JPH11349585A - 2−オキソ−1,3−ジオキサ−2−チオラン誘導体の製造方法 - Google Patents

2−オキソ−1,3−ジオキサ−2−チオラン誘導体の製造方法

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JPH11349585A
JPH11349585A JP16028998A JP16028998A JPH11349585A JP H11349585 A JPH11349585 A JP H11349585A JP 16028998 A JP16028998 A JP 16028998A JP 16028998 A JP16028998 A JP 16028998A JP H11349585 A JPH11349585 A JP H11349585A
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oxo
dioxa
butanetetraol
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Yuuki Takuma
勇樹 詫摩
Ken Okamoto
謙 岡本
Yuji Mizuho
右二 瑞穂
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2−オキソ−1,3−ジオキサ−2−チオラ
ン誘導体の工業的に有用な製造ルートを提供する。 【解決手段】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基を示
す。)で表される2-オキソ-1,3−ジオキサ-2−チオラン
誘導体を製造するに際し、下記式(2) 【化2】 で表される1,2,3,4-ブタンテトラオールを出発原料と
し、溶媒中、塩基の存在下でスルホニル化剤と反応させ
て1級水酸基のみがスルホニル化された下記一般式
(3) 【化3】 で表される1,4-ジ−O−有機スルホニル-1,2,3,4−ブタ
ンテトラオールを製造し、引き続いて、チオニル化剤を
反応せしめてチオラン骨格を形成させることを特徴とす
る2-オキソ-1,3−ジオキサ-2−チオラン誘導体の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2-オキソ-1,3−ジ
オキサ-2−チオラン誘導体の製造に関するものである。
この化合物は、医薬、農薬などの合成原料として有用で
ある。例えば、式(5)
【0002】
【化5】
【0003】で表される(4R,5R)-4,5-ビス(メタンスル
ホニルオキシメチル)-2-オキソ-1,3−ジオキサ-2−チオ
ランは、「J.Org.Chem.,62巻、8546
頁、1997年」、「US5705647」に記載され
ている式(6)
【0004】
【化6】
【0005】で表されるエイズ薬の合成中間体として有
用である。
【0006】
【従来の技術】2-オキソ-1,3−ジオキサ-2−チオランを
製造する方法としては、上記US5705647号明細
書には、下記式で示される製造ルートが記載されてい
る。
【0007】
【化7】
【0008】しかしながら、US5705647に記載
の製造ルートは、工程が長いことからコストが高く実用
的なものではない。また、2-オキソ-1,3−ジオキサ-2−
チオランを製造する方法としては、例えば、式(7)
【0009】
【化8】
【0010】で表される例が「J.Chem.Soc.
Perkin Trans.I,2017頁、1994
年」に記載されており、この方法を、例えば本願化合物
である2-オキソ-1,3−ジオキサ-2−チオランの製造に適
用しようとすると、下記式(8)
【0011】
【化9】
【0012】で表される化合物が、原料として必要にな
るが、この化合物の製造方法としては、例えば「J.M
ed.Chem.,7巻,14頁,1964年」、「T
etrahedron Lett.,32巻、7号、8
83頁、1991年」に以下のような記載例があるもの
の、
【0013】
【化10】
【0014】収率は悪い上、原料および助剤も汎用でな
くて入手し難いものが多いため、工業的には実用性が低
い。従って、2-オキソ-1,3−ジオキサ-2−チオラン誘導
体を、安価な原料を用い、簡便かつ高収率で工業的に製
造できる方法を見出すことが望まれていた。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記これ
らの問題を解決するため鋭意検討した結果、入手容易な
1,2,3,4-ブタンテトラオールを出発原料とし、1級水酸
基の選択的スルホニル化を行った後、1,4-ジ−O−スル
ホニル-1,2,3,4−ブタンテトラオールを取り出すことな
く、連続してチオニル化剤と反応させることが可能で、
簡便かつ高収率で該化合物を製造する方法を見い出し、
本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明の要旨
は、下記一般式(1)
【0016】
【化11】
【0017】(式中、Rは置換基を有していてもよい炭
化水素基を示す。)で表される2-オキソ-1,3−ジオキサ
-2−チオラン誘導体を製造するに際し、下記式(2)
【0018】
【化12】
【0019】で表される1,2,3,4-ブタンテトラオールを
出発原料とし、溶媒中、塩基の存在下でスルホニル化剤
と反応させて1級水酸基のみがスルホニル化された下記
一般式(3)
【0020】
【化13】
【0021】で表される1,4-ジ−O−有機スルホニル-
1,2,3,4-ブタンテトラオールを製造し、引き続いて、チ
オニル化剤を反応せしめてチオラン骨格を形成させるこ
とを特徴とする2-オキソ-1,3−ジオキサ-2−チオラン誘
導体の製造方法に存する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法は、1,2,3,4-ブタンテトラオールとス
ルホニル化剤を溶媒および塩基の存在下反応させ、引き
続きチオニル化剤と反応させることにより目的化合物を
得る方法である。
【0023】(原料)本発明に使用される1,2,3,4-ブタ
ンテトラオールは、化合物名としては、スレイトール、
エリスリトールである。これらは、特に立体構造を制限
するものではなく、それぞれ単体でも、両者の混合物で
もかまわない。また、スレイトールについては、D体あ
るいはL体の光学活性体を単体もしくは任意の比で混合
して使用してもよい。
【0024】(塩基種)本発明に用いられる塩基として
は、式(10)
【0025】
【化14】
【0026】あるいは式(11)
【0027】
【化15】
【0028】で表される3級または2級アミンが好まし
い。これらのアミン中の置換基R1 〜R5 としては、メ
チル基、エチル基、直鎖、分枝あるいは環状のプロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の脂肪族炭化
水素基;または置換基を有していてもよいフェニル基、
ナフチル基等の芳香族炭化水素基であり、これらは炭素
同士の結合により、または窒素原子あるいは酸素原子等
を介して結合することにより、R1 からR3 のうちの少
なくとも2つあるいはR4 とR5 が結合していてもよ
い。
【0029】具体例としては、3級アミンとして、N,N-
ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジシクロヘキシルエ
チルアミン、トリエチルアミン、トリ-n−プロピルアミ
ン、ジメチルフェニルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2,
2,2] オクタン(DABCO)、1,8-ジアザビシクロ[5,
4,0]-7-ウンデセン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4,
3,0]-5-ノネン(DBN)、2級アミンとして、ジ-tert
-ブチルアミン、ジエチルアミン、2,2,6,6-テトラメチ
ルピペリジン等が挙げられ、好ましくは、N,N-ジイソプ
ロピルエチルアミン、N,N-ジシクロヘキシルアミンであ
る。また、これらの塩基は、単独で使用しても2種以上
を併用してもかまわない。
【0030】(塩基量)塩基の使用量は、通常スルホニ
ル化剤に対して0.5〜3モル倍量、好ましくは0.5
〜1.5モル倍量、さらに好ましくは0.8〜1.2モ
ル倍量の範囲である。
【0031】(溶媒種)本発明に使用される溶媒は、原
料である1,2,3,4-ブタンテトラオールを溶解するもの
で、スルホニル化反応に不活性なものであればよい。通
常、分子中にアミド基、イミド基、スルホキシド基およ
びシアノ基等を有する非プロトン性の極性溶媒が用いら
れる。具体的には、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチ
ル-2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、1,3-ジメチ
ル-2−イミダゾリジノンおよびアセトニトリル等が挙げ
られる。尚、工業的には、N,N-ジメチルホルムアミド、
N-メチル-2−ピロリドンが安全性および価格の面で好ま
しい。
【0032】(溶媒量)使用される溶媒の量は、原料で
ある1,2,3,4-ブタンテトラオールの少なくとも一部分が
溶解し、かつ攪拌可能な量があればよく、原料を完全に
溶解させる必要はない。通常は、1,2,3,4-ブタンテトラ
オールに対して2〜50重量倍用いられ、好ましくは
2.5〜15重量倍量である。
【0033】(スルホニル化剤の種類)本発明に使用さ
れるスルホニル化剤は、式(12)
【0034】
【化16】
【0035】(Rは置換基を有していても良い炭化水素
基を、Xはハロゲン原子を示す。)で表されるスルホン
酸ハロゲン化物、あるいはスルホン酸無水物である。R
としては、F,Cl,Br,I等のハロゲン原子、シア
ノ基及びフェニル基,ナフチル基等の芳香族炭化水素基
から選ばれる置換基で置換されていてもよいアルキル基
またはアルケニル基;あるいはF,Cl,Br,I等の
ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基,ナフチル基等の
芳香族炭化水素基、メチル基,エチル基,プロピル基等
のアルキル基及びエチレン基,プロピレン基等のアルケ
ニル基から選ばれる置換基で置換されていてもよい芳香
族炭化水素基であり、好ましくは両者とも無置換であ
る。アルキル基またはアルケニル基の炭素数としては1
乃至3、芳香族炭化水素の炭素数としては6乃至8が好
ましく、特には、メチル基、エチル基、p-トリル基等が
好ましい。また、XはF、Cl、Br、Iのハロゲン原
子を示し、好ましくは塩化物である。通常は、安価で入
手容易なメタンスルホニルクロリドが使用される。
【0036】(スルホニル化剤の量)スルホニル化剤の
使用量は、スルホニル化剤の種類、溶媒および塩基の種
類の組み合わせで最適値が異なるが、通常、1,2,3,4-ブ
タンテトラオールに対して1.5〜3モル倍量、好まし
くは2.0〜2.5モル倍量の範囲である。尚、スルホ
ニル化剤の量は、1,2,3,4-ブタンテトラオールの1級水
酸基に対して0.75〜1.5モル倍量、好ましくは
1.0〜1.25モル倍量に減らして用いることも可能
である。
【0037】(チオニル化剤)スルホニル化反応の終了
後に添加するチオニル化剤としては、フッ化チオニル、
塩化チオニル、臭化チオニル等のハロゲン化チオニル好
ましく、特に好ましくは塩化チオニルである。
【0038】(チオニル化剤の量)チオニル化剤の使用
量は、原料である1,2,3,4-ブタンテトラオールに対して
通常1.0〜5.0モル倍量の範囲で行われ、好ましく
は1.2〜2.5モル倍量である。
【0039】(反応条件)本発明による反応は、スルホ
ニル化および環化の2反応あり、各々の反応において実
施条件が異なる。スルホニル化反応においては、反応温
度は通常−70℃〜100℃の範囲で行われ、好ましく
は−30〜30℃である。反応時間は、使用するスルホ
ニル化剤と塩基の種類、反応温度により異なるが、通
常、30分から5時間の範囲で反応は完結する。一方、
環化反応の反応温度は、通常−70℃〜100℃の範囲
で行われ、好ましくは0〜50℃である。反応時間は、
使用するチオニル化剤の種類、量および反応温度によっ
て異なるが、通常、3〜7時間で反応は完結する。
【0040】(圧力)圧力は通常常圧で行われるが、必
要であれば加圧下または減圧下で実施しても何ら問題は
ない。
【0041】(反応方式)本発明における原料の添加方
式としては、1)1,2,3,4-ブタンテトラオール、溶媒お
よび塩基をあらかじめ混合して所定の反応温度まで冷却
あるいは加熱した後、内温を制御しながらスルホニル化
剤を混合液中に滴下しても良いし、 2)溶媒および塩基を混合し、反応温度に設定し、これ
に1,2,3,4-ブタンテトラオールを溶媒に溶解あるいは懸
濁させた液、および、スルホニル化剤を同時に滴下して
も良い。1)の場合には、添加時間は少なくとも10分
以上、好ましくは30分から5時間かけてゆっくり添加
し、2)の場合には、反応系中は常に1,2,3,4-ブタンテ
トラオールが小過剰存在する状態を維持し、各成分を3
0分以上かけて滴下する。
【0042】尚、滴下後、反応液を所定温度にて維持
し、スルホニル化反応の終了を確認したあと、反応液中
にチオニル化剤を添加し、所定温度で反応を行う。本反
応においては、スルホニル化反応を行った後に生成物を
単離精製し、次のチオニル化反応を行っても良いが、ス
ルホニル化反応終了後の液中にそのままチオニル化剤を
添加することもでき、工業的に非常に有用である。反応
終了後の生成物の単離精製法としては、特に限定されな
いが、晶析法が工業的にも簡便であり好ましい。
【0043】(晶析水)2-オキソ-1,3−ジオキサ-2−チ
オラン誘導体を結晶化させるには、反応液に水を添加す
るだけよい。使用する水の使用量としては、特に制限す
るものではないが、目的物の溶解ロスを鑑みて適切な量
に設定するとよい。具体的には、原料である1,2,3,4-ブ
タンテトラオールに対して10〜100重量倍量の範囲
で使用し、好ましくは20〜60重量倍量である。ま
た、晶析水は滴下による添加が好ましい。
【0044】(晶析水の滴下)本法において、晶析水の
滴下時間が30分未満と短い場合においては、2-オキソ
-1,3−ジオキサ-2−チオラン誘導体の結晶化がうまくい
かず、オイル状物質が分離する場合がある。このため、
晶析水は30分以上、好ましくは2時間以上かけて滴下
するとよい。
【0045】(極性有機溶媒)本発明において、あらか
じめ極性有機溶媒を反応液に添加した後に水添加による
晶析操作を行う方法では、オイル状物質の分離を抑制
し、結晶性状がよくて純度もより高い結晶を得ることが
できる。ここで使用される極性有機溶媒としては、水に
混和するものであればよい。具体例としては、テトラヒ
ドロフラン、2-プロパノール、アセトニトリル、アセト
ン等があげられ、好ましくはテトラヒドロフラン、2-プ
ロパノールである。これらは、2種以上を任意の比率で
混合して用いても何ら問題はない。また、通常これらの
極性有機溶媒は、晶析水の添加の直前に反応液中に入れ
るが、反応に影響がない場合には、反応の前、あるいは
途中で添加してもよい。
【0046】(極性有機溶媒量)極性有機溶媒の使用量
としては、特に制限するものではないが、目的物の溶解
ロスを鑑みて適切な量に設定するとよい。具体的には、
原料である1,2,3,4-ブタンテトラオールに対して0.1
〜50重量倍量の範囲で使用し、好ましくは2.0〜2
0重量倍量である。
【0047】(晶析温度)晶析温度は、通常40℃以下
で行われ、好ましくは−10〜5℃である。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。 (実施例1)D-スレイトール 7.50g、N,N-ジメチ
ルホルムアミド 40.0ml、およびN,N-ジイソプロ
ピルエチルアミン 19.61gを500mlセパラブ
ルフラスコに仕込んだ。液温が5℃以下になるまで冷却
した後、内温を0〜5℃に維持しながらメタンスルホニ
ルクロリド 17.61gを1時間かけて滴下した。5
℃にて1時間撹拌した後、反応液をHPLCにて分析したと
ころ、1,4-ジ−O−メタンスルホニル-D−スレイトール
の反応収率は83.8%であった。
【0049】続いて、20℃以下に液温を制御しつつ、
反応液中に塩化チオニル 10.89gを滴下した。2
0〜25℃で4時間撹拌した後、反応液を5℃以下に冷
却し、内温を2℃以下に維持しながらテトラヒドロフラ
ン 92mlを添加した。さらに、水 274mlを反
応液の温度を5℃以下に維持しながら2時間30分かけ
て滴下し、該2-オキソ-1,3−ジオキサ-2−チオランを結
晶化させた。5℃で30分熟成させた後、結晶を濾過
し、水 20mlおよび2-プロパノール 18.3ml
で洗浄、乾燥し、(4R,5R)-4,5-ビス(メタンスルホニル
オキシメチル)-2-オキソ-1,3−ジオキサ-2−チオラン
15.49g(純度 93.4%、収率 82.7%)
を得た。
【0050】(実施例2)D-スレイトール 7.50
g、N,N-ジメチルホルムアミド 40.0ml、および
N,N-ジイソプロピルエチルアミン 19.85gを50
0mlセパラブルフラスコに仕込んだ。液温が5℃以下
になるまで冷却した後、内温を0〜5℃に維持しながら
メタンスルホニルクロリド 17.59gを1時間かけ
て滴下した。5℃にて1時間撹拌した後、20℃以下に
液温を制御しつつ、反応液中に塩化チオニル 10.9
6gを滴下した。20〜25℃で4時間撹拌した後、反
応液をHPLCにて分析したところ、2-オキソ-1,3−ジオキ
サ-2−チオランの収率(D-スレイトールに対して)は8
2.3%であった。反応液を5℃以下に冷却後、内温を
5℃以下に維持しながら2-プロパノール91.3mlを
添加した。さらに、水 273.9mlを温度を5℃以
下に維持しながら2時間かけて滴下して該2-オキソ-1,3
-ジオキサ-2-チオランを結晶化させた。この際、結晶成
長を促すため、水 40mlを添加し終えた時に種晶
0.05gを添加した。結晶を濾過した後、結晶を水
20mlおよび2-プロパノール 18.3mlで洗浄、
乾燥し、(4R,5R)-4,5-ビス(メタンスルホニルオキシメ
チル)-2-オキソ−1,3-ジオキサ-2−チオラン 19.8
5g(純度 86.1%、収率 85.8%)で得た。
【0051】(実施例3)D-スレイトール 7.50
g、N,N-ジメチルホルムアミド 40.0ml、および
N-,Nジイソプロピルエチルアミン 19.85gを50
0mlセパラブルフラスコに仕込んだ。液温が5℃以下
になるまで冷却した後、内温を0〜5℃に維持しながら
メタンスルホニルクロリド 17.59gを1時間かけ
て滴下した。5℃にて1時間撹拌した後、続いて、20
℃以下に液温を制御しつつ、反応液中に塩化チオニル
14.61gを滴下した。20〜25℃で4時間撹拌し
た後、反応液を5℃以下に冷却し、内温を5℃以下に維
持しながら2-プロパノール 68.7mlを添加した。
さらに、水 205.5mlを温度を5℃以下に維持し
ながら2時間かけて滴下して該2-オキソ-1,3−ジオキサ
-2−チオランを結晶化させた。この際、結晶成長を促す
ため、水 40mlを添加し終えた時に種晶 0.05
gを添加した。結晶を濾過、水で洗浄した後、乾燥し、
(4R,5R)-4,5-ビス(メタンスルホニルオキシメチル)-2-
オキソ-1,3−ジオキサ-2−チオラン 18.35g(収
率 81.8%、純度 88.8%)を得た。
【0052】
【発明の効果】本発明により、医薬、農薬中間体として
有用な、2-オキソ-1,3−ジオキサ-2−チオラン誘導体を
簡便かつ高収率で製造することが可能となった。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基を示
    す。)で表される2-オキソ-1,3−ジオキサ-2−チオラン
    誘導体を製造するに際し、下記式(2) 【化2】 で表される1,2,3,4-ブタンテトラオールを出発原料と
    し、溶媒中、塩基の存在下でスルホニル化剤と反応させ
    て1級水酸基のみがスルホニル化された下記一般式
    (3) 【化3】 で表される1,4-ジ−O−有機スルホニル-1,2,3,4−ブタ
    ンテトラオールを製造し、引き続いて、チオニル化剤を
    反応せしめてチオラン骨格を形成させることを特徴とす
    る2-オキソ-1,3−ジオキサ-2−チオラン誘導体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 原料の1,2,3,4-ブタンテトラオールがD-
    スレイトールであり、製造される2-オキソ-1,3−ジオキ
    サ-2−チオラン誘導体が、式(4) 【化4】 (Rは一般式(1)と同義である)で表される立体構造
    を有する(4R,5R)-4,5-ビス(メタンスルホニルオキシメ
    チル)-2-オキソ-1,3−ジオキサ-2−チオランであること
    を特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 置換基Rがメチル基であることを特徴と
    する請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 2-オキソ-1,3−ジオキサ-2−チオラン誘
    導体を結晶化させる際、極性有機溶媒を追添加させた状
    態から水を添加することによって晶析操作を行うことを
    特徴とする請求項1乃至3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 極性有機溶媒が、テトラヒドロフラン、
    2-プロパノール、アセトニトリル、アセトンからなる群
    から選ばれたものであることを特徴とする請求項4に記
    載の製造方法。
  6. 【請求項6】 1,4-ジ−O−有機スルホニル-1,2,3,4−
    ブタンテトラオールを製造した後、生成物を単離・精製
    することなく引き続いて、チオニル化剤を反応せしめて
    チオラン骨格を形成させることを特徴とする請求項1乃
    至5に記載の製造方法。
JP16028998A 1998-06-09 1998-06-09 2−オキソ−1,3−ジオキサ−2−チオラン誘導体の製造方法 Pending JPH11349585A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100832128B1 (ko) 2007-04-20 2008-05-27 경희대학교 산학협력단 알킬렌트리티오카보네이트의 제조방법

Cited By (1)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100832128B1 (ko) 2007-04-20 2008-05-27 경희대학교 산학협력단 알킬렌트리티오카보네이트의 제조방법

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