚さ3
0μmとなるように塗布し、この上に60μmのOPP
フィルムをラミネートし、次いで、OPPフィルム側を
上にして3kW高圧水銀灯の下を5m/minで通過さ
せて、完全に重合した。このようにして得られた粘着シ
ートの粘着力は、12.3N/cm(対#280研磨S
US、180oピール、引き剥がし速度300mm/m
in)であり、保持力(対ガラス、貼付け面積25×2
5mm2、荷重1kg、室温下)は、7日以上落下しな
かった。
【0030】 [実施例3] イソノニルアクリレート 82重量部 2−ヒドロキシプロピルアクリレート 5重量部 N−ビニルピロリドン 5重量部 アクリル酸 5重量部 フェノキシヒドロキシプロピルアクリレート 3重量部 ベンゾイネチルエーテル 0.5重量部 ラウリルメルカプタン 0.01重量部 酢酸エチル 200重量部 水添ロジン系樹脂KE310(荒川化学製) 5重量部 上記の成分を混合槽に入れ、攪拌しながら窒素を吹き込
んで十分に窒素置換した。このようにして調製した光重
合性組成物を20℃の低温下で、実施例1と同様の振動
混合装置のバレル内に、ギヤポンプにより流量10ml
/minで送り込んだ。バレルの外部からケミカルラン
プをバレル表面の照射強度が20mW/cm2となるよ
うに照射し、振動させながら重合を行った。排出口から
出てきた粘稠な液体の粘度は1.8Pa・sで、ポリマ
ーへの転化率は98.5%、重量平均分子量は55万で
あった。この光重合を5時間連続で行ったが、その間
に、粘度、ポリマーへの転化率、重量平均分子量などの
変化はなく、ゲル状物の発生のない均質な直鎖状のポリ
マーが得られた。このポリマー溶液を利用して粘着シー
トを作成した。具体的に、ポリマー溶液100重量部に
対し、コロネートL(イソシアネート系架橋剤、日本ポ
リウレタン株式会社製)を0.3重量部添加し、これを
厚さ38μmのPETフィルム上に塗布し、100℃で
3分間加熱乾燥した。このようにして得られた粘着シー
トの粘着力は、8.1N/cm(対#280研磨SU
S、180oピール、引き剥がし速度300mm/mi
n)であり、保持力(対ガラス、貼付け面積25×25
mm2、荷重1kg、50℃下)は、7日以上落下しな
かった。
【0031】 [実施例4] 2−エチルヘキシルアクリレート 55重量部 イソボニルアクリレート 42重量部 アクリル酸 3重量部 ジエトキシアセトフェノン 0.1重量部 アゾ系発泡剤ユニホームAZ−M(大塚化学製) 1重量部 上記の成分を混合槽に入れ、攪拌しながら窒素を吹き込
んで十分に窒素置換した。このようにして調製した光重
合性組成物を20℃の低温下で、実施例1と同様の振動
混合装置のバレル内に、ギヤポンプにより流量150m
l/minで送り込んだ。バレル外部からケミカルラン
プをバレル表面の照射強度が15mW/cm2となるよ
うに照射し、振動させながら光重合を行った。排出口か
ら出てきた粘稠な液体は、部分重合物であり、その粘度
は8.0Pa・s、ポリマーへの転化率は13.2%、
重量平均分子量は120万であった。この部分重合を5
時間連続で行ったが、その間に、粘度、ポリマーへの転
化率、重量平均分子量などの変化はなく、ゲル状物の発
生のない均質な直鎖状のポリマーが得られた。この部分
重合物を含む反応混合物を用いて発泡シートを作成し
た。具体的に、反応混合物100重量部に対し、ジメチ
ロールトリシクロデカンジアクリレート0.3重量部と
2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モ
ルホリノ−プロパン−1−オン(イルガキュア907、
チバガイギー製)0.2重量部を添加し、これを剥離処
理した厚さ75μmのPETフィルムに厚さ500μm
となるようにはさみ、20Wケミカルランプ間隔100
mmで10灯並列した下を距離20mmで1分間通過さ
せ、約80%重合させたところで、180℃のオーブン
に1分間通して発泡させ、その後、3kW高圧水銀灯を
5m/minで通過させ、完全に重合した。このように
して均質な発泡シートが得られた。このような発泡シー
トは、両面テープ基材、断熱材、緩衝材、遮音材などに
応用することができる。
【0032】 [実施例5] n−ブチルアクリレート 60重量部 イソボニルアクリレート 37重量部 アクリル酸 3重量部 イルガキュア907 0.1重量部 PMMAポリマービーズMBX(積水化成工業製) 10重量部 上記の成分を混合槽に入れ、攪拌しながら窒素を吹き込
んで十分に窒素置換した。このようにして調製した光重
合性組成物を20℃の低温下で、実施例1と同様の振動
混合装置に、ギヤポンプにより流量100ml/min
で送り込んだ。バレル外部からケミカルランプをバレル
の表面の照射強度が20mW/cm2となるように照射
し、振動させながら光重合を行った。排出口から出てき
た粘稠な液体は、部分重合物であり、その粘度は9.5
Pa・s、ポリマーへの転化率は15.5%、重量平均
分子量は110万であった。この部分重合を5時間連続
で行ったが、その間に、粘度、ポリマーへの転化率、重
量平均分子量などの変化はなく、ゲル状物の発生のない
均質な直鎖状のポリマーが得られた。この部分重合物を
含有する反応混合物を利用してポリマービーズを含むシ
ートの作成を行った。具体的に、反応混合物100重量
部に対し、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレー
トを0.3重量部とイルカギュア907を0.2重量部
添加し、これを剥離処理した厚さ75μmのPETフィ
ルムに厚さ500μmとなるようにはさみ、20Wケミ
カルランプ間隔100mmで10灯並列した下を距離2
0mmで1分間通過させた後、3kW高圧水銀灯を5m
/minで通過させ、完全に重合した。このようにして
ポリマービーズを含む柔軟なシートが得られた。このよ
うなシートは、両面テープ基材、特に耐熱性の高いテー
プ基材などに応用することができる。
【0033】[比較例1] 2−エチルヘキシルアクリレート 85重量部 シクロヘキシルアクリレート 10重量部 アクリル酸 5重量部 アゾイソブチロニトリル 0.05重量部 上記の配合組成物1000gに対し、溶媒として酢酸エ
チル1000gを3Lのフラスコに加え、窒素を吹き込
み十分に酸素を除去した後、60℃に加熱して重合を開
始した。5回の重合を行ったが、いずれも95%以上反
応するのに9時間を要し、得られたポリマーの重量平均
分子量は、40万から60万とばらつきが認められた。
【0034】[比較例2]実施例1と同様の配合組成物
を、窒素置換後、バレルがパイレックスガラス製の二軸
押出機を用いて、外部からケミカルランプを用いてバレ
ル表面の照射強度が10mW/cm2となるように照射
し、スクリュー回転数を変えることで、バレル内部の通
過時間を変えて、種々のポリマー転化率を持った部分重
合物を得ようとした。パドル内部通過時間を30秒間
(実施例1の流量300ml/minと同等)となるよ
うにスクリュー回転数を設定すると、はじめの数10分
間は、実施例1の結果とほぼ同等の結果が得られ、粘度
は3.5Pa・s、ポリマーへの転化率は4.0%、重
量平均分子量は160万であったが、連続運転で1時間
を経過すると、ゲル状のツブが発生し始めた。さらに、
バレル内部通過時間を60秒間(実施例1の流量200
ml/minと同等)となるようにスクリュー回転数を
設定すると、始めからゲル状のツブが発生し、均一なポ
リマーを合成することができなかった。スクリュー回転
数が遅くなったために、十分な攪拌効率が得られなかっ
たためと考えられる。そこで、バレル内部通過時間を一
定で、すなわちスクリュー回転数を一定にして、異なる
ポリマー転化率の部分重合物を得るために、光の照射強
度を変化させて反応の制御を試みた。パドル内部通過時
間を30秒間(実施例1の流量400ml/minと同
等)となるようにスクリュー回転数を設定し、バレル表
面の照射強度が20mW/cm2となるように照射し
た。その結果、得られた部分重合物の粘度は0.2Pa
・s、ポリマーへの転化率は3.0%、重量平均分子量
は100万であった。このように、照射強度を上昇させ
ると、ポリマー転化率は上昇し、長時間の連続運転もで
きるようになるが、平均分子量が低くなり、粘度が低下
してしまい、目的とする分子量のポリマーは得られなか
った。また、ケミカルランプによる照射強度の向上には
限界があり、他の光源、例えば、高圧水銀灯などを用い
ると、さらに低分子量化してしまう。
【0035】
【発明の効果】本発明の光重合装置を用いると、常温で
極めて短時間に、均質な、目的とする分子量を持った直
鎖状の重合体を連続的に合成することができる。従来技
術の透明なバレルを備えた押出機を用いて光重合を行う
と、長時間の連続運転でゲル状物が発生したり、均質で
所望の分子量を有する重合体を得ることが困難であるの
に対して、本発明の光重合装置を用いた製造方法によれ
ば、安定して長時間連続運転することが可能であり、し
かも均質で所望の分子量を有する重合体を効率的に製造
することができる。本発明の製造方法により得られた重
合体(部分重合物を含む)は、例えば、感圧性粘着剤、
粘着シート、発泡シート、ポリマービーズを含む柔軟な
シートなどに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の光重合装置を用いた一実施態
様の説明図である。
【符号の説明】
A:振動混合装置 1:光透過性のバレル 2:スクリュー状パドル 3:加振部(バイブレーター) 4:シャフト 5:紫外線照射装置 6:混合槽 7:光重合性組成物 8:窒素ボンベ 9:ギヤポンプ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過性の材質で構成されたバレルと加
    振部とを備え、バレル内に圧入した光重合性組成物を、
    加振部で発生させた振動により混合しながらバレル内を
    通過させることが可能な振動混合装置からなる光重合装
    置。
  2. 【請求項2】 振動混合装置が、加振部で発生させた振
    動により、バレル自体を振動させるか、あるいは加振部
    に直結するシャフトに取り付けた振動エレメントをバレ
    ル内で振動させることにより、バレル内に圧入した光重
    合性組成物を混合するものである請求項1記載の光重合
    装置。
  3. 【請求項3】 加振部に直結するシャフトに取り付けた
    振動エレメントが、螺旋形のスクリューまたは螺旋形の
    スクリュー状パドルである請求項2記載の光重合装置。
  4. 【請求項4】 光透過性の材質で構成されたバレルと加
    振部とを備え、バレル内に圧入した光重合性組成物を、
    加振部で発生させた振動により混合しながらバレル内を
    通過させることが可能な振動混合装置に、光重合性組成
    物を圧入し、バレルの外側から光重合性組成物に光を照
    射して光重合を行いつつ、加振部で発生させた振動によ
    り混合しながらバレル内を通過させる重合体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 光重合性組成物が、ビニル系モノマーと
    光重合開始剤とを含有する混合物である請求項4記載の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 光重合性組成物が、ビニル系モノマー、
    光重合開始剤、及び溶媒を含有する混合物である請求項
    4記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 光重合により部分重合を行う請求項4記
    載の製造方法。
JP17809698A 1998-06-09 1998-06-09 光重合装置及びそれを用いた重合体の製造方法 Pending JPH11349605A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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