JPH11349478A - 抗癌剤 - Google Patents

抗癌剤

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Publication number
JPH11349478A
JPH11349478A JP10170700A JP17070098A JPH11349478A JP H11349478 A JPH11349478 A JP H11349478A JP 10170700 A JP10170700 A JP 10170700A JP 17070098 A JP17070098 A JP 17070098A JP H11349478 A JPH11349478 A JP H11349478A
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JP
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group
ethyl acetate
added
silica gel
stirred
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Application number
JP10170700A
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English (en)
Inventor
Shigeo Nozoe
重男 野副
Akira Takahashi
昭 高橋
Junichi Masuda
順一 増田
Muneaki Kano
宗明 加納
Kenichi Tanaka
憲一 田中
Toshiyuki Wakayama
敏之 若山
Nobuaki Koike
信明 小池
Takayoshi Uchida
貴義 内田
Yoshiaki Ota
喜章 太田
Toshiyuki Nagata
敏幸 永田
Toshiaki Segawa
俊章 瀬川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の抗癌剤の欠点を解決し、広い抗癌スペ
クトルを有する新規抗癌剤を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 ヒドロナフタレン環構造を有し、イソク
エン酸から誘導される構造がエーテル結合を仲立ちとし
てヒドロナフタレン環の9位のメチルオキシ基に結合し
ていない化合物を有効成分とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒドロナフタレン
環構造を有する化合物を有効成分とする抗癌剤に関する
ものであり、医薬製造技術に属するものである。
【0002】
【従来の技術】癌は三大疾患の一つであり、それを治癒
するために用いられる抗癌剤も種々開発されてきてお
り、具体的にシスプラチンやドキソルビシン、マイトマ
イシン等数多くの抗癌剤が知られている。それらの抗癌
剤は医療現場で幅広く使用されているが、未だ完全に満
足の行く治療結果が得られるものは認められず、効果が
それなりに存在しても重篤な副作用があるという問題点
を有するものが多く、特に、固形癌に対し有効な抗癌剤
は未だ得られていないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等はこれまで
の抗癌剤の欠点を解決し、広い抗癌スペクトルを有する
新規抗癌剤を提供することを課題として鋭意研究を行っ
たのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、先にホウ
ネンタケ、ヒトクチタケ、マゴシャクシまたはエゾシロ
アミタケなどの担子菌担、特にその子実体から分離採取
されるドリマン型セスキテルペン系化合物およびそれら
の誘導体について検討し、新規な化合物やそれらの抗真
菌剤としての利用について報告したが(国際公開WO96/2
5385、特開平8-283155、同9-216880、同9-278708)、本
発明者等はそれらについて更に研究を行ない、クリプト
ポール酸誘導体の構造の内、ヒドロナフタレン環構造が
抗癌作用に大きな影響を及ぼしていること、すなわち、
その構造を有するスクラレオール、スクラレオライド、
マノール、ラブダノール酸及びそれらに各種の置換基を
付加したものさらにはそれらの誘導体並びにコパール樹
脂から得られる2環性ジテルペン類のいずれもが、抗癌
作用を有することを見出して本発明を完成したのであ
る。
【0005】すなわち,本発明は下記構造式1で示され
る不飽和結合を有していてもよいヒドロナフタレン環構
造を有し、イソクエン酸から誘導される構造がエーテル
結合を仲立ちとしてヒドロナフタレン環の9位のメチル
オキシ基に結合していない化合物を有効成分とすること
を特徴とする抗癌剤に関するものである。
【0006】
【化2】
【0007】ただし、式中R1、R2 、R3は相互に同じ
であっても異なっていても良い置換基を有することもあ
るアルキル基である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳説する。
本発明における化合物は、その構造の中心がヒドロナフ
タレン環であり、より詳細には前記構造式1で示される
様に、その4位に2個、10位に1個の置換基を有する
こともあるアルキル基、特にはメチル基が付加したヒド
ロナフタレン環であり、該ヒドロナフタレン環は一部不
飽和結合を有していてもよいものである。前記ヒドロナ
フタレン環は、4位及び10位以外にも置換基を有して
いてよく、特に8位及び9位に置換基を有しているもの
は、市販されている薬品から合成することが出来るので
本発明にとり好ましい。置換基としては、各種のものが
挙げられ、抗癌作用と副作用を勘案して適応することが
でき、その具体例としては、ヒドロキシ基やそれが保護
基で保護されたもの、カルボニル基やそれが保護基で保
護されたもの例えばエチレングリコール等で保護された
もの、炭素数が6まで好ましくは4までのアルキリデン
基であり好ましくはメチリデン等、炭素数が10まで好
ましくは8までの直鎖又は分枝があるアルキル基やアル
ケニル基又はシクロアルキル基等で、好ましくはメチル
基、エチル基、ブチル基、3-メチルペンチル基、3-メチ
ル-4-ペンタエニル基、3-メチル-2,4-ペンタジエニル基
や、シクロヘキシル基等、アルデヒド基を有する炭素数
が6まで好ましくは4までのアルキル基で好ましい例と
してホルミル基やメチルホルミル基等、エポキシ基又は
ヒドロキシ基とエポキシ基を有する炭素数が10まで好
ましくは8までのアルキル基又はアルケニル基等で好ま
しくは3-ヒドロキシ-3-メチル-4,5-エポキシペンチル基
等、ヒドロキシ基を1つ又は複数有する炭素数が12ま
で好ましくは10までのアルキル基又はアルケニル基等
で好ましくはヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル
基、4-ヒドロキシブチル基、3-ヒドロキシ-3-メチルペ
ンチル基,3-ヒドロキシ-3-メチル-4-ペンタエニル基、
3,4,5-トリヒドロキシ-3-メチルペンチル基や、3,4-ビ
スヒドロキシメチル-6-ヒドロキシヘキシル基等であ
り、これらのヒドロキシ基がメトキシメチル基やメチル
チオメチル基やテトラヒドロピラニル基等の水酸基の保
護基等により保護されていても良い。また、ヘテロ環状
化合物とヒドロキシ基が無いか、1つ又は3個までのヒ
ドロキシ基を有する炭素数が10まで好ましくは8まで
のアルキル基またはアルケニル基等で、このヘテロ環状
化合物として窒素を2個又は3個含む5員の複素芳香単
環、酸素又はイオウと窒素1個含む6員複素飽和単環等
でも良く、好ましくは1-トリアゾリルメチル基や3,4-ジ
ヒドロキシ-3-メチル-5-(1-トリアゾリル)ペンチル基、
モルホリノメチル基等であり、これらは非毒性の塩を形
成していても良い。また、カルボキシル基を1つ又は複
数持つ炭素数が12まで好ましくは10までのアルキル
基又はアルケニル基等であり、好ましくはカルボキシメ
チル基、3-カルボキシプロピル基、3-カルボキシ-2-プ
ロペニエル基や、3,4,5-トリカルボキシペンチル基等で
あり、これらのカルボキシル基が非毒性の塩、たとえば
アルカリ金属やアルカリ土金属やアミン等と塩を形成し
ていても良い。また、炭素数が8まで好ましくは4まで
のアルキルアミノ基又はアルケニルアミノ基等であり好
ましくは、アミノメチル基等で、それらは非毒性の塩た
とえば塩化水素酸塩、臭化水素酸塩、沃化水素酸塩、硫
酸塩、重硫酸塩、燐酸塩、燐酸水素塩、酢酸塩、マレイ
ン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、安息香酸塩、クエン酸
塩、グルクロン酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエン
スルホン酸塩等のような非毒性の塩を形成していても良
い。そして、これらの置換基等に、エステルやアミドや
エーテルやチオエーテルやカルバモイル等で更に次のよ
うな置換基が1つ又は複数結合していても良い。この置
換基の例としては、ヒドロキシ基を1つ又は複数有する
炭素数が18まで好ましくは14までのアルキル基、炭
素数が10好ましくは6までのアルケニル基又はアリ−
ル基、炭素数が10まで好ましくは8までのシクロアル
キル基等であり、メタノール、エタノール、ヘキサノー
ル、ドデカノール、シクロヘキサノール、アリルアルコ
ール、ベンジルアルコール、エチレングリコールや、グ
リセリン等の化合物に起因する置換基が好ましいもので
ある。また、カルボキシル基を1つ又は複数持つ炭素数
が18まで好ましくは14までのアルキル基、アルケニ
ル基又はアリール基等であり、酢酸、トリフロロ酢酸、
カプロン酸、ドデカン酸、コハク酸や、安息香酸等の化
合物に起因する置換基が好ましいものであり、結合に関
与しないフリーのカルボキシル基が存在する時は、この
カルボキシル基は非毒性の塩を形成していても良い。ま
た、ヒドロキシ基とカルボキシル基をそれぞれ1つ又は
複数含有する炭素数10まで好ましくは8までのヒドロ
キシ酸であり、例えばグリコール酸やイソクエン酸等の
化合物が置換基として良く、但しイソクエン酸が9位の
メチルオキシにエーテル結合しているものは除く。そし
て、結合に関与しないフリーのカルボキシル基が存在す
る時は、このカルボキシル基は非毒性の塩を形成してい
ても良い。また、エポキシとヒドロキシ基を有する炭素
数が8まで好ましくは6までのアルキル基又はアルケニ
ル基等で、好ましくは例えば2,3-エポキシプロピルオキ
シ基等であり、1つ又は複数個のヒドロキシ基とヘテロ
環状化合物を有する炭素数が8まで好ましくは6までの
アルキル基またはアルケニル基等で、このヘテロ環状化
合物は窒素を1個含む5員又は6員複素飽和単環、窒素
を2個又は3個含む5員複素芳香単環、酸素又はイオウ
と窒素1個含む6員複素飽和単環、窒素を2個含む5員
又は6員複素飽和単環等であり、窒素を1個含む5員又
は6員複素飽和単環の好ましい例としてピペリジン等で
あり、好ましい置換基として3-(1-ピペリジニル)-2-ヒ
ドロキシプロピルオキシ基等、また窒素を2個又は3個
含む5員複素芳香単環の好ましい例としてトリアゾール
やイミダゾール等であり、好ましい置換基として2-ヒド
ロキシ-3-(1-トリアゾリル)プロピルオキシ基等、酸素
又はイオウと窒素1個含む6員複素飽和単環の好ましい
例としてモルホリン等であり、好ましい置換基として3-
モルホリノ-2-ヒドロキシプロピルオキシ基等、窒素を
2個含む5員又は6員複素飽和単環の好ましい例として
ピペラジン等であり、好ましい置換基として3-(1-(4-メ
チル)ピペラジニル)-2-ヒドロキシプロピルオキシ基や3
-(1-(4-ヒドロキシエチル)ピペラジニル)-2-ヒドロキシ
プロピルオキシ基や3-(1-ピペラジニル)-2-ヒドロキシ
プロピルオキシ基等であり、これらは非毒性の塩を形成
していても良い。また、ヒドロキシ基が1つ又は複数個
を有する炭素数が10まで好ましくは8までの脂肪族ア
ミンで好ましくは、3-(トリス(ヒドロキシメチル)メチ
ル)アミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシ基、3-(ビスヒ
ドロキシエチル)アミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシ
基、3-グルコサミル-2-ヒドロキシプロピルオキシ基等
であり、これらのアミノ基は非毒性の塩を形成していて
も良く、炭素数が10まで好ましくは8までの脂肪族ア
ミンで好ましくは、シクロヘキシルアミノ基等であり、
これらのアミノ基は非毒性の塩を形成していても良く、
ヘテロ環状化合物を有する脂肪族アミンで炭素数が8ま
で好ましくは4までのアルキル基で、このヘテロ環状化
合物の好ましいものとして窒素を2個又は3個含む5員
複素芳香環、酸素又はイオウと窒素1個含む6員複素飽
和単環等であり、好ましくは、3-(1-イミダゾリル)プロ
ピルアミノ基または3-モルホリノプロピルアミノ基等で
あり、これらのアミノ基は非毒性の塩を形成していても
良く、また、芳香族アミンも挙げられ、好ましい例とし
てアニリン等の化合物が置換基として良く、これらは非
毒性の塩を形成していても良く、さらに脂肪族アジドで
あり、好ましい例としてアジドメチル基等があり、ま
た、アミノ酸または保護基の付いたアミノ酸で、好まし
い例としてはリジン、アスパラギン酸、プロリン、βア
ラニン等であり、これらは非毒性の塩を形成していても
良く、さらにこれらの置換基にこれらの置換基がエステ
ルやアミドやエーテルやカルバモイル等でさらに結合し
ていてもよい。本発明にとり好ましい置換基としては、
8位には、カルボニル基、保護基で保護されたカルボニ
ル基、アルキリデン基、アルキル基、ヒドロキシ基また
はそれに保護基の付いたもの、アルキルオキシ基、カル
バモイルを介して付いているアルキル基やアリール基、
ヒドロキシ基又はそれに保護基の付いたものを有するア
ルキル基、アルキルアジド基、窒素を2個又は3個含む
5員複素芳香環を含有するアルキル基およびそれらの非
毒性の塩、酸素と窒素1個含む6員複素飽和単環を有す
るアルキル基でそれが非毒性の塩を形成していても良
く、アミノ酸又は保護基の付いたアミノ酸がエステル結
合しているものや非毒性の塩を形成していても良く、エ
ポキシ基や、エポキシ基を有するアルキル基等が好まし
く、これらが単独で、もしくは、ヒドロキシ基又はメト
キシメチルオキシ基のようなヒドロキシ基に保護基のつ
いたものとアルキル基、ヒドロキシメチル基とヒドロキ
シ基、酸素と窒素1個含む6員複素飽和単環を有するア
ルキル基とヒドロキシ基、窒素を2個または3個含む5
員複素芳香環を含有するアルキル基とヒドロキシ基等の
組合せも好ましいものである。9位の置換基の例として
は、ヒドロキシ基、保護基で保護されたヒドロキシ基、
炭素数が10まで好ましくは8までのアルキル基やシク
ロアルキル基やアルケニル基等、アルデヒド基を有する
炭素数が6まで好ましくは4までのアルキル基、エポキ
シ基、ヒドロキシ基とエポキシ基を含有する炭素数が1
0まで好ましくは8までのアルキル基又はアルケニル基
等、ヒドロキシ基を1つ又は複数有する炭素数が10ま
で好ましくは8までのアルキル基又はアルケニル基等で
あり、このヒドロキシ基はメトキシメチル基やメチルチ
オメチル基やテトラヒドロピラニル基等の保護基により
保護されていても良く、さらにヒドロキシ基が無いもの
または1つ又は複数個と1つのヘテロ環状化合物を有す
る炭素数が10まで好ましくは8までのアルキル基又は
アルケニル基等で、これらは非毒性の塩を形成していて
も良く、カルボキシル基を1つ又は複数持つ炭素数が1
0まで好ましくは8までのアルキル基又はアルケニル基
等であり、これらのカルボキシル基が非毒性の塩を形成
していても良く、脂肪族アミンで炭素数が10まで好ま
しくは8までのアルキル基又はアルケニル基等であり、
そのアミンが非毒性の塩を形成していても良く、そして
これらの置換基等にエステルやアミドやエーテルやチオ
エーテルやカルバモイル等で更に次のような置換基が1
つ又は複数結合していても良いものである。このエステ
ルやアミドやエーテルやチオエーテルやカルバモイル等
で付く置換基としては、炭素数が18までのアルキル基
等や、ヒドロキシ基を1つ又は複数有する炭素数が18
まで好ましくは14までのアルキル基、アルケニル基、
アリ−ル基又はシクロアルキル基等、カルボキシル基を
1つ又は複数持つ炭素数が10までのアルキル基又はア
ルケニル基等であり、フリーのカルボキシル基が存在す
る時はこのカルボキシル基は非毒性の塩を形成していて
も良く、ヒドロキシ基とカルボキシル基をそれぞれ1つ
又は複数含有する炭素数10までのヒドロキシ酸であ
り、フリーのカルボキシル基が存在する時はこのカルボ
キシル基は非毒性の塩を形成していても良く、エポキシ
とヒドロキシ基を有する炭素数が10まで好ましくは6
までのアルキル基又はアルケニル基等、1つ又は複数個
のヒドロキシ基と1つのヘテロ環状化合物を有する炭素
数が8まで好ましくは6までのアルキル基又はアルケニ
ル基等で、このヘテロ環状化合物は窒素を1個含む5員
又は6員複素飽和単環、窒素を2個又は3個含む5員複
素芳香環、酸素又はイオウと窒素1個含む6員複素飽和
単環、窒素を2個含む5員又は6員複素飽和単環等であ
り、これらは非毒性の塩を形成していても良い。さら
に、ヒドロキシ基が無いか、1つ又は複数個を有する炭
素数が10まで好ましくは8までの脂肪族アミンで、こ
れらのアミノ基等に非毒性の塩を形成していても良く、
ヘテロ環状化合物を含有する脂肪族アミンで炭素数が8
まで好ましくは6までのアルキル基で、このヘテロ環状
化合物の好ましい例として窒素を2個又は3個含む5員
複素芳香環、酸素又はイオウと窒素1個含む6員複素飽
和単環等であり、これらのアミノ基に非毒性の塩を形成
していても良く、さらに芳香族アミン等であり、これら
は非毒性の塩を形成していても良く、また脂肪族アジ
ド、アミノ酸又は保護基の付いたアミノ酸で、これらに
非毒性の塩を形成していても良く、またはこれらの置換
基にさらにこれらの置換基がエステルやアミドやエーテ
ルやカルバモイル等で結合していてもよい。4位には、
アルキル基又はヒドロキシアルキル基、置換ヒドロキシ
アルキル基等が1つ又は2つ結合していても良い。8位
と9位の置換基の組合せとして、8位にアルキリデン基
又はアルキル基とヒドロキシ基又は保護基のついたヒド
ロキシ基等と、9位にヒドロキシ基又は保護基が付いた
ヒドロキシ基が結合しているアルキル基又はアルケニル
基等と、4位にヒドロキシアルキル基とアルキル基等が
結合したもの、8位にアルキル基とヒドロキシ基又はア
ルキル基と保護基の付いたヒドロキシ基と、9位にヒド
ロキシ基又は保護基の付いたヒドロキシ基が結合してい
るアルキル基又はアルケニル基、ヒドロキシ基とエポキ
シ基を含有する炭素数が10まで好ましくは8までのア
ルキル基又はアルケニル基、アルキルオキシ基にカルボ
キシル基を有するアルキル基等がエステル結合により付
いているもの、カルボキシル基を有するアルキル基又は
アルケニル基、ヒドロキシ基又は保護基の付いたヒドロ
キシ基と1つ又は複数個と1つの窒素を2個または3個
含む5員の複素芳香単環等を含有する炭素数が10まで
好ましくは8までのアルキル基又はアルケニル基、ヒド
ロキシ基を含有するアルキル基にエーテル結合により窒
素含有化合物がヒドロキシアルキル基により結合してい
るもの等で、4位にアルキル基が結合しているものであ
り、さらには8位にカルボニル基やそれが保護基で保護
されたものと9位にカルボニル基又はカルボニル基を有
するアルキル基又はアルケニル基、ヒドロキシ基を有す
るアルキル基又はアルケニル基、ヒドロキシ基にアミノ
酸がエステル結合したもの等で4位にアルキル基が結合
しているもの等の組合せが好ましい例であり、これらの
置換基は非毒性の塩を形成していても良い。保護基と
は、ヒドロキシ基では、メトキシメチル基(MOM)、メチ
ルチオメチル(MTM)、テトラヒドロピラニル(THP)、t-ブ
チル(t-Bu)、トリチル(Trt)、ベンジル(Bzl)、p-メトキ
シベンジル(MP)などのエーテル型保護基、アセチル基な
どのアシル型保護基、トリメチルシリル(TMS)、t-ブチ
ルジメチルシリル(TBDMS)等のシリル型保護基等が、カ
ルボキシル基では、メチル基、ベンゾイル基等のエステ
ル型保護基やトリメチルシリル基等のシリルエステル型
保護基等、カルボニル基では、ジメチルケタールやエチ
レンアセタールのようなケタール型、アセタール型保護
基等、アミノ基では、t−ブチル基、ベンジル基等のカ
ルバメート型保護基やアセチル基などのアミド型保護基
等、アミノ酸の保護基では、ペプチド合成に使用される
保護基等を使用することができるなど、一般に有機合成
等に使用される保護基を使用することができる。本発明
における化合物としては、例えば、スクラレオール、ス
クラレオライド、マノール、ラブダノール酸等の市販品
が適用され、さらにはそれらの市販品に常法の手段を採
用して得られる、それらの誘導体が適用される。又、天
然に存在する鎖状のリナロール等を環状化して合成して
得たもの、コパール樹脂から得られる2環性ジテルペン
等も問題なく適用される。
【0009】本発明の抗癌剤を投与する場合、投与する
対象は特に限定されない。例えば個々の癌種の予防或い
は治療することを特異目的として用いることができる。
又投与する方法は経口又は非経口でもよく経口投与には
舌下投与を包含する。非経口投与には注射例えば皮下・
筋肉・血管内注射・点滴・座剤等を含む。又、その投与
量および有効成分の割合は動物か人間かによって、又年
齢・投与経路・投与回数により異なり、広範囲に変える
ことができる。この場合本発明の抗癌剤の有効量と適切
な希釈剤および薬学的に使用し得る担体の組成物として
投与される有効量は0.1〜100mg/kg体重/日であり
1日1回から数回に分けて投与される。本発明の抗癌剤
を経口投与する場合は、それに適用される錠剤・顆粒剤
・細粒剤・散剤・カプセル剤等、通常それらの組成物中
の製剤上一般に使用される結合剤・包含剤・賦形剤・滑
沢剤・崩壊剤・湿潤剤のような添加剤を含有する。又、
経口用液体製剤としては内用水剤・懸濁剤・乳剤・シロ
ップ剤等いずれでの状態であってもよく、又、使用する
際に再溶解させる乾燥生成物であっても良い。更にその
組成物は添加剤・保存剤の何れを含有しても良い。また
非経口投与の場合には安定剤・緩衝剤・保存剤・膨張化
剤等の添加剤を含有し通常単位投与量アンプル若しくは
多投与量容器又はチューブの状態で提供される。上記の
組成物は使用する際に適当な担体たとえば発熱物質不含
の滅菌された溶解剤で再溶解させる粉体であっても良
い。
【0010】
【実施例】以下に本発明ついての実施例を示すが,この
実施例は何ら本発明を制限するものではない。また、各
実施例における殺細胞活性の測定方法は以下のとおりで
ある。 1 ヒト悪性黒色腫細胞を対象とする殺細胞活性の測定
法 10%の牛胎児血清を加えたダルベッコ改変MEM培地
に、5×104個/mlとなるようにヒト悪性黒色腫細胞
(A375 : ATCC CRL1619)を96穴マイクロプレートに各
々100μl 接種し、37℃にて24時間5%CO2
で静置培養する。その後、適宜培地で希釈した検定溶液
を10μl 添加し、37℃にて72時間5%CO2中で
静置培養する。培養終了後、MTT溶液(4mg/ml in PBS)
を10μl添加し、4時間5%CO2中で静置培養する。
その後、培地を除去し、各ウェルにDMSOを100μ
l添加後、プレートミキサーでフォルマザンが均一に溶
解するまで攪拌する。溶解後、540nmの吸光度をプレ
ートリーダーにて測定する。
【0011】2 ヒト白血病細胞を対象とする殺細胞活
性の測定法 10%の牛胎児血清を加えたRPMI1640培地に、2×10
4個/mlとなるようにヒト白血病細胞(K562 : ATCC CCL2
43)を調製し、96穴プレートに各々100μl接種し、
37℃にて24時間5%CO2中で静置培養する。その
後、適宜培地で希釈した検定溶液を10μl添加し、3
7℃にて72時間5%CO2中で静置培養する。培養終
了後、XTT溶液(1mg/ml in PBS + 5μM PMSF)を10
μl添加し、37℃にて4時間5%CO2中で静置培養
し、492nmの吸光度をプレートリーダーにて測定す
る。
【0012】実施例1 ○ 化合物の調製 AT-1の調製 市販のスクラレオライド(1.25g:5.00mmol、アル
ドリッチ試薬)をテトラヒドロフラン(以下THFとい
う)(10ml)-エーテル(10ml)の混液に溶解し、氷冷下
攪拌しながら水素化リチウムアルミニウム(190mg:
5.00mmol)を少量ずつ加えた。同温下1時間攪拌した
後、酢酸エチルを少量ずつ加え過剰の試薬を分解した。
1N塩酸(40ml)を加えた後酢酸エチル(40ml)で2回
抽出し、抽出液は飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽
和食塩水で順次洗浄した。抽出液を無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥後溶媒を留去し、析出する結晶を濾取して、4
位に2個のメチル基、8位にメチル基とヒドロキシ基、
9位に2-ヒドロキシエチル基、10位にメチル基を有す
るヒドロナフタレン(以下AT-1という)1.20gを無色
針状晶として得た(以下構造式の説明において、格別の
注釈がなければ4位と10位のメチル基については説明
を省略する)。その1H-NMRスペクトル(400MHz)は以下の
とおりであった。 (CDCl3,ppm): 0.79(3H,s,Me-C10), 0.79(3H,s,Meβ-
C4), 0.88(3H,s,Meα-C4),1.20(3H,s,Me-C8), 1.90(1H,
ddd,J=12.2,3.4,2.9,H7), 3.46(1H,ddd,J=10.3,8.3,5.
9,H12), 3.75(1H,ddd,J=10.3,4.4,4.4,H12')
【0013】AT-2の調製 上記AT-1(1.20g:4.72mmol)のピリジン(1.5m
l)溶液に氷冷下無水酢酸(1ml)を加えた後、室温下一晩
放置した。反応液に氷水(40ml)を加え酢酸エチル(3
0ml)で2回抽出した後、抽出液を1N塩酸、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄した。抽
出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去して
得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
[13g:1.5cmIDx16.5、溶出溶媒:クロロホルム
ー酢酸エチル=100/0→70/30]により精製し
て、8位にメチル基とヒドロキシ基、9位に2-アセトキ
シエチル基を有するヒドロナフタレン(以下AT-2とい
う)1.35gを無色飴状物質として得た。その1H-NMRス
ペクトル(400MHz)は以下のとおりであった。 (CDCl3,ppm): 0.79(3H,s,Me-C10), 0.79(3H,s,Meβ-
C4), 0.87(3H,s,Meα-C4),1.16(3H,s,Me-C8), 1.89(1H,
ddd,J=12.2,2.9,2.9,H7), 4.12 (2H,m,H12 and H1 2')
【0014】AT-3の調製 上記AT-2(1.35g:4.56mmol)のピリジン(9ml)
溶液に、氷冷下、攪拌しながら塩化ホスホリル(860
μl:9.2mmol)を加えた。反応液を一晩攪拌した後氷
水(30ml)中に加え、生成物を酢酸エチル(30ml)で2
回抽出した。抽出液を水、1N塩酸、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後溶媒を留去した。ついで、残分の一
部(250mg)をエタノール(2.5ml)に溶解後1N水酸化
ナトリウム水溶液(2.5ml)を加え、室温下、一晩攪拌
した。反応液を水(10ml)で希釈後、酢酸エチル(15m
l)で抽出し、抽出液は水及び飽和食塩水で洗浄した。無
水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を留去し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに繰り返し付すことに
より下記構造式で示される化合物(以下AT-3という)1
14mgを白色鑞状物質として得た。その1H-NMRスペクト
ル(400MHz)は以下のとおりであった。 (CDCl3,ppm): 0.69(3H,s,Me-C10), 0.80(3H,s,Meβ-
C4), 0.87(3H,s,Meα-C4),2.00(1H,ddd,J=12.7,12.7,4.
9,H7), 2.39(1H,ddd,J=12.7,4.4,2.4,H7'), 3.49-3.58
(1H,m,H12), 3.60-3.76(1H,m,H12'), 4.54(1H,d,J=1.5,
H17), 4.83(1H,d,J=1.5,H17')
【0015】
【化3】
【0016】AT-4の調製 スクラレオライド(1.50g:6.00mmol)のTHF(4
ml)-エタノール(8ml)溶液に攪拌しながら1N水酸化ナ
トリウム水溶液(12ml)を加えた。1時間攪拌後反応液
に1N塩酸(15ml)を加え、生成物を酢酸エチル(30m
l)で2回抽出した。抽出液を水及び飽和食塩水で十分洗
浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して得
られる結晶を酢酸エチルより再結晶して、8位にメチル
基とヒドロキシ基、9位に2-カルボキシメチル基を有す
るヒドロナフタレン(以下AT-4という)1.25gを無色
の結晶として得た。その1H-NMRスペクトル(400MHz)、IR
スペクトルは以下のとおりであった。 (CDCl3,ppm): 0.79(3H,s,Me-C10), 0.79(3H,s,Meβ-
C4), 0.88(3H,s,Meα-C4),1.17(3H,s,Me-C8), 1.83(1H,
dd,J=5.9,4.4,H9), 1.95(1H,ddd,J=12.2,3.4,2.9,H7),
2.34(1H,dd,J=16.1,4.4,H12), 2.50(1H,dd,J=16.1,6.4,
H12') (KBr,cm-1): 3700-2200(br), 3491, 3340, 3119, 2927,
1720,1685, 1460, 1432, 1414, 1389, 1201, 938
【0017】AT-6の調製 AT-2(1.85g:6.25mmol)のジクロロメタン(20
ml)溶液に、氷冷下攪拌しながらクロロメチルメチルエ
ーテル(715μl:9.38mmol)及びジイソプロピルエ
チルアミン(1.74ml:9.99mmol)を順次加えた。反
応液を室温下8時間攪拌後、クロロホルム(30ml)及び
水(30ml)を加え生成物を抽出し、抽出液は1N塩酸、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗
浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を留去し、
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[30g:
2.0cmIDx20.5、溶出溶媒:n-ヘキサンー酢酸エチ
ル=100/0→60/40]により精製して下記構造式
で示される化合物(以下AT-6という)621mgを無色飴
状物質として得た。その1H-NMRスペクトル(400MHz)は以
下のとおりであった。 (CDCl3,ppm): 0.79(3H,s,Me-C10), 0.83(3H,s,Meβ-
C4), 0.87(3H,s,Meα-C4),1.23(3H,s,Me-C8), 2.06(1H,
ddd,J=12.2,3.4,2.9,H7), 3.37(3H,s,OCH2OCH3 ),3.45(1
H,ddd,J=9.8,9.8,4.4,H12), 3.72(1H,ddd,J=9.8,5.4,4.
4,H12'), 4.75(2H,s,OCH2 OCH3)
【0018】
【化4】
【0019】AT-7の調製 スクラレオライド(1.50g:6.00mmol)をエタノー
ル(8ml)-THF(4ml)混液に溶解し、室温下攪拌しな
がら1N水酸化ナトリウム水溶液(12ml)を加えた。反
応液を同温下4時間攪拌後析出した結晶を濾取した。結
晶を水で十分洗浄後減圧下乾燥して、8位にメチル基と
ヒドロキシ基、9位にソジウムカルボキレートメチル基
を有するヒドロナフタレン(以下AT-7という)1.51g
を無色の結晶として得た。その1H-NMRスペクトル(400MH
z)、IRスペクトルは以下のとおりであった。 (CDCl3-CD3OD=9:1,ppm): 0.78(3H,s,Me-C10), 0.79(3H,
s,Meβ-C4), 0.87(3H,s,Meα−C4), 1.15(3H,s,Me-C8),
1.90(1H,ddd,J=12.7,3.4,2.9,H7), 2.24(1H,dd,J=16.
1,3.9,H12), 2.31(1H,dd,J=16.1,6.8,H12') (KBr,cm-1): 3700-2600(br), 3484, 3321, 2925, 1637,
1546, 1406, 1384
【0020】AT-8の調製 AT-4(1.20g:4.50mmol)をエーテル(2.5ml)-
メタノール(2.5ml)混液に溶解し、室温下攪拌しなが
らトリメチルシリルジアゾメタンの10%n-ヘキサン溶
液を溶液がやや黄色を呈するまで滴下した。10分間攪
拌した後溶媒を留去した。この得られたメチルエステル
体(1.4g)を精製することなくピリジン(10ml)に溶解
し、氷冷下攪拌しながら塩化ホスホリル(1ml)を加え
た。室温下一晩攪拌した後反応液を氷水(50ml)に加
え、生成物を酢酸エチル(50ml)で2回抽出した。合一
した抽出液は1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー[30g(10%含水シリカゲル):2.0c
mIDx20.5cm、溶出溶媒:n-ヘキサンー酢酸エチル=
100/0→97/3]に付し、7,8-及び8,9-エン体とと
もに8-メチレンのメチルエステル体、340mgを無色飴
状物質として得た。次に、8-メチレンのメチルエステル
体(250mg:0.94mmol)をエタノール(2.5ml)に溶
解した後、1N水酸化ナトリウム溶液(2.5ml)を加え8
0℃で6時間攪拌した。1N塩酸を加え酸性としさらに
水(5ml)を加えて希釈した後、酢酸エチル(15ml)で2
回抽出した。抽出液を合一後水及び飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を留去した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[7.5g:1.
0cmIDx20.5、溶出溶媒:クロロホルムー酢酸エチ
ル=100/0→90/10]により精製し、n-ヘキサン
から結晶化を行って下記構造式で示される化合物(以下
AT-8という)197mgを無色針状晶として得た。その1
H-NMRスペクトル(400MHz)、IRスペクトルは以下のとお
りであった。 (CDCl3,ppm): 0.70(3H,s,Me-C10), 0.81(3H,s,Meβ-
C4), 0.89(3H,s,Meα-C4),2.09(br,ddd,J=12.7,12.7,4.
9,H7), 2.39(1H,ddd,J=12.7,3.4,2.9,H7'), 2.39(1H,d
d,J=15.6,2.9,H12), 2.53(1H,dd,J=15.6,3.4,H12'), 4.
53(1H,s,H17), 4.78(1H,s,H17') (KBr,cm-1): 3600-2300(br), 2937, 2843, 1702, 1649,
1457,1423, 1385, 1329, 1264, 1192, 896
【0021】
【化5】
【0022】○ 化合物の特性測定 調製された各化合物の殺細胞活性測定の結果を表1に示
す。
【0023】
【表1】
【0024】実施例2 ○ 化合物の調製 AT-5の調製 スクラレオール(1.5g:4.86mmol、アルドリッチ試
薬)のアセトン(10ml)溶液に水(10ml)を加え、攪拌
しながらさらに50%N-メチルモルホリン N-オキシド
(2.37ml:10. 1mmol)及び2%オスミウム酸水溶
液(250μl)を順次加えた。反応液を室温下6時間攪
拌した後、20%チオ硫酸ナトリウム水溶液(25ml)を
加え、生成物を酢酸エチル(30ml)で2回抽出した。抽
出液を20%チオ硫酸ナトリウム水溶液、水及び飽和食
塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶媒を留去後残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー[30g:2.0cmIDx21、溶出溶媒:クロロホルム
ーメタノール=100/0→80/20]に付し、酢酸エ
チルより結晶化を行って、8位にメチル基とヒドロキシ
基、9位に3,4,5-トリヒドロキシ-3-メチルペンチル基
を有するヒドロナフタレン(以下AT-5という)1.55g
を無色針状晶として得た。その1H-NMRスペクトル(400MH
z:CDCl3-CD3OD=9:1)チャートを図1として示す。
【0025】AT-14、AT-15の調製 スクラレオール(2.0g、6.5mmol)をジクロロメタン
(25ml)に溶解し、氷冷撹拌下3,4-ジヒドロ-2H-ピラン
(600μl、6.5mmol)、p-トルエンスルホン酸ピリジ
ニウム(163mg、0.65mmol)を順次加え、室温で2
4時間撹拌した。反応液をクロロホルムで抽出後、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄、無水硫
酸マグネシウムで乾燥し溶媒を留去した。残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(50g、3cmID×17c
m、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=95/5〜70/
30)に付し、下記構造式で示される3種の化合物「以下
T-14(化7)、AT-15(化8)及びAT-16-1(化9)とい
う」をそれぞれ1.04g(収率40.9%)、350mg(収
率13.8%)及び1.25g(収率40.5%)得た。構造
式中OTHPはテトラヒドロピラニルオキシ基を示す。
それらの特性は以下のとおりであった。 (AT-14) Rf値:シリカゲル薄層クロマトグラフィー:0.37
[シリカゲル60F254(メルク)、展開溶媒:ヘキサン/
酢酸エチル=4/1]、0.49[RP−18F254s(メル
ク)、展開溶媒:メタノール] 呈色試薬:アニスアルデヒド試薬陽性(紫色)1 H-NMRスペクトル(400MHz,CDCl3,ppm): 0.79(6H,s,20,1
8-CH3), 0.87(3H,s,19-CH3), 1,18(3H,s,17-CH3), 1.24
(3H,s,16-CH3), 3.45(1H,m,5'-CH2), 3.97(1H,m,5'-C
H2), 4,59(1H,m,1'-CH), 5.12(1H,d J=0.97,15-CH2),
5.16(1H,d J=3.42,15-CH2), 5.80(1H,dd J=10.74,18.0
7,14-CH) (AT-15) Rf値:シリカゲル薄層クロマトグラフィー:0.25
[シリカゲル60F254(メルク)、展開溶媒:ヘキサン/
酢酸エチル=4/1] 、0.51[RP−18F254s(メル
ク)、展開溶媒:メタノール] 呈色試薬:アニスアルデヒド試薬陽性(紫色) IR スペクトル(KBr, νcm-1):3447, 2940, 2868, 1637,
1459, 13881 H-NMRスペクトル(400MHz,CDCl3,ppm): 0.78(6H,s,20,1
8-CH3), 0.86(3H,s,19-CH3), 1.17(3H,s,17-CH3), 1.34
(3H,s,16-CH3), 3.45(1H,m,5'-CH2), 3.95(1H,m,5'-C
H2), 4.66(1H,m,1'-CH2), 5.12(1H,d,J=1.0,15-CH2),
5.16(1H,d,J=3.4,15-CH2), 5.79(1H,dd,J=10.7,18.1,14
-CH)13 C-NMRスペクトル(100MHz,CDCl3,ppm): 15.5, 18.5, 1
8.9, 20.5, 20.6, 21.5,22.4, 24.2, 25.5, 32.2, 33.
3, 33.4, 39.2, 39.7, 42.1, 44.0, 45.1, 56.2,62.4,
63.1, 74.5, 94.6, 114.4, 143.5
【0026】
【化6】
【0027】
【化7】
【0028】
【化8】
【0029】AT-16の調製 実施例2で得られたAT-16-1(900mg、1.89mmol)
をジクロロメタン(15ml)に溶解し、氷冷撹拌しながら
m-過安息香酸(以下m-CPBAという)(932mg、5.4
0mmol)を加え室温で5時間撹拌後15時間放置した。
反応液をクロロホルムで抽出後、10%チオ硫酸ナトリ
ウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩
水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を留去し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20
g、1.5cmID×26cm、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチ
ル=95/5〜80/20)に付し、下記構造式で示され
る化合物(以下AT-16-2(化10)という)408mg(収率
43.8%)を得た。次いで、水素化ナトリウム(NaH8
1mg、2.0mmol)を窒素雰囲気下ジメチルホルムアミド
(以下DMFという)0.5mlに加え、氷冷撹拌下1H-1,2,
4-トリアゾール(140mg、0.81mmol)のDMF溶液
(0.5ml)を加えて室温で1時間撹拌した。その後AT-
16-2(400mg、0.81mmol)のDMF溶液(1.0ml)を
加え、60℃で6時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで
抽出後、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾
燥し溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(15g、2cmID×11cm、展開溶媒:ヘキサ
ン/酢酸エチル=8/2、クロロホルム/メタノール=9/
1)に付し、下記構造式で示される化合物(以下AT-16-
3(化11)という)195mg(収率42.8%)を得た。次
いで、AT-16-3(195mg、0.35mmol)をメタノール
(15ml)に溶解し、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム
(68mg、0.28mmol)を加え室温で15時間放置し
た。反応液の溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(7.5g、1cmID×24cm、展開溶
媒:クロロホルム/メタノール=10/0〜9/1)に付
し、8位にメチル基とヒドロキシ基、9位に3,4-ジヒド
ロキシ-3-メチル-5-(1-トリアゾリル)ペンチル基を有す
るヒドロナフタレン(以下AT-16という)108mg(収率
79.4%)を得た。その特性は以下のとおりであった。 Rf値:シリカゲル薄層クロマトグラフィー:0.30
[シリカゲル60F254(メルク)、展開溶媒:クロロホル
ム/メタノール=9/1]、0.64[RP−18F25 4s(メ
ルク)、展開溶媒:メタノール] 呈色試薬:アニスアルデヒド試薬陽性(紫色)1 H-NMRスペクトル(400MHz,CDCl3,ppm): 0.77(6H,s,18,2
0-CH3), 0.85(3H,s,19-CH3), 1.12(3H,s,17-CH3), 1.19
(3H,s,16-CH3), 3.71(1H,m,14-CH), 4.07(1H,m,15-C
H2), 4.22(1H,OH), 4.37(1H,d J=13.7,15-CH2), 7.83(1
H,s,トリアソ゛-ル), 8.22(1H,s,トリアソ゛ール)
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】
【0032】AT-24の調製 スクラレオール(250mg:0.81mmol)のジクロロメ
タン(20ml)溶液にm-CPBA(350mg:2.00mmo
l)を少量ずつ加え、室温下6時間攪拌した。反応終了後
反応液をジクロロメタン(10ml)で希釈し、10%チオ
硫酸ナトリウム水溶液(20ml)、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。溶媒を留去し残分をシリカゲル
カラム[10g:1.5cmIDx14、溶出溶媒:クロロホ
ルムーメタノール=100/0→97/3(50ml)]を用
いて精製し、n-ヘキサンー酢酸エチルから結晶化を行っ
て8位にメチル基とヒドロキシ基、9位に3,4-ジヒドロ
キシ-3-メチル-4,5-エポキシペンチル基を有するヒドロ
ナフタレン(以下AT-24という)を152mg無色の結晶
として得た。その1H-NMRスペクトル(400MHz:CDCl3)チャ
ートを図2として示す。
【0033】AT-25の調製 スクラレオール(2.00g:6.49mmol)のジクロロメ
タン溶液に氷冷下攪拌しながらクロロメチルメチルエー
テル(1.08ml:15.6mmol)及びジイソプロピルエチ
ルアミン(2.94ml:16.8mmol)を順次加えた。反応
液を室温下15時間攪拌した後クロロホルム(30ml)を
加え、水、1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及
び飽和食塩水で洗浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を留去後残分をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー[30g:2.0cmIDx21、溶出溶媒:n-ヘキサ
ンー酢酸エチル=100/0→70/30]により精製し
てメトキシメチルエーテル体、2.21gを無色飴状物質
として得た。次に、得られたメトキシメチルエーテル体
(2.2g:5.56mmol)のアセトン(10ml)ー水(10m
l)懸濁液に2%オスミウム酸水溶液(200μl)及び5
0%N-メチルモルホリンN-オキシド(3.14ml)を順次
加え、54℃で17時間攪拌した。反応液に20%チオ
硫酸ナトリウム水溶液を加え過剰の試薬を分解した後、
生成物を酢酸エチル(30ml)で2回抽出した。抽出液を
水及び飽和食塩水で十分洗浄し、無水硫酸マグネシウム
で乾燥後溶媒を留去した。残分をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー[22g:2.0cmIDx15.5cm、溶出溶
媒:クロロホルムー酢酸エチル=95/5→50/50]
により精製して、8位にメチル基とメトキシメチルオキ
シ基、9位に4,5-ジヒドロキシ-3-(メトキシメトキシ)-
3-メチルペンチル基を有するヒドロナフタレン(以下A
T-25という)を2.13g無色飴状物質として得た。その
1H-NMRスペクトル(400MHz:CDCl3)チャートを図3として
示す。
【0034】○ 化合物の特性測定 調製された各化合物の殺細胞活性測定の結果を表2に示
す。
【0035】
【表2】
【0036】実施例3 ○ 化合物の調製 HAL-1の調製 実施例1で得られたAT-2の17.0mmol:5.1gを2
00mlのナス型フラスコに入れジクロロメタン50mlに
て溶解させた。氷冷下撹拌しながら3,4-ジヒドロ-2H-ピ
ラン(和光純薬株式会社製)25.5mmol(2.3ml)を滴下
し、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム(和光純薬株式
会社製)1.7mmol(425mg)を加えた。反応液を室温に
戻した後18時間撹拌を行った。18時間後反応液に蒸
留水20mlおよびクロロホルム10mlを加えて抽出を行
いクロロホルム層を1N-塩酸20ml、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液20ml、飽和食塩水20mlにて順次洗浄
後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させた。これを濾過
減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(3.0cmID×13.0cm、溶出液:ヘキサン/酢酸エ
チル=100/0〜50/50)にて分画することにより
得たヘキサン/酢酸エチル=90/10〜80/20溶出
画分5.5gを200mlのナス型フラスコに移しエタノー
ル50mlにて溶解させた。氷冷下撹拌しながら1N-水酸
化ナトリウム水50mlを加えた後、反応液を室温に戻し
て2時間撹拌を行った。2時間後反応液を減圧下濃縮す
ることによりエタノールを除いた後、酢酸エチル50ml
にて2回抽出を行った。抽出液を蒸留水20ml、飽和食
塩水20mlにて順次洗浄後無水硫酸マグネシウムにて乾
燥させた。これを濾過減圧下留去し、残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(3.0cmID×14.0cm、溶
出液:ヘキサン/酢酸エチル=100/0〜50/50)に
て分画することにより、ヘキサン/酢酸エチル=70/3
0〜50/50溶出画分として下記構造式で示される化
合物(以下HAL-1という)の無色柱状結晶4.6g得た。
その特性は下記のとおりであり、1H-NMRスペクトル(400
MHz:CDCl3)チャートを図4、13C-NMRスペクトル(400MH
z:CDCl3)チャートを図5として示す。 Rf値:シリカゲル薄層クロマトグラフィー:0.75
[シリカゲル60F254(メルク)、展開溶媒:クロロホル
ム/メタノール=20/1]、0.24[RP−18F
254s(メルク)、展開溶媒:90%メタノール] 呈色反応:エールリッヒ試薬陽性(茶色)、アニスアルデ
ヒド試薬陽性(緑褐色)、50%硫酸試薬陽性(黒色)
【0037】
【化11】
【0038】HAL-2の調製 水素化ナトリウム(和光純薬株式会社製)5.8mmol(23
2mg)を乾燥させた100mlの二口フラスコに秤取り、
フラスコ内を窒素置換後、氷冷下脱水DMF4mlを注入
し、さらにHAL-1の2.9mmol(1000mg)を脱水D
MF4mlに溶解して注入した。反応液を室温で30分撹
拌後、再び氷冷下N-(2ブロモエチル)フタルイミド(和
光純薬株式会社製)5.8mmol(1473mg)をDMF2ml
に溶解して注入し、その後室温下20時間撹拌を行っ
た。20時間後反応液に蒸留水10mlを加えた後酢酸エ
チル20mlにて2回抽出を行い、抽出液を蒸留水、飽和
食塩水にて順次洗浄後無水硫酸マグネシウムにて乾燥さ
せた。乾燥後減圧下に溶媒を留去し、残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(3.0cmID×20.0cm、溶
出液:ヘキサン/酢酸エチル=90/10〜50/50)に
て分画することにより、ヘキサン/酢酸エチル=50/5
0〜40/60溶出画分として下記構造式で示される化
合物(以下HAL-2という)の無色油状物690mg得た。
その特性は下記のとおりであり、1H-NMRスペクトル(400
MHz:CDCl3)チャートを図6、13C-NMRスペクトル(400MH
z:CDCl3)チャートを図7として示す。 Rf値:シリカゲル薄層クロマトグラフィー:0.73
[シリカゲル60F254(メルク)、展開溶媒:クロロホル
ム/メタノール=20/1]、0.20[シリカゲル60F
254(メルク)、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/
1]、0.14[RP−18F254s(メルク)、展開溶媒:
90%メタノール] 呈色反応:エールリッヒ試薬陽性(茶色)、アニスアルデ
ヒド試薬陽性(黄緑色)、50%硫酸試薬陽性(黒色)
【0039】
【化12】
【0040】HAL-3の調製 水素化ナトリウム8.8mmol(352mg)を乾燥させた1
00mlの二口フラスコに秤取り、フラスコ内を窒素置換
後、氷冷下脱水DMF6.0mlを注入し、さらにHAL-
1の4.4mmol(1500mg)を脱水DMF6.0mlに溶解
して注入した。反応液を室温下30分間撹拌後、氷冷下
臭化アリル(和光純薬株式会社製)8.8mmol(750μl)
を注入した。その後室温下20時間撹拌を行った。20
時間後反応液に蒸留水20mlを加えた後酢酸エチル30
mlにて2回抽出を行い、抽出液を蒸留水、飽和食塩水5
mlにて順次洗浄後無水硫酸マグネシウムにて乾燥させ
た。乾燥後濾過減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(2.0cmID×18.0cm、溶
出液:ヘキサン/酢酸エチル=100/0〜20/80)に
て分画することにより、ヘキサン/酢酸エチル=90/1
0溶出画分として下記構造式で示される化合物(以下H
AL-3という)の無色油状物1300mg得た。その特性
は下記のとおりであり、1H-NMRスペクトル(400MHz:CDCl
3)チャートを図8、13C-NMRスペクトル(400MHz:CDCl3)
チャートを図9として示す。 Rf値:シリカゲル薄層クロマトグラフィー:0.85
[シリカゲル60F254(呈色反応:エールリッヒ試薬陽
性(茶色)、アニスアルデヒド試薬陽性(紫色)、50%硫
酸試薬陽性(黒色)
【0041】
【化13】
【0042】HAL-4の調製 HAL-3の1.8mmol(700mg)を30mlのナス型フラ
スコに秤取り、アセトン5ml、蒸留水2mlを加えた後氷
冷下N-メチルモルフォリン-N-オキシド(東京化成株式会
社製:50%水溶液)3.3mmol(780μl)および2%オ
スミウム酸溶液50μlを加えた。その後室温下20時
間撹拌を行った。20時間後反応液に10%亜硫酸水素
ナトリウム水溶液5mlを加えさらに20分間撹拌を行っ
た。これに蒸留水5mlを加えた後酢酸エチル10mlにて
2回抽出を行い、抽出液を蒸留水、飽和食塩水にて順次
洗浄後無水硫酸マグネシウムにて乾燥させた。乾燥後濾
過減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(2.0cmID×15.0cm、溶出液:クロロ
ホルム/メタノール=100/1〜100/10)にて分画
することにより、クロロホルム/メタノール=100/3
〜100/5溶出画分として下記構造式で示される化合
物(以下HAL-4という)の無色油状物756mg得た。そ
の特性は下記のとおりであり、1H-NMRスペクトル(400MH
z:CDCl3)チャートを図10として示す。 Rf値:シリカゲル薄層クロマトグラフィー:0.60
[シリカゲル60F254(メルク)、展開溶媒:クロロホル
ム/メタノール=10/1]、0.36[シリカゲル60F
254(メルク)、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/
4]、0.23[RP−18F254s(メルク)、展開溶媒:
90%メタノール] 呈色反応:エールリッヒ試薬陽性(紫色)、アニスアルデ
ヒド試薬陽性(黄緑色)、50%硫酸試薬陽性(紫色)
【0043】
【化14】
【0044】HAL-5の調製 過ヨウ素酸ナトリウム1.6mmol(340mg)を50mlの
ナス型フラスコに秤取り、室温下蒸留水3.5mlおよび
HAL-4の1.1mmol(435mg)を3.5mlのアセトンに
溶解して加え、室温下5時間撹拌を行った。5時間後反
応液を減圧下濃縮することによりアセトンを除き、蒸留
水3mlを加え、酢酸エチル8mlにて2回抽出を行った。
抽出液を蒸留水、飽和食塩水にて順次洗浄後無水硫酸マ
グネシウムにて乾燥させた。乾燥後濾過減圧下溶媒を留
去し、下記構造式で示される化合物(以下HAL-4Aとい
う)327mg得た。これを50mlのフラスコに入れ、氷
冷下アセトン4ml、ジョーンズ試薬(2.67mmol/ml)
1.7mmol(636μl)を加え1時間撹拌を行った。1時
間後、反応液が緑色を呈するまでイソプロピルアルコー
ルを加えた後セライトを適量加え、さらにジエチルエー
テル30mlを加えセライトを濾取後、濾液を蒸留水、飽
和食塩水にて順次洗浄後無水硫酸マグネシウムにて乾燥
させた。乾燥後濾過減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(1.5cmID×15.0c
m、溶出液:クロロホルム/メタノール=100/1〜0/
100)にて分画することにより、クロロホルム/メタノ
ール=100/10〜100/50溶出画分として、8位
にメチル基とヒドロキシ基、9位に(2-カルボキシメト
キシ)エチル基を有するヒドロナフタレン(以下HAL-5
という)の無色油状物176mg得た。その特性は下記の
とおりであり、1H-NMRスペクトル(400MHz:CDCl3)チャー
トを図11として示す。 Rf値:シリカゲル薄層クロマトグラフィー:0.20
[シリカゲル60F254(メルク)、展開溶媒:クロロホル
ム/メタノール=5/1]、0.36[RP−18F25 4s(メ
ルク)、展開溶媒:90%メタノール] 呈色反応:エールリッヒ試薬陽性(紫色)/アニスアルデ
ヒド試薬陽性(紫色)/50%硫酸試薬陽性(紫色)
【0045】
【化15】
【0046】○ 化合物の特性測定 調製された各化合物の殺細胞活性測定の結果を表3に示
す。
【0047】
【表3】
【0048】実施例4 ○ 化合物の調製 マノールの調製 マノールオイル2.5gをシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(50g、3cmID×17cm、展開溶媒:ヘキサン/
酢酸エチル=10/0〜7/3)に付し、マノール含有画
分(1.28g)をヘキサンで結晶化して下記構造式で示さ
れるマノールの結晶800mgを得た。その特性は下記の
とおりである。 Rf値:シリカゲル薄層クロマトグラフィー:0.66
[シリカゲル60F254(メルク)、展開溶媒:ヘキサン/
酢酸エチル=4/1]、0.53[RP−18F254s(メル
ク)、展開溶媒:メタノール] 呈色反応:アニスアルデヒド試薬陽性(紫色) 融点:53℃(測定値) IR スペクトル(νmax,cm-1):3391, 2923, 2846, 1714,
1643, 14581 H-NMRスペクトル(400MHz,CDCl3,ppm): 0.67(3H,s,20-C
H3), 0.80(3H,s,18-CH3), 0.87(3H,s,19-CH3), 1.27(3
H,s,16-CH3), 4.48(1H,d J=1.0,17-CH2), 4.80(1H,d J=
1.0,17-CH2), 5.06(1H,dd J=10.7,1.0,15-CH2), 5.21(1
H,dd J=17.1,1.0,15-CH2), 5.91(1H,dd J=17.1,10.7,14
-CH)13 C-NMRスペクトル(100MHz,CDCl3,ppm): 14.4, 17.7, 1
9.4, 21.7, 24.4, 28.0,33.6, 38.4, 39.1, 39.9, 41.
4, 42.2, 55.6, 57.2, 73.7, 106.3, 111.6, 145.1, 14
8.8
【0049】
【化16】
【0050】マノールEの調製 マノール2.0g(6.9mmol)をジクロロメタン15mlに
溶解し、氷冷撹拌下m-CPBA3.57g(20.7mmol)
を加え室温で2時間撹拌した。反応液をクロロホルムで
抽出後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥し溶媒を留去した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(50g、3cmID×16cm、展
開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=95/5〜60/40)に
付し、下記構造式で示されるヒドロナフタレン(以下マ
ノールEという)1.79g(収率80.6%)を得た。その
特性は下記のとおりである。 Rf値:シリカゲル薄層クロマトグラフィー:0.15
[シリカゲル60F254(メルク)、展開溶媒:ヘキサン/
酢酸エチル=4/1]、0.62[RP−18F254s(メル
ク)、展開溶媒:メタノール] 呈色試薬:アニスアルデヒド試薬陽性(紫色)1 H-NMRスペクトル(400MHz)δppm(CDCl3): 0.80(3H,s,20
-CH3), 0.83(3H,s,18-CH3), 0.90(3H,s,19-CH3), 1.26
(3H,s,16-CH3), 2.50(1H,dd J=2.4,3.9,17-CH2),2.65(1
H,m,15-CH2), 2.72(1H,m,17-CH2), 2.82(1H,m,15-CH2),
2.88, 2.92(1H,m,14-CH)
【0051】
【化17】
【0052】マノールFの調製 マノール2.0g(6.9mmol)をジクロロメタン20mlに
溶解し、氷冷撹拌下m-CPBA1.79g(10.4mmol)
を加え室温で2時間撹拌した。反応液をクロロホルムで
抽出後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥し溶媒を留去した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(50g、2cmID×35cm、展
開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9/1〜8/2)に付し、
下記構造式で示されるヒドロナフタレン(以下マノール
Fという)1.49g(収率70.6%)を得た。その特性は
下記のとおりである。 Rf値:シリカゲル薄層クロマトグラフィー:0.33
[シリカゲル60F254(メルク)、展開溶媒:ヘキサン/
酢酸エチル=4/1]、0.58[RP−18F254s(メル
ク)、展開溶媒:メタノール] 呈色反応:アニスアルデヒド試薬陽性(紫色) IR スペクトル(νmax,cm-1):3447, 2932, 2866, 1640,
1460, 1389, 13671 H-NMRスペクトル(400MHz)δppm(CDCl3): 0.79(3H,s,20
-CH3), 0.82(3H,s,18-CH3), 0.89(3H,s,19-CH3), 1.22
(3H,s,16-CH3), 2.49(1H,d J=4.4,17-CH2), 2.77(1H,dd
J=3.90,1.5,17-CH2), 5.01(1H,dd J=10.7,1.5,15-C
H2), 5.19(1H,dd J=17.1,1.5,15-CH2), 5.88(1H,dd J=1
7.1,10.5,14-CH)
【0053】
【化18】
【0054】マノールGの調製 マノールE400mg(1.25mmol)をTHF/水=13/
3(16ml)に溶解し、氷冷撹拌下70%過塩素酸100
μlを加え、室温で24時間撹拌した。反応液を酢酸エ
チルで抽出後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食
塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を留
去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(10g、1.5cmID×14cm、展開溶媒:クロロホルム/
メタノール=10/0〜8/2)、逆相カラムクロマトグ
ラフィー(コスモシール75C18-OPN 50cc、2cmID×1
6cm、展開溶媒:20〜100%メタノール)、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(9g、1.5cmID×12c
m、展開溶媒:クロロホルム/メタノール=10/0〜8/
2)に付し、8位にヒドロキシメチル基とヒドロキシ
基、9位に3,4,5-トリヒドロキシ-3-メチルペンチル基
を有するヒドロナフタレン(以下マノールGという)8
5.1mg(収率19%)を得た。その特性は下記のとおり
であり、1H-NMRスペクトル(400MHz:CDCl3)チャートを図
12として示す。 Rf値:シリカゲル薄層クロマトグラフィー:0.24
[シリカゲル60F254(メルク)、展開溶媒:クロロホル
ム/メタノール=9/1]、0.70[RP−18F25 4s(メ
ルク)、展開溶媒:メタノール] 呈色反応:アニスアルデヒド試薬陽性(紫色) IR スペクトル(νmax,cm-1):3386, 2926, 2866, 1647,
1459, 1388
【0055】マノールHの調製 マノールE1.23g(3.8mmol)をジクロロメタン15m
lに溶解し、氷冷撹拌下3,4-ジヒドロ-2H-ピラン690
μl(7.6mmol)、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム9
5mg(0.38mmol)を順次加え、室温で24時間撹拌し
た。反応液をクロロホルムで抽出後、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥し溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(35g、2cmID×25cm、展開溶
媒:ヘキサン/酢酸エチル=100/0〜75/25)に付
し、下記構造式で示されるテトラヒドロピラニルエーテ
ル体(マノールH-1)を517mg(収率33%)得た。
【0056】
【化19】
【0057】次いで、水素化ナトリウム154mg(6.4
mmol)を窒素雰囲気下DMF1mlに加え、氷冷撹拌下1H-
1,2,4-トリアゾール442mg(6.4mmol)のDMF溶液
(1.5ml)を加えて室温で1時間撹拌した。その後マノ
ールH-1の517mg(1.28mmol)のDMF溶液(2ml)
を加え60℃で4時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで
抽出後、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥し
溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(15g、1.5cmID×21cm、展開溶媒:ヘキサ
ン/酢酸エチル=8/2)に付し、下記構造式で示される
トリアゾール体(マノールH-2)を250mg(収率41.3
%)得た。
【0058】
【化20】
【0059】次いで、マノールH-2の250mg(0.53
mmol)をメタノール2mlに溶解し、p-トルエンスルホン
酸ピリジニウム58mg(0.23mmol)を加え室温で24
時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで抽出後、飽和炭酸
水素ナトリウム、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウム
で乾燥し溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(10g、1.5cmID×13cm、展開溶
媒:クロロホルム/メタノール=100/0〜94/6)及
び逆相カラムクロマトグラフィー(コスモシール75C18-O
PN 50cc、2cmID×17cm、展開溶媒:60〜85%
メタノール)に付し、下記構造式で示される化合物(以下
マノールHという)62.5mg(収率30.5%)を得た。
その特性は下記のとおりである。 Rf値:シリカゲル薄層クロマトグラフィー:0.58
[シリカゲル60F254(メルク)、展開溶媒:クロロホル
ム/メタノール=9/1]、0.65[RP−18F25 4s(メ
ルク)、展開溶媒:メタノール] 呈色反応:アニスアルデヒド試薬陽性(紫色) 融点:53℃ IR スペクトル(νmax,cm-1):3421, 2936, 2366, 1717,
1647, 1513, 1460, 1388, 1367, 1276, 1205, 1139, 10
801 H-NMRスペクトル(400MHz,CDCl3,ppm): 0.80(3H,s,20-C
H3), 0.83(3H,s,18-CH3), 0.90(3H,s,19-CH3), 1.16(3
H,s,16-CH3), 2.53(1H,t,J=4.88,17-CH2), 2.84(1H,d J
=3.42,1.17-CH2), 3.09(1H,OH), 3.73(1H,m,14-CH), 4.
10(1H,m,15-CH2),4.24(1H,OH), 4.41, 4.46(1H,d J=14.
16,15-CH2), 7.86(1H,トリアソ゛ール), 8.14(1H,トリアソ゛ール)
【0060】
【化21】
【0061】○ 化合物の特性測定 調製された各化合物の殺細胞活性測定の結果を表4に示
す。
【0062】
【表4】
【0063】実施例5 ○ 化合物の調製 ALB003、007、008の調製 マリア・リアピス等の方法(J. Chem. Soc. Perkin Tran
s 1, 815-817(1985))に従い、リナロールを原料として
下記構造式で示される3種の化合物(以下ALB003(化
23)、ALB007(化24)、ALB008(化25)という)
を合成した。その構造は以下の1H-NMR(400MHz,CDCl3,pp
m)スペクトルデータより確認した。 ALB003 4.83(1H,d,J=1.5Hz,vinylic CH), 4.66(1H,d.J=1.5Hz,v
inylic CH), 3.65(3H,s,COOMe), 2.80(1H,s,CH-COO),
2.42(1H,ddd,J=2.0,4.0,13.7Hz,allylic CH), 2.06(1H,
m,allylic CH), 1.73-1.35(7H,m), 1.19(2H,m), 1.06(3
H,s,Me), 0.88(3H,s,Me), 0.81(3H,s,Me) ALB007 7.96(1H,d,J=1.0Hz,-O-CO-H), 5.27(1H,dt,J=5.4,11.2H
z,CH-O-CO), 3.66(3H,s,-COOMe), 2.33(1H,d,J=11.2,CH
COO), 2.29(1H,m), 1.74(1H,m), 1.56-1.15(7H,m), 0.9
8(2H,m), 1.03(3H,s,Me), 0.89(3H,s,Me), 0.83(3H,s,M
e) ALB008 4.05(1H,m,CH-O-CO), 3.69(3H,s,-COOMe), 2.15(1H,m,c
yclic CH), 2.08(1H,d,J=10.8Hz,CHCOO), 1.84(1H,m,cy
clic CH), 1.74(1H,m,cyclic CH), 1.56-1.15(6H,m),
0.97(3H,s,Me), 0.95(2H,m), 0.89(3H,s,Me), 0.82(3H,
s,Me)
【0064】
【化22】
【0065】
【化23】
【0066】
【化24】
【0067】ALB004、005、015の調製 マリア・リアピス等の方法(J. Chem. Soc. Perkin Tran
s 1, 815-817(1985))に従い、ALB003を原料として下
記構造式で示される3種の化合物(以下ALB004(化2
6)、ALB005(化27)、ALB015(28)という)を合
成した。その構造は以下の1H-NMR(400MHz)スペクトルデ
ータより確認した。 ALB004 (DMSO-d6,ppm): 4.80(1H,s,vinylic CH), 4.66(1H,s,vi
nylic CH), 2.67(1H,s,CH-COO), 2.35(1H,m,cyclic C
H), 2.02(1H,m,cyclic CH), 1.7-1.05(9H,m,cyclic C
H), 0.97(3H,s,Me), 0.86(3H,s,Me), 0.80(3H,s,Me) ALB005 (CDCl3,ppm): 4.94(1H,d,J=1.0Hz,vinyl), 4.64(1H,d,J
=1.0Hz,vinyl), 3.82(2H,m,CH2-O), 2.44(1H,m,allylic
CH), 1.99(1H,m,cyclic CH), 1.96(1H,m,cyclic CH),
1.77-1.11(9H,m,cyclic CH), 0.88(3H,s,Me), 0.81(3H,
s,Me), 0.72(3H,s,Me) ALB015 (CDCl3,ppm): 4.90(1H,brs,vinyl), 4.75(1H,brs,viny
l), 3.93-3.50(2H,m,CH2-O), 2.37-1.20(12H,m,cyclic
CH), 0.97(3H,s,Me), 0.89(3H,s,Me), 0.83(3H,s,Me)
【0068】
【化25】
【0069】
【化26】
【0070】
【化27】
【0071】ALB009、010の調製 ALB003の15gとヨウ化リチウム48.1gに無水DM
F120mlを加えた懸濁溶液を、窒素気流下で4時間加
熱環流した。反応溶液をクロロホルムと希塩酸水溶液に
移して分液し、クロロホルム層を無水硫酸ナトリウムで
乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。残査をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:クロロホルム
=6:4〜0:10)にかけ、8位にメチル基、9位に
カルボキシル基を有し7位と8位が2重結合で結合され
ているヒドロナフタレン(以下ALB009という)3.4g
と、その異性体で8位と9位が2重結合で結合されてい
るヒドロナフタレン(以下ALB010という)6.2gを得
た。ALB009の1H-NMR(400MHz)とALB009、ALB01
0の13C-NMR(100MHz)のスペクトルデータは以下のとおり
である。 ALB009 (CDCl3,DMSO-d6,ppm): 11.8(1H,br,COOH), 5.49(1H,br
s,vinylic CH), 2.78(1H,brs,CH-COO), 2.03-1.16(9H,
m,cyclic CH), 1.62(3H,s,allylic Me), 0.94(3H,s,M
e), 0.91(3H,s,Me), 0.87(3H,s,Me) (CDCl3,DMSO-d6,ppm): 172.3, 127.9, 121.7, 60.1, 4
7.4, 40.2, 37.8, 33.9,31.5, 31.1, 21.7, 20.2, 19.
7, 16.8, 13.0 ALB010 (CDCl3,ppm): 178.7, 138.0, 128.9, 77.3, 49.4, 41.
7, 36.1, 33.2, 31.7, 22.0, 21.3, 21.0, 18.8, 18.7,
18.5
【0072】ALB011の調製 ALB009の1gを無水THFに溶解し、Red-Al(65wt
% in toluene)5.2mlを滴下し、室温で15時間撹拌
した。反応溶液を酢酸エチルと2N塩酸で分液し、有機
層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。乾燥後濾過し、ろ液を濃縮し、残査をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=8
5:15〜80:20)にかけ、8位にメチル基、9位
にヒドロキシメチル基を有し7位と8位が2重結合で結
合されているヒドロナフタレン(以下ALB011という)
590mg(63%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクト
ルデータは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 5.54(1H,t,J=1.95Hz,vinyl CH), 3.86(1
H,dd,J=2.9,11.2Hz,CH-O), 3.74(1H,dd,J=4.9,11.2Hz,C
H-O), 1.98-1.03(10H,m,cyclic CH), 1.79(3H,s,allyli
c Me), 0.89(3H,s,Me), 0.87(6H,s,2Me)
【0073】ALB013の調製 ALB005の2.3gと無水フタル酸1.69gをピリジン
20mlに溶解し、室温で15時間撹拌した。反応溶液に
水5mlを加えた後、ピリジンを減圧下留去し、残査を酢
酸エチルと2N塩酸で分液した。有機層を飽和食塩水で
洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後濾過
し、ろ液を減圧下留去し、得られた白色固体を少量の酢
酸エチルで洗浄し、固体を乾燥して、下記構造式で示さ
れる化合物(以下ALB013という)3.1g(収率82%)
を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下の
とおりである。 (DMSO-d6,ppm): 13.1(1H,br,COOH), 7.76-7.54(4H,m,ar
omatic CH), 4.84(1H,s,vinylic CH), 4.60(1H,s,vinyl
ic CH), 4.50(1H,dd,J=3.9,11.2Hz,CH-O), 4.31(1H,dd,
J=8.3,11.2Hz,CH-O), 2.4-1.1(12H,m,cyclic CH), 0.87
(3H,s,Me), 0.80(3H,s,Me), 0.75(3H,s,Me)
【0074】
【化28】
【0075】ALB014の調製 ALB007の10g(THF40ml溶液)を、氷浴中で冷却
しているリチウムアルミニウムヒドリド1.75gとTH
F20mlの懸濁溶液中に滴下した。滴下終了後、氷浴を
除き、室温で2時間撹拌した。反応溶液を2N塩酸と酢
酸エチルの混合溶液に移し、激しく撹拌した後分液し
た。有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムを加えて乾燥した。先の水層は酢酸エチルでさらに
2回抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した
後、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。乾燥後濾過
し、ろ液を合わせ、溶媒を減圧下留去し、反応混合物を
7.8g得た。酢酸エチルより再結晶精製し、8位にヒド
ロキシ基、9位にヒドロキシメチル基を有するヒドロナ
フタレン(以下ALB014という)6.4g(80%)を得
た。化合物の構造は1H-NMR(400MHz)スペクトルデータを
測定し、以下のデータを文献値(Brian J. Lavey等、J.
Org. Chem. 59, 5492-5495(1994))と比較して確認し
た。 (CDCl3,ppm): 4.03(1H,d,J=3.91Hz,OH), 4.00(1H,m,CH-
O), 3.53(2H,m,CH2-O),1.83(1H,m,cyclic CH), 1.69(1
H,m,cyclic CH), 1.6-0.85(10H,m,cyclic CH),0.93(3H,
s,Me), 0.84(3H,s,Me), 0.81(3H,s,Me)
【0076】ALB018の調製 ALB008を600mg、無水安息香酸590mg、及びN,N
-ジメチルアミノピリジン(以下DMAPと略す)29mg
をピリジン12mlに溶解し、室温で4日間撹拌した。反
応溶液に少量の水を加えた後、ピリジンを減圧下留去し
て、残査を酢酸エチルと1N塩酸で分液した。有機層を
炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄した
後、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。乾燥後濾過
し、ろ液を減圧下濃縮し、残渣900mgを得た。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢
酸エチル=95:5〜90:10)にかけ、8位にベン
ゾイルオキシ基、9位にメトキシカルボニル基を有する
ヒドロナフタレン(以下ALB018という)700mg(83
%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以
下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 7.95(2H,m,aromatic CH), 7.51(1H,m,aro
matic CH), 7.40(2H,m,aromatic CH), 5.40(1H,m,CH-O-
CO), 3.59(3H,s,COOMe), 2.48(1H,d,J=11.2Hz,CH-COO),
2.42(1H,m,cyclic CH), 1.8-1.0(10H,m,cyclic CH),
1.10(3H,s,Me), 0.91(3H,s,Me), 0.86(3H,s,Me)
【0077】ALB019の調製 窒素雰囲気下ALB008の4.06gを脱水THF50ml
で溶解し氷浴中で撹拌した。さらに60%NaH712m
gを添加し20分間撹拌した後、室温に戻して1時間撹
拌した。その後ヨウ化メチル1.25mlを添加して、さ
らに14時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチルを加えて
希釈し、この有機層を2N塩酸で一回洗浄し、さらに飽
和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾
燥した。乾燥後濾過し、濃縮したのちシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=90:
10)にかけ、8位にメトキシ基、9位にメトキシカル
ボニル基を有するヒドロナフタレン(以下ALB019とい
う)4.07g(95%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペ
クトルデータは以下のとおりである。(CDCl3,ppm): 3.6
6(3H,s), 3.51-3.58(1H,td), 3.30(3H,s), 2.27-2.31(1
H,m),2.09(1H,d), 1.10-1.73(10H,m), 1.02(3H,s), 0.8
8(3H,s), 0.82(3H,s)
【0078】ALB020の調製 ALB008をSwern酸化した時、8位にメチルチオメチル
オキシ基、9位にメトキシカルボニル基を有するヒドロ
ナフタレン(以下ALB020という)も得た。その1H-NMR
(400MHz)スペクトルデータは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 4.63(1H,d,J=11.2Hz,O-CH-S), 4.59(1H,
d,J=11.2Hz,O-CH-S), 3.99(1H,dt,J=5.4,11.2Hz,CH-O),
3.65(3H,s,COOMe), 2.30(1H,m,cyclic CH), 2.18(1H,
d,J=11.2Hz,CH-COO), 2.10(3H,s,S-Me), 1.72(1H,m,cyc
lic CH), 1.69-1.13(10H,m,cyclic CH), 1.03(3H,s,M
e), 0.93(1H,m,cyclic CH), 0.88(3H,s,Me),0.82(3H,s,
Me)
【0079】ALB021の調製 ALB011の700mgを酢酸エチル15mlに溶解し、5
%パラジウムカーボン(Pd/C)20mgを加えた。反応容
器内を水素雰囲気にし、室温で7日間激しく撹拌した。
溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=85:15)にかけ、8
位にメチル基、9位にヒドロキシメチル基を有するヒド
ロナフタレン(以下ALB021という)507mg(72%)
を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下の
とおりである。 (DMSO-d6,ppm): 4.08(1H,dd,J=2.0,3.9Hz,OH), 3.59(1
H,m,CH-O), 3.32(1H,m,CH-O), 2.11(1H,m,cyclic CH),
1.66-1.12(10H,m,cyclic CH), 0.92(2H,m,cyclicCH),
0.89(3H,d,J=7.3Hz,Me), 0.83(3H,s,Me), 0.80(3H,s,M
e), 0.79(3H,s,Me)
【0080】ALB023の調製 窒素雰囲気下260mgのALB019をTHF10mlに溶
解し、氷浴中で撹拌した。それにLiAlH445mgを添
加し、15分間撹拌した。さらに室温で1時間撹拌した
後、反応溶液に酢酸エチルを加えて希釈し、これを2N
塩酸で一回洗浄し、さらに飽和食塩水で2回洗浄し、無
水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。乾燥後濾過し、濃
縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(N-ヘキサ
ン:酢酸エチル=80:20)にかけ、8位にメトキシ
基、9位にヒドロキシメチル基を有するヒドロナフタレ
ン(以下ALB023という)101mgを得た。その1H-NMR
(400MHz)スペクトルデータは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 3.78-3.81(2H,d), 3.60-3.63(1H,m), 3.4
0(3H,s), 2.26-231(1H,m), 0.95-1.79(11H,m), 0.88(3
H,s), 0.79(3H,s), 0.78(3H,s)
【0081】ALB024の調製 窒素雰囲気下400mgのALB019をDMF20mlに溶
解し撹拌し、それに1200mgのLiI、200μlのギ
酸を添加して145℃で4日間撹拌した。その後、反応
溶液に酢酸エチルを加えて希釈し、これを2N塩酸で一
回洗浄し、さらに飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムを加えて乾燥した。乾燥後濾過し、濃縮後シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エ
チル=70:30)にかけ、8位にメトキシ基、9位に
カルボキシル基を有するヒドロナフタレン(以下ALB0
24という)150mg(40%)を得た。その1H-NMR(400MH
z)スペクトルデータは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 3.50-3.57(1H,td), 3.33(3H,s), 2.28-23
3(1H,m), 2.11-2.14(1H,d), 1.12-1.74(11H,m), 1.04(3
H,s), 0.89(3H,s), 0.83(3H,s)
【0082】ALB082の調製 ALB014の230mgをDMF10mlに溶解し、150
μlのピリジンを添加し、これにフェニルイソシアネー
ト700μlを添加し、室温で1時間撹拌した。さらに
40℃で2時間撹拌した後、反応溶液に酢酸エチルを加
えて希釈し、これを飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸
ナトリウムを加えて乾燥した。乾燥後濾過し、ろ液を濃
縮し、残渣にヘキサンを添加し、不溶解物を除去した
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサ
ン:酢酸エチル=80:20)にかけ、下記構造式で示
される化合物(以下ALB082という)280mg(60%)
を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下の
とおりである。 (DMSO,ppm): 9.45(1H,s), 9.34(1H,s), 7.42(4H,d), 7.
21(4H,t), 6.93(2H,t),4.80-4.90(1H,m), 4.10-4.30(2
H,m), 2.22(1H,m), 1.05-1.85(11H,m), 0.96(3H,s), 0.
89(3H,s), 0.83(3H,s)
【0083】
【化29】
【0084】○ 化合物の特性測定 調製された各化合物の殺細胞活性測定の結果を表5に示
す。
【0085】
【表5】
【0086】実施例6 ○ 化合物の調製 ALB030の調製 スクラレオライド9gをp-ジオキサン300mlに懸濁
し、28%アンモニア水溶液200mlを加え、室温で3
日間撹拌した。溶媒を減圧下留去乾燥して、8位にメチ
ル基、ヒドロキシ基、9位にカルバモイルメチル基を有
するヒドロナフタレン(以下ALB030という)10.69
g得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下の
とおりである。 (DMSO-d6,ppm): 7.18(1H,brs,NH), 6.63(1H,brs,NH),
4.22(1H,s,OH), 2.25(1H,dd,J=3.41,15.6Hz,CH-CO), 2.
00(1H,dd,J=6.8,15.6Hz,CH-CO), 1.72(2H,m,cyclic C
H), 1.57-1.08(8H,m,cyclic CH), 0.95(3H,s,Me), 0.92
(2H,m,cyclic CH),0.84(3H,s,Me), 0.76(3H,s,Me), 0.7
5(3H,s,Me)
【0087】ALB031の調製 ALB030の5gをアセトニトリル80mlと水20mlの混
合溶媒に溶解し、ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード
ベンゼン8.8gを加えて、室温で15時間撹拌した。溶
媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=98:
2〜90:10)にかけ、8位にメチル基、ヒドロキシ
基、9位にアミノメチル基を有するヒドロナフタレン
(以下ALB031という)1.72gを得た。その1H-NMR(40
0MHz)スペクトルデータは以下のとおりであり、ニンヒ
ドリン呈色は陽性であった。 (CDCl3,ppm): 3.26(2H,m,CH2-N), 2.03(1H,m,cyclic C
H), 1.79-1.18(9H,m,cyclic CH), 1.40(3H,s,Me), 1.04
(2H,m,cyclic CH), 0.90(3H,s,Me), 0.87(3H,s,Me), 0.
82(3H,s,Me)
【0088】ALB073の調製 AT-1の254mgとピリジン100μlをTHF10ml
に添加し撹拌し、これにフェニルイソシアネート250
μlを添加し、室温で4時間撹拌した。その後、反応溶
液にクロロホルムを加えて希釈し、これを飽和食塩水で
2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。乾
燥後濾過し、ろ液を濃縮し、n-ヘキサンに溶解し、不溶
物を除去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(n-ヘキサン:酢酸エチル=70:30)で精製し、下
記構造式で示される化合物(以下ALB073という)29
5mg(80%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデ
ータは以下のとおりである。 (DMSO-d6,ppm): 9.48(1H,s,NH), 7.43-7.46(2H,d), 7.2
3-7.29(2H,t), 6.96-6.98(1H,d), 3.99-4.19(2H,m), 1.
04-1.80(14H,m), 1.03(3H,s), 0.85(3H,s), 0.77(3H,
s), 0.75(3H,s)
【0089】
【化30】
【0090】ALB074の調製 AT-1の254mgとピリジン100μlをTHF10ml
に添加し、これにフェニルイソシアネート800μlを
添加し、50℃で14時間攪拌した。その後、反応溶液
にクロロホルムを加えて希釈し、これを飽和食塩水で2
回洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。乾燥
後濾過し、ろ液を濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=90:10)
で精製し、下記構造式で示される化合物(以下ALB074
という)400mg(85%)を得た。その1H-NMR(400MHz)
スペクトルデータは以下のとおりである。 (DMSO-d6,ppm): 9.54(1H,s,NH), 9.04(1H,s,NH), 7.45
(4H,d), 7.25(4H,t), 6.96(2H,m), 4.05-4.25(2H,m),
0.95-1.95(17H,m), 0.87(3H,s), 0.83(3H,s), 0.79(3H,
s)
【0091】
【化31】
【0092】ALB075の調製 AT-1の256mgをDMF5mlに溶解し、ピリジン10
0μlを添加し、これにシクロヘキシルイソシアネート
250μlを添加し、室温で15時間撹拌した。その
後、反応溶液にクロロホルムを加えて希釈し、これを2
N塩酸で1回、さらに飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫
酸ナトリウムを加えて乾燥した。乾燥後濾過し、ろ液を
濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n
-ヘキサン:酢酸エチル=90:10〜70:30)で精
製し、下記構造式で示される化合物(以下ALB075とい
う)245mg(65%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペ
クトルデータは以下のとおりである。 (DMSO-d6,ppm): 6.83(2H,d,NH), 3.80-4.10(3H,m), 1.0
2-1.80(20H,m), 1.01(3H,s), 0.84(6H,s), 0.76(3H,s),
0.72(3H,s)
【0093】
【化32】
【0094】ALB076の調製 AT-1の256mg、ピリジン100μlをDMF5mlに
添加して撹拌し、これにα,α,α-トリフルオロトリル
イソシアネート200μlを添加し、室温で14時間撹
拌した。その後、反応溶液にクロロホルムを加えて希釈
し、これを2N塩酸で1回、さらに飽和食塩水で2回洗
浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。乾燥後濾
過し、ろ液を濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=90:10〜7
0:30)で精製し、下記構造式で示される化合物(以下
ALB076という)210mg(48%)を得た。その1H-NMR
(400MHz)スペクトルデータは以下のとおりである。 (DMSO-d6,ppm): 7.55-7.70(4H,q), 3.00-4.25(2H,m),
1.05-1.80(15H,m), 1.04(3H,s), 0.84(3H,s), 0.77(3H,
s), 0.75(3H,s)
【0095】
【化33】
【0096】ALB084の調製 NaH(60% in oil)6.28gのTHF40mlの懸濁溶
液を氷冷し、20gのAT-1を含む脱水THF100ml
溶液を滴下し、室温で1時間撹拌した。その後、ベンジ
ルブロミド18.7mlを一気に加え、さらに室温で1時
間撹拌した。反応溶液を酢酸エチルと2N塩酸で分液
し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。水層は酢酸エチルで再抽出し、有機層
を飽和食塩水で洗浄後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
乾燥後濾過し、ろ液を濃縮し、残査をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=9:1
〜8:2)にかけ、反応生成物(28.3g、Rf=0.5(シ
リカゲル薄層クロマトグラフィー、n-ヘキサン:酢酸エ
チル=8:2)を得た。反応生成物15gをピリジン50
mlに溶解し、氷冷し、メシルクロリド6.74mlを加え
た後、氷浴を除き、室温で15時間撹拌した。少量の水
を加えた後、ピリジンを留去し、残査を酢酸エチルと2
N塩酸で分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。水層は酢酸エチルで再抽
出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。乾燥後濾過し、ろ液を濃縮し、残査をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エ
チル=95:5)にかけ、下記構造式で示される化合物
(以下ALB084という)6.12g(43%)を得た。Rfは
0.68(シリカゲル薄層クロマトグラフィー、n-ヘキサ
ン:酢酸エチル=9:1)であった。
【0097】
【化34】
【0098】ALB085の調製 ALB084の4gを四塩化炭素40ml、アセトニトリル4
0mlと水60mlの混合液に懸濁し、過ヨウ素酸ナトリウ
ム21gと三塩化ルテニウム150mgを加えて、室温で
15時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチルと水で分液
し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。水層は酢酸エチルで再抽出し、有機層を飽
和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾
燥後濾過し、ろ液を濃縮し、残査をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=9:1)に
かけ、下記構造式で示される化合物(以下ALB085とい
う)1.38g(39%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペ
クトルデータは以下のとおりであり、Rfは0.27(シ
リカゲル薄層クロマトグラフィー、n-ヘキサン:酢酸エ
チル=9:1)であった。 (CDCl3,ppm): 7.31(5H,m,Ph), 4.49(1H,d,J=12.21Hz,CH
-Ph), 4.41(1H,d,J=12.21Hz,CH-Ph), 3.52(1H,m,CH-O),
3.28(1H,m,CH-O), 2.40(1H,m,7-CH), 2.26(2H,m,7-CH
and 9-CH), 2.0(2H,m,cyclic CH and CH-CH2-O), 1.8-
1.4(7H,m,cyclicCH and CH-CH2-O), 1.3-1.1(2H,m,cycl
ic CH), 0.96(3H,s,Me), 0.85(3H,s,Me),0.72(3H,s,Me)
【0099】
【化35】
【0100】ALB086の調製 6gのALB084を脱水クロロホルム70mlに溶解し、こ
れにm-クロロ過安息香酸5.4gを3回に分けて加え、室
温で2時間撹拌した。クロロホルムを加えて反応溶液を
希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液で3回、飽和食塩水
で1回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後
濾過し、ろ液を濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィ(n-ヘキサン:酢酸エチル=95:5〜9
0:10)にかけ、下記構造式で示される化合物(以下A
LB086という)3.37g(70%)を得た。Rfは0.5
(シリカゲル薄層クロマトグラフィー、n-ヘキサン:酢
酸エチル=9:1)であった。
【0101】
【化36】
【0102】ALB067の調製 2gのALB086をTHF10mlに溶解し、70%過塩
素酸ナトリウム水溶液2mlを加えて室温で15時間撹拌
した。反応溶液を酢酸エチルと水で分液し、有機層を飽
和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。水層は酢酸エチルで再抽出し、有機層を飽和食塩水
で洗浄後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後濾過
し、ろ液を濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=9:1〜7:3)に
かけ、8位にヒドロキシメチル基、ヒドロキシ基、9位
にヒドロキシエチル基を有するヒドロナフタレン(以下
ALB067という)341mg(22%)とそのベンジルエー
テル体227mg(11%)を得た。ALB067の1H-NMR(40
0MHz)スペクトルデータは以下のとおりであり、Rfは
0.15(シリカゲル薄層クロマトグラフィー、n-ヘキサ
ン:酢酸エチル=8:2)であった。 (DMSO-d6): 4.60(1H,t,J=5.9Hz,-OH), 4.44(1H,s,-OH),
3.65(1H,m,CH-O), 3.56(1H,dd,J=8.3,16.1Hz,CH-O),
3.10(1H,dd,J=5.9,10.7Hz,CH-O), 2.87(1H,dd,J=5.9,1
0.7Hz,CH-O), 1.93(1H,m,CH-CH2-O), 1.79-1.05(11H,m,
cyclic CH and CH-CH2-O), 0.89-0.75(2H,m,cyclic C
H), 0.87(3H,s,Me), 0.85(3H,s,Me), 0.84(3H,s,Me)
【0103】ALB068の調製 326mgのALB086をTHF4mlに溶解し、70%過
塩素酸ナトリウム水溶液0.4mlを加えて室温で15時
間撹拌した。反応溶液を酢酸エチルと水で分液し、有機
層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。水層は酢酸エチルで再抽出し、有機層を飽和食
塩水で洗浄後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後濾
過し、ろ液を濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=9:1〜8:2)
にかけ、8位にメチル基、ヒドロキシ基、9位にヒドロ
キシエチル基、ヒドロキシ基を有するヒドロナフタレン
(以下ALB068という)179mgを得た。その1H-NMR(40
0MHz)スペクトルデータは以下のとおりであり、Rfは
0.3(シリカゲル薄層クロマトグラフィー、n-ヘキサ
ン:酢酸エチル=8:2)であった。 (DMSO-d6): 4.47(1H,s,-OH), 3.73(1H,m,CH-O), 3.45(1
H,m,CH-O), 2.01(1H,m,CH-CH2-O), 1.81-1.05(12H,m,cy
clic CH and CH-CH2-O), 1.02(6H,s,Me*2), 0.85(3H,s,
Me), 0.82(3H,s,Me)
【0104】ALB071の調製 ALB086の500mg、1,2,4-トリアゾール503mgと
ポタシウムt-ブトキシド817mgを脱水DMF15mlで
懸濁し、加熱環流を15時間した。反応溶液を酢酸エチ
ルと塩化アンモニウム水溶液で分液し、有機層を飽和食
塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。水
層を酢酸エチルでさらに2回抽出し、有機層を飽和食塩
水で洗浄後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後濾過
し、ろ液を濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=7:3〜5:5、
クロロホルム:メタノール=7:3)にかけ、反応生成
物606mgを得た。Rfは0.23(シリカゲル薄層クロ
マトグラフィー、n-ヘキサン:酢酸エチル=6:4)で
あった。上記反応生成物600mgの脱水クロロホルム2
0ml溶液を−70℃に冷却し、1M三塩化ホウ素/ジクロ
ロメタン1.6mlを加え、0℃で2時間撹拌した。反応
溶液をクロロホルムと炭酸水素ナトリウム水溶液で分液
し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。水層はクロロホルムで再抽出し、有機層を
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後濾過し、ろ液を
濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロ
ホルム:メタノール=98:2〜9:1)にかけ、8位
に1-トリアゾリルメチル基、ヒドロキシ基、9位にヒド
ロキシエチル基を有するヒドロナフタレン(以下ALB0
71という)212mg(45%)を得た。その1H-NMR(400MH
z)スペクトルデータは以下のとおりであり、Rfは0.3
8(シリカゲル薄層クロマトグラフィー、クロロホル
ム:メタノール=9:1)であった。 (DMSO-d6): 8.32(1H,s,CH of triazole), 7.88(1H,s,CH
of triazole), 4.29(1H,d,J=14.2Hz,CH-N), 4.15(1H,
d,J=14.2Hz,CH-N), 3.44(2H,m,CH2-O), 1.76-1.3(9H,m,
cyclic CH and 9-CH2), 1.15-0.8(5H,m,cyclic CH), 0.
86(3H,s,Me), 0.85(3H,s,Me), 0.80(3H,s,Me)
【0105】ALB087の調製 文献(Helvetica Chimica Acta, Vol.73, 1935-1947(19
90))の方法により得られる4,4-ジメチル-8-エポキシ-9
-ヒドロキシエチル基を導入したデカヒドロナフタレン
化合物294mgをモルホリン5mlに溶解し、過塩素酸リ
チウム212mgを添加して140℃で8時間撹拌した。
溶媒を減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(クロロホルム:メタノール=90:10)で
精製し下記構造式で示される化合物(以下ALB087とい
う)250mgを得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデ
ータは以下のとおりである。 (DMSO-d6,ppm): 3.58(4H,t), 3.54(2H,t), 2.40-2.60(4
H,m), 2.00-2.28(2H,m), 1.00-1.8(14H,m), 0.84(3H,s)
, 0.77(3H,s), 0.73(3H,s)
【0106】
【化37】
【0107】○ 化合物の特性測定 調製された各化合物の殺細胞活性測定の結果を表6に示
す。
【0108】
【表6】
【0109】実施例7 ○ 化合物の調製 ALB035の調製 ALB014の5gとイミダゾール3.31gの脱水クロロホ
ルム150ml溶液を、氷浴で冷却し、t-ブチルジメチル
シリルクロリド3.5gを加えた後、室温で15時間撹拌
した。反応溶液をクロロホルムと2N塩酸で分液し、有
機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。乾燥後濾過し、ろ液を濃縮し、残査をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=
95:5から90:10)にかけ、反応生成物を得た。
上記反応生成物を原料にして、Swern酸化を行い、得ら
れた反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(n-ヘキサン:酢酸エチル=98:2〜95:5)にか
け、下記構造式で示される化合物(以下ALB035とい
う)4.2g(75%)を得た。Rfは0.41(シリカゲル薄
層クロマトグラフィー、n-ヘキサン:酢酸エチル=9
5:5)であった。
【0110】
【化38】
【0111】ALB044の調製 窒素気流下2gのALB035を脱水ジエチルエーテル25
mlに溶解し、−20℃に冷却した。1.6Mのn-ブチルリ
チウム5.6mlをこれにゆっくり滴下し、0℃で2時間
撹拌した。反応溶液を酢酸エチルと2N塩酸で分液し、
有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。乾燥後濾過し、ろ液を濃縮し、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=9
8:2)にかけ、反応生成物2.1gを得た。この反応生
成物の脱水THF15ml溶液を氷浴で冷却し、1Mテト
ラブチルアンモニウムフロリド/THF溶液8mlを加え
た後、室温で15時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、
残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサ
ン:酢酸エチル=80:20〜75:25)にかけ、8
位にn-ブチル基、ヒドロキシ基、9位にヒドロキシメチ
ル基を有するヒドロナフタレン(以下ALB044という)
900mg(54%)を得た。その1H-NMR(400MHz)及び13C-
NMR(100MHz)スペクトルデータは以下のとおりである。 (DMSO-d6,ppm): 4.99(1H,t,J=4.4Hz,OH), 3.98(1H,s,O
H), 3.74(1H,m,CH-O), 3.60(1H,m,CH-O), 1.80(1H,m,cy
clic CH), 1.6-1.05(14H,m,cyclic CH), 1.02(3H,s,M
e), 0.90-0.72(6H,m,Me and cyclic CH), 0.84(3H,s,M
e), 0.80(3H,s,Me) (DMSO-d6,ppm): 79.15, 73.64, 57.66, 57.09, 55.17,
42.46, 41.64, 38.07,37.73, 33.48, 32.95, 25.95, 2
3.08, 21.65, 18.01, 17.90, 16.34, 14.12
【0112】ALB045の調製 窒素気流下7gのALB035を脱水THF40ml溶液に入
れ、氷浴で冷却し、これに1Mテトラブチルアンモニウ
ムフロリド/THF溶液31mlを加え、室温で15時間
撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残査をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=8:
2〜7:3)にかけ、8位にカルボニル基、9位にヒド
ロキシメチル基を有するヒドロナフタレン(以下ALB0
45という)3.45g(74%)を得た。その1H-NMR(400MH
z)スペクトルデータは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 3.96(1H,dd,J=9.3,11.2Hz,CH-O), 3.60(1
H,br,CH-O), 2.46(1H,ddd,J=2.0,4.9,14.2Hz,CH-CO),
2.31(2H,m,CH-CO and CH-CO), 2.03(1H,m,cyclicCH),
1.73-1.23(8H,m,cyclic CH), 0.97(3H,s,Me), 0.86(3H,
s,Me), 0.80(3H,s,Me)
【0113】ALB042の調製 窒素雰囲気下380mgのALB008を脱水THF20ml
に溶解し氷浴で撹拌し、そこにNaH66mgを添加し、
20分間撹拌した。さらに室温で1時間撹拌した後、ベ
ンジルブロマイド300mgを加え、撹拌した。反応溶液
に酢酸エチルを加えて希釈し、この有機層を2N塩酸で
1回、飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムを
加えて乾燥した。乾燥した後、濾過し、ろ液を濃縮しシ
リカゲルカラムクロマトグラフィ(n-ヘキサン:酢酸エ
チル=90:10)にかけ、8位にベンジルオキシ基、
9位にメトキシカルボニル基を有するヒドロナフタレン
(以下ALB042という)500mg(97%)を得た。
【0114】ALB046の調製 ALB008の4.9gとDMAP7.54gの脱水アセトニ
トリル50ml溶液に、フェニルクロロチオノフォーメー
ト4mlの脱水アセトニトリル30ml溶液をゆっくり滴下
し、40℃に加温しながら15時間撹拌した。反応溶液
を酢酸エチルと塩化アンモニウム水溶液で分液し、有機
層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。乾燥後濾過し、ろ液を濃縮し、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=85:1
5)にかけ、下記構造式で示される化合物(以下ALB04
6という) を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデー
タは以下のとおりであり、Rfは0.57(シリカゲル薄
層クロマトグラフィー、n-ヘキサン:酢酸エチル=8:
2)である。 (CDCl3,ppm): 7.39(2H,m,aromatic CH), 7.26(1H,m,aro
matic CH), 7.05(2H,m,aromatic CH), 5.62(1H,dt,J=5.
4,11.2Hz,CH-O), 3.70(3H,s,COOMe), 2.58(1H,m,cyclic
CH), 2.47(1H,d,J=11.2Hz,CH-COO), 1.78(1H,m,cyclic
CH), 1.60-1.20(8H,m,cyclic CH), 1.07(3H,s,Me), 1.
02(1H,m,cyclic CH), 0.91(3H,s,Me), 0.84(3H,s,Me)
【0115】
【化39】
【0116】ALB049の調製 窒素雰囲気下2gのALB008を脱水THF40mlに溶解
し氷浴で冷却し、そこにNaH355mgを添加し、15
分間撹拌した。さらに室温で30分撹拌した後、ヨウ化
アリ1.1gを添加して2時間撹拌した。反応溶液に酢酸
エチルを加えて希釈し、この有機層を2N塩酸で1回洗
浄、さらに飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムを加えて乾燥した。乾燥後濾過し、ろ液を濃縮したの
ち、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサ
ン:酢酸エチル=90:10)にかけ、8位にアリルオ
キシ基、9位にメトキシカルボニル基を有する下記構造
式で示されるヒドロナフタレン(以下ALB049という)
2.0g(97%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトル
データは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 5.8-5.9(1H,m), 5.08-5.22(2H,dd), 3.88
-4.08(2H,m), 3.69-3.73(1H,m), 3.66(3H,s), 2.21-2.2
6(1H,m), 2.15(1H,d), 1.14-1.72(10H,m), 1.02(3H,s),
0.88(3H,s), 0.82(3H,s)
【0117】
【化40】
【0118】ALB050の調製 ALB049の300mgを脱水クロロホルム10mlに溶解
し撹拌した。そこにパラジウムカーボン50mgを添加
し、水素雰囲気下、3日間室温で撹拌した。この反応溶
液にクロロホルムを加えて希釈し、この有機層を飽和食
塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し
た。乾燥後濾過し、ろ液を濃縮し、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=90:1
0)にかけ、8位にプロピルオキシ基、9位にメトキシ
カルボニル基を有する下記構造式で示されるヒドロナフ
タレン(以下ALB050という)235mg(78%)を得
た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下のとお
りである。 (CDCl3,ppm): 3.65(3H,s), 3.54-3.63(1H,m), 3.20-3.5
4(2H,m), 2.1-2.26(2H,m), 1.12-1.71(12H,m), 1.02(3
H,s), 0.87(3H,t), 0.85(3H,s), 0.82(3H,s)
【0119】
【化41】
【0120】ALB051の調製 ALB008の1.25g及びDMAP73mgをピリジン2
0mlに加え、室温で撹拌した。コハク酸無水物780mg
を添加した後、2時間撹拌した。反応溶液を半量程度ま
で濃縮した後、酢酸エチルを加えて希釈し、これを2N
塩酸で1回、さらに飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸
ナトリウムを加えて乾燥した。乾燥後濾過し、ろ液を濃
縮し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ク
ロロホルム:メタノール=80:20)にかけ、下記構
造式で示される化合物(以下ALB051という)1.05g
を得た(60%)。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータ
は以下のとおりである。 (DMSO-d6,ppm): 4.95-5.05(1H,td), 3.57(3H,s), 2.39
(4H,s), 2.25-2.30(1H,d), 0.98-1.70(10H,m), 2.00-2.
15(1H,m), 0.95(3H,s), 0.86(3H,s), 0.79(3H,s)
【0121】
【化42】
【0122】ALB054の調製 ALB005の2.00g(8.99mmol)を塩化メチレン20
0mlに溶解し、炭酸水素ナトリウム1.21g(14.4mm
ol)を加え、窒素雰囲気下−78℃に冷却した。反応液
に70%mCPBA3.32g(13.5mmol)を加え、室温
まで昇温しながら一晩撹拌した。反応液に0.5M硫酸第
二鉄200mlを加え、エーテルで2回抽出した。得られ
た有機層を合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1
回、飽和食塩水で1回洗浄した。有機層を無水硫酸ナト
リウムで乾燥後濾過し、減圧下溶媒留去し、得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(16%酢酸
エチル/ヘキサン)で精製し、下記構造式で示される油状
化合物(以下ALB054という)1.44g(収率:67%)
得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下のと
おりである。 (CDCl3,ppm): 3.64(1H,ddd,J=11.2,10.8,2.9Hz), 3.41
(1H,dd,J=11.2,10.8Hz),3.22(1H,dd,J=3.4,2.0Hz), 3.1
2(1H,d,J=10.8Hz), 2.72(1H,d,J=3.4Hz), 2.01-1.82(3
H,m), 1.70-1.39(6H,m), 1.21(2H,dt,J=12.7,4.4Hz),
1.08(1H,dd,J=12.7,2.9Hz), 0.91(3H,s), 0.85(3H,s),
0.84(3H,s)
【0123】
【化43】
【0124】ALB055の調製 水素化アルミニウムリチウム477mg(12.6mmol)を
窒素雰囲気下THF30mlに懸濁し、ALB054の50
0mg(2.10mmol)のTHF溶液15mlを氷冷下加え、
室温で2時間撹拌した。反応液を氷冷後、2N塩酸を加
えた後、酢酸エチルを加え飽和食塩水で3回洗浄し、こ
の有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後濾過し、減圧下
溶媒留去した。得られた残渣をヘキサン−酢酸エチルよ
り再結晶し、下記構造式で示される無色針状晶の化合物
(以下ALB055という)415mg(収率:84%)を得
た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下のとお
りである。 (CDCl3,ppm): 3.92(2H,d,J=6.8Hz), 3.33(1H,brs), 2.8
6(1H,brs), 1.89(1H,dt,J=3.4,12.2Hz), 1.76-1.07(10
H,m), 1.35(3H,s), 0.97(1H,dd,J=12.2,2.0Hz),0.88(3
H,s), 0.79(6H,s)
【0125】
【化44】
【0126】ALB056の調製 ALB008の500mgとイソプロピルイソシアネート1
90mgを脱水THF10mlに添加して撹拌し、さらにト
リエチルアミン500μlを添加して室温で1時間撹拌
し、その後、40℃で4時間撹拌した。反応溶液にクロ
ロホルムを加えて希釈し、この有機層を2N塩酸で1
回、さらに飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムを加えて乾燥した。乾燥後濾過し、ろ液を濃縮し、残
査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサ
ン:酢酸エチル=80:20)にかけ、下記構造式で示
される化合物(以下ALB056という)250mg(38%)
を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下の
とおりである。 (CDCl3,ppm): 4.98-5.07(1H,m), 3.73-3.79(1H,m), 3.6
5(3H,s), 3.49(1H,d),2.19-2.33(2H,m), 1.13-1.71(13
H,m), 1.12(3H,s), 1.10(3H,s), 0.88(3H,s), 0.83(3H,
s)
【0127】
【化45】
【0128】ALB058の調製 ALB049の750mgを脱水クロロホルム50mlに溶解
し撹拌しながら85%mCPBA1.2gを少しずつ添加
し、3日間撹拌した。反応溶液を濃縮し、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=8
0:20)で精製し、8位に2,3-エポキシプロピルオキ
シ基、9位にメトキシカルボニル基を有するヒドロナフ
タレン(以下ALB058という)386mg(49%)を得
た。
【0129】ALB059の調製 ALB054の480mg(2.01mmol)をDMF10mlに溶
解し、アジ化ナトリウム653mg(10.0mmol)を加え
120℃で20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し
た後、これにエーテルを加え、飽和食塩水で3回洗浄し
た。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後濾過し、減圧
下溶媒留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(16%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、
8位にアジドメチル基、ヒドロキシ基、9位にヒドロキ
シメチル基を有するヒドロナフタレン(以下ALB059と
いう)を黄色固体として254mg(収率:45%)得た。
その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下のとおりで
ある。(CDCl3,ppm): 3.94(2H,d,J=7.8Hz), 3.68(1H,dd,
J=12.2,2.0Hz), 3.54(1H,d,J=12.2), 3.45(1H,brs), 30
5(1H,brs), 2.20(1H,dt,J=12.7,2.9Hz), 1.78-0.99(11
H,m), 0.89(3H,s), 0.79(6H,s)
【0130】ALB060の調製 窒素雰囲気下、105mgのN-t-Boc-フェニルアラニンを
トルエンに溶解し、氷浴中で撹拌しながら、トリエチル
アミン50μlを添加した。この反応溶液に、ピバロイ
ルクロライド50μlを添加し15分間撹拌した。室温
に戻しさらに1時間撹拌した後、溶媒を減圧で除去し
た。ALB008の50mgにピリジン2mlを添加して撹拌
し、上記残渣をピリジン3mlに溶解して添加した。さら
にDMAP10mgを添加して40℃で2時間撹拌した。
ピリジンを減圧で半量とし酢酸エチルを加え、この有機
層を2N塩酸で1回、さらに飽和食塩水で2回洗浄し、
無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。乾燥後濾過し、
ろ液を濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=90:10)にかけ、
下記構造式で示される化合物(以下ALB060という)9
8mg(98%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデ
ータは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 7.12-7.31(5H,m), 5.17-5.24(1H,td), 4.
43-4.46(1H,m), 3.62(3H,s), 2.79-3.09(2H,m), 2.1-2.
4(2H,m), 1.15-1.80(19H,m), 1.08(3H,s), 0.89(3H,s),
0.83(3H,s)
【0131】
【化46】
【0132】ALB061の調製 ALB060の98mgにトリフルオロ酢酸1mlを添加し、
氷浴中で撹拌し、5分後、トリフルオロ酢酸を減圧下で
除去した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム:メタノール=70:30)にかけ、下記
構造式で示される化合物(以下ALB061という)78mg
(100%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデー
タは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 7.15-7.30(5H,m), 5.18-5.30(1H,m), 3.6
5-4.00(1H,m), 3.62(3H,s), 2.82-3.20(2H,m), 2.2-2.4
(2H,m), 1.12-1.80(10H,m), 0.98(3H,s), 0.86(3H,s),
0.81(3H,s)
【0133】
【化47】
【0134】ALB062の調製 窒素雰囲気下、215mgのN-t-ブトキシカルボニル-L-
プロリンをトルエンに溶解し、氷浴中で撹拌しながら、
トリエチルアミン140μlを添加し撹拌した。この反
応溶液に、ピバロイルクロライド125μlを添加した
後、室温に戻しさらに2時間撹拌した後不溶物を除去
し、溶媒を減圧で除去した。125mgのALB008をピ
リジン2mlに添加して撹拌し、上記で得た残渣ををピリ
ジン3mlに溶解して添加した。さらにDMAP10mgを
添加して40℃で1時間撹拌した。ピリジンを減圧で半
量とし酢酸エチルを入れ、この有機層を2N-塩酸で1
回、さらに飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムを加えて乾燥した。乾燥後濾過濃縮し、残査をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチ
ル=90:10)にかけ、下記構造式で示される化合物
(以下ALB062という)220mg(97%)を得た。その1
H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下のとおりであ
る。 (CDCl3,ppm): 5.1-5.25(1H,m), 4.1-4.3(1H,m), 3.62(3
H,s), 3.3-3.5(2H,m),2.28-2.32(2H,m), 1.1-2.0(23H,
m), 1.01(3H,s), 0.88(3H,s), 0.83(3H,s)
【0135】
【化48】
【0136】ALB063の調製 100mgのALB062をトリフルオロ酢酸1mlに添加
し、氷浴で冷却、撹拌した。5分後トリフルオロ酢酸を
減圧で除去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(クロロホルム:メタノール=90:10)にかけ、
下記構造式で示される化合物(以下ALB063という)7
7mg(100%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトル
データは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 5.21-5.28(1H,m), 3.99-4.13(1H,m), 3.6
5(3H,s), 3.16-3.25(2H,m), 2.3-2.38(2H,m), 1.1-2.0
(15H,m), 1.01(3H,s), 0.89(3H,s),0.82(3H,s)
【0137】
【化49】
【0138】ALB064の調製 窒素気流下、800mgのALB035を脱水THF10ml
に溶解し、−20℃に冷却した。2Mのシクロヘキシル
マグネシウムクロリド3.6mlをこれにゆっくり滴下
し、その後室温で2時間撹拌した。さらに、60℃に加
熱して7時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチルと2N塩
酸で分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。乾燥後濾過濃縮したものを脱水T
HF10mlに溶解し、氷浴下で1Mテトラブチルアンモ
ニウムフロリド/THF溶液3.6mlを加え、そのまま
室温で3日間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残査をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸
エチル=9:1〜8:2)にかけ、8位にシクロヘキシ
ル基、ヒドロキシ基、9位にヒドロキシメチル基を有す
るヒドロナフタレン(以下ALB064という)200mg(2
7%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは
以下のとおりであり、Rfは0.48(シリカゲル薄層ク
ロマトグラフィー、n-ヘキサン:酢酸エチル=8:2)
である。 (DMSO-d6,ppm): 4.65(1H,m,OH), 3.99(1H,s,OH), 1.9-
0.68(32H,m,cyclic CH and Me*3)
【0139】ALB065の調製 254mgのALB008とピリジン100μlを脱水THF
10mlに添加撹拌し、これにフェニルイソシアネート3
50mgを添加して、室温で4時間撹拌した。その後、こ
の反応溶液にクロロホルムを加えて希釈し、この有機層
を2N塩酸で1回、さらに飽和食塩水で2回洗浄し、無
水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。乾燥後濾過濃縮
し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘ
キサン:酢酸エチル=90:10〜70:30)で精製
し、下記構造式で示される化合物(以下ALB065とい
う)210mg(57%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペ
クトルデータは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 7.06-7.37(5H,m), 5.17-5.18(1H,td), 3.
67(3H,s), 2.32-2.45(1H,m), 2.30(1H,d), 1.07-1.80(1
0H,m), 1.00(3H,s), 0.90(3H,s), 0.86(3H,s)
【0140】
【化50】
【0141】ALB066の調製 窒素雰囲気下、290mgのt-ブトキシカリウムを脱水T
HF5mlに入れて撹拌し、1,2,4-トリアゾール200mg
をDMF2mlに溶かして添加し、15分間撹拌した。さ
らに100mgのALB058を添加し、80℃で4時間撹
拌した。反応溶液に酢酸エチルを加えて希釈し、この有
機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムを
加えて乾燥した。乾燥後濾過濃縮し、残査をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール
=100:0〜95:5)で精製し、8位に2-ヒドロキ
シ-3-(1-トリアゾリル)プロピルオキシ基、9位にメト
キシカルボニル基を有するヒドロナフタレン(以下AL
B066という)360mg(73%)を得た。
【0142】○ 化合物の特性測定 調製された各化合物の殺細胞活性測定の結果を表7に示
す。
【0143】
【表7】
【0144】実施例8 ○ 化合物の調製 ALB203の調製 窒素気流下、−70℃に冷却した7.71mlのDMSO
の塩化メチレン40ml溶液に、8.52mlの無水トリフ
ルオロ酢酸の塩化メチレン40ml溶液を30分かけてゆ
っくり滴下した。さらに30分撹拌した後、AT-6の1
2gの塩化メチレン40ml溶液を30分かけてゆっくり
滴下し、さらに30分撹拌した。トリエチルアミン1
6.8mlを30分かけてゆっくり滴下した後、ドライア
イスバスを除いて、さらに2時間撹拌した。反応溶液に
クロロホルムを加えて希釈し、この有機層を飽和食塩水
で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し濾過
した。ろ液を濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロマト
グラフィ(n-ヘキサン:酢酸エチル=95:5〜9:1)
にかけ、8位にメチル基、メトキシメチルオキシ基、9
位にホルミルメチル基を有するヒドロナフタレン(以下
ALB203という)7.06g(59%)を得た。その1H-NMR
(400MHz)スペクトルデータは以下のとおりであり、Rf
は0.50(シリカゲル薄層カラムクロマトグラフィ、n-
ヘキサン:酢酸エチル=8:2)である。 (CDCl3,ppm): 9.61(1H,br dd,J=1.0,1.5Hz,CHO), 4.63
(2H,s,O-CH2-O-), 3.30(3H,s,O-Me), 2.45(1H,m,CH-CH
O), 2.29(1H,m,CH-CHO), 2.02(2H,m,cyclic CH),1.75-
1.1(7H,m,cyclic CH), 1.21(3H,s,Me), 1.0-0.8(2H,m,c
yclic CH), 0.89(3H,s,Me), 0.84(3H,s,Me), 0.80(3H,
s,Me)
【0145】ALB204の調製 20gの(エトキシカルボニルメチル)トリフェニルホス
ホニウムブロミドのDMSO100ml溶液に水素化ナト
リウム1.68g(60wt% in oil)を加え、80℃に加熱
し1時間撹拌した。6.9gのALB203をDMSO30m
lに溶解し、反応溶液に加え、80℃に加熱しながら1
5時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチルと水を加えて分
液した。有機層を、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水
硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。水層は酢酸エチルで
再抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。乾燥後濾過し、ろ液を合わせ、
溶媒を減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=9:1)にかけ下
記構造式で示される化合物(以下ALB204という)7.2
2g(85%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデ
ータは以下のとおりである。 (CDCl3, ppm): 7.06(1H,m,vinyl), 5.74(1H,m,vinyl),
4.71(1H,d,J=7.3Hz,O-CH-O), 4.63(1H,d,J=7.3Hz,O-CH-
O), 4.15(2H,m,CH2), 3.33(3H,s,O-Me), 2.41(1H,m,all
ylic CH), 2.18(1H,m,allylic CH), 1.94(1H,m,cyclic
CH), 1.69-1.10(15H,m,Me*2 and cyclicCH), 0.92(2H,
m,cyclic CH), 0.86(6H,s,Me*2), 0.79(3H,s,Me)
【0146】
【化51】
【0147】ALB205の調製 6.5gのALB204を酢酸エチル100mlに溶解し、5
%Pd/C約200mgを加えた。反応容器を水素ガス雰囲
気下にし、室温で5日間激しく撹拌した。溶媒を減圧下
留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(n-
ヘキサン:酢酸エチル=9:1)にかけ下記構造式で示
される化合物(以下ALB205という)6.11g(94%)
を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下の
とおりである。(CDCl3,ppm): 4.75(1H,d,J=7.3Hz,O-CH-
O), 4.63(1H,d,J=7.3Hz,O-CH-O), 4.11(2H,m,COOCH2),
3.34(3H,s,O-Me), 2.29(2H,m,CH2-COO), 1.92(1H,m,cyc
lic CH), 1.72-1.09(16H,m,cyclic CH,CH2 chain and C
OOCH2-CH3), 0.95(2H,m,cyclicCH), 0.86(3H,s,Me), 0.
80(3H,s,Me), 0.78(3H,s,Me)
【0148】
【化52】
【0149】ALB206の調製 AT-1の2.5g及びDMAP73mgをピリジン40mlに
添加し室温で30分撹拌した。これにコハク酸無水物
1.1gを添加した後、24時間撹拌した。反応溶液を半
量程度まで濃縮した後、酢酸エチルを加えて希釈し、こ
れを2N塩酸で1回、さらに飽和食塩水で2回洗浄し、
無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。ろ液を濃縮し、
残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホ
ルム:メタノール=80:20)にかけ下記構造式で示
される化合物(以下ALB206という)3.3gを得た(95
%)。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下のと
おりである。 (CDCl3, ppm): 4.10-4.19(2H,m), 2.62-2.69(4H,m), 1.
11-1.91(17H,m), 0.87(3H,s), 0.79(6H,s)
【0150】
【化53】
【0151】ALB207の調製 窒素気流下、ALB205の1.1gの脱水THF15ml溶
液を−78℃に冷却し、2Mのリチウムジイソプロピル
アミド1.7mlをゆっくり滴下した。30分間その温度
で撹拌した後、ジエチルマロネート800mgの脱水TH
F5ml溶液を滴下し、さらに2時間撹拌した。反応溶液
を酢酸エチルと塩化アンモニウム水溶液で分液し、有機
層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて
乾燥した。水層は酢酸エチルで再抽出し、有機層を飽和
食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥
後濾過しろ液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=9:1〜7:3)にか
け下記構造式で示される化合物(以下ALB207という)
860mg(53%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクト
ルデータは以下のとおりであり、Rfは0.3〜0.5(シ
リカゲル薄層クロマトグラフィー、n-ヘキサン:酢酸エ
チル=85:15)である。 (CDCl3,ppm): 4.65(2H,m,O-CH2-O), 4.15(6H,m,(CH2)*
3), 3.32(3H,s,O-Me), 3.12(1H,m,CH-COO), 2.75(2H,m,
CH-COO), 2.39(1H,m,CH-COO), 1.93(1H,m,cyclicCH),
1.8-1.1(26H,m,Me*4 and cyclic CH), 0.9-0.8(2H,m,cy
clic CH), 0.85(3H,s,Me), 0.78(3H,s,Me), 0.77(3H,s,
Me)
【0152】
【化54】
【0153】ALB208の調製 リチウムアルミニウムヒドリド351mgを脱水THF2
0mlに懸濁し、氷冷し、これにALB207の2.5gの脱
水THF20ml溶液を滴下し、その後氷浴を除いて2時
間撹拌した。反応溶液に2N塩酸と酢酸エチルを入れ、
激しく撹拌した後分液した。有機層を飽和食塩水で2回
洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。水層は
酢酸エチルで2回再抽出し、合わせた有機層を飽和食塩
水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し
た。乾燥後濾過しろ液を合わせ、溶媒を減圧下留去し、
得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ク
ロロホルム:メタノール=9:1〜8:2)にかけ、8
位にメチル基、メトキシメチルオキシ基、9位に3,4-ビ
スヒドロキシメチル-6-6-ヒドロキシヘキシル基を有す
るヒドロナフタレン(以下ALB208という)に係わる2
種類の化合物(Fr. A=540mg、Fr. B=310mg)を
得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下のと
おりであり、RfはFr. A(以下ALB208-Aという)が
0.25(シリカゲル薄層クロマトグラフィ、クロロホル
ム:メタノール=9:1)であり、Fr. B(以下ALB20
8-Bという)が0.13〜0.18(同上)である。 ALB208-A (DMSO-d6+D2O,ppm): 4.68(1H,m,O-CH-O), 4.54(1H,m,O-
CH-O), 3.5-3.3(6H,m,CH2-O), 3.23(3H,s,O-Me), 1.85
(1H,m,cyclic CH), 1.65-1.1(17H,m,cyclic CH and CH-
chain), 1.11(3H,s,Me), 0.84(3H,s,me), 0.78(3H,s,M
e), 0.76(3H,s,Me) ALB208-B (DMSO-d6+D2O,ppm): 4.68(1H,m,O-CH-O), 4.54(1H,m,O-
CH-O), 3.5-3.3(6H,m,CH2-O), 3.23(3H,s,O-Me), 1.85
(1H,m,cyclic CH), 1.65-1.1(17H,m,cyclic CH and CH-
chain), 1.11(3H,s,Me), 0.84(3H,s,me), 0.78(3H,s,M
e), 0.76(3H,s,Me)
【0154】ALB211の調製 ALB204の0.6gを2N水酸化ナトリウム水溶液/エタ
ノール=1/2の混合液30mlに溶解し、室温で15時
間撹拌した。反応溶液にクロロホルムを加えて希釈し、
2N-塩酸水溶液を加えて酸性とした後、分液し、有機層
を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後濾過しろ液を
濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキ
サン:酢酸エチル=7:3)にかけ、8位にメチル基、
メトキシメチルオキシ基、9位に3-カルボキシ-2-プロ
ペニル基を有し下記構造式で示されるヒドロナフタレン
Fr. A(化56、以下ALB211-Aという)とFr. B(化5
7、以下ALB211-Bという)を得た。その1H-NMR(400MH
z)スペクトルデータは以下のとおりであり、RfはAL
B211-Aが0.20(シリカゲル薄層クロマトグラフィ
ー、n-ヘキサン:酢酸エチル=8:2)、ALB211-Bが
0.19(同上)である。 ALB211-A (DMSO-d6,ppm): 6.25(1H,m,vinyl), 5.55(1H,d,J=11.7H
z,vinyl), 4.63(1H,d,J=7.3Hz,O-CH-O), 4.58(1H,d,J=
7.3Hz,O-CH-O), 3.20(3H,s,O-Me), 2.97(1H,m,allylic
CH), 2.50(1H,m,allylic CH), 1.88(1H,m,cyclic CH),
1.57-1.13(9H,m,cyclic CH), 1.13(3H,s,Me), 0.94(2H,
m,cyclic CH), 0.85(3H,s,Me), 0.83(3H,s,Me), 0.77(3
H,s,Me) ALB211-B (DMSO-d6,ppm): 6.85(1H,m,vinyl), 5.68(1H,d,J=15.6H
z,vinyl), 4.65(1H,d,J=7.3Hz,O-CH-O), 4.57(1H,d,J=
7.3Hz,O-CH-O), 3.22(3H,s,O-Me), 2.32(1H,m,allylic
CH), 2.16(1H,m,allylic CH), 1.88(1H,m,cyclic CH),
1.57-1.13(9H,m,cyclic CH), 1.13(3H,s,Me), 0.94(2H,
m,cyclic CH), 0.85(3H,s,Me), 0.82(3H,s,Me), 0.77(3
H,s,Me)
【0155】
【化55】
【0156】
【化56】
【0157】ALB212の調製 ALB204を加水分解して得たALB211(A,B混合物)
をTHF5mlに溶解し、80%酢酸水溶液20mlと2N
塩酸400μlを加え、室温で5日間撹拌した。減圧
下、溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィ(n-ヘキサン:酢酸エチル=8:2〜6:4)にか
け、8位にメチル基、ヒドロキシ基、9位に3-カルボキ
シ-2-プロペニル基を有するヒドロナフタレン(以下AL
B212という)192mgを白色結晶で得た。その1H-NMR(4
00MHz)スペクトルデータは以下のとおりであり、Rfは
0.50(シリカゲル薄層クロマトグラフィー、n-ヘキサ
ン:酢酸エチル=6:4)である。 (DMSO-d6): 6.91(1H,m,vinyl), 5.68(1H,d,J=15.1Hz,vi
nyl), 4.08(1H,br,OH),2.38(1H,m,allylic CH), 2.11(1
H,m,allylic CH), 1.72(1H,m,cyclic CH), 1.6-1.05(9
H,m,cyclic CH), 1.0(3H,s,Me), 0.85(2H,m,cyclic C
H), 0.84(3H,s,Me), 0.78(3H,s,Me), 0.76(3H,s,Me)
【0158】ALB213の調製 ALB205の1.2gを2N水酸化ナトリウム水溶液/エタ
ノール=1/2の混合液30mlに溶解し、室温で15時
間撹拌した。反応溶液にクロロホルムを加えて希釈し、
2N塩酸を加えて酸性とした後、分液し、有機層を無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後濾過しろ液を濃縮
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(n-ヘキサン:
酢酸エチル=7:3)にかけ、8位にメチル基、メトキ
シメチルオキシ基、9位に3-カルボキシプロピル基を有
するヒドロナフタレン(以下ALB213という)970mg
(88%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータ
は以下のとおりであり、Rfは0.21(シリカゲル薄層
クロマトグラフィー、n-ヘキサン:酢酸エチル=8:
2)である。 (DMSO-d6): 4.68(1H,d,J=7.3Hz,O-CH-O), 4.54(1H,d,J=
7.3Hz,O-CH-O), 3.22(3H,s,O-Me), 2.15(2H,m,CH2COO),
1.88(1H,m,cyclic CH), 1.65-1.1(13H,m,cyclic CH),
1.10(3H,s,Me), 0.9(2H,m,cyclic CH), 0.84(3H,s,Me),
0.77(3H,s,Me),0.76(3H,s,Me)
【0159】ALB214の調製 ALB213の779mgをTHF5mlに溶解し、80%酢
酸水溶液20mlと2N塩酸400μlを加え、室温で5日
間撹拌した。減圧下、溶媒を留去した後、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=
8:2〜6:4)にかけ、8位にメチル基、ヒドロキシ
基、9位に3-カルボキシプロピル基を有するヒドロナフ
タレン(以下ALB214という)を白色結晶で得た。その1
H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下のとおりであ
り、Rfは0.50(シリカゲル薄層クロマトグラフィ、n
-ヘキサン:酢酸エチル=6:4)である。 (DMSO, ppm): 2.24-2.06(2H,m,CH2-COO), 1.74-1.52(6
H,m,CH), 1.39-1.07(7H,m,CH), 0.97(3H,s,Me), 0.95-
0.7(3H,m,cyclic CH), 0.84(3H,s,Me), 0.75(3H,s,Me)
0.72(3H,s,Me)
【0160】ALB215の調製 ALB207の2gのエタノール溶液に、6N水酸化ナトリ
ウム水溶液10mlを加えて、室温で15時間撹拌した。
反応溶液に水を加えて希釈し、DOWEX1×8 H-formを加え
て中和した後、ろ液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(クロロホルム:メタノール=95:5〜
8:2)にかけ、8位にメチル基、メトキシメチルオキ
シ基、9位に3,4,5-トリカルボキシペンチル基を有する
ヒドロナフタレン(以下ALB215という)に係わる2種
類の化合物(Fr. A=318mg、Fr. B=462mg)を得
た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下のとお
りであり、RfはFr. A(以下ALB215-Aという)が0.
4(シリカゲル薄層クロマトグラフィ、クロロホルム:
メタノール=8:2)であり、Fr. B(以下ALB215-B
という)が0.3(同上)である。 ALB215-A (DMSO-d6, ppm): 4.65(1H,m,O-CH-O), 4.55(1H,m,O-CH-
O), 3.32(3H,m,O-Me),3.2(1H,m,CH-COO), 2.75(2H,m,CH
-COO), 2.4-2.3(1H,m,CH-COO), 1.93(1H,m,cyclic CH),
1.8-1.1(16H,m, cyclic CH and Me), 0.9-0.8(2H,m,cy
clic CH), 0.85(3H,s,Me), 0.78(3H,s,Me), 0.77(3H,s,
Me) ALB215-B (DMSO-d6, ppm): 4.65(1H,m,O-CH-O), 4.55(1H,m,O-CH-
O), 3.32(3H,m,O-Me),3.2(1H,m,CH-COO), 2.75(2H,m,CH
-COO), 2.4-2.3(1H,m,CH-COO), 1.93(1H,m,cyclic CH),
1.8-1.1(16H,m,cyclic CH and Me), 0.9-0.8(2H,m,cyc
lic CH), 0.85(3H,s,Me), 0.78(3H,s,Me), 0.77(3H,s,M
e)
【0161】ALB216の調製 ALB207の3.6gのTHF20ml溶液に、80%酢酸
水溶液と2N塩酸400μlを加え、室温で24時間撹拌
した。溶媒を減圧下留去し、残査をエタノール20mlに
溶解した。6N水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、
室温で2日間撹拌した。反応溶液に水を加えて希釈し、
DOWEX1×8 H-formを加えて中和した後ろ液を濃縮し、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メ
タノール=9:1〜6:4)にかけ、8位にメチル基、
ヒドロキシ基、9位に3,4,5-トリカルボキシペンチル基
を有するヒドロナフタレン(以下ALB216という)に係
わる3種類の化合物(Fr. A=500mg、Fr. B=50
0mg、Fr. C=645mg)を得た。その1H-NMR(400MHz)
スペクトルデータは以下のとおりであり、RfはFr.A
(以下ALB216-Aという)が0.38(シリカゲル薄層ク
ロマトグラフィ、クロロホルム:メタノール=8:2、
酢酸を1%添加)であり、Fr. B(以下ALB216-Bとい
う)が0.28(同上)、Fr. C(以下ALB216-Cという)
が0.25(同上)である。尚、ALB216-AとALB216-
Bは少量の8位水酸基が脱離した化合物を含んでいる。 ALB216-A (DMSO-d6,ppm): 3.2(1H,m,CH-COO), 2.75(2H,m,CH-CO
O), 2.4-2.3(1H,m,CH-COO), 1.93(1H,m,cyclic CH), 1.
8-1.1(16H,m,cyclic CH and Me), 0.9-0.8(2H,m,cyclic
CH), 0.85(3H,s,Me), 0.78(3H,s,Me), 0.77(3H,s,Me) ALB216-B (DMSO-d6,ppm): 3.2(1H,m,CH-COO), 2.75(2H,m,CH-CO
O), 2.4-2.3(1H,m,CH-COO), 1.93(1H,m,cyclic CH), 1.
8-1.1(16H,m,cyclic CH and Me), 0.9-0.8(2H,m,cyclic
CH), 0.85(3H,s,Me), 0.78(3H,s,Me), 0.77(3H,s,Me) ALB216-C (DMSO-d6,ppm): 3.2(1H,m,CH-COO), 2.75(2H,m,CH-CO
O), 2.4-2.3(1H,m,CH-COO), 1.93(1H,m,cyclic CH), 1.
8-1.1(16H,m,cyclic CH and Me), 0.9-0.8(2H,m,cyclic
CH), 0.85(3H,s,Me), 0.78(3H,s,Me), 0.77(3H,s,Me)
【0162】ALB222の調製 窒素気流下、−70℃に冷却したDMSO7.71mlの
塩化メチレン40ml溶液に、無水トリフルオロ酢酸8.
52mlの塩化メチレン40ml溶液を30分かけてゆっく
り滴下した。さらに30分撹拌した後、AT-6の12g
の塩化メチレン40ml溶液を30分かけてゆっくり滴下
し、さらに30分撹拌した。トリエチルアミン16.8m
lを30分かけてゆっくり滴下した後、ドライアイスバ
スを除いて、さらに2時間撹拌した。反応溶液にクロロ
ホルムを加えて希釈し、この有機層を飽和食塩水で2回
洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。乾燥後
濾過しろ液を濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=95:5〜9:
1)にかけ前記のALB203とは別に、8位にメチル基、
メトキシメチルオキシ基、9位にメチルチオメチルオキ
シエチル基と8位にメチル基、メトキシメチルオキシ
基、9位にトリフルオロアセトキシエチル基を有する2
種類のヒドロナフタレンFr. A(以下ALB222という)
1.17g、Fr.B(以下ALB223という)1.17gを得
た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下のとお
りであり、RfはALB222が0.61(シリカゲル薄層ク
ロマトグラフィ、n-ヘキサン:酢酸エチル=8:2)で
あり、ALB223が0.68(同上)である。 ALB222 (CDCl3,ppm): 4.75(1H,d,J=7.3Hz,O-CH-O), 4.63(1H,d,
J=7.3Hz,O-CH-O), 4.62(2H,s,O-CH2-S), 3.61(1H,m,CH-
O), 3.48(1H,m,CH-O), 3.35(3H,s,O-Me), 2.15(3H,s,S-
Me), 1.95(1H,m,cyclic CH), 1.8-1.1(13H,m,cyclic C
H), 1.21(3H,s,Me), 0.86(3H,s,Me), 0.83(3H,s,Me),
0.79(3H,s,Me) ALB223 (CDCl3,ppm): 4.69(2H,m,O-CH2-O), 4.47(1H,m,CH-O),
4.33(1H,m,CH-O), 3.33(3H,s,O-Me), 2.0-1.0(12H,m,cy
clic CH), 1.22(3H,s,Me), 0.9-0.7(2H,m,cyclic CH),
0.87(3H,s,Me), 0.83(3H,s,Me), 0.79(3H,s,Me)
【0163】ALB232の調製 AT-1の1.02gとN-t-Boc-γ-ベンジル-L-グルタミン
酸p-ニトロフェニルエステル2.02g、DMAP980
mgの脱水クロロホルム20ml溶液を50℃で15時間撹
拌した。反応溶液を酢酸エチルと水で分液し、有機層を
炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。水層は酢酸エチルで2
回再抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後濾過しろ液
を合わせ、濃縮して得られた残査をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=8:2)に
かけ、縮合生成物1.55g(67%)を得た。得られた生
成物0.7gをメタノール10mlに溶解し、5%パラジウ
ム-カーボン(Pd/C)50mgを加えた。反応容器を水素
雰囲気下にし、室温で15時間激しく撹拌した。溶媒を
減圧下留去した後、残査をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィ(クロロホルム:メタノール=95:5、9:1)
にかけ、下記構造式で示される化合物(以下ALB232と
いう)345mgを得た。そのRfは0.35(シリカゲル薄
層クロマトグラフィー、クロロホルム:メタノール=
9:1)であり、1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以
下のとおりである。 (DMSO d6、ppm): 7.42(1H,br,NH), 4.03(2H,m,CH2-O-C
O), 3.93(1H,m,CO-CH-N),2.21(2H,m,CH2-COO), 1.91-1.
05(14H,m,cyclic CH), 1.38(9H,s,t-Bu), 0.9-0.7(2H,
m,cyclic CH), 1.00(3H,s,Me), 0.84(3H,s,Me), 0.76(3
H,s,Me), 0.72(3H,s,Me)
【0164】
【化57】
【0165】ALB234の調製 Nα,Nε-ジ-t-ブトキシカルボニル-L-リジン ジシクロ
ヘキシルアンモニウム塩3.11gとペンタクロロフェノ
ール1.57gを脱水DMF12mlに溶解し、2Mに調製
したN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(以下、DC
Cと略す)のDMF溶液4.0mlを加えて、室温で4時間
撹拌した。AT-1の1gとDMAP480mgを加えて、
さらに2時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチルと水で分
液し、有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水
で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。水層は
酢酸エチルで2回再抽出し、合わせた有機層を飽和食塩
水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥
後濾過しろ液を合わせ、濃縮して得られた残査をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチ
ル=7:3)にかけ、縮合生成物1.85g(81%)を得
た。得られた生成物1.8gに、氷冷したトリフルオロ酢
酸10mlを加え、氷浴中で10分間撹拌した。溶媒を減
圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(クロロホルム:メタノール=8:2〜7:3)にかけ
下記構造式で示される化合物(以下ALB234という)1,
58gを定量的に得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトル
データは以下のとおりであり、Rfは0.29(シリカゲ
ル薄層クロマトグラフィー、クロロホルム:メタノール
=8:2)である。 (DMSO-d6+D2O,ppm): 4.0(2H,m,CH2-O), 3.58(1H,m,CO-C
H-N), 2.8(2H,t,CH2-N), 2.36(1H,m,allylic CH), 2.22
(1H,m,allylic CH), 1.98(2H,m,cyclic CH), 1.86-1.0
(11H,m,cyclic CH), 1.58(3H,s,Me), 0.98-0.8(2H,m,cy
clic CH), 0.9(3H,s,Me), 0.86(3H,s,Me), 0.82(3H,s,M
e)
【0166】
【化58】
【0167】ALB083の調製 ALB234を2N水酸化ナトリウム水溶液中で加水分解し
て、8位にメチル基、9位にヒドロキシエチルル基を有
し、8位と9位の間は2重結合であるヒドロナフタレン
(以下ALB083という)を得た。その1H-NMR(400MHz)ス
ペクトルデータは以下のとおりである。 (DMSO-d6,ppm): 4.45(1H,m,OH), 3.35(2H,m,CH2-O) ,2.
20(1H,m,allylic CH),2.08(1H,m,allylic CH), 2.03-1.
2(9H,m,cyclic CH and allylic Me), 1.15-0.85(5H,m,c
yclic CH), 0.90(3H,s,Me), 0.86(3H,s,Me), 0.80(3H,
s,Me)
【0168】ALB344の調製 ALB211の250mg(0.739mmol)を窒素雰囲気下T
HF5mlに溶解し、−20℃まで冷却した。反応液にト
リエチルアミン0.11ml(0.789mmol)及び塩化ピバ
ロイル0.1ml(0.812mmol)を加え、−20℃で1時
間撹拌した後、1-(3-アミノプロピル)イミダゾール0.
1ml(0.838mmol)を加え、室温まで昇温しながら一
晩撹拌した。反応液にクロロホルムを加え、有機層を飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液で3回、飽和食塩水で1回
洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣174mgをメ
タノール5mlに溶解し、5%Pd/Cを触媒量加え、水素
雰囲気下室温で一晩撹拌した。反応液をセライトを用い
濾過し、濾液を減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロ
ホルム=2/98〜4/96)で精製し、下記構造式で示
される化合物(以下ALB344という)を油状物質として
149mg(収率:52%)得た。その1H-NMR(400MHz)スペ
クトルデータは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 7.49(1H,s), 7.06(1H,s), 6.94(1H,s),
5.60(1H,brs), 4.00(2H,t,J=6.8Hz), 3.28(2H,q,J=6.8H
z), 2.18-0.73(19H,m), 1.56(3H,s), 0.92(3H,s), 0.88
(3H,s), 0.82(3H,s).
【0169】
【化59】
【0170】ALB345の調製 ALB211の250mg(0.739mmol)及び4-(3-アミノ
プロピル)モルホリン0.12ml(0.821mmol)を用
い、ALB344とほぼ同様の操作を行った。得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/
クロロホルム=2/98〜4/96)で精製し、下記構造
式で示される化合物(以下ALB345という)を油状物質
として164mg(収率:55%)得た。その1H-NMR(400MH
z)スペクトルデータは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 6.77(1H,brs), 3.72(4H,t,J=4.4Hz), 3.3
5(2H,q,J=6.4Hz), 2.47-2.44(6H,m), 2.18-0.73(19H,
m), 1.56(3H,s), 0.93(3H,s), 0.88(3H,s), 0.82(3H,
s).
【0171】
【化60】
【0172】ALB237,238の調製 AT-1の480mgとN-ベンジルオキシカルボニル-L-ア
スパラギン酸p-ニトロフェニルエステル0.99g、DM
AP520mgの脱水クロロホルム20ml溶液を50℃で
6時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチルと水で分液し、
有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次
洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。水層は酢酸エ
チルで2回再抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗
浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後濾過
しろ液を合わせ、濃縮して得られた残査をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=
8:2〜7:3)にかけ、縮合生成物(以下ALB237と
いう)1.03g(92%)を得た。そのRfは0.55(シリ
カゲル薄層クロマトグラフィー、n-ヘキサン:酢酸エチ
ル=6:4)であり、1H-NMR(400MHz)スペクトルデータ
は以下のとおりである。 (DMSO-d6,ppm): 7.79(1H,d,J=8.8Hz,NH), 7.35(10H,m,P
h*2), 5.10(2H,s,benzylic CH), 5.05(2H,s,benzylic C
H), 4.48(1H,m,CO-CH-N), 4.10(1H,m,CH-O-CO),4.03(1
H,m,CH-O-CO), 2.90(1H,dd,CH-COO), 2.76(1H,dd,CH-CO
O), 1.73-1.05(12H,m,cyclic CH and 9-CH2), 1.01(3H,
s,Me), 0.9-0.7(2H,m,cyclic CH), 0.83(3H,s,Me), 0.7
5(3H,s,Me), 0.71(3H,s,Me) ALB237の1gをメタノール30mlに溶解し、5%Pd/
C50mgを加えた。反応容器を水素雰囲気下にし、室温
で15時間激しく撹拌した。溶媒を減圧下留去した後、
残査をカラムクロマトグラフィー(コスモシール140-C18
0PN、70%メタノール)にかけ、下記構造式で示される
化合物(以下ALB238という)0.4gを得た。その1H-NM
R(400MHz)スペクトルデータは以下のとおりである。 (DMSO-d6,ppm): 4.15(3H,m,CO-CH-N and CH2-O), 2.50
(2H,m,CH2-COO), 1.73-1.05(14H,m,cyclic CH and CH2-
chain), 1.01(3H,s,Me), 0.85(3H,s,Me), 0.76(3H,s,M
e), 0.73(3H,s,Me)
【0173】
【化61】
【0174】ALB240の調製 N-t-ブトキシカルボニル-β-アラニン2.97gとペンタ
クロロフェノール4.18gを脱水DMF30mlに溶解
し、2Mに調製したDCCのDMF溶液9.8mlを加え
て、室温で15時間撹拌した。反応溶液を濾過して、不
溶分を除いたろ液を濃縮し、残査にAT-1の2gと脱水
DMF30mlを加えた。DMAP940mgを加えて、8
0℃に加温し、30分撹拌した。溶媒を減圧下留去し、
残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(n-ヘキサ
ン:酢酸エチル=7:3〜6:4)にかけ、縮合生成物
3.5gを得た。得られた生成物3.25gに、氷冷したト
リフルオロ酢酸1mlを加え、氷浴中で10分間撹拌し
た。溶媒を減圧下留去し、残査をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(クロロホルム:メタノール=8:2〜
7:3)にかけ、8位にメチル基、ヒドロキシ基、9位
に(3-アミノプロパノイル)オキシエチル基を有するヒド
ロナフタレン(以下ALB240という)1.63g(50%)
を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下の
とおりである。 (DMSO-d6,ppm): 7.85(2H,broad,NH2), 3.9-4.1(2H,m),
3.02-3.04(2H,t), 2.64-2.68(2H,t), 0.98-2.10(14H,
m), 0.91(3H,t), 0.86(3H,t), 0.81(3H,s), 0.72(3H,s)
【0175】ALB241の調製 AT-1の480mgとNα,Nε-ジ−ベンジルオキシカルボ
ニル-L-リジンp-ニトロフェニルエステル1.11g、D
MAP508mgの脱水クロロホルム20ml溶液を50℃
で15時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチルと水で分液
し、有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で
順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。水層は酢
酸エチルで2回再抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水
で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後ろ過し
た。ろ液を合わせ、濃縮して得られた残査をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=
7:3〜6:4)にかけ、縮合生成物1.15gを得た。
得られた生成物0.7gをメタノール10mlに溶解し、5
%Pd/C50mgを加えた。反応容器を水素雰囲気下に
し、室温で15時間激しく撹拌した。溶媒を減圧下留去
した後、残査をカラムクロマトグラフィー(コスモシー
ル140-C18OPN、80%メタノール)にかけ、下記構造式
で示される化合物(以下ALB241という)0.4gを得
た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下のとお
りである。 (DMSO-d6+D2O,ppm): 4.0(2H,m,CH2-O-CO), 3.4-3.2(3H,
m,CO-CH-N and CH2-N),1.75-0.92(17H,m,cyclic CH,9-C
H2 and CH2x3 of Lysine), 1.02(3H,s,Me), 0.85-0.75
(3H,m,cyclic CH), 0.85(3H,s,Me) ,0.77(3H,s,Me), 0.
74(3H,s,Me)
【0176】
【化62】
【0177】ALB072の調製 ALB240の160mgとピリジン100μlを脱水DMF
5mlに添加し、さらにシクロヘキシルイソシアネート1
20μlを添加し、室温で6時間撹拌した。この反応溶
液にクロロホルムを加えて希釈し、この有機層を飽和食
塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し
た。乾燥後ろ過しろ液を濃縮し、残査をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィ(n-ヘキサン:酢酸エチル=70:
30)で精製し下記構造式で示される化合物(以下ALB
072という)200mg(88%)を得た。その1H-NMR(400MH
z)スペクトルデータは以下のとおりである。 (DMSO-d6,ppm): 3.9-4.2(3H,m), 3.2(2H,q), 2.40(2H,
t), 1.00-2.1(22H,m), 0.91(3H,s), 0.85(3H,s), 0.81
(3H,s), 0.71(3H,s)
【0178】
【化63】
【0179】ALB077の調製 ALB240の170mgとピリジン100μlを脱水DMF
5mlに添加して撹拌し、フェニルイソシアネート120
μlを添加し、室温で3時間撹拌した。この反応溶液に
酢酸エチルを加えて希釈し、この有機層を飽和食塩水で
2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。乾
燥後ろ過しろ液を濃縮した。これにn-ヘキサンを入れ不
溶物を除去した後、シリカゲルカラムクロマトグフラフ
ィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=70:30)で精製し下
記構造式で示される化合物(以下ALB077という)20
5mg(88%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデ
ータは以下のとおりである。 (DMSO-d6,ppm): 8.50(1H,s,NH), 7.36-7.38(2H,d), 7.1
8-7.20(2H,t), 6.88(1H,t), 6.25(1H,t), 3.88-4.20(4
H,m), 2.47-2.50ppm(2H,t), 0.95-2.05(14H,m),0.89(3
H,s), 0.86(3H,t), 0.80(3H,t)0.69(3H,s)
【0180】
【化64】
【0181】ALB078の調製 窒素気流下、ALB206の354mgを脱水DMF10ml
に溶解し、氷浴下で撹拌した。さらにアミノプロピルモ
ルホリン200μgとトリエチルアミン101mg、およ
びHOBt270mgを添加し、1時間撹拌した。DCC
220mgを添加し、氷浴下で1時間撹拌した後、さらに
室温で4時間撹拌した。その後、反応溶液に酢酸エチル
を加えて希釈し、この有機層を飽和食塩水で2回洗浄
し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し濾過した。ろ液
を濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム:メタノール=80:20)にかけ下記構
造式で示される化合物(以下ALB078という)375mg
(78%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータ
は以下のとおりである。 (DMSO-d6,ppm): 7.8(1H,br,NH), 3.9-4.1(2H,m), 3.55
(4H,t), 3.05(2H, td),2.24-2.47(10H,m), 0.72-1.8(16
H,m), 1.01(3H,s), 0.84(3H,s), 0.76(3H,s), 0.73(3H,
s)
【0182】
【化65】
【0183】ALB079の調製 窒素気流下、ALB206の354mgを脱水DMF10ml
に溶解し、氷浴下で撹拌した。さらにアミノプロピルイ
ミダゾール150mgとトリエチルアミン101mg、およ
びHOBt270mgを添加し、1時間撹拌した。DCC
220mgを添加し、氷浴下で1時間撹拌した後、さらに
室温で4時間撹拌した。その後、反応溶液に酢酸エチル
を加えて希釈し、この有機層を飽和食塩水で2回洗浄
し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し濾過した。ろ液
を濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム:メタノール=80:20)にかけ下記構
造式で示される化合物(以下ALB079という)360mg
(80%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータ
は以下のとおりである。 (DMSO-d6,ppm): 7.9(1H,t,NH), 7.59(1H,s), 7.14(1H,
s), 6.87(1H,s), 3.93-4.05(4H,m), 3.00-3.01(2H,td),
2.49(2H,m), 2.35-2.37(2H,t), 1.05-1.85(16H,m), 1.
00(3H,s), 0.84(3H,s), 0.76(3H,s), 0.71(3H,s)
【0184】
【化66】
【0185】ALB080の調製 窒素雰囲気下、ALB206の354mgを脱水DMF10m
lに溶解し、氷浴下で撹拌した。さらにトリスヒドロキ
シメチルアミノメタン150μlとトリエチルアミン1
01mg、およびHOBt270mgを添加し、1時間撹拌
した。DCC220mgを添加し、氷浴下で1時間撹拌し
た後、さらに室温で4時間撹拌した。この反応溶液に酢
酸エチルを加えて希釈し、この有機層を飽和食塩水で2
回洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し濾過し
た。ろ液を濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(クロロホルム:メタノール=80:20)にか
け下記構造式で示される化合物(以下ALB080という)
420mg(85%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクト
ルデータは以下のとおりである。 (DMSO-d6,ppm): 7.19(1H,s), 4.66(t,OH), 3.90-4.10(2
H,m), 3.51(6H,d), 2.43-2.51(4H,m), 0.95-1.80(17H,
m), 0.84(3H,s), 0.76(3H,s), 0.73(3H,s)
【0186】
【化67】
【0187】○ 化合物の特性測定 調製された各化合物の殺細胞活性測定の結果を表8に示
す。
【0188】
【表8】
【0189】実施例9 ○ 化合物の調製 ALB104の調製 ALB005の330mgをピリジン10mlに溶解し、ヘキ
サノイルクロライドを250μl添加し室温で14時間
撹拌した。反応溶液を半量程度まで濃縮した後、酢酸エ
チルを加えて希釈し、これを2N塩酸で1回、さらに飽
和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾
燥した。乾燥後濾過しろ液を濃縮し、残査をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=
95:5)にかけ、8位にメチリデン基、9位にヘキサ
ノイルオキシメチル基を有するヒドロナフタレン(以下
ALB104という)450mg(95%)を得た。その1H-NMR
(400MHz)スペクトルデータは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 4.74(1H,d), 4.51(1H,d), 4.1-4.4(2H,
m), 2.38-2.41(1H,m), 2.27(2H,t), 1.93-2.15(2H,m),
1.11-1.75(15H,m), 0.90(3H,t), 0.88(3H,t), 0.82(3H,
s), 0.75(3H,s)
【0190】ALB105の調製 窒素雰囲気下、60%NaH720mgを脱水THF20m
lに氷浴中で懸濁させた。ALB005 の660mgを脱水
THF10mlに溶解し滴下した。10分間撹拌した後、
ブロモヘキサン950μlを滴下し、40℃で3日間撹
拌した。その後、酢酸エチルを加えて希釈し、これを2
N塩酸で1回、さらに飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫
酸ナトリウムを加えて乾燥した。乾燥後濾過しろ液を濃
縮し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-
ヘキサン:酢酸エチル=95:5)で精製し、8位にメ
チリデン基、9位にヘキシルオキシメチル基を有するヒ
ドロナフタレン(以下ALB105という)860mg(94
%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以
下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 4.86(1H,d), 4.60(1H,d), 3.61(2H,dd),
3.45(2H,m), 2.37-2.41(1H,m), 1.10-1.75(12H,m), 0.9
0(3H,t), 0.87(3H,t), 0.81(3H,s), 0.73(3H,s)
【0191】ALB106の調製 ALB005の700mg及びDMAP40mgをピリジン3
0mlに添加し、氷浴で30分撹拌し、無水酢酸500μ
lを添加した後、室温に戻し3時間撹拌した。反応溶液
を半量程度まで濃縮した後、酢酸エチルを加えて希釈
し、これを2N塩酸で1回、さらに飽和食塩水で2回洗
浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。乾燥後濾
過しろ液を濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロマトフ
ラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=95:5)にかけ、
8位にメチリデン基、9位にアセトキシメチル基を有す
るヒドロナフタレン(以下ALB106という)790mg(9
4%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは
以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 4.85(1H,d), 4.51(1H,d), 4.16-4.36(2H,
m), 2.38-2.43(1H,m),2.00-2.07(5H,m), 1.11-1.75(9H,
m), 0.88(3H,s), 0.82(3H,s), 0.76(3H,s)
【0192】ALB107の調製 窒素雰囲気下NaH380mgを脱水THF20mlに氷浴
中で懸濁させ、ALB005の700mgを添加した。10
分間撹拌した後、ブロモエタン1.1mlを滴下し、室温
で3時間、40℃で24時間加熱した。その後さらにN
aH380mg、ブロモヘキサン1.1mlをさらに添加し、
30℃で2日間撹拌した。その後、酢酸エチルを加えて
希釈し、これを2N塩酸で1回、さらに飽和食塩水で2
回洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。乾燥
後濾過しろ液を濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロマ
トフラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=95:5)で精
製し、8位にメチリデン基、9位にエトキシメチル基を
有するヒドロナフタレン(以下ALB107という)530m
g(67%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデー
タは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 4.86(1H,d), 4.60(1H,d), 3.62(2H,dd),
3.40-3.60(2H,m), 2.36-2.40(1H,m), 1.93-2.09(2H,m),
1.10-1.75(12H,m), 0.87(3H,t), 0.81(3H,s),0.73(3H,
s)
【0193】ALB108の調製 ALB005の350mg及びDMAP20mgをピリジン2
0mlに添加し、氷浴下で30分撹拌した。ラウリン酸無
水物730mgを添加した後、40℃で3日間撹拌した。
反応溶液を半量程度まで濃縮した後、酢酸エチルを加え
て希釈し、これを2N塩酸で1回、さらに飽和食塩水で
2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。乾
燥後濾過しろ液を濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=95:5)に
かけ、8位にメチリデン基、9位にラウロイルオキシメ
チル基を有するヒドロナフタレン(以下ALB108とい
う)350mg(54%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペ
クトルデータは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 4.84(1H,d), 4.51(1H,d), 4.15-4.36(2H,
m), 2.38-2.42(1H,m),2.24-2.28(2H,t), 2.03-2.07(2H,
m), 1.11-1.75(27H,m), 0.90(3H,t), 0.88(3H,s), 0.81
(3H,s), 0.76(3H,s)
【0194】ALB109の調製 窒素雰囲気下NaH380mgを脱水THF20mlに氷浴
中で懸濁させ、ALB005の350mgを添加し、撹拌し
た。10分後、ヨウ化ラウリル2.4mlを滴下し、40
℃で7日間撹拌した。その後、酢酸エチルを加えて希釈
し、これを2N塩酸で1回、さらに飽和食塩水で2回洗
浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。乾燥後濾
過しろ液を濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=95:5)にかけ、
8位にメチリデン基、9位にラウリルオキシメチル基を
有するヒドロナフタレン(以下ALB109という)280m
g(45%)を得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデー
タは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 4.85(1H,d), 4.59(1H,d), 3.48-3.52(2H,
t), 3.33-3.61(2H,d),2.36-2.41(1H,m), 1.96-2.07(2H,
m), 1.09-1.74(29H,m), 0.88(6H,m), 0.81(3H,s), 0.73
(3H,s)
【0195】○ 化合物の特性測定 調製された各化合物の殺細胞活性測定の結果を表9に示
す。
【0196】
【表9】
【0197】実施例10 ○ 化合物の調製 ALB301,302の調製 テトラヘドロン(Tetrahedron, 1995, 51, 8333-8338)の
記載に従って、Methyl(±)-(1'α,4'aα,8'aβ)-octahy
dro-5',5',8'a-trimethyl-spiro-[1,3-dioxolane-2,2'
(1H)-naphthalene]-1'-carboxylate(以下ALB301とい
う)及び(±)-(1'α,4'aα,8'aβ)-Octahydro-5', 5',8'
a-trimethyl-spiro-[1,3-dioxolane-2,2'(1H)-naphthal
ene]-1'-methanol( 以下ALB302という)を調製した。
それぞれの1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下のと
おりである。 ALB301 (CDCl3,ppm): 4.11-4.06(1H,m), 3.96-3.91(1H,m), 3.8
7-3.82(1H,m), 3.76-3.71(1H,m), 3.63(3H,s), 2.51(1
H,s), 1.85(1H,dt,J=2.9,12.7Hz), 1.68-1.34(7H,m),
1.23(3H,s), 1.21-1.14(2H,m), 0.92(1H,dd,J=11.7,2.4
Hz), 0.89(3H,s),0.85(3H,s). ALB302 (CDCl3,ppm): 4.09-4.02(2H,m), 3.96-3.84(2H,m), 3.8
4(1H,dd,J=7.8,3.3Hz),3.61(1H,d,J=11.2Hz), 1.96-1.1
1(11H,m), 0.97(1H,dd,J=11.7,3.3Hz), 0.88(3H,s), 0.
86(3H,s), 0.82(3H,s).
【0198】ALB303の調製 ALB302の4.00g(14.9mmol)を窒素雰囲気下TH
F80mlに溶解し、氷冷下60%水素化ナトリウム/流
動パラフィン1.49g(37.3mmol)を加えた後、室温
で30分間撹拌した。氷冷下、反応液にヨウ化アリル
3.41ml(37.3mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。
反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を80ml加え、更
に酢酸エチルを加えた。有機層を飽和食塩水で3回洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒留去し
た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(酢酸エチル/ヘキサン=2/98〜4/96)で精製
し、8位にエチレンアセタール基、9位にアリルオキシ
メチル基を有するヒドロナフタレン(以下ALB303とい
う)2.28g(収率:50%)を油状物質として得た。そ
1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下のとおりであ
る。 (CDCl3,ppm): 5.90(1H,dddd,J=17.1,10.3,4.4,2.9Hz),
5.50(1H,dd,J=17.1,1.5Hz), 5.14(1H,dd,J=10.3,1.5H
z), 4.00-3.80(6H,m), 3.46(1H,dd,J=10.3,2.9Hz), 3.4
0(1H,dd,J=10.3,4.4Hz), 1.91-1.37(9H,m), 1.20-1.09
(2H,m), 0.96(1H,dd,J=11.7,2.4Hz), 0.92(3H,s), 0.88
(3H,s), 0.83(3H,s).
【0199】ALB304の調製 ALB303の8.88g(28.8mmol)をクロロホルム25
0mlに溶解し、70%3-クロロ過安息香酸10.7g(4
3.4mmol)を加え、20時間撹拌した。反応液を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液で3回、飽和食塩水で1回洗浄
し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒
留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(SiO2:500ml,酢酸エチル/ヘキサン=1
6/84)で精製し、8位にエチレンアセタール基、9位
に(2,3-エポキシプロピル)オキシメチル基を有するヒド
ロナフタレン(以下ALB304という)7.22g(収率:7
7%)を油状物質として得た。その1H-NMR(400MHz)スペ
クトルデータは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 4.02-3.81(4H,m), 3.70-3.31(4H,m), 3.1
5-3.11(1H,m), 2.78-2.76(1H,m), 2.61-2.58(1H,m), 1.
92-1.37(8H,m), 1.21-0.91(7H,m), 0.88(3H,s),0.83(3
H,s).
【0200】ALB305の調製 ALB304の6.72g(20.7mmol)をジオキサン160
mlに溶解し、2N水酸化ナトリウム160mlを加え、8
時間加熱環流した。反応液を氷冷後、2N塩酸160ml
を加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層を合わ
せ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒留去し
た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(SiO2:500ml,酢酸エチル/ヘキサン=67/2
3〜0/100)で精製し、8位にエチレンアセタール
基、9位に(2,3-ジヒドロキシプロピル)オキシメチル基
を有するヒドロナフタレン(以下ALB305という)5.6
0g(収率:79%)を油状物質として得た。その1H-NMR
(400MHz)スペクトルデータは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 4.03-3.78(5H,m), 3.72-3.44(6H,m), 1.9
3-1.91(1H,m), 1.78-1.75(1H,m), 1.67-0.95(10H,m),
0.88(6H,s), 0.82(3H,s)
【0201】ALB307の調製 ALB305の4.18g(12.2mmol)をメタノール165
mlに溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム6.61g(30.9mm
ol)を加え室温で12時間撹拌した。反応液を減圧下溶
媒留去し、残渣にエーテルを加え不溶物を濾去し、濾液
を減圧下、溶媒留去した。得られた残渣をt-ブタノール
120mlと水30mlの混合溶媒に溶解し、リン酸二水素
ナトリウム二水和物3.23g(20.7mmol)及び亜塩素
酸ナトリウム8.29g(72.4mmol)を加え室温で15
時間撹拌した。氷冷下、反応液に1N塩酸200mlを加
え、クロロホルムで3回抽出した。有機層を合わせ無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒留去した。得られ
た残渣をメタノール150mlに溶解し、ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド4.54g(22.0mmol)を加え、室温
で12時間撹拌した。反応液を減圧下溶媒留去し、残渣
にn-ヘキサンを加え不溶物を濾去し、濾液を減圧下溶媒
留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(SiO2:400ml,酢酸エチル/ヘキサン=1
6/84)で精製し下記構造式で示される化合物(以下A
LB307という)1.25g(収率:35%)を白色固体とし
て得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下の
とおりである。 (CDCl3,ppm): 4.16(1H,d,J=16.1Hz), 4.05(1H,d,J=16.1
Hz), 3.85(1H,dd,J=9.3,7.3Hz), 3.74(3H,s), 3.66(1H,
dd,J=9.3,3.4Hz), 2.50-2.36(3H,m), 2.09-1.23(8H,m),
0.97(3H,s), 0.91-0.88(1H,m), 0.85(3H,s), 0.72(3H,
s).
【0202】
【化68】
【0203】ALB308の調製 ALB305の0.88g(2.57mmol)をメタノール35ml
に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム1.39g(6.50mmo
l)を加え室温で12時間撹拌した。反応液を減圧下溶媒
留去し、残さにエーテルに加え不溶物を濾去し、濾液を
減圧下溶媒留去した。得られた残渣をメタノール30ml
に溶解し、氷冷下水素化ホウ素ナトリウム494mg(1
3.1mmol)を加え、室温で15時間撹拌した。氷冷下、
反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、クロ
ロホルムで3回抽出した。有機層を合わせ無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、減圧下溶媒留去し、得られた残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO2:100m
l,酢酸エチル/ヘキサン=32/68)で精製し下記構造
式で示される化合物(以下ALB308という)760mg(収
率:95%)を油状物質として得た。その1H-NMR(400MH
z)スペクトルデータは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 4.04-3.82(4H,m), 3.72-3.59(2H,m), 3.5
6-3.46(4H,m), 2.65(1H,brs), 1.94-1.54(5H,m), 1.47-
1.33(4H,m), 1.26-1.08(2H,m), 0.98-0.95(1H,m), 0.90
(3H,s), 0.88(3H,s), 0.83(3H,s).
【0204】
【化69】
【0205】○ 化合物の特性測定 調製された各化合物の殺細胞活性測定の結果を表10に
示す。
【0206】
【表10】
【0207】実施例11 ○ 化合物の調製 ALB320の調製 AT-6の10.0g(33.5mmol)をTHF200mlに溶
解し、氷冷、窒素雰囲気下60%水素化ナトリウム/流
動パラフィン2.68g(67mmol)を加え、室温で1時間
撹拌した。氷冷下、反応液にヨウ化アリル6.2ml(68
mmol)を加え、室温で7時間撹拌した。氷冷下、反応液
に60%水素化ナトリウム/流動パラフィン1.34g(3
4mmol)、ヨウ化アリル3.1ml(34mmol)を更に加え、
室温で13時間撹拌した。反応液を氷冷後、飽和塩化ア
ンモニウム水溶液200mlを加え、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を飽和食塩水で3回洗浄し、得られた有機層
を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒留去した。
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(SiO2:600ml,酢酸エチル/ヘキサン=4/96)で
精製し、8位にメチル基、メトキシメチルオキシ基、9
位にアリルオキシエチル基を有する下記構造式で示され
るヒドロナフタレン(以下ALB320という)11.0g(収
率:97%)を油状物質として得た。その1H-NMR(400MH
z)スペクトルデータは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 5.91(1H,ddt,J=17.6,10.3,5.9Hz), 5.26
(1H,dt,J=17.6,1.5Hz),5.15(1H,dt,J=10.3,1.5Hz), 4.7
2(1H,d,J=7.3Hz), 4.63(1H,d,J=7.3Hz), 3.96(2H,dt,J=
5.9,1.5Hz), 3.51(1H,ddd,J=10.7,8.8,5.9Hz), 3.37(1
H,ddd,J=10.7,8.8,5.9Hz), 3.33(3H,s), 1.94(1H,dt,J=
12.2,2.9Hz), 1.77-1.09(11H,m), 1.20(3H,s), 0.92-0.
88(2H,m), 0.85(3H,s), 0.82(3H,s), 0.78(3H,s).
【0208】
【化70】
【0209】ALB321の調製 ALB320の5.56g(16.4mmol)を用い、ALB304
とほぼ同様の操作を行った。得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(SiO2:500ml,酢酸エ
チル/ヘキサン=16/84)で精製し下記構造式で示さ
れる化合物(以下ALB321という)4.79g(収率:83
%)を油状物質として得た。その1H-NMR(400MHz)スペク
トルデータは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 4.72(1H,d,J=7.3Hz), 4.64(1H,d,J=7.3H
z), 3.70-3.66(1H,m), 3.60-3.53(1H,m), 3.48-3.38(2
H,m), 3.34(3H,s), 3.16-3.13(1H,m), 2.80(1H,t,J=4.9
Hz), 2.62-2.60(1H,m), 1.95(1H,dt,J=12.2,3.4Hz), 1.
77-1.10(11H,m), 1.21(3H,s), 0.92-0.87(2H,m), 0.86
(3H,s), 0.83(3H,s), 0.78(3H,s).
【0210】
【化71】
【0211】ALB322の調製 ALB321の4.22g(11.9mmol)を用い、ALB305
とほぼ同様の操作を行った。得られた残さをシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(SiO2:500ml,酢酸エ
チル/ヘキサン=67/23〜0/100)で精製し、8位
にメチル基、メトキシメチルオキシ基、9位に(2,3-ジ
ヒドロキシプロピル)オキシエチル基を有するヒドロナ
フタレン(以下ALB322という)3.84g(収率:87
%)を油状物質として得た。その1H-NMR(400MHz)スペク
トルデータは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 4.73(1H,d,J=7.3Hz), 4.65(1H,d,J=7.3H
z), 3.86-3.84(1H,m), 3.74-3.64(2H,m), 3.57-3.45(4
H,m), 3.34(3H,s), 1.97(1H,dt,J=12.2,3.4Hz), 1.74-
1.15(11H,m), 1.21(3H,s), 0.93-0.90(2H,m), 0.86(3H,
s), 0.83(3H,s), 0.79(3H,s).
【0212】ALB325の調製 ALB322の5.17g(7.17mmol)を用い、ALB307
とほぼ同様の操作を行った。得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(SiO2:400ml,酢酸エ
チル/ヘキサン=16/84)で精製し下記構造式で示さ
れる化合物(以下ALB325という)1.33g(収率:50
%)を白色固体として得た。その1H-NMR(400MHz)スペク
トルデータは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 4.72(1H,d,J=7.8Hz), 4.64(1H,d,J=7.8H
z), 4.09(2H,s), 3.75(3H,s), 3.65-3.58(1H,m), 3.50-
3.44(1H,m), 3.34(3H,s), 1.96(1H,dt,J=12.2,3.4Hz),
1.82-1.10(11H,m), 1.21(3H,s), 0.90(2H,dd,J=12.2,2.
0Hz), 0.86(3H,s), 0.83(3H,s), 0.78(3H,s).
【0213】
【化72】
【0214】ALB327の調製 ALB325の1.00g(2.70mmol)を窒素雰囲気下TH
F20mlに溶解し−78℃に冷却した後、2Mリチウム
ジイソプロピルアミドヘプタン/THF/エチルベンゼン
溶液1.49ml(2.98mmol)を5分かけて加え、−78
℃で1時間撹拌した。反応液にマレイン酸ジエチル0.
53ml(3.28mmol)を5分かけて加え、−78℃から
0℃まで6時間かけて昇温した。反応液に飽和塩化アン
モニウム水溶液20mlを加え、室温で一晩撹拌した。反
応液に酢酸エチルを加え、飽和食塩水で3回洗浄し、得
られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶
媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(SiO2:100ml,酢酸エチル/n-ヘキサン
=16/84〜32/68)で精製し黄色油状物質803m
g(収率:55%)を得た。該黄色油状物質700mg(1.
29mmol)をエタノール7mlに溶解し、6N水酸化ナトリ
ウム水溶液7mlを加えて48時間撹拌した。氷冷下反応
液へ2N塩酸30mlを加えた後、クロロホルムで3回抽
出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧下溶媒留去し、得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(SiO2:50ml,メタノール/ク
ロロホルム=16/84〜24/76)で精製し、8位に
メチル基、メトキシメチルオキシ基、9位に(1,2,3-ト
リカルボキシプロピル)オキシエチル基を有する下記構
造式で示されるヒドロナフタレン(以下ALB327とい
う)253mg(収率:42%)を白色粉末として得た。そ
1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下のとおりであ
る。 (CDCl3,ppm): 4.74(1H,d,J=7.8Hz), 4.66(1H,d,J=7.8H
z), 3.67-3.48(3H,m), 3.34(3H,s), 2.00(1H,dt,J=12.
2,3.4Hz), 1.82-1.11(14H,m), 1.22(3H,s), 0.91(2H,d
d,J=12.2,2.0Hz), 0.87(3H,s), 0.84(3H,s), 0.79(3H,
s).
【0215】
【化73】
【0216】ALB328の調製 ALB322の644mg(1.73mmol)を用い、ALB308
とほぼ同様の操作を行った。得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(SiO2:100ml,酢酸エ
チル/ヘキサン=32/68)で精製し、8位にメチル
基、メトキシメチルオキシ基、9位に(2-ヒドロキシエ
チル)オキシエチル基を有するヒドロナフタレン(以下A
LB328という)426mg(収率:72%)を油状物質とし
て得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下の
とおりである。 (CDCl3,ppm): 4.73(1H,d,J=7.3Hz), 4.65(1H,d,J=7.3H
z), 3.72-3.71(2H,m), 3.58-3.42(4H,m), 3.34(3H,s),
2.21(1H,brs), 1.96(1H,dt,J=12.2,3.4Hz), 1.78-1.11
(11H,m), 1.21(3H,s), 0.93-0.89(2H,m), 0.86(3H,s),
0.83(3H,s), 0.79(3H,s).
【0217】ALB329の調製 ALB321の250mg(0.705mmol)及び1,2,4-トリア
ゾール73mg(1.06mmol)をN,N-ジメチルホルムアミ
ド5mlに溶解し、カリウムt-ブトキシド95mg(0.84
7mmol)を加え、60℃で6時間撹拌した。反応液を氷
冷後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチル
で抽出した。有機層を飽和食塩水で3回洗浄し、得られ
た有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒留
去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(SiO2:50ml,メタノール/クロロホルム=1
/99〜2/98)で精製し下記構造式で示される化合物
(以下ALB329という)205mg(収率:69%)を白色
粉末として得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータ
は以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 8.16(1H,s), 7.95(1H,s), 4.71(1H,d,J=
7.3Hz), 4.64(1H,d,J=7.3Hz), 4.35(1H,dd,J=13.7,3.9H
z), 4.25(1H,dd,J=13.7,6.8Hz), 4.19-4.09(1H,m), 3.5
3-3.34(4H,m), 3.33(3H,s), 3.21(1H,d,J=4.9Hz), 1.97
(1H,dt,J=12.2,3.4Hz), 1.78-1.11(11H,m), 1.21(3H,
s), 0.92-0.88(2H,m), 0.86(3H,s), 0.83(3H,s), 0.79
(3H,s).
【0218】
【化74】
【0219】ALB330の調製 ALB321の250mg(0.705mmol)、1-(3-アミノプ
ロピル)イミダゾール0.1ml(0.838mmol)及び過塩
素酸リチウム150mg(1.41mmol)をアセトニトリル
5mlに懸濁し、50℃で4時間撹拌した。反応液を室温
まで冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加
え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、得ら
れた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒
留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(SiO2:50ml,メタノール/クロロホルム=
8/92〜16/84)で精製し下記構造式で示される化
合物(以下ALB330という)216mg(収率:64%)を
油状物質として得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデ
ータは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 7.51(1H,s), 7.02(1H,s), 6.94(1H,s),
4.72(1H,d,J=7.3Hz), 4.64(1H,d,J=7.3Hz), 3.92-3.81
(1H,m), 3.52-3.39(4H,m), 3.34(3H,s), 2.70-2.61(4H,
m), 2.18(3H,s), 2.00-1.94(3H,m), 1.76-1.11(11H,m),
1.21(3H,s), 0.91-0.89(2H,m), 0.86(3H,s), 0.83(3H,
s), 0.78(3H,s).
【0220】
【化75】
【0221】ALB331の調製 ALB321の250mg(0.705mmol)及び4-(3-アミノ
プロピル)モルホリン0.12ml(0.821mmol)を用
い、ALB330とほぼ同様の操作を行った。得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO2:5
0ml,メタノール/クロロホルム=4/96〜16/84)
で精製し下記構造式で示される化合物(以下ALB331と
いう)283mg(収率:80%)を薄黄色粉末として得
た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下のとお
りである。 (CDCl3,ppm): 4.72(1H,d,J=7.3Hz), 4.64(1H,d,J=7.3H
z), 4.28-4.18(1H,m), 3.78-3.75(4H,m), 3.55-3.42(4
H,m), 3.34(3H,s), 3.10-2.93(4H,m), 2.70-2.47(8H,
m), 1.97-1.11(12H,m), 1.20(3H,s), 0.92-0.89(2H,m),
0.87(3H,s), 0.83(3H,s), 0.79(3H,s).
【0222】
【化76】
【0223】ALB332の調製 ALB321 の250mg(0.705mmol)及びモルホリン
0.1ml(1.141mmol)を用い、ALB330とほぼ同様
の操作を行った。得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(SiO2:50ml,メタノール/クロロホ
ルム=1/99〜2/98)で精製し下記構造式で示され
る化合物(以下ALB332という)278mg(収率:89
%)を油状物質として得た。その1H-NMR(400MHz)スペク
トルデータは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 4.72(1H,d,J=7.3Hz), 4.64(1H,d,J=7.3H
z), 3.92-3.87(1H,m), 3.75-3.67(4H,m), 3.56-3.38(4
H,m), 3.34(3H,s), 2.65-2.60(2H,m), 2.49-2.37(4H,
m), 1.95(1H,dt,J=12.2,3.4Hz), 1.78-1.09(11H,m), 1.
21(3H,s), 0.90(2H,dd,J=12.2,2.4Hz), 0.86(3H,s), 0.
82(3H,s), 0.78(3H,s).
【0224】
【化77】
【0225】ALB333の調製 ALB321の250mg(0.705mmol)及びピペリジン
0.1ml(1.01mmol)を用い、ALB330とほぼ同様の
操作を行った。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(SiO2:50ml,メタノール/クロロホル
ム=2/98〜4/96)で精製し下記構造式で示される
化合物(以下ALB333という)273mg(収率:88%)
を油状物質として得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトル
データは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 4.72(1H,d,J=7.3Hz), 4.64(1H,d,J=7.3H
z), 3.91-3.87(1H,m), 3.56-3.52(1H,m), 3.50-3.37(3
H,m), 3.34(3H,s), 2.63-2.60(2H,m), 2.41-2.38(4H,
m), 1.95(1H,dt,J=12.2,3.4Hz), 1.78-1.08(17H,m), 1.
20(3H,s), 0.90(2H,dd,J=12.2,2.4Hz), 0.86(3H,s), 0.
82(3H,s), 0.78(3H,s)
【0226】
【化78】
【0227】ALB334の調製 ALB321の250mg(0.705mmol)及びN-メチルピペ
ラジン0.1ml(0.90mmol)を用い、ALB330とほぼ
同様の操作を行った。得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(SiO2:60ml,メタノール/クロ
ロホルム=4/96〜16/84)で精製し下記構造式で
示される化合物(以下ALB334という)248mg(収率:
77%)を油状物質として得た。その1H-NMR(400MHz)ス
ペクトルデータは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 4.72(1H,d,J=7.3Hz), 4.64(1H,d,J=7.3H
z), 3.89-3.86(1H,m), 3.56-3.38(4H,m), 3.33(3H,s),
2.67-2.36(10H,m), 2.29(3H,s), 1.95(1H,dt,J=12.2,3.
4Hz), 1.78-1.09(11H,m), 1.20(3H,s), 0.90(2H,dd,J=1
2.2,2.4Hz), 0.86(3H,s), 0.82(3H,s), 0.78(3H,s)
【0228】
【化79】
【0229】ALB335の調製 ALB321の250mg(0.705mmol)及び1-(2-ヒドロ
キシエチル)ピペラジン0.1ml(0.82mmol)を用い、
ALB330とほぼ同様の操作を行った。得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO2:60m
l,メタノール/クロロホルム=4/96〜16/84)で
精製し下記構造式で示される化合物(以下ALB335とい
う)262mg(収率:77%)を油状物質として得た。そ
1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下のとおりであ
る。 (CDCl3,ppm): 4.72(1H,d,J=7.3Hz), 4.64(1H,d,J=7.3H
z), 3.90-3.85(1H,m), 3.61(2H,t,J=5.4Hz), 3.56-3.38
(4H,m), 3.34(3H,s), 2.66-2.36(10H,m), 2.55(2H,t,J=
5.4Hz), 1.95(1H,dt,J=12.2,3.4Hz), 1.78-1.09(11H,
m), 1.21(3H,s), 0.90(2H,dd,J=12.2,2.4Hz), 0.86(3H,
s), 0.82(3H,s), 0.78(3H,s)
【0230】
【化80】
【0231】ALB336の調製 ALB329の177mg(0.418mmol)をTHF0.5ml
と80%酢酸水溶液3mlの混合溶媒に溶解し、2N塩酸
0.2mlを加え、80℃で5時間撹拌した。反応液を減
圧下溶媒留去し、得られた残渣をクロロホルムに溶解
し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で3回、飽和食塩水
で1回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧下溶媒留去し、得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(SiO2:30ml,メタノール/ク
ロロホルム=1/99〜2/98)で精製し下記構造式で
示される化合物(以下ALB336という)を油状物質とし
て116mg(収率:73%)を油状物質として得た。その
1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下のとおりであ
る。 (CDCl3,ppm): 8.14(1H,s), 7.94(1H,s), 4.36(1H,dd,J=
13.7,3.9Hz), 4.26(1H,dd,J=13.7,6.8Hz), 4.19-4.13(1
H,m), 3.47-3.34(4H,m), 3.19(1H,brs), 2.40-2.33(1H,
m), 2.26-2.19(1H,m), 2.03-0.90(11H,m), 1.59(3H,s),
0.94(6H,s), 0.88(3H,s)
【0232】
【化81】
【0233】ALB337及びALB338の調製 ALB321の500mg(1.41mmol)及びピペラジン73
mg(0.847mmol)を用い、ALB330とほぼ同様の操作
を行った。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(SiO2:100ml,メタノール/クロロホルム
=2/98〜4/96、16/84〜24/76)で精製し
下記構造式で示される化合物(化83、以下ALB337と
いう)330mg(収率:59%)、下記構造式で示される
化合物(化84、以下ALB338という)330mg(収率:
29%)をそれぞれ油状物質として得た。その1H-NMR(40
0MHz)スペクトルデータは以下のとおりである。 ALB337 (CDCl3,ppm): 4.72(2H,d,J=7.3Hz), 4.64(2H,d,J=7.3H
z), 3.89-3.85(2H,m), 3.56-3.35(8H,m), 3.33(6H,s),
2.66-2.36(14H,m), 1.95(2H,dt,J=12.2,3.4Hz),1.78-1.
10(22H,m), 1.20(6H,s), 0.90(4H,dd,J=12.2,2.4Hz),
0.86(6H,s), 0.82(6H,s), 0.78(6H,s). ALB338 (CDCl3,ppm): 4.72(1H,d,J=7.3Hz), 4.64(1H,d,J=7.3H
z), 3.92-3.87(1H,m), 3.58-3.37(4H,m), 3.33(3H,s),
3.00-2.96(4H,m), 2.71-2.68(2H,m), 2.63-2.39(6H,m),
1.95(1H,dt,J=12.2,2.9Hz), 1.78-1.09(11H,m), 1.20
(3H,s), 0.90(2H,dd,J=12.2,1.5Hz), 0.86(3H,s), 0.82
(3H,s), 0.78(3H,s).
【0234】
【化82】
【0235】
【化83】
【0236】ALB339の調製 ALB321の250mg(0.705mmol)及びアジ化ナトリ
ウム69mg(1.06mmol)を用い、ALB330とほぼ同様
の操作を行った。得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(SiO2:50ml,酢酸エチル/n-ヘキサ
ン;=16/84)で精製し、8位にメチル基、メトキシ
メチルオキシ基、9位に3-アジド-2-ヒドロキシプロピ
ルオキシエチル基を有するヒドロナフタレン(以下AL
B339という)209mg(収率:75%)を油状物質として
得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下のと
おりである。 (CDCl3,ppm): 4.72(1H,d,J=7.3Hz), 4.65(1H,d,J=7.3H
z), 3.95-3.91(1H,m), 3.57-3.32(6H,m), 3.34(3H,s),
2.69(1H,d,J=4.4Hz), 1.97(1H,dt,J=12.7,2.9Hz), 1.78
-1.10(11H,m), 1.21(3H,s), 0.91(2H,d,J=11.7Hz), 0.8
6(3H,s), 0.83(3H,s), 0.79(3H,s).
【0237】ALB340の調製 ALB321の250mg(0.705mmol)及びトリス(ヒド
ロキシメチル)アミノメタン128mg(1.06mmol)を用
い、ALB330とほぼ同様の操作を行った。得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO2:50
ml,メタノール/クロロホルム=16/84〜28/72)
で精製し、8位にメチル基、メトキシメチルオキシ基、
9位に3-(トリス(ヒドロキシメチル)メチル)アミノ-2-
ヒドロキシプロピルオキシエチル基を有するヒドロナフ
タレン(以下ALB340という)189mg(収率:56%)
を油状物質として得た。その1H-NMR(400MHz)スペクトル
データは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 4.72(1H,d,J=7.3Hz), 4.64(1H,d,J=7.3H
z), 3.95-3.91(1H,m), 3.64-3.12(9H,m), 3.60(6H,s),
3.34(3H,s), 2.86-2.83(1H,m), 2.72-2.63(1H,m), 1.95
(1H,d,J=12.7Hz), 1.78-1.12(11H,m), 1.20(3H,s), 0.9
0(2H,d,J=12.2Hz), 0.86(3H,s), 0.83(3H,s), 0.79(3H,
s).
【0238】ALB341の調製 ALB321の250mg(0.705mmol)及びジエタノール
アミン0.1ml(1.04mmol)を用い、ALB330とほぼ
同様の操作を行った。得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(SiO2:50ml,メタノール/クロ
ロホルム=4/96〜24/76)で精製し下記構造式で
示される化合物(以下ALB341という)247mg(収率:
76%)を油状物質として得た。その1H-NMR(400MHz)ス
ペクトルデータは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 4.72(1H,d,J=7.3Hz), 4.64(1H,d,J=7.3H
z), 3.93-3.92(1H,m), 3.79-3.37(11H,m), 3.34(3H,s),
2.82-2.47(6H,m), 1.95(1H,dt,J=12.2,2.9Hz),1.78-1.
11(11H,m), 1.21(3H,s), 0.90(2H,dd,J=12.2,2.0Hz),
0.86(3H,s), 0.83(3H,s), 0.78(3H,s).
【0239】
【化84】
【0240】ALB342の調製 ALB321の250mg及びD-グルコサミン塩酸塩228m
gを用い、ALB330とほぼ同様の操作を行った。得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO2:
50ml,メタノール/クロロホルム=4/96〜16/8
4)で精製し下記構造式で示される化合物(以下ALB34
2という)284mg(収率:76%)を油状物質として得
た。その1H-NMR(400MHz)スペクトルデータは以下のとお
りである。 (CDCl3,ppm): 5.99(1H,dd,J=6.8,4.9Hz), 4.70(1H,d,J=
7.3Hz), 4.64(1H,d,J=7.3Hz), 4.53-4.41(1H,m), 3.64-
3.28(13H,m), 3.33(3H,s), 1.95(1H,dt,J=12.2,3.4Hz),
1.78-1.07(11H,m), 1.19(3H,s), 0.90(2H,d,J=12.2H
z), 0.86(3H,s), 0.81(3H,s), 0.78(3H,s).
【0241】
【化85】
【0242】ALB343の調製 ALB321の250mg(0.705mmol)及びシス-2,6-ジ
メチルモルホリン0.11ml(0.89mmol)を用い、AL
B330とほぼ同様の操作を行った。得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(SiO2:50ml,メタ
ノール/クロロホルム=1/99〜2/98)で精製し下記
構造式で示される化合物(以下ALB343という)を油状
物質として274mg(収率:83%)得た。その1H-NMR(4
00MHz)スペクトルデータは以下のとおりである。 (CDCl3,ppm): 4.72(1H,d,J=7.3Hz), 4.64(1H,d,J=7.3H
z), 3.92-3.87(1H,m), 3.72-3.63(2H,m), 3.57-3.50(1
H,m), 3.48-3.37(3H,m), 3.34(3H,s), 2.82-2.63(2H,
m), 2.47-2.32(2H,m), 2.01-1.93(2H,m), 1.78-1.09(12
H,m), 1.20(3H,s), 1.16(3H,s), 1.15(3H,s), 0.90(2H,
dd,J=12.2,2.0Hz), 0.86(3H,s), 0.82(3H,s),0.78(3H,
s).
【0243】
【化86】
【0244】○ 化合物の特性測定 調製された各化合物の殺細胞活性測定の結果を表11に
示す。
【0245】
【表11】
【0246】実施例12 ○ 化合物の調製 ラブダノール酸の調整 Liberty Natural Products社より購入したCistus ladan
iferusの溶媒抽出エキスLABDUNUML(oil)15.0gを秤
取った。そこに酢酸エチル75ml及び0.5N水酸化ナト
リウム水溶液75mlを加え塩基性(pH=8.6)とし抽出
を行った。酢酸エチル層を取り除いた後、水層に酢酸エ
チル100ml及び1.0N塩酸15mlを加え酸性(pH=約
5.8)とし抽出を行った。酸性下にて得られた酢酸エチ
ル層を活性炭カラム(2.0cmID×2.5cm)に通過させ、
吸着する物質を除いた。通過部を減圧下溶媒留去し8.
45gの抽出エキス(oil)を得た。この抽出エキス8.4
5gをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(4.0cmID
×12.0cm、溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9/1
〜2/8)にて分画を行い、ヘキサン/酢酸エチル=5/5
〜2/8溶出画分1.2gを得た。これをセファデックスL
H-20カラムクロマトグラフィー(2.0cmID×70.0c
m、溶出溶媒:メタノール)にて15ml/tubeで分画を行
いFr.(9〜13):0.96gを得た。これを10mlのメ
タノールにて溶解後、活性炭カラム(1.5cmID×20.
0cm)に通過させ、さらにメタノール100mlにて活性
炭カラムを洗浄し、通過部及び洗浄部を合一した。この
合一した画分を減圧下溶媒を留去し926mgを得た。次
にこれを逆相カラムクロマトグラフィー(2.0cmID×1
5.0cm、溶出溶媒:70〜100%メタノール)にて分
画を行い、80〜85%メタノール溶出画分、445mg
を得た。この画分をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(2.0cmID×17.0cm、溶出溶媒:クロロホルム/メ
タノール=100/1〜100/100)にて分画を行う
ことにより、クロロホルム/メタノール=100/10〜
100/20溶出画分としてラブダノール酸128mgを
無色油状で得た。その1H-NMR(400MHz,CDCl3)のスペクト
ルチャートは図13のとおりであり、13C-NMR(400MHz,C
DCl3)のスペクトルデータは以下のとおりである。 15.5, 18.5, 19.9, 20.4, 21.5, 23.0, 23.9, 31.2, 3
3.2, 33.4, 39.1, 39.6,40.5, 41.5, 42.0, 43.9, 56.
0, 62.0, 74.9, 178.0ppm またRf値は0.47(シリカゲル薄層クロマトグラフィ
ー/シリカゲル60 F254(メルク)/クロロホルム/メタノー
ル=10/1)、0.51(シリカゲル薄層クロマトグラフ
ィー/シリカゲル60 F254(メルク)/ヘキサン/酢酸エチル
=1/4)及び0.38(逆相シリカゲル薄層クロマトグラ
フィー/RP-18 F254(メルク)/90%メタノール)であ
り、呈色反応はエールリッヒ試薬陽性(紫色)、アニスア
ルデヒド試薬陽性(赤紫色)及び50%硫酸試薬陽性(茶
色)であった。
【0247】○ 化合物の特性測定 ラブダノール酸の殺細胞活性測定の結果を表12に示
す。
【0248】
【表12】
【0249】実施例13 ○ 化合物の調製 COP-a-OH、COP-e-OHの調製 平塚産業(株)より入手したコーパル樹脂(コーパルC2)
をクロロホルム/メタノール混液に溶解させた後、綿栓
濾過にて不溶物を除去した。この溶液を減圧下濃縮し1
4.0gのエキスを得た。次いでこのエキスをシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(6.0cmID×30cm、溶出溶
媒:ヘキサン/酢酸エチル=10/1〜1/1)にて分画を
行い、ヘキサン/酢酸エチル=5/1〜3/1画分2.1g
およびヘキサン/酢酸エチル=2/1〜1/1画分3.1g
得た。次にヘキサン/酢酸エチル=5/1〜3/1画分2.
1g を逆相カラムクロマトグラフィー(3.0cmID×1
2.0cm、溶出溶媒:70〜100%メタノール)にて分
画を行い、80%メタノール溶出画分1.2gを得た。こ
の画分を更に逆相カラムクロマトグラフィー(3.0cmID
×12.0cm、溶出溶媒:70〜100%メタノール)に
て分画を行い、77.5%〜80%メタノール溶出画分
584mgおよび80〜85%メタノール溶出画分675
mgを得た。これらを10%含水シリカゲルを用いたカラ
ムクロマトグラフィーに数回付す事により(ヘキサン/酢
酸エチル=7/1〜3/1もしくはクロロホルム/メタノ
ール=200/1溶出画分)無色oil状の化合物(以下CO
P-eという)434mgを得た。COP-eの1H-NMR(400
MHz、CDCl3)のスペクトルチャートは図14の通りであ
り、13C-NMR(400MHz、CDCl3)スペクトルデータは12.
7, 18.8, 19.8, 21.6, 26.0, 28.9, 37.8, 38.6, 39.0,
39.7, 40.4, 44.1, 50.7, 55.3, 56.2, 106.5, 114.9,
147.6, 160.9, 167.3,184.1(ppm)である。また、シリカ
ゲル薄層クロマトグラフィー(シリカゲル 60 F254(メル
ク))のRf値は0.75(クロロホルム/メタノール=20
/1)及び0.59(ヘキサン/酢酸エチル=5/2)、逆相
シリカゲル薄層クロマトグラフィー(RP-18 F254(メル
ク))のRf値は0.33(90%メタノール)であり、呈色
反応はエールリッヒ試薬陽性(茶色)、アニスアルデヒド
試薬陽性(赤紫色)、50%硫酸試薬陽性(茶色)であっ
た。また前述したヘキサン/酢酸エチル=2/1〜1/1
画分3.1gを逆相カラムクロマトグラフィー、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー、10%含水シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにて数回分画を繰り返し無色oi
l状の化合物(以下COP-aという)199mgを得た。C
OP-aの1H-NMR(400MHz、CDCl3)のスペクトルチャー
トは図15の通りであり、13C-NMR(400MHz、CDCl3)
スペクトルデータは12.7, 17.9, 19.9, 26.0, 27.5, 2
9.0, 38.0, 38.7, 39.1, 40.7, 41.4,44.2, 56.4, 56.
6, 73.8, 106.7, 111.7, 145.1, 148.0, 183.7(ppm)で
ある。また、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(シリ
カゲル 60 F254(メルク))のRf値は0.52(クロロホル
ム/メタノール=20/1)及び0.39(ヘキサン/酢酸エ
チル=5/2)、逆相シリカゲル薄層クロマトグラフィー
(RP-18 F254(メルク))のRf値は0.51(90%メタノ
ール)であり、呈色反応はエールリッヒ試薬陽性(茶
色)、アニスアルデヒド試薬陽性(紫色)、50%硫酸試
薬陽性(茶色)であった。上記COP-aの100mg(0.3
1mmol)をジエチルエーテル5ml)に溶解し、ジアゾメタ
ンを少量ずつ加えてメチルエステル体(102mg)を得
た。このメチルエステル体をジエチルエーテル5mlに溶
解し、氷冷撹拌下水素化リチウムアルミニウム12mgを
少量ずつ加え、6時間室温で撹拌した。反応液を酢酸エ
チルで抽出後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食
塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を留
去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(5.0g、1cmID×16cm、溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エ
チル=9/1〜1/1)に付し下記構造式で示される化合
物(化88、以下COP-a-OHという)67.4mg(収率
75%)を得た。その1H-NMR(400MHz、CDCl3)のスペ
クトルチャートは図16の通りであり、13C-NMR(400
MHz、CDCl3)スペクトルデータは15.2, 17.8, 19.0, 24.
4, 27.1, 27.6, 35.4, 38.6, 38.8, 39.0, 39.7, 41.3,
56.3, 57.3, 65.0, 73.5, 106.8, 111.6, 145.2, 148.
1である。また、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(シ
リカゲル 60 F254(メルク))のRf値は0.20(ヘキサン
/酢酸エチル=4/1)であり、呈色反応はアニスアルデ
ヒド試薬陽性(紫色)であった。上記COP-eの200mg
(0.60mmol)をジエチルエーテル5mlに溶解し、ジア
ゾメタンを少量ずつ加えてメチルエステル体204mgを
得た。このメチルエステル体をジエチルエーテル5mlに
溶解し、氷冷撹拌下水素化リチウムアルミニウム40mg
を少量ずつ加え、3時間室温で撹拌した。反応液を酢酸
エチルで抽出後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和
食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を
留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(5.0g、1cmID×16cm、展開溶媒:クロロホルム/酢
酸エチル=10/0〜92/8)に付し下記構造式で示さ
れる化合物(化89、以下COP-e-OHという)111m
g(収率64%)を得た。その1H-NMR(400MHz、CDCl3)
のスペクトルチャートは図17の通りであり、13C-NMR
(400MHz、CDCl3)スペクトルデータは15.3, 16.3, 1
9.0, 21.9, 24.4, 27.1, 35.4, 38.3, 38.6, 38.7, 38.
9, 39.0, 39.5, 56.3, 59.4, 65.0, 106.5, 123.0, 14
0.5, 148.0である。また、シリカゲル薄層クロマトグラ
フィー(シリカゲル 60 F254(メルク))のRf値は0.16
(クロロホルム/酢酸エチル=9/1)であり、呈色反応は
アニスアルデヒド試薬陽性(紫色)であった。
【0250】
【化87】
【0251】
【化88】
【0252】COP-f-OHの調製 ソクハクヨウ50gに酢酸エチル300mlを加え24時
間室温で抽出した。ろ別後、残渣に酢酸エチル300ml
を加え再び24時間室温で抽出した。両方の抽出液を合
一し、溶媒を留去して抽出エキス2.14gを得た。この
抽出エキスを活性炭クロマトグラフィー(5.0g、2.5
cmID×8cm、展開溶媒:メタノール/クロロホルム=1
0/0〜4/1)およびシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(30g、2cmID×22cm、展開溶媒:ヘキサン/酢
酸エチル=9/1〜7/3)に付し下記構造式で示される
化合物(化90、以下COP-fという)343mg(シス、
トランス混合)を得た。その1H-NMR(400MHz、CDCl3)
のスペクトルチャートは図18の通りであり、シリカゲ
ル薄層クロマトグラフィー(シリカゲル 60 F254(メル
ク))のRf値は0.43(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)、
呈色反応はアニスアルデヒド試薬陽性(紫色)である。上
記COP-fの300mg(0.99mmol)をジエチルエーテ
ル5mlに溶解し、ジアゾメタンを少量ずつ加えてメチル
エステル体272mgを得た。このメチルエステル体をジ
エチルエーテル5mlに溶解し、氷冷撹拌下水素化リチウ
ムアルミニウム36mgを少量ずつ加え、3時間室温で撹
拌した。反応液を酢酸エチルで抽出後、飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥し溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(5.0g、1cmID×16cm、展開
溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9/1〜7/3)に付し下記
構造式で示される化合物(化91、以下COP-f-OHと
いう)114mg(シス、トランス混合、収率40%)を得
た。その1H-NMR(400MHz、CDCl3)のスペクトルチャー
トは図19の通りであり、シリカゲル薄層クロマトグラ
フィー(シリカゲル 60 F254(メルク))のRf値は0.32
(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)、呈色反応はアニスアル
デヒド試薬陽性(紫色)である。
【0253】
【化89】
【0254】
【化90】
【0255】○ 化合物の特性測定 調製した化合物の殺細胞活性測定の結果を表13に示
す。
【0256】
【表13】
【0257】実施例14 ○ 化合物の調製 BC-1〜-3の調製 下記表に示す組成からなる培地(500ml容のエルレン
マイヤーフラスコに100mlずつ分注後、121℃で1
5分間高圧蒸気滅菌したもの)にバチルスセレウスIFO31
32株を接種して、4日間27℃で培養した培養液1.2リ
ットルを、65℃20分間加熱した後に、同一組成の培
地40リットルに添加して、27℃で24時間振とう培
養を行った。24時間後バチルスセレウス菌が充分に生
育していることを確認した後に、スクラレオール8g(1
0%エタノール溶液)を添加し、更に14日間培養を行
った。
【0258】
【表14】
【0259】得られた培養液を3000rpmで20分間
遠心し、菌体と培養液とを分離した。培養液は40リッ
トルの酢酸エチルで、また菌体は4リットルの酢酸エチ
ルで抽出し、8.64gのエキスを得た。ついでこの酢酸
エチル抽出エキスをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(200g:4cmID×30cm、溶出溶媒:酢酸エチル/
ヘキサン=5.5/4.5〜10/0)にて分画を行い、そ
れらの画分の成分により、酢酸エチル/ヘキサン=7/3
(フラクション1:0.15g)、酢酸エチル/ヘキサン=
8/2(フラクション2:0.46g)、酢酸エチル/ヘキサ
ン=10/0(フラクション3:0.10g)の3分画に分
けた。次にフラクション1を逆層クロマトグラフィー
(2cmID×16cm、溶出溶媒:40〜100%メタノー
ル)にて分画を行い、50%溶出画分より化合物(以下B
C-1という)を31.6mg得た。そのシリカゲル薄層クロ
マトグラフィー(シリカゲル 60 F254(メルク))のRf値
は0.38(酢酸エチル/ヘキサン=9/1)、呈色反応は
アニスアルデヒド試薬陽性(青色〜赤色)である。次にフ
ラクション2をヘキサンから再結晶して、69.5mgの
白色粉状結晶として下記構造式で示される化合物(化9
2、以下BC-2という)を得た。そのシリカゲル薄層ク
ロマトグラフィー(シリカゲル 60 F254(メルク))のRf
値は0.45(酢酸エチル/ヘキサン=9/1)、呈色反応
はアニスアルデヒド試薬陽性(青色〜赤色)であり、1H-N
MR(400MHz、CD3OD)のスペクトルチャートは図20の
通りである。次にフラクション3を逆層クロマトグラフ
ィー(2cmID×16cm、溶出溶媒:50〜100%メタ
ノール)にて分画を行い、70〜80%溶出画分より下
記構造式で示される化合物(以下BC-3という)を19.
8mg得た。そのシリカゲル薄層クロマトグラフィー(シ
リカゲル 60 F254(メルク))のRf値は0.28(酢酸エチ
ル/ヘキサン=9/1)、呈色反応はアニスアルデヒド試
薬陽性(青色〜赤色)であり、1H-NMR(400MHz、CD3OD)
のスペクトルチャートは図21の通りであり、13C-NMR
(100MHz:CDCl3+CD3OD) スペクトルチャートは図22の
通りである。
【0260】
【化91】
【0261】
【化92】
【0262】○ 化合物の特性測定 調製した化合物の殺細胞活性測定の結果を表15に示
す。
【0263】
【表15】
【0264】
【発明の効果】本発明は新規な抗癌剤を提供できるとい
う優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 AT-5の1H−NMRチャートである。
【図2】 AT-24の1H−NMRチャートである。
【図3】 AT-25の1H−NMRチャートである。
【図4】 HAL-1の1H−NMRチャートである。
【図5】 HAL-1の13C−NMRチャートである。
【図6】 HAL-2の1H−NMRチャートである。
【図7】 HAL-1の13C−NMRチャートである。
【図8】 HAL-3の1H−NMRチャートである。
【図9】 HAL-3の13C−NMRチャートである。
【図10】 HAL-4の1H−NMRチャートである。
【図11】 HAL-5の1H−NMRチャートである。
【図12】 マノールGの1H−NMRチャートであ
る。
【図13】 ラブダノール酸の1H−NMRチャートで
ある。
【図14】 COP-aの1H−NMRチャートである。
【図15】 COP-eの1H−NMRチャートである。
【図16】 COP-a-OHの1H−NMRチャートであ
る。
【図17】 COP-a-OHの1H−NMRチャートであ
る。
【図18】 COP-fの1H−NMRチャートである。
【図19】 COP-f-OHの1H−NMRチャートであ
る。
【図20】 BC-2の1H−NMRチャートである。
【図21】 BC-3の1H−NMRチャートである。
【図22】 BC-3の13C−NMRチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/215 A61K 31/215 31/27 31/27 31/335 31/335 31/40 31/40 31/41 31/41 31/415 31/415 31/445 31/445 31/495 31/495 31/535 31/535 31/70 31/70 // C07D 207/16 C07D 207/16 233/61 102 233/61 102 249/08 519 249/08 519 265/30 265/30 295/08 295/08 A Z 295/12 295/12 Z 303/24 303/24 317/72 317/72 405/10 249 405/10 249 C07H 15/18 C07H 15/18 (72)発明者 加納 宗明 茨城県つくば市大久保2番 東亞合成株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 田中 憲一 茨城県つくば市大久保2番 東亞合成株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 若山 敏之 茨城県つくば市大久保2番 東亞合成株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 小池 信明 茨城県つくば市大久保2番 東亞合成株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 内田 貴義 茨城県つくば市大久保2番 東亞合成株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 太田 喜章 茨城県つくば市大久保2番 東亞合成株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 永田 敏幸 茨城県つくば市大久保2番 東亞合成株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 瀬川 俊章 茨城県つくば市大久保2番 東亞合成株式 会社つくば研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造式1で示される不飽和結合を有
    していてもよいヒドロナフタレン環構造を有し、イソク
    エン酸から誘導される構造がエーテル結合を仲立ちとし
    てヒドロナフタレン環の9位のメチルオキシ基に結合し
    ていない化合物を有効成分とすることを特徴とする抗癌
    剤。 【化1】 ただし、式中R1、R2 、R3は相互に同じであっても異
    なっていても良い置換基を有することもあるアルキル基
    である。
  2. 【請求項2】 スクラレオール、スクラレオライド、マ
    ノール又はラブダノール酸若しくはそれらから誘導され
    る化合物を有効成分とすることを特徴とする抗癌剤。
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