JP2011530539A - 腫瘍形成を抑制する脂質化合物 - Google Patents

腫瘍形成を抑制する脂質化合物 Download PDF

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Abstract

本発明は、抗腫瘍活性を示す化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは類似体を提供する。本発明は、有効量の本発明の化合物を癌細胞にin vitroまたはin vivoで接触させることにより、癌細胞の増殖を阻害する方法も含む。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2008年8月8日に出願された米国仮出願第61/087,305号の利益を主張するものであり、すべての図面、表、およびアミノ酸配列または核酸配列を含むその開示の全体は、参照により本明細書に組み込まれている。
本発明は、National Science Foundation認可番号1R21DK061649−01の下で政府の支援を受けてなされた。政府は本発明に一定の権利を有する。
本発明は、抗腫瘍活性を示す化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは類似体を提供する。本発明は、有効量の本発明の化合物を癌細胞にin vitroまたはin vivoで接触させることにより、癌細胞の成長を阻害する方法も含む。本発明の化合物を対象(例えば、ヒトまたはヒト以外の動物)に投与することにより、本発明は、癌細胞の成長の阻害、または癌と他の細胞増殖疾患の治療をin vivoで行う方法を提供する。任意選択により、本発明の方法は、癌を有する対象を診断する工程を含むこともできる。任意選択により、本発明の方法は、本発明の化合物を使用して癌細胞の成長を阻害する、または癌もしくは別の細胞増殖疾患の治療をする目的で、本発明の化合物(または類似体、薬学的に許容される塩、もしくは組成物)を選択する工程を含むこともできる。本発明は、本発明の化合物(または薬学的に許容されるその塩もしくは類似体)および薬学的に許容される担体を含有する組成物も含む。
化学構造および質量スペクトル。各図面のデータを以下に提供する。 化学構造および質量スペクトル。各図面のデータを以下に提供する。 化学構造および質量スペクトル。各図面のデータを以下に提供する。 化学構造および質量スペクトル。各図面のデータを以下に提供する。 化学構造および質量スペクトル。各図面のデータを以下に提供する。
異なる投与量のAIPを用いた24時間の単回処置時での、培養中のHUH−7ヒト肝臓癌細胞の増殖/生存の阻害。上側パネル(図6A)は用量−反応曲線、下側パネルは細胞培養の顕微鏡写真(20倍)。図6Bは、未処置のHUH−7細胞を示し、図6Bは、20μMのヘキサデシルシクロキシ−AIPで処置したHUH−7細胞を示す。 ヘキサデシル−AIPを用いた単回処置から24時間後の初代ラット肝細胞の生存/増殖。上側パネル(図7A)は用量−反応、下側パネルは未処置の細胞(図7B)および処置済み細胞(50μMのヘキサデシルシクロキシ−AIPで処置、図7C)の顕微鏡写真(10倍)。 ヘキサデシルオキシAIPおよびオクタデセニルオキシAIPの、ヒト初代肝細胞の生存および増殖に対する有意な効果の欠如。上側パネル(図8A)は用量−反応、下側パネルは未処置細胞(図8B)および処置済み細胞(50μMのヘキサデシルシクロキシ−AIPで処置、図9C)の顕微鏡写真(20倍)。 1−ヘキサデシルオキシ−3−イソプロピルアミノ−プロパン−2−オールの乳癌細胞に対する効果。未処置の細胞および処置済み細胞の顕微鏡写真を図9B〜図9Dに提供する。 1−ヘキサデシルオキシ−3−イソプロピルアミノ−プロパン−2−オールのヒト骨肉腫細胞に対する効果(48時間の曝露時(図10A)および24時間の曝露時(図10B))。未処置細胞と処置済み細胞の顕微鏡写真を図10C〜図10Eに提供する。 1−ヘキサデシルオキシ−3−イソプロピルアミノ−プロパン−2−オールのイヌ骨肉腫細胞に対する効果。未処置の細胞および処置済み細胞の顕微鏡写真を図11B〜図11Dに提供する。
本発明は、癌の治療が可能な化合物に関する。幾つかの実施形態では、癌細胞の増殖阻害が、細胞を本明細書で開示された成分に接触させることにより、実現できる。幾つかの実施形態では、本発明の化合物は、G2A、GPR4、ORG−1などの特定のLPL−GPCR、および/またはスフィンゴシンキナーゼ(SPK)などの脂質代謝酵素(複数可)のアンタゴニストとして作用し得る。
一態様では、本発明は、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物に関する。
好ましくは、R1およびR2は脂肪族(幾つかの実施形態では脂環式を含む)である。好ましくは、R1はC1〜C30であり、R1は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30個の炭素原子を有することができる。
特定の実施形態では、R1は環式部分を含まない。他の実施形態では、R1は直鎖である。さらに他の実施形態では、R1は分岐鎖または非芳香族環である。
2は、幾つかの実施形態では環式部分を含むことができない。特定の他の実施形態では、R2は直鎖または分岐鎖である。さらに他の実施形態では、R2は非芳香族環である。
特定の実施形態では、mおよびnは独立して0〜3であり、存在する置換基R3のそれぞれは、0個または1個以上の水素原子とともに、1〜10個の非水素原子を独立して含むことができる。特定の原子が、一方ではR1もしくはR2、または他方ではR3に属すると見なされるか決定する際、特定の原子がR1またはR2の範囲に入れば、R1またはR2に属しており、R3には属していないと見なされる。例えば、R2が脂肪族である実施形態において、次式の分子では、
2=置換エチル、n=1およびR2上のR3はメチルではなく、R2基は、n=0であるイソプロピルであると見なされる。イソプロピル基は全体が脂肪族であり、このため、完全にR2に属すると見なされる。
一方、次式の分子では
アルデヒド(ホルミル)基は脂肪族ではなく、このため、R2は置換エチル、n=1であり、R2上のR3はCH=Oである。すべての場合で、R3に属し、R2に直接結合している原子は、(a)R3中のヘテロ原子にそれ自体が直接結合している炭素、例えばカルボニル炭素、(b)ヘテロ原子、例えばハロゲン、O、S、P、もしくはN、または(c)アリール環もしくはヘテロアリール環中の環原子である炭素でなければならない。
特定の実施形態では、本発明の化合物は、「化合物A」(トランスまたはシス)、または「化合物B」、または「化合物C」である。
本発明の特定の組成物および方法では、これらの化合物のうち任意の2つの組合せを使用することもできるし、3つすべての組合せを使用することもできる。同様に、塩の組合せも使用できよう。さらに、図示された化合物A、B、およびCのそれぞれは、二重結合でのE配置およびZ配置、ならびに任意の所与のキラル中心が(R)または(S)であってよい異性体を含む、複数種の立体異性体として存在し得ると認められ、かつ、任意の単一の異性体を使用してもよいし、その任意の混合物または組合せを使用してもよいと想定される。
より具体的には、本明細書で開示された化合物は、キラル中心を含むことができると理解されたい。このようなキラル中心は、(R)配置と(S)配置のいずれかであってよいし、これらの混合物であってもよい。したがって、本明細書に示す化合物は、鏡像異性的に純粋であってもよいし、立体異性体混合物またはジアステレオマー混合物であってもよい。本明細書の化合物の開示は、任意のラセミ体、光学活性体、多形体、立体異性体、またはこれらの混合物を包含し、これらは、好ましくは本明細書に記載された有用な特性を有しており、光学活性体の調製法、および本明細書に記載の標準試験、または当該技術分野で周知の同様な他の試験を使用した活性の測定法は、当該技術分野では周知であると理解される。
別の態様では、本発明は、患者内の癌細胞の増殖を、有効量の本発明の化合物、または本発明の化合物を含む医薬組成物を投与することによって阻害する方法に関する。好ましくは、有効量の純粋なまたは単離された化合物を投与する。本発明の方法は、癌の治療および/または腫瘍増殖の阻害に有用である。癌の治療は、特定の癌に付随する1種または複数種の症状に有益な変化を伴う。好ましくは、治療は、腫瘍増殖速度の減少、または腫瘍の量もしくは大きさの低減を伴う。
本発明の方法に従い、置換アミノ−プロパノール化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは類似体を患者に対して、癌を治療する有効量で投与する。置換アミノ−プロパノール化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは類似体は、腫瘍の発症前、または既存の腫瘍の治療の際に予防的に投与できる。
正確な投与量は、幾つかの臨床因子、例えば、患者の種類(ヒト、ヒト以外の哺乳類、他の動物など)、患者の年齢、および治療中の特定の癌とその病原力に依存することになろう。当業者は、必要以上の実験をすることなく、適当な臨床効果を得るのに必要な適当な投与量を容易に決定できるであろう。
「患者」は、本明細書で開示された化合物を投与すると有益な効果が生じるヒト、ヒト以外の哺乳類、または他の動物を指す。
本明細書で使用される際、「治療」という用語は、癌に付随する病状および/またはその1種もしくは複数種の症状の改善または緩和、あるいは、本明細書で開示した化合物の投与の結果、腫瘍の量または体積を抑制することを含む。
化合物A、化合物B、化合物C、およびこれらに関連する立体異性体、ならびに上述の類似体または誘導体を含めた本発明の置換アミノ−プロパノール化合物は、当技術分野で知られている様々な方法によって得ることができる。本発明の誘導体は、当業者に知られている有機合成の方法を使用して合成できる。
本発明のさらなる態様は、G2A、GPR4、ORG−1などのLPL−GPCRのシグナル伝達活性を調節する方法を提供し、かつ、細胞または組織を有効量の置換アミノ−プロパノール化合物に接触させ、これにより、1つまたは複数のLPL−GPCRを介したシグナル伝達を調節する工程を含む。本発明の化合物は、スフィンゴシンキナーゼの活性を阻害または抑制し、腫瘍/癌細胞のアポトーシスを引き起こすのに使用することもできる。これらの方法は、in vivoまたはin vitroで行うことができる。
置換アミノ−プロパノール化合物は、単離された化合物として投与できるが、この化合物は医薬組成物として投与するのが好ましい。したがって、本発明はさらに、少なくとも1つの薬学的に許容される担体または希釈剤と一緒にした、活性剤としての置換アミノ−プロパノール化合物、または生理学的に許容されるその塩(複数可)を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、経腸、非経口、静脈内、筋肉内、局所、皮下など、様々な投与経路に適合できる。置換アミノ−プロパノール化合物は、癌性細胞部位(例えば、腫瘍内)への局所投与、または全身投与が可能である。継続的に投与することもできるし、当業者が決定できる明確な間隔で投与することもできる。例えば、限定するわけではないが、投与は、1、2、3、4、5、または6か月ごとに1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12回の頻度でもよいし、1、2、3、4、5、または6週間ごとに1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12回の頻度でもよいし、1、2、3、4、5、または6日ごとに1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12回の頻度でもよいし、1、2、3、4、5、または6時間ごとに1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12回の頻度でもよいし、同様の頻度でもよい。
本発明の化合物は、医薬として有用な組成物を調製する既知の方法に従って製剤化できる。製剤は、当業者に周知の容易に入手可能な幾つかの典拠に記載されている。例えば、Remington’s Pharmaceutical Science(Martin E.W.、Easton Pennsylvania、Mack Publishing Company、第19版、1995)には、本発明に関連して使用できる製剤が記載されている。投与に適する製剤には、例えば、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および受容対象の血液と製剤を等張にする溶質を含有し得る水性無菌注射液、ならびに、懸濁剤および増粘剤を含み得る水性および非水性無菌懸濁液が含まれる。製剤は、単位用量容器または多回用量容器、例えば密封型のアンプルおよびバイアルに入れておいてもよいし、無菌液担体、例えば注射用水という条件だけが使用前に必要となるフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保管していてもよい。即時の注射液および懸濁液は、無菌の粉末、顆粒、錠剤などから調製できる。発明の製剤は、詳細に上述した成分に加えて、該当する製剤の種類に関する、当技術分野で慣行的な他の作用剤(agent)を含むことができることを理解すべきである。
本発明の置換アミノ−プロパノール化合物は、当業者が調製できるすべての水和物および塩を含む。本発明の化合物が、安定で非毒性の酸塩または塩基塩を形成するのに十分な塩基性または酸性である条件下では、この化合物を塩として投与することが適切となり得る。薬学的に許容される塩の例は、生理学的に許容されるアニオンを形成する酸、例えば、トシル酸、メタンスルホン酸、酢酸、クエン酸、マロン酸、酒石酸、コハク酸、安息香酸、アスコルビン酸、α−ケトグルタール酸、およびα−グリセロリン酸によって形成される有機酸付加塩である。塩化物塩、硫酸塩、硝酸塩、重炭酸塩、および炭酸塩を含む適切な無機塩を形成することもできる。薬学的に許容される塩は、当該技術分野で周知の標準手順を使用して、例えば、アミンなどの塩基性基と生理学的に許容されるアニオンを産生する酸とを反応させて、またはカルボン酸などの酸性基と生理学的に許容されるカチオンを産生する塩基とを反応させて、得ることができる。例えば、カルボン酸からのアルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)およびアルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム)の塩が、一般に使用される。生理学的に許容されるカチオンおよびアニオンは、当該技術分野では周知である。
本発明の化合物は、医薬組成物として製剤化し、ヒトや動物の患者などの対象に、選択した投与経路すなわち経口または非経口に適合する様々な形態で、静脈経路、筋肉経路、局所経路または皮下経路により、投与できる。
したがって、本発明の化合物は、不活性希釈剤または吸収性可食担体など、薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて、全身投与を、例えば経口により、行うことができる。これらは、硬殻または軟殻のゼラチンカプセルに封入してもよいし、錠剤に押し固めてもよいし、患者の食事の食品に直接組み込んでもよい。経口治療投与の場合、活性化合物は、1つまたは複数の賦形剤と組み合わせて、服用可能な錠剤、バッカル錠剤、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁液、シロップ剤、ウエファー剤などの形態で使用することもできる。このような組成物および調製物は、0.01重量%未満、0.01〜0.05重量%、0.05〜0.1重量%、0.1〜0.5重量%、0.5〜1.0重量%、1.0〜5.0重量%、5〜10重量%、10〜20重量%、20〜30重量%、30〜40重量%、40〜50重量%、もしくは50重量%を超える有効成分、または上述の範囲の任意の組合せを含むことができる。治療に有用なこのような組成物中の活性化合物の量は有効投与量を達成できるものである。
錠剤、トローチ剤、丸剤、カプセル剤などは、次のものを含有することもできる。ゴムトラガント、アカシア、コーンスターチ、ゼラチンなどの結合剤と、リン酸二カルシウムなどの賦形剤と、コーンスターチ、ジャガイモでんぷん、アルギン酸などの崩壊剤と、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤と、スクロース、フルクトース、ラクトースもしくはアスパルテームなどの甘味剤。あるいは、ペパーミント、冬緑油、チェリー香料などの香味剤を加えてもよい。単位剤形がカプセル剤のときは、上述した種類の材料に加えて、植物油やポリエチレングリコールなどの液体担体を含有できる。様々な他の材料は、コーティング剤として、または固形単位剤形の物理的形態をそれ以外に改変するために、存在してもよい。例えば、錠剤、丸剤、またはカプセル剤は、ゼラチン、ワックス、シェラック、または糖などで被覆できる。シロップ剤またはエリキシル剤は、活性化合物と、甘味剤としてのスクロースまたはフルクトースと、防腐剤としてのメチルパラベンおよびプロピルパラベンと、染料と、チェリーやオレンジ風味などの香味料とを含有できる。当然ながら、任意の単位剤形を調製する際に使用される任意の材料は、薬学的に許容され、かつ、使用する量では実質的に非毒性にすべきである。さらに、活性化合物は、徐放性の製剤およびデバイスに組み込むこともできる。
本発明の方法に従い、置換アミノ−プロパノール化合物を、癌細胞の部位に局所的に投与できる。例えば、置換アミノ−プロパノール化合物または組成物は、腫瘍に直接投与できる(例えば、局所的に、または注射で腫瘍中に)。
活性剤(すなわち、置換アミノ−プロパノール化合物または薬学的に許容されるその塩)は、注入または注射により静脈内または腹腔内に投与することもできる。活性剤またはその塩の分散液および/もしくは溶液は、好ましくは非毒性界面活性剤と混合した水中、油中、またはグリセロール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチンおよびこれらの混合物の中で調製できる。保管および使用の通常の条件下では、これらの製剤は、微生物の増殖を予防する防腐剤を含有する。
注射または注入に適した医薬剤形は、無菌の水溶液もしくは分散液、または、注射用もしくは注入用の無菌溶液もしくは分散液の即時調製に適合し、任意選択によりリポソームに封入される、有効成分を含有した無菌の粉末を含むことができる。すべての場合で、最終的な剤形は、製造および保管の条件下では、無菌で、流動性で、安定でなければならない。液体担体または賦形剤は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、植物油、非毒性グリセリルエステル、およびこれらの適切な混合物を含む溶剤または液体分散媒体とすることができる。適切な流動性は、例えば、リポソームの形成、分散液の場合は必要な粒径の維持、または界面活性剤の使用により、維持できる。微生物の活動は、様々な抗生物質および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどを使用することにより、予防できる。多くの場合、等張化剤、例えば、糖、緩衝剤または塩化ナトリウムを含むことが好ましかろう。注射用組成物の持続的吸収は、吸収を遅延させる作用剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを組成物中で使用することにより、可能となる。
無菌注射液は、必要量の本発明の化合物を適当な溶媒に、必要ならばここまでに列挙した様々な他の成分とともに加えた後、ろ過滅菌することで調製できる。無菌注射液を調製するための無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥法および凍結乾燥法であり、これらにより、有効成分とあらかじめ無菌ろ過された溶液中に存在する任意の所望な追加成分との粉末が生じる。
局所投与の際、本発明の化合物は、例えば液体である場合には、純粋な形態で適用できる。しかし、これらは組成物または製剤として皮膚に、皮膚科学的に許容される担体と組み合わせて投与するのが、一般に望ましい。この担体は固体であってもよいし、液体であってもよい。
有用な固形担体は、タルク、粘土、微結晶性セルロース、シリカ、アルミナなどの微細な固体を含む。有用な液体担体は、水、アルコールもしくはグリコール、または水−アルコール/グリコール混合物を含み、これらには本発明の化合物を、任意選択により非毒性界面活性剤で補助して、有効量で溶解または分散できる。着香剤や追加の抗生物質などの補助剤を、所定の使途に関する特性を最適化するために加えることができる。得られた液体組成物は、包帯および他の包帯剤の含浸に使用される吸収パッドによって塗布することもできるし、ポンプ式噴霧器またはエアロゾル噴霧器を使用して患部にスプレーすることもできる。
合成ポリマー、脂肪酸、脂肪酸塩および脂肪酸エステル、脂肪アルコール、修飾されたセルロース、修飾された鉱物材料などの増粘剤を液体担体とともに使用することで、使用者の皮膚に直接塗布するための、薄塗り可能なペースト、ゲル、軟膏、石けんなどを形成することもできる。本発明の化合物を皮膚に送達するのに使用できる、有用な皮膚科用組成物の例は、Jacquetら(米国特許第4,608,392号)、Geria(米国特許第4,992,478号)、Smithら(米国特許第4,559,157号)およびWoltzman(米国特許第4,820,508号)に開示されている。
本発明の医薬組成物の有用な投与量は、そのin vitro活性と、動物モデル中でのin vivo活性とを比較することにより、決定できる。マウスおよび他の動物での有効な投与量からヒトに対する有効な投与量を外挿する方法は、当分野では既知である。例えば、米国特許第4,938,949号を参照されたい。
したがって、本発明は、本明細書に記載するような置換アミノ−プロパノール化合物もしくは薬学的に許容されるその塩を含む、またはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される担体と組み合わせて含む、医薬組成物を包含する。置換アミノ−プロパノール化合物、または薬学的に許容されるその塩のある量を含む、経口、局所、または非経口投与に適合する医薬組成物は、本発明の好ましい実施形態を構成する。本発明に関しては、対象、特にヒトに対する投与量は、合理的な時間枠にわたって患者に治療反応を起こすのに十分とすべきである。当業者には、投与量が、動物の状態、動物の体重、ならびに癌の重症度および病期を含む様々な要因に依存すると認識されよう。
癌細胞の増殖を阻害するための開示された方法によって利益を受ける哺乳動物種は、限定するわけではないが、類人猿、チンパンジー、オランウータン、ヒト、サルなどの霊長類と、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ベトナムポットベリーピッグ、ウサギ、フェレットなどの飼い慣らされた動物(例えば、ペット)と、ウシ、バッファロー、バイソン、ウマ、ロバ、ブタ、ヒツジ、ヤギなどの飼い慣らされた家畜と、クマ、ライオン、トラ、ヒョウ、ゾウ、カバ、サイ、キリン、アンテロープ、ナマケモノ、ガゼル、シマウマ、ウィルドビースト、プレーリードッグ、コアラ、カンガルー、オポッサム、アライグマ、パンダ、ハイエナ、アザラシ、アシカ、ゾウアザラシ、カワウソ、ネズミイルカ、イルカ、クジラなどの一般的には動物園で見られる外来の動物とを含む。「患者」および「対象」という用語は、本明細書では互換可能に使用されており、上述したヒトおよびヒト以外の哺乳動物種を含むことを意図している。同様に、本発明のin vitro方法は、上述した哺乳動物種の細胞に施すことができる。
本発明の方法、例えば、癌性細胞の増殖を阻害するための本方法は、限定するわけではないが、化学療法、放射線療法、Ras発癌性シグナル伝達を選択的に阻害する治療法、または、抗癌剤の投与などの癌の治療および管理に関する当業者に知られている任意の他の治療法を含めた、少なくとも1つのさらなる治療方法と有利に組み合わせて使用できる。さらに、本発明の方法は、生検や、超音波、X線、MRI、PET、CATなどの画像化技術など、癌患者の経過を診断または監視する既知の分析技術と有利に組み合わせることにより、本発明の化合物、塩、類似体、もしくは組成物の初回投与、または追加投与に、該分析技術(複数可)の結果を条件とし得る。例えば、幾つかの実施形態では、追加投与に、癌細胞の増殖が1回または複数回の初回投与によって阻害されたことを示す分析を、条件としてもよい。同様に、幾つかの実施形態では、初回投与に、癌が何らかの代替療法に対して十分に反応していなかったことを示す分析を、条件にしてもよい。
本発明の方法に従い、置換アミノ−プロパノール化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは誘導体は、それ自体で患者に投与することもできるし、1つまたは複数の他の置換アミノ−プロパノール化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは類似体を含めた、1種または複数種の他の化合物と併用投与することもできる。併用投与は、同時に(同じ製剤または別個の製剤中で)、または連続的に実施することもできる。さらに、本発明の方法に従い、置換アミノ−プロパノール化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは類似体を、患者に補助療法として投与できる。例えば、置換アミノ−プロパノール化合物、または薬学的に許容されるその塩もしくは類似体は、放射線療法または化学療法と併用して、患者に投与できる。
したがって、本発明の置換アミノ−プロパノール化合物は、別々に投与されるとしても、1つの医薬組成物として投与されるとしても、様々な他の成分を添加剤として含むことができる。該当する状況で使用できる許容される成分または補助剤の例には、化学療法剤、抗増殖剤、抗有糸分裂剤、抗代謝薬、アルキル化剤、標的トポイソメラーゼを含有する薬剤、腫瘍細胞中のシグナル伝達を標的にする薬剤、遺伝子療法、アンチセンス剤、干渉RNA(RNAi)、抗体治療剤、抗酸化剤、フリーラジカル捕捉剤、ペプチド、増殖因子、抗生物質、静菌剤、免疫抑制剤、抗凝血剤、緩衝剤、抗炎症剤、解熱剤、徐放性結合剤、麻酔剤、ステロイド剤、ステロイド類似体、および副腎皮質ステロイド剤が含まれる。化学療法剤の例は、表1に収載されている。このような成分は、さらなる治療上の利点をもたらし、置換アミノ−プロパノール化合物の治療作用に影響を及ぼすように作用し、または置換アミノ−プロパノール化合物の投与した結果として起きる恐れのあるすべての潜在的副作用を予防するように作用することができる。さらに、本発明の置換アミノ−プロパノール化合物は、治療剤に結合することもできる。
同じ製剤中で、または別個の製剤として患者に併用投与できる追加の作用剤には、免疫調節剤など、所与の生物学的応答を調節するものが含まれる。例えば、腫瘍壊死因子(TNF)、インターフェロン(α−インターフェロンやβ−インターフェロンなど)、神経成長因子(NGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、および組織プラスミノーゲンアクチベーターなどのタンパク質が、投与できる。リンホカイン、インターロイキン(インターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−2(IL−2)、インターロイキン−6(IL−6)など)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、または他の増殖因子などの生物学的応答調節物質が、投与できる。
本発明は、癌の治療に有用な製品も提供する。この物品は、置換アミノ−プロパノール化合物、および薬学的に許容される担体または希釈剤を含有する医薬組成物を含む。製品は例えば、バイアル、ボトル、静脈内バッグ、注射器、鼻用塗布具、微小透析用プローブ、または他の医薬組成物用容器にすることができる。本発明の医薬組成物を含有する鼻用塗布具は、噴射剤をさらに含むことができる。製品は、包装をさらに備えることができる。製品は、癌を治療するための医薬組成物の投与に関する説明を開示する印刷物を備えることもできる。好ましくは、印刷物は、癌を治療するための医薬組成物の投与に関する説明を開示する。印刷物は、製品上に浮彫りまたは印刷し、活性剤(置換アミノ−プロパノール化合物)の量または濃度、癌の治療に対する推奨投与量、または治療を受ける個々人に関する推奨重量を示すようにできる。
本明細書で使用される際、「癌(cancer)」および「癌性(cancerous)」という用語は、無秩序な細胞増殖、すなわち増殖性疾患によって典型的に特徴づけられる哺乳類内の生理的状態のことを指す、または記述する。このような増殖性疾患の例には、癌種、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、白血病などの癌、ならびに、本明細書に開示された他の癌が含まれる。このような癌のより具体的な例には、乳癌と、前立腺癌と、結腸癌と、扁平上皮細胞癌と、小細胞肺癌と、非小細胞肺癌と、消化器癌と、膵臓癌と、子宮頸癌と、卵巣癌と、腹膜癌と、肝臓癌、例えば肝細胞癌と、膀胱癌と、結腸直腸癌と、子宮内膜癌と、腎臓癌と、甲状腺癌とが、含まれる。ある好ましい実施形態では、治療される癌は、哺乳類の肝細胞癌、骨肉腫、乳癌、卵巣癌、および/または結腸癌である。
癌の非限定的な例には他に、基底細胞癌と、胆道癌と、骨癌と、乳癌と、脳およびCNSの癌と、絨毛癌と、結腸癌と、結合組織癌と、食道癌と、眼癌と、頭部および頸部の癌と、胃癌と、上皮内新生物と、咽頭癌と、肺癌と、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫と、黒色種と、骨髄種と、神経芽腫と、口腔癌(例えば、唇、舌、口、および咽頭)と、膵臓癌と、網膜芽腫と、横紋筋肉腫と、直腸癌と、呼吸器系の癌と、肉腫と、皮膚癌と、胃癌と、精巣癌と、子宮癌と、尿路系の癌、ならびに他の癌腫および肉腫が、含まれる。
本明細書で使用される際、「腫瘍(tumor)」という用語は、悪性であろうと良性であろうと、すべての腫瘍性の細胞成長と細胞増殖、ならびにすべての前癌性および癌性の細胞と組織を指す。例えば、特定の癌は、固体塊腫瘍によって特徴づけることができる。固形腫瘍塊は、存在する場合は、原発性腫瘍塊であり得る。原発性腫瘍塊は、その組織の正常細胞が形質転換することで生じる組織中の癌細胞の成長を指す。大抵の場合、原発性腫瘍塊は嚢腫の存在によって同定され、この嚢腫は、視覚的方法もしくは触診法を介して、または組織の形状の不規則性、質感、もしくは重量により、発見できる。しかし、ある原発性腫瘍は触診できず、X線(例えば、マンモグラフィー)などの医療用画像化技術を介して、または針吸引(needle aspiration)によってのみ検知できる。これら後者の技術の使用は、早期検査ではより一般的である。組織中の癌細胞の分子的分析および表現型分析は、通常、癌が組織に内在的であるか、またはこの病変が別の部位からの転移によるものであるかを確認する。
本明細書で使用される際、「治療する」または「治療」という用語は、治療的処置と、抑止的または予防的手段の両方を指し、これらの対象は、癌の進行や広がりなど、望ましくない生理学的変化もしくは障害を予防または遅延(緩和)することである。本発明の目的に関して、有益または所望の臨床結果には、限定するわけではないが、症状の軽減、疾患の規模の縮減、疾患の状態の安定化(すなわち、悪化していないこと)、疾患の進行の遅延または遅延、疾患状態の改善または寛解が含まれる。
本明細書で使用される際、「(治療)有効量」という用語は、患者内の疾患または障害を治療するのに有効な作用剤(例えば、薬剤)の量を指す。癌の場合、作用剤の治療有効量は、癌細胞の数を抑制し、腫瘍の大きさを抑制し、癌細胞の末梢器官への浸潤を阻害し(すなわち、ある程度まで遅延させ、好ましくは停止させ)、腫瘍転移を阻害し(すなわち、ある程度まで遅延させ、好ましくは停止させ)、腫瘍成長をある程度まで阻害し、かつ/または癌に付随する1つまたは複数の症状をある程度まで軽減することができる。作用剤は、ある程度まで既存の癌細胞の成長を予防し、かつ/または既存の癌細胞を殺滅することができ、細胞増殖抑制性かつ/または細胞毒性になり得る。癌療法に関して、効果は、例えば、疾患が進行するまでの時間(TTP)を評価することにより、かつ/または反応速度(RR)を測定することにより、計測できる。
本明細書で使用される際、「増殖阻害量」という用語は、腫瘍細胞などの標的細胞の増殖をin vitroとin vivoのいずれかで、細胞増殖を阻害する機序とは無関係に阻害する量を指す。好ましい実施形態では、増殖阻害量は、細胞培養物中の標的細胞の増殖を約20%超、好ましくは約50%超、最も好ましくは約75%超(例えば約75%から約100%まで)阻害する。
「細胞」および「複数の細胞」という用語は、本明細書では互換可能に使用されており、そうでないと明示されない限り、単一の細胞と複数の細胞のいずれかを含むことを意図している。
本明細書で使用される際、「薬学的に許容される塩またはプロドラッグ」という用語は、置換アミノ−プロパノール化合物の任意の薬学的に許容される形態(エステル、リン酸エステル、エステルまたは関連する基の塩など)を記述することを意図している。この形態は、患者に投与した際、置換アミノ−プロパノール化合物を生じさせる。薬学的に許容される塩には、薬学的に許容される無機または有機の塩基および酸に由来する塩が含まれる。適切な塩は、カリウムやナトリウムなどのアルカリ金属に由来する塩、カルシウムやマグネシウムなどのアルカリ土類金属に由来する塩、および製薬分野で周知の数多くの他の酸に由来する塩が含まれる。薬学的に許容されるプロドラッグは、宿主内で代謝、例えば加水分解または酸化されることで、本発明の化合物を形成する化合物を指す。プロドラッグの典型例は、活性化合物の官能性部分に接する生物学的に不安定な保護基を有する化合物を含む。プロドラッグには、酸化、還元、アミノ化、脱アミノ化、ヒドロキシル化、脱ヒドロキシル化、加水分解、脱加水分解、アルキル化、脱アルキル化、アシル化、脱アシル化、リン酸化、脱リン酸化されることで活性化合物を産生可能な化合物が含まれる。
本明細書で使用される「薬学的に許容されるエステル」という用語は、そうでないと明示されない限り、1つまたは複数の化合物のエステルを含む。このエステルは、健全医学的判断の範囲内では、過度の毒性、炎症、アレルギー反応などがないように宿主の組織に接触させて使用するのに適しており、合理的な受益性/危険性比率に相応しており、意図する使途に対して効果的である。
とりわけ、以下の実施形態が本発明には含まれる。
実施形態1:下式を有する化合物、または薬学的に許容されるその塩:
式中、R1はC1からC30まで脂肪族であり、
2はC1からC30まで脂肪族であり、
mおよびnは、独立して0〜3であり、かつ
存在する各置換基R3は独立して、0個または1個以上の水素原子に加えて1個から10個の非水素原子からなる。
本明細書で使用される「脂肪族」は、飽和または不飽和であり得るが、芳香族ではない炭化水素(炭素原子および水素原子のみを含有する)を意味する。本明細書で使用される「脂肪族」は、非芳香族環状構造(例えば、シクロアルキル基)を含有する炭化水素を包含する。
実施形態2:R1は、
(i)環状部を含まない、または
(ii)1つの環状部を含む、または
(iii)2つの環状部を含む、または
(iv)3つの環状部を含む、または
(v)4つ以上の環状部を含む、
実施形態1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
本明細書で使用される「環状部」は、環状構造の形成を指す。いかなる種類の環状構造も含まない分子は、環状部を含まない。1個の環状部を含む分子は、単一の単純環を含有する分子を意味する。当業者であれば、例えば、以下の構造が、1個の単純環をそれぞれが含有していることを容易に認識できるであろう。
3、4、5、6、7、または8個以上の原子を含有する環が意図される。2個の環状部を含む分子は、架橋構造(結合、2価原子、または2価の直鎖もしくは分岐鎖)を加えることにより、1個の環状部をすでに有している分子の異なる2部分を接続し、その結果追加の環状構造を形成することによって、概念的に生成し得る任意の分子である。例えば、以下の分子のそれぞれは、架橋結合を、上述の例で使用した3個の単純環構造に加えることにより、概念的に生成できるであろう。
したがって、これらの分子は、2個の環状部を有する。同様に、(i+1)個の環状部を有する分子は、架橋構造(結合、2価原子、または2価の直鎖もしくは分岐鎖)を加えることにより、(i)個の環状部を有する分子の異なる2部分を接続し、その結果追加の環状構造を形成することによって、概念的に生成し得る任意の分子である。所与の分子が幾つの「環状部」を有するかが少しでも曖昧な場合、分子は、環状部のあり得る数のうちで最小のものを有していると見なすことになる。
実施形態3:R1は、
(i)分岐部位を含まない、または
(ii)1個の分岐部位を含む、または
(iii)2個の分岐部位を含む、または
(iv)3個の分岐部位を含む、または
(v)4個の分岐部位を含む、または
(vi)5個の分岐部位を含む、または
(vii)6個の分岐部位を含む、または
(viii)7個の分岐部位を含む、または
(ix)8個の分岐部位を含む、または
(x)9個以上の分岐部位を含む、
実施形態1または2のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
本明細書で使用される際、分岐部位は、各三級炭素を1回に数え、各四級炭素を2回に数えることにより、計算する。
したがって、下記は、3つの分岐部位(1個の四級炭素と1個の三級炭素)を含む。
本明細書で使用される際、三級炭素は、3個の他の炭素に結合している炭素であり、四級炭素は、4個の他の炭素に結合している炭素である。R1またはR2に含まれる分岐部位の数を数えるという目的に関して、R3で置き換えても、追加の分岐部位が生じるとは見なさない。
実施形態4:R1は、
(i)炭素−炭素二重結合を含まない、または
(ii)1個の炭素−炭素二重結合を含む、または
(iii)2個の炭素−炭素二重結合を含む、または
(iv)3個の炭素−炭素二重結合を含む、または
(v)4個の炭素−炭素二重結合を含む、または
(vi)5個の炭素−炭素二重結合を含む、または
(vii)6個の炭素−炭素二重結合を含む、または
(viii)7個の炭素−炭素二重結合を含む、または
(ix)8個の炭素−炭素二重結合を含む、または
(x)9個以上の炭素−炭素二重結合を含む、
実施形態1から3のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
実施形態5:R1は、
(i)炭素−炭素三重結合を含まない、または
(ii)1個の炭素−炭素三重結合を含む、または
(iii)2個の炭素−炭素三重結合を含む、または
(iv)3個の炭素−炭素三重結合を含む、または
(v)4個の炭素−炭素三重結合を含む、または
(vi)5個の炭素−炭素三重結合を含む、または
(vii)6個の炭素−炭素三重結合を含む、または
(viii)7個の炭素−炭素三重結合を含む、または
(ix)8個の炭素−炭素三重結合を含む、または
(x)9個以上の炭素−炭素三重結合を含む、
実施形態1から4のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
実施形態6:R1は、
(i)C1脂肪族である、または
(ii)C2脂肪族である、または
(iii)C3脂肪族である、または
(iv)C4脂肪族である、または
(v)C5脂肪族である、または
(vi)C6脂肪族である、または
(vii)C7脂肪族である、または
(viii)C8脂肪族である、または
(ix)C9脂肪族である、または
(x)C10脂肪族である、または
(xi)C11脂肪族である、または
(xii)C12脂肪族である、または
(xiii)C13脂肪族である、または
(xiv)C14脂肪族である、または
(xv)C15脂肪族である、または
(xvi)C16脂肪族である、または
(xvii)C17脂肪族である、または
(xviii)C18脂肪族である、または
(xix)C19脂肪族である、または
(xx)C20脂肪族である、または
(xxi)C21脂肪族である、または
(xxii)C22脂肪族である、または
(xxiii)C23脂肪族である、または
(xxiv)C24脂肪族である、または
(xxv)C25脂肪族である、または
(xxvi)C26脂肪族である、または
(xxvii)C27脂肪族である、または
(xxviii)C28脂肪族である、または
(xxix)C29脂肪族である、または
(xxx)C30脂肪族である、
実施形態1から5のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
実施形態7:R2は、
(i)環状部を含まない、または
(ii)1つの環状部を含む、または
(iii)2つの環状部を含む、または
(iv)3つの環状部を含む、または
(v)4つ以上の環状部を含む、
実施形態1から6のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
実施形態8:R2は、
(i)分岐部位を含まない、または
(ii)1個の分岐部位を含む、または
(iii)2個の分岐部位を含む、または
(iv)3個の分岐部位を含む、または
(v)4個の分岐部位を含む、または
(vi)5個の分岐部位を含む、または
(vii)6個の分岐部位を含む、または
(viii)7個の分岐部位を含む、または
(ix)8個の分岐部位を含む、または
(x)9個以上の分岐部位を含む、
実施形態1から7のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
実施形態9:R2は、
(i)炭素−炭素二重結合を含まない、または
(ii)1個の炭素−炭素二重結合を含む、または
(iii)2個の炭素−炭素二重結合を含む、または
(iv)3個の炭素−炭素二重結合を含む、または
(v)4個の炭素−炭素二重結合を含む、または
(vi)5個の炭素−炭素二重結合を含む、または
(vii)6個の炭素−炭素二重結合を含む、または
(viii)7個の炭素−炭素二重結合を含む、または
(ix)8個の炭素−炭素二重結合を含む、または
(x)9個以上の炭素−炭素二重結合を含む、
実施形態1から8のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
実施形態10:R2は、
(i)炭素−炭素三重結合を含まない、または
(ii)1個の炭素−炭素三重結合を含む、または
(iii)2個の炭素−炭素三重結合を含む、または
(iv)3個の炭素−炭素三重結合を含む、または
(v)4個の炭素−炭素三重結合を含む、または
(vi)5個の炭素−炭素三重結合を含む、または
(vii)6個の炭素−炭素三重結合を含む、または
(viii)7個の炭素−炭素三重結合を含む、または
(ix)8個の炭素−炭素三重結合を含む、または
(x)9個以上の炭素−炭素三重結合を含む、
実施形態1から9のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
実施形態11:R2は、
(i)C1脂肪族である、または
(ii)C2脂肪族である、または
(iii)C3脂肪族である、または
(iv)C4脂肪族である、または
(v)C5脂肪族である、または
(vi)C6脂肪族である、または
(vii)C7脂肪族である、または
(viii)C8脂肪族である、または
(ix)C9脂肪族である、または
(x)C10脂肪族である、または
(xi)C11脂肪族である、または
(xii)C12脂肪族である、または
(xiii)C13脂肪族である、または
(xiv)C14脂肪族である、または
(xv)C15脂肪族である、または
(xvi)C16脂肪族である、または
(xvii)C17脂肪族である、または
(xviii)C18脂肪族である、または
(xix)C19脂肪族である、または
(xx)C20脂肪族である、または
(xxi)C21脂肪族である、または
(xxii)C22脂肪族である、または
(xxiii)C23脂肪族である、または
(xxiv)C24脂肪族である、または
(xxv)C25脂肪族である、または
(xxvi)C26脂肪族である、または
(xxvii)C27脂肪族である、または
(xxviii)C28脂肪族である、または
(xxix)C29脂肪族である、または
(xxx)C30脂肪族である、
実施形態1から10のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
実施形態12:mは、
(i)0である、または
(ii)1である、または
(iii)2である、または
(iv)3である、
実施形態1から11のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
実施形態13:R1上に置換された各々のR3は、
(i)非水素原子を最大で1個含む、または
(ii)非水素原子を最大で2個含む、または
(iii)非水素原子を最大で3個含む、または
(iv)非水素原子を最大で4個含む、または
(v)非水素原子を最大で5個含む、または
(vi)非水素原子を最大で6個含む、または
(vii)非水素原子を最大で7個含む、または
(viii)非水素原子を最大で8個含む、または
(ix)非水素原子を最大で9個含む、または
(x)非水素原子を最大で10個含む、
実施形態1から12のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
実施形態14:nは、
(i)0である、または
(ii)1である、または
(iii)2である、または
(iv)3である、
実施形態1から13のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
実施形態15:R2上に置換された各々のR3は、
(i)非水素原子を最大で1個含む、または
(ii)非水素原子を最大で2個含む、または
(iii)非水素原子を最大で3個含む、または
(iv)非水素原子を最大で4個含む、または
(v)非水素原子を最大で5個含む、または
(vi)非水素原子を最大で6個含む、または
(vii)非水素原子を最大で7個含む、または
(viii)非水素原子を最大で8個含む、または
(ix)非水素原子を最大で9個含む、または
(x)非水素原子を最大で10個含む、
実施形態1から14のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
実施形態16:R1上に置換された各々のR3に関して、
(i)各非水素原子は、ハロゲン、C、N、O、P、もしくはSである、または
(ii)各非水素原子は、ハロゲン、C、N、O、もしくはPである、または
(iii)各非水素原は、ハロゲン、C、N、O、もしくはSである、または
(iv)各非水素原子は、ハロゲン、C、N、P、もしくはSである、または
(v)各非水素原子は、ハロゲン、C、O、P、もしくはSである、または
(vi)各非水素原子は、ハロゲン、N、O、P、もしくはSである、または
(vii)各非水素原子は、C、N、O、P、もしくはSである、
実施形態1から15のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
特定の実施形態は本明細書で明示的に示されているが、他の実施形態は、R3内に含有される非水素原子は、ハロゲン、C、N、O、P、およびSからなる群より選択される任意の1種類の原子(例えば、Nに限定、またはOに限定);ハロゲン、C、N、O、P、およびSからなる群より選択される任意の2種類の原子(例えば、PおよびOに限定、またはSおよびOに限定);ハロゲン、C、N、O、P、およびSからなる群より選択される任意の3種類の原子(例えば、C、N、およびOに限定、またはC、O、およびハロゲンに限定);またはハロゲン、C、N、O、P、およびSからなる群より選択される任意の4種の原子に限定されると、具体的には考えられる。このような限定は、R3のR2への置換にも適用でき、この適用は、R3のR1への置換に適用される任意の上述の限定から分離し、かつ独立していることができると、さらに考えられる。
実施形態17:R2上に置換された各々のR3に関して、
(i)各非水素原子は、ハロゲン、C、N、O、P、もしくはSである、または
(ii)各非水素原子は、ハロゲン、C、N、O、もしくはPである、または
(iii)各非水素原子は、ハロゲン、C、N、O、もしくはSである、または
(iv)各非水素原子は、ハロゲン、C、N、P、もしくはSである、または
(v)各非水素原子は、ハロゲン、C、O、P、もしくはSである、または
(vi)各非水素原子は、ハロゲン、N、O、P、もしくはSである、または
(vii)各非水素原子は、C、N、O、P、もしくはSである、
実施形態1から16のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
実施形態18:R1上に置換されたR3は、アリール基を含んでいない、実施形態1から17のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
本明細書で使用される際、「アリール」は炭素環式芳香族基、例えばフェニルまたはナフチルを意味する。したがって、「アリール」は「ヘテロアリール」を包含しない。
実施形態19:R1上に置換されたR3は、ヘテロアリール基を含まない、実施形態1から18のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
本明細書で使用される際、「ヘテロアリール」は複素環式芳香族基、例えばピリジルを意味する。
実施形態20:R2上に置換されたR3は、アリール基を含まない、実施形態1から19のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
実施形態21:R2上に置換されたR3は、ヘテロアリール基を含まない、実施形態1から20のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
実施形態22:R1は、ヘキサデセニル、ヘキサデシル、またはオクチルであり、R2はイソプロピルであり、かつR1とR2はいずれも、任意の置換基R3で置換されない、実施形態1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
実施形態23:前記化合物が下記に示される、実施形態1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
実施形態24:前記化合物が下記に示される、実施形態1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
実施形態25:前記化合物が下記またはそのシス異性体である、実施形態1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
実施形態26:実施形態1から25のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を癌患者に投与する工程を含む、患者内の癌を治療する方法。
実施形態27:LPL−GPCRアンタゴニストを癌患者に投与する工程を含む、患者内の癌を治療する方法。
実施形態28:前記アンタゴニストは、G2A、GPR4、またはORG−1のアンタゴニストである、実施形態27に記載の方法。
実施形態29:前記患者が、1つまたは複数のLPL−GPCRにおけるシグナル伝達の調節により治療可能な癌に罹患していると特定する工程をさらに含む、実施形態26から28のいずれかに記載の方法。
実施形態30:前記癌は、哺乳類の肝細胞癌、骨肉腫、乳癌、結腸癌、または卵巣癌である、実施形態26から29のいずれかに記載の方法。
実施形態31:前記投与する工程は、少なくとも一部は、癌細胞の増殖を阻害する目的で行われる、実施形態26から30のいずれかに記載の方法。
実施形態32:前記患者が、腫瘍に罹患して、前記化合物、または薬学的に許容されるその塩が、腫瘍の成長を阻害する、実施形態26から31のいずれかに記載の方法。
実施形態33:前記投与経路は、局所、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、経口、鼻腔内、または吸入である、実施形態26から32のいずれかに記載の方法。
実施形態34:実施形態1から25のいずれかに記載の前記化合物、もしくは薬学的に許容されるその塩、ならびに薬学的に許容される担体、補助剤、希釈剤、または賦形剤を含む、医薬組成物。
実施形態35:免疫調節剤、抗酸化剤、フリーラジカル捕捉剤、ペプチド、増殖因子、抗生物質、静菌剤、免疫抑制剤、抗凝血剤、緩衝剤、抗炎症剤、解熱剤、徐放性結合剤、麻酔剤、ステロイド剤、または副腎皮質ステロイド剤をさらに含む、実施形態34に記載の医薬組成物。
実施形態36:前記化合物または薬学的に許容されるその塩が、治療に有効な濃度で存在する、実施形態34または35のいずれかに記載の医薬組成物。
実施形態37:前記化合物または薬学的に許容されるその塩に加えて、第2の活性薬剤成分(API)をさらに含む、実施形態34から36のいずれかに記載の医薬組成物。
実施形態38:前記第2のAPIが抗癌剤である、実施形態37に記載の医薬組成物。
実施形態39:実施形態34から38のいずれかに記載の医薬組成物を、癌患者に投与する工程を含む、患者内の癌を治療する方法。
実施例39に関しては、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩を含有する任意の医薬組成物は、実施形態26〜33の方法(および限定)に従って投与できるであろうと、さらに考えられる。
上記または下記で本明細書に参照、または引用されるすべての特許、特許出願、仮出願、および公報は、参照により、すべての図面および表を含むその全体が、本明細書の明示的な教示に相反しない程度に組み込まれる。
3−アルキルオキシ(3−アルケニルオキシ)−1,2−エポキシプロパン(2a〜c)を合成する基本手順
乾燥テトラヒドロフラン(THF)20mL中アルコール1a〜cの10mmolの溶液を、窒素下で、ナトリウム水和物10mmolの撹拌懸濁液(60%油性懸濁液、あらかじめヘキサンで洗浄)に5〜10℃で加え、混合物を室温で0.5時間撹拌した。エピクロロヒドリン(20mmol)をこの混合物に加え、次に、3〜9時間還流しながら加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物を氷水で処理した。生成物を酢酸エチル(3×35mL)で抽出し、CHCl3−ヘキサン(1:2)を使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、純粋な2a〜cをそれぞれ、64%、47%、および54%の収率で得た。
2a:無色のオイル、1H NMR δ(300MHz,CDCl3,Me4Si)5.35(t,J=5.0Hz,2H)、3.71(dd,J=11.4,3.0Hz,1H)、3.55〜3.42(m,2H)、3.39(dd,J=11.5,5.9Hz,1H)、3.18〜3.12(m,1H)、2.82〜2.78(m,1H)、2.61(dd,J=5.1,2.7Hz,1H)、2.04〜1.98(m,4H)、1.63〜1.54(m,2H)、1.29〜1.27(m,22H)、0.88(t,J=6.5Hz,3H);13C NMR δ(75MHz,CDCl3,Me4Si)129.9、129.8、71.7、71.4、50.9、44.3、31.9、29.8、29.7、29.67、29.5、29.46、29.4、29.3、29.2、27.2、26.0、22.7、14.1。
2b:無色の微結晶、mp 27〜28℃、1H NMR δ(300MHz,CDCl3,Me4Si)3.71(dd,J=11.4,3.2Hz,1H)、3.55〜3.42(m,2H)、3.38(dd,J=11.5,5.8Hz,1H)3.18〜3.13(m,1H)、2.82〜2.79(m,1H)、2.61(dd,J=4.9,2.6Hz,1H)、1.64〜1.54(m,2H)、1.28〜1.23(m,26H)、0.88(t,J=6.5Hz,3H);13C NMR δ(75MHz,CDCl3,Me4Si)71.7、71.5、50.9、44.4、31.9、29.7、29.65、29.59 29.46、29.36、26.1、22.7、14.1。
2c:無色のオイル、1H NMR δ(300MHz,CDCl3,Me4Si)3.71(dd,J=11.5,3.2Hz,1H)、3.55〜3.42(m,2H)、3.38(dd,J=11.5,5.8Hz,1H)、3.18〜3.12(m,1H)、2.81〜2.78(m,1H)、2.61(dd,J=4.9,2.6Hz,1H)、1.63〜1.54(m,2H)、1.36〜1.27(m,10H)、0.88(t,J=6.5Hz,3H);13C NMR δ(75MHz,CDCl3,Me4Si)71.7、71.4、50.8、44.3、31.8、29.6、29.4、29.2、26.0、22.6、14.0。
1−アルキルオキシ(1−アルケニルオキシ)−3−イソプロピルアミノ−プロパン−2−オレ(3a〜c)を合成する基本手順
オキシラン(2a〜c)4mmolとイソプロピルアミン32mmolの2−プロパノール40mL中溶液を、45〜55℃で7〜15時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を再結晶またはクロマトグラフィーによって精製し、純粋な3a〜cをそれぞれ、83%、86%、および89%の収率で得た。
3a:無色のオイル、1H NMR δ(300MHz,CDCl3,Me4Si)5.35(t,J=5.2Hz,2H)、3.86〜3.78(m,1H)、3.48〜3.37(m,4H)、2.83〜2.72(m,2H)、2.59(dd,J=11.9,8.0Hz,1H)、2.37(br s,1H)、2.04〜1.98(m,4H)、1.62〜1.53(m,2H)、1.36〜1.27(m,22H)、1.07(d,J=6.2Hz,6H)、0.88(t,J=6.3Hz,3H);13C NMR δ(75MHz,CDCl3,Me4Si)129.9、129.8、73.5、71.6、69.0、49.6、48.8、31.9、29.7、29.6、29.48、29.46、29.4、29.3、29.2、27.2、26.1、23.0 22.9、22.6、14.1。
3b:無色の微結晶、mp 55〜57℃。1H NMR δ(300MHz,CDCl3,Me4Si)3.85〜3.77(m,1H)、3.49〜3.37(m,4H)、2.83〜2.70(m,2H)、2.59(dd,J=11.9,7.8Hz,1H)、1.62〜1.53(m,2H)、1.27〜1.24(m,26H)、1.06(d,J=6.0Hz,6H)、0.88(t,J=6.2Hz,3H);13C NMR δ(75MHz,CDCl3,Me4Si)73.5、71.7、69.1、49.6、48.8、31.9、29.7、29.6、29.5、29.4、26.1、23.1、23.0、22.7、14.1。
3c:無色のオイル、1H NMR δ(300MHz,CDCl3,Me4Si)3.87〜3.79(m,1H)、3.47〜3.37(m,4H)、2.83〜2.71(m,2H)、2.58(dd,J=12.0,8.1Hz,1H)、1.62〜1.53(m,2H)、1.29〜1.27(m,10H)、1.06(d,J=6.2Hz,6H)、0.88(t,J=6.5Hz,3H);13C NMR δ(75MHz,CDCl3,Me4Si)73.6、71.6、68.9、49.7、48.7、31.7、29.5、29.3、29.2、26.0、22.9、22.6、14.0。
1−アルキルオキシ(1−アルケニルオキシ)−3−イソプロピルアミノ−プロパン−2−オール塩酸塩(4a〜c)を合成する基本手順
1−アルキルオキシ(1−アルケニルオキシ)−3−イソプロピルアミノ−プロパン−2−オール(3a〜c)(2mmol)をエーテル(35mL)中に溶解し、5〜10℃で撹拌しながら、塩酸(4mmol、エーテル中2M溶液)を滴下によって加えた。反応混合物をさらに0.5時間撹拌した。固形物をろ過してエーテルで洗浄(4bの場合)、または溶媒を減圧下で反応混合物から蒸発させ(4a、cの場合)、純粋な塩酸塩をそれぞれ、90%、95%、および94%の収率で得た。
4a:褐色をおびた微結晶、mp 37〜38℃、1H NMR δ(300MHz,DMSO−d6,Me4Si)8.96(br s,1H)、8.52(br s,1H)、5.34(t,J=4.8Hz,2H)、4.02〜3.74(m,1H)、3.42〜3.28(m,5H)、3.01〜2.94(m,1H)、2.83〜2.74(m,1H)、2.02〜1.95(m,4H)、1.53〜1.45(m,2H)、1.32〜1.22(m,28H)、0.86(t,J=6.0Hz,3H);13C NMR δ(75MHz,DMSO,Me4Si)129.6、72.4、70.7、65.5、49.7、47.1、31.3、29.13、29.08、28.92、28.8、28.7、28.62、28.58、26.59、26.55、25.6、22.1、18.6、18.1、13.9。
4b:バラ色微細結晶、mpは75〜77℃、
4c:黄色油。
予備研究では、塩酸イソプロピルアミノプロパノール(AIP)からのヘキサデシルオキシ誘導体、オクタデセニルオキシ誘導体、およびオクチルオキシ誘導体は、培養物中のヒト肝細胞癌細胞株HUH−7の増殖/生存を効果的に阻止していることが見出された(図6A〜C)。対照的に、AIPSは、すべての腫瘍細胞(図7A〜C)を殺滅するのに有効な濃度(50μM)では、初代ラット肝細胞に有意な影響を及ぼしていないことが見出された。その上、肝臓病変を示していない提供者(ADMET Technologies)から入手したヒト初代肝細胞、ヘキサデシルオキシ類似体、およびオクタデセニルオキシ類似体は、20μMでは有意な細胞毒性効果が発生せず、50μMでは適度な効果があった(図8A〜C)。また、20〜50μMでは、すべてのHUH−7肝細胞癌細胞が、MTS検査および顕微鏡法のデータによると、死滅した。これは、残存正常幹細胞に対して無毒または毒性が低い治療介入の可能性につながるものだった。同様の結果は、乳癌細胞株(図9A〜D)、ヒトおよびイヌの骨肉腫細胞株(それぞれは、図10A〜Fおよび図11A〜D)に対しても観察された。

Claims (39)

  1. 下式を有する化合物、または薬学的に許容されるその塩
    式中、R1はC1−C30脂肪族であり、
    2はC1−C30脂肪族であり、
    mおよびnは、独立して0〜3であり、かつ
    存在する各置換基R3は独立して、0個または1個以上の水素原子に加えて1個から10個の非水素原子からなる。
  2. 1は、
    (i)環状部を含まない、または
    (ii)1つの環状部を含む、または
    (iii)2つの環状部を含む、または
    (iv)3つの環状部を含む、または
    (v)4つ以上の環状部を含む、
    請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  3. 1は、
    (i)分岐部位を含まない、または
    (ii)1個の分岐部位を含む、または
    (iii)2個の分岐部位を含む、または
    (iv)3個の分岐部位を含む、または
    (v)4個の分岐部位を含む、または
    (vi)5個の分岐部位を含む、または
    (vii)6個の分岐部位を含む、または
    (viii)7個の分岐部位を含む、または
    (ix)8個の分岐部位を含む、または
    (x)9個以上の分岐部位を含む、
    請求項1または2のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  4. 1は、
    (i)炭素−炭素二重結合を含まない、または
    (ii)1個の炭素−炭素二重結合を含む、または
    (iii)2個の炭素−炭素二重結合を含む、または
    (iv)3個の炭素−炭素二重結合を含む、または
    (v)4個の炭素−炭素二重結合を含む、または
    (vi)5個の炭素−炭素二重結合を含む、または
    (vii)6個の炭素−炭素二重結合を含む、または
    (viii)7個の炭素−炭素二重結合を含む、または
    (ix)8個の炭素−炭素二重結合を含む、または
    (x)9個以上の炭素−炭素二重結合を含む、
    請求項1から3のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  5. 1は、
    (i)炭素−炭素三重結合を含まない、または
    (ii)1個の炭素−炭素三重結合を含む、または
    (iii)2個の炭素−炭素三重結合を含む、または
    (iv)3個の炭素−炭素三重結合を含む、または
    (v)4個の炭素−炭素三重結合を含む、または
    (vi)5個の炭素−炭素三重結合を含む、または
    (vii)6個の炭素−炭素三重結合を含む、または
    (viii)7個の炭素−炭素三重結合を含む、または
    (ix)8個の炭素−炭素三重結合を含む、または
    (x)9個以上の炭素−炭素三重結合を含む、
    請求項1から4のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  6. 1は、
    (i)C1脂肪族である、または
    (ii)C2脂肪族である、または
    (iii)C3脂肪族である、または
    (iv)C4脂肪族である、または
    (v)C5脂肪族である、または
    (vi)C6脂肪族である、または
    (vii)C7脂肪族である、または
    (viii)C8脂肪族である、または
    (ix)C9脂肪族である、または
    (x)C10脂肪族である、または
    (xi)C11脂肪族である、または
    (xii)C12脂肪族である、または
    (xiii)C13脂肪族である、または
    (xiv)C14脂肪族である、または
    (xv)C15脂肪族である、または
    (xvi)C16脂肪族である、または
    (xvii)C17脂肪族である、または
    (xviii)C18脂肪族である、または
    (xix)C19脂肪族である、または
    (xx)C20脂肪族である、または
    (xxi)C21脂肪族である、または
    (xxii)C22脂肪族である、または
    (xxiii)C23脂肪族である、または
    (xxiv)C24脂肪族である、または
    (xxv)C25脂肪族である、または
    (xxvi)C26脂肪族である、または
    (xxvii)C27脂肪族である、または
    (xxviii)C28脂肪族である、または
    (xxix)C29脂肪族である、または
    (xxx)C30脂肪族である、
    請求項1から5のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  7. 2は、
    (i)環状部を含まない、または
    (ii)1つの環状部を含む、または
    (iii)2つの環状部を含む、または
    (iv)3つの環状部を含む、または
    (v)4つ以上の環状部を含む、
    請求項1から6のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  8. 2は、
    (i)分岐部位を含まない、または
    (ii)1個の分岐部位を含む、または
    (iii)2個の分岐部位を含む、または
    (iv)3個の分岐部位を含む、または
    (v)4個の分岐部位を含む、または
    (vi)5個の分岐部位を含む、または
    (vii)6個の分岐部位を含む、または
    (viii)7個の分岐部位を含む、または
    (ix)8個の分岐部位を含む、または
    (x)9個以上の分岐部位を含む、
    請求項1から7のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  9. 2は、
    (i)炭素−炭素二重結合を含まない、または
    (ii)1個の炭素−炭素二重結合を含む、または
    (iii)2個の炭素−炭素二重結合を含む、または
    (iv)3個の炭素−炭素二重結合を含む、または
    (v)4個の炭素−炭素二重結合を含む、または
    (vi)5個の炭素−炭素二重結合を含む、または
    (vii)6個の炭素−炭素二重結合を含む、または
    (viii)7個の炭素−炭素二重結合を含む、または
    (ix)8個の炭素−炭素二重結合を含む、または
    (x)9個以上の炭素−炭素二重結合を含む、
    請求項1から8のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  10. 2は、
    (i)炭素−炭素三重結合を含まない、または
    (ii)1個の炭素−炭素三重結合を含む、または
    (iii)2個の炭素−炭素三重結合を含む、または
    (iv)3個の炭素−炭素三重結合を含む、または
    (v)4個の炭素−炭素三重結合を含む、または
    (vi)5個の炭素−炭素三重結合を含む、または
    (vii)6個の炭素−炭素三重結合を含む、または
    (viii)7個の炭素−炭素三重結合を含む、または
    (ix)8個の炭素−炭素三重結合を含む、または
    (x)9個以上の炭素−炭素三重結合を含む、
    請求項1から9のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  11. 2は、
    (i)C1脂肪族である、または
    (ii)C2脂肪族である、または
    (iii)C3脂肪族である、または
    (iv)C4脂肪族である、または
    (v)C5脂肪族である、または
    (vi)C6脂肪族である、または
    (vii)C7脂肪族である、または
    (viii)C8脂肪族である、または
    (ix)C9脂肪族である、または
    (x)C10脂肪族である、または
    (xi)C11脂肪族である、または
    (xii)C12脂肪族である、または
    (xiii)C13脂肪族である、または
    (xiv)C14脂肪族である、または
    (xv)C15脂肪族である、または
    (xvi)C16脂肪族である、または
    (xvii)C17脂肪族である、または
    (xviii)C18脂肪族である、または
    (xix)C19脂肪族である、または
    (xx)C20脂肪族である、または
    (xxi)C21脂肪族である、または
    (xxii)C22脂肪族である、または
    (xxiii)C23脂肪族である、または
    (xxiv)C24脂肪族である、または
    (xxv)C25脂肪族である、または
    (xxvi)C26脂肪族である、または
    (xxvii)C27脂肪族である、または
    (xxviii)C28脂肪族である、または
    (xxix)C29脂肪族である、または
    (xxx)C30脂肪族である、
    請求項1から10のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  12. mは、
    (i)0である、または
    (ii)1である、または
    (iii)2である、または
    (iv)3である、
    請求項1から11のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  13. 1上に置換された任意のR3は、
    (i)非水素原子を最大で1個含む、または
    (ii)非水素原子を最大で2個含む、または
    (iii)非水素原子を最大で3個含む、または
    (iv)非水素原子を最大で4個含む、または
    (v)非水素原子を最大で5個含む、または
    (vi)非水素原子を最大で6個含む、または
    (vii)非水素原子を最大で7個含む、または
    (viii)非水素原子を最大で8個含む、または
    (ix)非水素原子を最大で9個含む、または
    (x)非水素原子を最大で10個含む、
    請求項1から12のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  14. nは、
    (i)0である、または
    (ii)1である、または
    (iii)2である、または
    (iv)3である、
    請求項1から13のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  15. 2上に置換された任意のR3は、
    (i)非水素原子を最大で1個含む、または
    (ii)非水素原子を最大で2個含む、または
    (iii)非水素原子を最大で3個含む、または
    (iv)非水素原子を最大で4個含む、または
    (v)非水素原子を最大で5個含む、または
    (vi)非水素原子を最大で6個含む、または
    (vii)非水素原子を最大で7個含む、または
    (viii)非水素原子を最大で8個含む、または
    (ix)非水素原子を最大で9個含む、または
    (x)非水素原子を最大で10個含む、
    請求項1から14のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  16. 1上に置換された任意のR3に関して、
    (i)各非水素原子は、ハロゲン、C、N、O、P、もしくはSである、または
    (ii)各非水素原子は、ハロゲン、C、N、O、もしくはPである、または
    (iii)各非水素原は、ハロゲン、C、N、O、もしくはSである、または
    (iv)各非水素原子は、ハロゲン、C、N、P、もしくはSである、または
    (v)各非水素原子は、ハロゲン、C、O、P、もしくはSである、または
    (vi)各非水素原子は、ハロゲン、N、O、P、もしくはSである、または
    (vii)各非水素原子は、C、N、O、P、もしくはSである、
    請求項1から15のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  17. 2上に置換された任意のR3に関して、
    (i)各非水素原子は、ハロゲン、C、N、O、P、もしくはSである、または
    (ii)各非水素原子は、ハロゲン、C、N、O、もしくはPである、または
    (iii)各非水素原子は、ハロゲン、C、N、O、もしくはSである、または
    (iv)各非水素原子は、ハロゲン、C、N、P、もしくはSである、または
    (v)各非水素原子は、ハロゲン、C、O、P、もしくはSである、または
    (vi)各非水素原子は、ハロゲン、N、O、P、もしくはSである、または
    (vii)各非水素原子は、C、N、O、P、もしくはSである、
    請求項1から16のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  18. 1上に置換されたR3は、アリール基を含んでいない、請求項1から17のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  19. 1上に置換されたR3は、ヘテロアリール基を含まない、請求項1から18のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  20. 2上に置換されたR3は、アリール基を含まない、請求項1から19のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  21. 2上に置換されたR3は、ヘテロアリール基を含まない、請求項1から20のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  22. 1は、ヘキサデセニル、ヘキサデシル、またはオクチルであり、R2はイソプロピルであり、かつR1とR2はいずれも、任意の置換基R3で置換されない、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  23. 前記化合物が、
    である、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  24. 前記化合物が、
    である、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  25. 前記化合物が、
    またはそのシス異性体である、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  26. 請求項1から25のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を癌患者に投与する工程を含む、患者内の癌を治療する方法。
  27. LPL−GPCRアンタゴニストを癌患者に投与する工程を含む、患者内の癌を治療する方法。
  28. 前記アンタゴニストは、G2A、GPR4、またはORG−1のアンタゴニストアンタゴニストである、請求項27に記載の方法。
  29. 前記患者が、1つまたは複数のLPL−GPCRにおけるシグナル伝達の調節により治療可能な癌に罹患している特定する工程をさらに含む、請求項26から28のいずれかに記載の方法。
  30. 前記癌は、哺乳類の肝細胞癌、骨肉腫、乳癌、結腸癌、または卵巣癌である、請求項26から29のいずれかに記載の方法。
  31. 前記投与する工程は、少なくとも一部は、癌細胞の増殖を阻害する目的で行われる、請求項26から30のいずれかに記載の方法。
  32. 前記患者が、腫瘍に罹患して、前記化合物、または薬学的に許容されるその塩が、腫瘍の成長を阻害する、請求項26から31のいずれかに記載の方法。
  33. 前記投与経路は、局所、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、経口、鼻腔内、または吸入である、請求項26から32のいずれかに記載の方法。
  34. 請求項1から25のいずれかに記載の前記化合物、もしくは薬学的に許容されるその塩、ならびに薬学的に許容される担体、補助剤、希釈剤、または賦形剤を含む、医薬組成物。
  35. 免疫調節剤、抗酸化剤、フリーラジカル捕捉剤、ペプチド、増殖因子、抗生物質、静菌剤、免疫抑制剤、抗凝血剤、緩衝剤、抗炎症剤、解熱剤、徐放性結合剤、麻酔剤、ステロイド剤、または副腎皮質ステロイド剤をさらに含む、請求項34に記載の医薬組成物。
  36. 前記化合物または薬学的に許容されるその塩が、治療に有効な濃度で存在する、請求項34または35のいずれかに記載の医薬組成物。
  37. 前記化合物または薬学的に許容されるその塩に加えて、第2の活性薬剤成分(API)をさらに含む、請求項34から36のいずれかに記載の医薬組成物。
  38. 前記第2のAPIが抗癌剤である、請求項37に記載の医薬組成物。
  39. 請求項34から38のいずれかに記載の医薬組成物を、癌患者に投与する工程を含む、患者の癌を治療する方法。
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