JPH11346724A - 冷凍すり身及び水産練り製品の品質改良剤 - Google Patents

冷凍すり身及び水産練り製品の品質改良剤

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JPH11346724A
JPH11346724A JP10194913A JP19491398A JPH11346724A JP H11346724 A JPH11346724 A JP H11346724A JP 10194913 A JP10194913 A JP 10194913A JP 19491398 A JP19491398 A JP 19491398A JP H11346724 A JPH11346724 A JP H11346724A
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JP
Japan
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improving agent
surimi
fatty acid
frozen
acid ester
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JP10194913A
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Makoto Mishiro
誠 三代
Mitsuhiro Sakamoto
光宏 阪本
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Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 粒子径が500μm以下の粉末状であり、か
つ、HLB10以上の親水性ポリグリセリン脂肪酸エス
テルを有効成分とすることを特徴とする冷凍すり身及び
水産練り製品の品質改良剤。 【効果】 本発明の粒子径が500μm以下の粉末状で
あり、かつ、HLB10以上の親水性ポリグリセリン脂
肪酸エステルを有効成分とする品質改良剤を予めすり身
に粉末状態で添加することで、弾力と白度の良好な高品
質の水産練り製品が提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は蒲鉾等の水産練り製品、
その原料である冷凍すり身の品質改良剤に関する。更に
詳しくは、水産練り製品に良好な弾力と白度を付与する
品質改良剤に関する。
【0002】
【従来の技術】蒲鉾等の水産練り製品の品質評価項目に
おいて、白度と弾力(あし)が最も重要視されている。
その白度及び弾力の優れた水産練り製品を製造するに
は、鮮度の良い白身の魚から得られた上質のすり身を用
いることが好ましい。現在、すり身の原料となる白身の
魚は鮮度を保持するために、冷凍すり身に加工するのが
一般的である。従って、水産練り製品の殆どはこの冷凍
すり身から製造されている。しかし、冷凍すり身の主原
料となるスケソウダラは漁獲時期が限定されているた
め、最大1年近く保存しなければならならず、冷凍保存
時に蛋白質が変性してしまい、白度と弾力が劣った水産
練り製品しか得られていない。また、最近は漁場の制限
縮少、魚類資源の減少等によって、鮮度の良い良質の冷
凍すり身用の魚類の漁獲が次第に困難になってきてい
る。そこで、この原料不足を補うために、冷凍すり身の
製造時に歩留まりを高めるように処理すると水産練り製
品の白度が低下してしまう。更に、冷凍すり身の原料と
して不向きな白身とはいえない魚種まで使用される傾向
にあるが、この場合も水産練り製品の白度低下が問題と
なる。
【0003】このように、鮮度の良い上質のすり身の原
料となる漁獲が困難な状況下において、白度及び弾力の
優れた水産練り製品を製造するため、いくつかの手段が
提案されている。白度を改善する方法については数多く
の事例が公知になっており、それらの多くは、白度を改
善すると共に弾力の低下を防止又は弾力を増強する方法
と紹介されている。白度と共に弾力を改善する方法とし
て提案されているものは、常法により得られた脱水魚肉
に糖及び/又は糖アルコールと共にグリセリンモノ脂肪
酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルやショ糖脂
肪酸エステル等の界面活性剤を使用する方法等がある。
一方、弾力のみを改善する方法も数多く提案されてお
り、例えば、改質卵白や卵白を加える方法等がある。
【0004】糖及び/又は糖アルコールと共に界面活性
剤を使用する方法では、一般的に両者を粉末化して使用
する。しかし、使用する界面活性剤がグリセリンモノ脂
肪酸エステルに代表される親油性のものでは界面活性能
が弱く、効果が十分でない。親水性であるショ糖脂肪酸
エステルでは食塩の存在下においては充分な界面活性を
発揮できないため、効果が微弱なものである。また、ポ
リグリセリン脂肪酸エステルは糖及び/又は糖アルコー
ルと混合しても、すり身と相溶性の良い均一な粉末は得
られない。従って、すり身に充分な界面活性能を付与で
きないため、満足な改善効果が得られない。これら上記
の方法では、効果が微弱なものであり、白度の改善が満
足できるものであっても弾力の改善については満足でき
るものが殆どない。また、弾力のみを改善する方法とし
て提案されている卵白等を使用する方法では、満足な改
善効果が得られる程度の量を添加すれば、味や香りにも
影響が出るため好ましくない。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】従って、本発明の目
的は、水産練り製品に良好な弾力と白度を付与する品質
改良剤を提供することにある。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明者等は、前述の水
産練り製品及び冷凍すり身の品質を改良する界面活性剤
のうち、ポリグリセリン脂肪酸エステルに着目し、その
使用を鋭意検討した。その結果、粒子径が500μm以
下の粉末状であり、かつ、HLB10以上の親水性ポリ
グリセリン脂肪酸エステルが、魚肉蛋白質の凍結変性防
止効果、澱粉との複合体形成能において優れ、予めすり
身に添加し冷凍すり身を調製すれば、冷凍すり身に弾力
形成保持効果と白度改善効果を付与し、また、更に通常
のすり身に添加すれば、水産練り製品に良好な弾力と白
度を付与することを見い出し本発明を完成した。
【0007】本発明によれば、粒子径が500μm以下
の粉末状であり、かつ、HLB10以上の親水性ポリグ
リセリン脂肪酸エステルを有効成分とする冷凍すり身及
び水産練り製品の品質改良剤が提供される。
【0008】本発明によれば、前記品質改良剤を予め粉
末状態で混合し、凍結することを特徴とする冷凍すり身
が提供される。
【0009】本発明によれば、前記品質改良剤をすり身
に粉末状態で混合し、常法により製造することを特徴と
する水産練り製品が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の冷凍すり身及び水
産練り製品の品質改良剤について詳述する。
【0011】本発明は、粒子径が500μm以下の粉末
状であり、かつ、HLB10以上の親水性ポリグリセリ
ン脂肪酸エステルを有効成分とすることを特徴とする冷
凍すり身及び水産練り製品の品質改良剤である。
【0012】本発明の品質改良剤に使用される親水性ポ
リグリセリン脂肪酸エステルは、粉末状であり、予め固
体である必要がある。一般的にポリグリセリン脂肪酸エ
ステルはポリグリセリンと脂肪酸がエステル化したもの
で、使用する脂肪酸の種類によって液体並びに固体の形
状を取る。従って、本発明のポリグリセリン脂肪酸エス
テルは、使用する主構成脂肪酸は、炭素数16以上のパ
ルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘニン酸等
の飽和脂肪酸から選ばれる2種以上が良い。また、固体
の形状を取ることができるのであれば、適宜オレイン酸
等の液体の不飽和脂肪酸やミリスチン酸等の炭素数14
以下の脂肪酸を使用しても良い。
【0013】本発明の品質改良剤の有効成分となる親水
性ポリグリセリン脂肪酸エステルは、水酸基価から算出
した平均重合度2〜15、好ましくは4〜10のポリグ
リセリンを使用する。
【0014】本発明の品質改良剤の有効成分となる親水
性ポリグリセリン脂肪酸エステルは、エステルのケン化
価と使用した脂肪酸の中和価から算出したHLBが10
以上の親水性乳化剤である。HLB10以上のポリグリ
セリン脂肪酸エステルは水溶性が高く、O/W乳化能に
代表される優れた界面活性能を有し、HLB10未満の
ポリグリセリン脂肪酸エステルは水産練り製品に含まれ
る魚肉蛋白質、油脂、澱粉等との親和性が低いため好ま
しくない。
【0015】本発明の品質改良剤の有効成分となる親水
性ポリグリセリン脂肪酸エステルは、粒子径が500μ
m以下の粉末である。粒子径が500μm以下であれ
ば、冷凍すり身へ均一に分散でき、均一に界面活性能を
付与できるが、500μmを超えると粒子径が大きいた
め、界面活性能に偏りができ好ましくない。また、その
粉末化方法としては、凍結粉砕、冷却粉砕等の粉砕によ
る方法、溶剤を使用した再結晶による方法、噴霧乾燥に
よる方法など様々な方法があるが、粒子径が500μm
以下の粉末になれば何れの方法でも構わない。
【0016】本発明の品質改良剤において、有効成分と
なる親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルの割合は80
%以上が好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステル以外
の成分として20%未満であれば、無水結晶マルトース
等の糖及び/又は糖アルコール、澱粉並びにその分解
物、カゼインソーダ、結晶セルロース等の粉末化基材を
使用しても良い。ただし、20%以上であれば親水性ポ
リグリセリン脂肪酸エステルの効果が十分に発揮できな
いため好ましくない。
【0017】本発明の品質改良剤の冷凍すり身に対する
添加量はポリグリセリン脂肪酸エステルにとして、0.
01〜3.0%であり、好ましくは0.02〜0.3%
である。有効成分の量が0.01%を未満であると効果
が充分でなく、3%を越えるとすり身の弾力形成効果が
低下し、水産練り製品の品質に悪影響を及ぼす。
【0018】本発明の品質改良剤は予め水や食用油脂に
分散・溶解し、冷凍すり身に添加しても使用できるが、
粉末状態で冷凍すり身に混合すれば、冷凍すり身中の魚
肉蛋白等との親和性が向上し、少量の添加で改質効果が
発揮できる。また、粉末状態であるため、他の冷凍すり
身用添加物である例えば、リン酸塩、クエン酸並びにリ
ンゴ酸等の有機酸の塩、アルカリ金属の炭酸塩等と予め
混合しておけば冷凍すり身の製造時の添加操作は一回で
済み、簡便化が計れる。
【0019】本発明の品質改良剤は魚肉中の蛋白質、油
脂に作用するため、従来、冷凍すり身に使用されていた
グジ、スケソウダラ等の白身の魚種のみでなく、さまざ
まな魚種のすり身においても効果がある。また同様に、
すり身自体の弾力形成能と白度を高めるため、水産練り
製品の製造時に添加しても効果がある。
【0020】本発明の水産練り製品は、蒲鉾、竹輪、ケ
ーシング蒲鉾、カニ蒲鉾等が挙げられ、すり身と品質改
良剤以外に、澱粉、食塩、調味料、防腐剤、卵白、色素
等を成分とする。また、更に食感を向上させるために、
ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レ
シチン等の食品用乳化剤、カラギーナン、ペクチン、グ
アーガム等の増粘安定剤、カゼイン、グルテン等の可食
性蛋白質を併用しても良い。
【0021】本発明の水産練り製品の製造法はその種類
によって多少異なるが、基本的に以下の通りである。ま
ず魚肉からすり身を調製し、澱粉並びに食塩を加え練り
上げることによって塩ずりを施す。続いて、成型した
後、加熱することによって製造する。
【0022】
【実施例】以下に実施例を挙げて詳述するが、その要旨
を超えない限りこれらの実施例によって限定されるもの
ではない。
【0023】実施例1:鮮度良好なスケソウダラすり身
100部にデカグリセリンジステアレート粉末(HLB
11、粒子径150μm以下)0.2部、ショ糖4部、
ポリリン酸ナトリウム0.1部、ピロリン酸ナトリウム
0.1部を添加して、15分間らいかいした。らいかい
後、すり身を−30℃で一晩凍結し、冷凍すり身とし
た。
【0024】比較例1:実施例1においてデカグリセリ
ンジステアレート粉末を使用せず冷凍すり身を製造し
た。
【0025】比較例2:実施例1において、デカグリセ
リンジステアレート粉末0.2部の代わりにショ糖モノ
ステアレート0.2部を使用して冷凍すり身を製造し
た。
【0026】比較例3:実施例1において、デカグリセ
リンジステアレート粉末0.2部の代わりにグリセリン
モノステアレート0.2部を使用して冷凍すり身を製造
した。
【0027】実施例1及び、比較例1〜3にて得られた
冷凍すり身を−30℃で1日、3カ月保存した後、一晩
冷蔵庫(5℃)で自然解凍した。解凍後、すり身の品温
が上昇しないようにらいかいした。このすり身2kgを
小型サイレント・カッターに入れ、すり身に対して食塩
3%、馬鈴薯澱粉5%添加し13分間練り上げ、折径4
8mmのポリオキシエチレン/塩化ビニリデン製フィル
ムに充填、結さくした後、90℃の熱湯中で30分間加
熱して蒲鉾を製造した。製造した蒲鉾について、ハンタ
ー白度及び蒲鉾の弾力を調べた。結果は表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1の結果から、本発明の品質改良剤を使
用したものは、比較例に比べて白度、弾力に優れてお
り、凍結保存の期間が長い場合においても白度、弾力の
良好な水産練り製品が得られた。
【0030】
【発明の効果】従って、本発明の粒子径が500μm以
下の粉末状であり、かつ、HLB10以上の親水性ポリ
グリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする品質改良剤
をすり身に添加することにより、すり身の弾力形成能及
び白度が向上し、弾力及び白度の良好な高品質の水産練
り製品が製造可能となる。更に蛋白質の凍結変性を防止
するため、長期の冷凍保存を行なっても弾力形成能及び
白度を損なわず、高品質の水産練り製品が製造可能な冷
凍すり身が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子径が500μm以下の粉末状であ
    り、かつ、HLB10以上の親水性ポリグリセリン脂肪
    酸エステルを有効成分とすることを特徴とする冷凍すり
    身及び水産練り製品の品質改良剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の品質改良剤を予め粉末状
    態で添加し、凍結することを特徴とする冷凍すり身。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の品質改良剤をすり身に粉
    末状態で添加し、常法により製造することを特徴とする
    水産練り製品。
JP10194913A 1998-06-05 1998-06-05 冷凍すり身及び水産練り製品の品質改良剤 Pending JPH11346724A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010110260A (ja) * 2008-11-06 2010-05-20 Kibun Foods Inc 絹がんもおよびその製造方法
CN114747740A (zh) * 2022-03-31 2022-07-15 泉州师范学院 一种马鲛鱼鱼糜制品及其制备方法

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